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明細書 :サラウンド効果制御回路

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5360652号 (P5360652)
公開番号 特開2010-283620 (P2010-283620A)
登録日 平成25年9月13日(2013.9.13)
発行日 平成25年12月4日(2013.12.4)
公開日 平成22年12月16日(2010.12.16)
発明の名称または考案の名称 サラウンド効果制御回路
国際特許分類 H04S   1/00        (2006.01)
FI H04S 1/00 B
請求項の数または発明の数 2
全頁数 6
出願番号 特願2009-135555 (P2009-135555)
出願日 平成21年6月4日(2009.6.4)
審査請求日 平成24年3月27日(2012.3.27)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504174135
【氏名又は名称】国立大学法人九州工業大学
発明者または考案者 【氏名】佐藤 寧
【氏名】龍 敦子
個別代理人の代理人 【識別番号】110000925、【氏名又は名称】特許業務法人信友国際特許事務所
審査官 【審査官】菊池 充
参考文献・文献 特開平03-280699(JP,A)
特開平07-007799(JP,A)
特開平11-238311(JP,A)
特開平02-121500(JP,A)
特開平10-056699(JP,A)
特開平07-336799(JP,A)
調査した分野 H04S 1/00- 7/00
特許請求の範囲 【請求項1】
サラウンド効果制御回路であって、
ステレオ信号の右信号と左信号から音声領域の信号を取り出す2つのフィルタと、
該2つのフィルタからの右信号と左信号をそれぞれ方形波に変換して出力する2つのコンパレータと、
該2つのコンパレータからの2つの方形波信号を入力して、一致しない場合に出力する排他的論理を行う処理回路と、
該処理回路からの出力から、一致しない度合いに比例するアナログ信号を取り出すローパスフィルタと、
該ローパスフィルタからの該アナログ信号により、サラウンド処理の度合いを変化させるサラウンド処理回路と
を備えることを特徴とするサラウンド効果制御回路。
【請求項2】
前記排他的論理を行う処理回路と前記ローパスフィルタとの間に、雑音によるパルス幅の短い信号を除去する雑音除去回路を挿入することを特徴とする請求項1に記載のサラウンド効果制御回路。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、ステレオ音響信号からサラウンド効果を有する音響信号を得るサラウンド回路を、音響信号の性質に対応して制御する回路に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から、ステレオ音響信号からサラウンド効果を有する音響信号を得るためのサラウンド回路は知られていた。
図1は、従来のステレオ音響信号にサラウンド効果を付与するサラウンド回路10を含む回路を示している。このサラウンド回路10は残響音等をステレオのL信号(左信号),R信号(右信号)に付与して、サラウンド効果を付与している。
図1の構成では、常にサラウンド回路10が挿入されているため、モノラルが入力されても、サラウンド効果を付加してしまうため、ニュース等の音声に対して反響音が重畳されて響くために聞き取りにくくなる。
このため、モノラル状態かステレオ状態かを検出して、モノラル状態の場合は、サラウンド回路を制御することは行われていた。この構成を図2に示す。差分回路12で、ステレオ信号のL信号(左信号),R信号(右信号)の差分をとり、モノラル状態である場合は左右の信号は同じであるため差分が0となり、そのときに、サラウンド回路10’の機能を働かせず、入力した信号をそのまま出力するようにしている。
【0003】
しかし、図2の差分信号により制御する回路では、ステレオ信号が小さい場合は、モノラルかステレオかを十分に区別できにくい。これを防ぐために例えば、特許文献1に示すように差分信号のレベルが小さいときの工夫をするものもある。その他に、特許文献2,3のような回路もある。これらのサラウンド効果の制御回路は複雑であり、簡単な構成のものが求められていた。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開平7-15800号公報
【特許文献2】特開平9-172700号公報
【特許文献3】特開平10-174018号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、ニュース等の音声信号を主とするモノラル信号を簡単な構成の回路により検出して、サラウンド効果を制御することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述の目的を達成するために、本発明は、サラウンド効果制御回路であって、ステレオ信号の右信号と左信号から音声領域の信号を取り出す2つのフィルタと、該2つのフィルタからの右信号と左信号をそれぞれ方形波に変換して出力する2つのコンパレータと、該2つのコンパレータからの2つの方形波信号を入力して、一致しない場合に出力する排他的論理を行う処理回路と、該処理回路からの出力から、一致しない度合いに比例するアナログ信号を取り出すローパスフィルタと、該ローパスフィルタからの該アナログ信号により、サラウンド処理の度合いを変化させるサラウンド処理回路とを備えることを特徴とする。
さらに、前記排他的論理を行う処理回路と前記ローパスフィルタとの間に、雑音によるパルス幅の短い信号を除去する雑音除去回路を挿入するとよい。
【発明の効果】
【0007】
本発明の構成を用いると、簡単な構成で、ニュース等の音声信号を主とするモノラル信号のときに、サラウンド処理を制御することにより、明確に聞き取ることができるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】従来のサラウンド回路を用いたステレオ信号にサラウンド効果を付加する構成を示す図である。
【図2】従来のサラウンド回路を制御するための構成を示す図である。
【図3】本発明のサラウンド回路を制御するための構成を示す図である。
【図4】サラウンド回路を制御する回路構成の1例を示す図である。
【図5】雑音があったときの影響を説明するための図である。
【図6-1】挿入された雑音防止回路の1例を示す図である。
【図6-2】図6-1の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
図3を用いて、本発明の実施形態の構成を説明する。図3において、L信号(左信号),R信号(右信号)を、サラウンド回路160に入力している。このサラウンド処理を制御することで説明する。

