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明細書 :高周波加速器および高周波加速器の製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5317063号 (P5317063)
公開番号 特開2011-086498 (P2011-086498A)
登録日 平成25年7月19日(2013.7.19)
発行日 平成25年10月16日(2013.10.16)
公開日 平成23年4月28日(2011.4.28)
発明の名称または考案の名称 高周波加速器および高周波加速器の製造方法
国際特許分類 H05H   9/00        (2006.01)
H05H   7/18        (2006.01)
FI H05H 9/00 B
H05H 7/18
請求項の数または発明の数 6
全頁数 15
出願番号 特願2009-238292 (P2009-238292)
出願日 平成21年10月15日(2009.10.15)
審査請求日 平成24年9月19日(2012.9.19)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】304021417
【氏名又は名称】国立大学法人東京工業大学
【識別番号】504151365
【氏名又は名称】大学共同利用機関法人 高エネルギー加速器研究機構
【識別番号】508323311
【氏名又は名称】タイム株式会社
発明者または考案者 【氏名】林▲崎▼ 規託
【氏名】服部 俊幸
【氏名】石橋 拓弥
【氏名】内藤 富士雄
【氏名】高崎 榮一
【氏名】山内 英明
個別代理人の代理人 【識別番号】100099759、【弁理士】、【氏名又は名称】青木 篤
【識別番号】100092624、【弁理士】、【氏名又は名称】鶴田 準一
【識別番号】100102819、【弁理士】、【氏名又は名称】島田 哲郎
【識別番号】100130133、【弁理士】、【氏名又は名称】曽根 太樹
【識別番号】100123582、【弁理士】、【氏名又は名称】三橋 真二
【識別番号】100141081、【弁理士】、【氏名又は名称】三橋 庸良
審査官 【審査官】田邉 英治
参考文献・文献 特開2005-259415(JP,A)
特開2001-267120(JP,A)
特開2007-287538(JP,A)
特開2004-122221(JP,A)
特開平5-62798(JP,A)
調査した分野 H05H 3/00- 15/00
特許請求の範囲 【請求項1】
加速空洞を構成する筒状部を有し、筒状部の内部に電極が配置されている高周波加速器の製造方法であって、
筒状部が分断された形状を有する複数の構成部材を準備する準備工程と、
複数の構成部材を互いに突き合せることにより筒状部の形状に仮組みする仮組み工程と、
仮組みした筒状部を外側から押圧することにより固定する工程と、
複数の構成部材を互いに接合する接合工程とを含み、
仮組み工程は、筒状部の内面に接触し、筒状部を内側から支持するための支持部材を筒状部の内部に配置する工程を含み、
接合工程は、複数の構成部材の突合せ線に沿って摩擦攪拌接合により接合する工程を含むことを特徴とする、高周波加速器の製造方法。
【請求項2】
複数の構成部材には、摩擦攪拌接合を行なう領域に切欠き部が形成されており、
接合工程の後に切欠き部に嵌合する形状を有する補強部材を接合する工程を含むことを特徴とする、請求項1に記載の高周波加速器の製造方法。
【請求項3】
荷電粒子の加速軸に向かって筒状部から突出する4つの電極を備える加速器の製造方法であって、
複数の構成部材は、電極の底部の近傍において筒状部が分断された形状を有し、
仮組み工程は、複数の構成部材の突き合せ線に接触し、加速軸に沿って延びる支持部材を配置する工程を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の高周波加速器の製造方法。
【請求項4】
準備工程は、筒状部を構成する部材と電極とが一体的に形成されている構成部材を準備することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の高周波加速器の製造方法。
【請求項5】
加速空洞を構成し、複数の構成部材を含む筒状部を備え、
複数の構成部材のうち少なくとも一つの構成部材は、電極を含み、
複数の構成部材は、摩擦攪拌接合によって形成される接合部を介して互いに接合されており、
接合部は、外面に縞模様の接合跡が形成され、内面の表面粗さが外面の表面粗さよりも小さいことを特徴とする、高周波加速器。
【請求項6】
筒状部は、摩擦攪拌接合の接合部の領域に形成されている切欠き部を有し、
切欠き部に嵌合して構成部材に固定されている補強部材を更に備える、請求項5に記載の高周波加速器。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、高周波加速器および高周波加速器の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
イオンまたは電子などの荷電粒子を加速するための高周波加速器が知られている。高周波加速器は、荷電粒子を内部で加速するための加速空洞を備える。加速空洞は、共振回路を構成し、固有の共振周波数を有する。この共振周波数に応じた高周波電力を外部から供給することにより、加速空洞の内部において高周波電場が励振される。高周波加速器は、高周波電場が励振されている状態で、所定の時期に荷電粒子を入射させることにより、荷電粒子を所望のエネルギーまで加速することができる。
【0003】
高周波加速器は、荷電粒子の軌道の形状により、線形加速器(リニアック)と円形加速器とに分類される。線形加速器は、荷電粒子のビーム軌道が直線状の加速器であり、円形加速器は、荷電粒子のビーム軌道が曲線状の加速器である。線形加速器は、例えば四重極型加速器またはドリフトチューブ型加速器等を含む。
【0004】
特開平5-62798号公報においては、四重極を構成する電極を内部に有する加速管と、電極に共振電圧を供給する高周波共振回路とを備える外部共振型の四重極粒子加速器が開示されている。この公報においては、高周波共振回路がコンデンサおよびインダクタンス部材である2つのコイル導体により構成されており、インダクタンス部材がコンデンサと加速器との間に直列に配置されることが開示されている。この加速器によれば、共振周波数を広い範囲で変化させることができ、また、Q値を高くすることができると開示されている。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特開平5-62798号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
