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明細書 :類似植物体および生薬同定用DNAマイクロアレイ

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5163999号 (P5163999)
公開番号 特開2009-118776 (P2009-118776A)
登録日 平成24年12月28日(2012.12.28)
発行日 平成25年3月13日(2013.3.13)
公開日 平成21年6月4日(2009.6.4)
発明の名称または考案の名称 類似植物体および生薬同定用DNAマイクロアレイ
国際特許分類 C12N  15/09        (2006.01)
C12Q   1/68        (2006.01)
C12M   1/00        (2006.01)
FI C12N 15/00 ZNAF
C12Q 1/68 A
C12M 1/00 A
請求項の数または発明の数 2
全頁数 15
出願番号 特願2007-296158 (P2007-296158)
出願日 平成19年11月14日(2007.11.14)
審査請求日 平成22年9月27日(2010.9.27)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】305060567
【氏名又は名称】国立大学法人富山大学
発明者または考案者 【氏名】小松 かつ子
【氏名】朱 シュウ
個別代理人の代理人 【識別番号】100114074、【弁理士】、【氏名又は名称】大谷 嘉一
審査官 【審査官】吉森 晃
参考文献・文献 国際公開第2003/104491(WO,A1)
特表2003-519784(JP,A)
特表2010-533871(JP,A)
生物機能開発研究所紀要,2007年 3月,Vol.7,p.49-74
Food Res. Int.,2006年,Vol.39,p.568-574
J. Biotechnol.,2007年 5月,Vol.129,p.565-574
和漢薬研究所年報,2002年,Vol.28,p.86-94
Planta Med.,2001年,Vol.67,p.461-465
Biol. Pharm. Bull.,2001年,Vol.24, No.12,p.1389-1394
世界薬用植物百科事典,株式会社誠文堂新光社,2000年,p.239
薬草カラー大事典,株式会社主婦の友社,1998年,p.543
調査した分野 C12N 15/00-15/90
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamII)
PubMed
Science Direct
特許請求の範囲 【請求項1】
類似植物群の遺伝子一塩基多型(SNP)情報に基づいて、
同定に有効である特異的な塩基置換を検出するために、複数の区画に区分してそれぞれオリゴヌクレオチドからなるプローブを支持体に固定してあり、
前記各区分に固定したオリゴヌクレオチドは類似植物群の遺伝子に特異的な塩基を識別できるような塩基配列になっていて、
被同定植物体から抽出したtotal DNAを鋳型としてPCR法で増幅した後に蛍光標識した遺伝子の部分配列をターゲットとして、前記支持体に固定してある複数のプローブにハイブリダイズさせることで得られる蛍光パターンをバーコードとして解析同定するものであり、
前記固定する類似植物群は、オタネニンジン類(Panax属植物)であり、人参類の18S rRNA遺伝子の部分配列をターゲットとして下記塩基配列からなるプローブを支持体に固定してあることを特徴とするDNAマイクロアレイ。
(1)配列番号1で示された塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(2)配列番号2で示された塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(3)配列番号3で示された塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(4)配列番号4で示された塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(5)配列番号5で示された塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(6)配列番号6で示された塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(7)配列番号7で示された塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(8)配列番号8で示された塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(9)配列番号9で示された塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(10)配列番号10で示された塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(11)配列番号11で示された塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