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明細書 :ファイル管理装置、その方法、及びプログラム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B1)
特許番号 特許第4604168号 (P4604168)
登録日 平成22年10月15日(2010.10.15)
発行日 平成22年12月22日(2010.12.22)
発明の名称または考案の名称 ファイル管理装置、その方法、及びプログラム
国際特許分類 G06F  12/00        (2006.01)
G06F  17/30        (2006.01)
FI G06F 12/00 520P
G06F 12/00 515B
G06F 17/30 210D
請求項の数または発明の数 6
全頁数 19
出願番号 特願2009-247818 (P2009-247818)
出願日 平成21年10月28日(2009.10.28)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 第8回情報科学技術フォーラム講演論文集第4分冊(2009年8月20日発行)第109頁から第114頁に発表
特許法第30条第1項適用 2009年9月3日東北工業大学において開催された第8回情報科学技術フォーラムで発表
審査請求日 平成22年3月4日(2010.3.4)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504209655
【氏名又は名称】国立大学法人佐賀大学
発明者または考案者 【氏名】掛下 哲郎
早期審査対象出願または早期審理対象出願 早期審査対象出願
個別代理人の代理人 【識別番号】100099634、【弁理士】、【氏名又は名称】平井 安雄
審査官 【審査官】工藤 嘉晃
参考文献・文献 特開2002-288186(JP,A)
特開平11-282882(JP,A)
特開平11-149484(JP,A)
特開平07-085102(JP,A)
ファイルの管理や操作をラクにする AikoWin,日経PCビギナーズ,日本,日経BP社,2006年10月13日,第11巻第20号,p.36
調査した分野 G06F 12/00
G06F 17/30
JSTPlus(JDreamII)
要約 【課題】利用者の利便性を向上させてファイルへのアクセスを容易にすると共に、既存の階層構造により管理されるファイルについて、作業の手間を掛けずに、複数の分類基準で形成される階層構造を生成し振り分けることができるファイル管理装置等を提供する。
【解決手段】階層構造によりファイルを管理するファイル管理装置10において、管理の対象となる複数の管理ファイルを格納するファイル記憶部11と、複数の階層構造をそれぞれ異なる分類基準で形成し、形成された各階層構造ごとに全ての管理ファイルについて、管理ファイルと各階層構造におけるノードとの対応情報を記憶する対応情報記憶部30と、対応情報記憶部30が記憶する対応情報に基づいて、管理ファイルの階層構造を分類基準ごとに切り替えて表示する表示制御部38とを備える。
【選択図】図3
特許請求の範囲 【請求項1】
階層構造によりファイルを管理するファイル管理装置において、
管理の対象となる複数の管理ファイルを格納するファイル格納手段と、
複数の階層構造をそれぞれ異なる分類基準で形成し、当該形成された各階層構造ごとに前記全ての管理ファイルについて、当該管理ファイルと前記各階層構造におけるノードとの対応情報を記憶すると共に、前記管理ファイルと既存の旧階層構造におけるノードとの既存対応情報を記憶する対応情報記憶手段と、
前記既存対応情報から、前記旧階層構造におけるノードの名称に基づいて、前記異なる分類基準で形成される複数の新階層構造のそれぞれにおける各ノードと前記全ての管理ファイルとを対応付ける前記対応情報を生成する対応情報生成手段と、
前記対応情報記憶手段が記憶する対応情報に基づいて、前記管理ファイルの階層構造を前記異なる分類基準で形成される複数の新階層構造ごとに切り替えて表示する表示制御手段とを備え
前記対応情報生成手段が、
前記旧階層構造におけるノードの名称と前記新階層構造における属性情報とを対応付けるノード属性対応情報を記憶するノード属性記憶手段と、
前記ノード属性記憶手段が記憶するノード属性対応情報に基づいて、前記旧階層構造におけるノードの名称を、前記属性情報に該当するノードについては当該属性情報の属性値に、前記属性情報に該当しないノードについては任意の共通した名称に変換する名称変換手段と、
前記名称変換手段により、名称が前記任意の共通した名称に変換されたノードについて、当該ノードを削除するノード削除手段と、
前記ノード削除手段が削除しなかったノードであって、前記名称変換手段が同一の名称に変換したノードについて、当該ノードを統合して一のノードとするノード統合手段とを備え、名称が前記属性値に変換されたノード構成により、前記管理ファイルと前記新階層構造における各ノードとが対応付けられることを特徴とするファイル管理装置。
【請求項2】
請求項1に記載のファイル管理装置において、
任意の一の前記新階層構造における任意のノードに振り分けられた一又は複数の第1ファイルと、任意の他の前記新階層構造における任意のノードに振り分けられた一又は複数の第2ファイルとで重複するファイルを共通ファイルとして抽出するファイル抽出手段を備え、
前記表示制御手段が、前記第1ファイルの一覧が表示されている状態から、前記第2ファイルの一覧が表示される状態に切り替えて表示する場合に、前記ファイル抽出手段で抽出された共通ファイルの一覧を表示することを特徴とするファイル管理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のファイル管理装置において、
前記異なる分類基準で形成される複数の新階層構造における各ノード配下のファイル数を演算するファイル数演算手段を備え、
前記表示制御手段が、前記ファイル数演算手段で演算されたファイル数を前記異なる分類基準で形成される複数の新階層構造における各ノードに隣接して表示することを特徴とするファイル管理装置。
【請求項4】
請求項に記載のファイル管理装置において、
前記異なる分類基準で形成される複数の新階層構造のうち、任意の一の階層構造が選択されている場合に、当該選択されている任意の一の新階層構造以外の任意の他の新階層構造について、主記憶上で各ノードのファイル数を演算して保持し、前記任意の他の新階層構造が選択された場合に、前記主記憶上で保持されたファイル数に基づいて、当該選択された任意の他の新階層構造における各ノードのファイル数を演算することを特徴とするファイル管理装置。
【請求項5】
コンピュータが、階層構造によりファイルを管理するファイル管理方法において、
管理の対象となる複数の管理ファイルを格納し、
前記管理ファイルと既存の旧階層構造におけるノードとの既存対応情報を記憶し、
