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明細書 :配電線路の自動電圧調整装置及び方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5601521号 (P5601521)
公開番号 特開2012-114989 (P2012-114989A)
登録日 平成26年8月29日(2014.8.29)
発行日 平成26年10月8日(2014.10.8)
公開日 平成24年6月14日(2012.6.14)
発明の名称または考案の名称 配電線路の自動電圧調整装置及び方法
国際特許分類 H02J   3/12        (2006.01)
G05F   1/10        (2006.01)
FI H02J 3/12
G05F 1/10 L
請求項の数または発明の数 4
全頁数 11
出願番号 特願2010-259961 (P2010-259961)
出願日 平成22年11月22日(2010.11.22)
審査請求日 平成25年9月24日(2013.9.24)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000213297
【氏名又は名称】中部電力株式会社
【識別番号】304021277
【氏名又は名称】国立大学法人 名古屋工業大学
発明者または考案者 【氏名】青木 睦
【氏名】関崎 真也
【氏名】重藤 貴也
【氏名】坂口 琢磨
個別代理人の代理人 【識別番号】110000394、【氏名又は名称】特許業務法人岡田国際特許事務所
審査官 【審査官】横田 有光
参考文献・文献 特開2000-014011(JP,A)
特開2006-254602(JP,A)
特開2009-153333(JP,A)
特開2007-129852(JP,A)
特開2006-033908(JP,A)
調査した分野 H02J 3/00-5/00
G05F 1/10
特許請求の範囲 【請求項1】
自然エネルギー利用発電システムを備えた配電系統において、配電線路の電圧をある幅を持った所定電圧に調整する自動電圧調整装置であって、
自然エネルギー利用発電システムの発電出力を推定するべく、自然エネルギーの発生量を検出する自然エネルギーセンサを設け、
該センサによって検出された自然エネルギーの発生量に応じて、前記自動電圧調整装置の電圧調整のための基準電圧を予め決められた適正範囲内で所定量だけシフト制御し、自然エネルギーの発生量が多いときは基準電圧を高めに、自然エネルギーの発生量が少ないときは基準電圧を低めに、それぞれシフト制御する基準電圧発生回路を備える
ことを特徴とする配電線路の自動電圧調整装置。
【請求項2】
請求項1の配電線路の自動電圧調整装置において、
前記シフト制御における所定量dVは、下記数式1に基づいて決定され、自動電圧調整装置によって調整される電圧Vrは、下記数式2に基づいて決定されることを特徴とする配電線路の自動電圧調整装置。
[数1]
dV=(Vmax - Vmin) × (Ins - 0.5)
[数2]
basis - Vdb/2 + dV < Vr < Vbasis + Vdb/2 + dV
但し、
dVは、シフト制御される所定量、
maxは、所定時間内において自動電圧調整装置によって調整される電圧の最大値、
minは、所定時間内において自動電圧調整装置によって調整される電圧の最小値、
Insは、自然エネルギー利用発電システムの推定出力(出力が最大のとき「1」、最小のとき「0」、中間のとき「0.5」)
basisは、シフト制御する前の基準電圧、
dbは、基準電圧に対する高・低両側の不感帯幅の合計(不動作範囲)、
Vrは、自動電圧調整装置によって調整される電圧である。
【請求項3】
請求項1又は2の配電線路の自動電圧調整装置において、
前記自然エネルギー利用発電システムは太陽光発電システムであり、
自然エネルギー利用発電システムの推定出力は、配電線路周辺に設置された日射センサの出力であることを特徴とする配電線路の自動電圧調整装置。
【請求項4】
自然エネルギー利用発電システムを備えた配電系統において、配電線路の電圧をある幅を持った所定電圧に調整する電圧調整方法であって、
配電系統内に設置された自然エネルギー利用発電システムの発電出力を推定し、
その推定出力に応じて、前記電圧調整における基準電圧を予め決められた適正範囲内で所定量だけシフト制御し、前記推定出力が大きいときは高めに、前記推定出力が小さいときは低めに、それぞれシフト制御する
ことを特徴とする配電線路の電圧調整方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、自然エネルギー利用発電システムを備えた配電系統において、配電線路の電圧をある幅を持った所定電圧に調整する自動電圧調整装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
配電系統では、配電用変電所から需要家に向かって電流が流れるため、配電用変電所から遠ざかるにつれて電圧降下が生じ、需要家における受電電圧が低下する。そのため、配電線路の途中に自動電圧調整装置を設置して、需要家における受電電圧が適正値となるように調整している。かかる技術の一つが下記特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【0003】

