TOP > 国内特許検索 > 位置情報管理システム > 明細書

明細書 :位置情報管理システム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5257871号 (P5257871)
公開番号 特開2009-296452 (P2009-296452A)
登録日 平成25年5月2日(2013.5.2)
発行日 平成25年8月7日(2013.8.7)
公開日 平成21年12月17日(2009.12.17)
発明の名称または考案の名称 位置情報管理システム
国際特許分類 H04W   4/02        (2009.01)
H04W  64/00        (2009.01)
H04M  11/00        (2006.01)
FI H04W 4/02 150
H04W 64/00
H04M 11/00 302
請求項の数または発明の数 10
全頁数 12
出願番号 特願2008-149589 (P2008-149589)
出願日 平成20年6月6日(2008.6.6)
審査請求日 平成23年6月1日(2011.6.1)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】899000057
【氏名又は名称】学校法人日本大学
発明者または考案者 【氏名】木原 雅巳
個別代理人の代理人 【識別番号】100119677、【弁理士】、【氏名又は名称】岡田 賢治
【識別番号】100115794、【弁理士】、【氏名又は名称】今下 勝博
審査官 【審査官】松野 吉宏
参考文献・文献 特開2000-259995(JP,A)
特開2003-161771(JP,A)
特開2001-320759(JP,A)
特開2004-343346(JP,A)
特開2002-314477(JP,A)
特表2007-532056(JP,A)
調査した分野 H04B 7/24 - 7/26
H04W 4/00 - 99/00
H04M 11/00
特許請求の範囲 【請求項1】
無線通信端末装置と、
前記無線通信端末装置の地理的な位置情報を蓄積管理する位置管理サーバと、
前記位置管理サーバと通信ネットワークで接続され、前記無線通信端末装置と無線通信を行う基地局と、
を備え、
前記基地局、前記無線通信端末装置又は前記位置管理サーバは、前記無線通信端末装置の地理的な位置を測位する測位部を備え、
前記位置管理サーバは、ランダムなオフセット及び誤差を付加することによって前記測位部の測位する位置をぼかした位置を位置情報として蓄積管理し、配信することを特徴とする位置情報管理システム。
【請求項2】
前記無線通信端末装置は、
前記測位部と、
前記測位部の測位する位置を、ランダムなオフセット及び誤差を付加することによってぼかす位置ぼかし部と、
前記位置ぼかし部によってぼかされた位置を前記位置管理サーバに通知する通知部と、を備え、
前記位置管理サーバは、
前記通知部の通知する位置を受信する受信部と、
前記受信部の受信する位置を位置情報として蓄積管理する管理部と、
前記管理部の蓄積管理する位置情報を配信する配信部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の位置情報管理システム。
【請求項3】
前記無線通信端末装置は、
前記測位部と、
前記測位部の測位する位置を前記位置管理サーバに通知する通知部と、を備え、
前記位置管理サーバは、
前記通知部の通知する位置を受信する受信部と、
前記受信部の受信する位置を、ランダムなオフセット及び誤差を付加することによってぼかす位置ぼかし部と、
前記位置ぼかし部によってぼかされた位置を位置情報として蓄積管理する管理部と、
前記管理部の蓄積管理する位置情報を配信する配信部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の位置情報管理システム。
【請求項4】
前記基地局は、前記測位部を備え、
前記位置管理サーバは、
前記測位部の測位する位置を取得する受信部と、
前記受信部の受信する位置を、ランダムなオフセット及び誤差を付加することによってぼかす位置ぼかし部と、
前記位置ぼかし部によってぼかされた位置を位置情報として蓄積管理する管理部と、
前記管理部の蓄積管理する位置情報を配信する配信部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の位置情報管理システム。
【請求項5】
前記位置管理サーバは、
前記測位部と、
