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明細書 :細線導波路付2次元フォトニック結晶

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4146201号 (P4146201)
公開番号 特開2004-109269 (P2004-109269A)
登録日 平成20年6月27日(2008.6.27)
発行日 平成20年9月10日(2008.9.10)
公開日 平成16年4月8日(2004.4.8)
発明の名称または考案の名称 細線導波路付2次元フォトニック結晶
国際特許分類 G02B   6/12        (2006.01)
FI G02B 6/12 Z
G02B 6/12 F
請求項の数または発明の数 4
全頁数 10
出願番号 特願2002-269253 (P2002-269253)
出願日 平成14年9月13日(2002.9.13)
審査請求日 平成17年9月12日(2005.9.12)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504132272
【氏名又は名称】国立大学法人京都大学
発明者または考案者 【氏名】宮井 英次
【氏名】野田 進
個別代理人の代理人 【識別番号】100095670、【弁理士】、【氏名又は名称】小林 良平
審査官 【審査官】▲高▼ 芳徳
参考文献・文献 特開2000-314815(JP,A)
特開2001-356229(JP,A)
特表2004-510181(JP,A)
国際公開第02/025337(WO,A1)
特開平11-183744(JP,A)
特開2001-272555(JP,A)
特開2000-232258(JP,A)
特開2004-101740(JP,A)
特開2002-365453(JP,A)
特開2004-085851(JP,A)
特開2004-037580(JP,A)
A.Adibi et al.,Physical Review B,2001年 7月15日,Vol.64, No.3,33308-1~33308-4
宮井英次 他,2002年(平成14年)春季第49回応用物理学関係連合講演会講演予稿集 第3分冊,2002年 3月27日,p.1038(講演番号29p-L-5)
宮井英次 他,2002年(平成14年)秋季第63回応用物理学会学術講演会講演予稿集 第3分冊,2002年 9月24日,p.912(講演番号25p-YA-5)
調査した分野 G02B 6/00 - 6/43
G02F 1/00 - 7/00
H01S 3/00 - 5/50
JSTPlus(JDreamII)
JST7580(JDreamII)
特許請求の範囲 【請求項1】
a)何も設けない空間に上下両面が面し、所定の波長においてシングルモード状態である導波路を有する2次元フォトニック結晶と、
b)前記導波路と長手方向の一方の端面が接続される細線導波路本体と、
c)前記細線導波路本体よりも低く空気よりも高い屈折率を有し、前記細線導波路本体内を伝播する前記所定波長の光をシングルモード状態とするために前記細線導波路本体の側面のうち少なくとも一部に接するように設けられ、前記2次元フォトニック結晶には接しないクラッド部材と、
を備えることを特徴とする細線導波路付2次元フォトニック結晶。
【請求項2】
前記細線導波路の断面が矩形であることを特徴とする請求項1に記載の細線導波路付2次元フォトニック結晶。
【請求項3】
前記クラッド部材が細線導波路本体の1つの側面のみに接することを特徴とする請求項2に記載の細線導波路付2次元フォトニック結晶。
【請求項4】
前記細線導波路本体の材料がSiであり、前記クラッド部材の材料がSiO2であることを特徴とする請求項1~3のいずれかに記載の細線導波路付2次元フォトニック結晶。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、波長分割光多重通信等に用いられる2次元フォトニック結晶光分合波デバイス等に関する。特に、それらのデバイスと光ファイバ等のデバイス外部との光の授受を効率よく行うための導波路に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、新しい光デバイスとして、フォトニック結晶が注目されている。フォトニック結晶とは周期屈折率分布をもった機能材料であり、光や電磁波のエネルギーに対してバンド構造を形成する。特に、光や電磁波の伝播が不可能となるエネルギー領域(フォトニックバンドギャップ)が形成されることが特徴である。フォトニック結晶デバイスが適用される分野の1つに光多重通信がある。
