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明細書 :てんかん発作抑制装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5660420号 (P5660420)
公開番号 特開2011-083316 (P2011-083316A)
登録日 平成26年12月12日(2014.12.12)
発行日 平成27年1月28日(2015.1.28)
公開日 平成23年4月28日(2011.4.28)
発明の名称または考案の名称 てんかん発作抑制装置
国際特許分類 A61F   7/10        (2006.01)
A61F   7/00        (2006.01)
FI A61F 7/10 321
A61F 7/00 300
請求項の数または発明の数 2
全頁数 8
出願番号 特願2009-236291 (P2009-236291)
出願日 平成21年10月13日(2009.10.13)
審査請求日 平成24年10月3日(2012.10.3)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304020177
【氏名又は名称】国立大学法人山口大学
発明者または考案者 【氏名】藤岡 裕士
【氏名】藤井 正美
【氏名】鈴木 倫保
【氏名】齊藤 俊
審査官 【審査官】金丸 治之
参考文献・文献 特開2008-154751(JP,A)
特開2007-209523(JP,A)
特開2004-129964(JP,A)
調査した分野 A61F 7/10
A61F 7/00
特許請求の範囲 【請求項1】
可撓性の材料からなる袋状体容器または熱伝導性の高い金属材料からなる、脳表部を冷却するための薄型容器に温度検知センサが付設されてなり脳表部に近接して埋設される冷却部と、該冷却部に連結され冷却水を循環移送するカテーテルと前記温度検知センサへの配線とからなる連結接続部と、該連結接続部のカテーテルに連結され冷却水が滞留し冷却器が付設されたリザーバと該リザーバと前記冷却部との間で前記カテーテルを介して冷却水循環動作を行うポンプとを備えた放熱部と、前記冷却部における温度検知センサに配線を介して接続されるとともに前記放熱部におけるポンプ及び冷却器の各々と配線を介して接続され検知された温度に基づき体内要冷却箇所を所定温度に冷却するように前記冷却器及びポンプの動作制御を行う制御部とを備え、前記冷却部が脳表部に接して頭蓋内に設置され、前記制御部は脳表部温度が15~25℃の温度範囲になるように制御を行うもので
あることを特徴とするてんかん発作抑制装置。
【請求項2】
前記冷却部の可撓性材料からなる袋状体容器または熱伝導性の高い金属材料からなる、脳表部を冷却するための薄型容器においてさらに脳波検知電極が付設され、前記連結接続部において前記脳波検知電極と前記制御部とを接続する配線がさらに備えられ、前記制御部において前記温度検知センサ及び前記脳波検知電極によりそれぞれ検知された温度及び脳波検知信号に基づき冷却箇所を所定温度に冷却するように前記冷却器及びポンプの制御を行うようにしたことを特徴とする請求項1に記載のてんかん発作抑制装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は局部冷却装置に関し、特にてんかん重積発作や重度てんかん発作に対し確実な抑制作用を与えるように脳局部を冷却し、あるいは脳血管障害、頭部外傷等に対し治療を行う場合のように身体の局部を冷却するために用いられる局部冷却装置に関する。
【背景技術】
【0002】
てんかん患者は全人口のほぼ1%を占め、全てんかん患者のうち、薬物治療では効果が得られない難治性てんかん患者は3割になる。重症てんかん発作のうちてんかん発作が30分以上持続する発作てんかん重積発作と呼ばれ、てんかん重積発作での死亡率は6~20%と高く、致死的状態に至らない場合でも繰り返す発作により非可逆的な神経細胞障害をもたらす。通常はジアゼパム、フェニトイン等の薬物による緊急治療が行われるが、31~50%の患者に効果がないとされている。
【0003】
代替治療を行うものとして、迷走神経刺激装置や皮膚刺激装置等が開発されているが、それらのてんかん発作抑制の効果はそれほど高いとは言えないものである。また、全身低体温による治療も検討されていたが、不整脈や凝固系異常、感染、アシドーシス等の副作用が生じることや、冷却に時間がかかるという致命的な欠点がある。
【0004】
一方で脳局部を冷却することにより強力な痙攣、てんかん発作を抑制する効果が得られることについて従前から認められており、難治性てんかん患者に適用されている(非特許文献1)。ただし、局部を効率的に冷却する装置について具体的に示されていない。
【0005】
冷却手段としてペルチエ素子を用いる局部冷却装置についても提案されており、特許文献1に示される臓器冷却装置は、てんかん発作を発症する脳の病変部近傍に配置されるペルチエ素子を頭蓋骨外側に配置した経皮エネルギー伝送システム受信部に電気機械的に連結して構成され、頭皮を介してエネルギーを経皮エネルギー伝送システム部に与え、ペルチエ素子を駆動して病変部を冷却するようにしている。特許文献2に示されるペルチエ素子からなる脳内埋め込み型大脳冷却装置を使用する脳波制御システムにおいて、ペルチエ素子の発熱部にパイプ状の冷却水通路を当接し接着して備え、冷却水の流水によりペルチエ素子の発熱面の熱を体外放熱するようにしている。
【0006】
また、特許文献3においては、金属等で形成された冷却部、ヒートパイプ、放熱部を接続してなり、冷却部からヒートパイプを介して放熱部に熱を伝えるようにした頭蓋内埋め込み型大脳冷却装置について記載されている。
【0007】
特許文献1に記載のものでは、脳近辺に配置されペルチエ素子による冷却作用に伴う発熱を効率的に放熱するための有効な手段が備えられていない。特許文献2に記載のものでは、ペルチエ素子の発熱面の熱を冷却水の流水により体外放熱しているが、体外放熱部に関して具体的対策はとられていない。
【0008】
特許文献3に記載のものは、局部冷却部としてペルチエ素子のような冷却手段を用いるのではなく、能動的な冷却形態ではないことと、冷却部、ヒートパイプを構成する材料の熱伝導性能に依存することが多いという制約を有し、冷却効率の面からみても不利である。
【先行技術文献】
【0009】

