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明細書 :レーザー光発生装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4521538号 (P4521538)
公開番号 特開2005-251810 (P2005-251810A)
登録日 平成22年6月4日(2010.6.4)
発行日 平成22年8月11日(2010.8.11)
公開日 平成17年9月15日(2005.9.15)
発明の名称または考案の名称 レーザー光発生装置
国際特許分類 H01S   3/139       (2006.01)
H01S   3/108       (2006.01)
H01S   3/23        (2006.01)
FI H01S 3/139
H01S 3/108
H01S 3/23
請求項の数または発明の数 9
全頁数 16
出願番号 特願2004-056879 (P2004-056879)
出願日 平成16年3月1日(2004.3.1)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 2003年8月30日 (社)応用物理学会発行の「2003年(平成15年)秋季 第64回応用物理学会学術講演会講演予稿集 第3分冊」に発表
特許法第30条第1項適用 平成16年2月12日 電気通信大学主催の「修士論文発表会」において文書をもって発表
特許法第30条第1項適用 平成16年2月19日 電気通信大学主催の「卒業研究発表会」において文書をもって発表
審査請求日 平成19年2月28日(2007.2.28)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】803000045
【氏名又は名称】株式会社キャンパスクリエイト
発明者または考案者 【氏名】桂川 眞幸
【氏名】小野瀬 貴士
個別代理人の代理人 【識別番号】100083806、【弁理士】、【氏名又は名称】三好 秀和
【識別番号】100101247、【弁理士】、【氏名又は名称】高橋 俊一
【識別番号】100120455、【弁理士】、【氏名又は名称】勝 治人
審査官 【審査官】杉田 翠
参考文献・文献 特開平05-121816(JP,A)
特開平11-150318(JP,A)
特開平11-289122(JP,A)
特開平04-260385(JP,A)
特開平05-121842(JP,A)
特開平09-236837(JP,A)
特開2000-078085(JP,A)
特開平07-077627(JP,A)
特開平07-058388(JP,A)
T.D. Raymond et al.,Two-frequency injection-seeded Nd:YAG laser,IEEE Journal of Quantum Electronics,米国,IEEE,1995年10月,Volume: 31, Issue: 10,pp.1734-1737
T.D. Raymond et al.,Dual Longitudinal Mode Nd:YAG Laser,Advanced solid-state lasers topical meeting, Santa Fe, NM(United States), 17-19 Feb 1992,米国,DOE; USDOE, Washington, DC,1991年 1月 1日,OSTI ID:6167836; Legacy ID: DE92002012
調査した分野 H01S 3/00 - 4/00、
G02F 1/29 - 7/00、
JSTPlus(JDream2)、
CiNii
特許請求の範囲 【請求項1】
単一縦モード波長を出力する、少なくとも2個以上の種光発生手段と、
前記種光発生手段から出力された種光を合成する合成手段と、
前記合成された種光を特定波長に同期させ、該種光毎に生成される周波数純度が良く且つ光強度の高いレーザー光を出力するレーザー光発生手段と、
前記レーザー光を予め定める波長別に弁別する弁別手段と、
弁別されたレーザー光を電気信号に変換し、予め設定された基準信号と比較して、該電気信号と該基準信号に差分が生じた場合には、各種光発生手段の波長又はレーザー光発生手段の実効共振器長のいずれかの値を基準とし、各種光発生手段の波長又はレーザー光発生手段の実効共振器長の各値が所定の関係になるように基準以外の値を補正値として求め、前記種光発生手段又は前記レーザー光発生手段に求めた補正値を出力して前記種光発生手段又は前記レーザー光発生手段の共振器長を駆動制御する駆動制御手段と、
を備えることを特徴とするレーザー光発生装置。
【請求項2】
単一縦モード波長を出力する少なくとも2個以上の種光発生手段と、
前記種光発生手段から出力された種光を合成する合成手段と、
前記合成された種光を特定波長に同期させ、該種光毎に生成される周波数純度が良く且つ光強度の高いレーザー光を出力するレーザー光発生手段と、
前記レーザー光を電気信号に変換する光電変換手段と、
前記電気信号を予め定められる周波数の電気信号毎に弁別する電気信号弁別手段と、
弁別された電気信号を、予め設定された基準信号と比較して、該基準信号と該電気信号に差分が生じた場合には、各種光発生手段の波長又はレーザー光発生手段の実効共振器長のいずれかの値を基準とし、各種光発生手段の波長又はレーザー光発生手段の実効共振器長の各値が所定の関係になるように基準以外の値を補正値として求め、各前記種光発生手段又は前記レーザー光発生手段に求めた補正値を出力して前記種光発生手段又は前記レーザー光発生手段の共振器長を駆動制御する駆動制御手段と、