【0003】
フォトニック結晶には、2次元結晶あるいは3次元結晶を用いることができる。両者にそれぞれ特長があるが、このうち2次元結晶は作製が比較的容易であるという点で有利である。
【0004】
フォトニック結晶中の屈折率分布に適切な欠陥を導入することにより、フォトニックバンドギャップ中にこの欠陥によるエネルギー準位(欠陥準位)が形成される。これによって、フォトニックバンドギャップ中のエネルギーに対応する波長範囲のうち、欠陥準位のエネルギーに対応する波長の光のみが存在可能になる。結晶中の上記欠陥を線状にすれば導波路となり、結晶中の欠陥を点状にすれば共振器となる。特許文献1には、三角格子状に円柱孔を配列することによって屈折率分布を設けた2次元フォトニック結晶において、この円柱孔を線状に欠損させることによって導波路を形成し([0025]、図1)、導波路近傍に点欠陥を形成する([0029]、図1)ことが記載されている。このような2次元フォトニック結晶は、導波路中を伝播する光のうち特定の波長の光を点欠陥から取り出す分波器や、特定の波長の光を点欠陥から導波路に導入する合波器として用いることができる。
【0005】
【特許文献1】
特開2001-272555号公報([0025]、[0029]、図1)
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
フォトニック結晶を用いた光デバイスが適用される典型的な分野である光多重通信においては、フォトニック結晶の導波路と光ファイバとの間で効率よく光を授受する必要がある。光多重通信に一般的に用いられる波長帯域(1.55μm付近)の光を透過する2次元フォトニック結晶導波路の幅(約0.4μm)は光ファイバのコアの直径(8~10μm)の1/20程度しかない。そのため、光ファイバの端部と2次元フォトニック結晶導波路の端部とを直接接続しても、両者の間で効率よく光を授受することはできない。
【0007】
そこで、光ファイバと2次元フォトニック結晶導波路とを結合するために、図1に示すように光ファイバのコア12と2次元フォトニック結晶導波路14との間に細線導波路11を介在させ、それにより、両者の間の光の透過率を向上させることが検討されている。細線導波路を導入する場合、光ファイバのコア12と細線導波路11との間の光の透過率、及び細線導波路11と2次元フォトニック結晶導波路14との間の光の透過率を共に高くすることが必要となる。非特許文献1では、後者の細線導波路-2次元フォトニック結晶導波路間の光の透過率を2次元数値解析により計算した結果、90%以上の透過率が得られたとしている。しかし、この文献においては2次元フォトニック結晶導波路及び細線導波路の厚さが無限大という仮定のもとで計算を行っている。そのため、厚さが有限である実際の系において必ずしも高い透過率が得られるとは限らない。
【0008】
【非特許文献1】
アディビ他4名, フィジカルレビュー,(米国), アメリカ物理学会発行, 2001年, 第B64巻, 033308(A. Adibi et al., Physical Review, Vol. B64, 033308)
【0009】
本発明はこのような課題を解決するために成されたものであり、その目的とするところは外部と2次元フォトニック結晶導波路との間で光を授受するためのインターフェイスであって、2次元フォトニック結晶導波路との間の光の透過率が高い細線導波路を有する細線導波路付2次元フォトニック結晶を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために成された本発明に係る細線導波路付2次元フォトニック結晶は、
a)何も設けない空間に上下両面が面し、所定の波長においてシングルモード状態である導波路を有する2次元フォトニック結晶と、
b)前記導波路と長手方向の一方の端面が接続される細線導波路本体と、
c)前記細線導波路本体よりも低く空気よりも高い屈折率を有し、前記細線導波路本体内を伝播する前記所定波長の光をシングルモード状態とするために前記細線導波路本体の側面のうち少なくとも一部に接するように設けられ、前記2次元フォトニック結晶には接しないクラッド部材と、
を備えることを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
まず、本発明に係る2次元フォトニック結晶用シングルモード細線導波路について説明する。細線導波路の本体は、導波方向に長く、導波方向に垂直な方向の断面が小さい形状を有する。断面形状としては矩形が典型的であるが、その他にも円形等の種々の形状を取り得る。細線導波路本体の長手方向の両端にある2つの面のうち、一方は2次元フォトニック結晶導波路との間で光の授受を行う面であり、他方は光ファイバ等の外部との間で光の授受を行う面である。