加速器の電気的性能を示す指標には、Q値が含まれる。Q値は、加速器の運転時に空洞内部に蓄えられているエネルギーを消費エネルギーで除算した値である。Q値が大きいほど単位エネルギーあたりの稼働時間が長くなり、運転効率に優れる。
【0007】
高周波加速器は、加速空洞の外部から高周波電力を供給すると、加速空洞の内部に加速電場が形成されると共に、加速空洞の内面には高周波電流が流れる。加速空洞は、形状や材料等に依存する電気抵抗を有する。この電気抵抗の大きさに応じて電力が消費される。電気抵抗が大きいと消費電力が大きくなってQ値が低くなる。電気抵抗は、加速空洞の内面の表面粗さによっても変化し、その結果、Q値が変化する。加速空洞の内面の表面粗さが小さいほどQ値が高くなる。
【0008】
従来の技術の高周波加速器の製造方法においては、複数の構成部材が予め形成され、複数の構成部材同士を接合することにより加速空洞が形成されている。複数の構成部材を形成する工程では、寸法精度が高く、さらに表面粗さの小さな構成部材を製造することができる。例えば、精度の高い切削加工を行うことにより、寸法精度の高い構成部材を製造することができる。また、構成部材の表面に対して各種の研削や研磨を行なうことにより表面粗さを小さくすることができる。
【0009】
一方で、加速空洞を組み立てる工程においては、ろう付けまたは電子ビーム溶接などにより複数の構成部材を接合していた。この結果、工法によっては接合部の表面状態が劣化し、加速器のQ値が小さくなっていた。Q値を高くするためには、加速空洞の組立て後に、研削作業や研磨作業を行なう必要があった。
【0010】
また、前述のように加速空洞は、固有の共振周波数を有する。共振周波数は、加速空洞の形状に依存する。共振周波数は、加速空洞の温度変化によるミクロン単位の熱膨張や熱収縮にも影響されるほど、形状に大きく依存する。このため、共振周波数は、製作精度に大きく依存する。加速器空洞の製造においては、それぞれの寸法が設計値通りに製造されることが好ましい。
【0011】
ところが、従来の高周波加速器の製造方法においては、構成部材を接合する工程において寸法変化が生じる場合があった。例えば、構成部材同士をろう付けにて接合する場合においては、構成部材を仮組した後に接合箇所にろう材を配置する。次に、仮組した構成部材を高温炉の内部に配置して、ろう材を溶融させる。このときに構成部材が全体的に加熱され、温度変化に起因する寸法変化が生じる場合があった。すなわち、構成部材が全体的に温度上昇するために、熱変形が生じる場合があった。この結果、共振周波数の設計値からのずれが大きくなってしまう場合があった。
【0012】
このように、従来の高周波加速器および高周波加速器の製造方法においては、電気的性能が設計値よりも劣化してしまう傾向があり、電気的性能を向上するためには特別な作業が必要であった。また、電気的性能に個体差が生じるために、1つの種類の加速器であっても個体差を考慮して加工する必要があった。
【0013】
本発明は、電気的性能に優れ、製造が容易な高周波加速器および高周波加速器の製造方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明の高周波加速器の製造方法は、加速空洞を構成する筒状部を有し、筒状部の内部に電極が配置されている高周波加速器の製造方法であって、筒状部が分断された形状を有する複数の構成部材を準備する準備工程と、複数の構成部材を互いに突き合せることにより筒状部の形状に仮組みする仮組み工程と、仮組みした筒状部を外側から押圧することにより固定する工程と、複数の構成部材を互いに接合する接合工程とを含む。仮組み工程は、筒状部の内面に接触し、筒状部を内側から支持するための支持部材を筒状部の内部に配置する工程を含み、接合工程は、複数の構成部材の突合せ線に沿って摩擦攪拌接合により接合する工程を含む。
【0015】
上記発明においては、複数の構成部材には、摩擦攪拌接合を行なう領域に切欠き部が形成されており、接合工程の後に切欠き部に嵌合する形状を有する補強部材を接合する工程を含むことが好ましい。
【0016】
上記発明においては、荷電粒子の加速軸に向かって筒状部から突出する4つの電極を備える加速器の製造方法であって、複数の構成部材は、電極の底部の近傍において筒状部が分断された形状を有し、仮組み工程は、複数の構成部材の突き合せ線に接触し、加速軸に沿って延びる支持部材を配置する工程を含むことができる。
【0017】
上記発明において、準備工程は、筒状部を構成する部材と電極とが一体的に形成されている構成部材を準備することが好ましい。
【0018】
本発明の高周波加速器は、加速空洞を構成し、複数の構成部材を含む筒状部を備え、複数の構成部材のうち少なくとも一つの構成部材は、電極を含み、複数の構成部材は、摩擦攪拌接合によって形成される接合部を介して互いに接合されており、接合部は、外面に縞模様の接合跡が形成され、内面の表面粗さが外面の表面粗さよりも小さい。
【0019】
上記発明においては、筒状部は、摩擦攪拌接合の接合部の領域に形成されている切欠き部を有し、切欠き部に嵌合して構成部材に固定されている補強部材を更に備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明によれば、電気的性能に優れ、製造が容易な高周波加速器および高周波加速器の製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】実施の形態における第1の高周波加速器の概略図である。
【図2】実施の形態における第1の高周波加速器の製造方法の第1工程を説明する概略斜視図である。
【図3】実施の形態における第1の高周波加速器の製造方法に用いる支持部材の概略斜視図である。
【図4】実施の形態における第1の高周波加速器の製造方法の第2工程を説明する概略断面図である。
【図5】実施の形態における第1の高周波加速器の製造方法の第3工程を説明する概略斜視図である。
【図6】実施の形態における摩擦攪拌接合を説明する概略斜視図である。
【図7】実施の形態における第1の高周波加速器の製造方法の第4工程を説明する概略斜視図である。
【図8】実施の形態における第1の高周波加速器の製造方法の第5工程を説明する概略斜視図である。
【図9】実施の形態における第1の高周波加速器の製造方法の第5工程を説明する概略断面図である。
【図10】実施の形態における第2の高周波加速器の製造方法を説明する概略斜視図である。
【図11】実施の形態における第2の高周波加速器の製造方法に用いる支持部材の概略斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1から図11を参照して、実施の形態における高周波加速器および高周波加速器の製造方法について説明する。本実施の形態においては、線形加速器を例に取り上げて説明する。