前記種光発生手段にレーザー光に重畳させる変調信号を前記種光発生手段に出力する変調信号発生手段と、
を備えることを特徴とするレーザー光発生装置。
【請求項3】
前記種光発生手段に前記補正値を出力する場合は、該種光発生手段毎に前記駆動制御手段を設けることを特徴とする請求項1又は2記載のレーザー光発生装置。
【請求項4】
前記種光発生手段に変調信号を出力する変調信号発生手段を備えることを特徴とする請求項1記載のレーザー光発生装置。
【請求項5】
前記駆動制御手段は、前記基準信号に対する前記電気信号の変位方向と変位量に基づいて補正値を算出し、該補正値を含む補正信号を共振器長に出力することを特徴とする請求項1又は2記載のレーザー光発生装置。
【請求項6】
前記弁別手段は、前記レーザー光発生手段から出力されたレーザー光を波長毎に分光する分光手段と、分光された光を電気信号に変換する光電変換手段を有することを特徴とする請求項1記載のレーザー光発生装置。
【請求項7】
前記種光発生手段毎に前記変調信号発生手段を設けることを特徴とする請求項2記載のレーザー光発生装置。
【請求項8】
単一縦モード波長を出力する、少なくとも2個以上の種光発生手段と、前記種光発生手段から出力された種光を合成する合成手段と、前記合成された種光をもとに光ソリトン列を形成する非線形媒質と、前記非線形媒質から出力されたレーザー光をパワーオシレーターの増幅周波数領域に一致させるための高調波発生手段と、光ソリトン又はその高調波を特定波長に同期させ高出力化された光ソリトン列を発生させるレーザー光発生手段と、該レーザー光を予め定められる波長別に弁別する弁別手段と、弁別されたレーザー光を電気信号に変換する光電変換手段と、該電気信号と予め設定された基準信号と比較して、該電気信号と該基準信号に差分が生じた場合には、各種光発生手段の波長又はレーザー光発生手段の実効共振器長のいずれかの値を基準とし、各種光発生手段の波長又はレーザー光発生手段の実効共振長の各値が所定の関係になるように基準以外の値を補正値として求め、前記種光発生手段又は前記レーザー光発生手段に求めた補正値を出力して前記種光発生手段又はレーザー光発生手段の共振器長を駆動制御する手段とを備えることを特徴とするレーザー光発生装置。
【請求項9】
単一縦モード波長を出力する、少なくとも2個以上の種光発生手段と、前記種光発生手段から出力された種光を合成する合成手段と、前記合成された種光をもとに光ソリトン列を形成する非線形媒質と、前記非線形媒質から出力されたレーザー光をパワーオシレーターの増幅周波数領域に一致させるための高調波発生手段と、光ソリトン又はその高調波を特定波長に同期させ高出力化された光ソリトン列を発生させるレーザー光発生手段と、
前記レーザー光を電気信号に変換する光電変換手段と、
前記電気信号を予め定められる周波数の電気信号毎に弁別する電気信号弁別手段と、
該電気信号と予め設定された基準信号と比較して、該電気信号と該基準信号に差分が生じた場合には、各種光発生手段の波長又はレーザー光発生手段の実効共振器長のいずれかの値を基準とし、各種光発生手段の波長又はレーザー光発生手段の実効共振器長の各値が所定の関係になるように基準以外の値を補正値として求め、各前記種光発生手段又は前記レーザー光発生手段に求めた補正値を出力して前記種光発生手段又はレーザー光発生手段の共振器長を駆動制御する手段と、前記種光発生手段にレーザー光に重畳させる変調信号を前記種光発生手段に出力する変調信号発生手段とを備えることを特徴とするレーザー光発生装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、出力は低いが周波数純度の良いマスターオシレーターと、出力は高いが周波数制御が特にされていないパワーオシレーターの発振光とを組み合わせることで、線幅が狭く高出力を得る注入同期法を適用したレーザー光発生装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、次世代の大容量・長距離伝送を可能にする伝送技術として、光ソリトン伝送技術が注目されている。光ソリトン伝送技術は、光ソリトン(孤立波)と呼ばれる安定な光パルスを用い、無中継で1200km以上の長距離通信を行う伝送技術である。
【0003】
この光ソリトン伝送技術の実現化に向け、注入同期や外部共振器による方式を用いた通信用レーザーの開発が盛んに進められている。ここで注入同期法とは、出力は低いが周波数純度の高いマスターオシレーター(シードレーザーともいう。)からの出力を、周波数純度は低いが出力の高いパワーオシレーターに注入し、マスターオシレーターにパワーオシレーターの発振光を引きずり込むことで、周波数純度が高く且つ高出力のレーザー光を高安定に得る方法である。
【0004】
ここで使用するマスターオシレーターは、一般に単一縦モード波長を出力するレーザー装置が用いられる。この装置を用いて所望の特性を有する出力を得るためには、この単一縦モード波長とパワーオシレーターの単一縦モード波長の少なくとも1本とを一致させる必要がある。
【0005】
上記条件を備えたレーザー光発生装置を用いると、数ナノ~数百ナノ秒のパルス幅に対してほぼ完全にトランスフォームリミットのスペクトル幅(数~数十MHz)を有し、更にMWのピーク強度、及びMHzの精度で数十nmに亘る波長可変性等の特性を併せ持つ出力を得ることができる。このような特性を備えるレーザー光発生装置は、高いピーク強度と同時に周波数領域における高い調整精度が要求される例えば非線形光学の実験機器としての利用が期待されている。
