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明細書 :3次元画像表示装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4891831号 (P4891831)
公開番号 特開2008-268694 (P2008-268694A)
登録日 平成23年12月22日(2011.12.22)
発行日 平成24年3月7日(2012.3.7)
公開日 平成20年11月6日(2008.11.6)
発明の名称または考案の名称 3次元画像表示装置
国際特許分類 G02B  27/22        (2006.01)
G03B  35/18        (2006.01)
H04N  13/04        (2006.01)
G03B  35/00        (2006.01)
FI G02B 27/22
G03B 35/18
H04N 13/04
G03B 35/00 Z
請求項の数または発明の数 8
全頁数 14
出願番号 特願2007-113853 (P2007-113853)
出願日 平成19年4月24日(2007.4.24)
審査請求日 平成22年4月22日(2010.4.22)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504209655
【氏名又は名称】国立大学法人佐賀大学
発明者または考案者 【氏名】中山 功一
個別代理人の代理人 【識別番号】100085213、【弁理士】、【氏名又は名称】鳥居 洋
審査官 【審査官】福島 浩司
参考文献・文献 特開平10-148788(JP,A)
特開平08-036223(JP,A)
特開平08-117661(JP,A)
特開昭63-157124(JP,A)
特開2004-334140(JP,A)
特開平09-189888(JP,A)
調査した分野 G02B 27/22
G03B 35/00
G03B 35/18
H04N 13/04
特許請求の範囲 【請求項1】
液体が満たされた密閉容器と、この密閉容器内の液体に3次元状態の気泡群を発生させる気泡発生手段と、この気泡群に映像を投影する投影手段と、を備え、映像光を気泡に拡散させて3次元映像を表示することを特徴とする3次元画像表示装置。
【請求項2】
前記気泡発生手段は、加熱沸騰により気泡を発生させることを特徴とする請求項1に記載の3次元画像表示装置。
【請求項3】
前記気泡群は、表示する映像に対応した3次元形状に形成されることを特徴とする請求項1または2に記載の3次元画像表示装置。
【請求項4】
前記密閉容器内の圧力を調整する圧力調整手段が設けられ、前記圧力調整手段により、密閉容器内の液体を沸騰寸前に調整すると共に発生した気泡を消去するように調整することを特徴とする請求項2に記載の3次元画像表示装置。
【請求項5】
前記気泡発生手段は、レーザ光を照射し、前記密閉容器の所定位置にレーザ光を集光させることを特徴とする請求項2に記載の3次元画像表示装置。
【請求項6】
前記気泡発生手段は、レーザ発生器と、このレーザ発生器からの光を映像信号に対応してオン・オフするマイクロミラーを多数設けたデジタル・マイクロミラー・デバイスと、このデジタル・マイクロミラー・デバイスで反射されたレーザ光を3次元の映像情報に基づいて密閉容器内に集光させる位置を変化させる集光手段と、を備えたことを特徴とする請求項5に記載の3次元画像表示装置。
【請求項7】
前記集光手段は、画素数に対応した複数の可変焦点レンズで構成されていることを特徴とする請求項6に記載の3次元画像表示装置。
【請求項8】
前記気泡発生手段は、密閉容器内に3次元状に配置された複数の抵抗素子からなることを特徴とする請求項2に記載の3次元画像表示装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
この発明は、3次元画像表示装置に関する。
【背景技術】
【0002】
