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明細書 :腫瘍特異的プロモーターおよびその用途

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5494916号 (P5494916)
公開番号 特開2010-246399 (P2010-246399A)
登録日 平成26年3月14日(2014.3.14)
発行日 平成26年5月21日(2014.5.21)
公開日 平成22年11月4日(2010.11.4)
発明の名称または考案の名称 腫瘍特異的プロモーターおよびその用途
国際特許分類 C12N  15/09        (2006.01)
A61K  48/00        (2006.01)
A61P  35/00        (2006.01)
FI C12N 15/00 ZNAA
A61K 48/00
A61P 35/00
請求項の数または発明の数 10
全頁数 23
出願番号 特願2009-095888 (P2009-095888)
出願日 平成21年4月10日(2009.4.10)
審査請求日 平成24年4月6日(2012.4.6)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504174180
【氏名又は名称】国立大学法人高知大学
発明者または考案者 【氏名】清水 惠司
【氏名】八幡 俊男
個別代理人の代理人 【識別番号】110000796、【氏名又は名称】特許業務法人三枝国際特許事務所
審査官 【審査官】小倉 梢
参考文献・文献 欧州特許出願公開第01491639(EP,A1)
Clin. Cancer Res.,2000年,Vol. 6,p. 3916-3922
Database GenBank, [online], Accession No. NM_005636,<http://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/28559011?sat=13&satkey=2481515>, 10-FEB-2008 uploaded, [retrieved on 2013-07-22]
Database GenBank, [online], Accession No. NM_003147,<http://www.ncbi.nlm.nih.gov/nuccore/28559004?sat=13&satkey=9075432>, 14-MAR-2009 uploaded, [retrieved on 2013-07-22]
調査した分野 C12N 15/00 - 15/90
A61P 35/00 - 35/04
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
GenBank/EMBL/DDBJ/GeneSeq
PubMed
Thomson Innovation

特許請求の範囲 【請求項1】
配列番号1に示す塩基配列を有し、且つ腫瘍特異的プロモーター活性を有するポリヌクレオチドからなる、腫瘍特異的プロモーター。
【請求項2】
上記配列番号1に示す塩基配列を有し、且つ腫瘍特異的プロモーター活性を有するポリヌクレオチドが、配列番号2に示す塩基配列において1~2578番目のいずれかの塩基から2832~2864番目のいずれかの塩基からなる領域の塩基配列からなる255bp~2864bpのポリヌクレオチドである、請求項1記載の腫瘍特異的プロモーター。
【請求項3】
請求項1または2腫瘍特異的プロモーターを、外来構造遺伝子の塩基配列に作動可能に連結した状態で含むウイルスベクター。
【請求項4】
上記外来構造遺伝子が、細胞に対して毒性を示すタンパク質をコードする遺伝子である、請求項に記載するウイルスベクター。
【請求項5】
上記外来構造遺伝子が、薬物を細胞に対して感受性にする遺伝子である、請求項に記載するウイルスベクター。
【請求項6】
上記薬物がガンシクロビルまたはアシクロビルであり、上記遺伝子がチミジンキナーゼである、請求項に記載するウイルスベクター。
【請求項7】
上記外来構造遺伝子がレポーター遺伝子である、請求項に記載するウイルスベクター。
【請求項8】
上記外来構造遺伝子が、蛍光性タンパク質、燐光性タンパク質、化学発光性タンパク質、または酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝子である、請求項に記載するウイルスベクター。
【請求項9】
請求項3乃至6のいずれかに記載するウイルスベクターを含む、腫瘍細胞を殺傷するための医薬組成物。
【請求項10】
請求項7または8に記載するウイルスベクターを含む、脳腫瘍を検出するための組成物。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、腫瘍細胞もしくは腫瘍組織において腫瘍特異的に外来遺伝子の発現を可能にする腫瘍特異的プロモーターに関する。より詳細には、脳腫瘍細胞若しくは脳腫瘍組織において特異的に高いプロモーター活性を発揮し、腫瘍特異的な遺伝子発現による癌の遺伝子治療に広く利用することができる脳腫瘍特異的プロモーターに関する。
【0002】
また本発明は当該プロモーターを、外来遺伝子の塩基配列(異種配列)に作動可能に連結した状態で含むウイルスベクターに関する。さらに本発明は、当該ウイルスベクターを用いた遺伝子治療技術(医薬組成物、治療方法)および遺伝子診断技術(診断用組成物、診断方法)に関する。
【背景技術】
【0003】
近年、癌治療に関して外来遺伝子を細胞に導入して癌を治療する遺伝子治療が注目されている。癌に対する遺伝子治療としては、例えば、(1)癌遺伝子の働きを抑制するか、もしくは失活した癌抑制遺伝子を活性化する、いわゆる癌遺伝子・癌抑制遺伝子を標的とした遺伝子治療、(2)本来ヒト細胞中に存在しない薬剤代謝酵素遺伝子を癌細胞に導入し、次いでその酵素で活性化される癌治療用プロドラッグを投与することにより薬剤代謝酵素遺伝子が導入された細胞のみを死滅させる自殺遺伝子治療、(3)サイトカイン遺伝子などを細胞に導入してヒトが本来有する免疫機能を高めて癌を治療する免疫遺伝子治療、および(4)アデノウイルスの初期遺伝子であってアデノウイルスの増殖に必須の遺伝子であるE1AあるいはE1Bの上流に腫瘍特異的プロモーターを挿入して腫瘍細胞において特異的に増殖するオンコリイティックウイルスを構築して、このウイルスにより腫瘍細胞を特異的に殺傷する遺伝子治療などがある。
【0004】
このような遺伝子治療においては、腫瘍細胞もしくは腫瘍組織において目的とする遺伝子を特異的に発現させることが、遺伝子治療の効率化および安全性の点から重要であり、現在、遺伝子治療が直面している課題の一つである。かかる腫瘍特異的な遺伝子発現を可能にする重要な鍵となるのが、導入遺伝子の発現を腫瘍特異的に制御するプロモーターの開発である。
【0005】
腫瘍特異的なプロモーターとしては、α-フェトプロテインプロモーター、癌胎児性抗原(CEA)プロモーター、前立腺特異的抗原プロモーターなどが知られている。また自殺遺伝子治療に用いられる腫瘍特異的なプロモーターとしては、ヒトテロメラーゼ触媒性サブユニットプロモーター(特許文献1、非特許文献1~2)、ガストリン放出ペプチド(GRP)プロモーター(特許文献2、非特許文献3~4)、II型ヘキソキナーゼプロモーター(特許文献3、非特許文献5)等が知られている。
【0006】
ところで、悪性グリオーマは、数十年間にもわたる精力的な新規治療法の開発をもってしても、顕著な治療成績の向上が得られていない難治性の脳腫瘍であり、従来より革新的な治療法の開発が望まれている。米国では、自殺遺伝子をコードするウイルスベクターを産生する細胞を患者の脳内に移植することで、この疾患に対する遺伝子治療が開始されたが、遺伝子導入効率の低さから十分な治療効果が得られていない(非特許文献6)。
【0007】
このため、腫瘍特異性で且つプロモーター活性が高く、遺伝子治療に有効に用いることのできる腫瘍特異的プロモーターの開発、特に悪性グリオーマなどの脳腫瘍の治療に有効に用いることができる腫瘍特異的プロモーターの開発が望まれている。
【先行技術文献】
【0008】

