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明細書 :瞬時装着型電極装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4671406号 (P4671406)
公開番号 特開2006-271659 (P2006-271659A)
登録日 平成23年1月28日(2011.1.28)
発行日 平成23年4月20日(2011.4.20)
公開日 平成18年10月12日(2006.10.12)
発明の名称または考案の名称 瞬時装着型電極装置
国際特許分類 A61B   5/0408      (2006.01)
A61B   5/0478      (2006.01)
FI A61B 5/04 300M
A61B 5/04 300D
請求項の数または発明の数 6
全頁数 11
出願番号 特願2005-094651 (P2005-094651)
出願日 平成17年3月29日(2005.3.29)
審査請求日 平成20年3月27日(2008.3.27)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】506301140
【氏名又は名称】公立大学法人会津大学
発明者または考案者 【氏名】時野谷 茂
【氏名】陳 文西
【氏名】魏 大名
個別代理人の代理人 【識別番号】110000246、【氏名又は名称】特許業務法人OFH特許事務所
審査官 【審査官】湯本 照基
参考文献・文献 特表平08-510295(JP,A)
調査した分野 A61B 5/0408
A61B 5/0478
特許請求の範囲 【請求項1】
導電性ゲルを保護膜で包んだ導電性ゲル・カートリッジと、
前記カートリッジを収容するための空洞部、および前記導電性ゲルを放出するための少なくとも一つの開口を有する導電性のケースと、
前記空洞部の上方の前記ケース裏側に設けられたスポンジ部材と、
前記ケースを取り付ける基板と、
を備え、前記保護膜を破ることにより、身体と前記心電計との間に電気的接続を形成する心電計用電極装置。
【請求項2】
前記基板は、柔軟な材料で形成されており、該基板を押すことにより、前記保護膜が破れ、前記導電性ゲルが前記開口から放出される、請求項に記載の心電計用電極装置。
【請求項3】
前記導電性のケースは、前記開口付近から前記空洞部に延びる突起を有する、請求項に記載の心電計用電極装置。
【請求項4】
前記基板は、固い構造の中央部と、柔軟な周辺部とを有し、該周辺部が撓むことにより、前記中央部が前記空洞部に向けて動いて、前記保護膜を破るよう構成されている、請求項に記載の心電計用電極装置。
【請求項5】
前記ケースは、軟性材料で形成されており、該ケースを押すことにより、前記保護膜が破れ、前記導電性ゲルが前記開口から放出される、請求項に記載の心電計用電極装置。
【請求項6】
請求項1からのいずれかに記載の心電計用電極装置に装填するための、前記導電性ゲルを保護膜で包んだ導電性ゲル・カートリッジ。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
この発明は、ユーザの心電データを収集するためにユーザが携帯する電極装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ユーザが心電図センサその他のセンサを用いて自己の生体情報を収集し、センサ・モジュールに接続された携帯端末を用いて遠隔のサーバに生体情報を送信し、サーバでこの生体情報を詳細に解析し、ユーザの健康状態を診断するシステムが記載されている。センサ・モジュールは、心電図波形、脈拍波形その他の生体情報の信号処理を行って、簡易に異常が発生したかどうかを判断する。異常が発生していると判断されると、携帯端末を介してサーバにデータが送信され、サーバでより詳細な診断が実行され、結果がユーザに返送され、登録された緊急連絡先に緊急連絡がなされる。
【0003】
特許文献2には、血圧、脈拍、呼吸数などの生体情報を検出するための測定装置および胸部、脚部などの運動の加速度を測定する加速度センサを被験者に取り付け、これらの測定装置から得られる生体情報をブルートゥース(Bluetooth)を用いて施設内のプロセッサ装置に送信し、または測定装置に接続された携帯端末から遠隔のプロセッサ装置に送信することが記載されている。プロセッサ装置は、受信した加速度情報から被験者の運動量を算出し、この運動量に応じた血圧、脈拍、呼吸数などのしきい値を算出する。プロセッサ装置は、被験者の測定装置から得られる血圧、脈拍、呼吸数がこれらの運動量に応じたしきい値を超えているとき、身体異常を被験者に通知する。
