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明細書 :基礎代謝調整剤

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5326351号 (P5326351)
公開番号 特開2009-269886 (P2009-269886A)
登録日 平成25年8月2日(2013.8.2)
発行日 平成25年10月30日(2013.10.30)
公開日 平成21年11月19日(2009.11.19)
発明の名称または考案の名称 基礎代謝調整剤
国際特許分類 A61K  31/343       (2006.01)
A61P   3/00        (2006.01)
FI A61K 31/343
A61P 3/00
請求項の数または発明の数 1
全頁数 16
出願番号 特願2008-123740 (P2008-123740)
出願日 平成20年5月9日(2008.5.9)
審査請求日 平成23年5月6日(2011.5.6)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304026696
【氏名又は名称】国立大学法人三重大学
発明者または考案者 【氏名】藤川 隆彦
【氏名】坂野 克久
【氏名】十一 元晴
個別代理人の代理人 【識別番号】110000394、【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
審査官 【審査官】安藤 公祐
調査した分野 A61K 31/343
A61P 3/00
C07D 307/88
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
PubMed
特許請求の範囲 【請求項1】
下記一般式(1):
【化1】
JP0005326351B2_000010t.gif
(一般式(1)中、R1は、メトキシ基を示す。)で表される第一のフタリド誘導体と、
下記一般式(2):
【化2】
JP0005326351B2_000011t.gif
(一般式(2)中、R2及びR3は、それぞれメトキシ基を示す。)で表される第二のフタリド誘導体と、
下記一般式(3):
【化3】
JP0005326351B2_000012t.gif
(一般式(3)中、R4及びR5は、それぞれメトキシ基を示す。)で表される第三のフタリド誘導体の全てを有効成分として含有する基礎代謝増進調整剤。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、新規なフタリド誘導体を有効成分として含有する基礎代謝調整剤に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、食生活の欧米化に伴い高カロリーな飲食物を摂取する機会が増加しているが、摂取エネルギー量が消費エネルギー量を上回ると過剰なエネルギーが脂肪として体内に蓄積し、この状態が持続すると肥満となる。そして肥満は、メタボリックシンドローム等の生活習慣病の一因と考えられていることから、早急な対策が求められている。
【0003】
そこで肥満の解消手段として、食事制限(いわゆるダイエット)が行われることが多く、摂取エネルギー量を抑えて比較的簡単に肥満を解消できるのであるが、健康面においては各種の問題が生じることが知られている。特に過度の食事制限を行うことにより、生体防護機能等の影響から基礎代謝が低下してダイエット効果が減殺するとともに、食事制限中止後には急激な体重増加(リバウンド)が起こる。
この基礎代謝とは、生命維持に必要な最小限の消費エネルギーであり、一般に「快適な温度(20~25℃)で肉体、精神ともに安静で、空腹(食後12~16時間)、横臥時覚醒状態の消費エネルギー」と定義されている(非特許文献1を参照)。
【0004】
このような社会的背景において、生体の基礎代謝を維持又は増進する基礎代謝調整剤の研究が行われており、例えばドコサヘキサエン酸(DHA)を有効成分として含有する食品が公知である(特許文献1を参照)。
この公知技術によれば、例えば200cc当たり1gのDHAを混合した飲料を6週間以上続けて飲用することにより、生体の基礎代謝を好適に増進させることができる(特許文献1の段落[0029]及び[0033]を参照)。

【特許文献1】特開2002-315535号公報
【非特許文献1】栄養学ハンドブック編集委員会編「第三版栄養学ハンドブック」、技報堂出版株式会社、1996年11月発行
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら上記公知技術では効果が表れるのが思いのほか遅く、所望の基礎代謝調整作用を奏するためには長期間の継続摂取が必要であることから、従来、より即効性のある基礎代謝調整剤が切望されていた。
