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明細書 :白色干渉法による振動測定装置及び振動測定方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5669182号 (P5669182)
公開番号 特開2012-083274 (P2012-083274A)
登録日 平成26年12月26日(2014.12.26)
発行日 平成27年2月12日(2015.2.12)
公開日 平成24年4月26日(2012.4.26)
発明の名称または考案の名称 白色干渉法による振動測定装置及び振動測定方法
国際特許分類 G01H   9/00        (2006.01)
G01B   9/02        (2006.01)
G01B  11/00        (2006.01)
G01N  21/45        (2006.01)
FI G01H 9/00 C
G01B 9/02
G01B 11/00 G
G01N 21/45 A
請求項の数または発明の数 2
全頁数 12
出願番号 特願2010-231050 (P2010-231050)
出願日 平成22年10月14日(2010.10.14)
審査請求日 平成25年10月8日(2013.10.8)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504151365
【氏名又は名称】大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構
発明者または考案者 【氏名】青戸 智浩
個別代理人の代理人 【識別番号】100093816、【弁理士】、【氏名又は名称】中川 邦雄
審査官 【審査官】田中 秀直
参考文献・文献 特開平07-181075(JP,A)
特開2009-186191(JP,A)
特開2006-226687(JP,A)
特開2004-271493(JP,A)
特開2008-101963(JP,A)
米国特許出願公開第2010/0085575(US,A1)
調査した分野 G01H 1/00-17/00
G01B 9/02
G01B 11/00
特許請求の範囲 【請求項1】
白色光源から照射される白色光を参照光と測定光に分割する光カプラと、
前記光カプラから光ファイバを介して照射された参照光の進行方向を変える光学素子、前記光学素子から出た参照光の進行方向を反転する反射素子、前記光学素子を往復移動させる直動ステージ、及び前記光学素子の位置を取得するスケールヘッドからなる参照光路長スキャナ部と、
前記光カプラから光ファイバを介して照射された測定光を発散又は収束させる集光レンズと、前記参照光路長スキャナ部と同期して前記集光レンズを移動させ測定光のスポットサイズを調整するレンズ移動機構からなるセンサ部と、
前記参照光路長スキャナ部から返った参照光と前記センサ部から返った測定光を合成させ、合成結果を電気信号である干渉信号として出力する光検出器と、
干渉信号を所定時間取得し、得られた干渉信号の強度を高速フーリエ変換処理で干渉信号の強度の周波数と振幅を解析して、測定対象物の振動周波数及び振動変位量を同時に求める処理装置と、
からなり、
前記所定時間取得する干渉信号は、
前記処理装置が、
前記光検出器で得られた干渉信号から最大振幅を示す干渉縞の振幅の中心を通るゼロベース直線を求めるとともに前記直動ステージを移動させることにより、前記干渉縞と前記ゼロベース直線の交差点位置に対応する位置に前記光学素子を位置させたときの所定時間の干渉信号の強度であることを特徴とする
白色干渉法による振動測定装置。
【請求項2】
白色光源から出射された白色光を測定対象物に向かう照射光と、移動可能な光学素子に向かう参照光に分割し、測定対象物及び光学素子で反射した測定光及び参照光を干渉させて干渉縞を得る白色干渉法を利用した測定対象物の振動を測定する方法であって、
干渉縞の振幅の中心を通るゼロベース直線を求め、前記干渉縞と前記ゼロベース直線の交差点に対応する位置へ前記光学素子を移動させ、干渉信号を所定時間取得し、取得した干渉信号の強度を高速フーリエ変換処理で干渉信号の強度の周波数と振幅を解析して、測定対象物の振動周波数及び振動変位量を同時に求めることを特徴とする白色干渉法による振動測定方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、白色干渉法(低コヒーレンス干渉法)測長器を用いた非接触寸法測定装置において、測定対象物の微小振動を測定する技術、即ち測定対象物の振動周波数及び振動変位量の測定技術に関する。