【0004】
特許文献3には、導電性の流体を電極と患者の皮膚との間に供給する携帯用の心臓機能検出装置が記載されている。

【特許文献1】特開2003-299624号公報
【特許文献2】特開2003-220039号公報
【特許文献3】特許第2791095号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
健康管理を充実させ、適切な医療サービスが受けられるようにするためには、心拍数、呼吸数その他の生体情報を日常的にモニタすることが望まれる。そのためには、ユーザによる操作を極力減らし、服装のように着用するだけで簡単に利用可能な健康管理システムが切望される。
【0006】
特許文献1に記載の技術は、生体情報を収集する際に心電電極その他のセンサを身体の複数の箇所に取り付けるもので、ユーザによる煩雑な操作が必要である。
【0007】
特許文献2に記載の技術は、身体の多数の箇所にセンサを常時取り付けておき、生体情報を常時収集するものである。常時センサ電極を身体に取り付けた状態を保つのは、ユーザにとって負担であり、行動の快適性を阻害する。また、電極と身体との電気的接触を良好な状態に保つには困難が予測され、電気的接触の状態が変化することにより、センサ出力が変化し、生体信号検出の精度が低下するおそれがある。
【0008】
心電計の分野では、2つの電極を身体に接続することにより、心電図を作成する技術が開発されている。この発明は、必要なときに簡単に身体を心電計に電気的に接続することのできる装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この発明に係る心電計用電極装置は、導電性ゲルを保護膜で包んだ導電性ゲル・カートリッジと、前記カートリッジを保持する導電性部材と、を備える。導電性部材は心電計に電気的に接続されるよう構成されており、カートリッジの保護膜を破ることにより、身体と前記心電計との間に良好な電気的接触を形成する。
【0010】
この発明の心電計用電極装置を携帯用心電計とともに、たとえば腰にまくベルトの左右に一対装着しておけば、心臓に異常を感じたときにそれぞれの電極装置を左右の手のひらで覆うようにしてカートリッジの保護膜を破ることにより、このカートリッジを保持する導電性部材と左右の手のひらまたは指との間に良好な電気的接触が形成され、心電データを収集することができる。
【0011】
この発明の心電計用電極装置は、一形態によると、導電性ゲルを保護膜で包んだ導電性ゲル・カートリッジと、このカートリッジを収容するための空洞部、および導電性ゲルを放出するための少なくとも一つの開口を有する導電性のケースと、を備える。カートリッジとケースとの間には、スポンジ部材が配置され、ケースの裏面は基板によってふさがれている。カートリッジの保護膜を破ることにより、身体と前記心電計との間に良好な電気的接続が形成される。
【0012】
この発明の一形態では、基板は、柔軟な材料で形成されており、この基板を押すことにより、カートリッジの保護膜が破れ、導電性ゲルが前記開口から放出される。
【0013】
さらに、この発明の一形態では、導電性のケースは、開口付近から空洞部に延びる突起を有する。柔軟な基板が押されると、カートリッジの保護膜がこの突起で破られ、導電性ゲルがケースの開口から外にしみ出し、手と導電性のケースとの間に良好な電気的接触を形成する。
【0014】
この発明の一形態では、基板は、固い構造の中央部と、柔軟な周辺部とを有し、この周辺部が撓むことにより、中央部がケースの空洞部に向けて動いて、カートリッジの保護膜を破る。
【0015】
この発明の他の形態では、ケースは、軟性材料で形成されており、このケースを押すことにより、カートリッジの保護膜が破れ、導電性ゲルがケースの開口から放出される。
【0016】
この発明におけるカートリッジは、詰め替え用カートリッジとしてユーザに供給される。カートリッジは、消耗品であり、使用するたびに新しいカートリッジを電極装置に装着する。
【0017】
一形態では、この発明の電極装置は、ベルトに装着される。このベルトには、携帯用心電計を取り付けることができる。電極装置は、導線によって心電計に電気的に接続される。心電計は、携帯電話を介して医療センタとデータ通信を行うことができるように構成されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