前記測位部の測位する位置を、ランダムなオフセット及び誤差を付加することによってぼかす位置ぼかし部と、
前記位置ぼかし部によってぼかされた位置を位置情報として蓄積管理する管理部と、
前記管理部の蓄積管理する位置情報を配信する配信部と、を備えることを特徴とする請求項1に記載の位置情報管理システム。
【請求項6】
前記位置ぼかし部は、予め定められた設定条件で、位置のぼかしを解除することを特徴とする請求項2から5のいずれかに記載の位置情報管理システム。
【請求項7】
前記無線通信端末装置は、位置のぼかしの解除を指示する解除指示を取得する指示取得部をさらに備え、
前記指示取得部が解除指示を取得すると、前記位置ぼかし部は、位置のぼかしを解除することを特徴とする請求項6に記載の位置情報管理システム。
【請求項8】
前記位置ぼかし部は、予め定められた算定方法で位置を変更することでオフセットを付加することを特徴とする請求項2から7のいずれかに記載の位置情報管理システム。
【請求項9】
前記位置ぼかし部は、四捨五入、切捨て又は切り上げを行うことで、丸め誤差を位置に付加することを特徴とする請求項2からのいずれかに記載の位置情報管理システム。
【請求項10】
前記位置ぼかし部は、位置の誤差量の増減、桁数の上げ下げ、又は、前記配信部の配信先に応じて、位置のぼかしの程度を可変することを特徴とする請求項2から9のいずれかに記載の位置情報管理システム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、個人情報を保護しながら、無線通信端末装置の位置情報を管理する位置情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
すべての携帯電話などの無線通信端末装置に位置情報の取得機能が搭載されるようになり、位置情報サービスが受けやすくなっているが、高精度化により、1mの精度まで位置が確認できることがある(例えば、特許文献1又は2参照。)。提供される位置サービスの質は向上し、無線通信端末装置の位置に応じた歩行者ナビゲーションのような位置情報サービスも提供されている。
【0003】
無線LANを利用すると、無線通信端末装置の位置情報を精確に把握することができる。また、携帯電話でも、衛星測位システムや基地局測位システムを利用すると、数mの精度で携帯電話の位置を把握することができる。
【0004】
従来方式の位置情報管理システムでは、GPS機能付き携帯電話であれば、GPS機能が出力する携帯電話の位置情報は、位置情報送信機能によって、位置情報を要求する位置管理サーバなどに送信されていた。このとき、GPS機能が実現する精度がそのまま維持され位置情報が出力される。GPSの位置情報の精度は、場所と時間により変化するが、1~10mの範囲内である。さらに、無線LANにあっては、フロア内での座席の位置まで精確に把握することができることさえある。

【特許文献1】特開2002-008164号公報
【特許文献2】特開2003-161622号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
位置情報は、極めて有効に活用することができる反面、個人情報に属するものであるために、安全性を確保しつつ管理しなければならない。
【0006】
例えば、1mの精度で位置が確認できることから、地図情報と位置情報をリンクすると、個人がいつどのトイレに何回行ったかまで確認できるようになる。個人の位置はもっとも公開されたくないプライバシーに属するものであり、位置管理サーバには高いセキュリティーが要求される。このとき、位置管理サーバのセキュリティーが十分なことをいくらアナウンスしても、無線通信端末装置の保持者には心理的に自分の個人情報が知られているという嫌悪感が残る。
【0007】
そこで、本発明は、位置情報サービスを利用する者に対して、位置情報を選択して過度に個人情報を露出することを避けることのできる位置情報管理システムの提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、発明者は、位置情報サービスを利用する者に対して、位置精度を選択して過度に個人情報を露出することを避けることのできる位置情報管理システムを発明した。本発明によれば、位置管理サーバには、無線通信端末装置保持者の希望に合わせた精度でぼかされた無線通信端末装置の位置情報が蓄積管理される。位置情報をぼかすことによって、講義室内のどの椅子に座っていたかという原情報に対して、講義室内に居ることが分かったり、構内に居ることが分かったりする程度で十分な場合はその用途に応じてぼかしの程度を可変する。また、災害時のような非常時では、位置ぼかしの機能を解除すれば、精確な位置を把握することができる。