【特許文献1】特開2006-81285号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、需要家に太陽光発電システムのような自然エネルギー利用発電システムが設置されると、自然エネルギー利用発電システムの出力変動に自動電圧調整装置の動作が追随できず、需要家における受電電圧が適正範囲から逸脱する恐れがある。
このような問題に鑑み、本発明の課題は、自然エネルギー利用発電システムの出力変動を予測して、自動電圧調整装置がその変動の影響を受け難いように予め対応することにより、上記問題が生じるのを抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の第1発明は、自然エネルギー利用発電システムを備えた配電系統において、配電線路の電圧をある幅を持った所定電圧に調整する自動電圧調整装置であって、
自然エネルギー利用発電システムの発電出力を推定するべく、自然エネルギーの発生量を検出する自然エネルギーセンサを設け、
該センサによって検出された自然エネルギーの発生量に応じて、前記自動電圧調整装置の電圧調整のための基準電圧を予め決められた適正範囲内で所定量だけシフト制御し、自然エネルギーの発生量が多いときは基準電圧を高めに、自然エネルギーの発生量が少ないときは基準電圧を低めに、それぞれシフト制御する基準電圧発生回路を備える
ことを特徴とする配電線路の自動電圧調整装置である。
第1発明によれば、自然エネルギーの発生量に応じて自動電圧調整装置の電圧調整のための基準電圧をシフト制御するため、自然エネルギー利用発電システムの発電出力が変動するのを予測し、自動電圧調整装置がその変動の影響を受け難いように予め対応するので、自然エネルギー利用発電システムの発電出力の変動に対し、自動電圧調整装置がその変動の影響を受け難く、自動電圧調整装置によって調整される電圧が許容範囲から外れる可能性を少なくすることができる。その結果、自動電圧調整装置の動作頻度が減少し、特に自動電圧調整装置が機械的にタップ位置を変えることにより電圧調整を行うステップ式自動電圧調整装置の場合は、自動電圧調整装置のタップ位置を変更する機構部分の耐久劣化を抑制することができる。
【0006】
本発明の第2発明は、上記第1発明の配電線路の自動電圧調整装置において、
前記シフト制御における所定量dVは、下記数式1に基づいて決定され、自動電圧調整装置によって調整される電圧Vrは、下記数式2に基づいて決定されることを特徴とする。
[数1]
dV=(Vmax - Vmin) × (Ins - 0.5)
[数2]
basis - Vdb/2 + dV < Vr < Vbasis + Vdb/2 + dV
但し、
dVは、シフト制御される所定量、
maxは、所定時間内において自動電圧調整装置によって調整される電圧の最大値、
minは、所定時間内において自動電圧調整装置によって調整される電圧の最小値、
Insは、自然エネルギー利用発電システムの推定出力(出力が最大のとき「1」、最小のとき「0」、中間のとき「0.5」)
basisは、シフト制御する前の基準電圧、
dbは、基準電圧に対する高・低両側の不感帯幅の合計(不動作範囲)、
Vrは、自動電圧調整装置によって調整される電圧である。
第2発明によれば、シフト制御におけるシフト量を、所定時間内において自動電圧調整装置によって調整される電圧の変動量と自然エネルギーの発生量に基づいて決定するため、発電出力の変動の方向と大きさを予測して、シフト制御によるシフト量を適正に制御でき、自然エネルギー利用発電システムの発電出力の変動に対し、自動電圧調整装置によって調整される電圧が許容範囲から外れる可能性をより少なくできる。
【0007】
本発明の第3発明は、上記第1又は第2発明の配電線路の自動電圧調整装置において、
前記自然エネルギー利用発電システムは太陽光発電システムであり、
自然エネルギー利用発電システムの推定出力は、配電線路周辺に設置された日射センサの出力であることを特徴とする。
第3発明によれば、太陽光発電システムにおいて上記第1又は第2発明と同様の作用効果を達成できる。
【0008】
本発明の第4発明は、自然エネルギー利用発電システムを備えた配電系統において、配電線路の電圧をある幅を持った所定電圧に調整する電圧調整方法であって、
配電系統内に設置された自然エネルギー利用発電システムの発電出力を推定し、
その推定出力に応じて、前記電圧調整における基準電圧を予め決められた適正範囲内で所定量だけシフト制御し、前記推定出力が大きいときは高めに、前記推定出力が小さいときは低めに、それぞれシフト制御することを特徴とする配電線路の電圧調整方法である。
第4発明によれば、上記第1発明と同様の作用効果を達成できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の一実施形態の自動電圧調整装置を含む配電線路及びその電圧分布を示す説明図である。
【図2】図1の自動電圧調整装置の電気回路ブロック図である。
【図3】図1の自動電圧調整装置における基準電圧のシフト制御の説明図である。
【図4】シミュレーションを行った配電線路の系統図である。
【図5】図4の配電線路における電圧分布を示す図である。
【図6】日射センサの一つの出力例を示すタイムチャートである。
【図7】図4の配電線路に設けられたノード番号29の変圧器の軽負荷時における二次側電圧の電圧変化を示すタイムチャートである。
【図8】図4の配電線路に設けられた自動電圧調整装置の軽負荷時におけるタップ位置変化を示すタイムチャートである。
【図9】日射センサの別の出力例を示すタイムチャートである。
【図10】図4の配電線路に設けられたノード番号29の変圧器の重負荷時における二次側電圧の電圧変化を示すタイムチャートである。
【図11】図4の配電線路に設けられた自動電圧調整装置の重負荷時におけるタップ位置変化を示すタイムチャートである。
【図12】本発明を適用しない場合の図7と同様の電圧変化を示すタイムチャートである。
【図13】本発明を適用しない場合の図8と同様のタップ位置変化を示すタイムチャートである。
【図14】本発明を適用しない場合の図9と同様の電圧変化を示すタイムチャートである。
【図15】本発明を適用しない場合の図10と同様のタップ位置変化を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照しながら説明する。
図1Aにおいて、配電用変電所から各需要家21~25に配電する線路中には自動電圧調整装置10(SVR)が接続されている。配電線路の電圧は、変電所から離れるに従って低下する。そのため、自動電圧調整装置10を設け、各需要家における受電電圧を101±6[V]の範囲に収まるようにしている。図1Bは配電線路上にある変圧器(図示省略)のタップ(変圧比の一次側電圧)を示しており、需要家21の変圧器の変圧比は6750/105、需要家22の変圧器の変圧比は6600/105である。需要家22と需要家23との間の配電線路中には自動電圧調整装置10が接続されており、需要家23では変圧器の変圧比6750/105である。また、需要家24、25についてはそれぞれ変圧比が6600/105、6450/105である。配電線路上の変圧器の二次側電圧は、図1Cのように分布しており、この電圧は変電所から離れる程低くなり、変圧器のタップ変更点及び自動電圧調整装置の設置点で昇圧されて、101±6[V]の範囲に収まっている。