【0023】
図1は、本実施の形態における第1の高周波加速器の概略図である。第1の高周波加速器は、四重極型(RFQ)加速器である。高周波加速器は、加速空洞を構成し、筒状に形成されている筒状部1を備える。筒状部1の内部には、ベインと呼ばれる電極が配置されている。それぞれの電極は、筒状部1に電気的に接続されている。

【0024】
第1の高周波加速器は、第1の電極11a、第2の電極12a、第3の電極13a、および第4の電極14aを備える。本実施の形態における4つの電極11a,12a,13a,14aは、筒状部1を構成する部材と一体的に形成されている。それぞれの電極11a,12a,13a,14aは、三角柱状に形成されている。それぞれの電極11a,12a,13a,14aは、荷電粒子の加速軸に沿って延びるように形成されている。それぞれの電極11a,12a,13a,14aは、断面形状の三角形の頂点が荷電粒子の加速軸に向かうように形成されている。それぞれの電極11a,12a,13a,14aの加速軸に向かう先端部分は、加速軸の方向に荷電粒子を加速および集束する電場を形成するために、波形に形成されている。また、電極11a,12a,13a,14aの両側の端面は、筒状部1の端面よりも加速空洞の内部側に離れており、それぞれの電極の両端の底部近傍には切り欠き部が形成されていても構わない。

【0025】
本実施の形態における高周波加速器は、高周波電力を供給するための電源装置を備える。電源装置は、高周波発生器72を含む。高周波発生器72は、前段増幅器73および主増幅器74に接続されている。高周波発生器72で生成された高周波の電力は、前段増幅器73および主増幅器74により増幅される。主増幅器74から出力される高周波電力は、結合器75を介して加速空洞に供給されている。電源装置としては、この形態に限られず、加速空洞に高周波電力を供給できる任意の装置を採用することができる。

【0026】
加速空洞は、筒状部1およびそれぞれの電極11a,12a,13a,14aの形状に依存した浮遊容量および浮遊インダクタンスを有する。これらの浮遊容量および浮遊インダクタンスは、電気回路の一部を構成している。加速空洞に高周波電力が供給されることにより加速電場が形成される。四重極型加速器に適したTE210モードまたはTE211モードの電磁場を励振した場合には、第1の電極11a、第2の電極12a、第3の電極13aおよび第4の電極14aのそれぞれの電圧(絶対値)は同じになり、また、互いに対向する第1の電極11aおよび第2の電極12aの電極対と、互いに対向する第3の電極13aおよび第4の電極14aの電極対とは、互いに逆の極性(プラスまたはマイナス)になる。加速軸は4つの電極に挟まれる空間に配置され、荷電粒子は加速軸に沿って加速されながら移動する。