前記既存対応情報から、前記旧階層構造におけるノードの名称に基づいて、前記異なる分類基準で形成される複数の新階層構造のそれぞれにおける各ノードと前記全ての管理ファイルとを対応付ける対応情報を生成して記憶し、
前記記憶された対応情報に基づいて、前記管理ファイルの階層構造を前記異なる分類基準で形成される複数の新階層構造ごとに切り替えて表示するファイル管理方法であって、
前記対応情報が、
前記旧階層構造におけるノードの名称と前記新階層構造における属性情報とを対応付けるノード属性対応情報を記憶するノード属性記憶ステップと、
前記ノード属性記憶ステップで記憶されたノード属性対応情報に基づいて、前記旧階層構造におけるノードの名称を、前記属性情報に該当するノードについては当該属性情報の属性値に、前記属性情報に該当しないノードについては任意の共通した名称に変換する名称変換ステップと、
前記名称変換ステップにより、名称が前記任意の共通した名称に変換されたノードについて、当該ノードを削除するノード削除ステップと、
前記ノード削除ステップが削除しなかったノードであって、前記名称変換ステップで同一の名称に変換されたノードについて、当該ノードを統合して一のノードとするノード統合ステップと、
により生成され、名称が前記属性値に変換されたノード構成により、前記管理ファイルと前記新階層構造における各ノードとが対応付けられることを特徴とするファイル管理方法。
【請求項6】
階層構造によりファイルを管理するようにコンピュータを機能させるファイル管理プログラムにおいて、
管理の対象となる複数の管理ファイルを格納するファイル格納手段、
複数の階層構造をそれぞれ異なる分類基準で形成し、当該形成された各階層構造ごとに前記全ての管理ファイルについて、当該管理ファイルと前記各階層構造におけるノードとの対応情報を記憶すると共に、前記管理ファイルと既存の旧階層構造におけるノードとの既存対応情報を記憶する対応情報記憶手段、
前記既存対応情報から、前記旧階層構造におけるノードの名称に基づいて、前記異なる分類基準で形成される複数の新階層構造のそれぞれにおける各ノードと前記全ての管理ファイルとを対応付ける前記対応情報を生成する対応情報生成手段、
前記対応情報記憶手段が記憶する対応情報に基づいて、前記管理ファイルの階層構造を前記異なる分類基準で形成される複数の新階層構造ごとに切り替えて表示する表示制御手段としてコンピュータを機能させ、
前記対応情報生成手段が、
前記旧階層構造におけるノードの名称と前記新階層構造における属性情報とを対応付けるノード属性対応情報を記憶するノード属性記憶手段、
前記ノード属性記憶手段が記憶するノード属性対応情報に基づいて、前記旧階層構造におけるノードの名称を、前記属性情報に該当するノードについては当該属性情報の属性値に、前記属性情報に該当しないノードについては任意の共通した名称に変換する名称変換手段、
前記名称変換手段により、名称が前記任意の共通した名称に変換されたノードについて、当該ノードを削除するノード削除手段、
前記ノード削除手段が削除しなかったノードであって、前記名称変換手段が同一の名称に変換したノードについて、当該ノードを統合して一のノードとするノード統合手段とを備え、名称が前記属性値に変換されたノード構成により、前記管理ファイルと前記新階層構造における各ノードとが対応付けられることを特徴とするファイル管理プログラム。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、ファイルを多次元的な階層構造で管理するファイル管理装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
情報社会の進展に伴い、あらゆるオフィスにおいて大量の電子ファイルが蓄積されている。現代における組織活動(営利企業のビジネス活動だけに限定するものではなく、国、地方自治体、病院、学校、非営利組織等における活動も同様である)は情報を基盤としており、組織内で生み出されるデータの量や、組織外部から取得するデータ量は急速に増大している。それらの情報の検索と分析に、平均で労働時間の24%を費やしているとのレポートもある(The Hidden Costs of Information Work, IDC(2006)を参照)。
【0003】
デジタル化の重要な狙いはコンテンツの再利用であるが、これを効果的に実現するためには、蓄積されたファイルが系統的に整理されていることが不可欠である。また、最近は、企業等におけるIT統制の必要性も高まっており、特にデジタル化された情報に対するきめ細かなセキュリティ管理、アクセス管理、ファイル管理等の重要性が高い。これらを実現するためには様々な条件を指定してファイル等を絞り込み、得られたファイル等を利用者が望む各種の観点に基づいて整理した上で提示する必要がある。
【0004】
発明者らは、上記の必要性に基づいてファイルの階層構造を多次元的に管理する多次元分類方式を提案している(非特許文献1、2を参照)。多次元分類方式は、分類対象となるエンティティを複数の木構造と対応付けて分類する方式である。エンティティは電子的に保持されている情報であれば任意である。それぞれの木構造は、特定の観点に基づいたエンティティの分類基準を表現しており、親子の節点間にはIS-A関連(子節点は親節点の特別な場合に対応)が成立するように構築する(IS-A制約)。また、同一木構造の兄弟節点は互いに排他的なものとする(排他制約)。IS-A制約により分類基準の一貫性を保つことができ、排他制約によって分類基準の明確化が図られる。これによりMECEな木構造が構築され、木構造の理解も容易になるため、ファイルの分類作業や検索作業の効率が高まる。
【0005】
多次元分類方式の特徴としては以下が挙げられる。(1)分類に用いる個別の木構造が一貫しており、比較的小規模になるため、利用者による木構造の理解、及び保守が容易である。(2)個別の木構造や木構造の節点を利用者が自由に指定してエンティティを検索できる。木構造や節点の指定順序も自由に指定できるため、検索の際の自由度が大きい。(3)蓄積されている情報の全体像を利用者が容易に把握できる。これにより所望の情報がシステムに登録されているか否かを素早く判断できる。
【0006】
また、上記ファイル管理に関連する技術として、次の技術が開示されている。特許文献1に示す技術は、ファイルを複数の観点から分類・整理することのできるファイル管理装置で、その機能を従来のファイルシステムに容易に追加して実現できるものであり、ファイル管理処理部と記憶部と入力部と表示部とを備え、記憶部には、ファイル割り当てテーブル記憶域とファイル記憶域とを含み、ファイル記憶域には、仮想ファイル割り当てテーブル記憶域が含まれ、仮想ファイル割り当てテーブル記憶域には、仮想フォルダの管理情報として、ファイル割り当てテーブル記憶域で管理されている階層構造とは異なる階層構造の情報が含まれ、ファイル管理処理部内の各処理部が仮想ファイル割り当てテーブルを操作する処理を行うものである。
【先行技術文献】
【0007】

