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明細書 :組織切除補助器具

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B1)
特許番号 特許第3959473号 (P3959473)
登録日 平成19年5月25日(2007.5.25)
発行日 平成19年8月15日(2007.8.15)
発明の名称または考案の名称 組織切除補助器具
国際特許分類 A61B  19/00        (2006.01)
FI A61B 19/00 502
請求項の数または発明の数 20
全頁数 20
出願番号 特願2006-273739 (P2006-273739)
出願日 平成18年10月5日(2006.10.5)
審査請求日 平成18年11月15日(2006.11.15)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304020177
【氏名又は名称】国立大学法人山口大学
発明者または考案者 【氏名】山本 滋
早期審査対象出願または早期審理対象出願 早期審査対象出願
審査官 【審査官】神山 茂樹
参考文献・文献 実開平03-116819(JP,U)
実開平01-170209(JP,U)
実開昭64-000923(JP,U)
実開平05-041511(JP,U)
特表2006-502821(JP,A)
特表2004-502473(JP,A)
特表2004-504865(JP,A)
調査した分野 A61B 17/00-19/00
要約 【課題】腫瘍の部分を切除する手術を行うに際し、腫瘍の辺縁から約2cm程度離れた周回線に沿って切離し、腫瘍の遺残及び露出を防ぐようにする。
【解決手段】 把持部(1)の先端側における基端部(2)の上下両端において間隔をおいてそれぞれ外形が円形または長円形で実質的に同じ形状・寸法の薄板状の1対の平行な挟持板(3),(4)が一体的に取り付けられた組織切除補助器具としており、1対の平行な挟持板(3),(4)の間において切除すべき組織部分を包含する空間が形成される。挟持板(3),(4)の対向する内側の面に凹凸部または多数の突起部を形成し、また、挟持板の大きさや組織切除補助器具の使用状況に応じて把持部と挟持板とを縦方向に2分割した形態、さらに水平面で2分して挟持板を別個にする4分割にした形態とし、あるいは挟持板を進退可能にする形態とする。
【選択図】図1
特許請求の範囲 【請求項1】
把持部と、該把持部の先端側において上下に間隔をおいて一体的に延材するように取り付けられ外形が円形または長円形で同じ形状・寸法の1対の平行な薄板状の挟持板とを備えてなり、前記1対の平行な挟持板の間において切除すべき組織部分を包含する空間が形成されるとともに前記1対の平行な挟持板は切除すべき組織部分を切り込む際に該挟持板の外形形状に従って切り込みがなされるようにする外形形状・寸法を有していることを特徴とする組織切除補助器具。
【請求項2】
それぞれ外形が円形または長円形で同じ形状・寸法の薄板状の挟持板と該挟持板の基端側から一体的に延在する棒状または梁状の部分とを一体化してなる作用部材を2つ1組として有するとともに、該2つ1組の作用部材の挟持板が平行に間隔をおいて対向する状態を維持し該間隔を狭める作用に抗するばね作用が与えられるように前記2つ1組の作用部材の棒状または梁状の部分を保持する把持部を備え、前記2つ1組の作用部材の挟持板の間において切除すべき組織部分を包含する空間が形成されるとともに前記1対の平行な挟持板は切除すべき組織部分を切り込む際に該挟持板の外形形状に従って切り込みがなされるようにする外形形状・寸法を有していることを特徴とする組織切除補助器具。
【請求項3】
前記2つ1組の作用部材の棒状または梁状の部分の間隔を調整可能に保持して前記挟持板の間隔を調整できるようにしたことを特徴とする請求項2に記載の組織切除補助器具。
【請求項4】
前記2つ1組の作用部材の棒状または梁状の部分が弾性材料で形成されており、該棒状または梁状の部分の一方と他方とが一端側で相互に一体的に連結されてU字状の部材として構成されていることを特徴とする請求項2に記載の組織切除補助器具。
【請求項5】
前記2つ1組の作用部材の一方及び他方の棒状または梁状の部分がこれを包囲する把持部をなす部材内に収納されて保持され、前記支持部材をばね作用に抗して変位させるための押圧部が前記把持部をなす部材に形成された通口から外方に突出するように付設されていることを特徴とする請求項2~4のいずれか1項に記載の組織切除補助器具。
【請求項6】
前記1対の平行な挟持板の対向する内側の面に凹凸部または多数の突起部を形成してあることを特徴とする請求項1~5のいずれか1項に記載の組織切除補助器具。
【請求項7】
外形が棒状の把持部を縦方向に二分したものの一方の半片とその先端側において上下に間隔をおいてそれぞれ一体的に延在するように取り付けられ外形が円形または長円形を二分した同じ形状・寸法の薄板体からなる1対の平行な挟持板とを備えてなる一方の構成単位と、
該一方の構成単位と対称的に形成した外形が棒状の把持部を縦方向に二分したもの他方の半片とその先端側において上下に間隔をおいてそれぞれ一体的に延在するように取り付けられ外形が円形または長円形を二分した同じ形状・寸法の薄板体からなる1対の平行な挟持板とを備えてなる他方の構成単位と、
からなり、前記一方の構成単位と他方の構成単位とを一体的に突き合わせることにより全体として1つの把持部と円形または長円形の1対の平行な薄板状の挟持板とになり、該円形または長円形の平行な薄板状の挟持板間において切除すべき組織部分を包含する空間が形成される構造とするとともに前記1対の平行な挟持板は切除すべき組織部分を切り込む際に該挟持板の外形形状に従って切り込みがなされるようにする外形形状・寸法を有しており、前記一方の構成単位と他方の構成単位とを一体的にした状態で保持しまた再度分割することを可能にする保持手段を備えていることを特徴とする組織切除補助器具。
【請求項8】
外形が棒状の把持部を縦方向に二分したものの一方の半片とその先端側において上下に間隔をおいてそれぞれ一体的に延在するように取り付けられ外形が円環の略4分の1の形状でダクト状の外套と該外套内に挿入され進退可能な円環の略4分1の薄板形状の内套とからなる1対の挟持板とを備えてなる一方の構成単位と、
該一方の構成単位と対称的に形成した外形が棒状の把持部の他方の半片とその先端側において上下に間隔をおいてそれぞれ一体的に延在するように取り付けられ外形が円環の略4分の1の形状でダクト状の外套と該外套内に挿入され外側からの操作により進退可能な円環の略4分1の薄板形状の内套とからなる1対の平行な挟持板とを備えてなる他方の構成単位と、
からなり、前記一方の構成単位と他方の構成単位とを一体的に突き合わせて全体として把持部と略半円形状ダクト状の外套とその両側からそれぞれ進退可能な略円環の4分の1の形状の内套とからなる1対の平行な挟持板とになり、前記内套が進出した状態で前記1対の平行な挟持板間において切除すべき組織部分を包含する空間が形成される構造とするとともに前記1対の平行な挟持板は切除すべき組織部分を切り込む際に該挟持板の外形形状に従って切り込みがなされるようにする外形形状・寸法を有しており、前記一方の構成単位と他方の構成単位とを一体的にした状態で保持し、また再度分割することを可能にする保持手段を備えていることを特徴とする組織切除補助器具。
【請求項9】
それぞれ外形が円形または長円形を二分した同じ形状・寸法の薄板体からなる挟持板と該挟持板の基端側から延在する棒状または梁状の部分とを備える作用部材を2つ1組として有し、該2つ1組の作用部材の挟持板が平行に間隔をおいて対向する状態を維持し該間隔を狭める作用に抗するばね作用が与えられるように前記2つ1組の作用部材の棒状または梁状の部分を保持する把持部の一方の半片を備えてなる一方の構成単位と、
該一方の構成単位と対称的に対をなすものとして形成されそれぞれ外形が円形または長円形を二分した同じ形状・寸法の薄板体からなる挟持板と該挟持板の基端側から延在する棒状または梁状の部分とを備える作用部材を2つ1組として有し、該2つ1組の作用部材の挟持板が平行に間隔をおいて対向する状態を維持し該間隔を狭める作用に抗するばね作用が与えられるように前記2つ1組の作用部材の棒状または梁状の部分を保持する把持部の他方の半片を備えてなる他方の構成単位と、
からなり、前記一方の構成単位と他方の構成単位とを一体的に突き合わせて全体として把持部と円形または長円形の1対の平行な薄板状の挟持板とになり、該1対の円形または長円形の平行な薄板状の挟持板間において切除すべき組織部分を包含する空間が形成されるとともに前記1対の平行な薄板状の挟持板は切除すべき組織部分を切り込む際に該挟持板の外形形状に従って切り込みがなされるようにする外形形状・寸法を有しており、前記一方の構成単位と他方の構成単位とを一体的にした状態で保持しまた再度分割することを可能にするための保持部材を備えてなることを特徴とする組織切除補助器具。
【請求項10】
それぞれ外形が円環の略4分の1の形状でダクト状の外套と該外套内に挿入され進退可能な円環の略4分1の薄板形状の内套とからなる1対の挟持板と、該1対の挟持板のそれぞれの基端側から延在する棒状または梁状の部分とを備える作用部材を2つ1組として有し、該1組の作用部材の挟持板が平行に間隔をおいて対向する状態を維持し該間隔を狭める作用に抗するばね作用が与えられるように前記2つ1組の作用部材の棒状または梁状の部分を保持する把持部の一方の半片を備えてなる一方の構成単位と、