【特許文献1】米国特許第6,777,203号
【特許文献2】米国特許第7,329,649号
【特許文献3】国際公開第1997/004104号
【0009】

【非特許文献1】Jiam Gu, et al., Cancer Research 60, 5359-5364, October 1, 2000
【非特許文献2】Tadashi Komata et al., Cancer Research 61, 5796-5802, August 1, 2001
【非特許文献3】Inase N, et al., International Journal of Cancer 85, 716-719. March 1, 2000.
【非特許文献4】Morimoto E, et al., Anticancer Research 21,329-331, Jan-Feb, 2001.
【非特許文献5】Mathupala SP et al., Journal of Biological Chemistry 270, 16918-16925, July 14, 1995.
【非特許文献6】Rainov NG. Human Gene Therapy 11, 2389-2401, Nov 20, 2000.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、主として、レトロウイルスベクターを用いた悪性腫瘍を標的とした自殺遺伝子療法において有効に使用できる腫瘍特異的なプロモーターを提供することを目的とする。特に本発明は、脳腫瘍に特異的に、かつ高い活性を示すプロモーターを提供することを目的とする。
【0011】
また本発明は、脳腫瘍の遺伝子治療に有効に用いられる自殺遺伝子を導入した脳腫瘍特異的なウイルスベクター、およびそれを用いた遺伝子治療技術(医薬組成物、治療方法)を提供することを目的とする。
【0012】
さらに本発明は、脳腫瘍の診断に有効に用いられる脳腫瘍特異的レポーターベクター、およびそれを用いた遺伝子診断技術(診断用組成物、診断方法)を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討を重ねていたところ、癌精巣抗原遺伝子群の中から、脳腫瘍細胞に特異的に発現する遺伝子としてHomo sapiens synovial sarcoma, X breakpoint 4 (SSX4)遺伝子(以下、「SSX4遺伝子」という)を見出し、当該SSX4遺伝子が正常星状細胞では発現せず、腫瘍細胞において特異的に発現することを確認した。さらに、本発明者らは、当該SSX4遺伝子について、プロモーター活性を有する最小配列(配列番号1)を同定するとともに、当該最小配列を有するSSX4プロモーターが正常星状細胞においては極めて活性が低く、腫瘍細胞において特異的に活性を示すことを確認した。そこで、このプロモーターにより自殺遺伝子を発現制御するベクターを腫瘍細胞、および不死化ヒト線維芽細胞に導入したところ、腫瘍細胞に対してのみ特異的に細胞死を誘導することが観察された。また、このベクターを導入した細胞をマウス皮下に接種して治療を試みたところ、hSSX4プロモーターの活性特異的に腫瘍の形成が抑制されることが確認された。これらの結果から配列番号1に示す塩基配列を最小配列として有するSSX4プロモーターは、図1に示すように、腫瘍細胞、特に脳腫瘍細胞において特異的にプロモーター活性を発揮する脳腫瘍特異的プロモーターであり、腫瘍、特に脳腫瘍に対する遺伝子治療において極めて有用であると確信した。
【0014】
本発明はかかる知見に基づいて完成したものであり、下記の具体的態様を有するものである。
(I)腫瘍特異的プロモーター
(I-1)配列番号1に示す塩基配列または当該配列に相補する塩基配列に対してストリンジェントな条件でハイブリダイズする塩基配列を有し、且つ腫瘍特異的プロモーター活性を有するポリヌクレオチドからなる、腫瘍特異的プロモーター。
(I-2)上記配列番号1に示す塩基配列を有し、且つ腫瘍特異的プロモーター活性を有するポリヌクレオチドが、配列番号2に示す塩基配列において1~2578番目のいずれかの塩基から2832~2864番目のいずれかの塩基からなる領域の塩基配列からなる255bp~2864bpのポリヌクレオチドである、(I-1)記載の腫瘍特異的プロモーター。
(I-3)脳腫瘍に特異的なプロモーターである、(I-1)または(I-2)に記載する腫瘍特異的プロモーター。
【0015】
(II)ウイルスベクター
(II-1)(I-1)乃至(I-3)のいずれかの腫瘍特異的プロモーターを、外来構造遺伝子の塩基配列に作動可能に連結した状態で含むウイルスベクター。
(II-2)上記外来構造遺伝子が、細胞に対して毒性を示すタンパク質をコードする遺伝子である、(II-1)に記載するウイルスベクター。
(II-3)上記外来構造遺伝子が、薬物を細胞に対して感受性にする遺伝子である、(II-1)に記載するウイルスベクター。
(II-4)上記外来構造遺伝子が、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ遺伝子、シトシンデアミナーゼ遺伝子、水痘帯状疱疹ウイルスシミジンキナーゼ遺伝子、E.coli gpt遺伝子、チトクロームP450 2B1遺伝子、ヒトデオキシシチジンキナーゼ遺伝子、E.coli UPRT遺伝子、E.coli deoD遺伝子、および細菌ニトロ還元酵素遺伝子からなる群から選択されるいずれか少なくとも一種である(II-3)に記載するウイルスベクター。
(II-5)上記薬物が、ガンシクロビル、アシクロビル、5-フルオロシトシン、6-メトキシプリアラビノシド、6-チオキサンチン、サイクロフォスファミド、サイトシンアラビノシド、5-フルオロウラシル、6-メチルプリン-2’-デオキシリボヌクレオシド、およびCB1954 (5-(aziridin-1-yl)-2,4-dinitrobenzamide) からなる群から選択されるいずれか少なくとも一種である(II-3)に記載するウイルスベクター。
(II-6)上記薬物がガンシクロビルまたはアシクロビルであり、上記遺伝子がチミジンキナーゼである、(II-3)に記載するウイルスベクター。
(II-7)上記外来構造遺伝子がレポーター遺伝子である、(II-1)に記載するウイルスベクター。
(II-8)上記外来構造遺伝子が、蛍光性タンパク質、燐光性タンパク質、化学発光性タンパク質、または酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝子である、(II-6)に記載するウイルスベクター。
【0016】
(III)ウイルスベクターの利用
(II-1)(II-1)乃至(II-6)のいずれかに記載するウイルスベクターを含む、腫瘍細胞を殺傷するための医薬組成物(腫瘍治療剤)。
(II-2)腫瘍細胞が脳腫瘍である(II-1)に記載する医薬組成物(脳腫瘍治療剤)。
(II-3)(II-7)または(II-8)に記載するウイルスベクターを含む、脳腫瘍を検出するための組成物。
【発明の効果】
【0017】
本発明の腫瘍特異的プロモーターは、腫瘍細胞および腫瘍組織、特に脳腫瘍細胞および脳腫瘍組織に特異性にプロモーター活性を発揮する。このため、上記(II-1)~(II-5)に記載する本発明のウイルスベクターなどのように、本発明の腫瘍特異的プロモーターを用いることにより、腫瘍、特に脳腫瘍に対して、極めて安全かつ効果的な遺伝子治療が可能となる。また、上記(II-6)または(II-7)に記載する本発明のレポーターベクターなどのように、本発明の腫瘍特異的プロモーターを用いることにより、腫瘍、特に脳腫瘍を特異的に検出することができ、精度の高い脳腫瘍診断が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明のSSX4プロモーターが、正常細胞ではプロモーター活性を発揮せず、腫瘍細胞、特に脳腫瘍細胞において特異的にプロモーター活性を発揮するものであることを模式的に示す図である。
【図2】ヒトSSX4遺伝子の塩基配列の転写開始位置(+1)から上流-255から下流+32の領域の塩基配列を示す(配列番号3)。
【図3】精巣、正常ヒト星状細胞、退形成性星細胞腫細胞ONS-75、膠芽腫細胞(UW18、SNB19、U87MG、T98G、U373、ONS-12、ONS-23、ONS-65、KN-1)、および髄芽腫細胞(UW228、ONS-76)におけるhSSX4遺伝子の発現をRT-PCRで測定した結果を示す(実験例1)。図3Aは、hSSX4遺伝子と、標準マーカーとして使用したβアクチン(ACTB)遺伝子の発現バンドを示したものである。図3Bは、hSSX4遺伝子の発現量を、ACTB遺伝子の発現量に対する相対比(SSX4/ACTB)で示したものである。
【図4】実験例2において、各種のコンストラクト(欠失変異プロモーター)を挿入したプロモーター活性検出用プラスミド1~9を、正常星状細胞(NHA)、テロメラーゼ触媒サブユニットを導入した不死化ヒト繊維芽細胞 BJ-5ta 、並びに神経膠腫細胞株(U87-MG、SNB19、およびT98G )にそれぞれトランスフェクションし、プロモーター活性を求めた結果を示す。結果は、対照として用いたpGL3 Control Vectorのプロモーター活性を1としてそれとの相対比で示す。なお、結果は、プロモーター活性の測定を3回おこなった平均値を示す。
【図5】実験例3で作成した各種のレトロウイルスベクター(pCMV-HSVtk、pRΔ-HSVtk、pSSX255-HSVtk、pSSX485-HSVtk)の概念図を示す。
【図6】実験例3で作成したレトロウイルスベクター(pCMV-HSVtk、pRΔ-HSVtk、pRSSX255-HSVtk、pRSSX485-HSVtk) を、腫瘍細胞(膠芽腫細胞株U87MG(-■-)、マウス神経膠芽腫細胞株RSV-M(-◆-))、または正常細胞(ヒト繊維芽細胞BJ-5ta(-▲-))に導入し、斯くして得られた細胞にプロドラッグとして各濃度のガンシクロビル(GCV)を添加し(横軸)、5日後の細胞の生存率(縦軸)を、MTTアッセイを用いて測定した結果を示す。図中、図a(Wild Type)は、レトロウイルスベクターを導入していない各種の細胞について、上記と同様にして各種濃度のガンシクロビルを添加し、5日後の細胞の生存率を測定した結果である。
【図7】実験例4において、各種のベクターを導入したマウス神経膠芽腫細胞株RSV-Mを、同系マウスC3H/HeNの皮下に接種した場合の造腫瘍性効果を検討した結果を示す。レトロウイルスベクターとしてSSX4プロモーターを含むベクター(pRSSX255-HSVtk、pRSSX485-HSVtk)を導入していない細胞を、図中では、-◆- Wild Type、-■- CMV、-▲- Δとして示す。またSSX4プロモーターを含むベクターが導入されているもののGCVを投与していない細胞を、-●- pSSX4-255 w/o GCV、-□- pSSX4-485 w/o GCVとして示す。
【発明を実施するための形態】
【0019】
1.本発明で使用する用語の定義
本明細書における塩基配列(ヌクレオチド配列)、核酸などの略号による表示は、IUPAC-IUBの規定〔IUPAc-IUB communication on Biological Nomenclature, Eur. J. Biochem., 138; 9 (1984)〕、「塩基配列又はアミノ酸配列を含む明細書等の作製のためのガイドライン」(特許庁編)及び当該分野における慣用記号に従うものとする。

【0020】
本明細書において「SSX4遺伝子」とは、synovial sarcoma, X breakpoint 4 (SSX4)遺伝子を意味する。当該SSX4遺伝子のうち、ヒト(Homo sapiens)由来のSSX4遺伝子(hSSX4遺伝子)は、ヒトのX染色体Xp11.23(Genbank Accession No. NC_000023.9)の48127912位から48137729位の領域に位置している9818bpの遺伝子である(Genbank Accession No. NG_005575)。その転写産物であるmRNAには、2つの転写変異体(Genbank Accession No. NM_005636(transcript variant 1)、NM_175729(transcript variant 2)があることが知られている。転写変異体1(transcript variant 1)は、hSSX4遺伝子の6つのエクソン領域(1..38, 508..596, 1036..1150, 1827..1922, 3786..3835, 5821..5956, 8344..8448, 9231..9818)からなる1250bpのポリヌクレオチドであり、また転写変異体2(transcript variant 2)は、hSSX4遺伝子の5つのエクソン領域(1..38, 508..596, 1036..1150, 1827..1922, 3786..3835, 8344..8448, 9231..9818)からなる1114bpのポリヌクレオチドである。

