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明細書 :ハンディ型硬さ測定装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5732660号 (P5732660)
公開番号 特開2012-154819 (P2012-154819A)
登録日 平成27年4月24日(2015.4.24)
発行日 平成27年6月10日(2015.6.10)
公開日 平成24年8月16日(2012.8.16)
発明の名称または考案の名称 ハンディ型硬さ測定装置
国際特許分類 G01N   3/40        (2006.01)
FI G01N 3/40 E
請求項の数または発明の数 6
全頁数 20
出願番号 特願2011-014634 (P2011-014634)
出願日 平成23年1月26日(2011.1.26)
審査請求日 平成26年1月14日(2014.1.14)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304023318
【氏名又は名称】国立大学法人静岡大学
発明者または考案者 【氏名】犬塚 博
個別代理人の代理人 【識別番号】100136674、【弁理士】、【氏名又は名称】居藤 洋之
審査官 【審査官】高橋 亨
参考文献・文献 特開2004-108794(JP,A)
実開平02-120066(JP,U)
特開2005-121614(JP,A)
実開平02-052156(JP,U)
実開平05-038557(JP,U)
特開昭61-238224(JP,A)
特開2005-091265(JP,A)
米国特許出願公開第2005/0061062(US,A1)
特開2001-108608(JP,A)
特開2009-052911(JP,A)
特開2003-294598(JP,A)
英国特許第02173896(GB,B)
調査した分野 G01N 3/00-3/62
特許請求の範囲 【請求項1】
ハンディ型の本体ケースと、
前記本体ケースに設けた非接触式センサ部からの出力信号を用いて被測定対象物の表面までの距離である離隔距離を測定する非接触式距離測定手段と、
前記本体ケースに設けたノズルから前記被測定対象物の表面に向けて流体を噴射する流体噴射手段と、
前記非接触式距離測定手段により測定される前記離隔距離が予め設定された測定限界距離未満であるとき、前記流体噴射手段から前記流体を噴射させる噴射制御手段と、
前記被測定対象物の表面に前記流体が衝突したことによる同表面の変位の量である押圧変位量を前記流体の噴射以降における前記離隔距離の変化を用いて測定する変位量測定手段と、
前記変位量測定手段により測定され得る前記押圧変位量に対して前記被測定対象物の硬さを予め規定する硬さ規定情報および前記変位量測定手段により現実に測定された前記押圧変位量を用いて前記被測定対象物の硬さを特定する硬さ特定手段とを備え
前記噴射手段は、前記離隔距離が予め設定された測定設定距離になったとき、前記流体噴射手段から前記流体を噴射させ、
前記噴射制御手段は、互いに異なる少なくとも2つの前記測定設定距離ごとに前記流体噴射手段から前記流体を噴射させ、
前記変位量測定手段は、前記少なくとも2つの測定設定距離ごとに前記押圧変位量をそれぞれ測定するとともに、前記少なくとも2つの測定設定距離ごとの前記各押圧変位量間の差分値を用いて凹部押圧変位量を計算し、
前記硬さ特定手段は、前記凹部押圧変位量を用いて前記被測定対象物の硬さを特定することを特徴とするハンディ型硬さ測定装置。
【請求項2】
請求項1に記載したハンディ型硬さ測定装置において、
前記噴射制御手段は、前記変位量測定手段により測定した前記押圧変位量が予め設定された所定の限界変位量以上であるとき、次回以降の前記流体の噴射を中断または前記測定設定距離を変更することを特徴とするハンディ型硬さ測定装置。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載したハンディ型硬さ測定装置において、さらに、
前記ノズルから噴射される前記流体の噴射圧力を測定する噴射圧力測定手段を備え、
前記硬さ特定手段は、前記噴射圧力に応じた前記硬さ規定情報を用いて前記被測定対象物の硬さを特定することを特徴とするハンディ型硬さ測定装置。
【請求項4】
請求項1ないし請求項3のうちのいずれか1つに記載したハンディ型硬さ測定装置において、
前記噴射制御手段は、前記離隔距離が前記測定限界距離未満であってかつ予め設定された接近限界距離以上であるとき、前記流体噴射手段から前記流体を噴射させることを特徴とするハンディ型硬さ測定装置。
【請求項5】
請求項1ないし請求項4のうちのいずれか1つに記載したハンディ型硬さ測定装置において、
前記非接触式距離測定手段は、前記流体噴射手段から噴射する前記流体の噴射軸線上に沿って光を照射するための投光光学系を備えることを特徴とするハンディ型硬さ測定装置。
【請求項6】
請求項1ないし請求項5のうちのいずれか1つに記載したハンディ型硬さ測定装置において、さらに、
前記変位量測定手段により測定され得る前記押圧変位量に対して前記被測定対象物の種類を予め規定する被測定対象物規定情報および前記変位量測定手段により現実に測定された前記押圧変位量を用いて前記被測定対象物の種類を特定する被測定対象物特定手段とを備えることを特徴とするハンディ型硬さ測定装置。

発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、食品や各種工業材料(例えば、樹脂材、ゴム材、木材および金属材)などの被測定対象物の硬さを測定することができるハンディ型硬さ測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、食品や各種工業材料などからなる被測定対象物の硬さを測定する測定装置として種々のものが提案されている。例えば、下記特許文献1には、果菜類の熟度を判定するために果菜類の硬さを測定する硬さ測定装置を備える果菜類の検査装置が開示されている。この特許文献1に記載された果菜類の検査装置は、受け皿上に配置した果菜類に対して圧縮空気を噴射するとともに、この噴射した圧縮空気の圧力による果菜類の表面の凹み量を測定して凹み量に応じた果菜類の熟度を判定している。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】実開平02-52156号公報
【特許文献2】特開平04-50750号公報
【特許文献3】特開2004-69668号公報
【0004】
また、上記特許文献1の他にも、上記特許文献2,3に示すように、被測定対象物に圧縮空気を噴射するとともに、この噴射した圧縮空気の圧力による被測定対象物表面の振動を測定することにより被測定対象物の硬さを測定する硬さ測定装置も種々提案されている。
【0005】
しかしながら、これらの上記特許文献1~3に記載された各硬さ測定装置においては、被測定対象物を所謂ワークテーブル台上に載置した状態で硬さの測定を行う構成であるため、ワークテーブル上に配置できない被測定対象物(例えば、枝に下垂した状態の果菜類や房を構成する個々の実など)の硬さを測定することができない。このため、従来の硬さ測定装置においては、硬さの測定可能な被測定対象物が限定されるという問題があった。
【発明の概要】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明の特徴は、ハンディ型硬さ測定装置が、ハンディ型の本体ケースと、本体ケースに設けた非接触式センサ部からの出力信号を用いて被測定対象物の表面までの距離である離隔距離を測定する非接触式距離測定手段と、本体ケースに設けたノズルから被測定対象物の表面に向けて流体を噴射する流体噴射手段と、非接触式距離測定手段により測定される離隔距離が予め設定された測定限界距離未満であるとき、流体噴射手段から前記流体を噴射させる噴射制御手段と、被測定対象物の表面に流体が衝突したことによる同表面の変位の量である押圧変位量を流体の噴射以降における離隔距離の変化を用いて測定する変位量測定手段と、変位量測定手段により測定され得る押圧変位量に対して被測定対象物の硬さを予め規定する硬さ規定情報および変位量測定手段により現実に測定された押圧変位量を用いて被測定対象物の硬さを特定する硬さ特定手段とを備え、噴射手段は、離隔距離が予め設定された測定設定距離になったとき、流体噴射手段から流体を噴射させ、噴射制御手段は、互いに異なる少なくとも2つの測定設定距離ごとに流体噴射手段から流体を噴射させ、変位量測定手段は、前記少なくとも2つの測定設定距離ごとに押圧変位量をそれぞれ測定するとともに、前記少なくとも2つの測定設定距離ごとの各押圧変位量間の差分値を用いて凹部押圧変位量を計算し、硬さ特定手段は、凹部押圧変位量を用いて被測定対象物の硬さを特定することにある。