而して本発明は上述の点に鑑みて創案されたものであり、本発明が解決しようとする課題は、比較的短期間の摂取で、好適な基礎代謝の調整作用を奏する基礎代謝調整剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決するため鋭意検討した結果、新規に合成した複数のフタリド誘導体を含有してなる混合物又は組成物が好適な基礎代謝の調整(維持又は増進)作用を奏することを見出し、本発明を完成するに至った。
なお従来、血液粘度の低下作用を有するフタリド誘導体の報告(特公平7-98815号公報)や、抗糖尿病作用を有するフタリド誘導体の報告(徳島文理大、國土ら)がある。一方、基礎代謝の調整作用を有する複数のフタリド誘導体を含有してなる組成物等及び各フタリド誘導体の具体的構造の報告は皆無である。
【0007】
すなわち上記課題を解決するための手段として、第1発明は、後述の一般式(1)で表わされる第一のフタリド誘導体と、一般式(2)で表わされる第二のフタリド誘導体と、一般式(3)で表わされる第三のフタリド誘導体の全てを有効成分として含有する基礎代謝増進調整剤である。
【0008】
一般式(1):
【化1】
JP0005326351B2_000002t.gif
(上記一般式(1)中、R1は、メトキシ基を示す。)
【0009】
一般式(2):
【化2】
JP0005326351B2_000003t.gif
(上記一般式(2)中、R2及びR3は、それぞれ独立にメトキシ基を示す。)
【0010】
一般式(3):
【化3】
JP0005326351B2_000004t.gif
(上記一般式(3)中、R4及びR5は、それぞれ独立にメトキシ基を示す。)
【0011】
発明の基礎代謝調整剤は、より短期間の摂取で、基礎代謝の調整作用と、褐色脂肪組織の増加作用と、内臓脂肪の蓄積抑制作用を奏する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の第1発明によれば、比較的短期間の摂取で、基礎代謝の調整作用を奏する実用的な基礎代謝調整剤を提供することができる。
また第2発明によれば、より実用的な基礎代謝調整剤を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
本実施形態の基礎代謝調整剤は、比較的短期間の摂取で好適な基礎代謝の調整(維持又は増進)作用を奏するものであり、以下に詳述する3種類のフタリド誘導体(第一のフタリド誘導体、第二のフタリド誘導体及び第三のフタリド誘導体)を含有する。
【0014】
すなわち第一のフタリド誘導体は、上記一般式(1)で表されるフタリド誘導体(その医薬的に許容し得る塩又は溶媒和物を含む)である。そして一般式(1)中、R1が、比較的低分子の炭素数1~3のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、ノルマルプロポキシ基又はイソプロポキシ基)である。
【0015】
また第二のフタリド誘導体は、一般式(2)で表されるフタリド誘導体(その医薬的に許容し得る塩又は溶媒和物を含む)である。そして一般式(2)中、R2及びR3が、それぞれ独立に、比較的低分子の炭素数1~3のアルコキシ基である。これらR2及びR3は、同種のアルコキシ基であってもよく、また各々異なるアルコキシ基であってもよいが、好ましくはR2及びR3の少なくとも一の置換基がメトキシ基である。
【0016】
そして第三のフタリド誘導体は、一般式(3)で表されるフタリド誘導体(その医薬的に許容し得る塩又は溶媒和物を含む)である。そして一般式(3)中、R4及びR5が、それぞれ独立に、比較的低分子の炭素数1~3のアルコキシ基である。これらR4及びR5は、同種のアルコキシ基であってもよく、また各々異なるアルコキシ基であってもよいが、好ましくはR4及びR5の少なくとも一の置換基がメトキシ基である。
【0017】
ここで基礎代謝調整剤中、第一のフタリド誘導体、第二のフタリド誘導体及び第三のフタリド誘導体の含有比率は特に限定しないが、典型的に、重量比で第一のフタリド誘導体:第二のフタリド誘導体:第三のフタリド誘導体=1:1:1である。
そして基礎代謝調整剤の総重量を100重量部とした場合、第一のフタリド誘導体~第三のフタリド誘導体が各々10重量部以上含有されていることが好ましく、より好ましくは第一のフタリド誘導体~第三のフタリド誘導体が各々30重量部以上含有される。
【0018】
そして本実施形態の基礎代謝調整剤は、上記各一般式に示されるR1~R5が全てメトキシ基であることが好ましい。
すなわち第一のフタリド誘導体が、下記化学式(4)で表わされるフタリド誘導体(4-hydroxy-6-methoxyphthalide、IUPAC名:4-hydroxy-6-methoxy-1(3H)-isobenzofuranone)である。化学式(4):
【化4】
JP0005326351B2_000005t.gif

【0019】
また第二のフタリド誘導体が、下記化学式(5)で表わされるフタリド誘導体(6-hydroxy-5,7-dimethoxyphthalide、IUPAC名:5,7-dimethoxy-6-hydroxy-1(3H)-isobenzofuranone)である。化学式(5):