【0011】
図2は、ステップ式自動電圧調整装置10の構成を示しており、自動電圧調整装置10内の基準電圧発生回路11には、自動電圧調整装置10の二次側、つまり需要家20側の電圧がメモリ12を介して取り込まれると共に、日射センサ30からの出力信号が取り込まれている。図示を省略したが、需要家20には太陽光発電システム(自然エネルギー利用発電システム)が備えられ、日射センサ(自然エネルギーセンサ)30は、太陽光発電システムの発電出力を推定するために自動電圧調整装置10の周りで、太陽光を受け易い場所に設置されている。なお、日射センサ30は、従来から汎用されているもので良い。
メモリ12では、所定時間(例えば100秒)毎の自動電圧調整装置10の二次側電圧の最大値と最小値とを記録している。
基準電圧発生回路11では、取り込まれた自動電圧調整装置10の二次側電圧の最大値と最小値と日射センサ30の出力とに基づいて下記数式1によりシフト制御量dVが求められ、下記数式3によりシフト量を含む基準電圧Vcが求められる。その結果、自動電圧調整装置10の二次側電圧Vrは、下記数式4のように調整される。
[数1]
dV=(Vmax - Vmin) × (Ins - 0.5)
[数3]
Vc=Vbasis + dV
[数4]
Vc - Vdb/2 < Vr < Vc + Vdb/2
但し、
dVは、シフト制御される所定量、
maxは、所定時間内における自動電圧調整装置の二次側電圧(自動電圧調整装置によって調整される電圧)の最大値、
minは、所定時間内における自動電圧調整装置の二次側電圧(自動電圧調整装置によって調整される電圧)の最小値、
Insは、日射センサ30の出力(出力が最大のとき「1」、最小のとき「0」で、日射量に応じてリニアに変化する出力を発生している。)
basisは、シフト制御する前の基準電圧、
dbは、基準電圧に対する高・低両側の不感帯幅の合計(不動作範囲)、
Vcは、シフト量を含む基準電圧、
Vrは、自動電圧調整装置の二次側電圧(自動電圧調整装置によって調整される電圧)である。
基準電圧発生回路11のシフト量を含む基準電圧Vcは、自動電圧調整装置10内の電圧調整継電器13に供給され、電圧調整継電器13では、このシフト量を含む基準電圧Vcと自動電圧調整装置10の二次側電圧とを比較して、自動電圧調整装置10の二次側電圧が基準電圧Vcの不動作範囲に対して高低いずれか側に超えると、モータ14をその方向に応じて作動させ、自動電圧調整装置10のタップ位置を移動して電圧調整するようになっている。自動電圧調整装置10による電圧調整機能の詳細については周知であるため、ここでの説明は省略する。