【0027】
図2に、本実施の形態における第1の高周波加速器の製造方法の第1工程を説明する概略斜視図を示す。本実施の形態における高周波加速器の製造方法においては、複数の構成部材を接合することにより加速空洞を形成する。本実施の形態における構成部材は、筒状部1が分断された形状を有する。矢印100に示す方向が加速軸の延びる方向である。

【0028】
本実施の形態においては、第1の電極11aを有する第1の構成部材11、第2の電極12aを有する第2の構成部材12、第3の電極13aを有する第3の構成部材13、および第4の電極14aを有する第4の構成部材14を準備する準備工程を行なう。本実施の形態における複数の構成部材11~14は、アルミニウムの無垢材を切削することにより形成している。本実施の形態における構成部材11~14は、筒状部を構成する部材と電極とが一体的に形成されている。さらに、本実施の形態においては、それぞれの構成部材11~14の表面を研磨している。構成部材11~14の製造においては、無垢材を切削することにより構成部材11および構成部材12が一体化された構成部材を形成しても構わない。また、精密な切削加工を行なうことにより、構成部材の表面の研磨を行なわなくても構わない。

【0029】
次に、複数の構成部材11~14を筒状部1の形状に仮組みする仮組み工程を行なう。第1の構成部材11、第2の構成部材12、第3の構成部材13および第4の構成部材14を、互いに突き合わせることにより突合せ線51が形成されている。本実施の形態においては、第1の電極11aの底部の近傍で筒状部1が分断されている。また、第2の電極12aの底部の近傍において、筒状部1が分断されている。本実施の形態においては、突合せ線51が加速軸の延びる方向とほぼ平行になるように、筒状部1が分断されている。それぞれの構成部材は、後の接合工程において、突合せ線51上が摩擦攪拌接合により接合される。

【0030】
本実施の形態における複数の構成部材11~14は、後の接合工程において摩擦攪拌接合を行なう領域に切欠き部が形成されている。すなわち、突合せ線51となるべき端部に切欠き部が形成されている。第1の構成部材11には切欠き部11bが形成され、第2の構成部材12には切欠き部12bが形成され、第3の構成部材13には切欠き部13bが形成され、第4の構成部材14には切欠き部14bが形成されている。それぞれの切欠き部11b,12b,13b,14bが互いに対向することにより、凹部15が形成されている。このように、突合せ線51に沿った摩擦攪拌接合を行なう領域に凹部15が形成されている。なお、切欠き部11b,12b,13b,14bは、互いに対向する切欠き部同士が嵌合するように形成されていても構わない。

【0031】
筒状部1の端面には、端板を取り付けるためのねじ穴41が複数形成されている。それぞれの構成部材11~14には、支持部材を固定するボルトを通すための貫通孔42が形成されている。

【0032】
仮組み工程において、筒状部1の内部に筒状部1を内側から支持するための支持部材を配置する。本実施の形態においては、筒状部1の内面に接触する支持部材をそれぞれの電極11a,12a,13a,14a同士の間の空間に配置する。

【0033】
図3に、本実施の形態の第1の高周波加速器の製造方法に用いる支持部材の概略斜視図を示す。本実施の形態における支持部材21は、矢印100に示す加速軸の方向に、筒状部1の一方の端面付近から他方の端面付近までに延びるように形成されている。支持部材21には、構成部材に固定するためのボルトが挿入されるねじ穴43が形成されている。支持部材21は、剛性の高い材質で形成することが好ましい。支持部材21は、例えばステンレス鋼により形成することができる。

【0034】
図2および図3を参照して、本実施の形態においては、矢印101に示すように、支持部材21を第1の電極11aおよび第3の電極13aの間の空間に挿入する。また、同様に、他の電極同士の間の空間にも対応する支持部材を挿入する。本実施の形態においては、複数の構成部材を突き合わせて筒状部の形状にした後に支持部材を挿入しているが、この形態に限られず、構成部材を突き合せるときに支持部材を内部に配置しても構わない。それぞれの構成部材11~14に形成されている貫通孔42は、支持部材21に形成されているねじ穴43と対応するように形成されている。

【0035】
図4に、本実施の形態における第1の高周波加速器の製造方法の第2工程を説明する概略断面図を示す。図4は、それぞれの電極同士の間の空間に支持部材を配置したときの概略断面図である。本実施の形態における支持部材21は、それぞれの電極11a,12a,13a,14aを避けた位置に配置されている。支持部材21は、それぞれの電極11a,12a,13a,14a同士の間の空間の一部に嵌合するように形成されている。それぞれの支持部材21は、筒状部1の内面のうち突合せ線51に接触するように形成されている。すなわち、支持部材21は、摩擦攪拌接合を行なう領域を筒状部1の内側から支持するように形成されている。