医療分野による画像診断や手術のシミュレーション、建築分野、車、電化製品等の設計におけるCAD装置、航空管制における航空機の位置表示、科学技術計算における分子構造の表示など、多くの分野で3次元情報が取り扱われている。これらの装置に付属するCRTや液晶表示等の表示装置は、2次元映像しか表示できない。このため、遠近法などを利用した疑似3次元方式が一般的な表示法として用いられている。しかしながら、上記の3次元情報を十分に表示することはできておらず、前後、左右、上下から自由に観察できる3次元画像表示装置が望まれている。
【0003】
従来、3次元表示に用いられてきた方法は、殆どが両眼視差を用いて実現したものであり、不自然さや疲労感を伴っていた。
【0004】
また、球体状の水膜スクリーンを形成し、水膜スクリーンに地球儀をコンピュータグラフィックス映像として提示させて、観察者に地球儀として認識させるものが知られている(特許文献1参照)。
【0005】
また、水槽に気泡群を発生させ、この気泡群をスクリーンとして用い、映像投射して水中に映像を映し出す装置が知られている(特許文献2)。

【特許文献1】特開平10-148788号公報
【特許文献2】特開平08-36223号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記した特許文献1に記載のものは、地球儀のように、球体状のものを立体的に表示させることはできるが、表示させる対象が球体以外のものに変化する場合には、対応できない。また、特許文献2のものは、水槽内に映像を表示することはできるが、映像はあくまでも2次元表示であり、3次元表示はできなかった。
【0007】
この発明は、上記した従来の問題点に鑑みなされたものにして、前後、左右、上下から自由に観察できる3次元画像表示装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この発明の3次元画像表示装置は、液体が満たされた密閉容器と、この密閉容器内の液体に3次元状態の気泡群を発生させる気泡発生手段と、この気泡群に映像を投影する投影手段と、を備え、映像光を気泡に拡散させて3次元映像を表示することを特徴とする。
【0009】
前記気泡発生手段は、加熱沸騰により気泡を発生させることを特徴とする。
【0010】
また、前記気泡群は、表示する映像に対応した3次元形状に形成されることを特徴とする。
【0011】
また、この発明は、前記密閉容器内の圧力を調整する圧力調整手段が設けられ、前記圧力調整手段により、密閉容器内の液体を沸騰寸前に調整すると共に発生した気泡を消去するように調整するように構成することができる。
【0012】
また、前記気泡発生手段は、レーザ光を照射し、前記密閉容器の所定位置にレーザ光を集光させることを特徴とする。
【0013】
そして、前記気泡発生手段は、レーザ発生器と、このレーザ発生器からの光を映像信号に対応してオン・オフするマイクロミラーを多数設けたデジタル・マイクロミラー・デバイスと、このデジタル・マイクロミラー・デバイスで反射されたレーザ光を3次元の映像情報に基づいて密閉容器内に集光させる位置を変化させる集光手段と、を備えて構成できる。
【0014】
また、前記集光手段は、画素数に対応した複数の可変焦点レンズで構成すればよい。
【0015】
また、前記気泡発生手段は、密閉容器内に3次元状に配置された複数の抵抗素子で構成することができる。
【発明の効果】
【0016】
この発明は、表示映像に対応して形成された3次元形状の気泡群に映像が表示される。従って、密閉容器内に3次元形状の立体像が表示され、密閉容器をどの方向から観察しても立体像を観察することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
この発明の実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、図中同一または相当部分には同一符号を付し、説明の重複を避けるためにその説明は繰返さない。
【0018】