該一方の構成単位と対称的に対をなすものとして形成されそれぞれ外形が円環の略4分の1の形状でダクト状の外套と該外套内に挿入され進退可能な円環の略4分1の薄板形状の内套とからなる1対の挟持板と、該挟持板から延在する棒状または梁状の部分とを備える作用部材を2つ1組として有し、該1組の作用部材の挟持板が平行に間隔をおいて対向する状態を維持し該間隔を狭める作用に抗するばね作用が与えられるように前記2つ1組の作用部材の棒状または梁状の部分を保持する把持部の他方の半片を備えてなる他方の構成単位と、
からなり、前記一方の構成単位と他方の構成単位とを一体的に突き合わせた上で前記一方及び他方の構成単位の挟持板における内套を外套から進出させることにより全体として1対の平行に対向する略円環状の挟持板となり、該略円環状の平行な挟持板間において切除すべき組織部分を包含する空間が形成されるとともに前記1対の平行な挟持板は切除すべき組織部分を切り込む際に該挟持板の外形形状に従って切り込みがなされるようにする外形形状・寸法を有しており、前記一方の構成単位と他方の構成単位とを一体的にした状態で保持しまた再度分割することを可能にする保持手段を備えてなることを特徴とする組織切除補助器具。
【請求項11】
前記一方の構成単位と他方の構成単位とにおける1組の作用部材の棒状または梁状の部分の間隔を調整可能に保持して前記挟持板の間隔を調整できるようにしたことを特徴とする請求項9または10のいずれか1項に記載の組織切除補助器具。
【請求項12】
前記一方の構成単位と他方の構成単位とにおける1組の作用部材の棒状または梁状の部分が弾性材料で形成されており、該1組の棒状または梁状の部分が一端側で相互に一体的に連結されてU字状の部材として構成されていることを特徴とする請求項9または10のいずれか1項に記載の組織切除補助器具。
【請求項13】
前記一方の構成単位と他方の構成単位との2組の作用部材の棒状または梁状の部分を合わせたものがこれを包囲する把持部をなす部材内に収納され保持され、前記棒状または梁状の部分を合わせたものにばね作用に抗して変位させるための押圧部が前記把持部をなす部材に形成された通口から外方に突出するように付設されていることを特徴とする請求項9~12のいずれか1項に記載の組織切除補助器具。
【請求項14】
前記1対の平行な挟持板の対向する内側の面に凹凸部または多数の突起部を形成してあることを特徴とする請求項7,9,11~13のいずれか1項に記載の組織切除補助器具。
【請求項15】
前記1対の平行な挟持板の外套の対向する内側の面に凹凸部または多数の突起部を形成してあることを特徴とする請求項8,10~13のいずれかに記載の組織切除補助器具。
【請求項16】
それぞれ外形が円形または長円形を二分した形状で同じ形状・寸法の薄板体からなる挟持板と該挟持板の基端側から延在する棒状または梁状の部分とを備える一方の2つ1組の同形の作用部材と、
該一方の2つ1組の同形の作用部材と対称的に対をなすものとして形成されそれぞれ外形が円形または長円形を二分した形状で同じ形状・寸法の薄板体からなる挟持板と該挟持板の基端側から延在する棒状または梁状の部分とを備える他方の2つ1組の同形の作用部材と、
前記一方の2つ1組の同形の作用部材と前記他方の組の2つ1組の同形の作用部材とを突き合わせるとともに前記一方の2つ1組の同形の作用部材の棒状または梁状の部分を間隔をおいて支持し、かつ前記他方の2つ1組の同形の作用部材の棒状または梁状の部分を間隔をおいて一体的に支持する保持部材と、
を備えてなり、前記保持部材が前記一方及び他方の2つ1組の同形の作用部材の棒状または梁状の部分を一体的に支持する状態で前記一方の2つ1組の作用部材の挟持板と前記他方の2つ1組の作用部材の挟持板とを突き合わせて全体として2枚の円形または長円形の平行な挟持板となり、その間に切除すべき組織部分を包含する空間が形成されるとともに前記1対の平行な挟持板は切除すべき組織部分を切り込む際に該挟持板の外形形状に従って切り込みがなされるようにする外形形状・寸法を有するようにし、また、前記保持部材は前記一方及び他方の2つ1組の作用部材の棒状または梁状の部分の一体的な保持を解除して前記一方及び他方の2つ1組の作用部材を分離した状態にできるものであることを特徴とする組織切除補助器具。
【請求項17】
前記一方及び他方の2つ1組の作用部材の挟持板を突き合わせて全体として2枚の円形または長円形の平行な挟持板となる際の挟持板の対向する内面の側に凹凸部または多数の突起部を形成してあることを特徴とする請求項16に記載の組織切除補助器具。
【請求項18】
それぞれ外形が円環の略4分の1の形状でダクト状の外套と該外套内に挿入され進退可能な円環の略4分1の薄板形状の内套とからなる1対の挟持板と該挟持板の基端側から延在する棒状または梁状の部分とを備える一方の2つ1組の同形の作用部材と、
該一方の2つ1組の同形の作用部材と対称的に対をなすものとして形成されそれぞれ外形が円環の略4分の1の形状でダクト状の外套と該外套内に挿入され進退可能な円環の略4分1の薄板形状の内套とからなる1対の挟持板と該挟持板から延在する棒状または梁状の部分とを備える他方の2つ1組の作用部材と、
前記一方の2つ1組の同形の作用部材と前記他方の組の2つ1組の同形の作用部材とを突き合わせるとともに前記一方の2つ1組の同形の作用部材の棒状または梁状の支持部材を間隔をおいて支持し、かつ前記他方の2つ1組の同形の作用部材の棒状または梁状の部分を間隔をおいて一体的に支持する保持部材と、
を備えてなり、前記保持部材が前記一方及び他方の2つ1組の同形の作用部材の棒状または梁状の部分を一体的に支持する状態で前記一方及び他方の2つ1組の作用部材における内套を外套から進出させることにより全体として1対の平行に対向する略円環状の挟持板となりその間に切除すべき組織部分を包含する空間が形成されるとともに前記1対の平行な挟持板は切除すべき組織部分を切り込む際に該挟持板の外形形状に従って切り込みがなされるようにする外形形状・寸法を有するようにし、また、前記保持部材は前記一方及び他方の2つ1組の作用部材の棒状または梁状の部分の一体的な保持を解除して前記一方及び他方の2つ1組の作用部材を分離した状態にできるものであることを特徴とする組織切除補助器具。
【請求項19】
前記一方及び他方の2つ1組の同形の作用部材の棒状または梁状の部分を一体的に支持した状態で2枚の平行な挟持板となる外套の対向する内側の面に凹凸部または多数の突起部を形成していることを特徴とする請求項18に記載の組織切除補助器具。
【請求項20】
前記保持部材が前記一方の2つ1組の作用部材の棒状または梁状の部分の間隔及び前記他方の2つ1組の作用部材の棒状または梁状の部分の間隔を狭める作用に抗するばね力を与えるように一体的に支持するものであることを特徴とする請求項16~19のいずれか1項に記載の組織切除補助器具。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、組織切除補助器具に関し、特に乳癌の腫瘍部分を切除する際に用いる組織切除補助器具に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、乳癌の手術療法としては、乳房温存療法が多く行われている。この乳房温存療法では、腫瘍部を中心に位置させ、腫瘍の辺縁から約2cm離した、円状のラインを設定しそのライン上で切離する、いわゆる乳腺円状部分切除術(実際には円柱状に切除される)が最も多く施行されている。従来は、円状のライン上に色素でマーキングしていたが、手術中に色素が拡がり正確なラインが不明になることが、ほとんどであり術中に目測でおおまかなラインを再設定していた。乳腺円状部分切除した標本は、詳細な顕微鏡による病理学的検索により切除断端近くまで癌細胞が到達している場合は、温存した乳房側に癌の遺残が考えられるため再手術(一般に、乳房全切除)が必要となるが、この判定を正確に行うためにも、正確に腫瘍の辺縁から約2cm離した円状部分切除をすることが重要である。
【0003】
さらに、近年、内視鏡手術が乳癌治療にも取り入れられ、美容的に手術創が目立たない乳輪切開創から離れた位置の乳腺円状部分切除術を行うようになった。従来の乳癌部の直上で切開する円状部分切除術と比較して、乳輪切開創からでは、小さな切開創から、覗きこむようにして、離れた位置の乳癌部を円状に切除するため、さらに正確なラインでの切除が困難で、腫瘍に部分的に近づきすぎたラインでの切除となることがあった。このように、正しく乳腺部分を円柱状に切除することが困難であり、述においては熟練と忍耐を要するものであった。
【0004】
組織切除に関して、次のような文献に開示されたものがある。
【0005】
特許文献1には、切除刃受け止め部を先端に立設させた固定顎に可動顎を開閉可能に取着させた把持部を先端に設けた鉗子の内部の長手軸方向の貫通路を形成し、貫通路内に切除刃を進退可能に設けた切除用鉗子について記載されている。
【0006】
特許文献2には、外科手術において手術の妨げにならないようにするために、可撓性で自己支持性の金属線の端にクリップを固定し、クリップの把持面に柔軟部材を有するものについて記載されている。
【0007】
しかしながら、特許文献1、特許文献2に示されるものは、乳癌の腫瘍を切除する手術のような場合に、腫瘍の辺縁から約2cm離した、円状のラインを設定しそのライン上で切離することを行うのに寄与し得ない。