【0013】
細線導波路本体の材料には、接続する2次元フォトニック結晶のスラブ本体と同じ材料を用いることが望ましい。これにより、細線導波路と2次元フォトニック結晶との間の界面による反射等の影響を避けることができる。また、細線導波路本体とフォトニック結晶とを一体に作製することができる。そのような材料には、例えばSiやInGaAsP等がある。これらは、前記の光多重通信に一般的に用いられる1.55μm帯を導波路の透過帯域とする2次元フォトニック結晶に用いられるものである。
【0014】
この細線導波路の本体の側面のうち少なくとも一部に接するように、細線導波路の本体の屈折率よりも低く空気の屈折率よりも高い屈折率を有する材料からなるクラッド部材を設ける。なお、ここで側面の一部とは長手方向の一部を指すのではなく周方向の一部を指し、長手方向には全体に亘ってクラッド部材を設ける。クラッド部材の材料には、例えば細線導波路の材料をSiとする場合には、それよりも屈折率の低いSiO2を用いることができる。断面形状が矩形の場合は、4面の側面のうち1面がクラッド部材に接するようにする。細線導波路とフォトニック結晶導波路との間でシングルモード条件を満たしつつ光の透過率を高くするためには、クラッド部材を細線導波路の本体の1つの側面のみに設けることが望ましい。
【0015】
このクラッド部材を設けることにより、細線導波路本体内を伝播する光のモードを、2次元フォトニック結晶導波路を伝播する光と同様にシングルモードにすることができる。クラッド部材を設けなければ、細線導波路本体には2種類のモードの光が存在し得ることになり、そのうちの一方が2次元フォトニック結晶導波路に結合せず、効率が低下する。なお、ここで述べた光のモードについては、後に実施例を用いて詳しく説明する。
【0016】
本発明の細線導波路を接続する2次元フォトニック結晶の面の上下には何も設けず、空間としておく方が望ましい。2次元フォトニック結晶の上下いずれか(又は双方)の面に細線導波路と同様にクラッド部材を設けると、細線導波路にのみクラッド部材を設ける場合よりも、細線導波路本体から2次元フォトニック結晶の導波路へ、及び2次元フォトニック結晶の導波路から細線導波路本体への光の透過率が低下する。
【0017】
【発明の効果】
本発明のように細線導波路本体の側面のうち少なくとも一部にクラッド部材を設けることにより、2次元フォトニック結晶導波路との間において、本体のみの場合よりも、シングルモード条件を満たしつつ高い光の透過率を得ることができる。既に別途考案されている光ファイバ等の外部と細線導波路との間において高い光の透過率を得ることができる方策と、本発明の細線導波路とを組み合わせることにより、光ファイバ等の外部-2次元フォトニック結晶導波路間全体として高い光の透過率を得ることができる。
【0018】
【実施例】
(1)2次元フォトニック結晶用シングルモード細線導波路の実施例
2次元フォトニック結晶用シングルモード細線導波路の実施例を、図2を用いて説明する。このシングルモード細線導波路20は、Siから成る矩形断面の細線導波路本体21を有する。その長手方向の両端にある2つの面のうち、一方の端面221は2次元フォトニック結晶導波路25と接続する面であり、他方の端面222は光ファイバ等の外部と接続する面である。
【0019】
細線導波路本体21の4つの側面のうち1つの面に、SiO2から成るクラッド部材23を設ける。クラッド部材23は図2(a)に示すように細線導波路本体21の1つの側面を覆う部分のみ設けてもよい。また、(b)に示すように、クラッド部材23を基板としてその上に細線導波路本体21を設けてもよい。なお、ここでは細線導波路本体21とクラッド部材23とを合わせてシングルモード細線導波路20とする。
【0020】
図3に、本実施例のシングルモード細線導波路を2次元フォトニック結晶に接続したデバイスの一例を示す。まず、接続される2次元フォトニック結晶31には、例えば特許文献1に記載されたものを用いることができる。ここでは、スラブに設ける異屈折領域の周期的な配列を三角格子状とする。スラブの材料はSiとし、異屈折領域は円柱状の空孔32とする。空孔32を線状に1列分欠損させることにより、フォトニック結晶導波路33を形成する。フォトニック結晶導波路33は、少なくともその一方の端部が2次元フォトニック結晶31の端部まで達するようにする。なお、図3には図示していないが、前記のようにフォトニック結晶導波路33近傍に点欠陥を形成し、分波器や合波器とすることもできる。