図1は、この発明にかかる3次元画像表示装置の概念を示す模式図である。図1に示すように、この発明の3次元画像表示装置は、密閉容器1内に液体、例えば、水を満たしておき、気泡発生装置2により、密閉容器1内に表示する映像に対応した気泡を水中に発生させる。この気泡発生装置2は、気泡の発生位置を3次元的に制御し、映像に対応する気泡を発生するものである。この発明においては、この気泡の発生を密閉容器1内に収容した水の任意の点に熱を加え、その部分の水を加熱して気泡を発生させる。後述するように、この気泡発生装置2は、レーザ光を用い、光学系を用いて集光させて熱を加えたり、あるいは、密閉容器に発熱抵抗体を3次元状に配列し、該当する位置の発熱抵抗体を発熱させて、所定の位置に気泡を発生させるものである。
【0019】
この発明の実施形態においては、気泡発生の制御を容易に行うために、圧力制御装置6により、密閉容器1内の水を沸騰寸前まで制御している。そして、表示する映像に対応した3次元形状の複数の点の位置を加熱し、熱を加えた部分を沸騰させ、3次元状態の気泡群101を生成する。表示する映像が、球状の場合には、球状の気泡群101を生成し、矩形状の場合には矩形状の気泡群101を生成するものである。
【0020】
圧力制御装置6は、水で満たされた容器内の圧力を沸騰する寸前に制御するもので、水温に対応して制御する。このため、圧力制御装置6は、温度センサを備え、温度センサの出力に基づき密閉容器1内の圧力を制御する。例えば、温度センサにより水温が40℃と判断されると、圧力を0.07気圧になるように制御する。
【0021】
発生された気泡群101に、可視光投影機3より、映像光を投射する。水中に可視光の映像光を投射すると、気泡のない部分は光が透過し、気泡のある部分は光が拡散し、気泡群101に映像200が表示されることになる。
【0022】
この表示された映像200は、表示映像に対応して形成された3次元形状の気泡群101に表示される。従って、密閉容器1内に3次元形状の立体像が表示される。密閉容器1をどの方向から観察しても立体像を観察することができる。見る角度によって映像は見え方が異なる任意視点の映像表示装置となる。
【0023】
気泡の消去は、圧力を変化させることにより行う、例えば、振動板61を容器1内に配設し、振動板61の駆動による圧力変化により、気泡を消去させることができる。振動板61の駆動は圧力制御装置6により制御する。
【0024】
動画を表示する場合には、人の視覚の時間分解能より速い周波数、例えば、50hzの周波数で振動板61を駆動し、気泡群の発生、消去を50hzの周波数で制御する。気泡の発生消去に合わせて可視光投影機3からの映像を切り替えれば、立体像の動画を表示することができる。なお、水中での圧力変化の伝達速度(音速)は、1500m/秒であるので、1m四方のディスプレイで1500/2hz迄は原理的には気泡の発生、消去が行える。
【0025】
また、上記した気泡群の1つの気泡が表示装置の1画素に対応することになる。気泡の大きさは小さいほど解像度を上げることができる。気泡としては、マイクロバブル(直径1/100mm程度)からマイクロナノバブル(直径数百nmから1/100mm)の気泡を発生させるように制御する。このようなマイクロバブル、マイクロナノバブルの小さな気泡は、浮上速度は非常にゆっくりしており、圧力を制御しない場合には、1cm浮上するのに1分以上かかる。気泡群の発生、消去を50hzの周波数で制御し、気泡の発生/消去に合わせて可視光投影機3からの映像を表示する場合には、気泡は、人間の視覚では、止まった状態と認識され、気泡群100は、所定の位置に止まった状態で認識される。
【0026】
次に、この発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
【0027】
この実施形態は、例えば、密閉容器1内に表示する立体映像は、X(横)軸1200画素、Y軸(高さ)800画素、Z軸(奥行き)100段階とする。そして、X軸は80cm、Y軸は45cm、Z軸は30cmとする。密閉容器1内には、透明な水が満たされている。この密閉容器1内のX×Y×Z(1200×800×100)の任意の点に表示映像に対応する気泡を発生させる。そして、毎秒50枚の3次元(立体)画像を表示することで、動画を表示することができる。
【0028】
図2は、レーザ光を光学系を用いて集光させて熱を加えることにより、気泡発生を行う気泡発生装置の概略構成を示す模式図である。