(12)配列番号12で示された塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(13)配列番号13で示された塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(14)配列番号14で示された塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(15)配列番号15で示された塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(16)配列番号16で示された塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(17)配列番号17で示された塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(18)配列番号18で示された塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(19)配列番号19で示された塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(20)配列番号20で示された塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(21)配列番号21で示された塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(22)配列番号22で示された塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(23)配列番号23で示された塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(24)配列番号24で示された塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(25)配列番号25で示された塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(26)配列番号26で示された塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(27)配列番号27で示された塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(28)配列番号28で示された塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(29)配列番号29で示された塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(30)配列番号30で示された塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(31)配列番号31で示された塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(32)配列番号32で示された塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(33)配列番号33で示された塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(34)配列番号34で示された塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
(35)配列番号35で示された塩基配列からなるオリゴヌクレオチド。
【請求項2】
同定したい人参類生薬からtotalDNAを抽出し、それらを鋳型として18S rRNA遺伝子の部分領域をPCR法で増幅した後に、蛍光ラベル剤にて蛍光標識し、請求項記載のDNAマイクロアレイにハイブリダイズさせることで、プローブとの特異的な結合による蛍光パターンを測定することを特徴とする人参類生薬の同定方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、遺伝子多型に基づく簡便な類似植物群および類似植物体を基原とする生薬の同定に関し、特に人参類生薬の同定に好適な同定用DNAマイクロアレイに係る。
【背景技術】
【0002】
生薬の同定は、従来、経験に基づく五感による鑑別や、外部形態、内部組織形態の観察や、成分化学的方法により行われている。
これらの方法は植物体の表現形質に基づいているのであり、環境や植物の生育段階による影響が避けられない。
また、形態学的同定法は、同定者の経験や主観的判断に左右される。
一方、遺伝子情報に基づく生薬の同定法は、客観的で、上記のような影響を受けない特徴がある。
分子生物学的手法を用いた客観的な生薬同定法の開発には過去10年間、Random amplified polymorphic DNA (RAPD)、Restriction fragment length polymorphism (RFLP)、Direct sequencing、Polymerase chain reaction (PCR)-RFLP、Amplification refractory mutation system (ARMS)など、さまざまな試みが行われてきた。