【特許文献1】特開2006-141993号公報
【特許文献2】特許3843054号公報
【特許文献3】特開2007-209523号公報
【0010】

【非特許文献1】Ommaya, AK, et al, Journalof Neurosurgery, 20, p.8-20, 1963
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
難治性てんかんの発作抑制のための治療として、脳局部を冷却することが大きな効果を有することはこれまでに知られているが、そのための局部冷却装置においては、生理学的に患者の正常な機能に影響を与えずにてんかん発作を抑制するように局部を効果的に冷却するために有効な冷却手段を備え、局部冷却の調整・制御を的確に行うことが必要である。
【0012】
従来の局部冷却装置においては放熱処理に関して有効な手段を講じておらず、局部の温度の制御が的確になされず、また、てんかんの発作が抑制されても脳虚血、代謝異常、神経細胞障害などの副作用の危険性について考慮されていなかった。そのため、てんかん発作の抑制について良好な効果が得られず、てんかん発作抑制のための臨床への適用性には問題点が多くあった。このような局部冷却による治療手法としては、てんかん発作の抑制に限らず、他の治療適用に関しても同様であった。
【0013】
このような事情から、てんかん発作の抑制等を局部の冷却により行うに際し、放熱処理、温度の調整・制御を的確に行い、副作用を生じることなく重症てんかん発作を有効に抑止する局部冷却装置、あるいは脳血管障害や頭部外傷等他の症例に対する治療に関しても有効的確に要冷却箇所を冷却することができる局部冷却装置を提供することが求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は前述した課題を解決すべくなしたものであり、本発明によるてんかん発作抑制装置は、可撓性の材料からなる袋状体容器または熱伝導性の高い金属材料からなる、脳表部を冷却するための薄型容器に温度検知センサが付設されてなり脳表部に近接して埋設される冷却部と、該冷却部に連結され冷却水を循環移送するカテーテルと前記温度検知センサへの配線とからなる連結接続部と、該連結接続部のカテーテルに連結され冷却水が滞留し冷却器が付設されたリザーバと該リザーバと前記冷却部との間で前記カテーテルを介して冷却水循環動作を行うポンプとを備えた放熱部と、前記冷却部における温度検知センサに配線を介して接続されるとともに前記放熱部におけるポンプ及び冷却器の各々と配線を介して接続され検知された温度に基づき体内要冷却箇所を所定温度に冷却するように前記冷却器及びポンプの動作制御を行う制御部とを備え、前記冷却部が脳表部に接して頭蓋内に設置され、前記制御部は脳表部温度が15~25℃の温度範囲になるように制御を行うものである。