【0021】
細線導波路本体21の一方の端部とフォトニック結晶導波路33の端部とを接続する。ここでは、細線導波路20には図2(b)に示すものを用いる。なお、細線導波路本体21と2次元フォトニック結晶31とを一体に製造し、その細線導波路本体21の部分をクラッド部材23上に載置してもよい。ここで、2次元フォトニック結晶31の上下には何も設けず、空間とする。2次元フォトニック結晶31は、例えば両側面を支持具で挟むことにより固定することができる。
【0022】
(2)本実施例及び比較例における光の透過率
以下では、図3に示す実施例の構成及び本発明以外の構成(比較例)において、細線導波路本体21とフォトニック結晶導波路33との間の光の透過率を3次元時間領域差分法(FDTD法)により求める。FDTD法は、マクスウェル方程式のうち時間に依存する回転方程式を直接解くことにより電磁界を計算するものである。この方法によれば、フォトニック結晶の厚さを有限の値とすることができるため、前記非特許文献1に記載の方法よりも実際の系に近い計算を行うことができる。
【0023】
この計算においては、細線導波路本体及びフォトニック結晶の屈折率を3.4(Siの屈折率)、クラッド部材の屈折率を1.46(SiO2の屈折率)、フォトニック結晶の異屈折領域(空孔)の周期aを0.42μm、空孔の半径を0.29a、スラブ及び細線導波路本体の厚さを0.6a、フォトニック結晶導波路の幅を1.152a(三角格子において半径0.29aの空孔を1列分欠損させた場合の幅)とした。
【0024】
(2-1)第1の比較例
まず、第1の比較例として、図4に示すクラッド部材を設けない細線導波路とフォトニック結晶導波路とを接合したデバイスについて検討する。細線導波路本体の幅は、フォトニック結晶導波路の幅と同じ1.152aとした。この場合の光の分散関係を図5に示す。ここで、横軸は波数ベクトルであり、縦軸は光の周波数にa/c(cは光速)を乗じて無次元とした規格化周波数である。例えば波長1.55μmの光の規格化周波数は、周期aが0.42μmであることから、0.27となる。図中の曲線51はフォトニック結晶導波路中における対称モードの光の分散関係、曲線52はフォトニック結晶導波路中における反対称モードの光の分散関係、曲線53は細線導波路本体中における対称モードの光の分散関係、曲線54は細線導波路本体中における反対称モードの光の分散関係を表す。曲線55は空気のライトラインである。このライトラインよりも図の上側の領域の周波数及び波数を持つ光は、導波路に接する空気の領域に光が漏れ出し光の伝播効率が低下する。そのため、ライトラインよりも図の下側の領域の周波数及び波数を持つ光を使用することが望ましい。
【0025】
光多重通信に用いる波長1.55μm帯に相当する規格化周波数0.268~0.280の範囲に注目する。図5より、このフォトニック結晶導波路は、この規格化周波数の範囲に対称モードの光のみが存在し得るシングルモード条件を満たす。一方、細線導波路は、同範囲に対称モードと反対称モードの双方の光が存在し得るマルチモード状態である。このため、シングルモード光ファイバから細線導波路に光を入射するとき、光ファイバの中心軸と細線導波路の中心軸とを完全に一致させない限り、細線導波路中に対称モードだけを励起することはできない。細線導波路中に反対称モードを励起してしまうとフォトニック結晶導波路中の対称モードと結合できず、反射が生じる。従って、光ファイバを含めた系全体での損失は大きくなる。
【0026】
(2-2)第2の比較例
第2の比較例として、図4に示すクラッド部材を設けない細線導波路とフォトニック結晶導波路とを接合したデバイスにおいて、細線導波路の幅を第1の比較例の場合よりも狭くする例について検討する。細線導波路の幅が狭くなるに従い、細線導波路において反対称モードの光の規格化周波数が大きくなり、それに伴ってその遮断周波数が大きくなる。このため、規格化周波数0.268~0.280の範囲内には反対称モードの光が存在し得なくなり、対称モードの光のみが存在し得るようになる。図6に、細線導波路の幅を0.65aとした場合の光の分散関係を示す。細線導波路が対称モードの光のみが存在し得るシングルモード条件を満たす。この場合の細線導波路とフォトニック結晶導波路との間の透過率を図7に示す。用いる周波数域内において、透過率はおおむね0.7前後である。
【0027】
(2-3)第3の比較例