【0007】
上記目的を達成するため、請求項1に記載した本発明の特徴は、ハンディ型硬さ測定装置が、ハンディ型の本体ケースと、本体ケースに設けた非接触式センサ部からの出力信号を用いて被測定対象物の表面までの距離である離隔距離を測定する非接触式距離測定手段と、本体ケースに設けたノズルから被測定対象物の表面に向けて流体を噴射する流体噴射手段と、非接触式距離測定手段により測定される離隔距離が予め設定された測定限界距離未満であるとき、流体噴射手段から前記流体を噴射させる噴射制御手段と、被測定対象物の表面に流体が衝突したことによる同表面の変位の量である押圧変位量を流体の噴射以降における離隔距離の変化を用いて測定する変位量測定手段と、変位量測定手段により測定され得る押圧変位量に対して被測定対象物の硬さを予め規定する硬さ規定情報および変位量測定手段により現実に測定された押圧変位量を用いて被測定対象物の硬さを特定する硬さ特定手段とを備えることにある。
【0008】
この場合、ハンディ型のケース本体とは、ハンディ型硬さ測定装置の使用者が本体ケースを手に持って被測定対象物の硬さ測定の操作ができる程度の大きさおよび形状に形成されていることを意味する。また、測定限界距離とは、ノズルから噴射された流体の被測定対象物表面への到達時における運動エネルギの全てを被測定対象物に加えることができるノズルと被測定対象物表面との間の直線距離を意味する。
【0009】
このように構成した本発明の特徴によれば、ハンディ型硬さ測定装置は、ハンディ型の本体ケース内に被測定対象物に対する離隔距離を測定するための非接触式距離測定手段と、同被測定対象物に流体を噴射するためのノズルとを備えている。そして、ハンディ型硬さ測定装置は、非接触式距離測定手段により測定される被測定対象物に対する離隔距離が所定の測定限界距離未満であることをトリガとしてノズルから流体を噴射させてこの流体の衝突により変形した被測定対象物表面の変位量である押圧変位量を非接触式距離測定手段によって測定するとともに、この押圧変位量および硬さ規定情報を用いて被測定対象物の硬さを特定している。この場合、硬さ規定情報は、変位量測定手段により測定され得る押圧変位量に対して被測定対象物の硬さを予め規定するものである。例えば、硬さ規定情報は、ノズルから流体を噴射させる噴射圧力と同等の圧力を被測定対象物の同等物に加えた際の変形量ごとの硬さを予め実験的に規定することができる。

【0010】
すなわち、本発明に係るハンディ型硬さ測定装置は、非接触式距離測定手段およびノズルを収容する本体ケースがハンディ型に構成されるとともに被測定対象物に対する離隔距離が所定の測定限界距離未満であることをトリガとしてノズルから流体を噴射させて被測定対象物の硬さを特定している。このため、本発明に係るハンディ型硬さ測定装置においては、ワークテーブル上に配置できない被測定対象物であっても本体ケースを被測定対象物に向けることによりノズルと被測定対象物との距離を把握した状態で硬さの測定を行なうことができる。これにより、本発明に係るハンディ型硬さ測定装置は、広範な種類および状況下にある被測定対象物に対して硬さの測定を行なうことができる。
【0011】
削除

【0012】
また、本発明の特徴によれば、ハンディ型硬さ測定装置は、噴射手段は、離隔距離が予め設定された測定設定距離になったとき、流体噴射手段から流体を噴射させる。この場合、測定設定距離は、被測定対象物ごとに押圧変位量の計算、硬さの特定または本体ケースの操作に適した距離が予め設定される。これにより、被測定対象物の硬さ測定作業の作業性および測定精度を向上させることができる。

【0013】
削除

【0014】
また、本発明の特徴によれば、ハンディ型硬さ測定装置は、互いに異なる少なくとも2つの測定設定距離ごとに流体を噴射させてそれぞれ押圧変位量を測定することにより、これらの各押圧変位量間の差分値を用いて被測定対象物の硬さを特定している。これにより、ハンディ型硬さ測定装置は、ノズルから流体を噴射する噴射軸線上における被測定対象物の位置が固定されていない場合においても、被測定対象物の硬さを精度良く測定することができる。

【0015】
また、本発明の他の特徴は、前記ハンディ型硬さ測定装置において、噴射制御手段は、変位量測定手段により測定した押圧変位量が予め設定された所定の限界変位量以上であるとき、次回以降の流体の噴射を中断または測定設定距離を変更することにある。この場合、変更される測定設定距離は、次回の押圧変位量が予め設定された所定の限界変位量未満となる距離であり、例えば、直近の測定設定距離よりも長い距離である。

【0016】
このように本発明の他の特徴によれば、ハンディ型硬さ測定装置は、噴射制御手段は、変位量測定手段により測定した押圧変位量が予め設定された所定の限界変位量以上であるとき、次回以降の流体の噴射を中断または測定設定距離を変更する。これにより、ハンディ型硬さ測定装置は、被測定対象物に複数回に亘って流体を衝突させる場合、流体の衝突による被測定対象物の損傷を防止または軽減することができる。

【0017】
また、本発明の他の特徴は、前記ハンディ型硬さ測定装置において、さらに、ノズルから噴射される流体の噴射圧力を測定する噴射圧力測定手段を備え、硬さ特定手段は、噴射圧力に応じた硬さ規定情報を用いて被測定対象物の硬さを特定することにある。

【0018】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、ハンディ型硬さ測定装置は、被測定対象物の表面に向けて噴射される流体の圧力である噴射圧力を測定するとともに、この噴射圧力とに応じた硬さ規定情報を用いて被測定対象物の硬さを特定している。すなわち、被測定対象物の硬さは、ノズルから噴射される流体の噴射圧力に対応した被測定対象物表面の押圧変位量によって特定されるため、被測定対象物の硬さを特定する際にノズルから噴射された流体の実際の噴射圧力に対応する硬さ規定情報を用いることにより、精度良く硬さを特定することができる。この場合、噴射圧力に応じた硬さ規定情報とは、例えば、噴射圧力に応じて硬さ規定情報を補正することや噴射圧力ごとの硬さ規定情報を予め用意しておくことが考えられる。

【0019】
また、本発明の他の特徴は、前記ハンディ型硬さ測定装置において、噴射制御手段は、離隔距離が測定限界距離未満であってかつ予め設定された接近限界距離以上であるとき、流体噴射手段から流体を噴射させることにある。この場合、接近限界距離とは、ノズルから噴射される流体の衝突により被測定対象物が損傷する恐れがあるノズルと被測定対象物との間の距離である。

【0020】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、ハンディ型硬さ測定装置は、離隔距離が測定限界距離未満であってかつ予め設定された接近限界距離以上であるとき、流体噴射手段から流体を噴射させるように構成されている。これにより、ハンディ型硬さ測定装置は、流体の衝突による被測定対象物表面の損傷を防止しながら硬さを測定することができる。

【0021】
また、本発明の他の特徴は、前記ハンディ型硬さ測定装置において、非接触式距離測定手段は、流体噴射手段から噴射する流体の噴射軸線上に沿って光を照射するための投光光学系を備えることにある。

