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明細書 :デンドリックポリアミドアミンフタロシアニン誘導体

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5176241号 (P5176241)
登録日 平成25年1月18日(2013.1.18)
発行日 平成25年4月3日(2013.4.3)
発明の名称または考案の名称 デンドリックポリアミドアミンフタロシアニン誘導体
国際特許分類 C07D 487/22        (2006.01)
A61K  31/409       (2006.01)
A61P  35/00        (2006.01)
C09K  11/06        (2006.01)
FI C07D 487/22 CSP
A61K 31/409
A61P 35/00
C09K 11/06
請求項の数または発明の数 6
全頁数 15
出願番号 特願2008-542985 (P2008-542985)
出願日 平成19年9月13日(2007.9.13)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 平成18年10月6日 日本大学大学院生産工学研究科発行「第2回 日本大学大学院 生産工学・リサーチ・センター研究発表講演会 講演概要集」において文書をもって発表
国際出願番号 PCT/JP2007/001001
国際公開番号 WO2008/056433
国際公開日 平成20年5月15日(2008.5.15)
優先権出願番号 2006302304
優先日 平成18年11月8日(2006.11.8)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成22年9月1日(2010.9.1)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】899000057
【氏名又は名称】学校法人日本大学
発明者または考案者 【氏名】坂本 恵一
【氏名】金澤 誠子
個別代理人の代理人 【識別番号】110000084、【氏名又は名称】特許業務法人アルガ特許事務所
【識別番号】100068700、【弁理士】、【氏名又は名称】有賀 三幸
【識別番号】100077562、【弁理士】、【氏名又は名称】高野 登志雄
【識別番号】100096736、【弁理士】、【氏名又は名称】中嶋 俊夫
【識別番号】100117156、【弁理士】、【氏名又は名称】村田 正樹
【識別番号】100111028、【弁理士】、【氏名又は名称】山本 博人
審査官 【審査官】大野 晃
参考文献・文献 特開2005-120068(JP,A)
特開2002-006558(JP,A)
特開2000-044565(JP,A)
国際公開第2001/096343(WO,A1)
調査した分野 C07D 487/22
A61K 31/409
C09K 11/06
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
次の一般式(1)
【化1】
JP0005176241B2_000011t.gif
(式中R1~R8のうち1~8個は次式(a))
【化2】
JP0005176241B2_000012t.gif
(ここで、pは1~4の数を示し、R9は-NH(CH2tNH2又はOR10(R10はアルキル基を示す)を示し、l、m、q及びtはそれぞれ1~8の数を示す)
で表されるポリアミドアミンデンドロンを示し、残余は水素原子を示し;Mは2価以上の金属原子を示し、(N)を有する環はベンゼン環であることを示す)で表されるデンドリックポリアミドアミンフタロシアニン誘導体。
【請求項2】
式(a)で表される(ポリアミド)アミンデンドロンが、R1~R8のうち4又は8個結合しているものである請求項1記載のフタロシアニン誘導体。
【請求項3】
pが1~3の数である請求項1又は2記載のフタロシアニン誘導体。
【請求項4】
請求項1~3のいずれか1項記載のフタロシアニン誘導体を含有する蛍光材料。
【請求項5】
請求項1~3のいずれか1項記載のフタロシアニン誘導体を含有する光力学的癌治療薬。
【請求項6】
請求項1~3のいずれか1項記載のフタロシアニン誘導体及び薬学的に許容される担体を含有する医薬組成物。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、蛍光材料及び光力学的癌治療薬等として有用なデンドリックポリアミドアミンフタロシアニン誘導体に関する。
【背景技術】
【0002】
フタロシアニンは、その中心に金属を配位し得る化合物であり、青から緑色を呈し、600nm~700nmの可視光線を選択的に吸収する等の光学的特性を有し、発光材料、蛍光材料、光力学癌治療薬等幅広い分野で応用が期待され、その誘導体が数多く合成されている(非特許文献1、2)。
【0003】
一方、デンドリマーは、繰り返し単位による枝分かれ構造を有する樹状分子であり、中心核となる化合物に結合させた場合、その分子全体が球状分子となる。可溶性、低粘性、非晶性等の特性を有することから、光エレクトロニクス材料等として期待されている(非特許文献3、4)。
【0004】
そしてデンドリマーの中心核としてフタロシアニン誘導体が光増感剤として使用できることが報告されている(特許文献1)。しかし、このフタロシアニンデンドリマーは芳香族エーテルデンドロンユニットを有するため、分子全体が球状となり、フタロシアニン構造に由来する光学的特性が失われてしまっている。