【0009】
具体的には、本発明に係る位置情報管理システムは、無線通信端末装置と、前記無線通信端末装置の地理的な位置情報を蓄積管理する位置管理サーバと、前記位置管理サーバと通信ネットワークで接続され、前記無線通信端末装置と無線通信を行う基地局と、を備え、前記基地局、前記無線通信端末装置又は前記位置管理サーバは、前記無線通信端末装置の地理的な位置を測位する測位部を備え、前記位置管理サーバは、ランダムなオフセット及び誤差を付加することによって前記測位部の測位する位置をぼかした位置を位置情報として蓄積管理し、配信することを特徴とする。ここで、測位部とは、無線通信端末装置の位置に関する情報を取得し、無線通信端末装置の位置を算出することをいう。
位置管理サーバが無線通信端末装置の位置をぼかした位置情報を配信するので、位置情報サービスの提供者に無線通信端末装置保持者の精確な位置を知られることがない。そのため、無線通信端末装置保持者の位置という個人情報の露出を避けることができる。
さらに、誤差が一定であると、結果的に精確な位置が算出可能になるおそれがある。位置に付加する誤差がランダムであることで、精確な位置の算出の可能性を減らすことができる。
【0010】
本発明に係る位置情報管理システムは、前記無線通信端末装置は、前記測位部と、前記測位部の測位する位置を、ランダムなオフセット及び誤差を付加することによってぼかす位置ぼかし部と、前記位置ぼかし部によってぼかされた位置を前記位置管理サーバに通知する通知部と、を備え、前記位置管理サーバは、前記通知部の通知する位置を受信する受信部と、前記受信部の受信する位置を位置情報として蓄積管理する管理部と、前記管理部の蓄積管理する位置情報を配信する配信部と、を備えることを特徴とする。
ぼかした位置を無線通信端末装置が位置管理サーバに通知するので、無線通信端末装置の精確な位置を無線通信端末装置以外の装置が取得することがない。そのため、無線通信端末装置保持者の位置という個人情報の露出の危険性をさらに減少させることができる。また、無線通信端末装置自身が位置のぼかしの程度を可変することができるので、無線通信端末装置保持者は安心を得られる。
【0011】
本発明に係る位置情報管理システムは、前記無線通信端末装置は、前記測位部と、前記測位部の測位する位置を前記位置管理サーバに通知する通知部と、を備え、前記位置管理サーバは、前記通知部の通知する位置を、ランダムなオフセット及び誤差を付加することによってぼかす位置ぼかし部と、前記位置ぼかし部によってぼかされた位置を位置情報として蓄積管理する管理部と、前記管理部の蓄積管理する位置情報を配信する配信部と、を備えることを特徴とする。
位置管理サーバが精確な位置を一時的に取得するので、災害時のような非常時に精確な位置情報を把握することができる。そのため、無線通信端末装置保持者の位置という個人情報の露出を避けつつ、位置情報を無線通信端末装置保持者の安全のために利用することができる。
また、無線通信端末装置の負荷が減るので、無線通信端末装置を小型軽量にすることができる。一方、位置管理サーバは、高度な処理を用いて位置をぼかすことができる。
【0012】
本発明に係る位置情報管理システムは、前記基地局は、前記測位部を備え、前記位置管理サーバは、前記測位部の測位する位置を取得する受信部と、前記受信部の受信する位置を、ランダムなオフセット及び誤差を付加することによってぼかす位置ぼかし部と、前記位置ぼかし部によってぼかされた位置を位置情報として蓄積管理する管理部と、前記管理部の蓄積管理する位置情報を配信する配信部と、を備えることを特徴とする。
また、本発明に係る位置情報管理システムは、前記位置管理サーバは、前記測位部と、前記測位部の測位する位置をぼかす位置ぼかし部と、前記位置ぼかし部によってぼかされた位置を位置情報として蓄積管理する管理部と、前記管理部の蓄積管理する位置情報を配信する配信部と、を備えることを特徴とする。
無線通信端末装置が測位機能を備えていない場合に、無線通信端末装置保持者の位置という個人情報の露出を避けることができる。
【0013】
本発明に係る位置情報管理システムでは、前記位置ぼかし部は、予め定められた設定条件で、位置のぼかしを解除することが好ましい。
無線通信端末装置の精確な位置が必要な場合もある。この場合に、無線通信端末装置の精確な位置を位置管理サーバに提供することができる。