【背景技術】
【0002】
干渉法は、複数の波を干渉させるとき、波長の整数倍に近付くと強め合い、その中間に近付くにつれ弱め合うことを利用して、波長や位相差を測定する技術である。
【0003】
尚、白色干渉法(低コヒーレンス干渉法)は、コヒーレンス長(干渉縞を得ることの出来る最大の光路差)の短い白色光源を用いる手法で、微小距離の測定や、物体の微細な構造や形状を計測することができる。
【0004】
図4は、本発明である白色干渉測長技術の原理を示す図である。図4(A)は白色干渉法13の装置構成であり、図4(B)は白色干渉法13で得られる干渉波形を示すインターフェログラム14である。
【0005】
白色光源13aからハーフミラー13cに向け、白色光13bを照射し、白色光13bをハーフミラー13cで参照光13dと測定光13eに分割する。尚、ハーフミラー13cは、反射光と透過光の強さがほぼ1:1のビームスプリッタである。
【0006】
ハーフミラー13cで反射した参照光13dは位置移動可能(図中両矢印)な参照鏡13gに照射され、ハーフミラー13cを透過した測定光13eはレンズ13fを介して対象物13hに照射される。
【0007】
参照鏡13gで反射しハーフミラー13cを透過した参照光13dと、対象物13hから返りハーフミラー13cで反射した測定光13eとを、検出器13iに取り込み、干渉させる。
【0008】
白色光源13aによる干渉縞14a(図4(B))は、測定光13eと参照光13dの光路差がないとき、即ち各光路長がほぼ等しいときに見られ、各光路長が一致したとき干渉縞14aの振幅が最大となる。そのときの干渉縞14aのコントラスト最大位置14bが対象物13hの表面高さとなる。そして、干渉縞14aの最大振幅を示す参照鏡の位置の決定精度が対象物13hの位置、構造を測定する際の測定精度となる。
【0009】
参照光13dの光路長を精度良く走査し白色干渉縞14aの位相情報を得ることで、対象物の位置、形状をナノメートル精度で計測することも可能となる。
【0010】
特許文献1等には、レーザーを用いた非接触で対象物の振動を計測する技術が公開されている。また、特許文献2~4には、白色干渉法を用いた技術が公開されている。
【先行技術文献】
【0011】

【特許文献1】特開2009-008529号公報
【特許文献2】特開2010-101629号公報
【特許文献3】特開2010-096551号公報
【特許文献4】特開2009-186191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
従来の振動測定センサでは、センサ自体を対象に接触させて測定するものが多く、さらにkHzオーダの高速応答が困難で、振動変位量の検出精度もμメートルオーダであった。また、非接触式(レーザー式(特許文献1)や音波式)のセンサでは、μメートルオーダ精度で振動変位量の検出が可能であるが、測定対象物の位置を検出することに課題があった。さらに、白色干渉法を用いた技術(特許文献2~4)では、白色干渉法を用いた位置の決定と振動計測とは別々の手法で行われている。
【0013】
そこで、本発明は、白色干渉法を用いた非接触測定器において、μメートルオーダの高精度で測定対象物の位置を決定し、さらに、測定対象物の振動周波数をkHzオーダの高速で検出でき、かつナノメートルオーダの振動変位量を測定できる白色干渉法による振動測定装置及び白色干渉法による振動測定方法を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
白色光源から照射される白色光を参照光と測定光に分割する光カプラと、
前記光カプラから光ファイバを介して照射された参照光の進行方向を変える光学素子、前記光学素子から出た参照光の進行方向を反転する反射素子、前記光学素子を往復移動させる直動ステージ、及び前記光学素子の位置を取得するスケールヘッドからなる参照光路長スキャナ部と、
前記光カプラから光ファイバを介して照射された測定光を発散又は収束させる集光レンズと、前記参照光路長スキャナ部と同期して前記集光レンズを移動させ測定光のスポットサイズを調整するレンズ移動機構からなるセンサ部と、
前記参照光路長スキャナ部から返った参照光と前記センサ部から返った測定光を合成させ、合成結果を電気信号である干渉信号として出力する光検出器と、
干渉信号を所定時間取得し、得られた干渉信号の強度を高速フーリエ変換処理で干渉信号の強度の周波数と振幅を解析して、測定対象物の振動周波数及び振動変位量を同時に求める処理装置と、