【特許文献1】特開2005-120068号公報
【非特許文献1】廣橋亮、坂本恵一、奥村映子“機能性色素としてのフタロシアニン”アイピーシー、2004
【非特許文献2】白井汪芳、小林長男“フタロシアニン-化学と機能-”アイピーシー、1997
【非特許文献3】青井啓悟、柿本雅明“デンドリック高分子 多分岐構造が広げる高機能化の世界”エヌティエス、2005
【非特許文献4】岡田しょう彦“デンドリマーの化学と機能”アイピーシー 2000
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、中心核であるフタロシアニンの光学的特性を維持し、かつデンドリマーとしての特性を有する新規化合物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
そこで本発明者は、フタロシアニン骨格にデンドロンを導入すべく種々検討してきたところ、フタロシアニン骨格のインドール構造のベンゼン環上に、芳香族基含有デンドロンではなく1~4世代のポリアミドアミンデンドロンを結合させれば、デンドリマーでありながらフタロシアニンとしての光学的特性を有する化合物が得られ、これらは蛍光材料や光力学的癌治療薬として有用であることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0007】
すなわち、本発明は、次の一般式(1)
【0008】
【化1】
JP0005176241B2_000002t.gif

【0009】
(式中R~Rのうち1~8個は次式(a))
【0010】
【化2】
JP0005176241B2_000003t.gif

【0011】
(ここで、pは1~4の数を示し、R9は-NH(CH2tNH2又はOR10(R10はアルキル基を示す)を示し、l、m、q及びtはそれぞれ1~8の数を示す)
【0012】
で表されるポリアミドアミンデンドロンを示し、残余は水素原子を示し;Mは2価以上の金属原子を示し、(N)を有する環はベンゼン環、ピリジン環又はピラジン環であることを示す)で表されるデンドリックポリアミドアミンフタロシアニン誘導体を提供するものである。
【0013】
また本発明は、当該デンドリックポリアミドアミンフタロシアニン誘導体を含有する蛍光材料及び光力学的癌治療薬を提供するものである。
また、本発明は、当該デンドリックポリアミドアミンフタロシアニン誘導体及び薬学的に許容される担体を含有する医薬組成物を提供するものである。
また、本発明は、当該デンドリックポリアミドアミンフタロシアニン誘導体の、光力学的治療薬製造のための使用を提供するものである。
さらに、本発明は、当該デンドリックポリアミドアミンフタロシアニン誘導体の有効量を投与することを特徴とする光力学的治療法を提供するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明のデンドリマーは、中心核化合物であるフタロシアニンの光学的特性を有し、かつデンドリマーとしての特性も有する。従って、本発明のデンドリマーは、蛍光材料等の光学材料、光力学的癌治療薬に代表される光増感剤として有用である。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】G1.0デンドリックPCの蛍光スペクトルを示す図である。
【図2】デンドリックPC(type1-G1.0モノアミドアミン)を取り込んだIU-002細胞の死細胞数(%)を示す図である。
【図3】デンドリックPC(type1-G1.0テトラアミドアミン)を取り込んだIU-002細胞の死細胞数(%)を示す図である。
【図4】デンドリックPC(type2-G1.0オクタアミドアミン)を取り込んだIU-002細胞の死細胞数(%)を示す図である。