【0036】
それぞれの電極同士の間に支持部材21を配置した後に、支持部材21をボルト45によって構成部材11~14に固定する。ボルト45を締め付けることにより、筒状部1の内面に支持部材21が密着する。支持部材21は、摩擦攪拌接合を行なう領域の内面に密着する。

【0037】
図5に、本実施の形態における第1の高周波加速器の製造方法の第3工程を説明する概略斜視図を示す。次に、筒状部1の両側の端面に、製造を行なうための仮の端板22を取り付ける。仮の端板22は、筒状部1の端面の形状に適合するように形成されている。仮の端板22には、複数の穴が開けられている。仮の端板22は、ボルト46により筒状部1に固定される。

【0038】
次に、仮組みを行った筒状部1を外側から押圧することにより固定する。本実施の形態においては、図示しない固定装置を用いて、筒状部1を固定する。矢印106に示すように、加速軸の方向における両側から筒状部1を押圧することにより固定する。さらに、矢印105に示すように、加速軸に垂直な方向における両側から筒状部1を押圧することにより固定する。図4を参照して、加速軸に垂直な方向から押圧された場合においても、支持部材21が押圧力に反して構成部材11~14を所定の位置に維持することができる。

【0039】
本実施の形態においては、筒状部の内面を支持部材により押圧し、筒状部の外面を固定装置により押圧している。このように筒状部の内面および外面の両側から固定しているため、筒状部の形状を強く維持することができる。次の接合工程における寸法の変化を抑制できる。この結果、精度良く加速空洞を形成することができる。

【0040】
次に、複数の構成部材を摩擦攪拌接合により互いに接合する接合工程を行なう。図2を参照して、それぞれの構成部材11~14同士の接合は、突合せ線51に沿って行なう。

【0041】
図6に、本実施の形態における摩擦攪拌接合を行っているときの概略斜視図を示す。図6には、第1の構成部材11と第3の構成部材13とを接合するときの拡大斜視図を例示している。

【0042】
摩擦攪拌接合による接合装置は、ショルダ61を含む。ショルダ61は、矢印102に示すように回転するように形成されている。接合装置は、ショルダ61から突出するピン62を含む。ピン62は、ショルダ61と共に回転するように形成されている。接合装置は、矢印102に示すようにショルダ61およびピン62が回転しながら、被接合部材に向かってピン62が押圧される。ピン62と被接合部材との摩擦熱により、被接合部材が軟化する。ピン62が被接合部材の内部に挿入される。ピン62が回転することにより、ピン62の周りを塑性流動させる。ピン62を接合線に沿って移動させることにより、一方の部材と他方の部材とが接合される。

【0043】
本実施の形態においては、突合せ線51上にピン62を押圧する。筒状部1の外側からピン62を押圧する。第1の構成部材11および第3の構成部材13が軟化する。本実施の形態において、ピン62は、第1の構成部材11および第3の構成部材13を貫通せずに、先端部分が軟化した部分に埋まった状態が維持されながら移動する。互いに接合される構成部材は、ピン62を挿入する側の表面からピン62を挿入する側と反対側の表面まで軟化している。すなわち、厚さ方向の全体にわたって軟化する。

【0044】
本実施の形態においては、ピンの先端部分が軟化した部分に埋まった状態で摩擦攪拌接合を行なっているが、この形態に限られず、ピンの先端部分が軟化した部分を僅かに貫通する状態で摩擦攪拌接合を行なっても構わない。すなわち、僅かであればピンが貫通していても構わない。このように、ピンの先端部分が、軟化する部分にほぼ埋まった状態を継続して摩擦攪拌接合を行なうことができる。ピンの先端部分が軟化した部分を僅かに貫通する状態で摩擦攪拌接合を行なう場合には、たとえば、接合部に沿って表面に窪んだ部分が形成されている支持部材を用いることができる。摩擦攪拌接合を行なっているときに、ピンの先端部分が窪んだ部分に配置される。この方法により、支持部材とピンとの接触を回避しながら摩擦攪拌接合を行なうことができる。

【0045】
ピン62が回転しながら、矢印103に示すように突合せ線51に沿って進行することにより、第1の構成部材11と第3の構成部材13とが接合される。第1の構成部材11と第3の構成部材13とが一体化された接合部52が形成される。ピン62を突合せ線51の一方の端部から他方の端部まで進行させることにより、第1の構成部材11および第3の構成部材13を接合することができる。その他の構成部材同士においても、同様の摩擦攪拌接合により接合することができる。

【0046】
次に、筒状部1の端面に取り付けられていた仮の端板22、および電極11a,12a,13a,14a同士の間の空間に配置されていた支持部材21を取り外す。仮の端板の取り外し、または支持部材の取り外しは、次の補強部材の取り付けが完了した後に行なっても構わない。