【0014】
本発明に係る位置情報管理システムでは、前記無線通信端末装置は、位置のぼかしの解除を指示する解除指示を取得する指示取得部をさらに備え、前記指示取得部が解除指示を取得すると、前記位置ぼかし部は、位置のぼかしを解除することが好ましい。
無線通信端末装置保持者が精確な位置を用いて位置情報サービスを受けたい場合もある。この場合に、無線通信端末装置の精確な位置を位置管理サーバに提供することができる。
【0016】
本発明に係る位置情報管理システムでは、前記位置ぼかし部は、四捨五入、切捨て又は切り上げを行うことで、丸め誤差を位置に付加することが好ましい。
有効数字を少なくすることで、位置をぼかす際の処理負荷を減らすことができる。
【0017】
本発明に係る位置情報管理システムでは、前記位置ぼかし部は、位置の誤差量の増減、桁数の上げ下げ、又は、前記配信部の配信先に応じて、位置のぼかしの程度を可変することが好ましい。
測位部の測位する位置の誤差は測位の度に異なる。また、位置情報を配信する位置情報サービスによって、必要な位置情報の精度は異なる。そのため、位置のぼかしの程度を可変することで、適切に位置をぼかすことができる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、位置情報サービスを利用する者に対して、位置情報を選択して過度に個人情報を露出することを避けることのできる位置情報管理システムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
添付の図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。以下に説明する実施の形態は本発明の構成の例であり、本発明は、以下の実施の形態に制限されるものではない。
【0020】
図1は、本実施形態に係る位置情報管理システムの構成概略図である。本実施形態に係る位置情報管理システムは、通信ネットワーク100で互いに接続された無線通信端末装置10、基地局40、位置管理サーバ20及び位置サービスサーバ50を備える。無線通信端末装置10、基地局40又は位置管理サーバ20は、無線通信端末装置10の地理的な位置を測位する測位部を備える。位置管理サーバ20は、測位部の測位する位置をぼかした位置を位置情報として蓄積管理し、配信する。無線通信端末装置10は、携帯電話やPDAなどの携帯可能な無線通信端末装置である。基地局40は、位置管理サーバ20と通信ネットワーク100で接続され、無線通信端末装置10と無線通信を行う。位置サービスサーバ50は、位置管理サーバ20の配信する位置情報を用いて、無線通信端末装置10に対して位置情報サービスを提供する。基地局40と位置サービスサーバ50は、一体となっていてもよい。
【0021】
測位部での測位は、無線通信端末装置10の位置に関する情報を取得し、無線通信端末装置10の位置を算出する。例えば、GPSなどの衛星測位システム用いての測位、無線LANでは無線アクセスポイントの設置位置からの測位、携帯電話の基地局を利用した測位である。無線通信端末装置10が、衛星測位システムを利用できる場合、又は、無線LAN方式で通信を行う場合、無線通信端末装置10が測位部を備えていてもよい。基地局40が、無線通信端末装置10との相対位置を取得したり、無線通信端末装置10が衛星測位システムから得られた情報を取得したりする場合、基地局40が測位部を備えていてもよい。位置管理サーバ20が基地局アシスト方式を利用している場合、位置管理サーバ20が測位部を備えていてもよい。測位部は、上記以外の構成に設けられていてもよい。
【0022】
位置のぼかしは、無線通信端末装置10又は位置管理サーバ20に備わる位置ぼかし部が行う。そして、取得した位置をぼかして位置管理サーバ20に提供する。位置ぼかし部は、無線通信端末装置10の位置情報をぼかす。たとえば、位置に、四捨五入、切捨て又は切り上げを行い、位置情報に丸め誤差を付加する。さらに、位置ぼかし部は、ランダムな誤差を付加することが好ましい。
【0023】