【0022】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、ハンディ型硬さ測定装置は、非接触式距離測定手段が流体噴射手段から噴射される流体の噴射軸線上に沿って光を照射する投光光学系を備えている。これにより、非接触式距離測定手段は、ノズルから噴射される流体の噴射軸線上に沿ってレーザ光などの光を照射することができるため、被測定対象物との間の距離である離隔距離を精度良く測定することができる。そして、この場合、非接触式距離測定手段は、流体の噴射軸線上に被測定対象物からの反射光を受光する受光素子を設けることにより、更に精度良く離隔距離を測定することができる。

【0023】
また、本発明の他の特徴は、前記ハンディ型硬さ測定装置において、さらに、変位量測定手段により測定され得る押圧変位量に対して被測定対象物の種類を予め規定する被測定対象物規定情報および変位量測定手段により現実に測定された押圧変位量を用いて被測定対象物の種類を特定する被測定対象物特定手段とを備えることにある。

【0024】
このように構成した本発明の他の特徴によれば、ハンディ型硬さ測定装置は、変位量測定手段により測定され得る押圧変位量に対して被測定対象物の種類を予め規定する被測定対象物規定情報および変位量測定手段により現実に測定された押圧変位量を用いて被測定対象物の種類を特定する被測定対象物特定手段を備えている。これにより、ハンディ型硬さ測定装置は、被測定対象物の硬さに加えて被測定対象物の種類を特定することができる。

【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本発明の一実施形態に係る硬さ測定装置の構成の概略を模式的な断面図で示した構成図である。
【図2】図1に示す硬さ測定装置における制御装置が実行する硬さ測定プログラムのフローチャートである。
【図3】図1に示す硬さ測定装置による測定時における被測定対象物との距離の関係を示すための説明図である。
【図4】図1に示す硬さ測定装置から噴射される圧縮ガスの断面積の変化と被測定対象物の断面積との関係を示した説明図である。
【図5】本発明の変形例に係る硬さ測定装置の構成の概略を模式的な断面図で示した構成図である。
【図6】本発明の他の変形例に係る硬さ測定装置の構成の概略を模式的な断面図で示した構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明に係るハンディ型硬さ測定装置の一実施形態について図面を参照しながら説明する。図1は、本発明に係るハンディ型硬さ測定装置100の構成の概略を模式的な断面図で示した構成図である。なお、本明細書において参照する図は、本発明の理解を容易にするために一部の構成要素を誇張して表わすなど模式的に表している。このため、各構成要素間の寸法や比率などは異なっていることがある。このハンディ型硬さ測定装置100は、食品(果菜類、食肉、魚介類、各種加工食品)や工業材料(樹脂材、ゴム材、木材、金属材)などの被測定対象物WKの表面に対して気体を噴射してこの被測定対象物の硬さを測定するためのものである。

【0027】
(ハンディ型硬さ測定装置100の構成)
ハンディ型硬さ測定装置100は、本体ケース101を備えている。本体ケース101は、ハンディ型硬さ測定装置100の各種構成部品を収納してハンディ型硬さ測定装置100の筐体を構成する中空状の部品である。この本体ケース101は、樹脂材料をハンディ型硬さ測定装置100の使用者が手に持って操作することができる大きさおよび形状に成形して構成されている。本実施形態においては、本体ケース101は、図示水平方向に延びる収納部101aと、同収納部101aにおける図示下部中央部から図示斜め下方向に延びるグリップ部101bとが一体的に形成されて構成されている。

【0028】
本体ケース101を構成する収納部101aには、収納部の長手方向に沿ってノズル102が設けられている。ノズル102は、被測定対象物WKに向けて圧縮ガスを噴射するための部品であり、金属製の筒体における一方(図示左側)の端部側が開口するとともに他方(図示右側)の端部側が閉塞して全体として有底円筒状に形成されている。このノズル102における一方の端部側は、内径が絞られた噴射口102aが形成されており、同噴射口102aが本体ケース101における図示左側側面に開口している。この噴射口102aの直径は、1~3mm程度が好適である。一方、ノズル102における他方の端部側は、透明なガラス製の透過板102bによって塞がれている。この透過板102bは、後述する距離センサ108から照射されるレーザ光が透過可能なガラス材で構成されており、ノズル102における他方(図示右側)の端部側に気密的に接着固定されている。

【0029】
ノズル102における前記透過板102b側の胴部には、ガス配管104を介してガス貯留部103が接続されている。ガス貯留部103は、ノズル102の噴射口102aから噴射する圧縮ガスを補充可能に貯留する金属製の容器であり、本体ケース101におけるグリップ部101b内に収容されている。このガス貯留部103内には、被測定対象物WKへの噴射によって同被測定対象物WKに損傷を与えない圧力および組成のガスが気体または液体の状態で充填されている。本実施形態においては、ガス貯留部103には、不活性ガスであるフルオロカーボン(図示せず)が液化した状態で充填されている。また、本実施形態においては、ガス貯留部103内の圧力は約1.2気圧に設定されている。

【0030】
ガス配管104は、ガス貯留部103内に充填された圧縮ガスをノズル102に導くための流路を形成する金属製の管であり、一方(図示左側)の端部がノズル102に接続されているとともに他方(図示右側)の端部がガス貯留部103にそれぞれ接続されている。このガス配管104上には、圧力センサ105、リリーフ弁106および電磁弁107がそれぞれ設けられている。

【0031】
圧力センサ105は、ガス配管104内の圧力を介してガス貯留部103内の圧力を測定する検出器であり、ガス配管104内の検出圧力に対応する電気信号を後述する制御装置110に出力する。リリーフ弁106は、ガス貯留部103内の圧力を所定の上限圧力以下に維持するための所謂安全弁である。この場合、所定の上限圧力とは、圧縮ガスを被測定対象物WKに噴射した際に同被測定対象物WKを損傷しない圧力の上限値であり、被測定対象物に応じて設定されるものである。したがって、このリリーフ弁106は、ガス配管104内の圧力が所定の上限圧力(本実施形態においては、1.2気圧)以上になったとき、自動的に弁を開放させてガス配管104、すなわち、ガス貯留部103内の圧力を上限圧力以下まで低下させる。電磁弁107は、ノズル102とガス貯留部103とを連通状体および非連通状態である遮断状態に選択的に切り替えることにより、被測定対象物WKに噴射される圧縮ガスの流れを制御するための弁である。この電磁弁108は、前記制御装置110によって連通状体および遮断状態の作動が制御される。

【0032】
本体ケース101内におけるノズル102の軸線であり同ノズル102から噴射される圧縮ガスの進行路である噴射軸線AX上には、透過板102b介してノズル102内に対向した状態で距離センサ108が設けられている。距離センサ108は、被測定対象物WKの表面までの距離を光学的に測定するための検出信号を出力する検出機器であり、レーザ光を照射する図示しないレーザ光源(例えば、レーザダイオード)と同レーザ光が被測定対象物WKの表面で反射した反射レーザ光を受光する図示しない受光素子(例えば、フォトダイオード)とをそれぞれ備えて構成されている。

【0033】
この場合、被測定対象物WKに向けてレーザ光を照射するためのレーザ光源を含む投光光学系は、ノズル102の噴射軸線AX上に沿ってレーザ光を照射するように構成されている。また、投光光学系を構成するレーザ光源は、本実施形態においては可視レーザ光を出射する。一方、被測定対象物WKからの反射レーザ光を受光するための受光素子を含む受光光学系は、ノズル102の噴射軸線AX上に沿って戻って来る反射レーザ光を受光するように構成されている。すなわち、これらの投光光学系と受光光学系を備えた距離センサ108が、本発明に係る非接触式センサ部に相当する。