【0006】
ところで、上記した注入同期法を用いた技術として特許文献1に、1台のレーザー装置から2種類又はそれ以上の周波数スペクトルを出力することができるマスターオシレーター(特許文献1において注入光に相当する。)を用い、このマスターオシレーターの波長分布とパワーオシレーター(特許文献1においてQスイッチレーザに相当する。)の共振器モードが重複するように選択することで、パワーオシレーターを複数モードで発振させる技術が開示されている。

【特許文献1】特開平10-294517号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところで、上記した特許文献1記載の技術は、マスターオシレーターとして1台のレーザー装置から複数のスペクトルを出力する装置を用いているが、一般にレーザー光の出力は環境の微小変動に敏感に反応するため、マスターオシレーターの複数のスペクトルとパワーオシレーターは独立にドリフトし、一つの波長は安定させることができるが、それ以外の波長は長時間に渡って安定させるのが非常に難しいという問題がある。
【0008】
また一方で、このような複数の単一縦モード波長を出力するマスターオシレーターは、等間隔の周波数を出力するので、注入同期されたパワーオシレーターの出力も等間隔となる。従って得られる出力は等間隔の周波数スペクトルとなり、非等間隔の波長スペクトルを得ることはできない。
【0009】
本発明は、上記課題を鑑みてなされたもので、その目的は、波長選択性が高く、且つ高出力、高安定性を有するスペクトルを容易に得ることができるレーザー光発生装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために請求項1記載の本発明は、単一縦モード波長を出力する、少なくとも2個以上の種光発生手段と、前記種光発生手段から出力された種光を合成する合成手段と、前記合成された種光を特定波長に同期させ、該種光毎に生成される周波数純度が良く且つ光強度の高いレーザー光を出力するレーザー光発生手段と、前記レーザー光を予め定める波長別に弁別する弁別手段と、弁別されたレーザー光を電気信号に変換し、予め設定された基準信号と比較して、該電気信号と該基準信号に差分が生じた場合には、各種光発生手段の波長又はレーザー光発生手段の実効共振器長のいずれかの値を基準とし、各種光発生手段の波長又はレーザー光発生手段の実効共振器長の各値が所定の関係になるように基準以外の値を補正値として求め、前記種光発生手段又は前記レーザー光発生手段に求めた補正値を出力して前記種光発生手段又は前記レーザー光発生手段の共振器長を駆動制御する駆動制御手段とを備えることを要旨とする。
【0011】
請求項2記載の本発明は、単一縦モード波長を出力する少なくとも2個以上の種光発生手段と、前記種光発生手段から出力された種光を合成する合成手段と、前記合成された種光を特定波長に同期させ、該種光毎に生成される周波数純度が良く且つ光強度の高いレーザー光を出力するレーザー光発生手段と、前記レーザー光を電気信号に変換する光電変換手段と、前記電気信号を予め定める周波数の電気信号毎に弁別する電気信号弁別手段と、弁別された電気信号を、予め設定された基準信号と比較して、該基準信号と該電気信号に差分が生じた場合には、各種光発生手段の波長又はレーザー光発生手段の実効共振器長のいずれかの値を基準とし、各種光発生手段の波長又はレーザー光発生手段の実効共振器長の各値が所定の関係になるように基準以外の値を補正値として求め、各前記種光発生手段又は前記レーザー光発生手段に求めた補正値を出力して前記種光発生手段又は前記レーザー光発生手段の共振器長を駆動制御する駆動制御手段と、前記種光発生手段にレーザー光に重畳させる変調信号を前記種光発生手段に出力する変調信号発生手段とを備えることを要旨とする。
【0012】
請求項3記載の本発明は、請求項1又は2記載のレーザー光発生装置において、前記種光発生手段に前記補正値を出力する場合は、該種光発生手段毎に前記駆動制御手段を設けることを要旨とする。
【0013】
請求項4記載の本発明は、請求項1記載のレーザー光発生装置において、前記種光発生手段に変調信号を出力する変調信号発生手段を備えることを要旨とする。
【0014】
請求項5記載の本発明は、請求項1又は2記載のレーザー光発生装置において、前記駆動制御手段は、前記基準信号に対する前記電気信号の変位方向と変位量に基づいて補正値を算出し、該補正値を含む補正信号を共振器長に出力することを要旨とする。
【0015】
請求項6記載の本発明は、請求項1記載のレーザー光発生装置において、前記弁別手段は、前記レーザー光発生手段から出力されたレーザー光を波長毎に分光する分光手段と、分光された光を電気信号に変換する光電変換手段を有することを要旨とする。
【0016】
請求項7記載の本発明は、請求項2記載のレーザー光発生装置において、前記種光発生手段毎に前記前記変調信号発生手段を設けることを要旨とする。
【0017】
請求項8記載の本発明は、単一縦モード波長を出力する、少なくとも2個以上の種光発生手段と、前記種光発生手段から出力された種光を合成する合成手段と、前記合成された種光をもとに光ソリトン列を形成する非線形媒質と、前記非線形媒質から出力されたレーザー光をパワーオシレーターの増幅周波数領域に一致させるための高調波発生手段と、光ソリトン又はその高調波を特定波長に同期させ高出力化された光ソリトン列を発生させるレーザー光発生手段と、該レーザー光を予め定められる波長別に弁別する弁別手段と、弁別されたレーザー光を電気信号に変換する光電変換手段と、該電気信号と予め設定された基準信号と比較して、該電気信号と該基準信号に差分が生じた場合には、各種光発生手段の波長又はレーザー光発生手段の実効共振器長のいずれかの値を基準とし、各種光発生手段の波長又はレーザー光発生手段の実効共振長の各値が所定の関係になるように基準以外の値を補正値として求め、前記種光発生手段又は前記レーザー光発生手段に求めた補正値を出力して前記種光発生手段又はレーザー光発生手段の共振器長を駆動制御する手段とを備えることを要旨とする。