【0021】
また、SSX4遺伝子には、上記ヒト由来のSSX4遺伝子(hSSX4遺伝子)だけでなく、ヒト、マウス、ラットなどの生物種間で保存されるオーソログ遺伝子など、ヒト由来のタンパク質(hSSX4)と生物学的機能が同等であるタンパク質(例えば同族体(ホモログやスプライスバリアントなど)、変異体及び誘導体)をコードする「遺伝子」が含まれる。例えばヒト由来のhSSX4のホモログをコードする遺伝子としては、当該hSSX4をコードするhSSX4遺伝子に対応するマウスやラットなど他生物種の遺伝子が例示できる。これらの遺伝子(ホモログ)は、HomoloGene(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/HomoloGene/)により同定することができる。具体的には、特定ヒト遺伝子名(hSSX4遺伝子)や塩基配列のアクセション番号(GenBank Accession No. NG_005575)をLocusLink(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/LocusLink/)の検索にかけて該当するヒト遺伝子データを見いだす。そのデータのリンクメニューにあるHomoloGeneにアクセスして表示された他生物種遺伝子とヒト遺伝子との遺伝子ホモログの相関を示したリストから、hSSX4遺伝子に対応するラットなど他生物種の遺伝子を遺伝子(ホモログ)として選抜することができる。またヒトX染色体Xp11.23(Genbank Accession No. NC_000023.9)の48101375位から48192195位の領域には、ヒトSSX4B遺伝子(GenBank Accession No. NG_005575.1)のparalogが存在することが知られている。当該paralogもヒトSSX4B遺伝子と生物学的機能が同等であれば、本発明でいうSSX4遺伝子に包含される。

【0022】
本明細書で「遺伝子」とは、特に言及しない限り、調節領域、コード領域、エクソン、及びイントロンを区別することなく示すものとする。具体的には、本明細書で「SSX4遺伝子」という場合、特に言及がない限り、当該用語には、前述のhSSX4遺伝子(Genbank Accession No. NG_005575)およびそのホモログのみならず、それらの転写産物であるmRNAやcDNAが含まれる。なお、SSX4遺伝子と区別してその転写産物であるmRNAについて特に言及する場合は、「SSX4 mRNA」と称する。

【0023】
本明細書中において「DNA」は、特に言及しない限り、ヒトゲノムDNAを含む2本鎖DNA、及びcDNAや合成DNAを含む1本鎖DNA(センス鎖)、並びに当該センス鎖と相補的な配列を有する1本鎖DNA(アンチセンス鎖)、及びそれらの断片のいずれもが含まれる。

【0024】
本明細書中において「RNA」とは、特に言及しない限り、1本鎖RNAのみならず、それに相補的な配列を有する1本鎖RNA、さらにはそれらから構成される2本鎖RNAを包含する趣旨で用いられる。当該RNAには、total RNA、mRNA、rRNA、siRNAなどの合成RNAが含まれる。

【0025】
また、本明細書中において、「ヌクレオチド」、「オリゴヌクレオチド」及び「ポリヌクレオチド」は、核酸と同義であって、DNAおよびRNAの両方を含むものとする。また、これらは2本鎖であっても1本鎖であってもよく、ある配列を有する「ヌクレオチド」(または「オリゴヌクレオチド」、「ポリヌクレオチド」)といった場合、特に言及しない限り、これに相補的な配列を有する「ヌクレオチド」(または「オリゴヌクレオチド」及び「ポリヌクレオチド」)も包括的に意味するものとする。さらに、「ヌクレオチド」(または「オリゴヌクレオチド」及び「ポリヌクレオチド」)がRNAである場合、配列表に示される塩基記号「T」は「U」と読み替えられるものとする。

【0026】
本明細書において「腫瘍」とは特に制限されないが、好ましくは脳腫瘍である。なお、脳腫瘍とは、頭蓋内に発生する原発性および転移性の新生物の総称であり、悪性腫瘍と良性腫瘍の両方が含まれる。好ましくは悪性の脳腫瘍である。脳腫瘍には、星膠腫,乏突起膠腫,上衣腫,膠芽腫および退形成性星細胞腫などの神経膠腫(グリオーマ)、転移性脳腫瘍、髄芽腫、悪性リンパ腫、胚細胞由来の腫瘍、髄膜腫、下垂体腫、および神経鞘腫が含まれる。本発明において好適に対象とされる脳腫瘍は、発生頻度も高く、治療が困難とされている悪性グリオーマ(膠芽腫および退形成性星細胞腫)である。

【0027】
2.腫瘍特異的プロモーター
本発明の腫瘍特異的プロモーターは、その最小配列として配列表の配列番号1に示す塩基配列を有するポリヌクレオチドからなることを特徴とする。当該ポリヌクレオチドは、SSX4プロモーターとして腫瘍特異的、好ましくは脳腫瘍特異的にプロモーター活性を発揮するものであれば特に制限されないが、具体的には、例えば、配列番号2に示す塩基配列において1~2578番目のいずれかの塩基から2832~2864番目のいずれかの塩基からなる領域の塩基配列からなる、最小255bpから最大2864bpの長さのポリヌクレオチドが含まれる。

【0028】
ここで、配列番号1に示す塩基配列は、SSX4遺伝子の転写開始点(エクソン1の先頭の塩基配列)を+1とした場合に、当該転写開始点の上流255番目(-255)から1番目(-1)までの255bpの塩基配列に相当する。また配列番号2に示す塩基配列は、SSX4遺伝子の転写開始点(エクソン1の先頭の塩基配列)を+1とした場合に、当該転写開始点の2832bp上流(-2832)から32bp下流(+32bp)の計2864bpの領域の塩基配列に相当する。なお、図2に、SSX4遺伝子の転写開始点(エクソン1の先頭の塩基配列)を+1とした場合に、当該転写開始点の上流255番目(-255)から下流32番目(+32)までの領域の塩基配列(配列番号3)を示す。

【0029】
また、本発明の腫瘍特異的プロモーターには、配列番号1に示す塩基配列に相補する塩基配列に対してストリンジェントな条件でハイブリダイズし、且つ配列番号1に示す塩基配列と同様に腫瘍特異的なプロモーター活性を有するものが含まれる。さらに本発明の腫瘍特異的プロモーターには、配列番号2に示す塩基配列において、少なくとも2578番目の塩基から2832番目の塩基からなる領域の塩基配列に相補する塩基配列、例えば「1~2578番目のいずれかの塩基から2832~2864番目のいずれかの塩基からなる領域の塩基配列に相補する塩基配列」に対してストリンジェントな条件でハイブリダイズし、且つ配列番号1に示す塩基配列と同様に腫瘍特異的なプロモーター活性を有するものも含まれる。

【0030】
ここでいうストリンジェントでハイブリダイズする塩基配列とは、例えば、6×SSPE、2×デンハルト溶液、0.5%SDS、0.1mg/mlサケ精巣DNAを含む溶液中で65℃、12時間反応させる、という条件下でサザンハイブリダイゼーションを行うことにより、上記したいずれかの塩基配列を有するDNAとハイブリダイズする塩基配列である。

【0031】
当該腫瘍特異的プロモーターは、ハイブリダイズした対象の塩基配列と同様のプロモーター機能、即ち、腫瘍特異性、特に脳腫瘍特異性と同程度のプロモーター活性を有するものである。このような塩基配列としては、対象の塩基配列と、例えば85%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%の同一性を有するものが挙げられる。当該塩基配列の同一性は、典型的には、2つの配列の間の最適アライメントを決定し、そして2つの配列を比較することによって算定される。配列の最適アライメントは、NeedlemanおよびWunschら(J. Mol. Biol. 48:443 (1970))の相同性アライメントアルゴリズムによって、PearsonおよびLipmanら(Proc. Natl. Acad. Sci. USA 85:2444 (1988))の類似性方法のためのサーチによって、これらのアルゴリズムのコンピューター実行によって(Wisconsin Genetics Software Package, Genetics Computer Group, 575 Science Dr.、Madison、WIにおけるGAP、BESTFIT、FASTA、およびTFASTA)、または検分によって、SmithおよびWaterman (1981) Adv. Appl. Math. 2:482の局所相同性アルゴリズムを用いて行うことができる。配列類似性を測定するのに適したアルゴリズムはBLASTアルゴリズムであり、Altschulら(J. Mol. Biol. 215:403-410 (1990))およびShpaerら(Genomics 38:179-191 (1996))に記載の方法に従って実施することができる。なお、BLAST解析を実行するためのソフトウェアは、National Center for Biotechnology Information (http://www.ncbi.nlm.nih.gov/)で公的に入手可能である。

【0032】
上記した本発明の腫瘍特異的プロモーターは、既に報告されているSSX4遺伝子の配列情報に基づきPCR法を利用する周知の方法により得ることができる。これらの方法は、例えばMolecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition (1989) (Cold Spring Harbor Laboratory Press),Current Protocols in Molecular Biology (Greene Publishing Associates and Wiley-Interscience)等の基本書に従って容易に行うことができる。また、上記したストリジェントな条件でハイブリダイズする塩基配列を有する本発明の腫瘍特異的なプロモーターは、例えば部位特異的突然変異誘発法、PCR法、又は通常のハイブリダイゼーション法などにより容易に得ることができ、具体的には前記Molecular Cloning等の基本書を参考にして行うことができる。