【0015】
前記冷却部の可撓性材料からなる袋状体容器または熱伝導性の高い金属材料からなる、脳表部を冷却するための薄型容器においてさらに脳波検知電極が付設され、前記連結接続部において前記脳波検知電極と前記制御部とを接続する配線がさらに備えられ、前記制御部において前記温度検知センサ及び前記脳波検知電極によりそれぞれ検知された温度及び脳波検知信号に基づき冷却箇所を所定温度に冷却するように前記冷却器及びポンプの制御を行うようにしてもよい。
【発明の効果】
【0017】
本発明による局部冷却装置は、カテーテルを介してリザーバに連結され可撓性の袋状体容器または熱伝導性のよう金属製容器に温度検知センサを付設した冷却部を体内要冷却箇所に埋設し、温度検知センサに接続された制御部において検知された温度に基づいて局部の温度を所定範囲の値に的確に制御することができる。てんかん発作の抑制に際しては、冷却部においてさらに脳波検知電極を備え、検知された温度及び脳波検知信号に基づいて脳の正常機能を保ちつつ脳局部の温度を制御してんかん発作を有効に抑制することができる。
【0018】
それにより従来では機能障害が生じる可能性のため切除不可能であった運動野や言語野などにてんかん焦点が存在する場合でも治療対象になる。また、煩雑な薬物投与の設定計算や使用禁避の確認、及び困難な最適薬物の選択等の手順を行うことなく迅速に救急患者への対応が可能となるほか、妊婦など抗てんかん薬の大量投与を避けたい場合にも対応できる。本装置を迅速に適用することにより、虚血や神経障害などの冷却による副作用を伴うことなく多くのてんかん重積発作患者の生命護持、神経機能悪化を救うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明による局部冷却装置を適用する形態を概略的に示す図である。
【図2】本発明による局部冷却装置の冷却部の構成を示す図である。
【図3】本発明による局部冷却装置の全体的構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
図1は、てんかん発作抑制のために本発明による局部冷却装置を使用する際の状況を示すものであり、局部冷却装置は頭蓋内部の脳表部に近接して配置される冷却部Aと、放熱部Bと、制御部Cと、冷却部Aと放熱部Bとを連結するカテーテル及び冷却部Aと制御部Cとを接続する配線を含む連結接続部Dとからなる。図1では放熱部Bと制御部Cとが体外でベッドサイドに設置される形態のものとして示している。

【0021】
図2は図1における各部A~Dの構成を示している。冷却部Aは頭蓋内の脳表部に近接して配置される部分である。1は脳表部を冷却するための冷却容器であり、ポリプロピレン、テトラフルオロエチレン等の生体適合性材料で形成されたパウチ型の袋状体とするのがよい。冷却容器1の一方の側に冷却水循環要の流入路2及び流出路3からなるカテーテルの端部側が挿入され、それ以外は密閉されている。カテーテルも可撓性のポリプロピレン等の生体適合性の樹脂材で形成されるが、体内埋め込みの状態で屈曲時あるいは外圧により潰れるような変形を防ぐために、剛性の大きい螺旋状ワイヤにより補強したものを用いるのがよい。

【0022】
冷却容器1としてパウチ型の袋状体を用いることにより、可撓性であることにより挿入箇所の凹凸形状に沿った状態で冷却箇所に接触し、効率よく冷却を行うことができる。それ以外に冷却容器としては、銀等の熱伝導性の高い金属からなる薄型容器を用いることができる。この場合には、熱伝導率の高いことにより局部を効率よく冷却することができる。

