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明細書 :制御装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5614653号 (P5614653)
公開番号 特開2012-168040 (P2012-168040A)
登録日 平成26年9月19日(2014.9.19)
発行日 平成26年10月29日(2014.10.29)
公開日 平成24年9月6日(2012.9.6)
発明の名称または考案の名称 制御装置
国際特許分類 G01D  21/00        (2006.01)
FI G01D 21/00 G
請求項の数または発明の数 7
全頁数 11
出願番号 特願2011-029868 (P2011-029868)
出願日 平成23年2月15日(2011.2.15)
審査請求日 平成25年12月20日(2013.12.20)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
【識別番号】513099603
【氏名又は名称】公立大学法人兵庫県立大学
発明者または考案者 【氏名】齊藤 光俊
【氏名】前中 一介
個別代理人の代理人 【識別番号】100127203、【弁理士】、【氏名又は名称】奈良 泰宏
審査官 【審査官】櫻井 仁
参考文献・文献 特開平02-108917(JP,A)
特開2001-208615(JP,A)
特開2000-339737(JP,A)
特開平08-102806(JP,A)
特開平10-164753(JP,A)
調査した分野 G01D 21/00
G06F 17/40
1/26
G01D 9/00
特許請求の範囲 【請求項1】
少なくとも1つの外部センサの制御を行うとともに前記外部センサからデータを取得可能な第1制御部と、
前記データを記憶可能な記憶部と、
前記記憶部に記憶されたデータを加工可能な第2制御部と、を備え、
前記記憶部に所定量のデータが蓄積される毎に、前記第1制御部が前記第2制御部を稼働する制御を行うものであることを特徴とする制御装置。
【請求項2】
前記第2制御部が、データ加工を終了した際にデータ加工終了信号を生成し、前記第1制御部に送信する制御を行うものであり、
前記第1制御部が、前記第2制御部からのデータ加工終了信号を受信した際に前記第2制御部の稼働を停止する制御を行うものであることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項3】
前記第1制御部が、前記第2制御部によるデータ加工開始時間から所定時間後に前記第2制御部の稼働を停止する制御を行うものであることを特徴とする請求項1に記載の制御装置。
【請求項4】
前記外部センサからのアナログ信号をデジタル信号に変換可能なアナログ/デジタル変換器を少なくとも含んだアナログ部と、
前記アナログ部に接続され、稼働時に前記アナログ部への電源供給が可能な電源と、を備え、
前記外部センサが必要に応じて稼働するものであって、前記外部センサの稼働が必要となる時間の直前に、前記第1制御部が前記電源を稼働させる制御を行うことを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の制御装置。
【請求項5】
前記外部センサが必要に応じて稼働するものであって、稼働終了時間に到達した場合に、前記第1制御部が前記電源の稼働を停止する制御を行うことを特徴とする請求項4に記載の制御装置。
【請求項6】
前記外部センサが複数設けられており、
前記アナログ部が、前記複数の外部センサからの入力信号のうち1つの信号を選択して出力するマルチプレクサを有しており、
前記第1制御部が、前記マルチプレクサにおける前記入力信号の選択タイミングを制御するものであることを特徴とする請求項4又は5に記載の制御装置。
【請求項7】
前記第1制御部に接続されており、電力管理を行うパワーマネージャーと、
前記第1制御部に接続されており、外部の機器又は電気回路を接続可能な拡張ポートと、を備えており、