【0029】
図2に示すように、この実施形態における気泡発生装置は、平面レーザ発生器21、デジタル・マイクロミラー・デバイス(以下、DMDという。)22、投射レンズ23、集光器24を備える。
【0030】
図3に示すように、平面レーザ発生器21は、レーザ発生器210から出射されるビームをレンズ系211で、DMD22のサイズと等しいかそれより大きな平面サイズ50以上のビーム径に拡大する。この平面レーザ発生器21からレーザビームが定常的に発生される。このレーザは、水に対する吸収係数が0.1~0.01である波長800nm~900nmを用いている。
【0031】
DMD22は、DMD駆動回路220により駆動される。DMD22は、画素数に等しい数のマイクロミラーで構成され、この実施形態では、1200×800のマイクロミラーを有する。個々のマイクロミラーは、それぞれ特定の(X、Y)画素を担当する。DMD駆動回路220により、表示する映像の各画素に対応したレーザ光を投射レンズ23に向けて反射(ON)させ、表示しない領域の光は、投射レンズ23以外に向かうように反射(OFF)するよう制御される。DMD22は、多数のマイクロミラーが平面に配列され、マイクロミラーを傾斜させて画素毎の光の反射の方向を切り替えることにより、画素のON/OFF(オン・オフ)が制御される。
【0032】
DMD駆動回路220は、表示する映像信号によりDMD22の各マイクロミラーをON/OFF制御する。この実施形態は、5000分の1秒単位でON/OFF制御される。この発明に用いるDMD22が反射する電磁波は、可視光線ではなく、レーザ光の波長である。レーザ発生器21のレーザ発生の時間的な制御が難しい場合でも、DMD22により、レーザ光の反射を制御することができる。
【0033】
投射レンズ23は、DMD22から得られた映像に対応したレーザ光で構成された2次元平面の光を密閉容器1内に表示する映像の大きさに対応するXY平面サイズ51の大きさに拡大して集光器24に与える。この実施形態においては、X軸は80cm、Y軸は45cmの大きさの平面サイズ51に拡大される。このサイズ51内に、映像に対応した1200×800ドットのレーザ光がDMD22の各マイクロミラーから与えられる。
【0034】
集光器24は、DMD22、投射レンズ23を経て与えられたレーザ光が密閉容器1内に集光するZ軸方向の位置を変化させるものである。この実施形態においては、Z軸方向が30cmであり、密閉容器1内で集光される位置が集光器24により、Z軸方向で30cmの範囲で調整される。この集光器24は、表示画素に対応してZ軸方向への集光位置を変化させるもので、レンズの焦点を変化させるものや異なる焦点距離のレンズを用いて集光位置を変えるように構成することができる。
【0035】
この実施形態においては、画素数に等しい数、即ち、1200×800個の可変焦点レンズからなる可変焦点レンズ群を備える。可変焦点レンズ(凸レンズ)群は、X軸が80cm、Y軸が45cmの大きさの平面サイズ51に対応して設けられている。そして、この集光器24を構成する可変焦点レンズ群は、表示する映像信号から算出した各画素のZ方向のデータに基づき、レンズ駆動回路240にて、各画素に対応する可変焦点レンズの焦点距離を変化させる。この可変焦点レンズにより設定された各焦点に対応して密閉容器1内に、表示する映像に対応した3次元の位置にレーザ光が集光され、その集光位置における水が沸騰し、気泡が発生する。
【0036】
次に、各構成要素について、図面を参照してさらに説明する。図3は、レーザ発生器21の構成を示す説明図である。
【0037】
この実施形態に用いるレーザ発生器21は、一般的なレーザ発生器210から出射されるレーザビームをレンズ系211で拡大した平行ビームとして出射される。このレンズ系211では、DMD22のマイクロミラーが設けられた領域より大きい平面サイズ50を含む大きさのビーム径に拡大される。
【0038】