しかし、生薬の場合、加工や貯蔵の過程において、DNAの断片化が顕著であるため、RAPD、RFLPなどの方法は適用できない。
Panax属植物及び人参類生薬について、遺伝子レベルの同定法の研究は、過去10年間に数報が報告された。
核のInternal transcribed spacer (ITS)領域(非特許文献1)、18S rRNA遺伝子領域、葉緑体trnK遺伝子領域の塩基配列(非特許文献2)を決定する方法、さらに、これらの塩基配列の違いを利用したPCR-RFLP法、ARMS法(非特許文献3)、Multiplex ARMS法(非特許文献4)が報告されている。
最近、人参と西洋人参を区別するため、ITS領域に特異的なプライマーを設計して、Pyrosequencing法を利用する方法(特許文献1)、また、薬用人参の品種(会津産)を識別するための合成オリゴヌクレオチド及び塩基配列が公表された(特許文献2)。
一方、DNA マイクロアレイは、遺伝子発現を網羅的に解析することやSNPsを大量かつ迅速に検出できる画期的な技術である。
生薬や薬用植物の同定用DNAマイクロアレイの開発研究はこれまでに3件の報告があった。
(1)26S rRNA遺伝子の塩基配列に基づいて6種類のプローブを含むDNAマイクロアレイを作成し、貝母の同定を試みた研究(非特許文献5)。
(2)16種のDendrobium属植物のITS領域のPCR産物をプローブとし、スライド上に固定化してマイクロアレイを作成し、石斛の同定に応用した研究(非特許文献6)。
(3)5S rRNA遺伝子のスぺーサー領域の配列に基づいて19プローブ(14‐31 bp)を設計してマイクロアレイを作成し、19種の有毒中薬の同定に応用した研究(非特許文献7)。
しかし、これらのマイクロアレイは、薬用植物または生薬1種につき1プローブのみを設計し、スライド上に配置したものであるため、相同性の高い近縁種由来のターゲットとは非特異的に結合する恐れがあり、確実性の上で問題があった。
【0003】

【非特許文献1】Mol. Phylog. Evol., 1996, 6: 167-177
【非特許文献2】Planta Med., 2003, 69: 647-653
【非特許文献3】Biol. Pharm. Bull., 1997, 20: 765-769
【非特許文献4】Planta Med., 2004, 70: 189-192
【非特許文献5】Acta Pharmaceutica Sin., 2003, 38: 185-190
【非特許文献6】Planta Med., 2003, 69: 1172-1174
【非特許文献7】Planta Med., 2005, 71: 578-580
【特許文献1】WO 2006/016762 A1
【特許文献2】P2001-186886A
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
高齢化社会を迎えた日本において、認知症、心血管疾患などの慢性、難治性老年疾患に漢方薬の有効性が証明されつつあり、その構成成分である生薬の需要が増加している。
天然物由来の生薬の有効性や安全性を保障するには、基原の同定を始めとする品質管理が重要であり、客観的かつ効率的な同定技術の開発が必要である。
人参類生薬はウコギ科 (Araliaceae) のオタネニンジン属(Panax属)植物の地下部に由来する10数種の生薬を包括し、強壮、補気薬として有名な「薬用人参」、「アメリカ人参」、止血、心血管疾患、肝疾患に用いられる「三七人参」などを始めとする薬用価値が極めて高い生薬群である。
各人参類生薬は図7に示すようにそれぞれ異なる薬効をもち、含有される主な活性成分であるサポニン成分の組成も各々特徴的である。
また、同じ人参類に属していても薬効に逆作用があるものも不在する。
しかし、図8に基原植物群の葉の形態及び地下部の外観写真を示すように植物の外部形態は類似するため、分類が難しく、その地下部を加工した生薬では同定がさらに困難になる。
また、強壮、抗疲労などの作用を持つ薬用人参はいわゆる健康食品としても需要が高いが、高価であるため偽品が出回る可能性がある一方、粉末、錠剤又はカプセル剤として売られるため、その鑑定は困難を極める。
そこで、本発明は人参類生薬の基原植物および人参類生薬のSNPs(Single nucleotide polymorphisms)情報に基づいた人参類生薬同定用DNAマイクロアレイ及びそれを用いた客観的且つ迅速な同定方法の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る類似植物群から特定の植物体を同定するためのDNAマイクロアレイは、類似植物群の遺伝子一塩基多型(SNP)情報に基づいて、同定に有効である特異的な塩基置換を検出するために、複数の区画に区分してそれぞれオリゴヌクレオチドからなるプローブを支持体に固定してあり、前記各区分に固定したオリゴヌクレオチドは類似植物群の遺伝子に特異的な塩基を識別できるような塩基配列になっていて、被同定植物体または生薬から抽出したtotal DNAを鋳型としてPCR法で増幅した後に蛍光標識した遺伝子の部分配列をターゲットとして、前記支持体に固定してある複数のプローブにハイブリダイズさせることで得られる蛍光パターンをバーコードとして解析同定するものであることを特徴とする。