【特許文献1】特開2000-210293号公報
【特許文献2】実用新案登録第3102614号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
前述のように、従来においては、乳癌の腫瘍の部分を切除する手術を行うに際し、腫瘍の辺縁から約2cm程度離れた周回線に沿って切離し、腫瘍の遺残及び露出を防ぐようにするのに有効な手段はなかったので、このために利用可能な手術用器具ないし補助器具が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、前述した課題を解決すべくなしたものであり、本発明による組織切除補助器具は、把持部と、該把持部の先端側において上下に間隔をおいて一体的に延材するように取り付けられ外形が円形または長円形で同じ形状・寸法の1対の平行な薄板状の挟持板とを備えてなり、前記1対の平行な挟持板の間において切除すべき組織部分を包含する空間が形成されるとともに前記1対の平行な挟持板は切除すべき組織部分を切り込む際に該挟持板の外形形状に従って切り込みがなされるようにする外形形状・寸法を有しているようにしたものである。

【0010】
また、それぞれ外形が円形または長円形で同じ形状・寸法の薄板状の挟持板と該挟持板の基端側から一体的に延在する棒状または梁状の部分とを一体化してなる作用部材を2つ1組として有するとともに、該2つ1組の作用部材の挟持板が平行に間隔をおいて対向する状態を維持し該間隔を狭める作用に抗するばね作用が与えられるように前記2つ1組の作用部材の棒状または梁状の部分を保持する把持部を備え、前記2つ1組の作用部材の挟持板の間において切除すべき組織部分を包含する空間が形成されるとともに前記1対の平行な挟持板は切除すべき組織部分を切り込む際に該挟持板の外形形状に従って切り込みがなされるようにする外形形状・寸法を有しているようにしてもよい。

【0011】
前記2つ1組の作用部材の棒状または梁状の部分の間隔を調整可能に保持して前記挟持板の間隔を調整できるようにしてもよい。

【0012】
前記2つ1組の作用部材の棒状または梁状の部分が弾性材料で形成されており、該棒状または梁状の部分の一方と他方とが一端側で相互に一体的に連結されてU字状の部材として構成されるようにしてもよい。

【0013】
前記2つ1組の作用部材の一方及び他方の棒状または梁状の部分がこれを包囲する把持部をなす部材内に収納されて保持され、前記支持部材をばね作用に抗して変位させるための押圧部が前記把持部をなす部材に形成された通口から外方に突出するように付設されているようにしてもよい。

【0014】
前記1対の平行な挟持板の対向する内側の面に凹凸部または多数の突起部を形成してもよい。
【0015】
また、本発明による組織切除補助器具は、外形が棒状の把持部を縦方向に二分したものの一方の半片とその先端側において上下に間隔をおいてそれぞれ一体的に延在するように取り付けられ外形が円形または長円形を二分した同じ形状・寸法の薄板体からなる1対の平行な挟持板とを備えてなる一方の構成単位と、該一方の構成単位と対称的に形成した外形が棒状の把持部を縦方向に二分したもの他方の半片とその先端側において上下に間隔をおいてそれぞれ一体的に延在するように取り付けられ外形が円形または長円形を二分した同じ形状・寸法の薄板体からなる1対の平行な挟持板とを備えてなる他方の構成単位と、
からなり、前記一方の構成単位と他方の構成単位とを一体的に突き合わせることにより全体として1つの把持部と円形または長円形の1対の平行な薄板状の挟持板とになり、該円形または長円形の平行な薄板状の挟持板間において切除すべき組織部分を包含する空間が形成される構造とするとともに前記1対の平行な挟持板は切除すべき組織部分を切り込む際に該挟持板の外形形状に従って切り込みがなされるようにする外形形状・寸法を有しており、前記一方の構成単位と他方の構成単位とを一体的にした状態で保持しまた再度分割することを可能にする保持手段を備えたものとしてもよい。