からなり、
前記所定時間取得する干渉信号は、
前記処理装置が、
前記光検出器で得られた干渉信号から最大振幅を示す干渉縞の振幅の中心を通るゼロベース直線を求めるとともに前記直動ステージを移動させることにより、前記干渉縞と前記ゼロベース直線の交差点位置に対応する位置に前記光学素子を位置させたときの所定時間の干渉信号の強度であることを特徴とする
白色干渉法による振動測定装置の構成とした。
【0016】
白色光源から出射された白色光を測定対象物に向かう照射光と、移動可能な光学素子に向かう参照光に分割し、測定対象物及び光学素子で反射した測定光及び参照光を干渉させて干渉縞を得る白色干渉法を利用した測定対象物の振動を測定する方法であって、
干渉縞の振幅の中心を通るゼロベース直線を求め、前記干渉縞と前記ゼロベース直線の交差点に対応する位置へ前記光学素子を移動させ、干渉信号を所定時間取得し、取得した干渉信号の強度を高速フーリエ変換処理で干渉信号の強度の周波数と振幅を解析して、測定対象物の振動周波数及び振動変位量を同時に求めることを特徴とする白色干渉法による振動測定方法の構成とした。
【発明の効果】
【0017】
本発明は、上記構成であるので、μメートルオーダの高精度で測定対象物の位置を決定し、さらに測定対象物の振動をkHzオーダの高速で検出でき、かつナノメートルオーダの振動変位量の測定が可能になる。
【0018】
例えば、加速空洞モジュールのように、測定対象物が容器内にある場合に、光透過性の窓を通して、測定対象物の振動周波数、振動変位量を測定することができる。
【0019】
さらに、放射光ナノビーム等で、分光器のミラーや回析格子といった真空中にある光学素子の位置、振動を、真空封止してある光透過性の窓を通じて測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】本発明である白色干渉法による振動測定装置の模式図である。
【図2】白色干渉法による振動測定方法のフローである。
【図3】図2フローに沿ったデータの解析手順を示す図である。
【図4】本発明である白色干渉法測長技術の原理を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、本発明について、図面を参照しながら詳細に説明する。
【実施例1】
【0022】
図1に示すように、本発明である白色干渉法による振動測定装置1は、干渉計部2と、参照光路長スキャナ部7と、センサ部8と、処理装置11とからなり、測定対象物の振動周波数と振動変位量を求めることができる。
【実施例1】
【0023】
振動変位量とは、測定対象物13hがある特定のまたは複数の周波数で時間的に周期的な微小移動している際の移動量である。
【実施例1】
【0024】
干渉計部2は、白色光源3と、光カプラ4と、光検出器5とからなる。そして、光カプラ4と、白色光源3及び参照光路長スキャナ部7及びセンサ部8及び光検出器5とは、光ファイバ6で繋がれる。干渉計部2は、白色光3aを参照光と測定光(もしくは2つ以上の光路)に分割し、さらに参照光と測定光(もしくは2つ以上の光路からの光)を干渉させる。
【実施例1】
【0025】
白色光源3は、白色光3aを照射する装置であり、高輝度で低コヒーレンス性であるSLD(スーパールミネッセントダイオード)、パルス幅がフェムト秒レベルであるフェムト秒レーザー、波長走査型レーザー等がある。
【実施例1】
【0026】
光カプラ4は、光ファイバ6中の光を分割する装置である。入射した白色光3aを参照光4bと測定光4cに分割し、参照光4bは参照光路長スキャナ部7に送り、測定光4cはセンサ部8に送る。
【実施例1】
【0027】
光カプラ4は、例えば、ビームスプリッタ(ハーフミラー13c)又はそれと同等の機能を有する他の手段を備える。すなわち光ファイバ6中の光を2つまたはそれ以上の経路に、1:1もしくは他の比率に分割する。
【実施例1】
【0028】
光検出器5は、参照光路長スキャナ部7から返る参照光4bと、センサ部8から返る測定光4cを光カプラ4において合成し、電気信号(アナログ)である干渉信号11aとして処理装置11に出力する。
【実施例1】
【0029】
光ファイバ6は、光の伝送路であり、機器間で光を送受する。透過率の高い石英ガラス又はプラスチックで出来ており、外側よりも芯の屈折率を高くすることで光を芯にだけ伝搬させる。
【実施例1】
【0030】
参照光路長スキャナ部7は、光カプラ4から入射した参照光4bを反射して光カプラ4に戻す。そして、干渉計部2から入射した参照光4bを反射させて干渉計部2に返す過程において、参照光4bの光路長を変化させる。