前記機器又は電気回路が前記拡張ポートに接続されている際、前記パワーマネージャーが、制御装置全体において所定以上の電力を消費していると判断した場合に、前記機器又は前記電気回路を停止させ、制御装置全体において所定以上の電力の消費がされないと判断した場合に、前記機器又は前記電気回路を必要に応じて稼働させることを特徴とする請求項1~6のいずれか1項に記載の制御装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、SOC(System On Chip)、又は、ICチップとディスクリート部品とによって構成された制御装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、下記特許文献1に代表されるように、データ処理を行うための制御装置は公知となっている。なお、この特許文献1に開示されている制御装置(波形測定装置)は、アナログ信号をデジタル信号に変換してメモリに取込んだ波形データを更に表示用データに変換後表示データメモリに記憶し、これを読み出して表示噐に表示する波形測定装置において、設定レベルにより特定されるイベントの波形データのみを表示する機能と、それ以外の範囲についてはイベント間の時間幅を表示する手段を備えるものである。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特開2002-40056号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
センサなどから取得したデータを、そのまま確認する他に何もしないということはほぼない。現実的には、フィルターをかける等、何らかの加工を必要とする。そのためには、取得したデータをなんらかの手段でパーソナルコンピュータ等に転送して加工するのが一般的な手法であるが、携帯する等、屋外で使用する場合等においては、携帯型パーソナルコンピュータといえども常時持ち運ぶことは不便である。そこで、センサなどの計測、情報の加工を集積回路上で行えれば劇的に計測システムは小さくなり、携帯しても不便さを使用者に感じさせることはなくなる。このような集積回路によって構成されたシステム(制御装置)を1チップ上に搭載したものを、SOC(System On Chip)と呼ぶ。
【0005】
しかしながら、このSOCは、多種類の集積回路を用いてシステムを構成しているため、当然、一種類の集積回路を使用するだけの場合に比べて、使用する電力も大幅に増大する。ここで、例えば、上記特許文献1の制御装置をSOCにおいて構成した場合、上記特許文献1の図1に示されたデータ処理回路3が連続稼働になるので、多大な電力を消費することは否めない。このように、電力消費が増大すれば、該電力消費に見合ったバッテリーを持ち歩かなければならず、使用者に不便を強いる要因になる。そこで、バッテリーを小さく済ませ、且つ長時間に渡ってシステムを稼働させ続けるためには、システムを構成するデバイス(センサ、ICなど)が電力を消費しないように工夫することが求められる。なお、ディスクリート部品によって構成された制御装置においても同様である。
【0006】
そこで、本発明の目的は、SOC、又は、多数のICチップとディスクリート部品とによって構成されたものでありながら、従来装置よりも電力消費を大幅に抑制できる制御装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
(1) 本発明の制御装置は、少なくとも1つの外部センサの制御を行うとともに前記外部センサからデータを取得可能な第1制御部と、前記データを記憶可能な記憶部と、前記記憶部に記憶されたデータを加工可能な第2制御部と、を備えているものである。また、前記記憶部に所定量のデータが蓄積される毎に、前記第1制御部が前記第2制御部を起動する制御を行うものである。
【0008】
上記(1)の構成によれば、上述した従来装置のように、データを加工する制御部を稼働させ続ける必要がなくなるので、消費電力を大幅に抑制することができる。特に、記憶部に所定量のデータが蓄積される毎に、第1制御部が第2制御部を稼働させる制御を行うので、より消費電力を抑制することができる。これにより、SOC、又は、多数のICチップとディスクリート部品とによって構成されたものでありながら、従来よりも小型且つ小容量の電源で動作可能な制御装置を提供できる。
【0009】