【化5】
JP0005326351B2_000006t.gif

【0020】
そして第三のフタリド誘導体が、下記化学式(6)で表わされる第三のフタリド誘導体(5,7-dimethoxyphthalide、IUPAC名:5,7-Dimethoxy-1(3H)-isobenzofuranone)である。化学式(6):
【化6】
JP0005326351B2_000007t.gif

【0021】
そして上記化学式(4)~(6)のフタリド誘導体を含有する基礎代謝調整剤は、より短期間の摂取(例えば2週間)で、好適な基礎代謝の調整作用と、褐色脂肪組織の増加作用と、内臓脂肪の蓄積抑制作用を奏する。
ここで褐色脂肪組織はミトコンドリアが豊富であり、ミトコンドリアの熱産生を通じて消費エネルギー量を増大させることが報告されている。このため化学式(4)~(6)のフタリド誘導体を含有する基礎代謝調整剤によれば、褐色脂肪組織の消費エネルギー量を増大させることで、より効率良く基礎代謝率を向上させることができる。
【0022】
(飲食物)
そして一般式(1)~(3)のフタリド誘導体を含有する基礎代謝調整剤(以下、単に本実施形態の基礎代謝調整剤と呼ぶこともある)は、各種の飲食物に配合又は添加して使用する(通常の飲食物又は特定保健用食品として使用する)ことができる。
飲食物は、食用又は飲用に供されるものであればよくその種類は特に限定しない。例えば飲食物として、獣鳥肉類,乳類,卵類などの畜産食品、穀類,豆類,蔬菜類,果実類などの農産食品、魚介類,鯨類,海藻類などの水産食品、キノコ類,山菜類などの林産食品、調味料、香辛料、油脂類、菓子類、醸造食品、水,清涼飲料,酒類などの飲料類又は調味液類を例示することができる。なお上述の飲食物は、その製造段階の適当な工程において、本実施形態の各フタリド誘導体(有効成分)を順次又は同時に所定量添加する以外は常法に準じて調製することができる。
【0023】
ここで本実施形態の基礎代謝調整剤は、好適な基礎代謝の調整作用を有することから、特に脂肪成分を比較的多量に含有する飲食物に添加して使用することができる。
上述の脂肪成分の種類は特に限定しないが、例えば、ラード,牛脂,魚油,ミルク脂肪,バター,チーズ,ショートニング,マーガリン,細菌類油,菌類油などの動物性脂肪(脂質)、植物油、微小藻類油などの植物性脂肪(脂質)を例示することができる。
なお脂肪成分は、飲食物全重量に対して3重量%~50重量%の範囲で含有されておればよく、好ましくは5%重量%~40重量%である。
【0024】
そして本実施形態の基礎代謝調整剤を、飲食物全重量に対して0.3重量%~50重量%の範囲で混合することで好適な基礎代謝の調整作用を奏する。この場合には基礎代謝調整剤中、各フタリド誘導体が、それぞれ飲食物全重量に対して0.1重量%以上含まれていることが好ましい。そして基礎代謝調整剤の含有量が0.3重量%未満であると所望の基礎代謝の調整作用が得られない傾向にある。なお基礎代謝調整剤の含有量は50重量%より多くてもよいが、基礎代謝の調整作用の極端な上昇は見込めず、含有量の増加に比例してコスト高となる。
そして本実施形態の基礎代謝調整剤を、それぞれ飲食物全重量に対して0.3重量%~30重量%の範囲で混合又は添加することで、実用的な基礎代謝の調整作用を奏することができる。特に化学式(4)~(6)のフタリド誘導体を含有する基礎代謝調整剤を、飲食物全重量に対して0.3~3.0重量%の範囲で添加することで、より実用的な基礎代謝の調整作用を奏する([表1]を参照)。
【0025】
そして本実施形態の基礎代謝調整剤の食摂又は投与期間は特に限定しないが、典型的には2週間以上5週間未満で好適な基礎代謝の調整作用を奏する。
特に化学式(4)~(6)のフタリド誘導体を含有する基礎代謝調整剤は、2週間程度の短期間の食摂又は投与期間で、好適な基礎代謝の調整作用と、褐色脂肪組織の増加作用と、内臓脂肪の蓄積抑制作用を奏する([表1]を参照)。
【0026】
(医薬)
そして本実施形態の基礎代謝調整剤は、医薬又は医薬部外品として使用することができる。
例えば医薬として使用する場合、本実施形態の基礎代謝調整剤の配合量は、各々医薬の種類、製品形態などに応じて適宜選択される。典型的には、一回の摂取(投与)で30mg~1000mg摂取(投与)すればよく、好ましくは一回の摂取で30mg~300mg摂取(投与)する。
【0027】
そして本実施形態の医薬(薬剤)は、経口摂取や注射投与などの各種投与形態を適用することができ、その投与経路や投与部位は特に限定されない。
また本実施形態の医薬の製剤形態は、その使用目的に応じて適宜決定されるものであり、例えば、錠剤,顆粒剤,粉末剤,丸剤又はカプセル錠剤などの固剤や、液剤,懸濁剤又は乳剤などの液剤を例示することができる。なお製剤化に際しては、医薬の使用形態や製剤形態に応じて、充填剤、結合剤、増量剤、崩壊剤、表面活性剤、不湿剤、賦形剤及び希釈剤を担体として使用することができる。