実験条件による検出される蛍光強度のばらつきを補正するため、各プローブを3スポットずつ設置し、それらを平均したデータを取るようにした。
解析結果をバーコードとして表示し、簡単に識別できるようになる。
これにより、例えば同定したいPanax属植物及び人参類生薬(葉又は地下部)からtotal DNAを抽出し、それらを鋳型として18S rRNA遺伝子の部分領域(800 bp)をPCR法で増幅した後、Cy5で蛍光ラベル化する。
蛍光標識した18S rRNA遺伝子の部分配列をターゲットとし、DNAマイクロアレイにハイブリダイズさせ、アレイ上に固定されたプローブとの特異的な結合による蛍光パターンを測定することでバーコード判断ができる。
【0006】
本発明は、DNAマイクロアレイにターゲットをハイブリダイズさせて得られる蛍光パターンをバーコードとして検出し、解析することにあり、以下、人参類生薬の同定に適用した例に基づいて説明する。
まず図2に示すように、人参類生薬の基原植物群であるPanax属13分類群の18Sr RNA遺伝子の塩基配列を明らかにした。
その結果、5’側から、191位、233位、497位、499位、501位、683位、712位、714位、725位、729位等に種特異的な塩基が存在していることが判明した。
その特異的な塩基置換をマトリックスにしたのが図3に示した説明である。
この特異的な塩基を検出するために設計した各プローブを図4に示す。
この表でA:アデニン,C:シトシン,G:グアニン,T:チミンを表し、小文字で表した塩基が図3に示した特異的な塩基に相当する。
図4に示した35のプローブを(23~27bp)を、支持体としてスライドグラスを用いて、そのスライドグラス上に117スポット×2組を固定したレイアウト例が図5である。
下記にプローブ名とその塩基配列を示す。
配列番号1(プローブ名:PNX-18S-191-1)GCATCCCTTCCAgAAGTCGGGGTTT
配列番号2(プローブ名:PNX-18S-191-2)GCATCCCTTCCAaAAGTCGGGGTTT
配列番号3(プローブ名:PNX-18S-233-1)GCAACGGGCAGaaGCCCGCGTCGA
配列番号4(プローブ名:PNX-18S-233-2)GCAACGGGCAGaGCCCGCGTCGA
配列番号5(プローブ名:PNX-18S-233-3)GCAACGaGCAtaGCCCGCGTCGA
配列番号6(プローブ名:PNX-18S-282-1)TCGCCGGCACGAgGGCCGTGCGAT
配列番号7(プローブ名:PNX-18S-282-2)TCGCCGGCACGAaGGCCGTGCGAT
配列番号8(プローブ名:PNX-18S-497-1)ACAATACCGGGCTgAtTcAGTCTGGT
配列番号9(プローブ名:PNX-18S-497-2)CAATACCGGGCTcAtTgAGTCTGGT
配列番号10(プローブ名:PNX-18S-497-3)CAATACCGGGCTcAgTgAGTCTGG
配列番号11(プローブ名:PNX-18S-497-4)CAATACCGGGCTcAaTgAGTCTGGT
配列番号12(プローブ名:PNX-18S-497-5)CAATACCGGGCTcAcTgAGTCTGG
配列番号13(プローブ名:PNX-18S-499-1)AATACCGGGCTgAtTcAGTCTGGTAA
配列番号14(プローブ名:PNX-18S-499-2)ATACCGGGCTcAtTgAGTCTGGTAA
配列番号15(プローブ名:PNX-18S-499-3)ATACCGGGCTcAgTgAGTCTGGTA
配列番号16(プローブ名:PNX-18S-499-4)ATACCGGGCTcAaTgAGTCTGGTAA
配列番号17(プローブ名:PNX-18S-499-5)ATACCGGGCTcAcTgAGTCTGGTAA
配列番号18(プローブ名:PNX-18S-501-1)TACCGGGCTgAtTcAGTCTGGTAATT
配列番号19(プローブ名:PNX-18S-501-2)ACCGGGCTcAtTgAGTCTGGTAATT
配列番号20(プローブ名:PNX-18S-501-3)ACCGGGCTcAgTgAGTCTGGTAAT
配列番号21(プローブ名:PNX-18S-501-4)ACCGGGCTcAaTgAGTCTGGTAATT
配列番号22(プローブ名:PNX-18S-501-5)ACCGGGCTcAcTgAGTCTGGTAATT
配列番号23(プローブ名:PNX-18S-683-1)GGTGTGCACCGaTCGTCTCGTCC
配列番号24(プローブ名:PNX-18S-683-2)GGTGTGCACCGgTCGTCTCGTCC
配列番号25(プローブ名:PNX-18S-712-1)CGGCGATGCGcTcCTGTCCTTAA
配列番号26(プローブ名:PNX-18S-712-2)CGGCGATGCGtTcCTGTCCTTAA