(2) 上記(1)の制御装置においては、前記第2制御部が、データ加工を終了した際にデータ加工終了信号を生成し、前記第1制御部に送信する制御を行うものであり、前記第1制御部が、前記第2制御部からのデータ加工終了信号を受信した際に前記第2制御部の稼働を停止する制御を行うものであることが好ましい。
【0010】
上記(2)の構成によれば、第2制御部によるデータ加工終了後に、第1制御部が第2制御部の稼働を停止させる制御を行うことができるため、第2制御部がデータを加工している最中に第1制御部によって停止(中断)されないようにすることが可能となる。
【0011】
(3) 上記(1)の制御装置においては、前記第1制御部が、前記第2制御部によるデータ加工開始時間から所定時間後に前記第2制御部の稼働を停止する制御を行うものであることが好ましい。
【0012】
上記(3)の構成によれば、データ加工開始時間から予め定めておいた所定時間(例えば、第2制御部において明らかにデータ加工が終了するであろう時間)後に、第1制御部が第2制御部の稼働を停止させる制御を行うので、より消費電力を抑制することができる。
【0013】
(4) 上記(1)~(3)の制御装置においては、前記外部センサからのアナログ信号をデジタル信号に変換可能なアナログ/デジタル変換器を少なくとも含んだアナログ部と、前記アナログ部に接続され、稼働時に前記アナログ部への電源供給が可能な電源と、を備え、前記外部センサが必要に応じて稼働するものであって、前記外部センサの稼働が必要となる時間の直前に、前記第1制御部が前記電源を稼働させる制御を行うことが好ましい。
【0014】
上記(4)の構成によれば、稼動停止していたアナログ部を稼働する必要がある際に稼動させることができるので、より精度よく、消費電力を抑制することができる。
【0015】
(5) 上記(4)の制御装置においては、前記外部センサが必要に応じて稼働するものであって、稼働終了時間に到達した場合に、前記第1制御部が前記電源の稼働を停止する制御を行うことが好ましい。
【0016】
上記(5)の構成によれば、次の稼働時まで必要のないアナログ部の作動を停止することができるので、さらに精度よく、消費電力を抑制することができる。
【0017】
(6) 上記(4)又は(5)の制御装置においては、前記外部センサが複数設けられており、前記アナログ部が、前記複数の外部センサからの入力信号のうち1つの信号を選択して出力するマルチプレクサを有しており、前記第1制御部が、前記マルチプレクサにおける前記入力信号の選択タイミングを制御するものであることが好ましい。
【0018】
上記(6)の構成によれば、例えば、第1制御部においてマルチプレクサにおける入力信号の選択タイミングを制御しつつ、次の稼働時まで第2制御部の作動を停止させたままとすることができるので、外部センサが複数設けられていて、各センサからマルチプレクサが入力信号を受信する場合であっても、全体として精度よく消費電力を抑制することができる。
【0019】
(7) 上記(1)~(6)の制御装置においては、前記第1制御部に接続されており、電力管理を行うパワーマネージャーと、前記第1制御部に接続されており、外部の機器又は電気回路を接続可能な拡張ポートと、を備えていてもよい。また、前記機器又は電気回路が前記拡張ポートに接続されている際、前記パワーマネージャーが、(a)制御装置全体において、所定以上の電力を消費している又は稼働可能な電源電圧を安定して供給できていないと判断した場合に、前記機器、前記電気回路、前記電源、前記第2制御部のうちいずれか1つ以上を停止させ、制御装置全体において所定以上の電力の消費がされないように制御を行うものであってもよいし、又は、(b)制御装置全体において、稼働可能な電源電圧を安定して供給可能と判断した場合に、前記機器、前記電気回路、前記電源、前記第2制御部のうちいずれか1つ以上を必要に応じて稼働させる制御を行うものであってもよい。
【0020】
上記(7)の構成によれば、消費電力を抑制しつつ、必要に応じて各回路又は機器を稼働させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の実施形態に係る制御装置の概略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図を参照しながら、本発明の実施形態に係る制御装置について説明する。