【0028】
そして第一のフタリド誘導体~第三のフタリド誘導体は、いずれも比較的低分子の化合物(MW180~280程度)であることから、高速液体クロマトグラフィ(HPLC)にて容易に定量することが可能である(図1~図3を参照)。
なお従来技術の抗肥満等に関する薬剤として、例えば天然由来のβグルカンを含有する錠剤(特開2007-332336号公報)が公知である。そしてこのβグルカンは、1,3-β-グルカンと1,6-β-グルカンに大別されるが、いずれも単糖が重合した高分子(多糖類)であることから互いを区別することは困難である。このため、総β-グルカン量(1,3-β-グルカンと1,6-β-グルカンの総量)は酵素法などである程度測定することは出来るものの、実質的な有効成分と考えられている1,3-β-グルカン量のみを正確に測定できる技術は未だ開発されていない。
【0029】
[試験例]
以下、本実施の形態を試験例に基づいて説明するが、本発明は試験例に限定されるものではない。
(1)第一のフタリド誘導体の製造方法(図1を参照)
実施例1のフタリド誘導体として、上記化学式(4)で表わされるフタリド誘導体(Compound1:4-hydroxy-6-methoxyphthalide)を下記(a)~(d)の手順により製造した。
出発物質として、IUPAC名:Methyl3,5-Dimethoxybenzoate(WAKO社製又はALD社製)を用いた。
【0030】
(a)ホルミル化反応{中間体1(IUPAC名:Methyl 2-formyl-3,5-dimethoxybenzoate)の合成}
窒素雰囲気下、1L3口フラスコにDMF37.25g(509.68mmol)を秤量したのち-20℃まで冷却した。滴下ロートからゆっくりと塩化ホスホリル(POCl)46.88g(305.81mmol)を反応温度が5℃を決して超えないように加えた。
そして滴下終了後、出発物質50g(254.81mmol)を投入し室温まで自然昇温させた。スラリー状のまま室温で1時間撹拌しつつ、80℃まで加熱して終夜撹拌した。DMF20.0g、POCl23.45gより調製した溶液を反応系内に投入した。5L3角フラスコ内で調製した飽和NaOAc水溶液500mlを-10℃に冷却して、30℃から40℃の反応溶液をゆっくりと投入した。2時間激しく撹拌した後、吸引ろ過で固体を濾取したのち2Lのイオン交換水で洗浄した。得られた固体を40℃の真空乾燥機で3日間乾燥し、淡緑色を呈する中間体1を50.42g得た(収率87.9%)。
【0031】
(b)位置選択的脱メチル化反応{中間体2(IUPAC名:Methyl 2-formyl-3-hydroxy-5-methoxybenzoate)の合成}
窒素雰囲気下、2L3口フラスコに、50.42g(224.88mmol)の中間体1を秤量しジクロロメタン500mlに溶解した。活性の高いAlCl89.96g(674.64mmol)を空気に触れさせることなく反応系内に-5℃で投入した。室温まで自然昇温させ、24時間後に出発物質がなくなったので反応溶液を氷水中に投入し反応を終了させた。2時間撹拌して、得られた固体を吸引ろ過で濾取したのち、40℃の真空乾燥機で2日間乾燥した。ジクロロメタン:酢酸エチル:ヘキサンの混合溶媒で再結晶を行ったところ、クリーム色の固体を3.76g(収率8%)で得た。ろ液の再精製を、ジクロロメタン:メタノール:酢酸エチル:ヘキサン=100:5:5:10~100:0:5:0の展開溶媒を用いてシリカゲルカラムクロマトグラフィーで行った。目的物のフラクションを集め、黄土色固体状の中間体2を13.64g得た(収率28.9%)。
【0032】
(c)保護基導入反応{中間体3(IUPAC名:Methyl 2-formyl-3-methoxymethyloxy-5-methoxybenzoate)の合成}
窒素雰囲気下、21.95g(104.43mmol)の中間体2を、2L3口フラスコに秤量し、ピリジン100mlに溶解した。0℃に冷却して、12.61g(156.65mmol)のメトキシメチルクロライド(MOM-Cl)をゆっくり滴下した。室温まで自然昇温させて終夜で撹拌した。ガスクロマトグラフィー(GC)で反応チェックを行い出発物質が残っていない事を確認し、リン酸バッファー(pH7.3)500ml中に投入した。2時間撹拌して、得られたスラリーを吸引ろ過し、メタノールに溶解した後、5%硫酸銅水溶液200ml中にゆっくり投入した。2時間撹拌後、スラリーを吸引ろ過し、2Lのイオン交換水で洗浄し、30℃の真空乾燥機で2日間乾燥し中間体3を26.78gquantで得た。
【0033】
(d)還元的縮合反応(第一のフタリド誘導体の合成)