【実施例1】
【0031】
参照光路長スキャナ部7は、光学素子7a、直動ステージ7b、スケールヘッド7c、リニアスケール7d、反射素子7e、ファイバコネクタ7f等からなり、光ファイバ6に接続され、干渉計部2から出た参照光4bが入射される。
【実施例1】
【0032】
参照光路長スキャナ部7内には、位置を示すリニアスケール7dが配され、直動ステージ7bが往復移動可能に設置される。直動ステージ7bに取り付けたスケールヘッド7cでリニアスケール7d上の目盛りを読み取り直動ステージ7bの位置を取得することができる。
【実施例1】
【0033】
直動ステージ7b上には、光学素子7aが光ファイバ6に接続されるファイバコネクタ7fに対向するように載置され、ファイバコネクタ7fの隣に反射素子7eが光学素子7aに対向するように固定される。
【実施例1】
【0034】
光学素子7aは、再帰性反射ができる直角プリズムミラーやCCP(コーナーキューブ・プリズム)などが用いられ、直角に組み合わせた面に光を入射させ、数回の反射により光を元来た方向へ返す。
【実施例1】
【0035】
直動ステージ7bは、参照光4bの進行方向と同方向又は逆方向にスライドできる移動体である。直動ステージ7bを移動させることで、参照光4bの光路長を変化させることができる。直動ステージ7bの移動は、処理装置11が、光検出器5からの干渉信号11a及びスケールヘッド7cからのスケール信号11bを基に、処理装置11が移動制御信号11dを生成し、直動ステージ7bに出力して制御される。

【実施例1】
【0036】
スケールヘッド7cは、直動ステージ7bと共に移動しながらリニアスケール7d上の位置情報を読み取る。尚、直動ステージ7bが車輪やローラ等の回転体で移動する場合は、回転体の回転量から移動量を把握しても良い。スケールヘッド7cが取得した直動ステージ7bの位置は、スケールヘッド7cがスケール信号11bとして出力し、処理装置11で使用される。
【実施例1】
【0037】
リニアスケール7dは、直動ステージ7bの可動範囲に目盛り等を付したものであり、直動ステージ7bの移動量を取得することで、参照光4bの光路長を把握することができるようにしたものである。
【実施例1】
【0038】
反射素子7eは、ミラーなどが用いられ、光の進行方向を反対方向にすることができる。尚、反射素子7eは終端であり、ファイバコネクタ7fから反射素子7eに至るまで、間に光学素子7aを複数個用いて光を複数回往復させても良い。それにより、参照光4bの光路長の変化量を長くすることができる。即ち、センサ部8から測定対象物13hまでの距離が長い場合でも測定可能になる。
【実施例1】
【0039】
ファイバコネクタ7fは、干渉計部2に接続する光ファイバ6の先端を保持し、光ファイバ6から出射された参照光4bを直動ステージ7b上の光学素子7aに当てることができるように固定したものである。
【実施例1】
【0040】
直動ステージ7bを往復移動させると、参照光4bの光路長は光カプラ4からファイバコネクタ7fと光学素子7aを経て反射素子7eに至るまでとなるので、参照光4bの光路長を直動ステージ7bの移動量の2倍で変化させることができる。
【実施例1】
【0041】
尚、光学素子7aを直動ステージ7b上とファイバコネクタ7fの隣に配置し、反射素子7eを直動ステージ7b上に配置すると、参照光4bの光路長を直動ステージ7bの移動量の3倍で変化させることができる。即ち、光学素子7aと反射素子7eの組み合わせを増やすことにより、参照光4bの光路長のスキャン長さを長くすることができる。
【実施例1】
【0042】
反射素子7eで反射された参照光4bは、そのまま同じ経路を逆戻りして光ファイバ6の先端を保持するファイバコネクタ7fまで到達し、光ファイバ6内を通って干渉計部2へ返る。
【実施例1】
【0043】
センサ部8は、ファイバコネクタ8b、集光レンズ8c、8d、レンズ移動機構8e等からなり、光カプラ4から延びる光ファイバ6を介して、集光レンズ8cに向けて測定光4cを照射する。そして、光カプラ4から入射した測定光4cを測定対象物13hで反射させて光カプラ4に戻す。
【実施例1】
【0044】
ファイバコネクタ8bは、光ファイバ6の測定光4cの測定対象物13h側の終端を保持する。光ファイバ6から出射された測定光4cは、集光レンズ8cに至る。
【実施例1】
【0045】
集光レンズ8c、8dは、凸レンズ等を2枚又は複数枚用いて測定光4cを発散又は収束させることで、測定光4cの焦点距離を変化させて、測定対象物13hに対する測定光4cのスポットサイズ(照射面積)の最適化に用いる。