【0033】
本発明の腫瘍特異的プロモーターは、後に記載する実験例に明らかにされているように、正常細胞および正常組織内では作用せず、腫瘍細胞または腫瘍組織内、特に脳腫瘍細胞または脳腫瘍組織内で特異的にプロモーター活性を発揮する、という特徴的な性質を有する。

【0034】
本発明の腫瘍特異的プロモーターは、腫瘍特異的な遺伝子発現による癌の遺伝子治療、例えば、薬剤代謝酵素遺伝子と癌治療用プロドラッグとを組み合わせた自殺遺伝子治療、サイトカイン遺伝子などを癌細胞に導入して免疫機能を高めて癌を治療する免疫遺伝子治療などに利用することができる。

【0035】
自殺遺伝子治療において使用される薬剤代謝酵素遺伝子と癌治療用プロドラッグ(薬物)との組み合わせとしては、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ遺伝子とガンシクロビルもしくはアシクロビルとの組み合わせ、シトシンデアミナーゼ遺伝子と5-フルオロシトシンとの組み合わせ、水痘帯状疱疹ウイルスシミジンキナーゼ遺伝子と6-メトキシプリアラビノシドとの組み合わせ、E.coli gpt遺伝子と6-チオキサンチンとの組み合わせ、チトクロームP450 2B1遺伝子とサイクロフォスファミドとの組み合わせ、ヒトデオキシシチジンキナーゼ遺伝子とサイトシンアラビノシドとの組み合わせ、E.coli UPRT遺伝子と5-フルオロウラシルとの組み合わせ、E.coli deoD遺伝子と6-メチルプリン-2’-デオキシリボヌクレオシドとの組み合わせ、および細菌ニトロ還元酵素遺伝子とCB1954 (5-(aziridin-1-yl)-2,4-dinitrobenzamide)との組み合わせなどが例示される。好ましくは単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ遺伝子とガンシクロビルもしくはアシクロビルとの組み合わせである。

【0036】
自殺遺伝子治療を実際に行うには、本発明の腫瘍特異的プロモーター及びその下流に薬剤代謝酵素遺伝子を発現可能なように組み込んだ発現ベクターを構築して、その発現ベクターを腫瘍細胞に導入し、次いで癌治療用プロドラッグ(薬物)を投与することによって実施できる。ここで発現ベクターとしては、レトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクターなどの遺伝子導入に通常用いられるベクターが挙げられる。好ましくはレトロウイルスベクターである。あるいは、本発明の腫瘍特異的プロモーター及びその下流に薬剤代謝酵素遺伝子を発現可能なように組み込んだプラスミドDNAを、リポソームに封入して、あるいはポリリジン-DNA-タンパク質複合体として、腫瘍細胞に導入することもできる。

【0037】
腫瘍細胞に上記本発明の腫瘍特異的プロモーターに連結した薬剤代謝酵素遺伝子を導入するには、これらのベクター、リポソーム封入体またはポリリジン-DNA-タンパク質複合体を、静脈あるいは動脈内にあるいは直接腫瘍組織内部や腫瘍組織の周囲に注入することによって行われる。この際、エレクトロポレーション法や超音波を併用することにより遺伝子導入効率を高めることも可能である。かかる遺伝子導入後、癌治療用プロドラッグ(薬物)は、経口、静脈、動脈内投与等の通常の方法により投与される。

【0038】
導入された遺伝子は、本発明の腫瘍特異的プロモーターの作用によって腫瘍細胞内で特異的に薬剤代謝酵素が発現され、発現された薬剤代謝酵素により、腫瘍細胞内において癌治療用プロドラッグは活性型の癌治療剤へと変換され、この変換された癌治療剤により腫瘍細胞が選択的に死滅して自殺遺伝子治療が完了する。

【0039】
このような自殺遺伝子治療の手法自体は既に公知であり、特に、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ遺伝子とガンシクロビルとの組み合わせは、脳腫瘍等で臨床応用されている(Oldfield,EH,Hum. Gene Ther., 4, 39-69, 1993)。

【0040】
本発明の腫瘍特異的プロモーターを利用した免疫遺伝子治療としては、インターフェロン、TNFα、インターロイキンなどのサイトカインをコードする遺伝子を、上記の自殺遺伝子治療と同様の方法で、本発明の腫瘍特異的プロモーターと共に発現ベクターに組み込み、あるいはリポソームに封入して、腫瘍細胞に導入してサイトカインを発現させて、それによりヒトが本来有する生体防御機構である免疫応答を高めて腫瘍を治療する方法が採用される。

【0041】
本発明の腫瘍特異的プロモーターを用いたオンコリティックウイルスによる遺伝子治療としては、例えばアデノウイルスの増殖に必須の遺伝子である初期遺伝子E1AまたはE1Bの上流に本発明の腫瘍特異的プロモーターを挿入するか、あるいは初期遺伝子E1AまたはE1Bプロモーターと置換して、または単純ヘルペスウイルスの対応する初期遺伝子の上流に本発明の腫瘍特異的プロモーターを挿入するかあるいは初期遺伝子プロモーターと置換して、腫瘍細胞あるいは腫瘍組織で特異的に増殖し、腫瘍細胞を殺傷するオンコリティックウイルスを構築し、このウイルスを投与することにより腫瘍を治療する方法が挙げられる。このような遺伝子治療については、Heise, C. et al.,J. Clin. Invest., 105, 847-851, 2000などの文献が参照される。

【0042】
また、本発明の腫瘍特異的プロモーターを利用して、癌遺伝子のアンチセンス遺伝子や正常型の癌抑制遺伝子を、腫瘍において特異的に発現させ、その結果、腫瘍の脱癌化(正常復帰)や細胞死(アポトーシス)、更には腫瘍細胞の抗癌剤感受性、放射線感受性の亢進を惹起することができる。

【0043】
最小配列として配列番号1に示す塩基配列を有する本発明の腫瘍特異的プロモーターを利用した上記の遺伝子治療は、大腸癌、膵癌、肝癌等の消化器癌、肺癌、乳癌、神経芽細胞腫、脳腫瘍などの治療、特に脳腫瘍の治療に有効である。

【0044】
3.ウイルスベクターおよび医薬組成物
本発明のウイルスベクターは、前述する腫瘍特異的プロモーターを、外来構造遺伝子の塩基配列に作動可能に連結した状態で含むことを特徴とするものである。ここで、「作動可能に連結した」とは、腫瘍特異的プロモーターと外来構造遺伝子との間の機能的関係をいい、例えば、上記の腫瘍特異的プロモーターが、腫瘍細胞または腫瘍組織において、外来遺伝子の塩基配列(コード配列)の転写を刺激し、所望の転写をもたらす場合、当該腫瘍特異的プロモーターは外来構造遺伝子の塩基配列(コード配列)に作動可能に連結しているといえる。一般に、作動可能に連結している塩基配列は互いに隣接している。またここで宿主細胞としては、動物、特に哺乳細胞であり、より好ましくはヒト細胞である。

【0045】
なお、本発明のウイルスベクターが、上記の宿主細胞内で所望の機能を発揮し、外来構造遺伝子が効果的に発現して所望の蛋白質が産生されるための、腫瘍特異的プロモーター以外の最小エレメントとしては、レトロウイルスベクターに関しては、LTR、パッケージングシグナル領域、PPT(polypurine tract) 配列を挙げることができる。

【0046】
またさらに翻訳または他の制御シグナルを含むこともできる。また発現効率は、使用する細胞系に適切なエンハンサーを含むことによって促進され得る(Scharfら、1994, Results Probl. Cell Differ. 20:125;および、Bittnerら、1987, Meth. Enzymol., 153:516)。このため、本発明のウイルスベクターにおいても、例えば、LTR(long terminal repeat)、SV40エンハンサーまたはCMVエンハンサーなどのように、哺乳動物宿主細胞での発現を増加するために使用され得る。

【0047】
本発明で用いられる有用なウイルスベクターには、レトロウイルス、アデノウイルス、アデノ関連ウイルス、ヘルペスウイルスに基づくベクター、SV40、パピローマウイルス、HBPエプスタインバーウイルスに基づくベクター、ワクシニアウイルスベクター、およびセムリキ森林ウイルス(SFV)が含まれる。好ましくはレトロウイルスである。

【0048】
本発明の腫瘍特異的プロモーターおよび外来構造遺伝子を導入するために使用されるウイルスベクターは、遺伝子療法用に設計されたものであることが好ましい。商業的に入手可能なパッケージング細胞またはヘルパー細胞は、通常、(1)ベクター形態で増殖し得るその能力を維持しながら、標的細胞中でウイルスを増殖不能にするように、(2)外因性DNA配列(外来構造遺伝子の塩基配列)の挿入のためにウイルスゲノム内に空間を設けるように、また(3)目的遺伝子をコードし、そして適切な発現を可能にする新たな配列を組み込むことができるように、改変が施されている。かかるパッケージング細胞またはヘルパー細胞として商業的に入手できるものとしては、例えばRetroPack PT67 、およびAmphoPack-293(いずれもTaKaRa)を例示することができる。

【0049】
またヒト遺伝子療法に使用できるアデノウイルスベクターは、例えば、Rosenfeldら、1992, Cell 68:143;PCT公開公報WO 94/12650;同94/12649;同94/12629に記載されている。ウイルスゲノムのE1またはE3の非必須領域での挿入は、感染宿主細胞で発現し得る生ウイルスをもたらす(LoganおよびShenk, 1984, Proc. Natl. Acad. Sci., 81:3655)。