窒素雰囲気下、26.55g(104.43mmol)の中間体3を2L3口フラスコに秤量し、メタノール200mlに溶解した。0℃に冷却して水素化ホウ素ナトリウム11.85g(313.29mmol)を投入した。室温まで自然昇温して終夜で撹拌した。反応終了後、50mlの6M-HClを加え80℃で3時間加熱した。室温まで冷却してイオン交換水を加えスラリー化したのち、吸引ろ過して第一のフタリド誘導体(Compound1)を15.05g得た(収率80.0%)。
【0034】
(2)第二のフタリド誘導体の製造方法(図2を参照)
実施例1のフタリド誘導体として、上記化学式(5)で表わされるフタリド誘導体(Compound2:6-hydroxy-5,7-dimethoxyphthalide)を、下記(a)~(d)の手順により製造した。出発物質として、シリンガアルデヒド(Syringaldehyde、WAKO社製)を用いた。
【0035】
(a)還元反応{中間体1(IUPAC名:3,5-Dimethoxy-4-hydroxy benzylalcohol)の合成}
窒素雰囲気下、50.00g(274.47mmol)の出発物質を2L3口フラスコに秤量し、メタノール1Lに溶解した。0℃で水素化ホウ素ナトリウム31.15g(823.41mmol)を投入し、室温まで自然昇温させて終夜で撹拌した。反応は100ml2M-HClで停止させ、水素の発生がなくなるまで撹拌した。その後、イオン交換水を2L加えスラリーを吸引ろ過で濾取、洗浄、乾燥を経て、中間体1を44.55g得た(収率88%)。
【0036】
(b)保護基導入反応{中間体2(IUPAC名:4-Acetoxy-3,5-dimethoxy benzylacetate)の合成}
窒素雰囲気下、44.55g(241.87mmol)の中間体1を2L3口フラスコに秤量し、ピリジン200gに溶解した。0℃に冷却し、滴下ロートから無水酢酸61.73g(604.67mmol)を滴下して、自然昇温しながら終夜で撹拌した。反応溶液は、0℃で1L2M-HClに投入し2時間撹拌した。得られた固体を吸引ろ過して濾取したのち、洗浄、乾燥して中間体2を58.02g得た(収率81.0%)。
【0037】
(c)ホルミル化反応{中間体3(IUPAC名:4-Acetoxy-3,5-dimethoxy-6-formylbenzylacetate)の合成}
窒素雰囲気下、1L3口フラスコにジメチルホルムアミド(DMF)49.66gを秤量し、-20℃まで冷却した。滴下ロートからゆっくりと塩化ホスホリル(POCl)63.81g(416.16mmol)を反応温度が5℃を決して超えないように加えた。滴下終了後、250g(254.81mmol)の中間体2を投入し室温まで自然昇温させた。スラリー状のまま室温で1時間撹拌しつつ、80℃まで加熱して終夜撹拌した。DMF20.0g、塩化ホスホリル(POCl)23.45gより調製した溶液を反応系内に投入した。
5L3角フラスコ内で調製した飽和NaOAc水溶液500mlを-10℃に冷却して、30℃から40℃の反応溶液をゆっくりと投入した。2時間激しく撹拌した後、吸引ろ過で固体を濾取したのち2Lのイオン交換水で洗浄した。得られた固体を40℃の真空乾燥機で3日間乾燥し、淡緑色の中間体3を76.13g得た(収率80.8%)。
【0038】
(d)還元的縮合反応(第二のフタリド誘導体の合成)
窒素雰囲気下、76.13g(256.96mmol)の中間体3を2L3口フラスコに秤量し、1,4-ジオキサン500mlに溶解した。70℃に加熱して滴下ロートからKMnO52.88g(334.05mmol)の水溶液1.5Lを加え終夜で撹拌した。反応温度を下げることなく反応溶液中に2M-NaOH水溶液を加えアルカリ性にした後、50℃以上で吸引ろ過をし、80℃のイオン交換水で洗浄、70℃のジオキサンで洗浄した。ろ液は再び加熱して、80℃に保ち、濃硫酸を加えて酸性にして3時間撹拌した。得られた赤褐色固体を吸引ろ過で濾取して、イオン交換水で洗浄した。
ケーキ状の固体をメタノールに溶解し、ゆっくりイオン交換水を加えて細かく分散したスラリー溶液を調製し、吸引ろ過で濾取したのち、洗浄、乾燥を経て第二のフタリド誘導体(Compound2)を30.25g得た(収率56.0%)。
【0039】
(3)第三のフタリド誘導体の製造方法(図3を参照)
実施例1として、上記化学式(6)で表わされるフタリド誘導体(Compound3:5,7-dimethoxyphthalide)を、下記(a)~(d)の手順により製造した。
出発物質として、IUPAC名:Methyl 3,5-Dimethoxybenzoate(WAKO社製又はALD社製)を用いた。
【0040】
(a)還元反応{中間体1(IUPAC名:Methyl 3,5-Dimethoxy benzylalcohol)の合成}
窒素雰囲気下、100g(509.68mmol)の出発物質を2L3口フラスコに秤量してテトラヒドロフラン(THF)1Lに溶解した。加熱還流した状態に、5時間かけて滴下ロートからメタノール200mlを加えた。反応は100ml 2M-HClで停止させ、水素の発生がなくなるまで撹拌した。その後、有機溶媒を留去して、酢酸エチルで抽出して、無水硫酸ナトリウムで乾燥、濃縮を経て中間体1を86.35g quantで得た。