【0023】
図2に示されるように、冷却容器1の隅部2箇所に脳波検知電極(ECoG電極)4が付設され、また、中心部に熱電対による温度検知センサ5が付設されている。図で上向きの面が脳表部に接する面となる。6は脳波検知電極4による検知信号を制御部Cに伝える配線であり、7は温度検知センサ5による検知信号を制御部Cに伝える配線である。

【0024】
図3は本発明による局部冷却装置の全体的構成を示しており、連結接続部Dのうち流入路2及び流出路3からなるカテーテルは放熱部Bのリザーバ11に連結されている。放熱部Bは循環する冷却水が貯留され放熱作用を受けるリザーバ11と、循環する温度上昇した冷却水をリザーバ11において放熱させるための冷却器12と、冷却水循環用ポンプ13とを備えており、冷却水は冷却水循環用ポンプ13によりカテーテルを介してリザーバ11と冷却容器1との間で循環する。冷却器12はリザーバ11内の冷却水の放熱作用を行うものであり、放熱形態としては、リザーバ11の周囲にフィンを形成しファンにより空冷する冷却器、ヒートポンプ型冷却器、ペルチエ素子による冷却器等を用いることができる。冷却水としては、生体安全性を備えたリンゲル液、生理食塩水、純水等を用い、仮に漏れ出た場合の安全を図る。

【0025】
制御部Cは制御回路21、動作制御部22、フェールセーフ部23,電源部24を備えている。制御回路21は配線6を介して脳波検知電極4の信号を受け、配線7を介して温度検知センサ5からの温度検知信号を受け、それらからAD変換して得られたデータに基づいて脳波解析処理を行って冷却動作の開始、停止の動作、脳局部の温度が適正になるように冷却器12による放熱動作、ポンプ13による冷却水の循環流量の制御指令の信号を生成し、動作制御部22に移送する。

【0026】
脳波解析処理としては、脳波検知信号に対し独立主成分解析あるいは短期FFT解析等の手法により脳波解析を行い、てんかん発作焦点に冷却を行う必要性を判別し、冷却動作の必要性が判別された時に冷却動作を開始し、冷却動作の必要性がなくなった時点で冷却動作を停止するように制御を行い、また、冷却動作の際には設定された目標温度値と検知された温度値に応じてPID制御を行う。制御回路21としてはその制御のためのプログラムを備えている。

【0027】
動作制御部22は制御回路21からの制御指令信号に応じて電源部24から供給される電源のスイッチング、電流制御のような動作を通じて放熱部Bの冷却器12の動作と冷却水循環用ポンプ13との動作制御を行う。23はフェールセーフ部であり、温度検知センサ5、冷却器12から送出される信号を受けて、局部冷却装置としての動作制御不能状況が判別された時に動作制御部22に動作停止指令信号を送出する。電源部24は充電型バッテリー等を用い、制御回路21、動作制御部22、フェールセーフ部23に電源供給を行い、冷却器12,冷却水循環ポンプ13に対しては動作制御部22を介して電源供給がなされる。

【0028】
制御目標の温度は、てんかん発作の症状、程度により異なるが、15~25℃とするのがよい。てんかん発作抑制のために、一般的には局部を25℃以下に冷却するのがよく、また、15℃以下に冷却すると生理機能低下の可能性がある。

【0029】
脳局部の冷却を所定温度の範囲内で制御するために、冷却に際しての目標温度値等の設定を行い、必要に応じて可変できるようにするのが望ましい。このような目標温度値を含む冷却条件、冷却時間等の設定、局部冷却装置の動作開始・停止のための操作部が制御部Cに付設される。

【0030】
重症てんかん発作抑制のために本発明による局部冷却装置を適用して脳局部の冷却を行う際には、患者の頭皮及び筋層を剥離し、頭蓋骨の一部を切除して局部冷却装置の冷却部Aを頭蓋内に挿入するための開口を形成する。さらに頭蓋骨直下の脳硬膜を切開し、脳の表面ないし深部に冷却部Aを挿入配置する。その後に脳硬膜を縫合し、頭蓋骨の開口部分からカテーテル及び配線を含む連結接続部Dを導出して、開口部分をチタン製プレート等で固定する。連結接続部の頭蓋から導出された部分とそれに連結接続されている放熱部B及び制御部Cはベッドサイドに設置される。このように局部冷却装置の冷却部を頭蓋内の脳局部に挿入設置し、操作部により冷却目標温度、冷却時間等の設定を行った後に冷却動作を開始する。