この実施形態に用いられる集光器24について、図4に従い説明する。図4は、集光器24の構成を示す説明図である。図4に示すように、この実施形態においては、即ち、1200×800個の可変焦点レンズ(凸レンズ)24~24をX軸は80cm、Y軸は45cmの大きさの平面サイズ51に対応してマトリクス状に配置されている。可変焦点レンズは、焦点距離を電気的に変化させ、集光する位置を決定する。可変焦点レンズ24~24は、DMD22、投射レンズ23を経て与えられる各画素に対応するレーザ光を所定のZ方向の距離で集光させるものである。映像信号に基づき算出した各画素のZ方向の値に基づき、レンズ駆動回路240が可変焦点レンズの焦点距離を電気的に変化させる。この実施形態においては、Z方向は30cmであり、Z方向を100段階の焦点距離で変化させるように構成している。図4の例で示すように、可変焦点レンズ24は、焦点距離が長くなるように制御され、集光位置(f)はレーザ光が入射する密閉容器1の奥側になっている。可変焦点レンズ24は、焦点距離が短くなるように制御され、集光位置(f)はレーザ光が入射する密閉容器1の手前側になっている。密閉容器1内のレーザ光の集光位置で気泡が発生する。
【0039】
なお、気泡を発生させない場合には、DMD22の駆動により、集光器24には、レーザ光が与えられない。
【0040】
可変焦点レンズとしては、例えば、液晶レンズを用いることができる。但し、可変焦点レンズは液晶レンズに限らず、2枚の弾力性を持った透明な板や膜で、透明な液体やゲル状物質を挟み、その周囲を変形可能な材質で接合し内部を密閉し、周囲を変化させて内圧により透明な板または膜を変形させて焦点を変化させる構造のものなども用いることができる。
【0041】
図4に示したものは、可変焦点レンズを用いて集光器24を構成したが、レンズ位置を変化させてレーザ光の集光位置を変化させるように構成できる。図5は、レンズの位置を変化させて集光器24を構成した例を示す説明図である。
【0042】
図5に示すように、この実施形態においては、即ち、1200×800個の凸レンズ24aをX軸は80cm、Y軸は45cmの大きさの平面サイズ51に対応してマトリクス状に配置されている。凸レンズ24aは、Z軸方向に対して高速移動が可能に構成され、凸レンズ24aの移動位置で集光する位置を決定する。凸レンズ24aは、DMD22、投射レンズ23を経て与えられる各画素に対応するレーザ光を所定のZ方向の距離で集光させるためにZ方向に移動するものである。映像信号に基づき算出した各画素のZ方向の値に基づき、レンズ駆動回路23が凸レンズ24aの移動距離を変化させる。この実施形態においては、Z方向は30cmであり、Z方向を100段階の焦点距離で変化させるように構成している。
【0043】
この凸レンズ24aは、1つの凸レンズで構成したものや、主レンズの前の付加レンズを設け、付加レンズを移動させるもの等がある。凸レンズ24aの移動位置に対応して、集光位置(f)が変化し、密閉容器1内のレーザ光の集光位置で気泡が発生する。
【0044】
また、集光器24の他の構成としては、焦点距離が異なるレンズを用意する。そして、焦点距離が同じレンズ同士を例えばY方向の画素数より多く用意して列状に配置してレンズ群を構成する。焦点距離が違うレンズ群を用意し、例えば、円状に配置し、これらレンズ群を回転させ、各画素において、所望の焦点距離の位置のところに該当するレンズが到達したときに、DMD22を制御して、レーザビームを照射するようにすれば、焦点距離に対応した集光位置(f)で密閉容器1内で気泡が発生する。
【0045】
次に、上記した気泡発生装置を用いた3次元画像表示装置の実施形態について、図6及び図7を参照して説明する。図6は、この発明にかかる3次元画像表示装置の実施形態を示す模式図、図7は、この発明にかかる3次元画像表示装置の実施形態の構成を示すブロック図である。
【0046】
図6に示すように、レーザ発生器からのレーザ光をDMD22により、表示する画素に対応して反射方向が制御され、表示させる映像に該当する画素に対応したレーザ光250を投射レンズ23方向へ導く。投射レンズ23とDMD22との間には、背面からのレーザ光250は透過させ、正面からの可視光31は反射するハーフミラー8が配置されている。DMD22で反射したレーザ光250は、ハーフミラー8を透過し、投射レンズ23に与えられる。