【0016】
また、本発明による組織切除補助器具は、外形が棒状の把持部を縦方向に二分したものの一方の半片とその先端側において上下に間隔をおいてそれぞれ一体的に延在するように取り付けられ外形が円環の略4分の1の形状でダクト状の外套と該外套内に挿入され進退可能な円環の略4分1の薄板形状の内套とからなる1対の挟持板とを備えてなる一方の構成単位と、該一方の構成単位と対称的に形成した外形が棒状の把持部の他方の半片とその先端側において上下に間隔をおいてそれぞれ一体的に延在するように取り付けられ外形が円環の略4分の1の形状でダクト状の外套と該外套内に挿入され外側からの操作により進退可能な円環の略4分1の薄板形状の内套とからなる1対の平行な挟持板とを備えてなる他方の構成単位と、からなり、前記一方の構成単位と他方の構成単位とを一体的に突き合わせて全体として把持部と略半円形状ダクト状の外套とその両側からそれぞれ進退可能な略円環の4分の1の形状の内套とからなる1対の平行な挟持板とになり、前記内套が進出した状態で前記1対の平行な挟持板間において切除すべき組織部分を包含する空間が形成される構造とするとともに前記1対の平行な挟持板は切除すべき組織部分を切り込む際に該挟持板の外形形状に従って切り込みがなされるようにする外形形状・寸法を有しており、前記一方の構成単位と他方の構成単位とを一体的にした状態で保持し、また再度分割することを可能にする保持手段を備えているものとしてもよい。

【0017】
また、本発明による組織切除補助器具は、それぞれ外形が円形または長円形を二分した同じ形状・寸法の薄板体からなる挟持板と該挟持板の基端側から延在する棒状または梁状の部分とを備える作用部材を2つ1組として有し、該2つ1組の作用部材の挟持板が平行に間隔をおいて対向する状態を維持し該間隔を狭める作用に抗するばね作用が与えられるように前記2つ1組の作用部材の棒状または梁状の部分を保持する把持部の一方の半片を備えてなる一方の構成単位と、該一方の構成単位と対称的に対をなすものとして形成されそれぞれ外形が円形または長円形を二分した同じ形状・寸法の薄板体からなる挟持板と該挟持板の基端側から延在する棒状または梁状の部分とを備える作用部材を2つ1組として有し、該2つ1組の作用部材の挟持板が平行に間隔をおいて対向する状態を維持し該間隔を狭める作用に抗するばね作用が与えられるように前記2つ1組の作用部材の棒状または梁状の部分を保持する把持部の他方の半片を備えてなる他方の構成単位と、からなり、前記一方の構成単位と他方の構成単位とを一体的に突き合わせて全体として把持部と円形または長円形の1対の平行な薄板状の挟持板とになり、該1対の円形または長円形の平行な薄板状の挟持板間において切除すべき組織部分を包含する空間が形成されるとともに前記1対の平行な薄板状の挟持板は切除すべき組織部分を切り込む際に該挟持板の外形形状に従って切り込みがなされるようにする外形形状・寸法を有しており、前記一方の構成単位と他方の構成単位とを一体的にした状態で保持しまた再度分割することを可能にするための保持部材を備えてなるものとしてもよい。

【0018】
また、本発明による組織切除補助器具は、それぞれ外形が円環の略4分の1の形状でダクト状の外套と該外套内に挿入され進退可能な円環の略4分1の薄板形状の内套とからなる1対の挟持板と、該1対の挟持板のそれぞれの基端側から延在する棒状または梁状の部分とを備える作用部材を2つ1組として有し、該1組の作用部材の挟持板が平行に間隔をおいて対向する状態を維持し該間隔を狭める作用に抗するばね作用が与えられるように前記2つ1組の作用部材の棒状または梁状の部分を保持する把持部の一方の半片を備えてなる一方の構成単位と、該一方の構成単位と対称的に対をなすものとして形成されそれぞれ外形が円環の略4分の1の形状でダクト状の外套と該外套内に挿入され進退可能な円環の略4分1の薄板形状の内套とからなる1対の挟持板と、該挟持板から延在する棒状または梁状の部分とを備える作用部材を2つ1組として有し、該1組の作用部材の挟持板が平行に間隔をおいて対向する状態を維持し該間隔を狭める作用に抗するばね作用が与えられるように前記2つ1組の作用部材の棒状または梁状の部分を保持する把持部の他方の半片を備えてなる他方の構成単位と、からなり、前記一方の構成単位と他方の構成単位とを一体的に突き合わせた上で前記一方及び他方の構成単位の挟持板における内套を外套から進出させることにより全体として1対の平行に対向する略円環状の挟持板となり、該略円環状の平行な挟持板間において切除すべき組織部分を包含する空間が形成されるとともに前記1対の平行な挟持板は切除すべき組織部分を切り込む際に該挟持板の外形形状に従って切り込みがなされるようにする外形形状・寸法を有しており、前記一方の構成単位と他方の構成単位とを一体的にした状態で保持しまた再度分割することを可能にする保持手段を備えてなるものとしてもよい。

【0019】
前記一方の構成単位と他方の構成単位とにおける1組の作用部材の棒状または梁状の部分の間隔を調整可能に保持して前記挟持板の間隔を調整できるようにしてもよい。

【0020】
前記一方の構成単位と他方の構成単位とにおける1組の作用部材の棒状または梁状の部分が弾性材料で形成されており、該1組の棒状または梁状の部分が一端側で相互に一体的に連結されてU字状の部材として構成されているようにしてもよい。

【0021】
前記一方の構成単位と他方の構成単位との2組の作用部材の棒状または梁状の部分を合わせたものがこれを包囲する把持部をなす部材内に収納され保持され、前記棒状または梁状の部分を合わせたものにばね作用に抗して変位させるための押圧部が前記把持部をなす部材に形成された通口から外方に突出するように付設されているようにしてもよい。

【0022】
前記1対の平行な挟持板の対向する内側の面に凹凸部または多数の突起部を形成してもよい。
【0023】
前記1対の平行な挟持板の外套の対向する内側の面に凹凸部または多数の突起部を形成してもよい。
【0024】
また、本発明による組織切除補助器具は、それぞれ外形が円形または長円形を二分した形状で同じ形状・寸法の薄板体からなる挟持板と該挟持板の基端側から延在する棒状または梁状の部分とを備える一方の2つ1組の同形の作用部材と、該一方の2つ1組の同形の作用部材と対称的に対をなすものとして形成されそれぞれ外形が円形または長円形を二分した形状で同じ形状・寸法の薄板体からなる挟持板と該挟持板の基端側から延在する棒状または梁状の部分とを備える他方の2つ1組の同形の作用部材と、前記一方の2つ1組の同形の作用部材と前記他方の組の2つ1組の同形の作用部材とを突き合わせるとともに前記一方の2つ1組の同形の作用部材の棒状または梁状の部分を間隔をおいて支持し、かつ前記他方の2つ1組の同形の作用部材の棒状または梁状の部分を間隔をおいて一体的に支持する保持部材と、を備えてなり、前記保持部材が前記一方及び他方の2つ1組の同形の作用部材の棒状または梁状の部分を一体的に支持する状態で前記一方の2つ1組の作用部材の挟持板と前記他方の2つ1組の作用部材の挟持板とを突き合わせて全体として2枚の円形または長円形の平行な挟持板となり、その間に切除すべき組織部分を包含する空間が形成されるとともに前記1対の平行な挟持板は切除すべき組織部分を切り込む際に該挟持板の外形形状に従って切り込みがなされるようにする外形形状・寸法を有するようにし、また、前記保持部材は前記一方及び他方の2つ1組の作用部材の棒状または梁状の部分の一体的な保持を解除して前記一方及び他方の2つ1組の作用部材を分離した状態にできるものとしてもよい。