【0031】
本発明による局部冷却装置による作用を確認するために動物実験を行っている。オスラットにケタミン/キシラジンまたはイソフルランで麻酔をかけ直腸温度を37℃に保温し、ビククリンによる薬物誘発モデル及び自然発症ラットでのてんかん重積発作モデルを対象にした。冷却部を頭蓋内に挿入設置し脳表の温度検知、脳波検知電極による脳波計測を行い、脳表部が15~25℃になるように設定してPID制御により冷却動作制御を行った。てんかん発作の抑制は15~25℃の範囲で認められ、15℃の冷却により即座に異常脳波が抑制され、てんかん重積発作の抑制がなされた。冷却時の脳循環は低下するが有意ではなく低温で速やかに回復し、代謝面ではグルタミン酸、乳酸が減少し脳保護作用がみられた。神経学的には15℃冷却で感覚・運動機能の低下がごく軽度生じた以外に影響はなかった。また、冷却部を埋め込み、1カ月間連続して20℃に冷却した結果、軽度グリオーハス以外に組織学的影響はみられなかった。

【0032】
以上の結果をもとに臨床実験を行った。難治性てんかん患者(3名)のてんかん焦点位置を術中に15~25℃に冷却した結果、動物実験と同様に異常脳波抑制が確認された。また、冷却による虚血はみられず、代謝面ではグルタミン酸、乳酸が減少し脳保護作用がみられ、心電図、血圧にも異常は認められなかった。

【0033】
このように、本発明による局部冷却装置では、要冷却箇所の温度を検知しつつ、所定の温度になるように冷却動作を制御し、重症てんかん発作に対しても有効に抑止効果をあげることができる。

【0034】
また、脳血管障害や頭部外傷においても脳の冷却が治療効果を有することが明らかになっている。具体的には、脳血管障害、頭部外傷、疼痛など他の中枢神経疾患の場合にも適用されるものである。脳血管障害や頭部外傷においては、脳の局所冷却が顕著な脳の保護作用を生じるという事実が明らかになっており、本発明による局部冷却装置を適用することが有効な治療手段になる。これらの疾患ではグルタミン酸を主とする神経細胞の興奮性の上昇が生じるため、脳波電極で興奮性の上昇をモニターし、温度によってコントロールすることができる。また疼痛については疼痛の処理を行うニューロンが皮質に存在することが明らかになっており、脳局所冷却によってこれらのニューロンの神経伝達を抑制することができる。本発明による局部冷却装置はてんかん発作以外にこれらの緊急に治療を要する脳血管障害、頭部外傷などの疾患に対しても有効なものとして適用可能である。

【0035】
図2~3においては、てんかん発作の抑制のため脳局所の冷却を行う局部冷却装置の構成形態を示しており、脳波検知電極により得られた脳波検知信号と温度検知センサにより得られた温度検知信号とに基づいて脳局部を所定温度になるように制御するものであるが、一般的に要冷却箇所を冷却する際に特に脳波検知を必要としない場合には局部冷却装置として脳波検知電極を備えることは必要とされない。このように特に脳波検知電極を備えない局部冷却装置においては、温度検知センサにより得られた温度検知信号に基づき制御回路として備えられるPID制御機能に応じて局部を所定温度となるように制御するものである。
【符号の説明】
【0036】
A 冷却部
B 放熱部
C 制御部
D 連結接続部
1 冷却容器
2 流入路
3 流出路
4 脳波検知電極
5 温度検知センサ
6 配線
7 配線
11 リザーバ
12 冷却器
13 ポンプ
21 制御回路
22 動作制御部
23 フェールセーフ部
24 電源部


図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2