【0034】
センサコントローラ109は、CPU、ROM、RAMなどからなるマイクロコンピュータによって構成されており、前記制御装置110によって作動制御されて被測定対象物WKの表面までの距離である離隔距離および同表面の変位量である第1および第2の押圧変位量をそれぞれ計算する。より具体的には、センサコントローラ109は、制御装置110からの指示に従って距離センサ108を作動させて同距離センサ108から出力される検出信号を用いて離隔距離および押圧変位量をそれぞれ測定して同測定値を制御装置110に出力する。この場合、センサコントローラ109は、本実施形態においては、所謂位相差測距方式によって離隔距離および第1および第2の押圧変位量をそれぞれ測定する。すなわち、これら距離センサ108およびセンサコントローラ109が、本発明に係る非接触距離測定手段に相当する。

【0035】
制御装置110は、CPU、ROM、RAMなどからなるマイクロコンピュータによって構成されており、操作パネル111および測定スイッチ112を介した使用者からの指示に従って、ROMなどの記憶装置に予め記憶された硬さ測定プログラムを実行することによりハンディ型硬さ測定装置100の各種作動を制御して被測定対象物WKの硬さを測定する。具体的には、制御装置110は、主として、圧力センサ105、電磁弁107およびセンサコントローラ109の各作動をそれぞれ制御して被測定対象物WKの硬さを測定する。

【0036】
また、制御装置110における記憶装置には、硬さ測定プログラムの他に被測定対象物WKの硬さ測定プログラムの実行に用いる下限圧力、第1の測定設定距離、第2の測定設定距離および硬さ規定情報がそれぞれ記憶されているが、これらについてはそれぞれ後述する。

【0037】
また、操作パネル111は、ハンディ型硬さ測定装置100の作動を制御する制御装置110に指示を与えるための操作キー(図示せず)を備えるとともに、ハンディ型硬さ測定装置100(制御装置110)からの情報を表示するための液晶表示画面(図示せず)を備えたユーザインターフェースである。また、測定スイッチ112は、ハンディ型硬さ測定装置100によって被測定対象物WKの硬さを測定する際に操作する押しボタン式の入力装置である。また、このハンディ型硬さ測定装置100には、電磁弁107、距離センサ108、センサコントローラ109および制御装置110などに駆動電力を供給するための電源装置なども備えているが、これらについては本発明に直接関わらないため、その説明は省略する。

【0038】
(ハンディ型硬さ測定装置100の作動)
次に、上記のように構成したハンディ型硬さ測定装置100の作動について説明する。まず、ハンディ型硬さ測定装置100の使用者は、硬さの測定対象となる被測定対象物WKが存在する場所にハンディ型硬さ測定装置100を用意する。本実施形態においては、収穫前のリンゴ、すなわち、枝から下垂した状態のリンゴを被測定対象物WKとする。次に、使用者は、ハンディ型硬さ測定装置100の操作パネル111を操作することにより制御装置110の電源をONにする。これにより、制御装置110は、図示しない制御プログラムを実行することにより被測定対象物WKの硬さの測定指示を待つ待機状態となる。

【0039】
次に、使用者は、被測定対象物WKの硬さを測定する。具体的には、使用者は、一方の手でグリップ部101bを把持するとともに他方の手で操作パネル111を操作することにより、制御装置110を被測定対象物WKの硬さを測定するための測定モードに設定する。この操作に応答して制御装置110は、図2に示す硬さ測定プログラムの実行をステップS100にて開始して、ステップS102にて、ガス貯留部103内の圧力が下限圧力以上の圧力か否かを判定する。このステップS102におけるガス貯留部103内のガス圧判定処理は、被測定対象物WKに対して圧縮ガスを噴射するガス貯留部103内の圧力が噴射に必要な最小限の圧力である下限圧力以上の圧力を有するか否かを判定するものである。この場合、前記下限圧力値は、制御装置110に予め設定されている。

【0040】
したがって、制御装置110は、このステップS102の判定処理にて、圧力センサ105からの出力信号に基づいてガス配管104内の圧力を測定して同測定圧力が前記所定の下限圧力以上である場合には、ガス貯留部103内の圧力が圧縮ガスの噴射に必要な最低限の圧力を有しているものとして「Yes」と判定してステップS104に進む。

【0041】
一方、制御装置110は、圧力センサ105による測定圧力が前記所定の下限圧力未満である場合には、このステップS102による判定処理にて「No」と判定してステップS128に進む。そして、制御装置110は、ステップS130にて、ガス貯留部103内の圧力が噴射に必要な所定の下限圧力未満である旨の警告表示した後、ステップS132にて、この測定プログラムの実行を終了する。この場合、使用者は、ガス貯留部103内に液体状のフルオロカーボンを補充してガス貯留部103内を昇圧した後、再度、硬さ測定プログラムを実行することができる。なお、このガス貯留部103内における圧力の上限は、ガス配管104に設けたリリーフ弁106によって所定の上限圧力未満に維持されている。

【0042】
次に、制御装置110は、ステップS104にて、被測定対象物WKの種類が選定されたか否か判定する。このステップS104における被測定対象物WKの種類の選定判定処理は、制御装置110に予め設定された被測定対象物WKの具体的な種類の選択肢の中から、使用者が特定の種類の被測定対象物WKを選定し指定したことを判定するものである。この場合、制御装置110に予め用意される被測定対象物WKの種類は、この硬さ測定装置100が硬さの測定を行なうことができる被測定対象物WKであり、後述する硬さ規定情報を特定するために用いられる。本実施形態においては、被測定対象物WKの種類の選択肢として、例えば、果菜類であれば、リンゴ、ミカン、イチゴ、スイカ、サツマイモ、ダイコン、ニンジンなどが予め制御装置110に設定されている。また、制御装置110には、これら被測定対象物WKの種類の選択肢に対応する硬さ規定情報も併せて予め設定されている。

【0043】
したがって、使用者は、選定した具体的な被測定対象物WKの種類を操作パネル111の操作を介して制御装置110に入力する。一方、制御装置110は、使用者が操作パネル111を介して被測定対象物WKの種類を制御装置110に入力するまでの間、このステップS104における判定処理において「No」と判定し続けてステップS104の判定処理を繰り返し実行して使用者による被測定対象物WKの設定を待つ。そして、使用者により具体的な被測定対象物WKの種類が選定された場合には、制御装置110は、このステップS104の判定処理において「Yes」と判定してステップS106に進む。本実施形態においては、使用者は被測定対象物WKとして「リンゴ」を制御装置110に設定する。

【0044】
次に、制御装置110は、ステップS106にて、グリップ部101bに設けられた測定スイッチ112が押下されたか否かを判定する。このステップS106における測定スイッチ112の押下操作の判定処理は、使用者が特定した現実の被測定対象物WKの表面に対する硬さの測定開始の指示を使用者による測定スイッチ112の押下操作を介して検出するものである。具体的には、制御装置110は、測定スイッチ112の押下操作を検出すまでの間、このステップS106における判定処理において「No」と判定し続けてステップS104の判定処理を繰り返し実行する。一方、制御装置110は、測定スイッチ112の押下操作を検出した場合には、このステップS106の判定処理において「Yes」と判定してステップS108に進む。

【0045】
したがって、使用者は、制御装置110がこのステップS106による判定処理を実行している間にグリップ部101bを把持しながらノズル102の噴射口102aを被測定対象物WKの表面に向けた後、この向きを維持した状態で測定スイッチ112を1回だけ押下する。この場合、使用者は、硬さ測定装置100を被測定対象物WKから十分離した位置(後述する測定限界距離以上の距離)において測定スイッチ112を押下する。