【非特許文献1】掛下哲郎,原槙稔幸,"多次元分類:木構造分類とキーワード分類の複合的アプローチ",情報処理学会論文誌:データベース,Vol.42,No.SIG1(TOD8),pp.131-139,2001
【非特許文献2】井ノ口励,掛下哲郎,"多次元分類方式における木構造構成の自動化",情報処理学会論文誌:データベース,Vol.44,No.SIG12(TOD19),pp.33-42,2003
【0008】

【特許文献1】特開2003-203002号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、上記各非特許文献、及び特許文献に示す技術は、異なる複数の階層構造を表示する場合に、それぞれの階層構造ごとに独立して表示するものではなく、複数の階層構造が混在し、利用者にとって使い勝手が悪いものとなってしまうという課題を有する。
【0010】
また、複数の階層構造間の関連性を有するものではなく、例えば階層構造を組み合わせてのファイルへのアクセスができるものではないため、利用者の利便性が十分ではないという課題を有する。
【0011】
さらに、既に大量のファイルが既存の木構造で管理されている場合には、各ファイルを複数の木構造に振り分ける作業が必要となる。例えば、1万ものファイルを管理している場合に、1つ1つのファイルを複数の視点で形成された木構造に振り分けるのは途方もない作業量と時間が必要となり、実現性が非常に難しいものになってしまうという課題を有する。
【0012】
(1)本願に開示するファイル管理装置は、階層構造によりファイルを管理するファイル管理装置において、管理の対象となる複数の管理ファイルを格納するファイル格納手段と、複数の階層構造をそれぞれ異なる分類基準で形成し、当該形成された各階層構造ごとに前記全ての管理ファイルについて、当該管理ファイルと前記各階層構造におけるノードとの対応情報を記憶すると共に、前記管理ファイルと既存の旧階層構造におけるノードとの既存対応情報を記憶する対応情報記憶手段と、前記既存対応情報から、前記旧階層構造におけるノードの名称に基づいて、前記異なる分類基準で形成される複数の新階層構造のそれぞれにおける各ノードと前記全ての管理ファイルとを対応付ける前記対応情報を生成する対応情報生成手段と、前記対応情報記憶手段が記憶する対応情報に基づいて、前記管理ファイルの階層構造を前記異なる分類基準で形成される複数の新階層構造ごとに切り替えて表示する表示制御手段とを備え、前記対応情報生成手段が、前記旧階層構造におけるノードの名称と前記新階層構造における属性情報とを対応付けるノード属性対応情報を記憶するノード属性記憶手段と、前記ノード属性記憶手段が記憶するノード属性対応情報に基づいて、前記旧階層構造におけるノードの名称を、前記属性情報に該当するノードについては当該属性情報の属性値に、前記属性情報に該当しないノードについては任意の共通した名称に変換する名称変換手段と、前記名称変換手段により、名称が前記任意の共通した名称に変換されたノードについて、当該ノードを削除するノード削除手段と、前記ノード削除手段が削除しなかったノードであって、前記名称変換手段が同一の名称に変換したノードについて、当該ノードを統合して一のノードとするノード統合手段とを備え、名称が前記属性値に変換されたノード構成により、前記管理ファイルと前記新階層構造における各ノードとが対応付けられることを特徴とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
このように、本願に開示するファイル管理装置においては、複数の階層構造をそれぞれ異なる分類基準で形成し、形成された各階層構造ごとに全ての管理ファイルについて、管理ファイルと各階層構造におけるノードとの対応情報を記憶し、記憶した対応情報に基づいて、管理ファイルの階層構造を分類基準ごとに切り替えて表示するため、異なる複数の階層構造をそれぞれ独立して表示させることができ、利用者の使い勝手を良くして作業の効率化を図ることができるという効果を奏する。
また、管理ファイルと既存の旧階層構造におけるノードとの対応情報が記憶されており、旧階層構造におけるノードの名称に基づいて、異なる分類基準で形成される複数の階層構造を新階層構造として生成し、全ての管理ファイルと新階層構造のそれぞれにおける各ノードとを対応付ける対応情報を生成するため、既存の階層構造を利用して新たな複数の階層構造を容易に生成して、作業の手間を格段に省くことができるという効果を奏する。
さらに、本願に開示するファイル管理装置においては、ノードの名称と新階層構造における属性情報とを対応付け、ノードの名称を属性情報の属性値、又は任意の共通した名称に変換し、任意の共通した名称に変換されたノードについては削除し、削除されなかったノードであって同一の名称に変換されたノードについて、ノードの統合を行うことで、管理ファイルと変換されたノードとを容易に対応付けることができると共に、既存の階層構造を利用して新たな複数の階層構造を容易に生成することができるという効果を奏する。
【0014】