【0041】
(b)保護基導入反応{中間体2(IUPAC名:Methyl 3,5-Dimethoxy benzylacetateの合成)
窒素雰囲気下、75.00g(445.92mmol)の中間体1を2L3口フラスコに秤量し、ピリジン200mlに溶解した。0℃に冷却し、滴下ロートから無水酢酸50.08g(490.52mmol)を滴下して、自然昇温しながら終夜で撹拌した。反応溶液は、0℃で1L2M-HClに投入し2時間撹拌した。得られた固体を吸引ろ過して濾取して、洗浄、乾燥を経て中間体2を92.55g得た(収率98.7%)。
【0042】
(c)ホルミル化反応{中間体3(IUPAC名:Methyl 3,5-Dimethoxy-2-formyl benzylacetate)の合成}
窒素雰囲気下、ジメチルホルムアミド(DMF)73.99g(1001mmol)を500mlL3口フラスコに秤量したのち-20℃まで冷却した。滴下ロートからゆっくりと塩化ホスホリル(POCl)100.12g(652.97mmol)を反応温度が5℃を決して超えないように加えた。そして滴下終了後、104.96g(499.26mmol)の中間体2を投入し室温まで自然昇温させた。スラリー状のまま室温で1時間撹拌しつつ、80℃まで加熱して終夜撹拌した。DMF20.0g、POCl23.45gより調製した溶液を反応系内に投入した。5L3角フラスコ内で調製した飽和NaOAc水溶液500mlを-10℃に冷却して、30℃から40℃の反応溶液をゆっくりと投入した。2時間激しく撹拌した後、吸引ろ過で固体を濾取したのち2Lのイオン交換水で洗浄した。得られた固体を40℃の真空乾燥機で3日間乾燥し、中間体3を101.03g得た(収率84.9%)。
【0043】
(d)還元的縮合反応(第三のフタリド誘導体の合成)
窒素雰囲気下、76.13g(256.96mmol)の中間体3を2L3口フラスコに秤量し、1,4-ジオキサン300mlに溶解した。70℃に加熱して滴下ロートから、87.27g(551.29mmol)の過マンガン酸カリウム(KMnO)水溶液1.5Lを加え終夜で撹拌した。反応温度を下げることなく反応溶液中に2M-NaOH水溶液を加えアルカリ性にした後、50℃以上で吸引ろ過をし、80℃のイオン交換水で洗浄、70℃のジオキサンで洗浄した。ろ液は再び加熱して、80℃に保ち、濃硫酸を加えて酸性にして3時間撹拌した。得られた赤褐色固体を吸引ろ過で濾取して、イオン交換水で洗浄した。ケーキ状の固体をメタノールに溶解し、ゆっくりイオン交換水を加えて細かく分散したスラリー溶液を調製し、吸引ろ過で濾取したのち、洗浄、乾燥を経て第三のフタリド誘導体(Compound3)を65.05g得た(収率68.4%)。
【0044】
(4)摂食試験
[実施例1(Compound Mix)]
市販のMS粉末(含5%ラード、オリエンタル酵母株式会社)を基礎飼料として用いた。そして基礎飼料中に、第1のフタリド誘導体、第2のフタリド誘導体及び第3のフタリド誘導体を、各々0.1重量%の濃度で混入して実施例1に係るラットの飼料とした(含有比率;重量比で、第1のフタリド誘導体:第2のフタリド誘導体:第3のフタリド誘導体=1:1:1)。
そして4週令SD系雄性ラット(4匹)を1週間予備飼育したのち、実施例1の飼料を付与しつつ、23±2℃条件下で2週間飼育した。2週間の飼育試験終了後、ラットの体重を測定した。
そして各ラットを断頭したのち、その血液、脳、肝臓、精巣と腎臓周辺の白色脂肪及び背中の褐色脂肪を採取した。血液は、後述するTotalRNA抽出および成分分析用に分けて採取した。
【0045】
そして各ラットの「体表面積あたりの酸素消費量{基礎代謝率(Basic metabolic rate:BMR(ml/min/kg0.75))}」を下記手法にて測定した。
本試験では、体表面積あたりの酸素消費量(基礎代謝率)を算出するにあたり、室町機械株式会社(東京)製の小動物代謝測定計測システム(MK-202R/02、代謝計測ソフトMMS-C/02)を用いた。そして各ラットの酸素消費量(ml/min)を計測したのち、ラット体重の0.75乗で割ることにより基礎代謝率を算出した(Kouyama R et al., Endocrinology. 2005 Aug;146(8):3481-9.)。
【0046】
そして各ラットの「褐色脂肪組織の重量割合(BAT/BW)」を、背中周囲の褐色脂肪組織を奇麗に剥離し、この褐色脂肪組織重量を測定後、ラット体重で割ることで算出した。また「腎臓周辺の白色脂肪組織の重量割合(WATr/BW)」を、両側の副腎周囲の脂肪組織を奇麗に剥離し、この脂肪組織重量を測定後、ラット体重で割ることで算出した。
【0047】
[参考例1(Compound1)]
基礎飼料中に第一のフタリド誘導体を0.1重量%の濃度で混入して、参考例1に係るラットの飼料とした。そして実施例1と同一の飼育条件のもと、参考例1に係るラット(4週令SD系雄性ラット4匹)を2週間飼育したのち、体重、基礎代謝率(BMR)及びBAT/BWを測定した。