【0010】
さて、サラウンド処理を制御する制御信号を作成する構成を説明する。入力された信号L信号(左信号),R信号(右信号)は、まず、直流分をカットするキャパシタ112,114を介して、音声部分を取り出すフィルタ122,124に入力されて、音声信号を取り出す。このフィルタ122,124は、声のピッチ周波数である例えば約60~約700Hzのバンドパスフィルタ(BPF)である。この音声信号は、コンパレータ132,134で、正負の方形波に変換される。即ち、コンパレータ132,134は、入力した信号の正負に応じて、正負の一定電圧の波形(方形波)を発生する。
この方形波信号は、排他的論理和回路(XOR)140に入力される。この回路は、入力の負の信号を0,正の信号を1とすると、以下の表のような動作を行う。
【表1】
JP0005360652B2_000002t.gif
表1からわかるように、2つの入力信号が異なっているときに出力が1となり、2つの入力信号が一致すると出力が0となる。モノラル状態であるときは、2つの信号は一致するので、出力は0となる。ステレオ状態のときは一致しないことが多くなるので1となることが多くなる。

【0011】
この排他的論理和回路140の出力を、ローパスフィルタ150を介して出力すると、出力信号はモノラル状態であると一番電圧が低く、ステレオ状態が強くなるに従って電圧が高くなるアナログ信号となる。
このアナログ信号をサラウンド処理回路160に入力する。そして、アナログ信号の電圧により、ステレオ信号にサラウンド処理を加える度合いを変化させるように制御して出力する。そうすると、ニュース等のモノラルの音声信号のとき、自動的にサラウンド処理を押さえた聞きやすい出力信号とすることができる。

【0012】
図4に、サラウンド処理の制御の構成例を示す。
図4において、サラウンド回路162からの出力のサラウンド処理後の信号と、サラウンド回路162を介さない入力そのままの信号とを、それぞれ可変抵抗164,166に入力して混合している。その可変抵抗164,166からの出力を、上述のアナログ信号の電圧により、変化させている。モノラル状態の信号であるときはサラウンド回路162を介さない出力のみを出力し、アナログ信号の電圧が高まるにつれてサラウンド処理を行った信号の出力が多くなるように制御している。
このように、簡単な構成で、音声信号のステレオ状態の度合いに応じて、サラウンド処理を行うことができるので、ニュース等の音声信号を明瞭に聞くことができる。

【0013】
さて、入力されたステレオ信号には、雑音が混じっていることが多い。この雑音により、図3の排他的論理和回路140から、モノラルの状態であるにもかかわらず出力信号が出力されて、誤動作を起こすことがある。雑音の影響や雑音防止の構成の1例を以下に、図5,図6-1,図6-2を用いて説明する。

【0014】
図5は、図3に示した回路において、雑音の影響による誤動作を説明するための図である。図6-1は、雑音防止回路の1例を示す図であり、図6-2は雑音防止回路の動作を説明するための図である。
図5(a)に示すように、モノラルの音声信号L,Rに雑音が含まれていると、左右の信号に含まれる雑音は波形が異なることが多く、排他的論理和回路(XOR)140の出力は、図5(b)に示すように、雑音時にパルス幅が短い方形波を多数出力する。これをローパスフィルタ150に入力すると、ローパスフィルタ(LPF)150はある程度の電圧のアナログ信号を出力し、サラウンド処理回路160は誤動作を起こす。

【0015】
これを防ぐためには、図3の排他的論理和回路(XOR)140とローパスフィルタ150の間に、パルス幅が短い方形波の発生を防ぐ回路を挿入すればよい。その構成の1例を図6-1に示し、その動作を、図6-2の回路各部の波形図を用いて説明する。
さて、上述のように、雑音は幅の短い方形波として排他的論理和回路140から出力される(図6-1,図6-2 A参照)。この方形波信号を微分回路172に入力する。この微分回路172は、挿入されているダイオードにより方形波の立ち上がりの微分を出力する。そして、コンパレータ174により、方形波信号の立ち上がり部分で雑音の幅の時間以上論理値0となる信号を発生する(図6-1,図6-2 B参照)。この論理値0を保持する時間は、微分回路172を構成する抵抗およびキャパシタの値により設定することができる。
AND回路176で論理積をとると、コンパレータ174からの信号により、排他的論理和回路(XOR)140の出力信号から雑音成分が除去される(図6-1,図6-2 C参照)。
このようにして、幅の短い雑音成分を除去し、誤動作を少なくすることができる。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6-1】
5
【図6-2】
6