【実施例1】
【0046】
レンズ移動機構8eは、集光レンズ8dを移動させて測定光4cの焦点を可変にするための装置である。レンズ移動機構8eの例としては、中空ボイスコイルモータや、小型ステージを用いた手段などがある。
【実施例1】
【0047】
通常、集光レンズ8cの位置を固定して集光レンズ8dの位置を可動にするが、集光レンズ8cの位置を可動にして集光レンズ8dの位置を固定しても良いし、集光レンズ8cと集光レンズ8dの両方を可動にしても良い。レンズ移動機構8eの移動制御は、処理装置11で行われる。
【実施例1】
【0048】
A/D変換器9は、アナログ信号である干渉信号11aをデジタル信号に変換する装置である。カウンター10は、スケールヘッド7cから取得したスケール信号11bを数値に変換する装置である。カウンター値はスケール信号11bを数値に変換しただけであるので等価と見なせる。
【実施例1】
【0049】
処理装置11は、必要に応じて各部材の動作制御、取得データの演算処理を行うコンピュータ装置である。
【実施例1】
【0050】
動作制御としては、参照光路長スキャナ部7から取得したスケール信号11bに応じてレンズ移動機構8eにレンズ移動制御信号11cを出力し、測定光4cのスポットサイズの最適化を行う。上述のように、干渉縞5aが最大振幅を示す光学素子7aの位置に直動ステージ7bの移動を制御する。さらに、光学素子7aを所定の位置に位置させ、所定時間干渉信号11aを取得するため、スケール信号11bを基に移動制御信号11dで直動ステージ7bの移動を制御する。
【実施例1】
【0051】
処理装置11の演算処理としては、光検出器5からの干渉信号11aを基に、最大振幅を示す干渉縞5aを決定する。最大振幅を示す干渉縞5aは、直動ステージ7bの移動量即ちスケール信号11bに対して干渉信号11aの強度を得ることで決定される。
【実施例1】
【0052】
また、処理装置11は、干渉信号11a、スケール信号11bを基に、レンズ移動機構8eの集光レンズ8d、8cの位置、直動ステージ7bの位置を移動する。これら移動は同期して行う。直動ステージ7bを所定の位置に移動させた後に所定時間干渉信号11aの強度を取得して、そのデータを高速フーリエ変換処理して、干渉信号の強度の周波数及び振幅を解析する。その解析に基づき、測定対象物13hの振動周波数及び振動変位量を求める。
【実施例2】
【0053】
図2に、本発明である白色干渉法による振動測定方法の一例として、図1に示す白色干渉法による振動測定装置1を用いた白色干渉法による振動測定方法12のフローを示した。
【実施例2】
【0054】
白色干渉法による振動測定方法12は、白色光照射、センサ部移動・固定、参照光の光路長スキャン、測定光のスポットサイズ最適化、干渉縞の検出ステップ、干渉縞ゼロベース直線の計算、光学素子移動、データ収集、データ解析、振動周波数・振動変位量の計算(振動測定結果表示)の各ステップからなる。
【実施例2】
【0055】
白色光照射ステップは、白色光源3から白色光3aを照射し、光ファイバ6を介して光カプラ4に白色光3aを送る。光カプラ4で白色光3aを参照光4bと測定光4cに分割し、参照光4bを参照光路長スキャナ部7に、測定光4cをセンサ部8に送る。
【実施例2】
【0056】
センサ部移動・固定ステップは、センサ部8の先端部を測定対象物13hに向け、固定する。
【実施例2】
【0057】
参照光の光路長スキャンステップは、直動ステージ7bを直動ステージ7bが移動可動な全範囲または一部を移動させる。直動ステージ7bの移動とともに干渉信号11aは、光検出器5から処理装置11に出力される。
【実施例2】
【0058】
測定光のスポットサイズ最適化ステップは、参照光の光路長スキャナステップに同期して、処理装置11でレンズ移動制御信号11cを生成し、レンズ移動機構8eを駆動させ、集光レンズ8dを移動させる。そして、測定光4cの測定対象物13hにおけるスポットサイズを最適化する。
【実施例2】
【0059】
参照光4bと測定光4cの光路長がほぼ一致したとき干渉縞5aが得られることから、参照光路長スキャナ部7の直動ステージ7bの移動と、センサ部8の集光レンズ8dの移動は、測定位置10aのスポットサイズを最適化するように連動する。
【実施例2】
【0060】
干渉縞の検出ステップは、処理装置11が、干渉信号11aを基に、干渉縞5aの最大振幅を示す直動ステージ7bの位置を決定する。そのときの直動ステージ7bの位置、即ちスケール信号11bが示す位置を測定対象物13hの基準位置とする。検出される干渉縞5aは、図3(A)に示す波形となる。縦軸が干渉信号強度、横軸が光学素子(参照鏡)位置である。図3(B)、(C)においても同じ。
