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明細書 :刺激応答計測システム及び刺激応答計測方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4858996号 (P4858996)
公開番号 特開2009-261365 (P2009-261365A)
登録日 平成23年11月11日(2011.11.11)
発行日 平成24年1月18日(2012.1.18)
公開日 平成21年11月12日(2009.11.12)
発明の名称または考案の名称 刺激応答計測システム及び刺激応答計測方法
国際特許分類 A01K  67/00        (2006.01)
FI A01K 67/00 D
請求項の数または発明の数 7
全頁数 26
出願番号 特願2008-117452 (P2008-117452)
出願日 平成20年4月28日(2008.4.28)
審査請求日 平成22年9月24日(2010.9.24)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504258527
【氏名又は名称】国立大学法人 鹿児島大学
発明者または考案者 【氏名】口岩 聡
【氏名】口岩 俊子
【氏名】村上 理
個別代理人の代理人 【識別番号】100090273、【弁理士】、【氏名又は名称】國分 孝悦
審査官 【審査官】小島 寛史
参考文献・文献 特開昭63-091027(JP,A)
特開昭53-058384(JP,A)
調査した分野 A01K 67/00
特許請求の範囲 【請求項1】
被計測対象動物に対して刺激を与える刺激棒と、
前記被計測対象動物に前記刺激棒による刺激を与えた際に、前記被計測対象動物が前記刺激棒に対して起こした行動に基づく当該刺激棒に加えられた荷重を検出する検出手段と、
前記検出手段で検出された荷重に基づいて、前記被計測対象動物の前記刺激に対する応答量を計測する計測手段と
を有することを特徴とする刺激応答計測システム。
【請求項2】
前記検出手段は、前記被計測対象動物が、前記刺激棒を払い除ける行動及び前記刺激棒に噛みつく行動を含む前記刺激棒に対する行動を起こした際に、前記刺激棒に加えられた荷重を検出することを特徴とする請求項1に記載の刺激応答計測システム。
【請求項3】
前記検出手段は、前記荷重を検出する2軸または3軸の荷重センサーから構成されており、
前記荷重センサーは、前記刺激棒の基部に取り付けられていることを特徴とする請求項1または2に記載の刺激応答計測システム。
【請求項4】
前記被計測対象動物を収容する動物用ケージと、
前記動物用ケージ内の前記被計測対象動物に対して前記刺激棒を駆動させる刺激棒駆動手段と、
前記計測手段により計測された前記応答量を表示する表示手段と
を更に有することを特徴とする請求項1~3のいずれか1項に記載の刺激応答計測システム。
【請求項5】
前記計測手段は、前記検出手段で検出された荷重のデータを解析し、当該荷重のX軸及びY軸の水平方向の合成ベクトルを前記応答量として算出して、前記応答量の計測を行うことを特徴とする請求項1~4のいずれか1項に記載の刺激応答計測システム。
【請求項6】
被計測対象動物に対して刺激棒を用いて刺激を与える刺激ステップと、
前記被計測対象動物に前記刺激棒による刺激を与えた際に、前記被計測対象動物が前記刺激棒に対して起こした行動に基づく当該刺激棒に加えられた荷重を検出する検出ステップと、
前記検出ステップで検出された荷重に基づいて、前記被計測対象動物の前記刺激に対する応答量を計測する計測ステップと
を有することを特徴とする刺激応答計測方法。
【請求項7】
前記計測ステップでは、前記検出ステップで検出された荷重のデータを解析し、当該荷重のX軸及びY軸の水平方向の合成ベクトルを前記応答量として算出して、前記応答量の計測を行うことを特徴とする請求項6に記載の刺激応答計測方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、被計測対象動物に対して軽い接触刺激等の機械的刺激(機械刺激)を与え、その刺激に対する応答行動を計測する刺激応答計測システム及び刺激応答計測方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、動物の行動を解析する方法として、様々な解析システムが提案されている。
例えば、下記の特許文献1及び特許文献2には、モデルとなる動物の撮影を行い、撮影した時系列の映像データを用いて、動物の行動を解析する方法が提案されている。
【0003】
しかしながら、上述した特許文献1および特許文献2は、単に動物の行動を観察し、解析するものであったため、軽い接触刺激(粗大触圧覚刺激)等の機械的刺激に対する動物の応答行動を観察することはできなかった。
【0004】

【特許文献1】特開2006-75138号公報
【特許文献2】特開2004-89027号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
一般に、動物の刺激に対する皮膚感覚には、温痛覚、識別性触圧覚及び粗大触圧覚(機械的接触等に対する触覚)がある。これらの感覚は、皮膚においてそれぞれ異なる終末受容器によって受容され、異なる神経細胞により中継され、そして異なる神経伝導路によって大脳皮質感覚野へ伝えられる。したがって、これらの3つの触覚は異なる感覚として明確に区別されている。
【0006】
現在、温痛覚に対する実験動物の応答を解析する計測装置は、すでにいくつかのものが市販されており、それらを用いた計測手法が確立され、様々な研究が行われている。これに対して、粗大触圧覚に対する応答行動を対象にした行動学的研究は、あまり行われていない。また、粗大触圧覚に対する応答行動を計測する研究機器も開発されていない。これは、粗大触圧覚は、温痛覚や識別性触圧覚と比較して臨床的に重要視されることが少なかったことが背景にあると考えられる。
【0007】
粗大触圧覚刺激に対する応答の有無は情動中枢(辺縁系)の状態、即ち、動物の精神状態に強く影響を受けると考えられている。情動中枢が安定していない動物、即ち、精神的に苛立ちのある鬱状態の動物では、粗大触圧覚刺激(軽い接触刺激)等の機械的刺激に対して過敏な応答行動を起こすことが多い。
【0008】
即ち、粗大触圧覚刺激(軽い接触刺激)等の機械的刺激を用いることにより、動物の情動中枢の状態を推察することができると考えられる。しかしながら、従来の技術では、粗大触圧覚刺激等の機械的刺激を被計測対象動物に与え、機械的刺激に対する応答を計測することができなかったため、被計測対象動物の鬱症状を計測することはできなかった。
【0009】
本発明はこのような問題点に鑑みてなされたものであり、動物の鬱状態の定量的な評価を実現する刺激応答計測システム及び刺激応答計測方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
鬱病やストレス性精神疾患の治療薬の開発にあたっては、実験動物を用いた研究が不可欠である。しかしながら、これらの疾患では、他の多くの疾患と異なり、血液検査や画像診断による診断を行うことができない。したがって、行動学的検査方法を実施し、治療効果の査定を行うことが必須である。
【0011】