【0023】
図1に示すように、制御装置100は、様々な機器などを制御することを主機能とする第1制御部10と、各種のデータを記憶可能な記憶部20と、データ加工を行うことが可能な第2制御部30と、電源50と、を備えているものである。

【0024】
第1制御部10は、様々な機器などを制御する主制御部11と、主制御部11で実行するプログラム及び各種のデータが格納されている記憶部12(例えば、ROM又はRAMなど)と、後述するアナログ/デジタル変換器41(以下、A/D変換器41とする。)から送信されたデジタル信号を記憶部20に記憶させる又は記憶部20から読み出す制御を行う記憶制御部13と、を有しているものである。

【0025】
主制御部11は、現在時刻を計測する機能及びクロックを生成する機能を有した時間計測器21と接続されており、必要に応じて、記憶部12に格納されているプログラムを実行することにより、外部センサ31,32、マルチプレクサ35、VGA(Variable Gain Amplifier)36、マルチプレクサ38、スイッチ42,43、第2制御部30を主に制御するものである(図1中の一点鎖線参照。)。

【0026】
外部センサ31、32は、加速度、角度、角速度、気圧、圧力、湿度、音声、気温、体温、生物の発汗、心拍、心電、呼気、又は、動作状況など様々な状況を検出できるように構成されている検出器であり、生体にも取り付け可能なものである。また、外部センサ31、32は、必要に応じて稼動するように、第1制御部10によって制御されている。

【0027】
マルチプレクサ35は、増幅器33,34によって増幅された外部センサ31,32からの入力信号のうち1つの信号を選択してVGA36に出力するものである。また、例えば、マルチプレクサ35に、外部センサ31,32に対応したポートA,B(図示せず)がそれぞれ設けられているとした場合、ポートAにおいて出力が第1の閾値以上であった場合、又は、ポートBにおいて出力が第2の閾値未満であった場合に、第2制御部30を稼働させる指示を第1制御部10が行うように設定することが可能である。当然、ポートAにおいて出力が第1の閾値と同等であった場合に、第2制御部30を稼働させる指示を第1制御部10が行うというような設定も可能である。また、ポートAにおいて出力が第1の閾値未満であった場合、又は、ポートBにおいて出力が第2の閾値以上であった場合に、第2制御部30を稼働させる指示を第1制御部10が行うように設定することも可能である。なお、マルチプレクサ35の各ポートについての闘値の設定は、以下のようにして行う。すなわち、マルチプレクサ35の各ポートに対応するテンポラリーメモリ領域を第1制御部10の内部に保持しておき、記憶部12に予め記憶されている複数の閾値データから適切なデータを選択する。そして、選択した各データを、各ポートに対応するテンポラリーメモリ領域のそれぞれに読み込んで、マルチプレクサ35の各ポートについての闘値の設定を行う。

【0028】
VGA36は、センサ31,32の出力性能に合わせて出力の電圧振幅の増幅率を適宜変化させて使用する可変ゲインアンプのことであり、増幅後の信号はSH部37に出力されるようになっている。なお、外部センサ毎に対応するアンプを設けてもよいが、(1)VGA36だと、外部センサ31,32の種類に合わせて出力の電圧振幅の増幅率を調整可能である、(2)資源(ここではチップなどへの搭載部分面積)を節約できる、という利益を享受するために、VGA36を用いた方が好ましい。ここで、一変形例として、連続的にゲインを変更可能なVGA36の代わりに、離散的にゲインを変更可能なPGA(Programmable Gain Amplifier)を用いてもよい。

【0029】
マルチプレクサ38は、クロック生成器39,40において生成される同期信号のうちいずれか一つを選択して、SH(Sample and Hold)部37にクロック信号を受け渡すものである。これにより、サンプリングレートを決定することができる。なお、クロック生成器39は、SH部37に印加するサンプルのためのクロック信号を生成するものである。クロック生成器40は、ON状態のスイッチ43を介して第2制御部30に印加するクロック信号を生成するものであるが、該クロック信号が、SH部37に印加するサンプルのためのクロック信号としても使用される場合がある。

【0030】
SH部37は、VGA36から受信した信号を正しく標本化するために、該信号における計測したい点での電圧値を一定期間保持する回路を有したものである。また、SH部37は、標本化した際、電圧値を保持した信号をA/D変換器41に出力するものである。

【0031】
A/D変換器41は、SH部37から受信したアナログ信号をデジタル信号に変換する回路を有したものであり、変換後のデジタル信号を記憶制御部13に出力するものである。