【0046】
次に、制御装置110は、ステップS108にて、被測定対象物WKの表面までの距離である離隔距離を測定する。具体的には、制御装置110は、センサコントローラ109に対して被測定対象物WKの表面までの距離である離隔距離の測定を指示する。この指示に応答してセンサコントローラ109は、距離センサ108の作動を制御することにより、同距離センサ108に内蔵されているレーザ光源(図示せず)からレーザ光を出射させるとともに受光素子(図示せず)による反射レーザ光の受光を開始させる。この場合、距離センサ108に内蔵されたレーザ光源から出射されたレーザ光は、ノズル102の噴射軸線AX上に沿って進行して被測定対象物WKの表面に到達した後、同被測定対象物WKの表面で反射されてその一部の反射レーザ光が再び噴射軸線上に沿って受光素子によって受光される。

【0047】
したがって、センサコントローラ109は、レーザ光源から出射したレーザ光のタイミングと反射レーザ光を受光素子で受光したタイミングとの時間差を用いて被測定対象物WKの表面までの離隔距離を計算する。この場合、センサコントローラ109には、既知である受光素子とノズル102の噴射口102bとの距離が予め設定されている。したがって、センサコントローラ109は、ノズル102の噴射口102bと被測定対象物WKの表面との距離を離隔距離として算出して制御装置110に出力する。

【0048】
また、このセンサコントローラ109による離隔距離の測定処理は、制御装置110からの測定処理の中断指示がなされるまでの間、極めて短い所定の時間間隔(例えば、1kHz)を介して断続的に実行される。すなわち、本実施形態においては、測定スイッチ112の1回の押下操作(測定スイッチ112自体は元の位置に復帰する)によって極めて時間間隔の短い断続的な離隔距離の測定が実行される。

【0049】
次に、制御装置110は、ステップS110にて、センサコントローラ109から出力される離隔距離が第1の測定設定距離か否かを判定する。ここで、第1の測定設定距離とは、図3に示すように、被測定対象物WKに向けて圧縮ガスを噴射するための1つ目の位置であり、被測定対象物WKと硬さ測定装置100(噴射口102b)との距離が測定限界距離よりも短い距離である。そして、測定限界距離とは、ノズル102から噴射された圧縮ガスの被測定対象物WK表面への到達時における運動エネルギの全てを被測定対象物WKに加えることができるノズル102の噴射口102aと被測定対象物WKの表面との間の直線距離である。すなわち、ノズル102の噴射口102aから噴射された圧縮ガスの塊の断面積Sは、図4に示すように、噴射口102aからの距離Lの二乗に比例して大きくなる。したがって、測定限界距離は、噴射口102aから噴射された圧縮ガスの断面積Sが被測定対象物WKにおける圧縮ガスを受ける表面領域の断面積WS内に納まる噴射口102aと被測定対象物WKの表面との間の直線距離である。これらの第1の測定設定距離は、被測定対象物WKの種類に応じて予め制御装置110に設定されている。本実施形態においては、第1の測定距離は、測定限界距離よりも若干短い距離に設定されている。

【0050】
そして、このステップS110における判定処理の間、使用者は、硬さ測定装置100のノズル102の噴射口102aを被測定対象物WKに向けた状態で同硬さ測定装置100を被測定対象物WKに接近させる。この場合、硬さ測定装置100のノズル102の噴射口102aからは可視レーザ光が照射されているため、使用者は被測定対象物WKに対して正確にレーザ光を照射し続けることができる。したがって、制御装置110は、センサコントローラ109から極めて短い時間を介して連続的に出力される離隔距離を入力するごとに同離隔距離と第1の測定設定距離とを比較して、離隔距離が第1の測定設定距離となるまでの間、このステップS110における判定処理において「No」と判定し続けてステップS110の判定処理を繰り返し実行する。一方、制御装置110は、センサコントローラ109から連続的に出力される離隔距離が第1の測定設定距離となった場合には、離隔距離が前記測定限界距離未満であってかつ第1の測定設定距離に一致したものとして、このステップS110における判定処理において「Yes」と判定してステップS112に進む。

【0051】
次に、制御装置110は、ステップS112にて、ノズル102から圧縮ガスを噴射させる。具体的には、制御装置110は、電磁弁107の作動を制御することにより、所定時間の間だけ電磁弁107を開放してガス収容部103とノズル102とを一時的に連通状態とする。これにより、ガス収容部103内に充填されている圧縮ガスの一部がガス配管104を介してノズル102内に導かれた後、噴射口102bから噴射される。このノズル102の噴射口102bから噴射された圧縮ガスの塊は、ノズル102の噴射軸線AXに沿って膨張しながら進行して被測定対象物WKに衝突する。これらステップS110による離隔距離の判定処理およびステップS112による圧縮ガスの噴射処理を実行する制御装置110が、本発明に係る噴射制御手段に相当する。

【0052】
次に、制御装置110は、ステップS114にて、前記噴射された圧縮ガスの衝突による被測定対象物WKの変位量である第1の押圧変位量を測定する。具体的には、制御装置110は、センサコントローラ109から出力されている圧縮ガス噴射以降の離隔距離をそれぞれ記憶するとともに同記憶した圧縮ガス噴射以降の離隔距離の変化を用いて押圧変位量を計算する。そして、制御装置110は、算出した第1の押圧変位量を記憶する。

【0053】
次に、制御装置110は、ステップS116にて、センサコントローラ109から出力される離隔距離が第2の測定距離に達したか否かを判定する。ここで、第2の測定距離とは、図3に示すように、被測定対象物WKに向けて圧縮ガスを噴射するための2つ目の位置であり、被測定対象物WKと硬さ測定装置100(噴射口102b)との距離が測定限界距離未満であって前記第1の測定距離とは互いに異なる距離である。本実施形態において第2の測定距離は、第1の測定距離が測定限界距離未満となった直後の距離であるため、この第1の測定距離よりも短い距離である。この第2の測定距離は、被測定対象物WKの種類ごとに予め制御装置110に設定されている。なお、図3においては、第2の測定距離に位置した硬さ測定装置100を二点鎖線で示している。

【0054】
そして、このステップS116における判定処理の間、使用者は、硬さ測定装置100のノズル102の噴射口102aを被測定対象物WKに向けた状態で同硬さ測定装置100を被測定対象物WKに接近させる。この場合においても、硬さ測定装置100のノズル102の噴射口102aからは可視レーザ光が照射されているため、使用者は被測定対象物WKに対して正確にレーザ光を照射し続けることができる。したがって、制御装置110は、センサコントローラ109から断続的に出力される離隔距離を入力するごとに同離隔距離と第2の測定距離とを比較して、離隔距離が第2の測定距離に一致するまでの間、このステップS116における判定処理において「No」と判定し続けてステップS116の判定処理を繰り返し実行する。一方、制御装置110は、センサコントローラ109から断続的に出力される離隔距離が第2の測定距離に一致した場合には、このステップS116における判定処理において「Yes」と判定してステップS118に進む。

【0055】
次に、制御装置110は、ステップS118にて、ノズル102から圧縮ガスを噴射させる。このステップS118における圧縮ガスの噴射は、前記ステップS112における圧縮ガスの噴射と同様であるので、その説明は省略する。このステップS118による圧縮ガスの噴射により、ノズル102の噴射口102bから噴射された圧縮ガスの塊は、ノズル102の噴射軸線AXに沿って膨張しながら進行して被測定対象物WKに衝突する。