現在、実験動物に発症した鬱病のスクリーニングには、強制水泳試験や雄性間攻撃行動等を観察する行動学的方法などが行われている。しかしながら、どの方法も高度な解析スキルを要し、初学者が信頼できる所見を得るのは容易ではない。しかも、同一の動物を使って継続的に試験を行うことができないので、鬱病の発症と治癒を、時間を追って計測することには難がある。したがって、初学者にも簡単に鬱病をスクリーニングでき、しかも鬱の進行や治癒を客観的に評価できる研究機器の開発が必要である。
【0012】
鬱病をはじめとする精神疾患の1つの症状として、「普通なら無視されるような軽い刺激に対して過剰に反応する精神症状」が指摘されている。「何事にも我慢ができない」、「キレやすい」というような言葉で表現される精神症状である。
【0013】
強いストレスを長期的に与えられた実験動物では、鬱病を発症することが多い。これらの動物では、軽微な機械的刺激に対して過敏に応答する行動が現れることがある。例えば、鬱病を発症した動物(マウス、ラット)をプラスチック棒で軽く触ると、棒を後肢で激しく払い除ける行動(接触刺激応答行動)や棒に噛みつく行動(対物攻撃行動)が顕著に現れる。これらの応答行動は、正常動物ではあまり観察されないので、鬱症状を検出する指標として極めて重要である。したがって、これらを定量的に計測することができれば、鬱病の進行や治癒を数値化して示すことが可能となる。
【0014】
軽い接触刺激等の機械的刺激は、温痛覚刺激のような侵害性の刺激ではないので、逃避反射を起こすことはない。即ち、脊髄反射は惹起されない。機械的刺激から「逃避」するか「無視」するかの判断は、動物の情動中枢(辺縁系)における快/不快の判断をもとに、大脳新皮質によって行われる。そして、当該動物の情動中枢によって刺激が不快であると判断されれば、大脳新皮質は刺激から「逃避」する指令を出す。また、刺激を放置しても構わないと判断されれば、刺激を「無視」する。
【0015】
鬱症状をもつ動物では、些細な機械的刺激に対して情動中枢が過敏に応答し、低い閾値で応答行動を発現する。そして、鬱症状をもつ動物では、不快な刺激から「逃避」できない場合には、刺激に対して「攻撃」を加え、刺激を撃退しようとする。
【0016】
そこで、本発明者らは、鬱症状をもつ動物のこれらの行動に注目し、鬱症状を検出する計測手法、及び、鬱症状の強弱を定量的に評価するための計測手法を発案した。そして、その計測手法を簡単に、且つ、客観的に信頼性を高く行うために、刺激応答計測システムを発明した。
【0017】
本発明の刺激応答計測システムは、被計測対象動物に対して刺激を与える刺激棒と、前記被計測対象動物に前記刺激棒による刺激を与えた際に、前記被計測対象動物が前記刺激棒に対して起こした行動に基づく当該刺激棒に加えられた荷重を検出する検出手段と、前記検出手段で検出された荷重に基づいて、前記被計測対象動物の前記刺激に対する応答量を計測する計測手段とを有する。
【0018】
本発明の刺激応答計測方法は、被計測対象動物に対して刺激棒を用いて刺激を与える刺激ステップと、前記被計測対象動物に前記刺激棒による刺激を与えた際に、前記被計測対象動物が前記刺激棒に対して起こした行動に基づく当該刺激棒に加えられた荷重を検出する検出ステップと、前記検出ステップで検出された荷重に基づいて、前記被計測対象動物の前記刺激に対する応答量を計測する計測ステップとを有する。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、被計測対象動物の鬱状態を定量的に評価することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下に、添付図面を参照しながら、本発明の実施形態について説明する。
【0021】
図1は、本発明の実施形態に係る刺激応答計測システム100の外観の一例を示す写真である。
図1に示すように、本実施形態の刺激応答計測システム100は、動物刺激・刺激応答検出装置10と、刺激制御装置20と、アナログ/デジタル変換器(A/Dコンバータ)を内蔵した計測・指令装置30と、表示装置40と、操作入力装置50を有して構成されている。
【0022】
動物刺激・刺激応答検出装置10は、被計測対象動物を収容し、当該被計測対象動物に対して刺激棒を用いて機械的刺激を与えると共に、被計測対象動物が刺激棒に対して起こした行動に基づく当該刺激棒に加えられた荷重(力)を検出する。この動物刺激・刺激応答検出装置10の詳細については、後述する。
【0023】
刺激制御装置20は、計測・指令装置30からの指令に従って、動物刺激・刺激応答検出装置10による被計測対象動物に対する刺激棒の駆動速度やその上昇時間(刺激時間)、刺激の間隔、その回数等を直接制御する。また、刺激制御装置20は、動物刺激・刺激応答検出装置10から送られてくる荷重データに係るアナログ信号(検出信号)をアンプで増幅し、増幅したアナログ信号を計測・指令装置30へ伝えるものである。
【0024】
計測・指令装置30は、刺激制御装置20から送られてくるアナログ信号を、内蔵するA/Dコンバータでデジタル信号に変換し、当該デジタル信号に基づいて被計測対象動物の機械的刺激に対する応答量(反応量)をコンピュータ解析により算出して、被計測対象動物の機械的刺激に対する応答量の計測を行う。そして、計測・指令装置30は、必要に応じて、計測の結果得られた応答量の情報を、自装置に内蔵されている内部メモリに記億すると共に表示装置40に表示する。また、計測・指令装置30は、刺激制御装置20等に指令を出して、刺激応答計測システム100における動作を統括的に制御する。例えば、計測・指令装置30は、コンピュータで構成されている。
【0025】
表示装置40は、計測・指令装置30による制御に基づいて、計測結果を表示したり、各種の情報を表示したりする。
【0026】
操作入力装置50は、計測・指令装置30に対して、計測者(ユーザ)からの各種の入力指示を入力信号として入力する装置である。図1では、操作入力装置50としてキーボードの例を示しているが、本実施形態ではこれに限らず、他に、マウス等を有して構成されている形態であっても良い。
【0027】
図2は、本発明の実施形態に係る刺激応答計測システム100の概略構成の一例を示す模式図である。ここで、図1に示す構成と同様の構成については、同じ符号を付している。この図2には、図1に示す動物刺激・刺激応答検出装置10の内部の詳細な構成の一例が示されている。
【0028】
図2に示すように、動物刺激・刺激応答検出装置10は、動物用ケージ10a、及び、刺激発生・検出機構部10bを有して構成されている。
【0029】
動物用ケージ10aには、被計測対象動物200を収容する動物用チャンバー11と、動物用チャンバー11内で被計測対象動物200を収容する領域を画定する可動式シャッター12が配設されている。ここで、図2には、被計測対象動物200の一例としてマウスが示されている。また、動物用ケージ10aと刺激発生・検出機構部10bに跨って、動物用チャンバー11内に収容された被計測対象動物200に対して軽い接触刺激等の機械的刺激を与える刺激棒13が設けられている。
【0030】