(2)本願に開示するファイル管理装置は、任意の一の前記階層構造における任意のノードに振り分けられた一又は複数の第1ファイルと、任意の他の前記階層構造における任意のノードに振り分けられた一又は複数の第2ファイルとで重複するファイルを共通ファイルとして抽出するファイル抽出手段を備え、前記表示制御手段が、前記第1ファイルの一覧が表示されている状態から、前記第2ファイルの一覧が表示される状態に切り替えて表示する場合に、前記ファイル抽出手段で抽出された共通ファイルの一覧を表示することを特徴とするものである。
【0015】
(2)本願に開示するファイル管理装置は、任意の一の前記階層構造における任意のノードに振り分けられた一又は複数の第1ファイルと、任意の他の前記階層構造における任意のノードに振り分けられた一又は複数の第2ファイルとで重複するファイルを共通ファイルとして抽出するファイル抽出手段を備え、前記表示制御手段が、前記第1ファイルの一覧が表示されている状態から、前記第2ファイルの一覧が表示される状態に切り替えて表示する場合に、前記ファイル抽出手段で抽出された共通ファイルの一覧を表示することを特徴とするものである。
【0020】
)本願に開示するファイル管理装置は、前記異なる分類基準で形成される複数の新階層構造における各ノード配下のファイル数を演算するファイル数演算手段を備え、前記表示制御手段が、前記ファイル数演算手段で演算されたファイル数を前記異なる分類基準で形成される複数の新階層構造における各ノードに隣接して表示することを特徴とするものである。
【0021】
(5)本願に開示するファイル管理装置は、前記異なる分類基準で形成される複数の階層構造における各ノード配下のファイル数を演算するファイル数演算手段を備え、前記表示制御手段が、前記ファイル数演算手段で演算されたファイル数を前記異なる分類基準で形成される複数の階層構造における各ノードに隣接して表示することを特徴とするものである。
【0022】
)本願に開示するファイル管理装置は、前記異なる分類基準で形成される複数の新階層構造のうち、任意の一の階層構造が選択されている場合に、当該選択されている任意の一の階層構造以外の任意の他の階層構造について、主記憶上で各ノードのファイル数を演算して保持し、前記任意の他の階層構造が選択された場合に、前記主記憶上で保持されたファイル数に基づいて、当該選択された任意の他の新階層構造における各ノードのファイル数を演算することを特徴とするものである。
【0023】
(6)本願に開示するファイル管理装置は、前記異なる分類基準で形成される複数の階層構造のうち、任意の一の階層構造が選択されている場合に、当該選択されている任意の一の階層構造以外の任意の他の階層構造について、主記憶上で各ノードのファイル数を演算して保持し、前記任意の他の階層構造が選択された場合に、前記主記憶上で保持されたファイル数に基づいて、当該選択された任意の他の階層構造における各ノードのファイル数を演算することを特徴とするものである。
【0024】
このように、本願に開示するファイル管理装置においては、任意の一の階層構造が選択されている場合に、当該選択されている任意の一の階層構造以外の任意の他の階層構造について、主記憶上で各フォルダのファイル数を演算して保持し、その保持されたファイル数に基づいて、選択された任意の他の階層構造における各フォルダのファイル数を演算するため、ファイルが格納されているデータベースとのアクセスが最小限となり、表示の際の処理を高速化して処理時間を格段に短縮することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】第1の実施形態に係るファイル管理システムのシステム構成図である。
【図2】第1の実施形態に係るファイル管理装置のハードウェア構成図である。
【図3】第1の実施形態に係るファイル管理装置の機能ブロック図である。
【図4】第1の実施形態に係るファイル管理装置において複数の分類基準で生成されたツリーの一例を示す図である。
【図5】第1の実施形態に係るファイル管理装置において既存のツリーを示す図である。
【図6】第1の実施形態に係るファイル管理装置においてノードの名称を変換した場合の処理を示す図である。
【図7】第1の実施形態に係るファイル管理装置においてノードを削除した場合の処理を示す図である。
【図8】第1の実施形態に係るファイル管理装置においてノードを統合した場合の処理を示す図である。
【図9】第1の実施形態に係るファイル管理装置においてダイシングを実行した場合の処理を示す図である。
【図10】第1の実施形態に係るファイル管理装置においてスライシングを実行した場合の処理を示す図である。
【図11】第1の実施形態に係るファイル管理装置においてドリリングを実行した場合の処理を示す図である。
【図12】第1の実施形態に係るファイル管理システムにおけるファイル数の演算処理を示す図である。
【図13】第1の実施形態に係るファイル管理装置の動作を示す第1のフローチャートである。
【図14】第1の実施形態に係るファイル管理装置の動作を示す第2のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の実施の形態を説明する。本発明は多くの異なる形態で実施可能である。従って、本実施形態の記載内容のみで本発明を解釈すべきではない。また、本実施形態の全体を通して同じ要素には同じ符号を付けている。