【0032】
電源50は、各機器に電源供給が可能なものであり(図1中の点線参照。ただし、点線での接続が示されていなくても、電気的に接続されているものもある。)、特に、アナログ部(図示せず)に含まれる機器等に、バイアス電圧及びリファレンス電圧、又は、バイアス電流を供給するものである。なお、スイッチ42がON状態の場合にのみ、第2制御部30と電源50とは電気的に接続され、第2制御部30が稼働可能な状態となるように構成されている。

【0033】
記憶部12には、各機器等を制御するためのプログラムの他に、マルチプレクサ35のスイッチ数、外部センサ31,32の種類毎のサンプリングレート、外部センサ31,32の種類毎のVGA(PGA)の増幅率、マルチプレクサ35のスイッチスケジュール(例:10秒間、一方のポートを開いたら該ポートを閉じ、他方のポートを20秒間開く。)、後述する第2制御部30の稼働開始指示を行う際に利用される閾値(外部センサ毎の記憶部20に溜まった所定データ量(所定データ件数))、後述する第2制御部30の稼働開始指示を行う際に利用される閾値(マルチプレクサ35における各ポートの閾値)、デバイス(第2制御部30、電源50など)の稼働開始及び稼働終了スケジュール、などのデータが格納されている。

【0034】
第2制御部30は、データ加工を終了した際にデータ加工終了信号を生成し、該データ加工終了信号を第1制御部10に送信することができるようになっている。

【0035】
次に、制御装置100の動作について説明する。なお、原則として、各機器は第1制御部10によって動作を制御されているものとする。また、第2制御部30の初期設定は稼動停止状態であるとする。

【0036】
(制御装置100の動作1)
まず、外部センサ31,32を動作させ、各種データの信号を得る。次に、得られた信号を増幅器33,34によって増幅した後、マルチプレクサ35に送信する。続いて、マルチプレクサ35によって、送信された信号のうち1つの信号を選択してVGA36に出力する。次に、クロック生成器39及びクロック生成器40によって生成されたクロック信号のうち一つを同期信号としてマルチプレクサ38によって選択し、VGA36から送信された信号を受信したSH部37に印加する。続いて、SH部37において標本化された信号を、A/D変換器41においてデジタル信号に変換する。このようにして得られたデジタル信号を記憶制御部13によって記憶部20に記憶させ、データを蓄積する。なお、該データは外部センサ毎に分けられて記憶部20において記憶され、記憶されているデータ件数は、外部センサ31,32の種類毎のサンプリングレート、時間計測部21によって計測された時刻、生成されたクロック、マルチプレクサ35のスイッチスケジュールの繰り返し回数から、第1制御部10によって計算される。又は、記憶制御部13が記憶部20にデータを書き込んだ件数を保持する。

【0037】
次に、記憶部20に蓄積したデータのうち、所定種類(例えば、外部センサ31又は外部センサ32に対応するもの)のデータ群が予め定めておいた閾値(記憶部20に溜まった所定データ量(所定データ件数))を超えた場合、第1制御部10が、電源50と第2制御部30とを接続する指示をスイッチ42に、クロック生成器40と第2制御部30とを接続する指示をスイッチ43に指示する。続いて、第1制御部10が第2制御部30に稼働開始指示を行い、第2制御部30を稼動させた後、上記閾値を超えた所定種類のデータ群からなる信号、そのアドレス情報を第2制御部30に直接送信する、又は、記憶制御部13を介して第2制御部30に送信する。そして、第2制御部30は、受信した信号を第2制御部30内のフィルター部(図示せず)によってノイズ除去する。続いて、第2制御部30は、ノイズ除去した信号から特徴量を抽出する処理を行う。例えば、該信号が心拍データを含んだ信号であるとすると、該信号から心拍の周期を抽出する。これにより、心拍の波形を見なくとも、心拍の周期から容易に心臓の鼓動状態を把握することが可能になるので、より診断しやすいデータを抽出することが可能となる。特に、予め、正常な心拍の周期を示すパターンデータを記憶部12に記憶させておくとともに、該パターンデータと送信されてきた信号から抽出した心拍の周期のデータとを比較して、該パターンデータから所定値以上外れているような場合には「異常」、該パターンデータから所定値未満しか外れていないような場合には「正常」、とするような判定を行うパターン識別プログラムを記憶部12に格納しておき、主制御部11に該プログラムを実行させるように構成していてもよい。さらに、該プログラムの実行により、上記「異常」と判定された場合には、所定機関に無線通信(図示せず)を介して自動的に連絡するような自動通報プログラムを記憶部12に格納しておき、主制御部11に実行させてもよい。なお、心拍の周期データは、心拍の波形データに比べてデータ量が格段に小さいため、記憶部20に格納するデータ量を従来に比べて減少させることができる。また、仮に無線通信を用いてデータを送信するにしても、データ量が少ないことから使用電力を極小化できるという利点もある。