【0056】
次に、制御装置110は、ステップS120にて、前記噴射された圧縮ガスによる被測定対象物WKの変位量である第2の押圧変位量を測定する。このステップS120における第2の押圧変位量の計算処理は、前記ステップS114における第1の押圧変位量の計算処理と同様であるので、その説明は省略する。このステップS120による第2の押圧変位量の計算処理によって計算された第2の押圧変位量は制御装置110に記憶される。

【0057】
次に、制御装置110は、ステップS122にて、センサコントローラ109に対して離隔距離の測定処理の中断を指示する。具体的には、制御装置110は、センサコントローラ109は、距離センサ108が内蔵する図示しないレーザ光源および受光素子の各作動をそれぞれ停止させる。これにより、距離センサ108におけるレーザ光源からのレーザ光の出射が停止されるとともに、受光素子による反射レーザ光の受光が停止される。

【0058】
次に、制御装置110は、ステップS124にて、被測定対象物WKに圧縮ガスを噴射した際における被測定対象物WKの表面の凹み量である凹部押圧変位量を計算する。具体的には、制御装置110は、前記ステップS114で算出した第1の押圧変位量と前記ステップS120で算出した第2の押圧変位量との差分値を凹部押圧変位量として計算する。すなわち、制御装置110は、第2の押圧変位量から第1の押圧変位量を減算してこの減算値を凹部押圧変位量として記憶する。すなわち、これらステップS114,S120による第1および第2の各押圧変位量およびステップS124による凹部押圧変位量をそれぞれ計算する処理を実行する制御装置110およびセンサコントローラ109が、本発明に係る変位量測定手段に相当する。

【0059】
このように、第1の押圧変位量と第2の押圧変位量との差分値を凹部押圧変位量とする理由は、枝に下垂されて位置が固定されていない被測定対象物WKに圧縮空気を当てた場合、被測定対象物WKは被測定対象物WK全体が変位するとともに被測定対象物WK表面における圧縮空気の衝突部分が局所的に凹み変形する。このため、1回の押圧変位量の測定では、測定した押圧変位量が被測定対象物WKの変位量を表わしているのか、局所的な変形量を表わしているのかが不明であり、正確な凹部押圧変位量を得ることができない。

【0060】
したがって、本発明における本実施形態においては、被測定対象物WKに対して遠い側と近い側の2つの位置でそれぞれ測定することにより各位置に対応する第1の押圧変位量および第2の押圧変位量を取得し、これら2つの第1の押圧変位量と第2の押圧変位量との差分値を凹部押圧変位量として計算している。すなわち、2つの第1の押圧変位量および第2の押圧変位量のうち、相対的に被測定対象物WKに対して遠い側の位置で測定された第2の押圧変位量は被測定対象物WK全体の変位量が支配的である。一方、被測定対象物WKに近い側の位置で測定された第2の押圧変位量は被測定対象物WK表面の局所的な凹み変形量が支配的である。したがって、互いに異なる2つの離隔距離ごとの第1の押圧変位量と第2の押圧変位量との差分値は、被測定対象物WK表面における圧縮空気の衝突部分が局所的に凹み変形した変形量である凹部押圧変位量と考えることができる。

【0061】
次に、制御装置110は、ステップS126にて、前記ステップS124にて計算した凹部押圧変位量を用いて被測定対象物WKの硬さを特定する。この場合、制御装置110は、硬さ変換関数を用いて被測定対象物WKの硬さを特定する。ここで硬さ変換関数とは、被測定対象物WKにおける凹部押圧変位量と硬さとの関係を実験的に求めて得た関係式であり、1つの凹部押圧変位量に対して1つの硬さを算出するものである。この硬さ変換関数は、被測定対象物WKの種類ごとに制御装置110に予め設定されている。したがって、制御装置110は、前記ステップS124にて計算した凹部押圧変位量と前記ステップS104にて選定した被測定対象物WKに対応する硬さ変換関数とを用いて被測定対象物WKの硬さを特定する。すなわち、このステップS126による被測定対象物WKの硬さの特定処理を実行する制御装置110が、本発明に係る硬さ特定手段に相当する。

【0062】
次に、制御装置110は、ステップS128にて、前記ステップS126にて特定した被測定対象物WKの硬さを操作パネル111における液晶表示画面に表示させる。これにより、使用者は、被測定対象物WKにおける硬さを非接触で認識することができるとともに、この硬さによって被測定対象物WKの熟度などの品質を推測することができる。そして、制御装置110は、ステップS132にて、この硬さ測定プログラムの実行を終了する。これにより、制御装置110は、再び、使用者からの指示を待つ待機状態となる。

【0063】
したがって、使用者は、再度、同一の被測定対象物WKにおける異なる表面位置における硬さ、または他の被測定対象物WKにおける硬さを測定する場合には、前記と同様の手順にて制御装置110に硬さ測定プログラムを実行させる。一方、硬さ測定作業自体を終了する際には、使用者は、操作パネル111を操作することにより制御装置110の電源をOFFにする。これにより、使用者は、被測定対象物WKに対する硬さの測定作業を終了する。

【0064】
上記作動説明からも理解できるように、上記実施形態によれば、ハンディ型硬さ測定装置100は、ハンディ型の本体ケース101内に被測定対象物WKに対する離隔距離を測定するための距離センサ108と、同被測定対象物WKに圧縮ガスを噴射するためのノズル102とを備えている。そして、ハンディ型硬さ測定装置100は、距離センサ108により測定される離隔距離が所定の第1の測定設定距離になったことをトリガとしてノズル102から圧縮ガスを噴射させてこの圧縮ガスの衝突による被測定対象物WK表面の変位量である凹部押圧変位量を測定するとともに、この凹部押圧変位量および硬さ規定情報を用いて被測定対象物表面の硬さを特定している。すなわち、本発明に係るハンディ型硬さ測定装置100は、距離センサ108およびノズル102を収容する本体ケース101がハンディ型に構成されるとともに被測定対象物WKに対する離隔距離が所定の第1の測定設定距離になったことをトリガとしてノズル102から圧縮ガスを噴射させて被測定対象物WKの表面の硬さを特定している。このため、本発明に係るハンディ型硬さ測定装置100においては、ワークテーブル上に配置できない被測定対象物WKであっても本体ケース101を被測定対象物WKに向けることによりノズル102と被測定対象物WKとの距離を把握した状態で硬さの測定を行なうことができる。これにより、本発明に係るハンディ型硬さ測定装置100は、広範な種類および状況にある被測定対象物WKに対して硬さの測定を行なうことができる。

【0065】
さらに、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変更が可能である。なお、下記変形例の説明においては、参照する各図における上記実施形態と同様の構成部分に同じ符号または対応する符号を付して、その説明は省略する。

【0066】
例えば、上記実施形態においては、硬さ測定装置100は、硬さ測定装置100を構成する部品の全てを本体ケース101内に収納して構成した。しかし、硬さ測定装置100は、本体ケース101をハンディ型に構成するとともに、このハンディ型の本体ケース101内に離隔距離を測定するための距離センサ108および圧縮ガスを噴射するためのノズル102を備えて構成されていれば、その他の構成部品、例えば、ガス貯留部103、センサコントローラ109および制御装置110などは、本体ケース101とは別体のケース内に収納されていてもよい。すなわち、この場合、本体ケース101とは別体のケースは、必ずしもハンディ型である必要はない。