刺激発生・検出機構部10bには、刺激棒13と、刺激棒13により被計測対象動物200に機械的刺激を与えた際に、被計測対象動物200が刺激棒13に対して起こした行動に基づく当該刺激棒13に加えられた荷重(力)を検出する検出手段である荷重センサー14が設けられている。図2に示す例では、荷重センサー14は、刺激棒13の基部に固定されている。さらに、刺激発生・検出機構部10bには、刺激棒13及び荷重センサー14等を支持する支持体15と、刺激棒駆動装置17及び汚物トレイ18等を左右の水平方向に移動させるためのスライドレール16と、スライドレール16を用いて支持体15を水平移動させて刺激棒13を左右に水平移動させると共に、支持体15を垂直移動させて刺激棒13を上下に垂直移動させる刺激棒駆動装置17と、被計測対象動物200の汚物の受け皿となる汚物トレイ18が設けられている。
【0031】
図3は、図2に示す動物刺激・刺激応答検出装置10の外観の一例を示す写真である。また、図4は、図2に示す動物刺激・刺激応答検出装置10における動物用チャンバー11の外観の一例を示す写真である。また、図5は、図2に示す動物刺激・刺激応答検出装置10における刺激棒13及び荷重センサー14の外観の一例を示す写真である。
図5に示すように、荷重センサー14は、被計測対象動物200による放尿や脱糞から内部の精密部を保護するため、低円柱状の金属カバーで覆われている。
【0032】
動物刺激・刺激応答検出装置10では、被計測対象動物200の身繕いや体位変換などの自発行動によって生じた振動等による荷重(力)を荷重センサー14で検出しないように、動物用チャンバー11と刺激棒13とは、刺激棒13の上昇時及び下降時においても直接接触しない構造となっている。そして、本実施形態では、動物用チャンバー11内に刺激棒13が上昇して被計測対象動物200に直接触れる等により、被計測対象動物200が刺激棒13に対して応答行動を起こす時、即ち被計測対象動物200が刺激棒13を後肢で払い除けたり、噛みついたり、前肢で攻撃する等した時に、その荷重(力)を荷重センサー14で検出する仕組みとなっている。このような観点から、本実施形態では、以下に示す動物刺激・刺激応答検出装置10を構成するようにした。
【0033】
(動物用ケージ10a)
図6及び図7は、図2に示す動物刺激・刺激応答検出装置10における動物用ケージ10aの外観の一例を示す写真である。具体的に、図6は、動物用ケージ10aを上斜方向から撮影した写真であり、図7は、動物用ケージ10aを上方向から撮影した写真である。
【0034】
動物用ケージ10aは、図2、図6及び図7に示すように、被計測対象動物200を収容するための収容部となる動物用チャンバー11と、動物用チャンバー11内で被計測対象動物200を収容する領域を画定する可動式シャッター12とを有して構成されている。動物用チャンバー11には、当該動物用チャンバー11を動物刺激・刺激応答検出装置10の筐体に固定するための底板が構成されている。この際、動物用チャンバー11は、被計測対象動物200が常に中央に位置するように、その側面の下部が傾斜面で形成されている。また、動物用チャンバー11の底板には、刺激棒13を通過させるための幅5mm程度の2本の縦孔(例えば、マウス用では長さ90mm程度、ラット用では長さ250mm程度)が形成されている。また、動物用チャンバー11には、可動式シャッター12を挿入するための横孔が、その両端にそれぞれ3つずつ形成され、被計測対象動物200の大きさ等に合わせて収容部の広さが調節できるようになっている。ここで、本実施形態では、動物用チャンバー11は、被計測対象動物200が動物用チャンバー11内でかろうじて向きを変えることができる広さのものを用いるようにする。また、動物用チャンバー11及び可動式シャッター12は、被計測対象動物200の様子が外から分かるように、例えば、無色透明のアクリル製のものを用いる。
【0035】
(刺激棒駆動装置17及び刺激棒13)
刺激棒駆動装置17は、刺激棒13を直線運動で駆動させる装置である。被計測対象動物200に接触させる、或いは、被計測対象動物200の頭部付近に接近させて、被計測対象動物200を視覚的に刺激する刺激棒13は、例えば、動物用チャンバー11の長軸方向(長手方向)に対して垂直に2本設けられ、それぞれが動物用チャンバー11の2つの縦孔を1本ずつ通過するように、上向きに、マウス用では約15mm間隔で、ラット用では約40mm間隔で取り付けられている。
【0036】
刺激棒13としては、例えば、直径3mm程度、長さ50mm程度の金属棒で形成し、また、被計測対象動物200に痛覚を与えることがないように、先端を球状に削ったものを使用する。刺激棒駆動装置17による刺激棒13の駆動速度(上昇速度)は可変式とし、この制御は、例えば、計測者により操作入力装置50を介して入力された入力信号に基づいて、計測・指令装置30により刺激制御装置20を介して制御される。そして、刺激棒駆動装置17では、例えば、刺激棒13を自動的に、動物用チャンバー11の底板の縦孔から、動物用チャンバー11内に直線運動で上昇させるように設定されている。
【0037】
そして、刺激棒駆動装置17は、刺激棒13を、被計測対象動物200の腹側から比較的遅い速度、例えば、85mm~100mm/秒程度の速度で上昇させて、被計測対象動物200の腹側面(後肢、腹部、前肢、頸部、下顎のいずれか)に接触するように、または被計測対象動物200の頭部付近に接触することなく停止するように駆動する。また、刺激棒駆動装置17では、被計測対象動物200に過度の圧迫を与えないように、刺激棒13が動物用チャンバー11の底面(底板)から10mm程度の位置で停止するように駆動設定されている。また、刺激棒駆動装置17による刺激棒13の上昇(刺激)時間、上昇(刺激)間隔、上昇(刺激)回数は、例えば、計測者により操作入力装置50を介して入力された入力信号に基づいて、計測・指令装置30により刺激制御装置20を介して自動制御され設定される。
【0038】
また、上述した説明では、刺激棒駆動装置17は、支持体15をスライドレール16上に水平移動させて刺激棒13を左右に水平移動させるようにしたが、例えば、刺激棒駆動装置17は、刺激棒13を上下の垂直方向にのみ駆動させ、刺激棒13の左右の水平方向への移動は、手動で行えるようにした形態であってもよい。いずれにせよ、被計測対象動物200が動物用チャンバー11内で体位を変えるため、被計測対象動物200の位置に合わせて刺激棒13を水平方向に移動できるように構成することは必須である。なお、後述する実験では、被計測対象動物200の温痛覚を刺激しないように、実験室内の温度を23±2℃に維持するようにし、また、動物刺激・刺激応答検出装置10は、実験開始の1時間以上前に実験室内に設置し、刺激棒13の温度を管理するようにした。
【0039】
(荷重センサー14)
刺激棒13を動物用チャンバー11の底面から上昇させて被計測対象動物200の腹部または後肢に接触させることにより、被計測対象動物200はその接触を嫌がって、刺激棒13を後肢で払いのけようとする行動(接触刺激応答行動)を起こすことがある。また、被計測対象動物200の顔の近くに刺激棒13を上昇させると、刺激棒13に噛みついたり、前肢で攻撃を加えたりする行動(対物攻撃行動)を起こすことがある。
【0040】