【0038】
上述のようにして、ノイズを除去した信号から特徴量を抽出する処理を上記データ群について行った第2制御部30は、次のデータ群が送信されるまで処理を実行する必要がなくなる。そこで、無駄な電力を消費しないようにするため、以下の動作を行う。まず、第2制御部30はデータ加工を終了した際にデータ加工終了信号を生成し、第1制御部10に送信する。次に、第2制御部からのデータ加工終了信号を受信した第1制御部10は、第2制御部30に稼働を停止する指示を行い、第2制御部30の稼動を停止させる。具体的には、下記2つの停止動作のうちいずれか1つによって第2制御部30の稼動を停止させる。すなわち、(1)第1制御部10の指示によって、スイッチ42をオフ状態とし、電源50と第2制御部30との電気的な接続を断つとともに、クロック生成器40と第2制御部30との電気的な接続を断つ、(2)クロック生成器40と第2制御部30との電気的な接続を断つ、のいずれか1つを行うことによって、第2制御部30の稼動を停止させる。これら一連の動作が、制御装置100の動作中に行われることによって、無駄な消費電力が発生することを防止することができる。

【0039】
(制御装置100の動作2)
次に、マルチプレクサ35における各ポートについて閾値を設定しておき、該閾値を用いて、第2制御部30を稼動させる場合の制御装置100の動作について説明する。

【0040】
マルチプレクサ35に、外部センサ31,32に対応したポートA,B(図示せず)がそれぞれ設けられている場合、ポートAにおいて入力信号の出力が第1の閾値(例えば10)以上であった場合、又は、ポートBにおいて入力信号の出力が第2の閾値(例えば200)未満であった場合に、第1制御部10が第2制御部30に稼働開始指示を行い、第2制御部30を稼動させる。これにより、入力信号の選択タイミングを制御しつつ、必要ある場合にのみ第2制御部30を稼動させ、無駄な消費電力が発生することを防止することができる。マルチプレクサ35以外の動作は、上述した制御装置100の動作1の場合と同じであるので、説明を省略する。

【0041】
(制御装置100の動作3)
次に、制御装置100におけるアナログ部(図示せず)の稼動開始動作及び稼動停止動作について説明する。

【0042】
時間計測器21によって計測された時刻が、外部センサ31,32を稼動させる時間の直前になった際、電源50からクロック生成器39、40、A/D変換器41などを含んだアナログ部へ、バイアス電圧及びリファレンス電圧、又は、バイアス電流を供給し、稼動可能な状態にする。その後、時間計測器21によって計測された時刻が、外部センサ31,32の稼働終了時間に到達した際、電源50からクロック生成器39、40、A/D変換器41などを含んだアナログ部への、バイアス電圧及びリファレンス電圧、又は、バイアス電流供給を停止し、各機器を稼動停止状態にする。これにより、アナログ部の稼動が停止するだけでなく、クロック生成器40が停止することによって第2制御部30も動作することができなくなることから、無駄な消費電力が発生することをより抑制することが可能となる。