【0025】
前記一方及び他方の2つ1組の作用部材の挟持板を突き合わせて全体として2枚の円形または長円形の平行な挟持板となる際の挟持板の対向する内面の側に凹凸部に凹凸部または多数の突起部を形成してあることを特徴とする請求項16に記載の組織切除補助器具。
【0026】
前記保持部材が前記一方の2つ1組の作用部材の棒状または梁状の部分の間隔及び前記他方の2つ1組の作用部材の棒状または梁状の部分の間隔を狭める作用に抗するばね力を与えるように一体的に支持するようにしてもよい。

【0027】
また、本発明による組織切除補助器具は、それぞれ外形が円環の略4分の1の形状でダクト状の外套と該外套内に挿入され進退可能な円環の略4分1の薄板形状の内套とからなる1対の挟持板と該挟持板の基端側から延在する棒状または梁状の部分とを備える一方の2つ1組の同形の作用部材と、該一方の2つ1組の同形の作用部材と対称的に対をなすものとして形成されそれぞれ外形が円環の略4分の1の形状でダクト状の外套と該外套内に挿入され進退可能な円環の略4分1の薄板形状の内套とからなる1対の挟持板と該挟持板から延在する棒状または梁状の部分とを備える他方の2つ1組の作用部材と、前記一方の2つ1組の同形の作用部材と前記他方の組の2つ1組の同形の作用部材とを突き合わせるとともに前記一方の2つ1組の同形の作用部材の棒状または梁状の支持部材を間隔をおいて支持し、かつ前記他方の2つ1組の同形の作用部材の棒状または梁状の部分を間隔をおいて一体的に支持する保持部材と、を備えてなり、前記保持部材が前記一方及び他方の2つ1組の同形の作用部材の棒状または梁状の部分を一体的に支持する状態で前記一方及び他方の2つ1組の作用部材における内套を外套から進出させることにより全体として1対の平行に対向する略円環状の挟持板となりその間に切除すべき組織部分を包含する空間が形成されるとともに前記1対の平行な挟持板切除すべき組織部分を切り込む際に該挟持板の外形形状に従って切り込みがなされるようにする外形形状・寸法を有するようにし、また、前記保持部材は前記一方及び他方の2つ1組の作用部材の棒状または梁状の部分の一体的な保持を解除して前記一方及び他方の2つ1組の作用部材を分離した状態にできるものとしてもよい。

【0028】
前記一方及び他方の2つ1組の同形の作用部材の棒状または梁状の部分を一体的に支持した状態で2枚の平行な挟持板となる外套の対向する内側の面に凹凸部または多数の突起部を形成してもよい。

【0030】
前記保持部材が前記一方の2つ1組の作用部材の棒状または梁状の部分の間隔及び前記他方の2つ1組の作用部材の棒状または梁状の部分の間隔を狭める作用に抗するばね力を与えるように一体的に支持するようにしてもよい。

【発明の効果】
【0031】
本発明による組織切除補助器具を用いて腫瘍のある組織の切除を行う際に、組織切除補助器具の2枚の挟持板が腫瘍の部分を中心にしてこれを包囲するように位置させることにより、腫瘍の遺残及び露出を防ぎ、正確に切除断端における腫瘍細胞の有無を判断することができ、挟持板の外形に沿って切除部分の側面の切り込みを行うことにより、腫瘍の部分の周囲2cm程度の面に沿って容易に切除を行うことができるとともに、切除の際に切除部分がずれるのを防止することができ、乳癌患者の乳房内再発を防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
図1(a)~(b)は、本発明による組織切除補助器具の基本的な形態を示す図であり、図1(a)は斜視図で、図1(b)は断面図で示している。この組織切除補助器具は把持部1と、把持部1の先端側における基端部2と、基端部2の上下両端において間隔をおいて取り付けられた1対の平行な平板状の挟持板3,4からなる。挟持板3,4は円形ないし長円形で同じ大きさであり、また、組織切除の際に、この1対の挟持板3,4の間の空間内に切除対象となる腫瘍の部分が入るような大きさとする。挟持板3,4の内側の対向する面は凹凸部を形成するか、図1(a),(b)に示すように多数の突起5を形成するのがよい。このような凹凸部ないし突起は切除すべき組織を引き出す際に、組織が滑らないようにして取り出し易くするためのものである。
【0033】
図1(a)、(b)に示す組織切除補助器具は金属またはプラスチックで形成される。挟持板3、4は円形ないし長円形であり、同じ形状、大きさとして、平行になるようにする。挟持板3、4の外形、間隔は、その間の空間に腫瘍の部分を包含する大きさで、挟持板3、4の外形形状が組織を切開する際のガイド指標となるようにする。そのため、挟持板の径は腫瘍の大きさより周囲方向に2cm程度広がる大きさとする。腫瘍の大きさ、形状を考慮した場合には、複数の挟持板の寸法のものを用意する。挟持板3、4は腫瘍の部分を包含して位置を規定し、組織切開のガイド指標とするものであり、円形ないし長円形の板状である。また、図1(b)で把持部1が挟持板3、4の方向に延びた形になっているが、組織切除の際に挿入し易くすることからすれば、挟持板3、4の方向からある程度角度をなす方向に延びる形としてもよい。
【0034】
図2(a)~(c)は、挟持板3と挟持板4との間隔を変えられるようにした組織切除補助器具を概略断面で示す図である。図2(a)において、挟持板3は基端側でL字状に屈曲した後さらに屈曲して挟持板3と同じ方向に延びた細い梁状の部分3aとなっており、また、挟持板4は基端側で対称的にL字状に屈曲した後さらに屈曲して挟持板4と同じ方向に延びた細い梁状の部分4aとなっている。挟持板3と梁状の部分3aとは一方の作用部材をなし、挟持板4とは4aとは他方の作用部材をなしており、両方の作用部材の梁状の部分3aと4aとは端側で一体になっている。挟持板3、梁状の部分3、梁状の部分4a、挟持板4は一連の部材として一体的に弾性変形可能な材料で形成され、梁状の部分3aと4aとを外方から押圧すれば内方に変形し、挟持板3と4との間隔を狭めることができる。梁状の部分3aと4aとの間にばね部材を介在させてもよい。
【0035】
把持部1は内部に梁状の部分3a、4aを収納するように形成され、梁状の部分3aと4aとが一体的に連なるU字形の先端屈曲部分を把持部1内に形成された溝状の保持部1kに押し込むようにして保持固定し、挟持板3、4に近い方の側では図で上下方向に移動可能になるように側方を緩やかに案内されるようにしておく。把持部1において1対の連通口1a、1aが形成され、梁状の部分3a、4aには押圧部3b、4bがそれぞれ一体的に付設されており、押圧部3b、4bはそれぞれ連通口1a、1aを通って把持部1の外周面より外方に突出する高さになっている。押圧部3b、4bを両側から押し込むことにより、梁状の部分3a、4aが撓んで挟持板3、4の間隔が狭められる。把持部1は剛性が大きく変形しにくい材料で形成される。
【0036】
図2(b)は、挟持板3と4との間隔を狭めるようにするための他の形態を示すものであり、この場合、挟持板3と4とは別個になっている。上側の挟持板3の基端側には垂直方向に柱状部3c、柱状部3cに垂直方向に、すなわち挟持板3に平行に連結部3d、連結部3dに垂直方向に、すなわち柱状部3cに平行に上向きに押圧部3eが一体的に延びている。挟持板4の基端側には垂直方向に柱状部4c、柱状部4cに垂直方向に、すなわち挟持板4に平行に連結部4d、連結部4dに垂直方向に、すなわち柱状部4cに平行に下向きに押圧部4eが一体的に延びている。挟持板3側の柱状部3c、連結部3d、押圧部3eと、挟持板4側の柱状部4c、連結部4d、押圧部4eとはそれぞれ対称的な「コ」字状の屈曲部材になっている。