【0012】
図3は、基準電圧発生回路11の基準電圧のシフト制御の様子を説明しており、日射センサ30の出力が中レベルのときは、図3Aで示すように基準電圧として適正レベルVaの中心付近の基準電圧となり、日射センサ30の出力が高レベルのときは、図3Bで示すように基準電圧として適正レベルVa範囲内で高圧側に所定量dVだけシフトした基準電圧となり、日射センサ30の出力が低レベルのときは、図3Cで示すように基準電圧として適正レベルVa範囲内で低圧側に所定量dVだけシフトした基準電圧となる。シフト制御の所定量dVは、上記数式1のように求められ、リニアに変化するものであるため、基準電圧は、図3A~Cの範囲でリニアに変化する値に設定される。

【0013】
以下、上述の自動電圧調整装置10を使用して行ったシミュレーション結果を説明する。
図4は、シミュレーションを行った配電線路の系統図を示し、29個のノードから構成されており、線路途中に電圧降下を補償するための自動電圧調整装置SVRが接続されている。変電所から送出される電圧は6600[V]であり、柱状変圧器の巻線比は全て6600/105、自動電圧調整装置SVRのタップ比は6900/6600とされている。図中、矢印は各需要家に接続された負荷を示し、各負荷の大きさ(消費電力)及び線路のインピーダンスは表1のとおりである。
【表1】
JP0005601521B2_000002t.gif

【0014】
以上の条件の下で、表1に示された重負荷時における系統内の各ノード位置における電圧分布を潮流計算によって求めたものを図5に示す。図5では、変電所から離れるに従って、線路中の電圧降下により電圧が低下し、自動電圧調整装置SVRにより電圧が高められていることが判る。

【0015】
図6は、日射センサ30の出力変化の一例を示しており、日射センサ30は、それを設置した場所における日射量に応じて0[V]から1[V]の範囲で変化する出力を発生する。図6において、横軸は時間(単位は秒)、縦軸は日射センサ30の出力を示している。シミュレーション開始時は日射がなく、日射センサ30の出力は0[V]であり、2分後に急変して日射量が最大となって、日射センサ30の出力は1[V]となり、更に2分後に再び急変して日射がなくなって、日射センサ30の出力は0[V]となる。

【0016】
図7は、図4の配電線路の負荷が表1に示された重負荷の半分に相当する軽負荷である場合で、日射センサ30が図6に示す出力を発生したときの自動電圧調整装置SVRの下流側のノード番号29における電圧変動(変圧器の二次側電圧)を示している。また、図8は同じときの自動電圧調整装置SVRのタップ位置を示している。図7、図8によれば、図6のように日射量が急変しているにも関わらず、電圧変動は適正範囲(101~107[V])に収まっており、SVRのタップ位置は全く切替えられないことを示している。
この場合のシミュレーション条件は下記表2のように設定されている。
【表2】
JP0005601521B2_000003t.gif