正常な動物では、このような刺激に対して、あまり顕著な応答を示さないことが多いが、鬱症状を持つ動物では、激しく「接触刺激応答行動」や「対物攻撃行動」を起こすことが多い。本実施形態の刺激応答計測システム100では、被計測対象動物200が、刺激棒13を蹴ることや、或いは、刺激棒13に噛みついた際の刺激棒13に加えたれた荷重(力)を検出するための荷重センサー14を、刺激棒13の基部に直接取り付けて構成している。
【0041】
荷重センサー14で検出された荷重(力)に係る検出信号(荷重センサー14に加わる荷重(力)に係る検出信号)は、刺激制御装置20を介して計測・指令装置30に入力され、内蔵するA/Dコンバータでアナログ/デジタル変換される。そして、計測・指令装置30では、荷重センサー14で検出された荷重(力)に基づいて、被計測対象動物200の刺激に対する応答(反応)を定量的に計測する。具体的に、計測・指令装置30では、荷重センサー14で検出された荷重(力)の大きさに係る物理量(ここでは、荷重センサー14に加わる荷重(力))と、その継続時間の積(荷重×時間:mN・ms)をコンピュータ解析により計算することにより、被計測対象動物200の刺激に対する応答(反応)を定量的に計測するようにしている。そして、本実施形態の刺激応答計測システム100では、計測結果を、表示装置40に表示し、また、計測・指令装置30に内蔵されている内部メモリに記億する。このようにして、被計測対象動物200の接触刺激等に対する応答行動を定量的に評価するようにし、更には被計測対象動物200の鬱状態を定量的に評価できるようにしている。
【0042】
また、荷重センサー14は、被計測対象動物200が刺激棒13に対して起こした接触刺激応答行動及び対物攻撃行動の荷重(力)の大きさを、XYZ軸の3軸方向のベクトルとして検出する。また、表示装置40には、計測・指令装置30の処理により、荷重センサー14で検出された3軸方向の検出値と、さらに、水平方向の荷重(力)であるX軸とY軸の合成ベクトルの検出値が、縦軸に荷重(力)(mN)、横軸に時間(ms)をパラメータとする波形として表示されるようになっている。また、表示装置40には、毎回の刺激に対する被計測対象動物200の応答行動の計測結果(積分値)が表示される。この計測結果は、被計測対象動物200の体重による荷重を除外して水平方向のみの荷重とするために、下方に向かう(Z軸方向の)ベクトルの検出値は計測から除外している。即ち、この場合、計測・指令装置30は、荷重センサー14で検出された荷重(力)のデータを解析し、当該荷重のX軸及びY軸の水平方向の合成ベクトルを応答量として算出して、被計測対象動物200の刺激に対する応答量を計測する。本実施形態では、荷重センサー14は、荷重(力)の大きさを3軸方向のベクトルとして検出する3軸の荷重センサー(ロードセル)として構成する形態であるが、荷重(力)の大きさをX軸及びY軸の2軸方向(水平方向)のベクトルとして検出する2軸の荷重センサー(ロードセル)として構成する形態であっても良い。
【0043】
図8は、図2に示す表示装置40に表示されたユーザインターフェース画面の一例を示す模式図である。
図8に示すユーザインターフェース画面には、被計測対象動物200における動物IDの設定部801が設けられている。また、図8に示すユーザインターフェース画面は、各種の刺激条件(刺激間隔を示すインターバル、刺激時間、刺激回数、刺激棒13の上昇下降速度)の設定が刺激条件設定部802で行えるように構成されている。また、図8に示すユーザインターフェース画面には、各刺激における計測積分値、被計測対象動物200の応答等の情報を表示する表示領域803や、荷重グラフ(水平荷重グラフ、3軸荷重グラフ)を表示する表示領域804が設けられている。さらに、図8に示すユーザインターフェース画面には、応答行動確認ボタン(図8の「反応[End]ボタン805)と無効データボタン(図8の「無効データ[Esc]ボタン806)が設けられている。
【0044】
応答行動確認ボタンは、特に、被計測対象動物200の刺激に対する応答が顕著だったと計測者が確認した際などに、実験記録の補助として使われる。無効データボタンは、刺激中に被計測対象動物200が体位変換や身繕いなど、刺激とは無関係な運動を行った際に計測者が押すことにより、その計測値を記録から除外する等の判断の参考のために用いられる。ここでは、無効データボタンが押された回数に応じて刺激回数が最高5回まで追加される設定としている。
【0045】
さらに、図8に示すユーザインターフェース画面には、「計測スタート」ボタン807及び「計測終了」ボタン808が設けられている。計測者により「計測スタート」ボタン807が押されると計測処理が開始され、また、計測者により「計測終了」ボタン808が押されると計測の終了処理(アプリケーションの終了処理)が行われる。毎回、計測を開始する直前に当該刺激応答計測システム100のキャリブレーションが行われ、その情報は、図8に示すユーザインターフェース画面の左下に表示されるようになっている。
また、荷重グラフの表示領域804には、水平方向(X軸とY軸の合成ベクトル)のみの水平荷重を表示する画面(「水平荷重」画面)と、XYZ軸の3軸の全てを表示する画面(「3軸荷重」画面)が表示されるようになっている。また、図8に示すユーザインターフェース画面には、その他、現在の試行回数を示す表示領域809が設けられている。
【0046】
次に、被計測対象動物200としてマウスを用いた実際の実験について説明する。
【0047】
(被計測対象動物200として使用したマウス)
本実験では、被計測対象動物200としてddY系マウスを使用した。まず、正常な雌及び雄のマウス5組を交配し産仔を得た。出産後、生後3週まで両親と産仔を同居させる通常通りの母乳飼育を行った。生後21日目に産仔を離乳し、離乳後、雌雄別に集団飼育を行った。本実施形態の刺激応答計測システム100を用いた接触刺激応答行動及び対物攻撃行動による応答量の計測には、雄の産仔のうち、15匹を使用した。これは、雄は、性周期を有しないので、性ホルモンの周期的変化による行動変化が存在しないことがその理由である。
【0048】
(隔離前の刺激応答行動実験とその後の飼育)
離乳した雄産仔15匹は、生後第4週に、隔離前の接触刺激応答行動及び対物攻撃行動に関する刺激応答行動試験を行った。この隔離前の実験が終了した雄産仔マウスを2群に分け、第1群の産仔9匹は、1ケージに1匹のみを収容する隔離飼育を行い(鬱発症モデル)、また、第2群の同腹の雄産仔6匹は、1ケージに収容する集団飼育を行った(対照群マウス)。
【0049】
(鬱発症マウスの作製)
マウスは集団生活をする本能があるので、隔離環境に置かれることにより、強い孤独ストレスを受ける。継続する強いストレスは、鬱発症の最大のリスクファクターの1つであるので、長期にわたって隔離飼育されたマウスの多くに鬱が発症する。隔離飼育されたマウスの脳内物質の生化学的調査においても、鬱病が発症することが証明されている。現在、これらの知見を根拠に、鬱病研究の現場において、隔離飼育マウスは鬱モデルマウスとして広く使用されている。
【0050】
この事実を踏まえ、本実験では、マウスを隔離することにより、鬱病を発症させるようにした。本実験の第1群のマウスでは、5週間隔離飼育を継続し、隔離後1週、3週、5週において後述の接触刺激応答行動及び対物攻撃行動による応答量の計測を行い、得られた応答量から鬱発症及び鬱症状重症化の評価を行った。そして、本実施形態の刺激応答計測システム100による鬱動物のスクリーニング及び鬱症状の評価の妥当性を考察した。