【0018】
請求項9記載の本発明は、単一縦モード波長を出力する、少なくとも2個以上の種光発生手段と、前記種光発生手段から出力された種光を合成する合成手段と、前記合成された種光をもとに光ソリトン列を形成する非線形媒質と、前記非線形媒質から出力されたレーザー光をパワーオシレーターの増幅周波数領域に一致させるための高調波発生手段と、光ソリトン又はその高調波を特定波長に同期させ高出力化された光ソリトン列を発生させるレーザー光発生手段と、前記レーザー光を電気信号に変換する光電変換手段と、前記電気信号を予め定められる周波数の電気信号毎に弁別する電気信号弁別手段と、該電気信号と予め設定された基準信号と比較して、該電気信号と該基準信号に差分が生じた場合には、各種光発生手段の波長又はレーザー光発生手段の実効共振器長のいずれかの値を基準とし、各種光発生手段の波長又はレーザー光発生手段の実効共振器長の各値が所定の関係になるように基準以外の値を補正値として求め、各前記種光発生手段又は前記レーザー光発生手段に求めた補正値を出力してて前記種光発生手段又はレーザー光発生手段の共振器長を駆動制御する手段と、前記種光発生手段にレーザー光に重畳させる変調信号を前記種光発生手段に出力する変調信号発生手段とを備えることを要旨とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、単一縦モード波長を出力する、少なくとも2個以上のマスターオシレーターと、これらマスターオシレーターから出力された種光を合成する光学素子で構成された光学系と、合成された種光を特定波長に同期させ、この種光毎に生成される周波数純度が良く且つ光強度の高いレーザー光を出力するパワーオシレーターと、レーザー光を波長別に弁別する分光器と、弁別されたレーザー光を電気信号に変換し、予め設定された基準信号と比較して、この電気信号と基準信号に差分が生じた場合には、この差分に対応する共振器長を補正するための補正信号をマスターオシレーター又はパワーオシレーターに帰還し、マスターオシレーター又はパワーオシレーターの共振器長を駆動制御する駆動制御部を備えるレーザー光発生装置を提供することで、波長選択性が高く、且つ高出力、高安定性を有するスペクトルを容易に得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態を説明する。
【0021】
このレーザー光発生装置は、単一縦モードの光を出力する少なくとも2個以上の種光発生手段として機能する例えばマスターオシレーターと、このマスターオシレーターから出力された種光を合成する合成手段として機能する全反射ミラー及び部分反射又は透過ミラー等の光学素子で構成される光学系と、この種光と同期する波長領域を出力するレーザー光にこの種光を注入し、種光毎に生成される周波数純度が良く且つ光強度の高いレーザー光を出力するレーザー光発生手段として機能する例えばパワーオシレーターと、このパワーオシレーターから出力されたレーザー光を波長別に弁別する弁別手段として機能する分光手段と、弁別されたレーザー光を電気信号に変換し、予め設定された基準信号と比較して、この電気信号とこの基準信号に差分が生じた場合には、この差分に対応する共振器長を補正するための補正信号をマスターオシレーター又はパワーオシレーターに出力し、マスターオシレーター又はパワーオシレーターの共振器長を駆動制御する駆動制御部を備えている。
【0022】
図1を参照して、具体的に本発明の実施の形態に係るレーザー光発生装置1の構成を説明する。
【0023】
同図に示すように、このレーザー光発生装置1は、パワーオシレーター3と、このパワーオシレーター3を駆動制御するパワーオシレーター駆動制御部7と、このパワーオシレーター3に複数の異なる発振周波数を注入する第1、第2、・・第nのマスターオシレーター5a、5b・・・5nと、これら各マスターオシレーターを駆動制御する第1、第2、・・第nのマスターオシレーター制御駆動部11a、11b・・・11nと、この各マスターオシレーター制御駆動部に変調を加える変調用発振器13と、パワーオシレーター3の出力を波長別に分光する分光手段と、これら光をそれぞれ受光して電気信号を出力する第1、第2、・・・第nの受光手段と、出力された各電気信号をそれぞれ第1、第2、・・・第nのマスターオシレーター制御駆動部11a、11b、・・11nに帰還させる第1、第2、・・・第nの帰還回路を備え、マスターオシレーターとパワーオシレーターの間には、n個のマスターオシレーターからの出力を合成するミラー17a、17b・・と、ハーフミラー15a、15b・・が配置されている。またパワーオシレーター3と分光手段19との間には、パワーオシレーター3の出力光を得るための部分透過ミラー15cが設けられている。
【0024】
本実施の形態において分光手段19とは、パワーオシレーター3から出力されたレーザー光を波長毎に分光するものであって例えば回折格子やプリズムが挙げられる。また分光された光を電気信号に変換する光電変換手段としては例えば光フォトディテクタ(PD)が挙げられる。