【実施例2】
【0061】
干渉縞ゼロベース直線の計算ステップは、処理装置11の演算により最大振幅干渉縞の振幅の中心を通るゼロベース直線を求める。ゼロベース直線は、図3(B)(C)に示した。
【実施例2】
【0062】
光学素子移動ステップは、干渉縞5aとゼロベース直線との交差点の位置に対応する位置へ、光学素子7aを位置させるため、直動ステージ7bを移動させる。前記交差点は、振動変位量に対する干渉信号の強度の変化率が大きいため、ナノメートルレベルの振動変位量も検出できることとなる。
【実施例2】
【0063】
データ収集ステップは、ある交差点位置に対応する光学素子7aの位置において、所定時間、干渉信号11aを取得する。測定対象物13hが振動することにより、干渉信号11aの強度は時間ともに変化する。処理装置11は、取得した干渉信号11aの強度(図3の(D))を処理装置11或いは別体の記憶装置に格納する。図3(D)における縦軸は干渉信号強度であり、横軸は参照鏡(光学素子7a)位置を固定した後の経過時間である。
【実施例2】
【0064】
データ解析ステップは、処理装置11の演算部で、図3の(D)に示す所定時間の干渉信号11aの強度データを、高速フーリエ変換処理して、所定時間の干渉信号11aの強度データから周波数及び振幅を解析する。
【実施例2】
【0065】
本発明における高速フーリエ変換は、公知の高速フーリエ変換技術(例えばウェブページhttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%AB%98%E9%80%9F%E3%83%95%E3%83%BC%E3%83%AA%E3%82%A8%E5%A4%89%E6%8F%9B参照)を用いて行われ、デジタル信号に対するフーリエ変換を高速に計算する手法である。
【実施例2】
【0066】
即ち、ここでの高速フーリエ変換では、横軸時間に対して縦軸干渉信号強度の所定時間のデータにある1つ又は複数の周波数成分を横軸周波数、縦軸振幅のデータに変換する。つまり、本発明における高速フーリエ変換は、ある一定時間の時間サンプリングした干渉信号11aの周波数成分を抽出する演算である。
【実施例2】
【0067】
振動周波数・振動変位量の計算ステップは、処理装置11の演算部で、データ解析ステップの解析結果を計算することで、測定対象物13hの振動周波数及び振動変位量を求める。即ち、高速フーリエ変換によって、振動周波数に応じた振幅のデータが得られる。この振幅データは、予め振動変位量の決まっている振幅との相関から、比較校正しておき、高速フーリエ変換によって得られた振幅のデータを振動変位量に換算する。
【実施例2】
【0068】
なお、図2に示すように、データ収集、データ解析、振動周波数・振動変位量の計算は、リアルタイムで行われる。リアルタイムとは、データ収集を実施しながらデータ解析を行い、振動周波数・振動変位量を得ることが連続同期的に行われるということである。
【実施例2】
【0069】
そして、測定対象物13hの振動周波数及び振動変位量が求められたら、画面等に結果を出力する。
【実施例2】
【0070】
このようにして、本発明である白色干渉法による振動測定方法12では、測定対象物13hに非接触で、μメートルオーダの高精度で測定対象物の位置を測定し、さらに、測定対象物の振動をkHzオーダの高速で検出でき、かつナノメートルオーダの振動変位量の測定が可能になる。
【符号の説明】
【0071】
1 白色干渉法による振動測定装置
2 干渉計部
3 白色光源
3a 白色光
4 光カプラ
4b 参照光
4c 測定光
5 光検出器
5a 干渉縞
6 光ファイバ
7 参照光路長スキャナ部
7c スケールヘッド
7d リニアスケール
7e 反射素子
7f ファイバコネクタ
8 センサ部
8b ファイバコネクタ
8c 集光レンズ
8d 集光レンズ
8e レンズ移動機構
9 A/D変換器
10 カウンター
11 処理装置
11a 干渉信号
11b スケール信号
11c 移動制御信号
11d 移動制御信号
12 白色干渉法による振動測定方法
13 白色干渉法
13a 白色光源
13b 白色光
13c ハーフミラー
13d 参照光
13e 測定光
13f レンズ
13g 参照鏡
13h 対象物
13i 検出器
14 インターフェログラム
14a 干渉縞
14b コントラスト最大位置
図面
【図2】
0
【図3】
1
【図4】
2
【図1】
3