【0027】
以下の実施の形態では、主に装置について説明するが、所謂当業者であれば明らかな通り、本発明はシステム、方法、及び、コンピュータを動作させるためのプログラムとしても実施できる。また、本発明はハードウェア、ソフトウェア、または、ハードウェア及びソフトウェアの実施形態で実施可能である。プログラムは、ハードディスク、CD-ROM、DVD-ROM、光記憶装置、または、磁気記憶装置等の任意のコンピュータ可読媒体に記録できる。さらに、プログラムはネットワークを介した他のコンピュータに記録することができる。

【0028】
(本発明の第1の実施形態)
本実施形態に係るファイル管理装置について、図1ないし図14を用いて説明する。図1は、本実施形態に係るファイル管理システムのシステム構成図である。ファイル管理システム1は、ファイル記憶部11とサーバ12とクライアント端末13とを備える。ファイル記憶部11は、ファイルサーバとして機能してもよいし、サーバ12に含まれる構成であってもよい。ファイル記憶部11には、管理対象となっているファイル、それらのファイルのURI(Uniform Resource Identifier)情報、ツリー(分類のために用いる階層構造)情報、タグ(ツリーの各ノード)情報、ファイルとタグの対応関係、及びユーザプロファイル等が登録されている。

【0029】
サーバ12は、クライアント端末13からの処理要求に基づいて、ファイル記憶部11にアクセスして必要な処理を行う。この処理には、ツリーの参照、更新やファイルの追加、削除やファイルとタグの対応付けの追加、編集、削除等が含まれる。また、利用者が指定した条件に基づいて各種の検索操作に必要な処理を行う。

【0030】
クライアント端末13は、利用者に対するユーザインタフェースを提供する。利用者は、分類に用いるツリーの閲覧と編集、ファイルの登録とタグ付け、ファイルの検索をクライアント端末13上で行える。また、ツリーを構成する各タグには対応するファイル数が常に隣接して表示されている。これによりファイルの分布状況を利用者に示すことができる。
なお、ファイル管理システム1は、各構成が一体的となったファイル管理装置として捉えてもよい。

【0031】
図2は、本実施形態に係るファイル管理装置のハードウェア構成図である。ファイル管理装置10は、CPU21、RAM22、ROM23、ハードディスク(HDとする)24、通信I/F25、及び入出力I/F26を備える。ROM23やHD24には、オペレーティングシステムや各種プログラム(例えば、ファイル管理プログラム等)が格納されており、必要に応じてRAM22に読み出され、CPU21により各プログラムが実行される。通信I/F25は、他の装置(例えば、サーバ12であればクライアント端末13等)と通信を行うためのインタフェースである。入出力I/F26は、キーボードやマウス等の入力機器からの入力を受け付けたり、プリンタやディスプレイ等にデータを出力するためのインタフェースである。この入出力I/F26としてUSBやRS232C等が用いられる。また、必要に応じて、光磁気ディスク、フロッピーディスク(登録商標)、CD-R、DVD-R等のリムーバブルディスクに対応したドライブを接続することができる。

【0032】
なお、上記ハードウェア構成はファイルサーバ、サーバ、クライアント端末等のハードウェア構成の一例を示すものであるが、用途に応じてハードウェアの各要素を任意に組み合わせて構成できるものである。

【0033】
図3は、本実施形態に係るファイル管理装置の機能ブロック図である。ファイル管理装置10は、ファイル記憶部11と対応情報記憶部30と対応情報生成部31とファイル抽出部36とファイル数演算部37と表示制御部38とを備え、対応情報生成部31は、ノード属性情報32と名称変換部33とノード削除部34とノード統合部35とを備える。

【0034】
ファイル記憶部11は上述したように、ファイルの本体やツリーの情報を記憶する。対応情報生成部31は、既存のツリーから、異なる分類基準で新たな複数のツリーを生成し、ファイル記憶部11で管理されている管理ファイルの全てを新しく生成された各ツリーごとにいずれかのノードに振り分け、その対応情報を対応情報記憶部30に格納する処理を行う。具体的には、ノード属性情報32に記憶されたノード名と属性値との対応情報に基づいて、名称変換部33がノードの名称を変換し、変換された名称に応じてノード削除部34が削除可能なノードを削除し、ノード統合部35が残ったノードの名称に基づいてノードの統合を行う。

【0035】
ここで、上記対応情報生成部31の処理についてさらに詳細に説明する。図4は、本実施形態に係るファイル管理装置において複数の分類基準で生成されたツリーの一例を示す図である。図4においては、例えば「プロジェクト」を基準とするツリー、「文書の目的」を基準とするツリー、「作成年度」を基準とするツリー、「作成者」を基準とするツリーが示されている。ここでは、ファイル記憶部11に記憶されている管理ファイルが1384個あり、その全てのファイルが各ツリーごとにいずれかのノードに振り分けられている。複数の分類基準で新たなツリーを既存のツリーから生成するために、以下の処理を行う。

【0036】
図5は、本実施形態に係るファイル管理装置において既存のツリーを示す図である。例えば、利用者がファイル2にアクセスする場合には、ルート→2008年事業A→社員アという順序でノード内を検索することでアクセス可能となる。しかし、社員アに関連してファイル7にも併せてアクセスしたい場合には、再度ルート→事業A→2007年→社員アという順序でノード内を検索する必要があり、手間が掛かってしまう。特に、利用者がツリー構造を把握できていない場合やツリーが大規模である場合は、ファイル2とファイル7とが社員という基準から見れば非常に関連するファイルであるにも関わらず、手探りで各ノード内を検索するか、条件を指定してのファイル検索処理を行うことになり、非常に効率が悪いものとなる。

【0037】
利用者は、図5のような既存のツリーに関して、下記の表1に示す対応表を作成し、ノード属性情報32に格納する。表1は、既存のツリーにおけるノードの名称と属性値とを対応付ける表である。例えば、既存のツリーから、「事業」、「作成者」、及び「作成年」という新たな分類基準でツリーを生成する場合には、既存のツリーにおけるノードの名称から、分類基準の属性に該当する部分を属性値として抜き出して対応付けを行う。「2008年事業A」のフォルダの場合は、属性「事業」については、属性値「事業A」となり、属性「作成年」については、属性値「2008年」となる。属性「作成者」については、ノードの名称に作成者に該当する情報が含まれないため「空白」となる。そして、ノードの名称と各属性値とが表で対応付けられる。全てのノードについて下記の対応表を作成する。

【0038】
【表1】
JP0004604168B1_000002t.gif

【0039】
上記表1が作成されると、名称変換部33が、図5に示した既存のツリーにおけるノードの名称を表1の対応表に基づいて変換する。図6は、本実施形態に係るファイル管理装置においてノードの名称を変換した場合の処理を示す図である。図6は、属性「事業」のツリーを生成する場合の処理を示している。対応表から、名称に属性「事業」の属性値を含むノードについては、ノードの名称をその属性値に変換し、名称に属性「事業」の属性値を含まない(空白)のノードについては、ノードの名称を空白に変換する。このような変換を行うことで、図6に示すような属性「事業」、又は「空白」のみのノードで構成されるツリーが生成される。