【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明のデンドリマーは、一般式(1)で表され、フタロシアニン骨格上のR~Rのうちの1~8個が前記式(a)で表されるポリアミドアミンデンドロンであり、残余が水素原子である構造を有する。式(a)中、pは1~4の数を示し、この数によりデンドロンの世代が決定する。デンドロンの世代数(p)は、フタロシアニンの光学的特性を失わない点から、1~4であるが、特に1~3が好ましい。pの数が4を超えるとデンドロンの枝分かれ構造が大きくなり、中心核のフタロシアニンの光学的特性が失われる傾向にある。
【0017】
式(a)中のアルキレン鎖であるl、m、q及びtはそれぞれ1~8であるが、1~6、さらに2~6、特に2~4が好ましい。また、R10はアルキル基を示し、このうち炭素数1~8の直鎖又は分岐鎖のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、tert-ブチル基等が好ましい。R9としては、末端がアミノ基である構造、すなわち-NH(CH2tNH2がより好ましい。
【0018】
また、式(a)のデンドロンはR~Rのうちの1~8個であるが、4~8個が特に好ましい。このうち、式(a)のデンドロンは、さらに、R又はR、R又はR、R又はR及びR又はRの4個である場合、あるいはR~Rの8個である場合が特に好ましい。
【0019】
Mは2価以上の金属原子であればよいが、蛍光を発する点から、Zn、Mg、Mnなどが好ましく、特に一重項酸素生成性、光励起状態でのエネルギーの高さの点からZnが好ましい。
【0020】
(N)を有する環は、ベンゼン環、ピリジン環又はピラジン環のいずれでもよいが、ベンゼン環が好ましい。
【0021】
本発明のデンドリマー(1)は、例えば次の反応式に従って製造することができる。
【0022】
【化3】
JP0005176241B2_000004t.gif

【0023】
(式中、R1a~R8aのうち1~8個はカルボキシル基を示し、残余は水素原子を示し、Yはアミノ基の保護基を示し、R1~R8、M、l、m、p、q及びR9は前記と同じ)
【0024】
すなわち、1~8個のカルボキシル基を有するフタロシアニン類(2)にポリアミドアミンデンドロン(3)とを縮合させることにより一般式(1)で表されるデンドリマー(1)を製造することができる。
【0025】
ここで、カルボキシル基を有するフタロシアニン類(2)は、例えば無水トリメリット酸、ピロメリット酸二無水物又は無水トリメリット酸と無水フタル酸の混合物と、尿素とを金属塩の存在下に加熱することにより得られる。
【0026】
一方、式(3)のデンドロンは、例えば次の反応式に従って製造できる。
【0027】
【化4】
JP0005176241B2_000005t.gif