【0037】
把持部1内には空洞部6が形成され、空洞部6の基端部2側にはそれぞれ柱状部3c、4cが通り抜ける通口6a、6aが形成され、空洞部6の基端部2と反対側にはそれぞれ押圧部3e、4eが通り抜ける通口6b、6bが形成されている。連結部3dと連結部4dとは間隔をおいていて、間に間隔を広げるように付勢するばね8が設けられている。通口6a、6a及び6b、6bはそれぞれ柱状部3c、4c及び押圧部3e、4eが上下方向にのみ移動するのを案内する形状になっている。このように形成された組織切除補助器具において、把持部1を把持しながら、2本の指で押圧部3cと押圧部4cとを押し込むと、挟持板3は下方に、挟持板4は上方に移動し、その間隔が狭められる。図2(b)でばね8の部分は断面で示してはいない。
【0038】
図2(c)は、挟持板3と挟持板4との間隔を狭められるようにするためのさらに他の形態を示しており、上側の挟持板3の基端側にはほぼ垂直な方向に柱状部3f、柱状部3fに鈍角をなして操作棒3gが一体的に延びており、また、下側の挟持板4の基端側にはほぼ垂直な方向に柱状部4f、柱状部4fに鈍角をなして操作棒4gが一体的に延びており、挟持板3側の柱状部3f、操作棒3gの形状と、挟持板4側の柱状部4f、操作棒4gの形状とは対称的になっている。把持部1内には空洞部6が形成され、空洞部6の基端部2側にはそれぞれ柱状部3f、4fが通り抜ける通口6c、6cが形成されている。把持1内で基端部2と反対側に空洞部7が形成され、空洞部6と空洞部7との間に仕切り部1cが形成されている。仕切り部1cの中心部には空洞部6と空洞部7とを連結する通口6dが形成され、この位置で操作棒3gと操作棒4gとが交差状態で重なるようにしてある。この交差部において操作棒3gと操作棒4gとにそれぞれ形成された孔にピン9が通され、ピン9は通口6dの両側において把持部1の壁部に固定されている。
【0039】
通口6c、6cと通口6dとは操作棒3g、4gがピン9を支軸としてある程度回動可能になるような形状になっており、把持板3と把持板4とがほぼ平行な状態で操作棒3gと操作棒4gとが空洞部7の内面に当接するようになっている。把持部1の末端側(基端部2と反対の側)は取り外し可能なキャップ1bになっており、キャップ1bの中心部で空洞7の側に突起部1cが形成されている。突起部1cは操作棒3gと操作棒4gとが移動しないように保持する作用をなす。また、操作棒3gと操作棒4gとの間に、間隔を開く方向に作用するばね8を付設しておく。このように形成した組織切除補助器具において、キャップ1dを取り外して操作棒3gと操作棒4gとの末端側を押圧すれば、挟持板3と挟持板4とはその末端側の間隔が狭まる方向に移動する。図2(c)で操作棒3g,4gの部分、ばね8の部分は断面図で示していない。
【0040】
図2(a)~(c)に示す形態のものを製作する際に、把持部1は例えば縦方向に分割して形成し、梁状の部分、「コ」字状の屈曲部材または操作棒を把持部1内の空洞部に収納した状態で把持部1を一体的に接合する。
図3(a)は、図2(a)の構成で把持部1が挟持板3、4の方向に対して角度をなす形状にしたものである。この場合、梁状の部分3a、4aは把持部1と同様に挟持板3、4の方向に対して角度をなしている。このように把持部1が挟持板3、4の方向に対して角度をなすようにするのは、組織切除形態に応じて使用し易くするためである。この場合の把持部1と挟持板3、4との角度は180度にある程度近い大きさであるとする。
【0041】
図3(b)は、把持部1が挟持板3、4の方向に対して角度をなすようにして挟持板3と挟持板4との間隔を変えられるようにする他の形態のものを斜視図で示している。挟持板3の基端側から梁状の部材3mが角度をなして延び、挟持板4の基端側から梁状の部材4mが同じ角度をなして延びており、この場合梁状の部材4mは梁状の部材3mの縦方向の両側縁部分を包囲する形状にされ、梁状の部材3mが梁状の部材4m内に支持されて縦方向に摺動できる状態になっている。図で梁状の部材3mの上側に凸部3kが形成され、この凸部3kと梁状の部材4mの末端側部分との間にばね部材8が取り付けられており、ばね部材8は挟持板3と挟持板4との間隔を狭める作用に抗するものである。把持部となる梁状の部分4mを把持しながら凸部3kをばね部材8の力に抗して指でずらすことにより、挟持板3と挟持板4との間隔を変えることができる。このような構成により、挟持板3と挟持板4との間隔を変えることができ、また、把持部と挟持板との角度がある程度90度に近いものとするという点で図3(a)のような場合と異なっている。この角度が90度近いため、把持部と挟持板との付け根の部分は滑らかに連結する形状とするのがよい。
【0042】
図4は挟持板3、4の間隔を調整して保持できるようにする構造の例であり、挟持板3から延在する梁状の部分3hと挟持板4から延在する梁状の部分4hとを平行な状態で収納する把持部内の部分を概略断面で示している。把持部において梁状の部分3hの上側にの2箇所の位置に通口1d、1eが形成されこれと一致した位置でその下側の梁状の部分3hに同じ大きさの通口が形成されている。この通口の大きさは、これに通過させるねじ10a、10bの頭部がそれぞれ回動できる程度のものとする。梁状の部分4hとその下側の把持部1の位置にはねじ10a、10bが螺合して通り抜けるねじ孔が形成され、ねじ10a、10bの先端側にはナットが螺合して取り付けられ、それらのナットは把持部1の壁部に固定状態で保持される。把持部1において通口1dと1eとの間にさらに通口1fが形成されており、梁状の部分3hの外側に付設された押圧部3iが把持部1の外周面より高くなるように通口1fから突出している。また、梁状の部分3hと4hとの間にその間隔を広げるように作用するばね8a、8bが配置され、ねじ10a、10bがそれぞればね8a、8bを通り抜けるようにしてある。このように構成された切除補助器具では、使用前にねじ8a、8bの頭部を回動させて梁状の部分3h、4hの間隔を変え、それによって挟持板3、4の間隔を変えることができる。このようにして、切除部分の厚さに応じて挟持板3、4の初期状態の間隔を調節することができ、また、切除補助器具を挿入した後で切除部分を取り出す前に、挟持板の間隔を狭めて切除部分を圧し付けるようにできる。図4において、ねじ10a,10bとばね8a,8bとの部分については断面で示していない。
【0043】
図1~図4に示す組織切除補助器具は挟持板3、4がそれぞれ一体的のものとして形成されている。切除すべき組織の部分が場合に、このように挟持板3、4が一体的なものでも切開創から挿入できるが、切除すべき組織の部分がある程度大きい場合には、挟持板を一体的なものでなく、分割型にすることにより挿入し易くすることができる。
【0044】