【0040】
図6のツリーが生成されると、ノード削除部34が空白のノードを削除する。図7は、本実施形態に係るファイル管理装置においてノードを削除した場合の処理を示す図である。図7に示すように、図6の状態から空白のノードを削除すると、属性「事業」のノードのみが残り、全てのファイルがいずれかのノードに属する構成のツリーが生成される。

【0041】
図7のように空白のノードが削除されると、ノード統合部35が残ったノードについて、名称が重複するノードを統合する。図8は、本実施形態に係るファイル管理装置においてノードを統合した場合の処理を示す図である。図8(A)が属性「事業」を分類基準とするツリーであり、図8(B)が属性「作成年」を分類基準とするツリーであり、図8(C)が属性「作成者」を分類基準とするツリーである。図8(A)において、図7で名称が重複しているノード(事業Aと事業Cのノード)については、各ノードで一のノードに統合されると共に、下位の階層についてもそのまま統合される。図8(B)、(C)でも前記と同様の各処理が実行され、属性ごとに3つの新たなツリーが生成される。

【0042】
なお、ここでは、同一階層内で名称が重複するノードについてのみ統合を行うこととしている。また、図8(C)に示すように、作成者が不明であるファイルがある場合は、前記各処理を行うことで、ルートノードの直下に配置されることとなる。

【0043】
さらに、前記処理においてノードの名称と属性値との対応付けを利用者が行うこととしたが、ファイル自体が持っている属性情報(例えば、名前、登録日、登録者(利用者ID)、更新日、サイズ、種類(拡張子)、ページ数、備考等)に基づいて、ノードの名称とのマッチングを行うことで対応表を自動生成することも可能である。

【0044】
さらにまた、ファイル管理の効率を考えると、ルートノードの直下ではなくルートノードの下位のいずれかのノードに属することが望ましい。そこで、ファイルを保存する際に、ファイルの属性情報をチェックしてルートノードの下位のいずれかのノードに属するように、名前、作成者、備考等の修正を促すメッセージや警告を出すようにしてもよい。

【0045】
図3に戻って、対応情報記憶部30は、対応情報生成部31が生成した、管理ファイルと各階層構造におけるノードとの対応情報を記憶する。ファイル抽出部36は、OLAP(online analytical processing)操作を行った場合の表示対象となるファイルの抽出を行う。

【0046】
OLAP操作は、多次元データを分析することを目的としており、多次元データを様々な観点から柔軟に集計する機能を提供することで、そのデータの全体像だけでなく、利用者が関心を持つデータの特定部分についても分析を行う機能を提供する。そのため、下記に説明するダイシング、スライシング、及びドリリングの3種類の操作を組み合わせて用いる。本実施形態に係るファイル管理装置においては、OLAP操作によるデータ分析と対応付け操作をクライアント端末13が提供する単一のユーザインタフェース上で実現できるように工夫している。これにより、ユーザインタフェースの統合を図れると同時に、利用者が対応付けを編集する際に、スライシング等のOLAP操作を組み合わせて用いることもできるので編集作業が容易になる。

【0047】
図9は、本実施形態に係るファイル管理装置においてダイシングを実行した場合の処理を示す図である。nを属性数とすると、多次元データはn次元空間に分布しているため、それを直接可視化することはできない。そこで、データを分析する際に用いる次元を利用者が指定し、それに基づいて集計結果を表示する。その際、次元を選択する操作をダイシングと呼ぶ。

【0048】
図9(A)において、左側に表示されている「プロジェクトタブ(プロジェクトを分類基準とするツリー)」が選択されている状態で、図9(B)に示すように「文書の目的タブ(文書の目的を分類基準とするツリー)」を選択すると、異なる分類基準に切り替えてファイルを参照することができる。このとき、各ツリーを独立して参照することができるため、画面内に複数のツリー構造が混在せず、非常に使い勝手がよいものとなっている。

【0049】
特に、図9(A)において、「プロジェクトタブ」の「学会ノード(ファイル数286)」が選択され、そのファイル一覧が右側に表示されている状態で、図9(B)に示すように「文書の目的タブ」を選択すると、図9(A)の「学会ノード」に属していた286個のファイルに関して、図9(B)の「文書の目的」を分類基準としたツリーが表示される。さらに図9(B)のように、「会議資料ノード」が選択されると、図9(A)の「学会ノード」に属していたファイルのうち、図9(B)の「会議資料ノード」に属するファイルがファイル一覧に表示される。つまり、ファイル抽出部36が、「学会ノード」に属しているファイルと「会議資料ノード」に属しているファイルとで重複するファイルを共通ファイルとして抽出し、抽出した共通ファイルを「会議資料ノード」の配下のファイルとして表示する。

【0050】
図10は、本実施形態に係るファイル管理装置においてスライシングを実行した場合の処理を示す図である。多次元データに対して特定の条件を適用し、分析の対象とするデータの絞り込みを行う操作をスライシングと呼ぶ。

【0051】
図10(A)において、「プロジェクトタブ」の「学会ノード」が選択され、右側にそのファイル一覧が表示されている。この状態で、図10(B)に示すように「BBB学会ノード」を選択すると、「BBB学会ノード」の配下のファイルを分析対象とする絞り込みを行うことができる。このとき、図9の場合と同様に、「プロジェクトタブ」以外のタブを選択すると、「BBB学会ノード」の配下にある12個のファイルに関して、選択されたタブに対応するツリーを表示することが可能となる。つまり、スライシングとダイシングを組み合わせることで、利用者が検索条件を自由に設定することが可能となる。

【0052】
図11は、本実施形態に係るファイル管理装置においてドリリングを実行した場合の処理を示す図である。多次元データの各次元に属する属性値は一般に階層的に構成されている。階層の上位はより抽象的な分類に、下位はより具体的な分類に対応しているが、特定の次元について集計に用いる階層のレベルを上位に移動する操作をドリルアップ、下位に移動する操作をドリルダウンと呼ぶ。ドリリングはドリルアップとドリルダウンの総称である。