【0048】
[参考例2(Compound2)]
基礎飼料中に第二のフタリド誘導体を0.1重量%の濃度で混入して、参考例1に係るラットの飼料とした。そして実施例1と同一の飼育条件のもと、参考例2に係るラット(4週令SD系雄性ラット4匹)を2週間飼育したのち、体重、基礎代謝率(BMR)及びBAT/BWを測定した。
【0049】
[参考例3(Compound3)]
基礎飼料中に第三のフタリド誘導体を0.1重量%の濃度で混入して、参考例1に係るラットの飼料とした。そして実施例1と同一の飼育条件のもと、参考例3に係るラット(4週令SD系雄性ラット4匹)を2週間飼育したのち、体重、基礎代謝率(BMR)及びBAT/BWを測定した。
【0050】
(比較例1)
上記基礎飼料を比較例1に係るラットの飼料とした。そして実施例1と同一の飼育条件のもと、比較例1に係るラット(4週令SD系雄性ラット4匹)を2週間飼育したのち、体重、基礎代謝率(BMR)、BAT/BW及びWATr/BWを測定した。
【0051】
(5)機能性成分の効能メカニズムの解析
(a)RNAサンプルの調整
常法に従って、ロッシュのTriPureIsolation Kitを用いて、白色脂肪組織からTotal RNAを抽出した。Total RNAは260/280比において、2以上のものを使用した。
【0052】
(b)アレイ解析
ラット(Whole RatGenome) 4×44K DNAチップ(一枚のスライドに44,000遺伝子セットが4つのっているもの、アジレント社)を使用し、LowRNALinear Amp. Kitを用いて、Total RNAへのCyanine-3(Cy3)及びCyanine-5(Cy5)のラベリングを行った。また一部は、TotalRNAの増幅を行った後に、本キット等を用いて、Total RNAへのラベリングを行った。ラベリングの精製等を行い、単位ヌクレオチドあたりの色素の取込み率を一定にした。その後、常法に従ってGEHybridization Kitを用いて、60℃の条件下で24時間、Cy3とCy5による競合ハイブリダイゼーションを行った。常に、Cy3は対照群、Cy5は化合物投与群とした。
【0053】
(c)スキャンニングおよび解析
そして4×44Kアレイスライドは、ハイブリダイゼーション後、不要な色素を洗浄し、乾燥を行った。その後、マイクロアレイスキャナ(Agilent G2565BA)を使用し、遺伝子発現のデータの取込みを行った。データの取込み後、Feature Extraction ver.9.1(Agilent)を使用し、Cy5(化合物投与群)/Cy3(対象群)遺伝子発現比のLogスケールでの数値化を行った。数値化したものをエクセルにて、発現の増減を分類した。
【0054】
(6)試験結果及び考察
各種試験の結果を下記の[表1]及び[表2]に示す。
【表1】
JP0005326351B2_000008t.gif

【0055】
【表2】
JP0005326351B2_000009t.gif

【0056】
(a)体表面積当たりの酸素消費量(基礎代謝率、BMR)の測定結果
実施例1のラットにおける体表面積当たりの酸素消費量(基礎代謝率)は、比較例1のラットと比較して大幅に向上した(表1及び図4を参照)。このことから実施例1の基礎代謝調整剤によれば、摂取開始後約2週間(短期間の摂取)で、好適な基礎代謝の増進作用を奏することがわかった。また実施例1の基礎代謝調整剤によれば、基礎飼料重量に対して0.3重量%(比較的少量の摂取)で好適な基礎代謝の増進作用を奏することがわかった。
そして参考例1及び参考例3のラットには基礎代謝率の向上が見られなかった。また参考例2のラットには若干の基礎代謝率の向上が見られたが、実施例1のラットと比較すると増加幅が小さいものであった。このことから、上述の基礎代謝の大幅な増進作用が、実施例1の基礎代謝調整剤に特有の効果であることがわかった。
【0057】
そして実施例1の基礎代謝調整剤(各一般式中、R1~R5が全てメトキシ基を有する混合物)が上記作用を奏することがわかった。このことから、各一般式中、R1~R5が、それぞれ独立に比較的低分子のアルコキシ基を備える基礎代謝調整剤であれば同様の効果を奏することが容易に推測される。
【0058】
(b)褐色脂肪組織量の重量割合(BAT/BW)の測定結果
実施例1のラットの褐色脂肪組織量は、比較例1のラットと比較して増加する傾向にあった(表1及び図5を参照)。また参考例1~参考例3のラットにも褐色脂肪組織量の増加が見られたが、実施例1のラットにおける褐色脂肪組織量の増加幅が最も大きかった。
このことから実施例1の基礎代謝調整剤が、大幅な褐色脂肪組織量の増加により消費エネルギー量を増大させることで、より好適な基礎代謝の増進作用を奏していることが容易に推測される。
【0059】
(c)白色脂肪組織量の重量割合(WATr/BW)の測定結果