【0047】
DMD22から得られた映像に対応したレーザ光250で構成された2次元平面の光を投射レンズ23が密閉容器1内に表示する映像の大きさであるXY平面サイズ51の大きさに拡大する。そして、拡大されたレーザ光が集光器24に与えられる。
【0048】
集光器24では、各画素に対応するレーザ光を所定のZ方向の距離で集光させる。映像信号に基づき算出した各画素のZ方向の値に基づき、焦点距離を変化させ、集光器24により各画素のZ方向の値に対応して、密閉容器1内の所定のX、Y、Z位置でレーザ光が集光される。密閉容器1内に満たされていた水は集光した位置のレーザ光で加熱され、気泡が発生する。
【0049】
DMD22及び集光器24により、気泡の発生位置が3次元的に制御され、映像に対応する気泡が密閉容器1内に形成される。この気泡は、表示する映像の3次元形状に対応し、球状の場合には、球状の気泡群を生成し、矩形状の場合には矩形状の気泡群が生成される。
【0050】
発生された気泡群101に、可視光投影機3より、映像光を投射する。可視光投影機3は、光を変調する液晶パネルあるいはDMD等を備え、光源からの光を映像信号に基づき変調し、その映像光31を出力する。この映像光31は、ハーフミラー8で反射され、投射レンズ23に与えられる。この実施形態においては、DMD22からのレーザ光250が与えられる投射レンズ23、集光器24と同じ経路を、可視光投影機3からの映像光31が通る。DMD22のXY平面サイズと可視光投影機3から出力されるXY平面サイズは同じ大きさに制御されている。そして、レーザ光250と映像光31は、重なって、投射レンズ23、集光器24に与えられる。映像光31は、映像データに対応して形成された気泡に投影されることになる。水中に可視光の映像光31を投射すると、気泡のない部分は光が透過し、気泡のある部分は光が拡散し、気泡群101に映像200が表示されることになる。
【0051】
この表示された映像200は、表示映像に対応して形成された3次元形状の気泡群101に表示される。従って、容器内に3次元形状の立体像が表示される。密閉容器1をどの方向から観察しても立体像を観察することができる。
【0052】
映像の消去は、気泡を消去することにより行う。気泡の消去は、圧力を変化させることにより行う、振動板61を容器1内に配設し、圧力制御装置6の振動板61の駆動による圧力変化により、気泡を消去させる。動画を表示する場合には、人の視覚の時間分解能より速い周波数で振動板61を駆動し、気泡群の発生、消去を50hzの周波数で制御する。気泡の発生消去に合わせて可視光投影機3からの映像を切り替え、立体像の動画を表示する。
【0053】
次に、この実施形態の3次元画像表示装置を駆動する回路構成とその動作について、図7に従い説明する。
【0054】
3D立体カメラなどにより得られた3次元位置とその画素の色(R,G,B)とで構成される3次元映像信号がAD変換回路10に与えられる。AD変換回路10に入力された3次元位置と画素の色(R,G,B)信号は、ここでデジタル信号に変換されて画像処理回路11に出力される。この画像処理回路11では、送られてきたデジタル映像信号に補正処理が施され、可視光投影機3とデータ変換回路12に映像信号が与えられる。また、画像処理回路11では、3次元位置のデータと各画素の色(R,G,B)信号を出力する。可視光投影機3には、各画素の色(R,G,B)信号からなる2次元映像信号が与えられ、データ変換回路12には、各画素位置と3次元位置データが与えられる。
【0055】
データ変換回路12は、与えられた3次元位置データに基づき、各画素毎のZ値と、DMD22の各画素に対応したON/OFF信号に変換し、内部のフレームメモリに格納する。ON/OFF信号はデータ変換回路12のフレームメモリに格納され、フレームメモリ毎にDMD駆動回路220に送られる。DMD駆動回路220は、送られてきたON/OFFの2値信号に基づきDMD22の各画素に対応して設けられたマイクロミラーをON/OFFする。
【0056】