【0051】
(隔離飼育期間中のマウスの変化)
隔離飼育を行ったほとんどのマウス(90%以上)に、精神不安定な状態(鬱症状)が現れた。その症状は、身体に触れる軽い接触刺激に対して後肢で激しい払い除け行動(接触刺激応答行動)を起こすか、或いは、その場から立ち去る回避行動をとった。また、身動きができない狭い場所では、顔面付近に提示された物体に対して攻撃行動を起こした。
【0052】
次に、これらの鬱モデルマウスを用いた実験結果について説明する。
【0053】
本実験では、同一動物に対して刺激位置を変えて、2回連続で計測を行った。
図9は、被計測対象動物200であるマウスに対して刺激棒13を上昇させて刺激を行う位置の一例を示す模式図である。
1回目は、図9の後肢レベル1に刺激棒13を上昇させて、接触刺激応答行動の計測を行った。次の2回目は、1回目の刺激応答実験が終了した直後に、図9の頭部レベル2に刺激棒13を上昇させて、対物攻撃行動の計測を行った。
【0054】
(接触刺激応答行動に基づく応答量の計測)
接触刺激応答行動の計測は、マウスの後肢または後肢付近の腹部(図9の後肢レベル1)を下から2本の刺激棒13によって押し上げることにより行った。
【0055】
マウスに鬱症状が存在する場合には、マウスは刺激棒13による刺激を嫌悪し、接触刺激応答行動を起こすことが多かった。具体的に、鬱症状が存在するマウスは、刺激棒13の接触に対し、刺激棒13を後肢で激しく払い除ける(蹴る)か、刺激棒13の接触を回避するために後肢を高く持ち上げるか、或いは、身体を振るわせて刺激棒13の接触に耐えた。本実験では、これらの刺激棒13に対する応答行動を総称して、「接触刺激応答行動」としている。これらの応答行動が現れた時には、刺激棒13の基部に設置された荷重センサー14において荷重(力)が検出され、計測・指令装置30において、コンピュータ解析により当該刺激に対する応答量が計測されて、その計測結果が荷重グラフ及び数値として、表示装置40のユーザインターフェース画面(図8参照)に表示される。
【0056】
正常のマウスの場合には、刺激棒13の接触に対して無関心でじっと動かないことが多かった。しかしながら、正常のマウスであっても、実験前に何らかのストレスが与えられると、当該マウスは精神的に苛立ちを強め、接触刺激応答行動を起こすことがあった。したがって、動物用チャンバー11に被計測対象動物200であるマウスを収容する際には、マウスを過剰に刺激しないように配慮する必要がある。
【0057】
本実験に際しては、マウスを動物用チャンバー11に入れてから約10分間放置し、マウスを動物用チャンバー11の環境に慣らさせた。また、本実験における刺激条件は、次のようにした。刺激棒13の上昇速度は85mm/秒、刺激時間(刺激棒13の上昇時間)は1秒間、刺激間隔(インターバル)は10秒に1回、刺激回数は30回とした。そして、本実験では、刺激回数の30回の応答量に係る計測値を平均して、1回の刺激あたりの接触刺激の応答量とした。この刺激条件は、様々な予備実験を行った結果、最も適切にマウスの応答行動を計測し得ると判断された条件であり、この条件を全ての実験における共通の刺激条件とした。上述の刺激条件は、計測者が、図8に示すユーザインターフェース画面及び操作入力装置50を使用して計測・指令装置30に入力し、計測・指令装置30が、刺激制御装置20を介して動物刺激・刺激応答検出装置10を制御することで設定されるものである。また、当該計測において、計測者は、刺激中のマウスの体位変換、身繕い、チャンバー外への糞出し行動など、刺激とは関係しない行動が刺激中に発現した場合には、図8に示すユーザインターフェース画面の無効データボタン(「無効データ[Esc]ボタン806)を押し、計測値から除外した。
【0058】
図10は、被計測対象動物200のマウスが動物刺激・刺激応答検出装置10の動物用チャンバー11に収容された様子の一例を示す写真である。
この図10には、2つの刺激棒13の上方に配置された動物用チャンバー11に被計測対象動物200のマウスが収容されている様子が示されている。また動物用チャンバー11の両端に設置された可動式シャッター12により、動物用チャンバー11内で被計測対象動物200のマウスを収容する領域を画定している。
【0059】
図11は、本発明の実施形態に係る刺激応答計測システム100を用いて、隔離前、隔離後1週、隔離後3週、隔離後5週の各隔離期間における鬱モデルマウス9匹の接触刺激応答行動による応答量(接触刺激応答行動量)を計測した計測結果を示す特性図である。具体的に、図11には、1回刺激あたりの応答量(計測値)の平均値±標準誤差の特性を示している。
【0060】
図11には、隔離前に1.66±0.28mNsの応答量を示していた動物群が、隔離1週間経過後に3.27±0.95mNsの応答量となり、隔離3週間経過後に10.47±2.08mNsの応答量となり、隔離5週間経過後に15.10±2.10mNsの応答量の応答行動が現れたことを示している。また、他方の対照群である集団飼育動物群のマウスでは、ほとんど接触刺激行動の応答量の増加が観察されなかったので、隔離飼育群の鬱モデルマウスにおける接触刺激応答行動の応答量の顕著な増加は、隔離によるストレスが原因であると考えられる。即ち、刺激応答計測システム100を用いた接触刺激応答行動に基づく応答量の計測によって、鬱動物のスクリーニングが可能であること、さらに、鬱の発症と症状悪化の過程を数値として定量化できることが分かった。
【0061】
(対物攻撃行動に基づく応答量の計測)
マウスの対物攻撃行動は、眼前に接近する物体(非生物)に対して噛みつく、或いは、前肢で接近する物体に攻撃を加える等の行動である。本実験では、図9の頭部レベル2に刺激棒13を上昇させてマウスを刺激するようにした。この際、刺激棒13は、多くの場合、マウスの頭部付近をマウスに触れることなく上昇し、マウスの眼前またはそれよりやや下方もしくは前方で停止した。或いは、刺激棒13は、マウスの下顎を下から押し上げマウスの頭部を軽く持ち上げた。後者の場合、刺激棒13とマウスの接触が起こるが、刺激棒13の水平方向に対する荷重(力)のみを計測することにより、この程度の接触による荷重が記録されないようにプログラムの条件を設定した。即ち、マウスが刺激棒13に対して攻撃行動を起こさない限り、荷重(力)に係る計測値がほぼ0となるようにした。
【0062】
本実験における刺激条件は、接触刺激応答行動の計測時と同様に、刺激棒13の上昇速度を85mm/秒、刺激時間(刺激棒13の上昇時間)を1秒間、刺激間隔(インターバル)を10秒に1回、刺激回数を30回とした。そして、本実験においても、刺激回数30回の応答量に係る計測値を平均して、1回の刺激あたりの刺激の応答量とした。この刺激条件は、上述した接触刺激応答行動計測と同様に、予備実験を行って設定したものであり、最も適切にマウスの対物攻撃行動を計測し得る条件である。また、当該計測において、計測者は、刺激棒13がマウスの前肢を下から持ち上げたことによってマウスが動いた場合や、刺激棒13が上昇している時にマウスが体位変換を行った場合など、対物攻撃行動と関係しない行動が観察された場合には、図8に示すユーザインターフェース画面の無効データボタン(「無効データ[Esc]ボタン806)を押し、計測値から除外した。
【0063】