無線通信端末装置10が測位部及び位置ぼかし部を備える場合、位置ぼかし部は、測位部から直接無線通信端末装置10の位置を取得する。無線通信端末装置10が測位部を備え、位置管理サーバ20が位置ぼかし部を備える場合、位置ぼかし部は、位置管理サーバ20から通信ネットワーク100を介して無線通信端末装置10の位置を取得する。基地局40が測位部を備え、位置管理サーバ20が位置ぼかし部を備える場合、位置ぼかし部は、基地局40から通信ネットワーク100を介して無線通信端末装置10の位置を取得する。位置管理サーバ20が測位部及び位置ぼかし部を備える場合、位置ぼかし部は、測位部から直接無線通信端末装置10の位置を取得する。基地局40が測位部を備え、無線通信端末装置10が位置ぼかし部を備える場合、位置ぼかし部は、基地局40から通信ネットワーク100を介して無線通信端末装置10の位置を取得する。位置管理サーバ20が測位部を備え、無線通信端末装置10が位置ぼかし部を備える場合、位置ぼかし部は、位置管理サーバ20から通信ネットワーク100を介して無線通信端末装置10の位置を取得する。
【0024】
また、位置ぼかし部は、必要以上に位置がぼかされることを防ぐために、位置の誤差量の増減、桁数の上げ下げに応じて、位置のぼかしの程度を可変することが好ましい。また、十分な位置情報サービスが受けられるよう、配信部の配信先に応じて、位置のぼかしの程度を可変することが好ましい。配信部の配信先は、サービスによって定められるアプリケーションを基に識別することができる。例えば、位置ぼかし部は、内蔵されたソフトウェアによって、位置情報サービスの内容に応じて位置情報の精度を自動で指示することが好ましい。位置情報の精度は、位置情報サービスの提供者が予め設定してもよいし、位置情報サービスの提供者が予め設定するなかから無線通信端末装置保持者が選択してもよい。
【0025】
位置ぼかし部は、予め定められた設定条件で、位置のぼかしを解除することが好ましい。設定条件は、例えば、災害時、配信先ごと、時間の単位ごとである。位置のぼかしを解除することで、無線通信端末装置10に対して高精度な位置情報を利用した位置情報サービスを提供することができる。
【0026】
位置管理サーバ20が蓄積管理する位置情報の精度は、位置情報サービス提供者及び無線通信端末装置保持者による設定に応じて異なる。例えば、位置情報サービスがレストランの位置や連絡先を知らせるサービスであれば、位置情報の精度は100mでもよい。位置情報サービスが災害時の救助サービスやナビゲーションサービスであれば、1m以上10m以下程度の精度である。
【0027】
位置管理サーバ20が蓄積管理する位置情報の精度は、無線通信端末装置保持者からの指示によって、変更可能であることが好ましい。例えば、無線通信端末装置10は、位置のぼかしの解除を指示する解除指示を取得する指示取得部をさらに備え、指示取得部が解除指示を取得すると、位置ぼかし部は、位置のぼかしを解除することが好ましい。無線通信端末装置保持者が位置情報の精度を設定できることで、無線通信端末装置保持者の希望にそった位置情報サービスを提供することができる。
【0028】
図2は、無線通信端末装置が測位部を備え、位置管理サーバが位置ぼかし部を備える場合の構成概略図である。無線通信端末装置10は、測位部12と、通知部13と、指示取得部11と、を備える。位置管理サーバ20は、受信部21と、位置ぼかし部22と、管理部23と、配信部24と、を備える。測位部12は、無線通信端末装置10の地理的な位置を測位する。通知部13は、測位部12の測位する位置を位置管理サーバ20に通知する。受信部21は、通知部13の通知する位置を受信する。位置ぼかし部22は、受信部21の受信する位置をぼかす。管理部23は、位置ぼかし部22によってぼかされた位置を位置情報として蓄積管理する。配信部24は、管理部23の蓄積管理する位置情報を配信する。
【0029】
無線通信端末装置10が指示取得部11を備える場合、通知部13は位置及び解除指示を位置管理サーバ20に通知する。受信部21は、通知部13の通知する位置及び解除指示を受信する。位置ぼかし部22は、解除指示に従い、受信部21の受信する位置をぼかさずに出力する。管理部23は、ぼかされていない位置を位置情報として蓄積管理する。
【0030】
位置情報処理を、無線通信端末装置10側と位置管理サーバ20側とで分担して行うことができる。例えば、位置情報と無線通信端末装置保持者が許可する位置精度を関連付ける。関連付けされた位置情報は、通信ネットワーク100により、位置管理サーバ20に転送され、管理部23内に蓄積されるときに、位置ぼかし部22によって無線通信端末装置保持者が許可する位置精度に加工され、無線通信端末装置保持者が指定した位置精度で管理部23に位置情報が蓄積される。
【0031】
この方式の利点は、位置管理サーバ20内で、災害時などの特別な場合に、位置情報を最大にすることが可能となることである。ただし、無線通信端末装置保持者が予め許可しておく必要がある。また、位置ぼかし部22での位置情報の処理を、位置情報へオフセットを加える処理と、位置情報をある精度でランダム化する処理とに分け、無線通信端末装置10での前処理と、位置管理サーバ20での処理で、これらを分担することもできる。
