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明細書 :ケミカルヒートポンプの反応器用熱交換器

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4019131号 (P4019131)
公開番号 特開平11-182968 (P1999-182968A)
登録日 平成19年10月5日(2007.10.5)
発行日 平成19年12月12日(2007.12.12)
公開日 平成11年7月6日(1999.7.6)
発明の名称または考案の名称 ケミカルヒートポンプの反応器用熱交換器
国際特許分類 F25B  17/08        (2006.01)
F25B  35/04        (2006.01)
FI F25B 17/08 Z
F25B 35/04
請求項の数または発明の数 2
全頁数 5
出願番号 特願平09-355812 (P1997-355812)
出願日 平成9年12月24日(1997.12.24)
審査請求日 平成16年12月21日(2004.12.21)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504174135
【氏名又は名称】国立大学法人九州工業大学
発明者または考案者 【氏名】小倉 裕直
【氏名】金丸 靖
個別代理人の代理人 【識別番号】100082164、【弁理士】、【氏名又は名称】小堀 益
【識別番号】100105577、【弁理士】、【氏名又は名称】堤 隆人
審査官 【審査官】田々井 正吾
参考文献・文献 特開昭63-011415(JP,A)
実開平03-034567(JP,U)
特開昭61-175283(JP,A)
特開平04-148164(JP,A)
調査した分野 F25B 17/08
F25B 35/04
特許請求の範囲 【請求項1】
中心を通る面で少なくとも2分割可能な円板状のトレイを多段に配置し、前記トレイの中心部に形成した凹部に熱交換用パイプを通し、前記トレイの外周部に形成した複数の凹部にヒータを配設し、前記トレイに熱交換用媒体を充填したことを特徴とするケミカルヒートポンプの反応器用熱交換器。
【請求項2】
トレイ内部に、放射状のフィンを設けたことを特徴とする請求項1記載のケミカルヒートポンプの反応器用熱交換器。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ケミカルヒートポンプの熱交換器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
図3はCaO/Ca(OH)2系ケミカルヒートポンプの概念図である。図示のように、ケミカルヒートポンプは、反応器1、蒸発・凝縮器2と両者を結ぶパイプ3及びパイプ3の中途に設けられた接続バルブ4により構成され、反応器1には蓄熱材としてCaO粒子が充填され、蒸発・凝縮器2には反応器内のCaO粒子と反応するに見合う量のH2Oが充填され、真空に保たれている。反応器1にはヒータ5と熱交換パイプ6を備えた熱交換器8が設けられ、また蒸発・凝縮器2には熱交換パイプ7を備えた熱交換器9が設けられている。
図3(a)に示す放熱過程では、接続バルブ4を開けると圧力差により、蒸発・凝縮器2中の水が水蒸気となりパイプ3を通って反応器1へ移動し、反応器1中のCaO粒子と水和反応し、Ca(OH)2が形成され、高温熱が生成され、蒸発・凝縮器2では水が蒸発潜熱を失うことにより、冷熱が生成される。
次に、図3(b)に示す蓄熱過程では、反応器1に熱交換器8のヒータ5により熱を加えると、放熱過程でCaOとH2Oとが反応して生成されたCa(OH)2が脱水されてCaOが再生されると共に、発生した水蒸気は圧力差によりパイプ3を通って蒸発・凝縮器2へ移動し、冷却することによって凝縮され水となつて溜まり、再び温・冷熱生成前の状態に戻る。
以上のように、CaO/Ca(OH)2系ケミカルヒートポンプは、Ca(OH)2をCaOとH2Oとに戻す反応とCaOとH2OとによりCa(OH)2を生成する水和反応との可逆反応を利用するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来のCaO/Ca(OH)2系ケミカルヒートポンプにおいては、CaOとH2Oが反応する際の温熱・冷熱の生成については、これまで確認されてきており、熱取り出しのための熱交換器についても数種類開発されている。
図4は従来の熱交換器の1例を示すものであり、(a)は縦断面図、(b)は平面図である。熱交換器8にはCaO粒子充填層Aがあり、内部に、加熱用ヒータ5と熱交換パイプ6がコイル状に設けられている。