正常マウスでは、図9の頭部レベル2に刺激棒13を上昇させた時、最初の数回は、刺激棒13に興味を示して軽く噛みついたり、臭いを嗅いだり、刺激棒13を嫌って顔の位置を変えたり、身体の向きを変えることもあった。しかしながら、まもなく刺激に興味を示さなくなり、刺激棒13を無視することが多くなった。この正常マウスの噛みつき行動等は、探索行動の1つと考えられ、攻撃的な噛みつき行動(対物攻撃行動)とは明らかに異なるものである。
【0064】
これに対して、鬱モデルマウスでは、実験の開始から実験終了まで終始上昇してくる刺激棒13に対して噛みつく攻撃行動、及び、前肢で刺激棒13を攻撃する行動を行うことが多かった。また、鬱モデルマウスは、刺激棒13に噛みつくと共に、時に激しく刺激棒13を前後左右に揺さぶることもあった。そして、鬱モデルマウスでは、5分間の実験時間中に刺激棒13に対する無関心は観察されないことが多かった。このような対物攻撃行動は、鬱モデルマウスに特有の行動であると考えられ、鬱動物のスクリーニング及び鬱症状の定量化に有用であることが分かった。
【0065】
図12は、本発明の実施形態に係る刺激応答計測システム100を用いて、隔離前、隔離後1週、隔離後3週、隔離後5週の各隔離期間における鬱モデルマウス9匹の対物攻撃行動による応答量(対物攻撃行動量)を計測した計測結果を示す特性図である。具体的に、図12には、1回刺激あたりの応答量(計測値)の平均値±標準誤差の特性を示している。
【0066】
図12には、隔離前に1.31±0.51mNsの応答量を示した動物群が、隔離1週間経過後に1.84±0.68mNsの応答量となり、隔離3週間経過後に4.75±1.82mNsの応答量となり、隔離5週間経過後に8.83±2.10mNsの応答量の応答行動が現れたことを示している。即ち、隔離後1週頃にはまだはっきりとした対物攻撃行動は出現しないが、隔離後3週頃には顕著な対物攻撃行動が現れ、さらに、この症状は隔離後5週においてさらに増加したことを示している。
【0067】
また、他方の対照群である集団飼育動物群(6匹)のマウスでは、ほとんど対物攻撃行動の増加が観察されなかったので、隔離飼育群の鬱モデルマウスにおける対物攻撃行動の応答量の顕著な増加は、隔離による長期に渡る孤独ストレスによって発症した症状であることが原因であると考えられる。即ち、刺激応答計測システム100を用いた対物攻撃行動に基づく応答量の計測によって、鬱動物のスクリーニングができ、さらに、鬱の発症と症状悪化の過程を数値として定量化できることが分かった。
【0068】
以上の計測結果により、鬱動物のスクリーニング及び鬱症状の定量化には、図9の後肢レベル1の刺激と頭部レベル2の刺激が両方とも有効であることが判明した。
【0069】
隔離飼育中の動物(マウス)を隔離後約5週間に渡って連続して計測を行った上記の実験において、接触刺激応答行動及び対物攻撃行動に基づく応答量が顕著に増加したことは、鬱病の発症と重症化に深い関係がある。即ち、接触刺激応答行動及び対物攻撃行動に基づく応答量の著しい時間依存的増加は、鬱症状の進行または重症化の行動学的指標となり得ることを示している。したがって、本実施形態の刺激応答計測システム100を用いて被計測対象動物200の接触刺激応答行動及び対物攻撃行動に基づく応答量を計測することにより、動物の鬱症状の進行を数値化して評価することが可能であると結論できる。本実施形態の刺激応答計測システム100は、同一動物の鬱症状の進行状況(重症化)を長期間に渡り追跡することが可能である。
【0070】
次に、上述の9匹の動物の隔離飼育を8週まで行い、8週目に接触刺激応答行動量と対物攻撃行動量を上述と同様の方法で計測した。そして、計測後、全動物を大型の飼育ケージに同居させる集団飼育に戻した。そして、集団飼育開始後1週目、2週目、3週目において、接触刺激応答行動量及び対物攻撃行動量を、本実施形態の刺激応答計測システム100を用いて計測した。
【0071】
図13は、本発明の実施形態に係る刺激応答計測システム100を用いて、集団飼育前、集団飼育後1週、集団飼育後2週、集団飼育後3週の各集団飼育期間におけるモデルマウスの接触刺激応答行動量及び対物攻撃行動量を計測した計測結果を示す特性図である。
【0072】
図13は、集団飼育前(隔離飼育8週)に18.27±2.77mNsの接触刺激応答行動量を示した動物群が、集団飼育開始後1週目には9.94±1.72mNs、集団飼育開始後2週目には5.86±1.00mNs、集団飼育開始後3週目には5.63±0.89mNsの接触刺激応答行動量を示したことを表している。即ち、隔離飼育によって発症した接触刺激応答行動は、集団飼育に戻すことにより軽減することが、刺激応答計測システム100を用いた計測の結果により示された。
【0073】
さらに、図13は、集団飼育前(隔離飼育8週)に12.94±3.53mNsの対物攻撃行動量を示した動物群が、集団飼育開始後1週目には4.95±1.22mNs、集団飼育開始後2週目には3.71±1.16mNs、集団飼育開始後3週目には3.41±0.89mNsの対物攻撃行動量を示したことを表している。即ち、隔離飼育によって発症した対物攻撃行動量は、集団飼育に戻すことにより軽減することが、刺激応答計測システム100を用いた計測の結果により示された。
【0074】
上述の実験結果は、本実施形態に係る刺激応答計測システム100を用いて接触刺激応答行動量及び対物攻撃行動量を定量化して示すことにより、マウスの欝病の治癒過程を、時間経過を追って証明できることを示している。
【0075】
抗鬱薬の動物実験では、投薬後の動物の鬱症状の推移を同一動物で追跡することが必要であるが、本実施形態の刺激応答計測システム100を使用した方法では、抗鬱薬の投与を受けた鬱モデル動物の鬱症状の治癒過程を追跡することも可能である。
【0076】
従来のポルソーの強制水泳実験などの行動学的実験では、鬱動物のスクリーニングは可能であるが、時間の経過と共に進行する鬱症状の重症化、及び、抗鬱薬投与後の鬱症状の軽減化の過程を、同一動物を用いて数値で示すことはできなかった。これに対し、本実施形態の刺激応答計測システム100を用いた計測では、鬱症状の重症化及び治癒を容易に数値化することができ、その結果、鬱症状の進行過程及び治癒過程を同一動物で追跡調査することが可能である。このことは、上述したように、従来の実験手法では不可能であった。
【0077】
接触刺激応答行動及び対物攻撃行動に基づく応答量の計測は、機械的刺激に対する情動系の応答量を計測するものである。換言すれば、刺激に対する快/不快の情動を検出し、数値化するものである。このような機能を有する研究機器は、これまでに開発されていない。
【0078】
上述した情動には、学習効果が存在しない。即ち、情動行動に関する行動学的実験は、同一動物を用いて何度でも繰り返し行うことが可能である。このことは、例えば、鬱モデル動物に対する抗鬱薬投与前と投与後における薬の作用を査定する際には非常に有利である。現在、一般に行われている抗鬱薬の実験に用いられる他の多くの行動学研究手法には、常に、学習効果の問題が存在する。そのため、同一動物を用いる実験は、従来の方法では、有効性が乏しい。これに対して、本実施形態の刺激応答計測システム100を用いた接触刺激応答行動と対物攻撃行動による応答量の計測に基づく鬱症状の定量法は、学習効果を考える必要が存在しない点で優位性が高い手法である。近年の鬱患者の増加に伴い、新しい抗鬱薬の開発の必要性が増大し、実験動物を用いた抗鬱薬の試験方法の格段の発展が必要になっている。本発明は、その需要に合致するものであり、市場性は極めて高いと考えられる。