【0067】
また、上記実施形態においては、硬さ測定装置100は、距離センサ108によって可視レーザ光を用いて被測定対象物WKまでの距離である離隔距離を測定した。しかし、距離センサ108、すなわち、本発明に係る非接触式センサ部は、被測定対象物WKに対して非接触で被測定対象物WKまでの距離を表わす検出信号を出力できる機器であれば、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、非接触式センサ部は、可視レーザ光以外の不可視のレーザ光を出射するとともに受光する機器であってもよいし、レーザ光以外の空間を伝搬する伝搬波、具体的には、各種電磁波や音波などを発信するとともに受信する機器であってもよい。

【0068】
また、上記実施形態においては、距離センサ108は、レーザ光源および受光素子がノズル102の噴射軸線AX上に配置されて構成されている。これは、被測定対象物WKに照射するレーザ光および同レーザ光の反射レーザ光の光軸をノズル102の噴射軸線AXに一致させることにより、センサコントローラ109による離隔距離の測定精度を向上させるためである。したがって、距離センサ108は、被測定対象物WKまでの距離である離隔距離を測定できれば必ずしもノズル102の噴射軸線AX上に配置されている必要はない。

【0069】
例えば、図5に示すように、距離センサ108におけるレーザ光源108aをノズル102の噴射軸線AX上に配置するとともに、距離センサ108における受光素子108b(例えば、PSD、CMOS)をノズル102の噴射口102bの近傍に配置することもできる。また、距離センサ108におけるレーザ光源108aおよび受光素子108bの両方をノズル102の噴射軸線AX上からずらして配置することもできる。

【0070】
また、例えば、図6に示すように、レーザ光源および受光素子をノズル102の外側に配置した状態で、レーザ光の出射口および反射レーザ光の取り入れ口となるとともに同レーザ光および反射レーザ光を導く光ファイバ113をノズル102内に配置することもできる。これによれば、透明板102bが不要となってノズル102を単一の素材で構成することができるとともに、距離センサ108におけるレーザ光源および受光素子の配置の自由度が増して硬さ測定装置100の構成の簡単化およびコンパクト化を図ることができる。

【0071】
また、上記実施形態においては、センサコントローラ108は、距離センサ108を用いて位相差測距方式によって被測定対象物WKまでの離隔距離を測定した。しかし、センサコントローラ108は、位相差測距方式以外の方式、例えば、パルス伝搬方式、三角測量方式を用いて被測定対象物WKまでの離隔距離を測定することもできる。

【0072】
また、上記実施形態においては、硬さ測定装置100は、ノズル102からフルオロカーボンの圧縮ガスが被測定対象物WKに向けて噴射することにより被測定対象物WKの表面を変形させるように構成した。しかし、ノズル102から噴射する噴射物は、被測定対象物WKの表面を変形させることができる気体や液体などからなる流体であれば、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、ノズル102から噴射する流体として、フルオロカーボン以外の他の不活性ガス(例えば、窒素ガスや炭酸ガスなど)や空気、および水や油などの液体を用いることができる。

【0073】
また、上記実施形態においては、被測定対象物WKにおける硬さを特定するための硬さ規定情報として硬さ変換関数を用いた。しかし、この硬さ規定情報は、被測定対象物WKにおける凹部押圧変位量から硬さを特定できればよく、必ずしも硬さ変換関数の形式を採用する必要はない。例えば、硬さ規定情報は、複数の凹部押圧変位量ごとに硬さが規定された変換テーブルであってもよい。また、硬さ規定情報によって特定される硬さは、ビッカース硬さ、ブリネル硬さおよびロックウェル硬さなどの一般的な硬さの尺度で表わされていてもよいし、これらの一般的な硬さの尺度とは無関係な独自の尺度で表わされていてもよい。

【0074】
また、上記実施形態においては、硬さ測定装置100は、複数種類の被測定対象物WKに対して硬さの測定を行なうことができる構成とした。すなわち、硬さ測定装置100における制御装置110には、硬さの測定を行なうことができる被測定対象物WKごとの硬さ規定情報が設定されている。しかし、硬さ測定装置100は、単一種類の被測定対象物WKに対して硬さの測定を行なう構成であってもよいことは当然である。これによれば、硬さ規定情報の量を単一とすることができるとともに、硬さ測定プログラムにおけるステップS104の被測定対象物WKの種類の選定判定処理が不要となるため、硬さ測定装置100の構成を簡単にすることができる。また、硬さ測定装置100が複数種類の被測定対象物WKに対して硬さの測定を行なう場合においても、本実施形態で示した被測定対象物WK(食品(果菜類、食肉、魚介類、各種加工食品)や工業材料(樹脂材、ゴム材、木材、金属材))以外のもの、例えば、生体を構成する各種器官(臓器、皮膚、眼球、髪、骨、爪など)などであってもよい。

【0075】
また、上記実施形態においては、表面硬化測定プログラムにおいて、第1の測定設定距離および第2の測定設定距離にて押圧変位量である第1の押圧変位量および第2の押圧変位量をそれぞれ測定して被測定対象物WKの硬さの特定に用いた。しかし、圧縮ガスの衝突による被測定対象物WK全体の圧縮ガスの進行方向への変位を考慮する場合、押圧変位量は、少なくとも2つの測定設定距離ごとに測定して同各測定設定距離ごとの押圧変位量を取得すればよい。すなわち、硬さ測定装置100は、3つ以上の測定設定距離ごとに押圧変位量を測定するとともに、これら3つ以上の各測定設定距離に対応する押圧変位量における各差分値を凹部押圧変位量として硬さを特定することができる。

【0076】
これらの場合、上記実施形態においては、第1および第2の各測定設定距離は被測定対象物WKに対して遠い側から徐々に接近させながら第1および第2の各押圧変位量を測定するように構成した(ステップS110、ステップS116)。しかし、各押圧変位量を測定する順番は、上記実施形態に限定されるものではない。すなわち、各離隔距離は被測定対象物WKに対して近い側から徐々に離隔させて各押圧変位量を測定するように構成してもよい。

【0077】
また、圧縮ガスの衝突による被測定対象物WK全体の圧縮ガスの進行方向への変位が無視できる場合には、1つの測定設定距離で測定した1つの押圧変位量を用いて硬さを特定することもできる。この圧縮ガスの衝突による被測定対象物WK全体の変位が無視できる場合とは、例えば、被測定対象物WKにおける圧縮ガスの進行方向線上の変位が固定されている、または同変位が極めて微小で無視できる場合などである。

【0078】
具体的には、例えば、被測定対象物WKが地上で実が生育するスイカやカボチャである場合には、スイカやカボチャは地上方向への変位が規制されているため、被測定対象物WKに対して鉛直方向から圧縮ガスを噴射することにより一回の押圧変位量の測定で硬さを特定することができる。また、被測定対象物WKが機械装置に支持された部品などである場合においても、前記と同様に、一回の押圧変位量の測定で硬さを特定することができる。また、例えば、圧縮ガスの噴射圧力に対して質量が十分に大きい被測定対象物WKである場合においても硬さを少なくとも近似値として特定することができる。

【0079】
また、さらに、圧縮ガスの衝突により被測定対象物WK全体が圧縮ガスの進行方向に変位する場合においては、硬さの測定時に被測定対象物WKを支持具などにより変位を規制した状態で測定を行なうことができる。この場合、支持具は、平板状や被測定対象物WKが嵌まり込む所謂V溝を有する形状に形成することが考えられる。また、この支持具は、ハンディ型本体ケースから一体的にまたは分離可能に延びて形成されていると良い。