【0047】
図7に、摩擦攪拌接合を行なった後の筒状部の概略斜視図を示す。第1の構成部材11と第3の構成部材13との突合せ線51のほぼ全体に接合部52が形成されている。また、第1の構成部材11と第4の構成部材14との突合せ線51のほぼ全体に接合部52が形成されている。第2の構成部材12と第3の構成部材13との間の突合せ線51および第2の構成部材12と第4の構成部材14との間の突合せ線51についても同様に摩擦攪拌接合により接合することができる。このように、それぞれの構成部材11~14を摩擦攪拌接合によって接合することができる。

【0048】
なお、筒状部の製造においては、加速軸の方向において設計値よりも長い構成部材を形成して、それぞれの構成部材を結合した後に、加速軸の方向の両側の端部を切断しても構わない。この方法により、筒状部の加速軸の方向において一方の端から他方の端まで接合部が形成されている加速空洞を製造することができる。

【0049】
図8に、本実施の形態における第1の高周波加速器の製造方法の第5工程を説明する概略斜視図を示す。図9に、本実施の形態における第1の高周波加速器の製造方法の第5工程を説明する概略断面図を示す。図8および図9は、筒状部の凹部に対して補強部材を取り付けたときの概略図である。本実施の形態においては、接合工程の後に、凹部15の形状に対応した補強部材31を凹部15に配置する。補強部材31は、凹部15に嵌合するように形成されている。本実施の形態における凹部15は、断面形状が四角形になるように形成されている。本実施の形態においては、直方体状の補強部材31を凹部15に配置する。なお、凹部の断面形状は、摩擦攪拌接合のときに接合装置のショルダの移動を阻害しなければ、任意の形状を採用することができる。

【0050】
次に、補強部材31を構成部材11~14に接合する。本実施の形態においては、摩擦攪拌接合によって補強部材31を接合している。それぞれの構成部材11~14と補強部材31との境界線に沿って摩擦攪拌接合を行なうことにより接合部53が形成される。補強部材31を構成部材11~14に固定することができる。補強部材の固定方法は、摩擦攪拌結合に限られず、電子ビーム溶接等の任意の方法によっても行なうことができる。

【0051】
また、補強部材の形状は、構成部材に切欠き部を形成することにより肉厚が薄くなった部分を補強するように形成されていれば構わない。または、筒状部の強度が保てる場合には、補強部材が配置されていなくても構わない。または、凹部を用いて冷却流体の流路を形成しても構わない。たとえば、凹部の頂面に補強部材を配置して、加速空洞の冷却水を流すための水路を形成することができる。

【0052】
次に、筒状部の端面に予め形成した端板に取り付けることにより加速空洞を形成することができる。端板には、真空装置に接続される排気管、または荷電粒子を導く導入管または導出管が取り付けられていても構わない。この加速空洞に、電源装置や真空装置等を接続することにより加速器を製造することができる。

【0053】
本実施の形態における第1の高周波加速器は、それぞれの構成部材が摩擦攪拌接合により接合されている。図6を参照して、接合部52において、接合装置のピン62が挿入される表面52aには、縞模様の接合跡が形成される。接合跡は、例えば、ピン62が進行する向きと反対側に向かって凸形状になるように形成される。ピン62が挿入される側の表面には、凹凸が形成される。

【0054】
ところが、ピン62が挿入される側と反対側の表面52bは、縞模様の接合跡は形成されずに滑らかになる。表面52bは、凹凸が形成されておらず、表面粗さが表面52aよりも小さくなる。本実施の形態における加速器は、筒状部1の外面には縞模様の接合跡が形成され、筒状部1の内面は滑らかに形成されている。

【0055】
図1を参照して、本実施の形態の第1の高周波加速器においては、四重極加速器に適したTE210モードまたはTE211モードの電磁場を励起したときに、任意の時点における各電極の電位の大きさは等しく、その符号は互いに対向する電極同士で同じである。一の方向において互いに対向する電極の電位の符号は、一の方向と直交する方向において互いに対向する電極の電位の符号と逆になる。電源装置により高周波電力を供給することにより、それぞれの電極の電位は、時間と共に正弦波に対応するように変化する。例えば、一の時刻においては、第1の電極11aと第2の電極12aとの電位が最大値(正の値であり大きさが最大値)である場合に、第3の電極13aと第4の電極14aとの電位は最小値(負の値であり大きさが最大値)になる。共振周波数の半周期の時間が経過した後には、電極の電位は逆の関係になる。

【0056】
高周波電流は、表皮効果のために筒状部1の内側表面を流れる。このため、電流は、矢印104に示すように、それぞれの電極11a,12a,13a,14aの表面および筒状部1の内面に沿って流れる。このとき電流は、接合部52の滑らかな表面52bを通る。本実施の形態においては、接合部52の表面52bの表面粗さが小さいために、電力の損失を小さくすることができる。例えば、摩擦攪拌接合を行なった後に、表面の研磨を行なわない場合においても、接合部52の表面52bにおける電力の損失を小さくすることができる。この結果、加速器のQ値を高くすることができる。