図5は、図2(a)に示した組織切除補助器具を縦方向に2分割した形態のものを斜視図で示している。一方の構成単位においては、円形ないし長円形の半分の形状の挟持板13Lの基端側にL字状屈曲部を経て細い梁状の部分13Laが連なり、同じく円形ないし楕円形の半分の形状の挟持板14Lの基端側にL字状屈曲部を経て細い梁状の部分14Laが連なり、梁状の部分13Laと14Laとは端側で一体的にU字状に連なっており、上下から押圧力を受けた際に弾性変形可能であり、梁状の部分13La、14Laの外側にそれぞれ押圧部13Lb、14Lbが付設されている。把持部の半片11Lは梁状の部分13La、14Laを半分収納する形態、すなわち図で見える側は梁状の部分13La14Laが見える状態になっている。把持部11Lには押圧部13Lb、14Lbが通り抜ける1対の切欠部11La、11Laが形成され、押圧部13Lb、14Lbは把持部11Lの外周面より外方に突出する高さになっている。また梁状の部分13Laと14Laとが一体的に連なるU字状の先端屈曲部分は溝状の保持固定部11Lkに押し込まれその内側及び外側を挟み込むように保持固定される。梁状の部分の挟持板13La、14Laの側は上下方向に移動可能に案内されるようにしてある。
【0045】
このように、2分割型の組織切除補助器具の一方の構成単位において、図2(a)に示したものの半分の形のものとして構成されている。他方の構成単位においては、これと対称的に、挟持板13R、梁状の部分13Ra、14Ra、挟持板14Rが一体的に連なったもの、把持部11Rを含む他の半分の形のものが同様に構成される。切開創からの挿入の際は、分離した形で別々に行い、挿入後に一体化するものである。両方を合体させる際に位置決めのための凹凸の嵌合部分、さね状の部分等を把持部11L、11Rの対向する接合面に形成しておくのがよい。また、合体した後に一体的に保持するのは、把持部の端側から環状部材を外挿するというような保持手段を用いることによりなされる。挟持板の間隔の狭め方としては、図2(a)の形態のものとしているが、図2(b)、(c)のように他の形態のものとしてもよい。
【0046】
図6(a)~(c)は、2分割型とした上で、挟持板を進退可能に形成した組織切除補助器具の形態を斜視図で示したものである。図5のものと比較して異なるのは、2分割型の一方の構成部分の挟持板が円環の4分の1の形状の屈曲ダクト状の外套23L、24Lと、その内側にそれぞれ収容された環状の4分の1の形状の板状の内套23L1、24L1とからなり、他方の構成部分の挟持板が円環の4分の1の形状の屈曲ダクト状の外套23R、24Rと、その内側にそれぞれ収容された環状の4分の1の形状の板状の内套23R1、24R1とからなるようにした点である。
【0047】
外套23L、23Rのそれぞれの上側の面には円環部分の形状の幅のほぼ中心位置に細い円弧状のスリット23L2、23R2がそれぞれ形成され、外套24L、24Rのそれぞれの下側の面には円環部分の形状の幅のほぼ中心位置に細い円弧状のスリット24L2、24R2がそれぞれ形成さている(スリット24L2、24R2は図では見えない。)が形成されている。
【0048】
外套23L、24Lにはそれぞれ円環のほぼ4分の1の板状の内套23L1、24L1が進退可能に挿入され、最も挿入された時に基端部に近くなる内套23L1、24L1の端部近くにねじ23L3、24L3がそれぞれ取り付けられ、ねじ23L3、24L3はそれぞれ頭部が外套23L、24Lにおけるスリット23L2、24L2を通り抜け、ねじを緩めた状態で内套23L1、24L1がそれぞれ進退可能になり、ねじ23L3、24L3を締め付けることによりそれぞれのねじの頭部により内套23L1、24L1が固定されるようにする。他方の構成部分の外套23R、24Rについても同様に、スリット23R2、24R2が形成されるとともに、それぞれ円環のほぼ4分の1の板状の内套23R1、24R1が進退可能に挿入され、内套23R1、24R1の端部近くにねじ23R3、24R3がそれぞれ取り付けられ、ねじの頭部がスリット23R2、24R2を通り抜けるようにしてあり、ねじを緩めて内套を進退させ、ねじを締め付けて内套を固定する。
【0049】
図6(b)は図4(a)の組織切除補助器具の内套が後退した状態において、図6(c)は組織切除補助器具の内套が前進した状態において、それぞれ上から見た挟持板の部分の状態を平面図で示している。また、1対の挟持板の外套の対向する内面において、凹凸部または多数の突起部5を形成するのがよい。図6(a)においては、挟持板の間隔を狭める手段として、図2(a)と同様のものを示しているが、図2(b)、(c)のような他の形態としてもよい。
【0050】
図5あるいは図6に示すような2分割型のものにおいて、一方及び他方の半片における2つの作用部材の支持部材を保持する保持手段を、それぞれ図4の場合同様に間隔を調整できるような保持部材とすることにより、切除部分の厚さに応じて挟持板3、4の初期状態の間隔を調節することができ、また、切除補助器具を挿入した後に挟持板の間隔を狭めて切除部分を圧し付けるようにできる。
【0051】
図7(a),(b)は4分割型とした組織切除補助器具の例を示す図である。図7(a)は4分割型として構成する要素を斜視図で示しており、円形ないし長円形の半分の形状の挟持板33Lの基端側に棒状の支持部材33Laが連なってなる作用部材を第1の要素とし、これと同形で挟持板34Lの基端側に棒状の支持部材34Laが連なってなる作用部材を第2の要素とし、第1の要素と対称的な形状で挟持板33Rの基端側に棒状の支持部材33Raが連なってなる作用部材を第3の要素とし、これと同形で挟持板34Rの基端側に棒状の支持部材34Raが連なってなる作用部材を第4の要素とし、この4つの要素を、保持部材50で一体的に保持する。
【0052】
保持部材50は可撓性プラスチック等の2枚の板材52と53との間にゴム等の弾性部材からなる板状体51を挟んで構成され、板材53の縦方向中心線上の位置から一体的に縦方向に間隔をおいて左側の保持腕部54L1,54L2と右側の保持腕部54R1,54R2とが延びている。保持腕部54L1,54L2は板材52,53の上下にそれぞれ第1の要素の支持部材33Laと第2の要素の支持部材34Laとを周回して保持するように屈曲可能であり、保持腕部54R1,54R2は板材52,53の上下にそれぞれ第3の要素の支持部材33Raと第4の要素の支持部材34Raとを周回して保持するように屈曲可能であり、また、第1、第2、第3、第4の要素の支持部材33La,34La,33Ra,34Raを一体的に保持した状態を維持するために保持腕部54L1,54L2にそれぞれ爪55a,55bが形成され、保持腕部54R1,54R2にそれぞれ凹部56a,56bが形成されており、爪と凹部との係合うにより一体的な保持がなされるとともに、爪と凹部との係合を解除して保持腕部54L1、54R1の連結を外し、保持腕部54L2、54R2の連結を外すことにより、第1、第2、第3、第4の要素を分離した状態にすることができる。図7(b)は第1、第2、第3、第4の要素を一体化した状態で支持部材の末端側から見た図であり、保持腕部54L2,54R2の部分を断面で示している。