【0032】
図3は、無線通信端末装置が測位部及び位置ぼかし部を備える場合の構成概略図である。無線通信端末装置10は、測位部12と、位置ぼかし部22と、通知部13と、指示取得部11と、を備える。位置管理サーバ20は、受信部21と、管理部23と、配信部24と、を備える。測位部12は、無線通信端末装置10の地理的な位置を測位する。位置ぼかし部22は、測位部12の測位する位置をぼかす。通知部13は、位置ぼかし部22によってぼかされた位置を位置管理サーバ20に通知する。受信部21は、通知部13の通知する位置を受信する。管理部23は、受信部21の受信する位置を位置情報として蓄積管理する。配信部24は、管理部23の蓄積管理する位置情報を配信する。
【0033】
無線通信端末装置10が指示取得部11を備える場合、位置ぼかし部22は、解除指示に従い、測位部12の測位する位置をぼかさずに、位置を通知部13に出力する。この場合、通知部13は、ぼかされていない位置を位置管理サーバ20に通知する。管理部23は、ぼかされていない位置を位置情報として蓄積管理する。
【0034】
無線通信端末装置10に搭載されているソフトウェアが、位置情報サービスを分類し、その期待される情報内容から位置管理サーバ20に転送する位置情報を自動で劣化させることができる。また、無線通信端末装置10から得られる位置情報を、位置管理サーバ20に送信する際に、無線通信端末装置10の無線通信端末装置保持者が位置情報の精度を変更することができる。これにより、無線通信端末装置保持者は、自分が使用する位置情報サービスの質と、自分が許可できる位置に関する個人情報とを考慮して、心理的な嫌悪感のない適当な位置情報サービスを利用することができる。
【0035】
図4は、位置管理サーバが測位部及び位置ぼかし部を備える場合の構成概略図である。位置管理サーバ20は、測位部12と、位置ぼかし部22と、管理部23と、配信部24と、を備える。測位部12は、無線通信端末装置10の地理的な位置を測位する。位置ぼかし部22は、測位部12の測位する位置をぼかす。管理部23は、位置ぼかし部22によってぼかされた位置を位置情報として蓄積管理する。配信部24は、管理部23の蓄積管理する位置情報を配信する。
【0036】
無線通信端末装置10が指示取得部11を備える場合、通知部13は、解除指示を位置管理サーバ20に通知する。受信部21は、解除指示を受信する。位置ぼかし部22は、解除指示に従い、測位部12の測位する位置をぼかさずに、位置を管理部23に出力する。管理部23は、ぼかされていない位置を位置情報として蓄積管理する。
【0037】
無線通信端末装置10では、位置情報の精度だけを扱い、その位置精度のデータを、通信ネットワーク100を介して転送する。位置管理サーバ20では、その位置精度によって指示される精度に、無線通信端末装置10の位置情報を加工する。この方式は、無線通信端末装置10の基地局40が無線通信端末装置10の位置を知っている場合に適用可能である。たとえば、携帯電話の基地局エリア内にいる無線通信端末装置10は、無線通信端末装置10との通信において経由した基地局40のエリア情報とともに登録されていることを利用して、無線通信端末装置10の位置を、数キロメートル程度の精度で管理するような場合には、位置管理サーバ20だけが、この位置情報を管理することも可能である。この場合には、位置ぼかし部22は、位置管理サーバ20側だけ必要となる。
【0038】
図1に示す基地局40が測位部12を備え、位置管理サーバ20と一体に構成されている場合も、図4と同様の構成となる。この場合は、測位部12が基地局40に備わる。そして、位置ぼかし部22が基地局40から無線通信端末装置10の位置情報を取得する。基地局40と位置管理サーバ20が別構成の場合は、図4に示す測位部12が通信ネットワーク100を介して受信部21と接続される。そして、受信部21は測位部12から位置情報を受信し、位置ぼかし部22は受信部21の受信した位置情報を取得してぼかす。
【0039】
以下、位置ぼかし部の具体例について説明する。
図5は、位置情報の加工例を示す説明図である。位置ぼかし部は、取得した精確な位置P1を予め定められた算定方法で変更し、擬似的な位置P2を生成することで、オフセットを付加する。算定は、例えば、緯度及び経度で表される位置P1を一定方向かつ一定距離に移動させる。そして、位置P2に誤差ΔPを付加する。例えば、位置P2の有効桁数を一定以下にする。