【0025】
本レーザー光発生装置1の第1の特徴は、n個のマスターオシレーター5にフィードバックをかけるために、各マスターオシレーター5に対応する補正信号(エラー信号)を検出する検出機構及び補正機構を備えている点にある。これを実現するためにパワーオシレーター3に変調信号を重畳させ、パワーオシレーター3から出力された光を分光手段で分光し、分光された光を更に光電変換手段で検出して、各光に重畳された変調信号に対応する位相敏感検波器を通すことで補正信号を取得する。
【0026】
本レーザー光発生装置1の第2の特徴は、従来の注入同期法を適用したレーザー装置がマスターオシレーターを1個のみを適用していたのに対し、出力強度は弱いが周波数純度が良いマスターオシレーターを少なくとも2個以上用いる点にある。またこれに伴い最低2個以上用いるマスターオシレーターの各スペクトルがパワーオシレーターの共振器の縦モード及び横モードに一致するよう同期させる点にある。
【0027】
このように共振器の縦モードに一致させるには、たとえば、2個のマスターオシレーターを用いる場合には、下記の式(1)を満たすようにフィードバックをかける必要がある。
【数1】
JP0004521538B2_000002t.gif

【0028】
この場合、自由度は、波長ν1、波長ν2及びパワーオシレーターの実効共振器長Lの3個のパラメーターにより決定されることから、同期を得るためにはこのうちの2つの変数についてフィードバックをかける必要がある。
【0029】
そこで本レーザー光発生装置1においては、共振器長が発振時の発熱及び周囲熱等の影響を受けてドリフトすることを考慮して、予め共振器長Lを基準とし、波長ν1とν2にフィードバックをかける。尚、基準は共振器長Lに限らず、波長ν1又はν2としてもよい。
【0030】
更に本レーザー光発生装置1の第3の特徴は、マスターオシレーターの出力光又はパワーオシレーターのいずれか一方、又は両方に変調信号を重畳させる点にある。
【0031】
また本レーザー光発生装置1の第4の特徴は、本発明の目的として非等間隔のスペクトルを得るために複数個のマスターオシレーターを用いるが、各マスターオシレーターに同じ規格のロックインアンプを用いる点にある。これにより各マスターオシレーターに専用のロックインアンプを設ける必要がなくなるので、レーザー光発生装置の歩留まりを良くすることができる。
【0032】
また更に本レーザー光発生装置1の第5の特徴は、複数本の種光をそれぞれ独立に検出するため共振器のアライメント(光路の調整)が容易になる点にある。これにより種光に異常が生じたときに瞬時にこの異常を発見することができる。
【実施例】
【0033】
(第1の実施の形態)
次に、図2を参照して、第1の実施の形態に係るレーザー光発生装置の実施例を説明する。
【0034】
このレーザー光発生装置は、大きく分けてマスターオシレーター部21と、パワーオシレーター部23と、帰還回路25に分けられる。
【0035】
マスターオシレーター部21には、第1のマスターオシレーターとしてチタンサファイアレーザー(発振波長757.8749[nm])211を適用し、第2のマスターオシレーターとしてLD(発振波長784.9489[nm])213を適用した。ここでチタンサファイアレーザー211は、本実施例において基準となるレーザー装置であり、LD(リトロ型外部共振器半導体レーザー)213は、発振波長のフィードバックを受けるマスターオシレーターである。
【0036】
このは、
LD213から出力された種光は、アナモフィックプリズム221、アイソレータ223aを通過後、λ/2板225aを通過したチタンサファイアレーザー211からの種光と結合ミラー227aにより合成される。合成された種光は、光ファイバ217bを介して接続された2つの凸レンズ215c、215dを通過後、アイソレータ223bを通過してパワーオシレーター部23に入射する。
【0037】
パワーオシレーター部23は、ミラーを三角形に配置するリング型共振器を適用した。この三角形リング共振器は、出力結合ミラー227bと、ミラー229cと227cで構成されており、ミラー229cには圧電素子としてPZT(ピエゾ素子)が付設されている。またミラー227cを透過して三角形リング共振器に導入されるパワーオシレーターの励起用レーザーQ-YAGレーザー(発振波長532[nm])233はチタンサファイア結晶231を励起する。更にハーフミラー227cとハーフミラー227dの間には、フィードバック用のレーザー光を分岐させるためのチタンサファイア結晶231が配置されている。
【0038】
帰還回路25は、チタンサファイア結晶231の端面で一部反射された微弱な種光を分光する回折格子253と、分光されたレーザー光(以下、第1の検出信号、第2の検出信号という。)をそれぞれ受光する第1及び第2のPD255a及び255bが配置されている。第1及び第2のPD255a及び255bから出力された第1及び第2の検出信号は、位相敏感検波器259a、259bに入力される。位相敏感検波器259aで検出された第1の検出信号は、PZTドライバ261で変調用発振器(5kHz)263と比較され、その比較結果に基づく補正信号がPZT265に出力される。一方、位相敏感検波器259bで検出された第2の検出信号は、PZTドライバ261を通過してLD213に入力される。
【0039】
尚ここで、変調用発振器の周波数は5kHzとしたが、周波数はこれに限らず他の周波数でもよい。
【0040】
次に、このレーザー光発生装置の動作を説明する。
【0041】