【0053】
図11(A)において、集計の階層を「通信学会フォルダ」の下位である「ABCフォルダ」、「DEFフォルダ」、「GHIフォルダ」に移動する操作がドリルダウンで、逆の操作がドリルアップである。この場合も、図9の場合と同様に集計の階層ごとにダイシングを組み合わせて、検索条件を自由に設定することが可能である。

【0054】
図3に戻って、ファイル数演算部37は、ノードごとに属するファイルの数を演算する。ノードごとにファイル数を演算して表示させることで、利用者がファイルの大まかな分布状況を常に把握することができる。ファイル数の演算は、演算量が多いためサーバ12に負荷が集中し、処理に時間が掛かってしまうと共に、データベースへのアクセスは非常に低速であるため、処理を高速化する必要がある。

【0055】
ファイル数の演算について、詳細に説明する。図12は、本実施形態に係るファイル管理システムにおけるファイル数の演算処理を示す図である。本実施形態に係るファイル管理システムにおいては、演算の度にデータベースにアクセスしていては、前述した理由から非常にレスポンスが悪く現実的ではない。そこで、図12に示すように、ファイル記憶部11にファイルの追加、削除や対応関係の編集やタグの追加、削除等が行われた際に、サーバ12にて予めファイル数を集計に必要な情報を主記憶上に保持しておく。

【0056】
サーバ12では、ツリーTiごとに子孫節点を含む場合と含まない場合について夫々対応するファイルIDを保持する。これは、本実施形態に係るファイル管理装置10が、選択されたタグに直接対応付けられたファイルを検索するか、又は選択されたタグ、及びその子孫のタグに対応付けられたファイルを検索するかをモードにより切り替え可能としているため、いずれのモードにも対応できるように、子孫節点を含む場合と含まない場合に分けてデータを保持している。また、このとき、タグとファイルIDでソートしておく。

【0057】
クライアント端末13では、利用者がツリーTjを選択したとすると、Tj以外のツリーにおけるファイルID集合であって、スライシングやダイシング等の操作により得られたファイルIDの集合の共通する部分を計算しておく(共通ファイル集合とする)。この共通ファイル集合は、ファイルIDでソートしておく。そして、Tjにおける任意のタグが選択された場合に、サーバ12から該当するファイルID集合を取得し(ファイルIDでソート済み)、前記で求めた共通ファイル集合と共通するファイルIDを計算する。この共通ファイル集合は、ツリーTj内でスライシングの操作を行った場合には再利用できるため、スライシングを繰り返し行った場合には処理を高速化することができる。また、ファイルID順にソートされた情報で共通部分を検出することでさらに処理を高速化することができる。

【0058】
図3に戻って、表示制御部38は、対応情報記憶部30が記憶するツリーの切り替え表示、OLAP操作によるツリー表示、ファイル数演算部37で演算されたファイル数の表示等をディスプレイ39に行う場合の制御を行う。ツリーの表示は、図9に示すように各ツリーごとにタブで切り替えて表示する。

【0059】
ここで、本実施形態に係るファイル管理装置において、利用者の操作により実行される機能について説明する。本実施形態に係るファイル管理装置では、ファイルとツリーの対応付けやファイルの登録を行うために以下の機能が提供される。

【0060】
(1)ツリーの編集機能
・ツリーの新規作成
・部分木のカット、コピー、ペースト、削除
(2)タグ編集機能
・タグの新規作成、ツリーとの対応付け
・タグの名前変更
・タグのカット、コピー、ペースト、削除
(3)ファイルとタグの対応付け
・ファイルの登録、削除
・ファイルとタグとの対応付けの追加、編集、削除

【0061】
これらの機能を提供するクライアント端末13の画面が、例えば図9に示す画面である。図9において、画面左側に表示されているツリーは、ツリーの名称を表示したタブを変更すれば、自由に切り替えることができる。ツリー、及びタグに対する編集機能は、この左側の画面で提供される。

【0062】
新しいファイルを登録してタグに対応づける処理は、ファイルの属性情報から設定可能なツリーに関しては、上述したようにシステム側が自動で行うことができる。それ以外のツリーに関しては、利用者とシステムの間で以下の方法によって行うことが可能である。

【0063】
(1)利用者は、各ツリー上でファイルに対応付けるノードをマウス等のポインティングデバイスで選択する。このとき、1つのツリー上で複数のノードを同時に選択するこが可能である。(2)利用者は、登録したいファイルを1個以上選択してファイル一覧が表示されている場所(図9における右側の領域)にドラッグ&ドロップする。なお、利用者はノード(サブノードを含む)を選択してドロップすることもできる。(3)システムでは、指定されたすべてのファイルを、各ツリー上で指定されたノードに一括して対応づける。なお、ノードがドロップされた場合は、当該ノードに格納されていた全てのファイルを指定されたタグに対応づける。(4)利用者がツリー上でノードを選択しなかった場合、システムはファイルを当該ツリーのルートノードに対応づける。なお、ルートノードには「対応するノードの未指定」という意味だけでなく、「全ての子孫ノードと対応」という意味を与えることもできる。両者を区別する必要が生じた場合には,それぞれの意味に対応するノードを定義して対応付ければ良い。

【0064】
ファイルとノードとの対応付けに関する操作は、ツリー毎に独立に行うようにしてもよい。ファイルとタグの対応関係を変更する際には、1個以上のファイルを選択して、新たに対応付けたいノードにドロップする。選択したファイルをルートノードにドロップすることでファイルとノードの対応関係を未整理状態に戻すことができる。ただし、各ファイルと各ツリーの間にはノードによる対応関係が定義されている必要があるため、対応関係をすべて削除することはできない。また、ファイルをノードにシフト-ドロップ(shiftボタン押下したままドロップする操作を意味するが、操作コマンドはこれに限定されない)することにより、当該ファイルに新たなノードとの対応を追加できる。