【0057】
本実施の形態においては、摩擦攪拌接合による接合工程の後に表面の研磨を行なっていないが、この形態に限られず、接合工程の後に表面を研磨しても構わない。この方法により、更にQ値を向上させることができる。例えば、電解研磨などを行なうことにより、表面粗さを更に小さくすることができる。または、導電性を向上するために筒状部の内面にめっき処理を行っても構わない。

【0058】
また、本実施の形態においては、摩擦攪拌接合により構成部材同士を接合しているために、温度の上昇する部分が接合部の近傍に限られる。すなわち、構成部材の温度上昇は、局所的な部分に限られる。このため、例えば、接合をろう付けにより行う場合のように構成部材が全体的に加熱されることを回避でき、それぞれの構成部材の熱変形を抑制することができる。熱変形には、固定装置による筒状部の固定を解除するときに、内部応力が解放されることによる変形が含まれる。本実施の形態においては、筒状部の変形を抑制することができるため、変形に起因する共振周波数のずれを抑制することができる。設計値に対して精度良く加速器を製造することができる。

【0059】
このように、本実施の形態における高周波加速器は、Q値が高く共振周波数のずれが小さい等の電気的性能に優れる。

【0060】
また、本実施の形態における高周波加速器は、接合部の内面の表面粗さが小さいために、複数の構成部材を接合した後の機械的な仕上げを行なわなくてもよく、容易に製造することができる。または、簡単な研磨等を行なうのみでよく、容易に製造することができる。例えば、電子ビーム溶接により、それぞれの構成部材を接合した場合においては、裏波部分の表面粗さが大きいために、さらに研削作業や研磨作業が必要であった。本実施の形態の高周波加速器においては、このような仕上げ作業を行なわなくても内面の表面粗さが小さな加速空洞を製造することができる。

【0061】
また、本実施の形態における高周波加速器の製造方法においては、接合工程の途中に接合の状況を確認することができる。例えば、接合工程の途中で不具合を発見することができて、作業の修正等を行なうことができる。この結果、歩留まりを向上させることができる。

【0062】
本実施の形態における加速器の製造方法においては、筒状部を内側から支持するための支持部材を、仮組みした筒状部の内部に配置している。この方法を採用することにより、摩擦攪拌接合を行なうときに、構成部材が変形したり構成部材同士がずれたりすることを抑制できる。製作誤差の小さな加速器を製造することができる。また、本実施の形態における製造方法では、加速軸に沿った軸方向の長さが長い四重極型加速器を容易に製造することができる。例えば、ろう付けによって軸方向長さが長い四重極型加速器を製造する場合には、加速空洞を高温炉の内部に配置しなければならない。このために、大型の高温炉が必要になる。しかしながら、本実施の形態においては、大気中で構成部材を接合することができて、加速軸の方向に長い加速器を容易に製造することができる。

【0063】
また、本実施の形態における複数の構成部材は、電極の底部の近傍において筒状部が分断された形状を有し、複数の構成部材の突き合せ線に接触するように形成されている支持部材を採用している。この方法により、摩擦攪拌接合において筒状部が変形することをより確実に抑制できる。さらには、支持部材は、構成部材に固定されることが好ましい。この方法により、筒状部の変形をより確実に抑制することができる。

【0064】
本実施の形態における支持部材は、摩擦攪拌接合のときに接合装置の押圧に対して、接合部分を支持することができ、また、摩擦攪拌接合を行なった後においては、筒状部の内面を傷つけずに取り外すことができる。本実施の形態における支持部材は、加速軸の方向に延びる柱状に形成されているが、この形態に限られず、支持部材は、筒状部を内側から支持できるように形成されていれば構わない。

【0065】
本実施の形態においては、構成部材に形成した貫通孔にボルトを通すことにより支持部材を固定しているが、支持部材の固定方法は、この形態に限られず、任意の方法により支持部材を構成部材に固定することができる。構成部材に貫通孔を形成する場合には、加速空洞の共振周波数に対する影響が小さくなるように、貫通孔の径が小さいことが好ましい。または、構成部材に形成する貫通孔は、他の用途に利用しても構わない。例えば、構成部材に形成する貫通孔は、真空装置を接続するための接続孔として用いることができる。

【0066】
また、本実施の形態における構成部材には、摩擦攪拌接合を行なう領域に切欠き部が形成されている。摩擦攪拌接合による接合工程の後に、切欠き部に嵌合する形状を有する補強部材を接合している。この方法により、摩擦攪拌接合を行なう領域の厚みを薄くすることができて、摩擦攪拌接合を容易に行なうことができる。または、摩擦攪拌接合を短時間で行なうことができる。さらに、補強部材を構成部材に固定することにより、製造期間中または加速器の使用期間中などに筒状部が変形することを抑制できる。
また、本実施の形態においては、複数の構成部材を準備する工程において、筒状部を構成する部材と電極とが一体的に形成されている構成部材を準備している。すなわち、筒状部となるべき部分と電極とが同一の材質から形成されている構成部材を採用している。この方法により、筒状部と電極との位置関係は機械加工時の精度が保たれる。このために、寸法精度が高くなり、より電気的性能に優れた四重極型加速器を提供することができる。