第3の比較例として、図8に示すように、フォトニック結晶にも細線導波路と同じクラッド部材を設けたデバイスについて検討する。この場合、クラッド部材の存在によりフォトニック結晶導波路に存在し得る光の波長域が第1及び第2の比較例とは異なるため、フォトニック結晶導波路の幅を0.61aとする。第3の比較例における分散関係を図9に示す。ここで曲線56はクラッド部材のライトラインである。フォトニック結晶導波路及び細線導波路本体共に、対称モードの光のみが存在し得るシングルモード条件を満たす。この場合の細線導波路とフォトニック結晶導波路との間の透過率を図10に示す。透過率はおおむね0.6~0.7の範囲内である。
【0028】
(2-4)本実施例
図2に示した実施例である、細線導波路にクラッド部材を設けフォトニック結晶の上下を空間としたデバイスについて検討する。ここで、細線導波路本体の幅を0.97aとした。フォトニック結晶導波路の幅は前記の通り1.152aである。この場合の分散関係を図11に示す。規格化周波数0.268~0.280の範囲において、フォトニック結晶導波路及び細線導波路本体共に、対称モードの光のみが存在するシングルモード状態である。細線導波路とフォトニック結晶導波路との間の透過率を図12に示す。用いる周波数域内において、0.82~0.88の透過率が得られる。この透過率は前記第2及び第3の比較例よりも高い。
【0029】
(3)細線導波路本体とフォトニック結晶導波路との接合部の形状
本発明の細線導波路にクラッド部材を設けフォトニック結晶の上下を空間としたデバイスにおいて、細線導波路本体とフォトニック結晶導波路との間の透過率は、接合部における両者の形状にも依存する。例えば、図13に示した三角格子の2次元フォトニック結晶では、接合部近傍における空孔の配置は、接合部を含むフォトニック結晶の端面に最も近い空孔がフォトニック結晶導波路に次隣接の空孔の列に属するもの(図13(a))と、フォトニック結晶導波路に最隣接の空孔の列に属するもの(図13(b))を取り得る。この両者について透過率を計算した結果を図14(a)(図13(a)の空孔配置の場合)及び図14(b)(図13(b)の空孔配置の場合)に示す。ここでxは、図13に示すように、フォトニック結晶の端面とそれに最も近い空孔の中心との距離をa/2+xとすることにより定義する。図14から、図13(b)の空孔配置の方が高い透過率を得ることができることがわかる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 光ファイバ、フォトニック結晶及び細線導波路の接続を表す模式図。
【図2】 本発明の2次元フォトニック結晶用シングルモード細線導波路の実施例を表す斜視図。
【図3】 本発明のシングルモード細線導波路とフォトニック結晶導波路とを接合したデバイスの一実施例を表す斜視図。
【図4】 第1の比較例である、クラッド部材を設けない細線導波路とフォトニック結晶導波路とを接合したデバイスを表す斜視図。
【図5】 第1の比較例における細線導波路及びフォトニック結晶導波路の分散関係を表すグラフ。
【図6】 第2の比較例における細線導波路及びフォトニック結晶導波路の分散関係を表すグラフ。
【図7】 第2の比較例における細線導波路とフォトニック結晶導波路との間の透過率を表すグラフ。
【図8】 第3の比較例である、フォトニック結晶と細線導波路に同じクラッド部材を設けたデバイスを表す斜視図。
【図9】 第3の比較例における細線導波路及びフォトニック結晶導波路の分散関係を表すグラフ。
【図10】 第3の比較例における細線導波路とフォトニック結晶導波路との間の透過率を表すグラフ。
【図11】 本実施例における細線導波路及びフォトニック結晶導波路の分散関係を表すグラフ。
【図12】 本実施例における細線導波路とフォトニック結晶導波路との間の透過率を表すグラフ。
【図13】 細線導波路とフォトニック結晶導波路との接合部近傍におけるフォトニック結晶の空孔の配置に関する2つの態様を表す図。
【図14】 図13の2つの態様における細線導波路とフォトニック結晶導波路との間の透過率を表すグラフ。
【符号の説明】
11、20…細線導波路
12…光ファイバのコア
13、24、31…2次元フォトニック結晶
14、25、33…2次元フォトニック結晶導波路
21…細線導波路本体
23…クラッド部材
32…空孔
51…フォトニック結晶導波路中における対称モードの光の分散関係
52…フォトニック結晶導波路中における反対称モードの光の分散関係
53…細線導波路本体中における対称モードの光の分散関係
54…細線導波路本体中における反対称モードの光の分散関係
55…空気のライトライン
56…クラッド部材のライトライン
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13