【0065】
ただし、ファイルを複数のノードと対応付ける場合、これらのノードの間に先祖-子孫関係があってはならない。そのような関係があった場合には警告を表示した上でシフト-ドロップされたファイルを先祖ノードに対応づける。なお、複数のタグt1、t2に対応づけられたファイルfがあった場合、ツリー上でタグt1を選択した状態でファイルfをドラッグ(又はシフト-ドラッグ)することで、t1とfの対応関係だけを編集できる。
なお、上記説明は操作の一例であるが、上記操作を行わずに前記で説明した対応情報生成部31の処理により、新たなファイルの登録や対応付けを行うようにしてもよい。

【0066】
次に、本実施形態に係るファイル管理装置の動作を説明する。図13は、本実施形態に係るファイル管理装置の動作を示す第1のフローチャート、図14は、本実施形態に係るファイル管理装置の動作を示す第2のフローチャートである。

【0067】
図13において、まず、既存の階層構造に基づいて、異なる分類基準で新たな複数の階層構造を生成し(S131)、管理ファイルとノードの対応付けを行う。この処理は、既存のファイル管理から、本実施形態に係るファイル管理装置への移行処理に相当する。このS131の処理について図14のフローチャートで説明する。

【0068】
図14において、まず、既存の階層構造におけるノードの名称と属性値とを対応付ける(S141)。ノードの名称に属性値が含まれるかどうかを判定し(S142)、含まれる場合は、ノードの名称を属性値に変換する(S143)。含まれない場合は、ノードの名称を任意の共通の名称(例えば、空白)に変換する(S144)。任意の共通の名称に変換されたノードを削除し(S145)、残ったノードのうち、名称が同一の属性値に変換されたノードを一のノードに統合して(S146)、S131の処理を終了する。

【0069】
図13に戻って、S131の移行処理が完了すると、新たに生成された複数の階層構造における各ノードごとに、所属するファイル数を演算する(S132)。階層構造、ファイル数、ファイル一覧をディスプレイに表示し(S133)、利用者から操作入力があるまでそのまま待機する。利用者からの操作入力があるかどうかを判定し(S134)、操作入力がない場合は、そのまま待機する。操作入力がある場合は、操作に応じてファイルの抽出、ファイル数の演算等を行いディスプレイ上に再表示して(S135)、処理を終了する。

【0070】
上記で説明したように、本実施形態に係るファイル管理装置において、利用者はツリーの切り替え、及びツリーを構成するタグの選択を組み合わせてファイルの検索を行うことができる。利用者がツリーの切り替えを行うと、対象となるファイルの分布状況を異なる分類軸で参照できる。この操作はダイシングに対応する。なお、複数のツリーを同時に選択してクロス集計を求めるようにしてもよい。

【0071】
また、画面に表示されているツリー上で、上位のタグを表示する操作はドリルアップ、下位のタグを表示する操作はドリルダウンにそれぞれ対応する。利用者が画面に表示されているツリー上でタグを選択すると、指定されたタグに対応するファイルだけが右側の画面に一覧表示される。この操作はスライシングに対応する。図10の例では「プロジェクト=学会」という選択条件によってファイルの絞り込みを行っている。複数のツリーでタグを指定した場合には、それらの選択条件をすべて満たすファイルが検索される。なお、複数のツリーでOR条件による検索にも適用可能である。なお,図9に示した例では、ファイル一覧には「学会」タグに直接対応づけられているファイルだけでなく、その子孫タグ(例えば、情報学会、通信学会等)に対応づけられているファイルも含まれている。しかし、指定したタグに直接対応づけられているファイルのみを検索するように指定することもできる。また、この指定はツリー毎に行うことができる。

【0072】
さらに、タグを指定した状態でツリーの切り替え(ダイシング)を行うと、集計対象を絞り込むことができる。例えば、図9(A)で指定した選択条件によって絞り込まれた286個のファイルを対象としてダイシングを行い、文書の目的毎に集計したものが図9(B)となる。

【0073】
以上で示したように、本実施形態に係るファイル管理装置は、クライアント側でのマウス操作により、3種類のOLAP操作(ダイシング、スライシング、ドリリング)を実現している。また、必要なデータのみをサーバやクライアントのメモリ上に保持しておくと共に、予測される演算をCPUの空きを利用して予め計算しておくことで、処理の高速化を実現している。

【0074】
なお、クライアント端末13からサーバ12へのファイル送信は、所定のファイル数単位(例えば、100ファイル程度)をブロック化して送信するのがよい。そうすることで、多数のファイルを一括送信してもタイムアウトが発生しにくく、利用者によるファイル送信のキャンセルにも対応しやすい。

【0075】
また、同様の理由で、サーバ12からクライアント端末13に大きなデータ(ツリーとファイルとの対応等)を送信する場合にも、所定規模のブロックに分けて送信するのがよい。

【0076】
さらに、アクセス頻度が高い利用者については、その利用者専用のツリーとファイルとの対応情報を保持しておき、他の利用者の対応情報については差分情報のみを保持するようにしてもよい。

【0077】
以上の前記各実施形態により本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は実施形態に記載の範囲には限定されず、これら各実施形態に多様な変更又は改良を加えることが可能である。そして、かような変更又は改良を加えた実施の形態も本発明の技術的範囲に含まれる。このことは、特許請求の範囲及び課題を解決する手段からも明らかなことである。
【符号の説明】
【0078】
1 ファイル管理システム
10 ファイル管理装置
11 ファイル記憶部
12 サーバ
13 クライアント端末
21 CPU
22 RAM
23 ROM
24 HD
25 通信I/F
26 入出力I/F
30 対応情報記憶部
31 対応情報生成部
32 ノード属性情報
33 名称変換部
34 ノード削除部
35 ノード統合部
36 ファイル抽出部
37 ファイル数演算部
38 表示制御部
39 ディスプレイ
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13