【0040】
ここで、位置P1のオフセットの算定方法は、周期的に変化させることが好ましい。また、オフセット及び誤差をランダムに発生させ、精確な位置情報に付加することが好ましい。位置P1が緯度と経度で表現される場合には、オフセットと誤差は、緯度と経度それぞれに付加されることとなる。
【0041】
オフセットと誤差がランダムに発生した場合であっても、劣化量をランダムに発生させて、位置P2±ΔPに付加すると、適当な位置データの平均化処理で精確な位置P1が割り出される可能性がある。これを防ぐために、これらの劣化量の可変周期を長くとることが好ましい。通常、位置情報の管理対象が人であれば、一箇所に1日以上居ることはないので、可変周期は1日程度にすればよい。しかし、位置情報の管理対象が、同じ位置に周期的に存在する場合には、可変周期は、無限大にする必要があり、位置情報管理対象ごとに、オフセットを固定する必要がある。この場合には、位置情報管理対象ごとのオフセット情報は、優先順位が最上位のセキュリティー情報となる。
【0042】
レストラン情報を提供するようなアプリケーションであれば、位置情報の精度は100mでもよい。また、レストランの位置自体を無線通信端末装置保持者に知らせるようなアプリケーションでは、1m以上10m以下程度の精度がないと、無線通信端末装置保持者はレストランの前を通り過ぎてしまうかもしれない。このように、アプリケーションが違えば、要求される位置情報の精度は変わる。そこで、位置ぼかし部は、位置情報トリミング機能部を備えることが好ましい。
【0043】
図6は、位置情報トリミング機能部の構成概略図である。位置情報トリミング機能部30は、アプリケーション情報取得部31と、出力桁数制御機能部32と、最小桁を丸める機能部33と、を備える。
アプリケーション情報取得部31は、位置情報サービスに関するアプリケーションが起動すると、起動したアプリケーションの識別情報などを示すアプリケーション情報を取得する。出力桁数制御機能部32は、アプリケーション情報取得部31からアプリケーション情報を受信して、そのアプリケーション情報と、指示取得部11が取得した位置情報の精度から、最終的な必要位置精度を求め、最小桁を丸める桁数を指定する出力制御情報を出力する。最小桁を丸める機能部33は、出力桁数制御情報で指定された桁数に、位置情報の最小桁を丸める。
【0044】
図7に、出力桁数制御機能部32の構成例を示す。出力桁数制御機能部32は、識別機能部35と、決定機能部36を備える。識別機能部35は、アプリケーションを識別して、アプリケーションの起動を監視する。決定機能部36は、アプリケーションが無線通信端末装置保持者の位置情報を要求する場合には、アプリケーションに最適な出力桁数制御情報を出力する。出力桁数制御機能部32は、アプリケーションの起動を監視し、そのこのとき、無線通信端末装置保持者が希望する位置情報の精度も考慮して、最適な出力桁数を求める。
【産業上の利用可能性】
【0045】
本発明に係る位置情報管理システムは、構内無線LANやRF-IDタグを利用した構内網や携帯電話を利用した公衆通信網を用いた、位置情報管理サービスや、安否情報サービスに利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】本実施形態に係る位置情報管理システムの構成概略図である。
【図2】無線通信端末装置が測位部を備え、位置管理サーバが位置ぼかし部22を備える場合の構成概略図である。
【図3】無線通信端末装置が測位部及び位置ぼかし部を備える場合の構成概略図である。
【図4】位置管理サーバが測位部及び位置ぼかし部を備える場合の構成概略図である。
【図5】位置情報の加工例を示す説明図である。
【図6】位置情報トリミング機能部の構成図である。
【図7】出力桁数制御機能部の構成図である。
【符号の説明】
【0047】
10 無線通信端末装置
11 指示取得部
12 測位部
13 通知部
20 位置管理サーバ
21 受信部
22 位置ぼかし部
23 管理部
24 配信部
30 位置情報トリミング機能部
31 アプリケーション情報取得部
32 出力桁数制御機能部
33 最小桁を丸める機能部
35 識別機能部
36 決定機能部
40 基地局
50 位置サービスサーバ
100 通信ネットワーク
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6