DMD22には、レーザ装置21からのレーザ光が与えられ、マイクロミラーのON/OFFに従い、ONしたマイクロミラーの画素のレーザ光がハーフミラー8、投射レンズ23を経て集光器24としての可変焦点レンズ群に与えられる。
【0057】
また、各画素毎のZ値はレンズ駆動回路240に与えられ、レンズ駆動回路240内のメモリに格納される。そして、DMD駆動回路220の駆動に同期して、レンズ駆動回路240は、集光器24としての可変焦点レンズ群の各画素に対応する可変焦点レンズの焦点距離をZ値に応じて変化させる。DMD22から与えられるレーザ光が各画素のZ方向の値に対応して、密閉容器1内の所定のX、Y、Z位置でレーザ光が集光される。
【0058】
可視光投影機3は、画像処理回路11より与えられた2次元映像信号により、映像光を投射する。この映像光は、ハーフミラー8で反射され、投射レンズ23に与えられる。DMD22からのレーザ光が与えられる投射レンズ23、集光器24と同じ経路を、可視光投影機3からの映像光が通り、映像データに対応して形成された気泡に投影される。水中に可視光の映像光が投射されると、気泡のない部分は光が透過し、気泡のある部分は光が拡散し、生成された気泡群に映像200が表示される。圧力制御装置5により、気泡群の発生、消去を50hzの周波数で制御する。気泡の発生消去に合わせて可視光投影機3からの映像を切り替え、立体像の動画を表示する。
【0059】
尚、上記した実施形態においては、レーザ装置21からのレーザ光をDMD22を用いて、密閉容器1内に映像に対応する気泡群を形成している。密閉容器1内の所定の位置にレーザ光を与える方法としては、DMDを用いずに、ポリゴンミラーを用いて、レーザ光を走査する方法を用いることもできる。
【0060】
また、3次元映像データとして、コンピュータグラフィック(CG)で作成したデータを用いる場合には、画像処理回路11にCGで作成したデジタルの(R,G,B)信号を与え、データ変換回路12に画素毎のZ値を入力するように構成する。そして、可視光投影機3には、画素の色(R,G,B)信号からなる2次元映像信号を与え、データ変換回路12は、各画素毎のZ値と、DMD22の各画素に対応したON/OFF信号に変換し、内部のフレームメモリに格納するように構成すればよい。
【0061】
また、上記実施形態においては、可視光投影機3からの映像光をDMD22からのレーザ光と重なり合って密閉容器1に与えているが、DMD22からの光路とは異なる方向から密閉容器1内の気泡群101に映像光を投影するように構成しても良い。
【0062】
次に、この発明の他の実施形態につき、図8ないし図10を参照して説明する。上記した実施形態は、気泡の発生をレーザ光を集光することで行っているのに対し、図8ないし図10に示す実施形態においては、抵抗加熱により気泡を発生するように構成したものである。
【0063】
図8に示すように、密閉容器1内に複数の抵抗体7…をマトリクス状に配置して発熱抵抗群70設けている。抵抗体7…はITO(酸化インジウム錫)等の透明電極で接続されている。抵抗体7は、抵抗体駆動装置700により、アクティブマトリクス駆動される。抵抗体7…は、例えば、ポリイミドなどの絶縁性透明膜に、X軸は80cm、Y軸は45cmの大きさの平面サイズに、1200×800個配置される。そして、各抵抗体7が薄膜トランジスタを介してX線、Y線となる透明電極に接続されてアレイ基板を構成している。このアレイ基板をZ軸方向に100個用意して、X,Y、Zの立体映像に対応する複数の抵抗体7…からなる発熱抵抗群70が密閉容器1内に配置される。
【0064】
アレイ基板は、図9に示すように、Xドライバー回路701、Yドライバー回路702がX線、Y線にそれぞれ接続され、図示しない薄膜トランジスタをXドライバー回路701、Yドライバー回路702に入力される制御信号により、ON/OFF制御し、抵抗体7への導通を制御する。
【0065】
抵抗体駆動装置700は、Z軸方向に並べたアレイ基板のなかから対応するZ軸のアレイ基板の対応する画素(X,Y)の薄膜トランジスタをONさせて、その抵抗体7の前にある水を加熱して気泡を発生させる。
【0066】
この抵抗体駆動装置700を表示映像に対応して駆動して3次元形状の気泡群を密閉容器1内に形成する。可視光投影機3から映像光を投射して、密閉容器1内に3次元形状の立体像を表示する。