【0050】
(3-1)遺伝子治療用のウイルスベクターおよび医薬組成物
本発明のウイルスベクターの一つの態様として、外来構造遺伝子として、動物細胞に対して毒性を示す蛋白質をコードする遺伝子を含む、ウイルスベクターを挙げることができる。実験例3において、本発明の腫瘍特異的プロモーターと自殺遺伝子であるヘルペスウイルス・チミジンキナーゼ(HSV tk)とが、動物細胞中で作動可能に連結してなるレトロウイルスベクターが構築されているが、ここでHSV tkに代えて、動物細胞に対して毒性を示す蛋白質をコードする遺伝子を用いた場合は、腫瘍動物細胞において本発明の腫瘍特異的プロモーターが特異的に活性化することにより、当該腫瘍動物細胞を病的状態または死滅に至らしめることができる。すなわち、かかる毒性タンパク質をコードする遺伝子に作動可能に連結した本発明の腫瘍特異的プロモーターを含むウイルスベクターは、腫瘍細胞を殺傷するための医薬組成物の有効成分として有効に使用することができる。

【0051】
また本発明のウイルスベクターの一つの態様として、実験例3に示すように外来構造遺伝子として、それ自体細胞に対して毒性のない薬物に作用して、当該薬物を細胞に毒性があるように変換する機能(活性型への変換機能)を有する蛋白質をコードする遺伝子を含む、ウイルスベクターを挙げることができる。

【0052】
かかる薬物としては、いわゆるプロドラッグと称されるものを挙げることができ、具体的には癌治療用プロドラッグとしてはガンシクロビル、アシクロビル、5-フルオロシトシン、6-メトキシプリアラビノシド、6-チオキサンチン、サイクロフォスファミド、サイトシンアラビノシド、5-フルオロウラシル、CB1954 (5-(aziridin-1-yl)-2,4-dinitrobenzamide)および6-メチルプリン-2’-デオキシリボヌクレオシドなどを挙げることができる。またかかる癌治療用プロドラッグを活性化するために使用される蛋白質をコードする遺伝子としては、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ遺伝子、シトシンデアミナーゼ遺伝子、水痘帯状疱疹ウイルスシミジンキナーゼ遺伝子、E.coli gpt遺伝子、チトクロームP450 2B1遺伝子、ヒトデオキシシチジンキナーゼ遺伝子、E.coli UPRT遺伝子、細菌ニトロ還元酵素遺伝子およびE.coli deoD遺伝子などの薬剤代謝酵素遺伝子を例示することができる。

【0053】
当該ウイルスベクターは、本発明の腫瘍特異的プロモーター及びその下流に上記するような薬剤代謝酵素遺伝子を発現可能なように組み込むことによって調製することができ、斯くして調製したウイルスベクターは、自殺遺伝子治療において、腫瘍細胞に導入され、次いで癌治療用プロドラッグ(薬物)を投与することによって、腫瘍動物細胞を病的状態または死滅に至らしめることができる。すなわち、この場合、腫瘍動物細胞において本発明の腫瘍特異的プロモーターが特異的に活性化することにより、外来構造蛋白質(薬剤代謝酵素遺伝子)が発現産生され、その作用により、並行して投与された癌治療用プロドラッグ薬物が活性型に変換し、その結果、腫瘍動物細胞を病的状態または死滅に至らしめる(自殺遺伝子治療)。ゆえに、かかる蛋白質をコードする遺伝子に作動可能に連結した本発明の腫瘍特異的プロモーターを含むウイルスベクターは、腫瘍細胞を殺傷するために上記癌治療用プロドラッグと組み合わせて使用される医薬組成物の成分(医薬補助成分)として有効に使用することができる。

【0054】
上記自殺遺伝子治療において使用される薬剤代謝酵素遺伝子と癌治療用プロドラッグ(薬物)との組み合わせとしては、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ遺伝子とガンシクロビルもしくはアシクロビルとの組み合わせ、シトシンデアミナーゼ遺伝子と5-フルオロシトシンとの組み合わせ、水痘帯状疱疹ウイルスシミジンキナーゼ遺伝子と6-メトキシプリアラビノシドとの組み合わせ、E.coli gpt遺伝子と6-チオキサンチンとの組み合わせ、チトクロームP450 2B1遺伝子とサイクロフォスファミドとの組み合わせ、ヒトデオキシシチジンキナーゼ遺伝子とサイトシンアラビノシドとの組み合わせ、E.coli UPRT遺伝子と5-フルオロウラシルとの組み合わせ、E.coli deoD遺伝子と6-メチルプリン-2’-デオキシリボヌクレオシドとの組み合わせ、または細菌ニトロ還元酵素遺伝子とCB1954 (5-(aziridin-1-yl)-2,4-dinitrobenzamide)との組み合わせなどが例示される。好ましくは単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ遺伝子とガンシクロビルもしくはアシクロビルとの組み合わせである。

【0055】
ここで発現ベクターとしては、前述するようにレトロウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ随伴ウイルスベクターなどの遺伝子導入に通常用いられるベクターが用いられるとが、好ましくはレトロウイルスベクターである。

【0056】
かかるウイルスベクターは、遺伝子治療ベクターとして、インビボ、インビトロ、またはエクスビボで細胞または組織に導入され得る。より具体的には、上記ウイルスベクターを、静脈あるいは動脈内にあるいは直接腫瘍組織内部や腫瘍組織の周囲に注入することによって行われる。この際、エレクトロポレーション法や超音波を併用することにより遺伝子導入効率を高めることも可能である。

【0057】
本発明は、かかるウイルスベクターを成分として含む医薬組成物に関する。かかる医薬組成物は、上記ウイルスベクターに加え、任意の担体や添加剤、例えば医薬上許容される担体および添加剤を含むことができる。

【0058】
遺伝子治療において非経口的な投与(例えば、皮下注射、筋肉注射、局所注入、腹腔内投与など)に好適な製剤としては、水性および非水性の等張な無菌の注射液剤があり、これには抗酸化剤、緩衝液、制菌剤、等張化剤等が含まれていてもよい。また、非経口的な投与製剤としては、他に水性および非水性の無菌の懸濁液剤が挙げられ、これには懸濁剤、可溶化剤、増粘剤、安定化剤、防腐剤等が含まれていてもよい。

【0059】
本発明の医薬組成物の投与量は、投与対象となる被験者の体重や年齢、並びに腫瘍の種類やその重篤度等によって異なり、一概に設定することはできないが、例えば、自殺遺伝子治療の場合、使用される癌治療用プロドラッグの有効量として、成人1日あたり数mg~数十mg/kg体重を挙げることができ、これを1日1回~数回に分けて投与することができる。

【0060】
(3-2)遺伝子診断用のウイルスベクターおよび医薬組成物
本発明のウイルスベクターの一つの態様として、外来構造遺伝子としてレポーター遺伝子を含む、ウイルスベクター(レポーターベクター)を挙げることができる。

【0061】
ここでレポーター遺伝子となりえる外来構造遺伝子としては、蛍光性タンパク質、燐光性タンパク質、化学発光性タンパク質、または酵素活性を有するタンパク質をコードする遺伝子を挙げることができる。実験例3において、本発明の腫瘍特異的プロモーターと自殺遺伝子であるヘルペスウイルス・チミジンキナーゼ(HSV tk)とが、動物細胞中で作動可能に連結してなるレトロウイルスベクターが構築されているが、ここで上記レポーター遺伝子を用いた場合は、腫瘍動物細胞において本発明の腫瘍特異的プロモーターが特異的に活性化することにより、上記レポーター遺伝子が発現し、それにより腫瘍細胞および腫瘍組織が標識化(蛍光、燐光、化学発光、酵素活性化)される。このため、これを指標にすることで特異的に腫瘍の存在を検出することが可能になる。

【0062】
すなわち、かかるレポーター遺伝子に作動可能に連結した本発明の腫瘍特異的プロモーターを含むウイルスベクターは、腫瘍を検出するための医薬組成物(診断用組成物)の有効成分として有効に使用することができる。

【0063】
かかる医薬組成物(診断用組成物)も、前述する治療用組成物と同様に、上記ウイルスベクターに加え、任意の担体や添加剤、例えば医薬上許容される担体および添加剤を含むことができる。