【0053】
第1、第2、第3、第4の要素の一体化するに際し、簡略的には、第1の要素の挟持板33Lと第3の要素の挟持板33Rとの端面同士を突き合わせ、第2の要素の挟持板34Lと第4の要素の挟持板34Rとを突き合わせて、第1の要素及び第3の要素の棒状部材33La及び33Raと第2の要素及び第4の要素の棒状部材34La及び34Raとの間の部分にゴム等の弾性部材からなる板状体51を介在させて第1~第4の要素を一体的にした上で棒状部材33La,33Ra、34La,34Raの周囲に可撓性部材を巻き付け、あるいは輪ゴムにより保持するようにしてもよい。突き合わされた円形ないし長円系となった2枚の挟持板はゴム等の板状体の厚さに応じた空間が形成され、板状体の厚さはこの空間が切除する組織部分を包含するようなものとする。

【0054】
図7(a)、(b)では4分割型の作用部材を一体化したときに挟持板が図5のように円形または長円形のものについて示したが、挟持板として図6(a)~(c)のように、円環の4分の1の形状の屈曲ダクト状の外套と、その内側にそれぞれ収容された環状の4分の1の形状の板状の内套とからなるものとした場合にも同様に構成し得るものである。
【0055】
また、図7(a)、(b)に示すような4分割型のものにおいて、一方及び他方の半片における2つの作用部材の支持部材を保持する保持手段を、それぞれ図4の場合と同様に間隔を調整できるような保持部材とすることにより、切除部分の厚さに応じて挟持板3、4の初期状態の間隔を調節することができ、また、切除補助器具を挿入した後に挟持板の間隔を狭めて切除部分を圧し付けるようにできる。
〔組織切除補助器具の使用形態〕
本発明による組織切除補助器具の使用形態を、特に乳癌の腫瘍の部分を切除する場合に関して説明する。図8(a)に示すように患部を有する乳房に対して超音波診断装置により乳房内の存在する腫瘍Aの位置を検出し、この腫瘍を包含する切除部分B(図8(b))を特定する。切除部分Bとしては、腫瘍を包含して平行な円形ないし楕円形に挟まれた円柱ないし楕円柱の領域内の部分を考える。この円形ないし長円形は、腫瘍の辺縁から2cm程度離れるものとし、切除補助器具としてこのような切除部分の形状に合致する円形ないし長円形の1対の挟持板の大きさ、間隔を有するものを用意しておく。切除部分の径が小さければ挟持板が一体的なものを用いることができるが、切除部分が大きくなる場合には2分ないし4分割型のものを用いる。その後に、乳房内の乳輪の位置にメスで切開創を入れ、そこから断面方向に見て図8(a)に示すように電気メスで切除部分Bの平行な面に沿って切り込みCを入れる。この切り込みは、用いる挟持板の間隔と同じ平行な面状になるようにする。
【0056】
このように平行な面状に切り込みを入れた後に、切除補助器具の挟持面を切開創から挿入し切り込み面に沿って挿入する。その際、挟持板に挟まれる空間内のほぼ中心位置に腫瘍部分がくるようにする。1対の挟持板の対向する内面に凹凸部ないし多数の突起部を形成してあるものでは、挿入に際して挟持板が引っかかり易いので、他の補助器具を切り込みの面に挿入して少々押し開くようにしながら行うのがよい。
【0057】
挟持板が切除部分を取り囲む位置に達した段階で切除補助器具を保持しておき、挟持板の外形に沿って、すなわち切除部の側面に沿って電気メスで切り込みを入れる。このようにして切除部の側面に沿った切り込みを行うに際し、挟持板の外形形状に従って行うことができる。この側面の切り込みは、手前から奥側に向かって、左側及び右側で行い、側面全周の切り込みを行うことによって終了し、切除部分の周面全体に切り込みが入れられたことになる。挟持板の対向する内面に凹凸ないし凸部を形成したものでは、切除部の側面を切り込む際に挟持板に挟まれた組織部分がずれるのを防止することができる。挟持板の間隔を狭められるようにした構成のものでは、それによってされにこのずれの防止が確実になされる。
【0058】
切除部分の周面の切り込みが完了すれば、切除部分が取り出せる状態になる。切除部分が小さく、一体型の切除補助器具を用いる場合には、切除補助器具を引き出すことができる。その際、挟持板の間隔を狭められる構成のものでは、切除部分が滑り抜けずに取り出し易くなる。切除部分が大きく、2分割型のものを用いる場合、図8(c)に示すように、2分割のうちの一方の部分を切開創から挿入し、その後に他方の部分を挿入した後に両方の部分を位置合わせして一体化させてから切除部分の側面の切り込みを行う。4分割型のものを用いる場合は、4分割型の第1、第2、第3、第4の要素の挟持板の部分を順次切開創から挿入した後に保持部材で第1、第2、第3、第4の要素の支持部材を一体化させて切除部分の切り込みを行う。2分割型または4分割型のもので図4(a)のような挟持板が進退可能な形のものの場合、内套が後退した状態で一方の切開創から挿入し一体的に保持した後にそれぞれの内套を進出させて挟持板の外周がほぼ円形状になった状態でこのほぼ円形状の外周に沿って切除部分の側面の切り込みを行う。
【0059】
2分割型または4分割型のものでは、切除部分の側面の切り込みが完了した後、切除補助器具の一体化を解除し、それぞれの要素を切開創から除去し、さらに他方の部分を切開創から除去した後に、他の挟持器具を用いて切除部を取り出す。挟持板の外形が大きくない場合で挟持板の対向する内面に凹凸部または多数の突起部が形成されていて挟持板の間隔が可変のものでは、切除部を分離せずに把持部を押圧して挟持板の間隔を狭めて手前に引き寄せることにより切除部の側面の切り込みの完了後に切除補助器具とともに切除部を取り出すこともできる。
【0060】
このように、本発明による切除補助器具を切開創から挿入し、その挟持板の外形に沿って切除部分の側面の切り込みを行うことにより、腫瘍の部分の周囲2cm程度の面に沿って容易に切除を行うことができ、その際に切除部分がずれるのを防止することができる等、手術における熟練の必要度が緩和される。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】(a)本発明による組織切除補助器具の基本的な形態を示す斜視図である。(b)本発明による組織切除補助器具の基本的な形態を示す断面図である。
【図2】(a)挟持板の間隔を狭められるようにした本発明による組織切除補助器具の1つの形態を示す断面図である。(b)挟持板の間隔を狭められるようにした組織切除補助器具の他の形態を概略断面で示す図である。(c)挟持板の間隔を狭められるようにした組織切除補助器具の他の形態を概略断面で示す図である。
【図3】(a)挟持板の間隔を変えられるようにし挟持板と把持部とが角度を有する形状とした形態を示す断面図である。(b)挟持板の間隔を変えられるようにし挟持板と把持部とが角度を有する形状とした他の形態を示す斜視図である。
【図4】挟持板の間隔を調節できるようにした組織切除補助器具の把持部内の部分を概略断面で示す図である。
【図5】2分割型とした本発明による組織切除補助器具の形態を示す斜視図である。
【図6】(a)2分割型で挟持板が進退可能にした本発明による組織切除補助器具の形態を示す斜視図である。(b)(a)の組織切除補助器具で内套が後退した状態を部分的に示す平面図である。(c)(a)の組織切除補助器具で内套が前進した状態を部分的に示す平面図である
【図7】(a)4分割型とした本発明による切除補助器具の形態を示す斜視図である。(b)4分割型のものを一体化した状態で把持部の端側からみた図である。
【図8】(a)~(c):本発明による組織切除補助器具を腫瘍の切除に適用する形態を示す図であり、(a)腫瘍部分の位置と電気メスによる切り込みの関係を断面方向から見た状態(b)切除部分と切開創との関係を斜視方向から見た状態(c)分割型の切除補助器具の一方の部分を挿入する状態(前方から見た状態)を示している。
【符号の説明】
【0062】
1 … 把持部
2 … 基端部
3,4 … 挟持板
3a,4a … 梁状の部材
3g,4g … 棒状の部材(操作棒)
13L;14L,33L;34L … 挟持板の半片
13R;14R,33R;34R … 挟持板の半片
13La;14La,23La;24La,33La;34La … 梁状(棒状)の部材の半片
13Ra;14Ra,23Ra;24Ra、33Ra:34Ra … 梁状(棒状)の部材の半片
23L;24L … 外套
23R;24R … 外套
23L1;24L1 … 内套
23R1;24R1 … 内套
図面
【図1】
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【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
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