【0079】
動物の行動が正しく定量化されているかどうかは、同一動物に与えた同一の刺激に対して、毎回ほぼ一定の応答量(反応量)が得られるかどうか、即ち、同一条件で同一状態の動物の計測を繰り返し行った場合に、再現性の高い応答量(反応量)の計測値が得られるかどうかを調査することにより判断できると考えられる。本実験で用いた接触刺激応答実験及び対物攻撃行動実験では、連続した2週間の試験において、ほぼ一定の応答量が計測されることが明らかになっている。このことは、接触刺激応答行動及び対物攻撃行動は、刺激応答計測システム100による計測によって、ほぼ正確にその応答量(反応量)を検出していることを示している。実験データの再現性が高いことは、動物の応答行動に対する応答量(反応量)を定量化するうえで極めて重要なことであり、本実施形態の刺激応答計測システム100を用いた計測は、刺激に対する応答量(反応量)を定量化するのに信頼性があることを示している。
【0080】
また、本実施形態の動物刺激・刺激応答検出装置10では、動物に対する刺激の際に、決して、温痛覚を刺激しない構造となるようにしている。前述したが、動物は強い温痛覚刺激が与えられると、逃避反射(屈曲反射または脊髄反射)を起こし、刺激から逃れようとする。脊髄反射が出現してしまうと、情動中枢の反応を正確に検出することができなくなるので、刺激棒13は、直径3mmほどの太い金属棒を使用し、先端を丸く削ったものを用いた。この際、刺激棒13に金属を用いたのは、被計測対象動物200が刺激棒13に噛みつくことによる破損を防止するためである。
【0081】
鬱モデル動物の脳は、隔離飼育によって作製された鬱モデル動物(ラット又はマウス)においてよく調べられており、鬱病の脳内機序について以下のような研究報告がある。
(1)前頭前野、側坐核、海馬では、in vitroでセロトニンの自発放出が減少する。
(2)前頭前野、側坐核、海馬では、in vivoで塩化カリウム誘導性セロトニン(5-HT)の放出が増加する。
(3)縫線核では、ストレスによって誘発される5-HT1A受容体の活性が低下する。
(4)中脳では、トリプトファン水酸化酵素活性の低下が観察される。
(5)海馬と視床下部では、5-HT1受容体が減少する。
(6)海馬背側部におけるTH1AmRNAレベルが低下し、CA1における5-TH1A受容体量が減少する。
(7)海馬、前頭前野、中脳では、セロトニン合成とドパミン合成の共通の補酵素であるテトラヒドロビオプテリン(BH4)のレベルが上昇する。
これらのことから、隔離飼育により少なくとも脳内セロトニン系及びドパミン系に病変が現れることは明らかであり、これが鬱の病理学的機序の1つであると考えられる。
【0082】
ヒトでは、鬱病の自殺者において、一般に、前頭前野腹外側部におけるセロトニンシステムの異常や、青斑核におけるα2受容体の異常、縫線核における5-TH1A受容体の異常が報告されている。また、鬱病患者では、前頭眼窩野前部の皮質の厚さの軽減や、細胞密度の低下、細胞の小型化が観察されている。したがって、ヒトでも同様の病理学的発症機序が存在するものと考えられる。
【0083】
以上のように、鬱病の脳内機序が実験動物とヒトにおいて共通性が高いことは、本実施形態の刺激応答計測システム100が、被計測対象動物200として上述したマウスに限らず、他の動物においても適用可能であることを示している。
【0084】
また、本実施形態の刺激応答計測システム100では、他に行った詳細な予備的実験から、刺激時間は刺激開始から5分間、刺激回数30回で行うのが適切であるとしている。これにより、非常に短時間で再現性の高いデータを得ることができる。このように、実験が簡便に行えることは、本実施形態の刺激応答計測システム100の大きな利点である。
【0085】
また、隔離によって鬱を発症した動物の機械的刺激に対する過敏な接触刺激応答行動及び対物攻撃行動については、他の方法によって鬱を発症させた動物、例えば胎盤・母乳経由でダイオキシンを摂取したあとに鬱を発症したマウスにおいても、まったく同じ行動が観察されている。このことから、接触刺激応答行動及び対物攻撃行動は、鬱症状の一部であると考えることができる。
【0086】
払い除け行動は、後肢による非常に素早い運動であり、肉眼的に刺激棒13を蹴った回数を数えることは不可能である。そこで、本実施形態では、荷重センサー14を用いて被計測対象動物200の払い除け行動を捉え、応答量(反応量)(mNs)として計測し、表示装置40にその計測結果を表示するようにしている。したがって、本実施形態では、表示装置40に表示されたグラフ等の波形を読み取ることにより、蹴った回数をカウントすることも可能であり、また、その蹴りの強さも同時に計測でき、鬱の行動指標の1つとして実用化することができる。また、対物攻撃行動は、計測されたグラフの形態から、動物の応答行動の様式を推察することが可能であり、実験動物の鬱症状の重症度を推察する補助データとして活用することも可能である。
【0087】
最後に、本実施形態の実施例について、図2を参照しながら説明する。ここで、以下の説明においては、被計測対象動物200としてマウスを用いた例で説明する。
【0088】
まず、正常マウス(正常マウス群)、及び、鬱状態の重症度に応じた鬱モデルマウス(鬱モデルマウス群)のそれぞれを各1匹ずつ動物用チャンバー11に収容して、刺激棒13による刺激を行い、当該刺激に対する応答量(反応量)を、鬱状態の重症度示す数値と関連付けて、計測・指令装置30の内部メモリに記憶させておく。
【0089】
続いて、被計測対象動物200のマウスが動物用チャンバー11に収容されて、計測者から操作入力装置50を介して計測開始の指示(具体的には、図8に示すユーザインターフェース画面の「計測スタート」ボタン807の操作)がなされると、計測・指令装置30は、刺激制御装置20を介して刺激棒駆動装置17を駆動させて、マウスに対して刺激棒13による刺激を行う(刺激ステップ)。
【0090】
続いて、荷重センサー14は、計測・指令装置30による刺激制御装置20を介した制御に基づいて、マウスに刺激棒13による刺激を与えた際に、マウスが刺激棒13に対して起こした行動に基づく当該刺激棒に加えられた荷重を検出する(検出ステップ)。その後、荷重センサー14で検出された検出信号は、刺激制御装置20を介して計測・指令装置30に内蔵のA/Dコンバータでアナログ/デジタル変換される。
【0091】
続いて、計測・指令装置30は、荷重センサー14で検出した荷重(力)に基づいて、マウスの刺激棒13による刺激に対する応答量(反応量)を計測する(計測ステップ)。
【0092】
続いて、計測・指令装置30は、計測したマウスの応答量(反応量)に基づいて、予め実験により算出され内部メモリに記憶されている各マウスの応答量(反応量)を参照することにより、被計測対象動物200であるマウスの鬱状態の重症度を示す数値を算出する(算出ステップ)。
【0093】