【0067】
映像の消去は、気泡を消去することにより行う。気泡の消去は、圧力を変化させることにより行う、振動板61を容器1内に配設し、圧力制御装置6の振動板61の駆動による圧力変化により、気泡を消去させる。
【0068】
次に、この実施形態の3次元画像表示装置を駆動する回路構成とその動作について、図10に従い説明する。
【0069】
3次元位置とその画素の色(R,G,B)とで構成される3次元映像信号がAD変換回路10に与えられる。AD変換回路10に入力された3次元位置と画素の色(R,G,B)信号は、ここでデジタル信号に変換されて画像処理回路11に出力される。この画像処理回路11では、送られてきたデジタル映像信号に補正処理が施され、可視光投影機3とデータ変換回路12に映像信号が与えられる。また、画像処理回路11では、3次元位置のデータと各画素の色(R,G,B)信号を出力する。可視光投影機3には、各画素の色(R,G,B)信号からなる2次元映像信号が与えられ、データ変換回路12には、各画素位置と3次元位置データが与えられる。
【0070】
データ変換回路12は、各画素位置と3次元位置データに基づき、各画素毎のZ値と、各画素に対応したX、Yの制御信号を作成し、抵抗体駆動装置700に送る。抵抗体駆動装置700は、送られてきたZ値と、各画素に対応したX、Yの制御信号に基づき発熱抵抗体群70を駆動し、密閉容器1内の所定のX、Y、Z位置で抵抗体7が発熱し、気泡が発生する。
【0071】
可視光投影機3は、画像処理回路11より与えられた2次元映像信号により、映像光を投射する。この映像光は、ミラー9で反射され、投射レンズ23に与えられる。可視光投影機3からの映像光が映像データに対応して形成された気泡に投影される。水中に可視光の映像光が投射されると、気泡のない部分は光が透過し、気泡のある部分は光が拡散し、生成された気泡群に映像200が表示される。圧力制御装置6により、気泡群の発生、消去を50hzの周波数で制御する。気泡の発生消去に合わせて可視光投影機3からの映像を切り替え、立体像の動画を表示する。
【0072】
上記した各実施形態においては、密閉容器1内には、水を満たしていたが、密閉容器1内に満たす液体は水に限らず、エタノールなどの透明液体を用いても良い。また、上記した各実施形態においては、動画を表示する場合につき説明したが、静止画を表示するものにおいてもこの発明は適用できる。
【0073】
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施の形態の説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】この発明にかかる3次元画像表示装置の概念を示す模式図である。
【図2】この発明に用いられる気泡発生装置を示し、レーザ光を光学系を用いて集光させて熱を加えることにより、気泡発生を行う気泡発生装置の概略構成を示す模式図である。
【図3】この発明に用いられるレーザ発生器を示す説明図である。
【図4】この発明に用いられる集光器を示す説明図である。
【図5】この発明に用いられる集光器を示す説明図である。
【図6】この発明にかかる3次元画像表示装置の実施形態を示す模式図である。
【図7】この発明にかかる3次元画像表示装置の実施形態の構成を示すブロック図である。
【図8】この発明に用いられる気泡発生装置を示し、抵抗加熱により熱を加えることにより、気泡発生を行う気泡発生装置の概略構成を示す模式図である。
【図9】この発明に用いられる気泡発生装置を示し、抵抗加熱により熱を加えることにより、気泡発生を行う気泡発生装置の概略構成を示す模式図である。
【図10】この発明にかかる3次元画像表示装置の他の実施形態の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0075】
1 密閉容器、2 気泡発生装置、3 可視光投影機、6 圧力制御装置、101 気泡群、200 表示映像。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9