【0028】
(式中、Y-Xはアミノ基の保護基の導入試薬を示し、l、m、q、t及びYは前記と同じ)
【0029】
ここで、Yとしてはt-ブトキシカルボニル基(t-Boc)、ベンジルオキシカルボニル基、9-フルオレニルメトキシカルボニル基等が用いられる。Y-Xとしては、Yがt-Bocの場合、(t-Boc)無水物等を用いることができる。
【0030】
イミジノジアルカノニトリル(4)を濃塩酸等で加水分解すれば、ウミジノジアルカン酸(5)が得られる。次いで、得られた化合物(5)のアミノ基を保護して化合物(6)とし、さらにこれにジアミン(7)を反応させれば、化合物(8)が得られる。当該化合物(8)に不飽和カルボン酸エステル(9)を反応させれば、エステルタイプのデンドロン(a1)が得られる。これにジアミン(10)を反応させれば、末端がアミノ基であるデンドロン(a2)が得られる。また、このデンドロン(a2)に、さらに不飽和カルボン酸エステル(9)、ジアミン(10)を反応させれば、第3世代のデンドロンが得られる。
【0031】
カルボキシル基を有するフタロシアニン類(2)とデンドロン(3)との縮合反応は、例えば酸の存在下に行うことができる。酸としては塩酸、N-エチル-,N’-3-ジメチルアミノカルボジイミド塩酸塩、ベンゾトリアゾール-1-イル-トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムなどが用いられる。反応は室温~100℃で、5~72時間行えばよい。
【0032】
得られた本発明のデンドリマー(1)は、デンドリマーの世代が1~4世代であること、及びデンドロンが比較的リニアーであるポリアミドアミンデンドロンであるため、中心核のフタロシアニンが立体的に障害を受けずに、フタロシアニンの光学的特性を有している。さらに、デンドリマーとしての特性である、生体親和性、可視光捕集特性、赤外光捕集機能、電子移動媒体としての機能、電子供与体としての機能、分子認識機能、バイオセンサー機能、DNAベクターバイオインターフェース機能、ドラッグデリバリー機能なども有する。
【0033】
従って本発明のデンドリマー(1)は、生体親和性が高く、光力学的治療薬、DNAベクター等として有用である。フタロシアニン自体が光力学的癌治療薬として有用であることから、癌への指向性が高く、光力学的癌治療薬として有用である。
また、フタロシアニンの蛍光特性及びポリアミドアミン構造に基づく蛍光特性も有し、光学材料、特に蛍光材料として有用である。
【0034】
本発明のデンドリマー(1)を医薬として用いる場合には、薬学的に許容される担体とともに種々の製剤(医薬組成物)とすることができる。ここで、薬学的に許容される担体としては、生理食塩水、緩衝剤等の注射用担体、賦形剤、崩壊剤、滑沢剤等の経口投与用添加物等が挙げられる。投与形態としては、静脈投与、筋肉内投与、皮下投与、局所投与、経口投与、直腸内投与、経皮投与等が挙げられる。
【0035】
本発明のデンドリマー(1)又はこれを含有する医薬組成物を光力学的治療に用いる場合、常法に従いデンドリマー(1)又はこれを含有する医薬組成物を必要な患者に投与し、次いで光照準することにより行われる。
【0036】
光学材料として用いる場合には、スピンコート法、真空蒸着、フォトレジスト、フォトエッチング等によって固体状態で用いる場合と溶液に分散させた液体状態で使用できる。
【実施例】
【0037】
次に実施例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明は何らこれに限定されるものではない。
【0038】
実施例1
(i)3,3’-イミノジプロピオン酸の合成
3,3’-イミノジプロピオン酸の合成は、濃塩酸50mLに3,3’-イミノジプロピオニトリル12gを加え、48時間還流した。生成物は、アセトン300mLを加え、ろ過後、乾燥した。粗生成物は、熱湯により再結晶した。
【0039】
(ii)N-(t-Boc)イミノジプロピオン酸の合成
N-(t-Boc)イミノジプロピオン酸の合成は、3,3’-イミノジプロピオン酸80gを純水50mLに溶解し、1,4-ジオキサン100mL、炭酸ナトリウム水溶液(50mmol/50mL)およびトリエチルアミン15mLを加え氷浴にて1時間攪拌し、さらに、室温にて(t-Boc)無水物13gを徐々に加え48時間攪拌した。混合物は、飽和クエン酸水溶液を用いてpH3程度にし、酢酸エチルを用いて抽出した。有機層は、洗浄、脱水、エバポレーターを用いて濃縮した。粗生成物は、酢酸エチル:ヘキサン(v/v 1/1)溶液を用いて再結晶した。
【0040】
(iii)1.5世代デンドロンの合成
1.5世代デンドロン(G-1.5)の合成は、メタノール20mLに溶解したN-(t-Boc)イミノジプロピオン酸2.6g及びメタノール100mLに溶解したエチレンジアミン30gを加え氷浴にて1時間攪拌し、さらに室温にて96時間攪拌して行った。混合物はエバポレーターにてメタノールを留去した後、減圧蒸留によってエチレンジアミンを留去した。
【0041】
(iv)2世代デンドロンの合成
2世代デンドロン(G-2)の合成は、得られたG-0.5をメタノール200mLに溶解し、さらにアクリル酸メチル8.6gを加え氷浴にて1時間撹拌し、さらに室温にて48時間撹拌した。混合物は減圧蒸留によってメタノールおよびアクリル酸メチルを留去することによった。
【0042】
(v)亜鉛テトラカルボン酸フタロシアニン(以下、フタロシアニンをPCと記載することがある)の合成
亜鉛テトラカルボン酸PCの合成は、無水トリメリット酸2.2g、尿素13g、塩化亜鉛3g及び1,8-ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデセン(DBU)を1,2,4-トリクロロベンゼン50mLに加え250℃にて4時間加熱して行った。混合物は、6M塩酸、純水及びアセトンで洗浄し、ろ過した。乾燥後、固体は水酸化カリウム30gとともに純水90mLに加え、100℃にて8時間加水分解した。混合物は純水200mLを加え、塩酸にてpH2に調製した後、遠心分離にて固体を得た。固体は純水及びアセトンにて洗浄し、乾燥した。この化合物を原料としたデンドリマーをtype1という。
また、無水トリメリット酸と無水フタル酸混合物1:3を用いて、同様にして亜鉛モノカルボン酸フタロシアニンを合成した。
【0043】
(vi)亜鉛オクタカルボン酸フタロシアニン(PC)の合成
亜鉛オクタカルボン酸PCの合成は、ピロメリット酸二無水物2.5g、尿素13g、塩化亜鉛3g及びDBUを1,2,4-トリクロロベンゼン50mLに加え250℃にて4時間加熱して行った。その後の処理は、亜鉛テトラカルボン酸PCの合成と同様に行った。この化合物を原料としたデンドリマーをtype2という。
【0044】
(vii)デンドリックフタロシアニン(PC)の合成
デンドリックPCの合成は、6.79gのG-2をメタノール30mLに溶解し、塩酸10mLを加え1時間攪拌し、さらに亜鉛オクタカルボン酸PC 0.94gを加え、48時間攪拌した。生成物はろ過後、純水で洗浄し、乾燥した。デンドロン及びカルボキシ化PCを代えて、同様にして、次のデンドリマーを合成した。次の式中、type1及びtype2は前記のようにフタロシアニン化合物を意味する。G1.0、G1.5、G2等はデンドリマーの世代数を意味する。
なお、実施例2で使用したtype1-G1.0モノアミドアミンは、原料として亜鉛モノカルボン酸PCを用いて得られた1世代デンドリマーである。
【0045】
【化5】
JP0005176241B2_000006t.gif