続いて、計測・指令装置30は、計測されたマウスの応答量(反応量)の情報及び算出された当該マウスの鬱状態の重症度を示す数値の情報を表示装置40に表示する(表示ステップ)。ここで、図8に示すユーザインターフェース画面には、被計測対象動物200であるマウスの鬱状態の重症度を示す数値の情報が示されていないが、本実施形態の刺激応答計測システム100においては、計測者による操作入力装置50の操作により当該マウスの鬱状態の重症度を示す数値の情報を表示装置40に表示可能となっている。
【0094】
本実施形態の刺激応答計測システム100によれば、被計測対象動物200に対して刺激棒13で刺激を与え、被計測対象動物200が刺激棒13に対して起こした行動に基づく荷重(力)を荷重センサー14で検出し、当該検出した荷重(力)に基づいて、被計測対象動物200の刺激棒13による刺激に対する応答量を計測・指令装置30で計測するようにしたので、被計測対象動物200の鬱状態を定量的に評価することができる。
【0095】
そして、刺激棒13による刺激に対する応答量の定量化によって、被計測対象動物200の鬱症状における重症度を算出することができる。
【0096】
また、本実施形態の刺激応答計測システム100では、被計測対象動物200に対して刺激棒13による刺激を与えるのみであるため、極めて簡便かつ正確に計測を行うことが可能であり、また、被計測対象動物に強いストレスを与えることなく反復して計測を行うことができる。これは、例えば、同一動物を用いて抗鬱薬の効果を時間経過とともに計測する場合などに極めて有用である。また、鬱動物に限らず、例えば、触覚に過敏症状をもつ動物を定量的に計測することにも使用できる。
【0097】
前述した本実施形態に係る刺激応答計測システム100による刺激応答計測方法の各ステップは、コンピュータCPUがRAMやROMなどに記憶されたプログラムを実行することによって実現できる。このプログラム及び当該プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記憶媒体は本発明に含まれる。
【0098】
具体的に、前記プログラムは、例えばCD-ROMのような記憶媒体に記録し、或いは各種伝送媒体を介し、コンピュータに提供される。前記プログラムを記録する記憶媒体としては、CD-ROM以外に、フレキシブルディスク、ハードディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、不揮発性メモリカード等を用いることができる。他方、前記プログラムの伝送媒体としては、プログラム情報を搬送波として伝搬させて供給するためのコンピュータネットワーク(LAN、インターネットの等のWAN、無線通信ネットワーク等)システムにおける通信媒体を用いることができる。また、この際の通信媒体としては、光ファイバ等の有線回線や無線回線などが挙げられる。
【0099】
また、コンピュータが供給されたプログラムを実行することにより本実施形態に係る刺激応答計測システム100の機能が実現されるだけでなく、そのプログラムがコンピュータにおいて稼働しているOS(オペレーティングシステム)或いは他のアプリケーションソフト等と共同して本実施形態に係る刺激応答計測システム100の機能が実現される場合や、供給されたプログラムの処理の全て、或いは一部がコンピュータの機能拡張ボードや機能拡張ユニットにより行われて本実施形態に係る刺激応答計測システム100の機能が実現される場合も、かかるプログラムは本発明に含まれる。
【0100】
また、前述した本実施形態は、何れも本発明を実施するに当たっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。即ち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【0101】
現在、実験動物の精神不安を調べる手法として、高架式十字迷路や明暗箱を使用した行動学的方法が用いられることが多い。これらの行動学的方法は、動物が自発的に起こす行動を観察してそれを分析することに主眼が置かれており、動物の精神不安を調べるのに信頼性がある。しかしながら、これらの行動学的方法では、動物の鬱症状を評価することはできない。
【0102】
これに対して、本実施形態に係る刺激応答計測システム100では、動物に軽微な接触刺激等を与え、その刺激に対する応答を分析して定量化することにより、動物の鬱症状を数値化するものである。本実施形態の手法では、動物の精神的苛立ちや精神不安定の度合いを計測できるため、これまでの手法と本実施形態の手法とを併用することで、より多角的に動物の精神状態を評価することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明の実施形態に係る刺激応答計測システムの外観の一例を示す写真である。
【図2】本発明の実施形態に係る刺激応答計測システムの概略構成の一例を示す模式図である。
【図3】図2に示す動物刺激・刺激応答検出装置の外観の一例を示す写真である。
【図4】図2に示す動物刺激・刺激応答検出装置における動物用チャンバーの外観の一例を示す写真である。
【図5】図2に示す動物刺激・刺激応答検出装置における刺激棒及び荷重センサーの外観の一例を示す写真である。
【図6】図2に示す動物刺激・刺激応答検出装置における動物用ケージの外観の一例を示す写真である。
【図7】図2に示す動物刺激・刺激応答検出装置における動物用ケージの外観の一例を示す写真である。
【図8】図2に示す表示装置に表示されたユーザインターフェース画面の一例を示す模式図である。
【図9】被計測対象動物であるマウスに対して刺激棒を上昇させて刺激を行う位置の一例を示す模式図である。
【図10】被計測対象動物のマウスが動物刺激・刺激応答検出装置の動物用チャンバーに収容された様子の一例を示す写真である。
【図11】本発明の実施形態に係る刺激応答計測システムを用いて、隔離前、隔離後1週間、隔離後3週間、隔離後5週間の各離隔期間における鬱モデルマウス9匹の接触刺激応答行動による応答量を計測した計測結果を示す特性図である。
【図12】本発明の実施形態に係る刺激応答計測システムを用いて、隔離前、隔離後1週間、隔離後3週間、隔離後5週間の各離隔期間における鬱モデルマウス9匹の対物攻撃行動による応答量を計測した計測結果を示す特性図である。
【図13】本発明の実施形態に係る刺激応答計測システムを用いて、集団飼育前、集団飼育後1週、集団飼育後2週、集団飼育後3週の各集団飼育期間におけるモデルマウスの接触刺激応答行動量及び対物攻撃行動量を計測した計測結果を示す特性図である。
【符号の説明】
【0104】
10 動物刺激・刺激応答検出装置
10a 動物用ケージ
10b 刺激発生・検出機構部
11 動物用チャンバー
12 可動式シャッター
13 刺激棒
14 荷重センサー
15 支持体
16 スライドレール
17 刺激棒駆動装置
18 汚物トレイ
20 刺激制御装置
30 計測・指令装置30
40 表示装置
50 操作入力装置
100 刺激応答計測システム
200 被計測対象動物
図面
【図2】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図1】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図10】
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