まずパワーオシレーターに入射させるLD213の種光の強度調整は、マスターオシレーター部21に備えられているλ/2板225aで偏光を回すことで設定し、チタンサファイアレーザー211の強度は、チタンサファイアレーザー211のライン上にあるλ/2板225bで偏光を回すことで設定する。
【0042】
次に、三角共振器内に配置されたチタンサファイア結晶231の端面で反射された微弱な種光を検出光として取り出す。この検出光は、回折格子253で分光され、それぞれ第1及び第2のPD255a及び255bに入力される。これら第1及び第2のPD255a及び255bで検出された光は、更に5[kHz]を参照信号とする位相敏感検波器により検出信号として取り出される。
【0043】
その後、第1の検出信号を共振器長を制御するPZT265に戻し、他方はLD213に戻す。これにより2本の種光とパワーオシレーターの縦モードを長時間に渡って安定に一致させることができる。高出力、且つ周波数精度の高いレーザー光を得ることができる。
【0044】
発振光は種光に引きずり込まれるので、周波数純度が良く高出力を有するレーザー光が発生し、三角共振器から出力される。このとき出力される一方のスペクトルの中心波長は、チタンサファイアレーザー211と同じ757.8749[nm]であり、他方のスペクトルの中心波長は、LD213と同じ784.9489[nm]である。
【0045】
次に、図3を参照して、上記レーザー光発生装置の実験結果を説明する。図3に示すスペクトルは、横軸が波長[nm]、縦軸が相対強度(対数表示)で示されている。
【0046】
図3中において、スペクトル(1)は757.8749[nm]の種光を注入同期して得られた発振スペクトルであり、スペクトル(2)は784.9489[nm]の種光を注入同期して得られた発振スペクトルである。またスペクトル(3)はフリーラン状態(種光を注入していない状態)のスペクトルである。
【0047】
本実験条件は、励起光(Q-YAGレーザー(532[nm]))のエネルギーを40[mJ]、チタンサファイアレーザーの波長が757.8749[nm]、強度は出力結合ミラー後で1.4 [mW]、一方、LDの波長が784.9489[nm]、強度はアウトプットカップラー後で97[μW]としたときに得られた結果である。出力エネルギーはプリズムにより各成分に分け、パワーメーターで測定され、ともに4.1[mJ]であった。
【0048】
図3の実験結果に示されているように、フリーランの成分が2本の種光の波長に完全に引き込まれており、フリーランの成分が少なくとも1/1000以下まで抑制されている。
【0049】
(第1の実施の形態の変形例)
次に、図4を参照して、第1の実施の形態に係るレーザー光発生装置1の変形例を説明する。
【0050】
このレーザー光発生装置30は、単一縦モード波長を出力する少なくとも2個以上の種光発生手段として機能する例えば第1、第2・・第nのマスターオシレーター55a、35b、・・35nと、第1、第2・・第nのマスターオシレーター55a、35b、・・35nから出力された種光を合成する合成手段として機能する全反射ミラー47a、47b及びハーフミラー45a、45bの光学素子で構成される光学系と、合成された種光を特定波長に同期させ、種光毎に生成される周波数純度が良く且つ光強度の高いレーザー光を出力するレーザー光発生手段として機能する例えばパワーオシレーター33と、このレーザー光を電気信号に変換する光電変換手段として機能する例えば光フォトディテクタ(PD)39と、この電気信号を波長毎に弁別する電気信号弁別手段として機能する例えば周波数フィルターを備える周波数弁別フィルター(電気回路)31と、弁別された電気信号を予め設定された基準信号と比較して、この電気信号とこの基準信号の差分に相当する補正信号をマスターオシレーター又はパワーオシレーターに帰還し、マスターオシレーター又はパワーオシレーターの共振器長を駆動制御する第1、第2・・第nの駆動制御部41a、41b、・・41nとを備える。また、第1、第2・・第nのマスターオシレーター35a、35b、・・35nには、それぞれ第1、第2・・第nの変調用発振器43a、43b、・・43nが接続されており、各変調用発振器からの変調信号m1、m2・・mnが各マスターオシレーターに入力される。
【0051】
本実施の形態において第1の実施の形態と異なる点は、第1の実施の形態ではパワーオシレーター3から出力されたレーザー光を分光手段を用いて波長毎に分離していたのに対し、本実施の形態は、パワーオシレーターから出力されたレーザー光を光電変換素子で電気信号に変換してから周波数弁別フィルターを通して分離する点にある。これにより複数の種光の各波長差を小さくしても確実に分離することができる。
【0052】
すなわち第1の実施の形態では、光を直接波長毎に分けていたので分離精度は分光素子の分解能に依存していたが、本発明によれば、電気信号に変換後に分離を行うため高精度な分離が可能となる。しかし本発明においては、レーザー光に重畳させる変調信号が競合しない程度の周波数を選択する必要がある。
【0053】
また第1の実施の形態では、受光素子がマスターオシレーターの数だけ必要であったが、本実施の形態によれば、1個の受光素子で実現することができるので歩留まりを良くすることができる。
【0054】
(第2の実施の形態)
次に、本発明の第2の実施の形態に係るレーザー光発生装置の構成を説明する。図5は、第2の実施の形態に係るレーザー光発生装置50の構成図である。
【0055】