【0064】
本発明のウイルスベクター(治療用および診断用)は、上記治療または診断において、患者(ヒトおよびその他の動物を含む)の細胞、組織または器官に、種々の方法で調製され導入される。かかる方法としては、いずれも公知の方法を使用することができ、例えば塩化カルシウム形質転換法(細菌系用)、エレクトロポレーション法、リン酸カルシウム処理法、リポソーム媒介形質転換法、インジェクションおよびマイクロインジェクション法、弾道法(ballistic method)法、バイロソム法(virosome)、イムノリポソーム法、ポリカチオン:核酸複合体、ネイクドDNA、人工ビリオン、ヘルペスウイルス構造タンパク質VP22(ElliotおよびO'Hare, Cell 88:223)への融合、DNAの薬剤促進取り込み、およびエクスビボ形質導入法などを挙げることができる。
【実施例】
【0065】
本発明を、下記実施例等により説明するが、本発明は、かかる実施例に限定されるものではない。また、以下の実験例において、遺伝子操作、細胞培養等には、特に断りのない限り、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Second Edition (1989) (Cold Spring Harbor Laboratory Press),Current Protocols in Molecular Biology (Greene Publishing Associates and Wiley-Interscience)等に記載された方法を用いた。
【実施例】
【0066】
材料
後述する実験例で使用する各種細胞は、下記の方法に従って調製した。
【実施例】
【0067】
(1)正常ヒト星状細胞
正常ヒト星状細胞(Cambrex Corporation)は、アストロサイト培地キット(TaKaRa)を用いて37℃で5% CO2の条件下で培養して調製した。
【実施例】
【0068】
(2)各種腫瘍細胞
膠芽腫細胞株(UW18、SNB19、U87MG、T98G、U373、ONS-12、ONS-23、ONS-65、KN-1)、退形成性星細胞腫ONS-75、および髄芽腫細胞株(UW228、ONS-76)は、10 % ウシ胎児血清を含むDMEMに、最終濃度が10% となるようにウシ胎児血清、および、また最終濃度が100 unit/mlおよび100μg/mlとなるようにそれぞれペニシリン及びストレプトマイシンを添加した培地で、37℃で5% CO2の条件下で培養して調製した。なお、上記細胞株のうちU87MG、T98GおよびU373は(American type culture collection; ATCC)から入手した。またUW18、 SNB19およびUW228についてはSilber博士(University of Washington, Seattle, WA)から供与を受け、ONS-12、ONS-23、ONS-65、KN-1、ONS-75およびONS-76は本発明者である清水らによって樹立した細胞株である。
【実施例】
【0069】
(3)ヒト繊維芽細胞
不死化ヒト繊維芽細胞BJ-5ta(American Type Culture Collection(ATCC)から入手)は、DMEMとMedium199を4:1(容量比)の割合で含む培地に、最終濃度が10% となるようにウシ胎児血清、ならびに最終濃度が100 unit/mlおよび100μg/mlとなるようにそれぞれペニシリン及びストレプトマイシンを添加した培地で、37℃で5% CO2の条件下で培養して調製した。
【実施例】
【0070】
RT-PCRと定量的RT-PCRの方法
後述する実験例1においてRT-PCRおよび定量的RT-PCRは、下記の方法に従って実施した。
【実施例】
【0071】
(1)cDNA(相補DNA)の合成
各種細胞から全RNAをRNA mini Kit(QIAGEN)を用いて抽出し、Superscript II cDNA synthesis kit(Invitrogen)を用いて1μgのRNAから逆転写反応をおこない、cDNA(相補DNA)を合成する。
【実施例】
【0072】
(2)半定量的PCR反応
AmpliTaq Gold(Applied biosystems)を用いて、initial denature 95℃、10分後に95℃で30秒、58℃で30秒、72℃で30秒の処理を35 サイクル行った後、72℃の伸長反応を1分間行う。増幅には下記のプライマーを使用。
【実施例】
【0073】
<hSSX4遺伝子用>
Forward プライマー;CGTAGTAAACGGGCTGCAGACTT(配列番号4)、
Reverseプライマー;GAGGCTGCCGAAAGTCATCTG(配列番号5)。
【実施例】
【0074】
<βアクチン遺伝子用>
Forward プライマー;AACTCCATCATGAAGTGTGACG(配列番号6)、
Reverseプライマー;GATGGACATCTGCTGGAAGG(配列番号7)。
【実施例】
【0075】
(3)定量的PCR
Quantitect SYBR Green PCR kit(QIAGEN)を用いて Lightcycler(Roche)で製品の説明書に従って行う。増幅には、上記と同じプライマーを使用。反応はinitial denature 95℃、15分後に94℃で15秒、55℃で10秒、72℃で20秒の処理を45サイクル行う。
【実施例】
【0076】
実験例1 脳腫瘍特異的遺伝子の決定
ヒト遺伝子を対象として、精巣以外の正常組織では発現せず、腫瘍で発現する癌精巣抗原遺伝子群の中から、脳腫瘍において高発現する遺伝子としてHomo sapiens synovial sarcoma, X breakpoint 4 (SSX4)遺伝子(以下、これを「hSSX4遺伝子」と称する)を選択した。当該hSSX4遺伝子は、ヒトのX染色体Xp11.23(Genbank Accession No. NC_0000232.9)の48127912位から48137729位の領域に位置しており(Genbank Accession No. NG_005575)、その転写産物であるmRNAには、2つの転写変異体(Genbank Accession No. NM_005636(transcript variant 1)、NM_175729(transcript variant 2))があることが知られている。以下、このhSSX4遺伝子の転写産物mRNAを、2つの転写変異体を包括して「hSSX4 mRNA」と称する。
【実施例】
【0077】
精巣、正常ヒト星状細胞、退形成性星細胞腫細胞ONS-75、膠芽腫細胞(UW18、SNB19、U87MG、T98G、U373、ONS-12、ONS-23、ONS-65、KN-1)、および髄芽腫細胞(UW228、ONS-76)におけるhSSX4遺伝子の発現をRT-PCRで測定した。また発現の標準マーカーとしてβアクチン(ACTB)遺伝子を使用して同様に発現を測定した。その結果、図3Aに示すように、そのうちhSSX4遺伝子は、全ての腫瘍細胞において発現が確認されたものの、正常ヒト星状細胞では発現が確認されなかった。また当該hSSX4遺伝子の発現の量を定量的RT-PCRで測定したところ、図3Bに示すように、正常ヒト星状細胞での発現量は検出限界以下であった。
【実施例】
【0078】
このことから、hSSX4遺伝子は、精巣以外の正常組織では発現せず、腫瘍、特に脳腫瘍で特異的に発現する脳腫瘍特異的遺伝子であること、また当該hSSX4遺伝子の正常組織での発現は極めて厳格に抑制されていると考えられた。
【実施例】
【0079】
実験例2 腫瘍特異的プロモーター領域の同定(図4)
実験例1で脳腫瘍特異的遺伝子であると決定されたhSSX4遺伝子についてプロモーター領域を同定し、さらにプロモーター活性を有する最小領域を決定した。
【実施例】
【0080】
(1)実験方法
(1-1)SSX4プロモーター・コンストラクトの構築とプロモーター活性検出用プラスミドの作成
まず、RLM-RACE(RNA ligage mediated Rapid Amplification of cDNA ends)kit(Invitrogen製)と下記のプライマーを用いて、正常精巣および悪性グリオーマ細胞株SNB19において、hSSX4遺伝子の転写開始点の決定をおこなった。
SSX4GSP1;CCTCAGGGTCGCTGATCTCTTCATAAAC(配列番号8)
SSX4GSP2;TCTCTCACGCAGTCTGTGGGTCCAG(配列番号9)
SSX4GSP3;CCGTGGAAGTCTGCAGCCCGTTTAC(配列番号10)。
【実施例】
【0081】
その結果、hSSX4遺伝子の転写開始点は、その5’端領域の塩基配列と、その2つの転写産物(hSSX4 mRNA)(transcript variant 1、2)(NM_005636、NM_175729)の5’側領域の塩基配列が一致したことから、hSSX4遺伝子の5’末端の塩基を転写開始点(+1)とし、当該転写開始点(SSX4遺伝子の5’末端の塩基)を基準として2832bp上流(-2832)から32bp下流(+32)の領域(-2832~+32)、計2864bpの領域を単離した。
【実施例】
【0082】
次に、SSX4プロモーターの腫瘍特異的活性を示す最小領域を決定するために、下記に示すように、上記転写開始点(SSX4遺伝子の5’末端の塩基)を基点(+1)として、2832、1931、1162、885、485、255、107、60、または22bp上流(-2832、-1931、-1162、-885、-485、-255、-107、-60、-22)から32bp下流(+32)の領域をそれぞれ含む一方向性の欠失変異プロモーター(図4参照、図4の上から順に「コンストラクト1、2,3,4,5,6,7,8及び9」という)を作成し、これらをそれぞれpGL3 Basic Vector(promega社製)に連結させて、プロモーター活性検出用のプラスミドを作成した。
【実施例】
【0083】
【表1】
JP0005494916B2_000002t.gif
【実施例】
【0084】
具体的には、コンストラクト1(-2832~+32bp)を挿入したプロモーター活性検出用プラスミドは下記のようにして作成した。
【実施例】
【0085】
(i)正常ヒトリンパ球から抽出した100 ngのゲノムDNAを鋳型として、phusion DNA ポリメラーゼを用いて、次のプライマーでSSX4 geneの転写開始点の下流38 bp(+32)から上流2863 bp(-2863)を増幅する:
SSX4 promoter F ;GCTTCATGGGTTCATTTCTCAGG(配列番号11)、
SSX4 promoter R ;GTGGAAGAATCAAAAGGGCAAATC(配列番号12)。
【実施例】
【0086】
(ii)次に、増幅により得られたDNA断片を、Bgl IIの認識部位を付加した下記のプライマー:
SSX4 ProF+ ;TTAGATCTGCTTCATGGGTTCATTTCTCAGG(配列番号13)、および
SSX4 ProR+ ;GAAGATCTGTGGAAGAATCAAAAGGGCAAATC(配列番号14)
を用いて増幅した後、得られた増幅DNAをBgl IIで消化し、ホタルルシフェラーゼ遺伝子を構造遺伝子として有するpGL3 Basic Vector(Promega社製)のBgl II認識部位にクローニングする。
【実施例】
【0087】
また、コンストラクト2~9についても、上記と同様に正常ヒトリンパ球から抽出したゲノムDNAを鋳型として、下記のそれぞれのプライマーと上記SSX4 promoter R(配列番号12)を用いてPCRで増幅し、得られた増幅DNAをNhe IとBgl IIで切断後、pGL3 Basic Vector(Promega社製)のマルチクローニング部位に挿入することによって、プロモーター活性検出用プラスミドを作成した。
コンストラクト2〔SSX4(-1931~+32)〕;ATGCTAGCGATCTCAGCTCAATGCAACC(配列番号15)
コンストラクト3〔SSX4(-1162~+32)〕;ATGCTAGCAATGAGATGGGAGGATTGAC(配列番号16)
コンストラクト4〔SSX4(-885~+32)〕;ATGCTAGCAGGGACATGGATGAAATTG(配列番号17)
コンストラクト5〔SSX4(-485~+32)〕;ATGCTAGCCAACAGATGTAGAAGCCAC(配列番号18)
コンストラクト6〔SSX4(-255~+32)〕; ATGCTAGCACAAAGTGTGGCTGGAGG(配列番号19)
コンストラクト7〔SSX4(-107~+32)〕; TTGCTAGCCCAGGCTCTAGGGACAGAACCT(配列番号20)
コンストラクト8〔SSX4(-60~+32)〕;TTGCTAGCACTCTGATTTTCCCGCCGAAAG(配列番号21)
コンストラクト9〔SSX4(-22~+32)〕; TTGCTAGCCTACTTTAAATTCAGAGTACGC(配列番号22)。
【実施例】
【0088】
(1-2)プロモーター活性の測定
上記で作成した各種のコンストラクトを挿入したプロモーター活性検出用プラスミド1~9を、正常星状細胞(NHA:Normal Human Astrocytes)、テロメラーゼ触媒サブユニットを導入した不死化ヒト繊維芽細胞 BJ-5ta 、並びに神経膠腫細胞株U87-MG、SNB19、およびT98G にそれぞれトランスフェクションし、その細胞溶解液におけるホタルルシフェラーゼの活性を測定し、プロモーター活性を求めた。
【実施例】
【0089】
具体的には、上記で作成したプロモーター活性検出用プラスミド1~9(0.5μg)、および対照としてSV40ウイルスのプロモーターおよびエンハンサーを含むpGL3 Control vector (Promega社製)(0.5μg)のそれぞれに、内在性コントロールベクターとしてphRL-TK(Promega社製)50ngを混ぜ、FuGENE6トランスフェクション試薬(Roche製)を用いて、その取り扱い説明書に従って、上記各種細胞にトランスフェクションをした。ちなみに、各種細胞として、トランスフェクションの前日に、予め12 well プレートに1x105 細胞の割合で播種しておいたものを使用した。トランスフェクションの2日後に、細胞をPBSで洗浄し、100 μlのPassive Lysis Buffer で溶解し、遠心後、上清を細胞溶解液とした。
【実施例】
【0090】
その細胞溶解液におけるプロモーター活性検出用プラスミドに起因するホタルルシフェラーゼと内在性コントロールベクターに起因するサンゴルシフェラーゼの活性を、Dual Luciferase reporter assay system(Promega社製)を用いて、その取り扱い説明書に従って、測定をした。なお、内在性コントロールベクターは、遺伝子導入の効率を標準化するためのものであり、そのTKプロモーターによるサンゴルシフェラーゼの活性に基づいて、ホタルルシフェラーゼ活性を補正した。
【実施例】
【0091】
(2)結果
結果を図4に示す。結果は、対照として用いたpGL3 Control Vectorのプロモーター活性を1としてそれとの相対比で示す。なお、結果は、プロモーター活性の測定を3回おこなった平均値を示す。
【実施例】
【0092】
図4に示すように、転写開始点(SSX4遺伝子の5’末端の塩基)から255 bp 上流の領域を含むコンストラクト(図4中、上から6番目のコンストラクト6:-255~+32bpを含む)は、255 bpよりも上流領域を含むコンストラクト(図4中、上から1~5番目のコンストラクト1~5)のプロモーター活性とほぼ同等の強いプロモーター活性を示した。また上記コンストラクト6は、コンストラクト1~5と同様に、腫瘍細胞(神経膠腫細胞株U87-MG、SNB19、およびT98G)においてのみ特異的にプロモーター活性を示し、正常星状細胞(NHA)または不死化ヒト繊維芽細胞(BJ-5ta)においては殆どプロモーター活性を示さなかった。この結果から、SSX4遺伝子の転写開始点(SSX4遺伝子の5’末端の塩基)を基点+1としてその255bp上流領域(「-255~-1」の領域:配列番号1)が、最小の脳腫瘍特異的なプロモーター領域であることが判明した。
【実施例】
【0093】
実験例3 脳腫瘍特異的プロモーターによる腫瘍特異的細胞死の誘導(図5参照)
(1)レトロウイルスベクターの作成(図5)
実験例1で同定した最小のプロモーター領域を有する脳腫瘍特異的プロモーターとして、転写開始点(SSX4 mRNAの5’末端の塩基)から255 bp 上流の領域を含むコンストラクト6(-255~+32領域)(配列番号19)、および転写開始点から485 bp 上流の領域を含むコンストラクト5(-485~+32領域)(配列番号18)を、それぞれ「SSX4プロモーター1」および「SSX4プロモーター2」として用いて、自殺遺伝子の発現を制御するレトロウイルスベクター(pSSX255-HSVtk、pSSX485-HSVtk)を作成した(図5参照)。なお、自殺遺伝子として、ヘルペスウイルス・チミジンキナーゼ(HSVtk)の遺伝子を用いた。
【実施例】
【0094】
また比較のため、プロモーターとしてCMVプロモーターを含むレトロウイルスベクター(pCMV-HSVtk)、およびプロモーターを欠失させたレトロウイルスベクター(pRΔ-HSVtk)を作成した(図5参照)。
【実施例】
【0095】
具体的には、各ベクターは、レトロウイルスベクターであるpRetroQ DsRed(Invitrogen)を用いて、下記の方法に従って作成した。なお、pRetroQ DsRedは、細胞に導入された後に、感染細胞における逆転写中に、ウイルスRNA発現調節のプロモーターであり且つエンハンサーとして機能するLTRが欠失することによって(5’LTRを置換する3’LTRエンハンサー内の欠失)、自己不活性化するSIN(self-inactivated)ベクターである。
【実施例】
【0096】
(1-1) CMVプロモーターを含むレトロウイルスベクター(pCMV-HSVtk)の作成
HSVtkの調製は、まずレトロウイルスベクター(MBP/pIP250+)を鋳型として、HSVtk1F:CGCCACCATGGCTTCGTACCCCTGCCATCA(配列番号23)、HSVtk1R:TCAGTGAGCCTCCCCCATC(配列番号24)をプライマーとして用いてPCR法を行い、得られた増幅産物を精製した後、再度、HSVtk2F;AATTGGATCCCGCCACCATGGCTTCGTAC(配列番号25)、HSVtk2R;TATGCGGCCGCTCAGTGAGCCTCCCCCATC(配列番号26)をプライマーとして用いてPCR法を行った。斯くして得られた増幅産物を、BamH IとNot I で消化して、HSVtkを切り出した後、同じ酵素で切断したpRetroQ DsRed(Invitrogen)ベクターに挿入し、DsRedをHSVtkに置換したレトロウイルスベクター(pCMV-HSVtk)を調製した。
【実施例】
【0097】
(1-2) プロモーターを欠失させたレトロウイルスベクター(pRΔ-HSVtk)の作成
pRetroQ DsRed(Invitrogen)を鋳型として、pRetroDelF; TCCGCTAGCGCTACCGGA(配列番号27)、pRetroDelR;AGCTAGCTATGATCTTCAATTCCG(配列番号28) をプライマーとして用いてPCR法を行った。得られた増幅産物を、Nhe I で消化した後、セルフライゲーションを行い、CMVプロモーターとDsRedを欠失させた(CMVプロモーター・DsRed欠失/pRetroQ DsRedベクター)。斯くして得られたCMVプロモーター・DsRed欠失/pRetroQ DsRedベクターをBamH IとNot I で消化した後、(1-1)に記載する方法で調製したHSVtkを挿入し、プロモーターを欠失したレトロウイルスベクター(pRΔ-HSVtk)を調製した。
【実施例】
【0098】
(1-3) コンストラクト6を含むレトロウイルスベクター(pSSX255-HSVtk)の作成
(1-2)において、CMVプロモーター・DsRed欠失/pRetroQ DsRedベクターにHSVtkを挿入した後、SSX4pro2R;ATAATGTCGACGTGGAAGAATCAAAAGGGC(配列番号29)と、SSX4-255(コンストラクト6(SSX4(-255~+32))(配列番号19)をプライマーとして用いてPCR法を行った。次いで、Nhe IとSal Iで消化したSSX4プロモーター(コンストラクト6)を、同じ制限酵素で消化したHSVtkを含むCMVプロモーター・DsRed欠失/pRetroQ DsRedベクターに挿入し、コンストラクト6を含むレトロウイルスベクター(pRSSX255-HSVtk)を作成した。
【実施例】