配列番号27(プローブ名:PNX-18S-712-3)CCGGCGATGCGaTtCTGTCCTTAA
配列番号28(プローブ名:PNX-18S-714-1)CGGCGATGCGcTcCTGTCCTTAACT
配列番号29(プローブ名:PNX-18S-714-2)CGGCGATGCGaTtCTGTCCTTAACT
配列番号30(プローブ名:PNX-18S-725-1)TCCTGTCCTTAAcTGGCCGGGTCGT
配列番号31(プローブ名:PNX-18S-725-2)TCCTGTCCTTAAtTGGCCGGGTCGT
配列番号32(プローブ名:PNX-18S-729-1)TCCTTAACTGGcCGGGTCGTGCCT
配列番号33(プローブ名:PNX-18S-729-2)TCCTTAACTGGtCGGGTCGTGCCT
配列番号34(プローブ名:Positive Control )atcatcg cagcaacggg cagaagcccg
配列番号35(プローブ名:Negative Control)AGTCAGCCAGTCAGGCACTTCGATA
【0007】
図6は前記35プローブに基づいて蛍光パターンがバーコードとして出現する説明図である。
特異的な塩基を検出するために191位、233位、282位、497位、499位、501位、683位、712位、714位、725位、729位の11区画に区分し、各区分はそのオリゴヌクレオチドの塩基配列にて図3に示した種特異的な塩基が検出できるようになっている。
バーコード化するために配列番号1~33の33プローブの両端にPositive Control(PC)2列とNegative Control(NC)1列を配置してある。
【発明の効果】
【0008】
本発明においては、植物体の一塩基多型情報に基づいて、種特異的な塩基を検出するためのオリゴヌクレオチドをプローブとして支持体に固定したマイクロアレイとしたので、基原種と一致する特異的な蛍光パターンがバーコードとして表示され、全てが簡便に同定できる。
本発明は、Panax属植物や人参類生薬のみならず、Rheum属植物や大黄類生薬など市場に氾濫する基原植物や生薬を利用した健康食品にも応用可能である。
従って、生薬や健康食品の適正使用、安全性確保のレギュレーションに有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明の実施例を図1に基づいて説明する。
薬用人参(P. ginseng)、西洋人参(P. quinquefolius)、三七人参(P. notoginseng)、竹節人参(日本産P. japonicus)からtotal DNAを抽出し、ユニバーサルプライマー対(18S5’F: 5’-CAA CCT GGT TGA TCC TGC CAG T-3’; 18SR800: 5’-TGT ATC CAG AGC GTA GGC TTG C-3’)で、18S rRNA遺伝子の部分配列を増幅する。
得られたPCR産物を精製後、Cy5で蛍光ラベル化し、その産物をターゲットとする。
ターゲットをDNAマイクロアレイPNX-arrayに68℃でハイブリダイズさせ、洗浄後、その蛍光パターンをDNAマイクロアレイスキャナーで測定する。
薬用人参の蛍光ラベル化したPCR産物をターゲットとした場合、マイクロアレイ上の11区画において、全て左から1番目のプローブに特異的な結合が確認され、P. ginsengに特異的なパターン「11111111111」と一致した。
アメリカ人参のPCR産物をターゲットとした場合、18S rRNA遺伝子の上流から497, 499, 501番目の塩基置換を検出する区画において、3番目のプローブに蛍光シグナルが検出され、そのパターンは「11133311111」となり、P. quinquefolius と同定できた。
三七人参のPCR産物をターゲットとした場合、191番目の塩基置換を検出する区画において2番目のプローブに、また497、499及び501番目の塩基置換を検出する区画において3番目のプローブに蛍光シグナルが検出され、そのパターンは「21133311111」となり、P. notoginseng と同定された。
竹節人参のPCR産物をターゲットとした場合、497、499、501及び712番目の塩基置換を検出する区画において2番目のプローブに蛍光シグナルが検出され、また714番目の区画ではほとんどシグナルが検出されず、日本産P. japonicus「11122212101」と同定された。
また、薬用人参、西洋人参及び三七人参を含有する錠剤、カプセル剤についても同定できた。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明に係るDNAマイクロアレイを用いて同定した実施例を示す。
【図2】人参類の18S rRNAの特異的塩基を示す。
【図3】人参類生薬の同定に有用である種特異的な塩基置換の説明図を示す。
【図4】プローブの塩基配列を示す。
【図5】スライドガラス上に固定したプローブ配置例を示す。
【図6】特異的な蛍光に基づいてバーコード化したものを示す。
【図7】人参類生薬の主な効用を示す。
【図8】人参類の葉形、地下部の外観を示す。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7