【0046】
【化6】
JP0005176241B2_000007t.gif

【0047】
【化7】
JP0005176241B2_000008t.gif

【0048】
【化8】
JP0005176241B2_000009t.gif

【0049】
原料化合物と本発明化合物のUV-Vis、蛍光及びESRスペクトルデータを表1に示す。
【0050】
【表1】
JP0005176241B2_000010t.gif

【0051】
得られたG1.0デンドリックPCの蛍光スペクトルを図1に示す。
【0052】
表1から、各部位、本発明デンドリックPCともに吸収極大波長が650nmよりも長波長側に存在し、光線力学療法に適している。また、光学材料として近赤外域までの光機能を有している。また、本発明デンドリックPCは蛍光を発することから、光線力学療法の特性を発揮し、g値からラジカル発生をも裏付けられていることがわかる。
【0053】
図1から、本発明デンドリックPCはデンドリック部位を有しても短いストークスシフトにて蛍光を発することから、光線力学療法の特性を発揮することがわかる。
【0054】
実施例2
アカゲザル由来の癌細胞であるIU-002細胞への本発明のデンドリックPCの作用を検討した。
IU-002細胞を種々の濃度のデンドリックPCの存在下37℃でインキュベートした。3時間インキュベートした後、IU-002細胞中のデンドリックPC濃度を測定した。デンドリックPCの濃度の増加とともに細胞への取り込みも増加した。
一般のフタロシアニン類は凝集しやすく、凝集したフタロシアニン類は光増感剤として作用しない(J.Pjys.Chem.,96(1992),8832-8839)。また、凝集したフタロシアニン類は、蛍光を生じない。
これに対し、本発明のデンドリックPCは、IU-002細胞中で蛍光を生じた。
【0055】
本発明のデンドリックPCを取り込んだIU-002細胞にハロゲン光を10分間照射した。その結果、デンドリックPC濃度に依存してIU-002細胞の死が増加した(図2~4)。一方、光照射しなかった細胞の死は増加しなかった。
この結果から、本発明のデンドリックPCは、光力学的癌治療薬として有用であることが判明した。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3