【0043】
上記構成によれば、以下の効果を奏することができる。すなわち、記憶部20に所定量のデータが蓄積される毎に、第1制御部10が第2制御部30を稼働する制御を行うものであることから、データを加工する第2制御部30を稼働させ続ける必要がなくなるので、従来よりも装置全体の消費電力を大幅に抑制することができる。これにより、SOC、又は、多数のICチップとディスクリート部品とによって構成されたものでありながら、従来よりも小型且つ小容量の電源で動作可能な制御装置100を提供できる。

【0044】
また、第2制御部30によるデータ加工終了後に、第1制御部10が第2制御部30の稼働を停止させる制御を行うことができるため、第2制御部30がデータを加工している最中に第1制御部10によって停止(中断)されないようにすることが可能となる。

【0045】
また、外部センサ31,32の稼働が必要となる時間の直前に、第1制御部10が電源50を稼働させる制御を行うことにより、稼働する必要があるまでアナログ部の作動を停止しておくことができるので、より精度よく、消費電力を抑制可能な制御装置100を提供できる。

【0046】
また、外部センサ31,32の稼働が終了時間に到達した際、第1制御部10によって電源50の稼働を停止する制御を行うので、さらに精度よく、消費電力を抑制可能な制御装置100を提供できる。

【0047】
また、第1制御部10においてマルチプレクサ35における入力信号の選択タイミングを制御しつつ、稼動が必要な場合まで第2制御部30の作動を停止させたままとすることができるので、外部センサが複数設けられていて、外部センサ31,32からマルチプレクサ35が複数の入力信号を受信する場合であっても、全体として精度よく消費電力を抑制することができる。

【0048】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。例えば、記憶部12は、第1制御部10の外部に設けられていてもよい。

【0049】
また、外部センサは、1つであってもよいし、3つ以上であってもよい。このとき、制御装置100においては、外部センサの数に合わせた装置構成とする。

【0050】
また、記憶制御部13を用いずに、記憶制御部13の役割を主制御部11に実行させることとしてもよい。このような実装手法の一例として、記憶制御プログラムを記憶部12に格納しておき、主制御部11に実行させることで、記憶制御部13の役割を果たすことができる。

【0051】
また、第1制御部10が、第2制御部30によるデータ加工開始時間から所定時間後に第2制御部30の稼働を自動的に停止する制御を行うものであってもよい。これにより、データ加工開始時間から予め定めておいた所定時間(例えば、第2制御部30において明らかにデータ加工が終了するであろう時間)後に、第1制御部10が第2制御部30の稼働を停止させる制御を行うことになるので、より消費電力を抑制することができる。

【0052】
また、図示しないが、制御装置100においては、第1制御部10に接続され、電力管理を行うパワーマネージャーが設けられていてもよいし、第1制御部10に接続されている拡張ポートが1つ以上設けられていてもよい。なお、この拡張ポートには、通信を行うRF(Radio Frequency)部、又は、他の機能を有した様々な回路又は機器を接続することが可能である。ここで、例えば、拡張ポートに、RF部並びに他の回路及び機器のうち1以上のものが接続されているとすると、上記パワーマネージャーにより、所定以上の電力が制御装置100全体において消費されていると判断された場合に、第1制御部10に命令してRF部、若しくは他の回路又は機器を停止させたり、制御装置100全体において所定以上の電力の消費がされないと判断された場合に、RF部、若しくは他の回路又は機器を必要に応じて稼働させたりできるようにしてもよい。これにより、消費電力を抑制しつつ、必要に応じて各回路又は機器を稼働させることができる。
【符号の説明】
【0053】
10 第1制御部
11 主制御部
12、20 記憶部
13 記憶制御部
21 時間計測器
30 第2制御部
31,32 外部センサ
33,34 増幅器
35、38 マルチプレクサ
37 SH部
39,40 クロック生成器
41 A/D変換器
42,43 スイッチ
50 電源
100 制御装置
図面
【図1】
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