【0080】
また、上記実施形態においては、第1および第2の測定設定距離にてそれぞれ第1および第2の押圧変位量を測定するように構成した(ステップS110~ステップS120)。しかし、1つの押圧変位量のみを測定する場合には、必ずしも測定設定距離を設定する必要はない。また、2つ以上の押圧変位量を測定する場合においても、必ずしも2つ以上の測定設定距離を設定する必要はない。すなわち、1つのみまたは1つ目の押圧変位量を測定する場合、硬さ測定プログラムにおけるステップS110における離隔距離の判定処理において、離隔距離が測定限界距離未満か否かを判定するように構成する。これにより、硬さ測定装置100は、センサコントローラ109から断続的に出力される離隔距離が測定限界距離未満になったことをトリガとして圧縮ガスを噴射して1つのみまたは1つ目の押圧変位量を測定する。すなわち、押圧変位量を測定する離隔距離は少なくとも測定限界距離未満であればよい。そして、この場合、測定限界距離は、被測定対象物WKが常温のものであれば、数cmないし数十cmの範囲が好適である。

【0081】
なお、1つの押圧変位量のみを測定する場合には、押圧変位量が1つであるため、硬さ測定プログラムにおけるステップS116~120,ステップ124の各処理は不要である。また、別の変形例として、1つまたは複数の押圧変位量を測定する場合、硬さ測定プログラムにおけるステップS110の離隔距離の判定処理にて離隔距離が測定限界距離未満と判定されている間、その旨を使用者に視覚的または聴覚的にアナウンスするとともに使用者による測定スイッチ112の押下操作をトリガとして圧縮ガスを噴射させるように構成することもできる。

【0082】
また、上記した複数の押圧変位量を測定する場合、次回の押圧変位量の測定に先駆けて直近に測定した押圧変位量が所定の限界変位量以上である場合、次回以降の押圧変位量の測定を中断または測定設定距離を変更するように硬さ測定プログラムを構成することもできる。ここで、限界変位量とは、被測定対象物WKが塑性変形(永久変形)に至る直前の弾性変形量であり、換言すれば、この弾性変形量を超えて変形させると被測定対象物WKに塑性変形(永久変形)が生じる変形量である。そして、この限界変位量は、被測定対象物WKの種類ごとに予め制御装置110に設定されている。

【0083】
したがって、例えば、上記実施形態における第1の押圧変位量が限界変位量以上である場合には、ステップS116による離隔距離の判定処理に進む前に、この硬さ測定プログラムの実行を終了する、または第2の測定距離を既に設定されている距離よりも長い距離に設定し直すようにする。これらによれば、ハンディ型硬さ測定装置100は、次回の圧縮ガスの噴射を行なわない、または次回の押圧変位量が限界変位量未満となるため、圧縮ガスの衝突による被測定対象物の損傷を防止または軽減することができる。

【0084】
また、上記実施形態においては、ノズル102から噴射する圧縮ガスを貯留するためにボンベ状のガス貯留部103を用いた。すなわち、ガス貯留部103が、本発明に係る流体噴射手段を構成する。しかし、流体噴射手段は、ノズル102から圧縮ガスを噴射することができれば、上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記変形例のようにガス貯留部103を本体ケース101とは別体のケース内に設ける場合などにおいては、ガス貯留部103をより大きな容量のものとすることができるとともに、ガス貯留部103に代えて圧縮ガスを生成するコンプレッサやポンプを流体噴射手段として採用することもできる。この場合、圧縮ガスを生成するポンプは、アクチュエータにより流体を圧縮する形式のものであってもよいし、手動操作による人力により流体を圧縮する形式のものであってもよい。また、流体噴射手段をこれらのコンプレッサやポンプで構成した場合、ノズル102から噴射する流体の噴射圧力を可変可能に構成することにより、被測定対象物WKの種類や被測定対象物WKまでの離隔距離などに応じて最適の噴射圧力によって流体を噴射させることができる。

【0085】
また、上記実施形態においては、ガス配管104におけるリリーフ弁106とガス貯留部103との間に圧力センサ105を設けることにより、ガス貯留部103内の圧力が下限圧力未満に低下することを監視した。しかし、圧力センサ105は、このようなガス貯留部103内の圧力の監視に代えてまたは加えてノズル102から噴射される圧縮ガスの噴射圧力を測定して硬さの測定精度の向上に利用することができる。

【0086】
具体的には、制御装置110は、硬さ測定プログラムにおけるステップS112,S118の圧縮ガスの噴射時の圧力センサ105からの検出信号を入力してノズル102から噴射される圧縮ガスの噴射圧力を測定する。そして、制御装置110は、硬さ測定プログラムにおけるステップS126の硬さ測定処理において、前記測定した噴射圧力により硬さ規定情報を補正して、または前記測定した噴射圧力に対応する硬さ規定情報を用いて被測定対象物WKの硬さを特定する。これによれば、ノズル102から噴射された圧縮ガスの実際の噴射圧力に対応する硬さ規定情報を用いて硬さを特定しているため、精度良く硬さを特定することができる。なお、この場合、噴射圧力を測定するための圧力センサ105の配置位置は、上記実施形態における配置位置の他に、ノズル102と電磁弁107との間におけるガス配管104上、ノズル102内およびノズル102の噴射口102aの外側などであってもよい。

【0087】
また、上記実施形態においては、硬さ測定プログラムは、被測定対象物WKまでの離隔距離が測定限界距離未満であるとき、被測定対象物WKに圧縮ガスを噴射するように構成されている(ステップS110)。しかし、硬さ測定プログラムは、これに加えて、被測定対象物WKまでの離隔距離が接近限界距離以上のとき、被測定対象物WKに圧縮ガスを噴射するように構成することもできる。この場合、接近限界距離とは、図3に示すように、ノズルから噴射された圧縮ガスの衝突により被測定対象物WKに損傷を与える蓋然性が高い被測定対象物WKの表面とノズル102との最小距離である。これによれば、ハンディ型硬さ測定装置100は、離隔距離が測定限界距離未満であってかつ予め設定された接近限界距離以上であるとき、ノズル102から圧縮ガスを噴射させるように構成されるため、圧縮ガスの衝突による被測定対象物WK表面の損傷を防止しながら表面の硬さを測定することができる。

【0088】
また、上記実施形態においては、硬さ測定装置100は、硬さ測定プログラムは、押圧変位量に基づいて被測定対象物WKの硬さを特定している。しかし、硬さ測定装置100は、被測定対象物WKの硬さに代えてまたは加えて、被測定対象物WKの種類、換言すれば、材質を特定することもできる。具体的には、硬さ測定プログラムにおけるステップS124の凹部押圧変位量の計算処理以降において、この凹部押圧変位量を用いて被測定対象物WKの種類を特定する。

【0089】
より具体的には、制御装置110は、この凹部押圧変位量を用いて被測定対象物WKの種類を特定する。この場合、制御装置110は、種類変換テーブルを用いて被測定対象物WKの種類を特定する。この場合、種類変換テーブルは、所定噴射圧力における複数種類の被測定対象物WKごとの凹部押圧変位量を実験的に求めて得た対応表であり、1つの凹部押圧変位量に対して1つまたは複数種類の被測定対象物を特定するものである。この種類変換テーブルは、予め制御装置110に設定されている。したがって、制御装置110は、算出した凹部押圧変位量と前記種類変換テーブルとを用いて被測定対象物WKの種類を特定することができる。
【符号の説明】
【0090】
WK…被測定対象物、AX…噴射軸線、
100…硬さ測定装置、101…本体ケース、101a…収納部、101b…グリップ部、102…ノズル、102a…噴射口、102b…透明板、103…ガス貯留部、104…ガス配管、105…圧力センサ、106…リリーフ弁、107…電磁弁、108…距離センサ、108a…レーザ光源、108b…受光素子、109…センサコントローラ、110…制御装置、111…操作パネル、112…測定スイッチ、113…光ファイバ。
図面
【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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