しかし、この熱交換器の構造では、熱交換パイプ6の熱交換効率を上げるためにコイル長を長くしなければならず、製造も手間がかかり、生成熱量が少なく、放熱時の熱取り出し及び蓄熱時の加熱を行う際に効率が悪く、粒子の充填方法等を改善する必要があった。
そこで本発明は、CaO/Ca(OH)2系ケミカルヒートポンプにおける生成熱量の増大及び熱交換効率の向上を図ることを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明のケミカルヒートポンプの反応用熱交換器は、中心を通る面で少なくとも2分割可能な円板状のトレイを多段に配置し、前記トレイの中心部に形成した凹部に熱交換用パイプを通し、前記トレイの外周部に形成した複数の凹部にヒータを配設し、前記トレイに熱交換用媒体を充填したものである。
前記トレイ内部には、熱効率を上げるために放射状のフィンを設けることが好ましい。
【0005】
【発明の実施の形態】
本発明においては、蓄・放熱性能の向上を図るためにCaO粒子層内での熱・水蒸気移動を促進するようにCaO粒子充填層を多段トレー型としてCaO粒子を分配し、トレーにフィンを取り付けた。さらに蓄熱密度を大きくし、熱ロスを小さくするために、柱等の余分な構造物を要しない試料トレー、ヒーター、熱交換器一体型とした。また、点検及び修理、試料交換、試料設置状態変更が容易にできるようにトレーとヒータ、熱交換器を分割できるようにカートリッジタイプにした。
【0006】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明する。図1は、本発明のCaO/Ca(OH)2系ケミカルヒートポンプ反応器用熱交換器の概略図である。
図2は、熱交換器であるトレー1段の平面図を示す。
反応器中心部は10段の多段充填槽(多段トレー)となっている。トレー10はステンレス板で製作され、トレー10にはステレス製のフィン11が10枚放射線状に溶接され、CaO又はCa(OH)2粒子はこのトレー10上に充填される。図2に示すように、トレー10の1段は半円に分割され、取り外しが可能となっており、中心部のステンレス管よりなる熱交換パイプ6は2枚の半円トレーで挟み圧着され熱移動抵抗が軽減されている。また、トレー側面には10本の蓄熱用ヒータ5が等間隔に圧着され、取付金具12を用いて固定される。ヒータ5外表面がステンレス管で製作されており、ヒーター接触面がトレー側面のくぼみに埋め込まれることで接触は面接触となり、熱移動がより良好に行われる。
トレー間距離は反応媒体である水蒸気の移動、拡散を考慮し、調節可能なように可動式である。
反応器1内で生成した熱は中心部の熱交換用パイプ6にて外部へ熱回収される。Ca(OH)2粒子の蓄熱の際にはトレー10自体が伝熱フィンとして機能し、ヒータ5から供給される熱がより均一に粒子全体に供給される。放熱の際には水和反応により生成された温熱が中心部の熱交換用パイプ6に集中されて熱回収が行われる。
なお、本実施例では、トレー10を半円状に2分割したものを示したが、2分割に限らず、3分割以上でも、分割可能な構造であればよい。
【0007】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、下記の効果を奏する。
(1)CaO/Ca(OH)2系ケミカルヒートポンプにおいて、多段トレー方式にすることで粒子と水蒸気との接触面積が大きくなり、トレー1段の層高が小さくなるため、粒子層内での熱・物質移動が容易になり、反応が促進される。
(2)試料トレー全体が伝熱促進体となっているため、蓄・放熱時の熱移動が良好であり、特にフィンを取り付けることで、半径方向への1次元的な流れから、円周方向への熱移動が加わりより均一な熱移動が可能となる。
(3)ヒーター及び熱交換器が試料トレーと一体型の構造体のため、支柱を設置する必要がなく、支柱から反応器本体への熱損失が小さくなると共に、蓄熱密度が大きくとれる。
(4)一段のトレーを分割式にすることで、取り外しが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のCaO/Ca(OH)2系ケミカルヒートポンプ反応器用熱交換器の概略図である。
【図2】 本発明実施例のトレー1段の分解平面図である。
【図3】 CaO/Ca(OH)2系ケミカルヒートポンプの概念図である。
【図4】 従来の熱交換器の1例を示す縦断面図及び平面図である。
【符号の説明】
1 反応器、2 蒸発・凝縮器、3 パイプ、4 接続バルブ、5 ヒータ、6,7 熱交換パイプ、8,9 熱交換器、10 トレー、11 フィン、12 取付金具、A 粒子充填層
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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