【0067】
四重極型加速器としては、上記の4つのベインを含む加速器に限られず、例えば、4つの電極が棒状に形成され、棒状の電極が加速軸の方向にほぼ平行に配置される4ロッド型の高周波加速器についても本発明を適用することができる。

【0068】
本実施の形態における第1の高周波加速器においては、全ての構成部材に電極が配置されているが、この形態に限られず、複数の構成部材の少なくとも1つが電極を含んでいれば構わない。

【0069】
図10に、本実施の形態における第2の高周波加速器の製造方法を説明する概略斜視図を示す。図10は、実施の形態における第2の高周波加速器の筒状部の概略斜視図である。第2の高周波加速器は、ドリフトチューブ型加速器である。

【0070】
ドリフトチューブ型加速器においては、管状の第1の電極11aと、管状の第2の電極12aとが荷電粒子の加速軸に並んでいる。荷電粒子は、これらの電極11a,12aの内部を通過する。第1の電極11aは、第1の構成部材11に形成されている。第2の電極12aは、第2の構成部材12に形成されている。なお、利用する高周波電磁場モードによっては、第1の構成部材11または第2の構成部材12のいずれか一方のみに電極が形成されていても構わない。または、電極内部にビーム集束用の電磁石等が配置される場合等には、電極部分が取り外し可能に形成されていても構わない。第2の高周波加速器における第3の構成部材13および第4の構成部材14は、電極を有さない。第3の構成部材13および第4の構成部材14は、加速空洞の筒状部1を構成している。筒状部1は、複数の構成部材11~14を含み、それぞれの構成部材は、突合せ線51により突き合わされている。

【0071】
図11に、本実施の形態における第2の高周波加速器の製造方法に用いる支持部材の概略斜視図を示す。支持部材21は、第3構成部材13または第4の構成部材14の内面に接触するように形成されている。支持部材21には、支持部材21を固定するボルトを挿入するねじ穴43が形成されている。支持部材21は、構成部材の内面に適切に接触する形状であれば、半円形状以外の断面形状を有していても構わない。

【0072】
図10および図11を参照して、筒状部1を仮組みする仮組み工程において、たとえば、矢印101に示すように支持部材21を筒状部1の内部に挿入する。貫通孔42を通じてねじ穴43にボルトを固定することにより、筒状部1の内部に支持部材21を固定することができる。支持部材21は、筒状部1の内面から突合せ線51に密着するように形成されている。

【0073】
次に、仮の端板を筒状部1の端面に固定する。この後に、筒状部1を固定装置に固定する。次に、突合せ線51に沿って摩擦攪拌接合を行なうことにより、上記の四重極型加速器と同様に、ドリフトチューブ型加速器を製造することができる。

【0074】
ドリフトチューブ型加速器においても、上記の四重極型加速器と同様に、摩擦攪拌接合により構成部材を接合することにより、電気的性能に優れ、製造が容易な高周波加速器および高周波加速器の製造方法を提供することができる。

【0075】
本実施の形態においては、電極の底部の近傍において筒状部が分断された形状を有する構成部材が採用されているが、この形態に限られず、任意の位置で筒状部が分断された形状を有する構成部材を採用することができる。例えば、図9を参照して、筒状部1の外面の断面形状がほぼ円形に形成され、互いに隣り合う電極同士のほぼ中間点において、筒状部1が分断された形状を有する構成部材を採用しても構わない。

【0076】
また、本実施の形態においては、加速軸にほぼ平行な方向に摩擦攪拌接合を行なっているが、この形態に限られず、任意の方向に摩擦攪拌接合を行なうことができる。

【0077】
本実施の形態におけるそれぞれの構成部材は、アルミニウムにより形成されているが、この形態に限られず、構成部材の材料は、摩擦攪拌接合を行なうことができる任意の材料を用いることができる。例えば、アルミニウムの他に銅を用いることができる。

【0078】
また、本実施の形態においては、線形加速器のうち、四重極型加速器およびドリフトチューブ型加速器を例に取り上げて説明したが、この形態に限られず、任意の高周波加速器に本発明を適用することができる。例えば、線形加速器に限られず、円形加速器用の加速空洞にも本発明を適用することができる。

【0079】
上述のそれぞれの図において、同一または相当する部分には同一の符号を付している。なお、上記の実施の形態は例示であり発明を限定するものではない。また、実施の形態においては、特許請求の範囲に含まれる変更が意図されている。
【符号の説明】
【0080】
1 筒状部
11 第1の構成部材
12 第2の構成部材
13 第3の構成部材
14 第4の構成部材
21 支持部材
31 補強部材
51 突合せ線
52 接合部
72 高周波発生器
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10