【0099】
(1-4) コンストラクト5を含むレトロウイルスベクター(pSSX485-HSVtk)の作成
(1-2)において、CMVプロモーターとDsRedを欠失したpRetroQ DsRedベクターにHSVtkを挿入した後、SSX4pro2R ; ATAATGTCGACGTGGAAGAATCAAAAGGGC(配列番号29)とSSX4-485(コンストラクト5(SSX4(-485~+32))(配列番号18)をプライマーとして用いてPCR法を行った。次いで、Nhe IとSal Iで消化したSSX4プロモーター(コンストラクト5)を、同じ制限酵素で消化したHSVtkを含むCMVプロモーター・DsRed欠失/pRetroQ DsRedベクターに挿入し、コンストラクト5を含むレトロウイルスベクター(pRSSX485-HSVtk)を作成した。
【実施例】
【0100】
なお、構築した各ベクターは全てシークエンシングにより塩基配列を決定し、データベース上の配列と一致することを確認した。
【実施例】
【0101】
(2)レトロウイルスの産生と遺伝子導入
Amphotropic retrovirus を産生可能なパッケージング細胞PAMP51(Yoshimatsu T. et al., Human Gene Therapy 9, January, 161-172, 1998.)2x105細胞を、6ウェルプレートの各ウェル内の、抗生物質を含まない10 % ウシ胎児血清を含むDMEMに播種し、翌日、この細胞に上記(1)で各々作成したレトロウイルスベクター 2 μgを、Fugene 6トランスフェクション試薬(Roche社製)を用いて、その使用説明書記載の通りにリポフェクションした。翌日、培養上清を、抗生物質を含む培養液に交換し、32℃で培養をした。4日後に、培養上清を0.45μm のフィルターで濾過して細胞を除き、これをウイルス溶液とした。
【実施例】
【0102】
なお、マウス神経膠芽腫細胞株RSV-M、ヒト膠芽腫細胞株U87MG、T98Gへのレトロウイルスベクターの導入は、感染させる前日に2x105細胞を6ウェルプレートに播種し、1 mlの1x104-105cfuのウイルスと1μg /mlのpolybren を含む培養液に交換し、3時間37 ℃でウイルス感染させ、2 ml の新しい培養液を添加後、37℃で2日間、培養した。ウイルスベクターを導入した細胞は、500μg / ml のG418を含む培養液で2週間、選択培養し、その後の実験に用いた。ウイルス溶液の力価はマウス不死化細胞株NIH3T3を用いて求めた。
【実施例】
【0103】
(3)GCVによる細胞死誘導効果の測定
上記で作成したレトロウイルスベクター(pCMV-HSVtk、pRΔ-HSVtk、pRSSX255-HSVtk、pRSSX485-HSVtk) を、腫瘍細胞(膠芽腫細胞株U87MG、マウス神経膠芽腫細胞株RSV-M)、または正常細胞(ヒト繊維芽細胞BJ-5ta)に導入し、斯くして得られた細胞にプロドラッグとしてガンシクロビル(GCV)(濃度:0、0.01、0.05、0.1、0.5、1、5、10 μM )を添加し、5日後の細胞の生存率を、MTTアッセイを用いて測定した。また対照試験として、レトロウイルスベクターを導入していない各種の細胞について、上記と同様にして各種濃度のガンシクロビル(GCV)を添加し、5日後の細胞の生存率を、MTTアッセイを用いて測定した。
【実施例】
【0104】
(4)実験結果
結果を図6に示す。SSX4プロモーターを含むベクター(pRSSX255-HSVtk、pRSSX485-HSVtk)を導入した腫瘍細胞(図dとe中のRSV-M(-◆-)とU87MG(-■-))は、GCVの添加濃度に依存して感受性を示し、細胞増殖が阻害され、または死滅した。一方、SSX4プロモーターを含むベクター(pRSSX255-HSVtk、pRSSX485-HSVtk)を導入した正常細胞(ヒト繊維芽細胞BJ-5ta:-▲-)には、殆ど増殖阻害が観察されなかった。一方、図cに示すように、CMVプロモーターを含むベクター(pCMV-HSVtk)を導入した細胞は、腫瘍細胞および正常細胞ともにGCVの添加濃度依存的に細胞増殖が抑制されることが観察された。また、図aおよびbに示すように、ベクター導入をしていない野生型細胞(Wild type)およびプロモーターを欠失したベクターを導入した細胞(pRΔ-HSVtk)は、GCVの添加に対して抵抗性を示し、増殖阻害は観察されなかった。以上のことから、配列番号1に記載する塩基配列を最小配列として有するSSX4プロモーターをHSVtkの発現制御に用いたベクターは、in vitroにおいて腫瘍細胞特異的に増殖抑制や細胞死を誘導することが確認された。
【実施例】
【0105】
実施例4 腫瘍特異的レトロウイルスベクターによる腫瘍形成抑制効果の検討(図7)
次に、実験例3で作成したレトロウイルスベクター(pRSSX255-HSVtk、pRSSX255-HSVtk)のin vivo における効果を確認するために、これらのベクターを導入したRSV-Mの同系マウスC3H/HeNの皮下における造腫瘍性効果を検討した。
【実施例】
【0106】
(1)実験方法
マウス皮内における抗腫瘍効果の検索
マウス神経膠芽腫細胞株RSV-Mに、実験例3で作成したレトロウイルスベクター(pCMV-HSVtk、pRΔ-HSVtk、pRSSX255-HSVtk、pRSSX485-HSVtk)を導入した細胞(5x106細胞)、およびレトロウイルスベクターを導入しない野生型細胞(5x106細胞)を、それぞれ100μlのPBSに懸濁し、マウス神経膠芽腫細胞株RSV-Mと同系のマウスC3H/HeNの皮下に投与した。その翌日から、GCV(25 mg/kg)を毎日、腹腔内投与し、形成される腫瘍体積(mm3)の変化を25日間、1日おきに測定した。腫瘍の体積は、腫瘍の「短辺の2乗×長辺」で計算した。
【実施例】
【0107】
比較実験として、RSV-MにレトロウイルスベクターとしてpRSSX255-HSVtkおよびpRSSX485-HSVtkをそれぞれ導入して調製した細胞(5x106細胞)を100μlのPBSに懸濁し、マウスC3H/HeNの皮下に投与した後、GCV(25 mg/kg)を腹腔内投与せずに、形成される腫瘍体積(mm3)の変化を25日間、1日おきに測定した。
【実施例】
【0108】
(2)実験結果
結果を図7に示す。レトロウイルスベクターとしてSSX4プロモーターを含むベクター(pRSSX255-HSVtk、pRSSX485-HSVtk)を導入していない細胞(図中、-◆- Wild Type、-■- CMV、-—▲— Δとして示す)、SSX4プロモーターを含むベクターが導入されているもののGCVを投与していない細胞(図中、-●- pSSX4-255 w/o GCV、-□- pSSX4-485 w/o GCVとして示す)では、細胞の接種後、約4週間で腫瘍は増大した。
【実施例】
【0109】
一方、SSX4プロモーターを含むベクター(pRSSX255-HSVtkおよびpRSSX485-HSVtk)を導入した細胞(図中、-△- pSSX4-255、-○- pSSX4-485)では、GCVの投与により腫瘍の増大が顕著に抑制された。これらのマウスではGCVの投与をやめて3ヵ月以上経過したマウスにおいても、腫瘍の増大が観察されなかったことから、腫瘍細胞が完全に排除されたと考えられた。この結果から、配列番号1に記載する塩基配列を最小配列とするSSX4プロモーターによるHSVtkの発現制御がin vivoにおいても有効であり、腫瘍細胞特異的に細胞の増殖抑制や細胞死が誘導されることが確認された。
【実施例】
【0110】
また実験例1に示すように、SSX4遺伝子は、腫瘍細胞の中でも、特に脳腫瘍細胞および脳腫瘍組織に特異的に発現し、精巣を除く正常細胞および正常組織では発現が厳格に抑制されている遺伝子であることから、配列番号1に記載する塩基配列を最小配列とする、そのプロモーター(SSX4プロモーター)は、脳腫瘍特異的なプロモーターとして有用であると考えられる。
【配列表フリ-テキスト】
【0111】
配列番号1は本発明の腫瘍特異的プロモーターの最小配列を、また配列番号2および3は腫瘍特異的プロモーターの塩基配列の一例を示す。配列番号4~29はいずれも下記のプライマーの塩基配列を意味する。配列番号4:hSSX4遺伝子用Forward プライマー、配列番号5:hSSX4遺伝子用Reverseプライマー、配列番号6:βアクチン遺伝子用Forward プライマー、配列番号7:βアクチン遺伝子用Reverseプライマー、配列番号8:SSX4GSP1プライマー、配列番号9:SSX4GSP2プライマー、配列番号10:SSX4GSP3プライマー、配列番号11:SSX4 promoter F 、配列番号12:SSX4 promoter R、配列番号13:SSX4 ProF+ プライマー、配列番号14:SSX4 ProR+プライマー、配列番号15:コンストラクト2〔SSX4(-1931~+32)〕構築用プライマー、配列番号16:コンストラクト3〔SSX4(-1162~+32)〕構築用プライマー、配列番号17:コンストラクト4〔SSX4(-885~+32)〕構築用プライマー、配列番号18:コンストラクト5〔SSX4(-485~+32)〕構築用プライマー、配列番号19:コンストラクト6〔SSX4(-255~+32)〕構築用プライマー、配列番号20:コンストラクト7〔SSX4(-107~+32)〕構築用プライマー、配列番号21:コンストラクト8〔SSX4(-60~+32)〕構築用プライマー、配列番号22:コンストラクト9〔SSX4(-22~+32)〕構築用プライマー、配列番号23: HSVtk1Fプライマー、配列番号24:HSVtk1Rプライマー、配列番号25:HSVtk2Fプライマー、配列番号26:HSVtk2Rプライマー、配列番号27:pRetroDelFプライマー、配列番号28:pRetroDelRプライマー、配列番号29:SSX4pro2Rプライマー。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
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【図6】
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【図7】
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