このレーザー光発生装置50は、単一縦モード波長を出力する少なくとも2個以上の種光発生手段として機能する例えば第1、第2のマスターオシレーター55a、55bと、第1、第2のマスターオシレーター55a、55bから出力された種光を合成する合成手段として機能する光ファイバ63a、63bと、合成された種光をもとに光ソリトン列を形成する非線形媒質51と、非線形媒質51から出力されたレーザー光をパワーオシレーターの増幅周波数領域に一致させるための高調波発生装置57と、光ソリトン列または、その高周波をレーザー光を特定波長に同期させ、高出力化された光ソリトン列を発生させるレーザー光発生手段として機能する例えばパワーオシレーター53と、このレーザー光を波長別に弁別する弁別手段として機能する分光手段と、弁別されたレーザー光を電気信号に変換する光電変換手段と、予め設定された基準信号と比較して、この電気信号とこの基準信号に差分が生じた場合には、この差分に対応する共振器長を補正するための補正信号をマスターオシレーター又はパワーオシレーターに出力し、マスターオシレーター又はパワーオシレーターの共振器長を駆動制御する第1、第2駆動制御部61a、61bを備えている。
【0056】
本実施の形態において分光手段とは、パワーオシレーター53から出力されたレーザー光を波長毎に分光するものであって例えば回折格子やプリズムが挙げられる。また分光された光を電気信号に変換する光電変換手段としては例えば光フォトディテクタ(PD)が挙げられる。また非線形媒質51とは、高非線形ファイバと分散補償ファイバを組み合わせたものや、フォトニッククリスタルファイバーや、テイパーファイバーなどが適用可能である。
【0057】
本レーザ光発生装置5は、近接した異なる二波長で発振する2台の独立な連続波レーザー光を基に、非線形光学過程(四光波光学過程)を通して多数の周波数コムを発生させ、それを種光として注入同期法により高出力化する方法である。
【0058】
ここで周波数コムの縦モード間隔は、種光の2台の連続波レーザーの発振波長で決定されるので、マスターオシレターそれとパワーオシレーターを含めた計3台の独立なレーザー間の縦モードの整合を取ればよい。2波長の周波数差は一般的には数百MHz~数THz程度である。
【0059】
尚、本実施の形態の変形例として、周波数差を注入同期をかけたまま連続的に掃引するようにしてもよい。また光には発生させた周波数コムをそのまま用いても良いし、その高調波を用いてもよい。また更にパワーオシレーター53は連続波発振に限らずパルス発振を用いてもよい。
【0060】
次に、図6~図8を参照して、第2の実施の形態に係るレーザー光発生装置50の周波数スペクトルの変化過程を説明する。
【0061】
図6は、図5における矢印Aで示した部分のスペクトル、図7は矢印Bで示した部分のスペクトル、図7は矢印Cで示した部分のパワーオシレーターがパルス発振の場合のスペクトルを示している。
【0062】
図6(a)は、横軸を周波数ν、縦軸を光強度Iとした場合の発振スペクトルであり、図6(b)は、横軸を時間、縦軸を光強度Iとした場合の時間波形である。図6(a)(b)に示すように、第1及び第2のマスターオシレーター55a及び55bからは、それぞれ異なる周波数ν1及びν2が出力されている。このときの各レーザー光の光強度は一定を保っている。
【0063】
図7(a)も図6(a)と同様に、横軸を周波数ν、縦軸を光強度Iとした場合の発振スペクトルであり、図7(b)は、横軸を時間、縦軸を光強度Iとした場合の時間波形である。図7(a)(b)に示すように発振スペクトルは等周波数間隔Δν=|ν2-ν1|の周波数コムを形成し、時間領域ではピーク強度が一定の光ソリトン列が形成される。
【0064】
図8(a)も図6(a)と同様に、横軸を波長ν、縦軸を光強度Iとした場合の発振スペクトルであり、図8(b)は、横軸を時間、縦軸を光強度Iとした場合の時間波形である。図8(a)(b)に示すように、発振スペクトルは図7(a)と同じ形を保持したままそのピーク強度が高くなり、時間波形はパワーオシレーターのパルス発振の時間波形の包絡曲線の中に図7(b)の光ソリトン列が形成されたものになる。
【0065】
次に、図9を参照して、第2の実施の形態に係るレーザー光発生装置50の実施例を説明する。
【0066】
このレーザー光発生装置70は、3枚のミラー85a、79d、85bで構成される、いわゆる三角形リング共振器である。ポンプ光には、Nd:YAGレーザーの二倍波、繰り返し周波数10Hz、波長532nmを使用する。繰り返し周波数160GHz、中心波長1.55μm、パルス幅(半値全幅)500fsの光ソリトンは、2つの第1及び第2のDFBLD(波長可変レーザー光源)71a及び71bを用いて2波長ビート信号を発生させ、高非線形ファイバCDPF (Comb Like Dispersion Profiled Fiber)73を用いて発生させる。
【0067】
この光ソリトンを種光として用いるためには、チタンサファイア結晶89が600~900nmの波長域でゲインをもつので、ここではPPNL (Periodically Poled Lithium Niobate)77を用いて二倍波を発生させる必要がある。
【0068】
また半導体レーザーは戻り光に弱く壊れ易いので、戻り光でPPLN77の結晶を破損しないようにアイソレータ83を挿入している。
【0069】
チタンサファイア結晶89の端面からの微弱な反射光を回折格子93で分けて第1及び第2のPD95a及び95bでそれぞれ検出し、5kHzの変調をかけて、一方は共振器長に、他方は波長にフィードバックをかけることで多数の縦モードからなる周波数コムに同時に注入同期を行うことができる。これにより繰り返し周波数160GHz、中心波長775nm、パルス幅500fs、パルスエンベロープの幅6ns、10mJの出力を得ることができる。