実施例1のラットの白色脂肪組織量は、比較例1のラットと比較して減少する傾向にあった(表2及び図6を参照)。このことから実施例1の基礎代謝調整剤によれば、短期間且つ少量の摂取で、好適な内臓脂肪の蓄積抑制作用を同時に奏することがわかった。
【0060】
そして上記(a)~(c)の結果を総合すると、実施例1の基礎代謝調整剤によれば、比較的短期間で、好適な基礎代謝の調整作用と、褐色脂肪組織量の増加作用と、内臓脂肪の蓄積抑制作用を奏することがわかった。
このため本実施例の基礎代謝調整剤によれば、基礎代謝の大幅な増進等により、メタボリックシンドローム等の生活習慣病の発症を好適に抑制可能であることがわかった。
【0061】
(d)機能性成分の効能メカニズムの解析結果
実施例1の基礎代謝調整剤により、白色脂肪組織において、コントロールに対して2倍以上の遺伝子発現が見られたのはインスリンシグナル関連遺伝子(IRS1)であった。また実施例1の基礎代謝調整剤によると、解糖系に関与するヘキソキナーゼではなく、グルコキナーゼ(Glucokinase)やTCAサイクルの律速酵素イソクエン酸デヒドロゲナーゼの発現を誘導することがわかった。
このことから実施例1のフタリド誘導体が、インスリンシグナル経路を活性化し、血液中のグルコースを組織内に取込み、解糖系を活性化させることにより白色脂肪組織内での糖利用を促進させることが示唆された。
また実施例1の基礎代謝調整剤が、β酸化に関わるカルニチンパルミトイルトランスフェラーゼ2の発現を誘導したことから、脂肪酸分解を促進し、エネルギーとして利用していることが示唆された。
【0062】
さらに実施例1の基礎代謝調整剤により、悪玉アデチィポサイトカインであるレジスチン(Resistinlike alpha (Retnla))の発現が、コントロールに対して1/2以下となった。
ここで生体内における悪玉アデチィポサイトカインの増加は、糖尿病や動脈硬化を誘発する一因であることが知られている。従って本実施例の基礎代謝調整剤によれば、好適な基礎代謝の調整作用を奏するとともに、糖尿病や動脈硬化などの各種疾患に対しても好適な効果を奏することが示唆される。
【0063】
本実施形態の基礎代謝調整剤は、上述した実施例に限定されるものではなく、その他各種の実施形態を取り得る。
(a)本試験例では、ラットに対して食事制限をすることなく食摂試験を行ったところ、実施例1の基礎代謝調整剤にて好適な基礎代謝の増進が見られた。このことから、実施例1の基礎代謝調整剤を用いつつ被験者に対して食事制限をする場合には、その基礎代謝の低下が極力回避される(基礎代謝が好適に維持される)ことが容易に推測される。
【0064】
ところで生体の基礎代謝は年齢の増加とともに低下するが、食事量自体は、年齢の増加によってもあまり減少せず比較的維持されるものである。このため年齢の増加とともに(加齢によって)、基礎代謝(消費エネルギー量)と食事量(摂取エネルギー量)のバランスが崩れて内蔵脂肪が増加しやすい傾向にあることが知られている。そこで本実施形態の基礎代謝調整剤によって、消費・摂取エネルギー量のバランスを好適に調整することにより、いわゆる若さを回復するアンチエージングアクション(Anti-aging action)を奏することが期待される(加齢に伴う不具合を解消するアンチエージング薬剤としての用途が期待される)。
【0065】
(b)本実施例では、専ら化学式(4)で示されるフタリド誘導体の合成方法を例示したが、一般式(1)に含まれる各種の化合物も、その出発物質を適宜選択することで、化学式(4)で示されるフタリド誘導体と同様の経路により合成することができる。
また一般式(2)に含まれる各種の化合物も、その出発物質を適宜選択することで、化学式(5)で示されるフタリド誘導体と同様の経路により合成することができる。
そして一般式(3)に含まれる各種の化合物も、その出発物質を適宜選択することで、化学式(6)で示されるフタリド誘導体と同様の経路により合成することができる。
【0066】
(c)また本実施例の基礎代謝調整剤には、ビタミン類、ミネラル類、ホルモン類、酸化防止剤、生理活性物質、甘み料、酸味料、香料、塩分又は糖類を、必要に応じて添加することができる。
(d)また本実施形態の基礎代謝調整剤は、牛、豚及び鶏などの家畜の飼料に混合して使用することができる。
(e)また本実施形態では、化学的に合成したフタリド誘導体を使用したが、定法に従い植物から単離したフタリド誘導体を使用してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】第一のフタリド誘導体の製造工程図である。
【図2】第二のフタリド誘導体の製造工程図である。
【図3】第三のフタリド誘導体の製造工程図である。
【図4】体表面積当たりの酸素消費量(基礎代謝率)の測定結果を示す図である。
【図5】褐色脂肪量の測定結果を示す図である。
【図6】内臓脂肪量の測定結果を示す図である。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5