【0017】
図12には、本発明を適用しない従来の自動電圧調整装置SVRを使用し、他の条件を上述と同様にした場合の電圧変動のシミュレーション結果を示している。また、図13は同じときの自動電圧調整装置SVRのタップ位置を示している。図12、図13によれば、図6のような日射量の急変に対し、自動電圧調整装置SVRの下流側の同じノード番号29の位置における電圧は日射量が急増したときに一時的に高圧側に適正範囲(101~107[V])から逸脱しており、SVRのタップ位置は3回切替えられている。
このように、本発明を適用しない場合に比べて本発明を適用した場合には、日射量の急変に対して自動電圧調整装置SVRの二次側の電圧変動を抑制でき、且つタップ切替回数も抑制できていることを示している。図7、図12では、変圧器の二次側電圧の変化を示しているが、自動電圧調整装置SVRの二次側電圧の変化も変圧器の二次側電圧と比例関係にある。

【0018】
次に負荷を表1に示したとおりの重負荷とした場合のシミュレーション結果を説明する。
ここでは、日射量が図9のように変化した場合を示す。図9に示す日射パターンは、上述の図6の場合とは対照的に最初の2分間は日射量が最大であり、その後、日射がなくなり、更に2分後、再び日射量が最大となるパターンである。
このときの上述の図7と同様の電圧変動が図10に示されている。また、自動電圧調整装置SVRのタップ位置の変化が図11に示されている。図10、11から明らかなように、このときも電圧変動は適正範囲内に収まっている。また、タップ位置は1回切替えられている。
重負荷の場合で、本発明を適用しない従来の自動電圧調整装置SVRを使用した場合の同じノード位置における変圧器の二次側の電圧変動とタップ位置の変化を図14と図15に示している。図14から明らかなように、電圧は、日射量が急減した際に低圧側に一度適正範囲(101~107[V])から逸脱している。また、タップ位置は1回切替えられている。
このようにタップ位置の切替は本発明を適用した場合と適用しない場合とで変わりはないが、電圧変動に関しては本発明を適用した場合の方が変動が抑制され、変動が適正範囲内に収まっている点で本発明の有効性が示されている。

【0019】
以上のとおり、本発明の一実施形態によれば、日射センサ30の出力及び自動電圧調整装置10の二次側電圧の変動幅に応じて自動電圧調整装置10の電圧調整のための基準電圧をシフト制御している。太陽光発電システムの発電出力が高いときは、今後予測される出力変動としては出力低下であるため、電圧調整のための基準電圧は高めにシフト制御して、自動電圧調整装置10の二次側電圧を予め高めに制御している。つまり、自動電圧調整装置10は、その二次側電圧が高くても二次側電圧を低くするようにタップを切替える制御を抑制している。そのため、太陽光発電システムの発電出力が急低下しても、需要家20への供給電圧、即ち自動電圧調整装置10の二次側電圧の低下幅は抑制され、タップの切替制御は抑制される。一方、太陽光発電システムの発電出力が低いときは、高いときとは逆の制御が行われ、同様に太陽光発電システムの発電出力が急上昇しても自動電圧調整装置10の二次側電圧の上昇は抑制され、且つタップの切替制御の頻度は抑制される。
このように太陽光発電システムの発電出力が変動しても、自動電圧調整装置10がその変動の影響を受け難く、太陽光発電システムの発電出力の変動に対し、自動電圧調整装置10における調整電圧が許容範囲から外れる可能性は少なくできる。その結果、タップの切替回数が減少し、タップ位置を変更する機構部分の耐久劣化を抑制することができる。

【0020】
上述の実施形態では、自然エネルギー利用発電システムとして太陽光発電システムについて説明したが、本発明は、太陽熱発電や風力発電システムを使用したシステムにも適用できる。また、自動電圧調整装置としてステップ式自動電圧調整装置について説明したが、本発明は、無接点自動電圧調整装置にも適用できる。
その他、本発明は、その発明思想の範囲内で各種形態で実施可能である。
【符号の説明】
【0021】
10 自動電圧調整装置(SVR)
11 基準電圧発生回路
12 メモリ
13 電圧調整継電器
14 モータ
20、21、22、23、24、25 需要家
30 日射センサ(自然エネルギーセンサ)
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14