【0070】
次に、図10~図12を参照して、第2の実施の形態に係るレーザー光発生装置70の周波数スペクトルの変化過程を説明する。
【0071】
図10は、図9における矢印Dで示した部分のスペクトル、図11は矢印Eで示した部分のスペクトル、図12は矢印Fで示した部分のスペクトルを示している。
【0072】
図10(a)は、横軸を波長ν、縦軸を光強度Iとした場合の発振スペクトルであり、図10(b)は、横軸を時間、縦軸を光強度Iとした場合の時間波形である。図10(a)(b)に示すように、第1及び第2のDFBLD71a及び71bからは、それぞれ異なる周波数ν1及びν2が出力されている。このときの各レーザー光の光強度は一定を保っている。
【0073】
図11(a)も図10(a)と同様に、横軸を波長ν、縦軸を光強度Iとした場合の発振スペクトルであり、図11(b)は、横軸を時間、縦軸を光強度Iとした場合の時間波形である。図11(a)(b)に示すように、発振スペクトルは等周波数間隔Δν=|ν2-ν1|の周波数コムを形成し、時間領域ではピーク強度が一定の光ソリトン列が形成される。
【0074】
図12(a)も図10(a)と同様に、横軸を波長ν、縦軸を光強度Iとした場合の発振スペクトルであり、図12(b)は、横軸を時間、縦軸を光強度Iとした場合の時間波形である。図12(a)(b)に示すように、発振スペクトルは図11(a)と同じ形を保持したままそのピーク強度が高くなり、時間波形はパワーオシレーターのパルス発振の時間波形の包絡曲線(半値全幅6ns)の中に図11(b)の光ソリトン列が形成されたものになる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るレーザー光発生装置1の構成図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るレーザー光発生装置1の実施例を説明する図ある。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るレーザー光発生装置1の実験結果を示すスペクトル図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係るレーザー光発生装置30の変形例を示す図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るレーザー光発生装置50の構成図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係るレーザー光発生装置50において矢印Aで示した位置の波形図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係るレーザー光発生装置50において矢印Bで示した位置の波形図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係るレーザー光発生装置50において矢印Cで示した位置の波形図である。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係るレーザー光発生装置70の実施例を説明する図ある。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係るレーザー光発生装置70の実施例おいて矢印Dで示した位置の波形図である。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係るレーザー光発生装置70の実施例おいて矢印Eで示した位置の波形図である。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係るレーザー光発生装置70の実施例おいて矢印Fで示した位置の波形図である。
【符号の説明】
【0076】
1…レーザー光発生装置
3…パワーオシレーター
5a、5b、・・5n…マスターオシレーター
7…パワーオシレーター駆動制御部
11a、11b、・・11n…マスターオシレーター制御駆動部
13…変調用発振器
15a、15b、15c…ハーフミラー
17a、17b…ミラー
19…分光手段
21…マスターオシレーター部
23…パワーオシレーター部
25…帰還回路
33…パワーオシレーター
35a、35b、・・35c…マスターオシレーター
41a、41b、・・41n…駆動制御部
43a、43b、・・43n…変調用発振器
45a…ハーフミラー
47a…全反射ミラー
51…非線形媒質
53…パワーオシレーター
55a…第2のマスターオシレーター
57…高調波発生装置
61a…第2駆動制御部
63a…光ファイバ
71a,71b…DFBLD
77…PPLN
83…アイソレータ
85a…ミラー
89…チタンサファイア結晶
93…回折格子
95a,95b…PD
211…チタンサファイアレーザー
213…LD
215c…凸レンズ
217b…光ファイバ
221…アナモフィックプリズム
223a…アイソレータ
223b…アイソレータ
225a、225b…λ/2板
227a、227b、227c、227d…結合ミラー
229c…ミラー
231…チタンサファイア結晶
253…回折格子
255a,255b…PD
259a、259b…位相敏感検波器
261…PZTドライバ
265…PZT
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11