次に図面を参照して、この発明の実施形態を説明する。図1は、この発明の一実施例のイベント心電計用の電極装置11を示す。電極装置11は、図2に示すように一対の電極装置11a、11bとしてベルト41に装着される。図3に示すように、携帯用のイベント心電計51がスナップ、マジックテープなどの結合手段を用いてベルト41に取り付けられる。電極装置11a、11bは、導線52a、52bによりイベント心電計51に電気的に接続されている。
【0019】
図1を再び参照すると、図1(A)は、電極装置11の平面図で、図1(B)は、横断面図である。上面のケース12は、銅、ステンレスなどの導電性の金属で作られており、その頂部には、開口10が設けられ、開口10の内側に突起13が設けられている。突起13は、ケース12の頂部に開口10を打ち抜く際にできる、金属のめくれ、バリであってもよい。ケース12の空洞部30(図1(D))には、ケース12の裏側に沿って海綿状のスポンジ膜25(図1(F))が配置されている。
【0020】
このスポンジ膜25で覆われた空洞部30に導電性ゲル・カートリッジ20(図1(G))がはめ込まれている。導電性ゲル・カートリッジ20は、薄いビニール保護膜を半球状のくぼみを持つ形状に成形し、この保護膜を同一形状の半球状のくぼみを持つ型にはめ、導電性ゲルをこの半球状のくぼみに満たした後、平坦なビニール保護膜で覆い、円周に沿って熱圧着して形成することができる。導電性ゲル・カートリッジは、大量に生産するときは、食品、サプリメントなどの充填包装を行う業者に依頼して自動機械により生産することができる。
【0021】
電極装置11の組み立て工程を説明する。半球状の空洞部30を有し、頂部に開口10および突起13を有する導電性のケース12を用意し(図1(D))、ケース12の空洞部30の上方でケース12の裏側にスポンジ膜25(図1(F)、(F’))をはめ込み、さらに導電性ゲル・カートリッジ20をはめ込む。次いで、基板15(図1(E))とケース12を結合させる。基板15とケース12とは、ケース12に固定された雌スナップ14と基板15に固定された雄スナップ16を結合させることによって結合する。
【0022】
基板15とケース12との結合は、上記の態様に限らず、分離可能な任意の結合方法を使用することができる。たとえば、剥離可能な接着剤によって結合することができる。
【0023】
図1(C)は、電極装置11の使用状態において、ユーザがフレキシブル基板15を指で押した状態を示す。導電性ゲル・カートリッジ20の保護膜22がケース12の突起13によって破られ、導電性ゲル21が開口10から外にしみ出している。しみ出した導電性ゲル23は、導電性のケースとユーザの手のひらとの間に良好な電気接触を形成する。スポンジ膜25は、過剰な量の導電性ゲルがしみ出してユーザの手を過度に濡らすのを防止する役割を果たすと共に、非測定時に保護膜が突起に触れるのを防止する役割を果たす。また、比較的硬度の高いゲルを用い、ゲル・カートリッジ20と突起との間に距離を確保してカートリッジ20を基板に接着することができる。この場合、過剰な導電性ゲルの流出の心配はないので、スポンジ膜25を必要としない。
【0024】
図1(E’)は、図1(E)の基板15に関する一つの変形を示し、基板15の裏面(身体側)に押し板27が設けられている。こうすることにより、ベルトの裏側から導電性ゲルを押す操作がやりやすくなる。
【0025】
図1(F’)は、図1(F)のスポンジ膜25に関する一つの変形を示し、ケース12の頂部の開口10に対応する位置、すなわちスポンジ膜25の頂部に開口26が設けられている。硬めの導電性ゲルを用いるときは、このような構造にすることにより、ゲルがケース12から流出しやすくなる。
【0026】
図2(A)は、電極装置11を装着するためのベルト41を示す。ベルト41は、ズボンのベルトとして使用することができ、スカート、ワンピースなどの腰の部分に巻くこともできる。一対の電極装置11aおよび11bが、電極装置に固定された雌スナップとベルト41に固定された雄スナップとの結合により、ベルト41に取り付けられる。ベルトには、電極装置11のフレキシブル基板15を背面から指で押すための窓43a、43bが設けられている。電極装置11aおよび11bの取り付け位置は、ユーザが左右それぞれの手で一対の電極装置に同時に触れることができるよう、バックルを真ん中にして身体の左右前方とする。典型的には、ユーザは、心臓に異常を感じるなどしたとき、手のひらで電極装置を包み込むようにし、指をベルトの裏に回して、裏からフレキシブル基板15を押して、導電性ゲル21をしみ出させ、心電データを計測し、このデータをセンタ57に送信して診断してもらうことができる。
【0027】
次に図3を参照すると、一対の電極装置11a、11bは、図2を参照して説明したようにベルト41の表側に取り付けられる。図3において、ベルト41の窓43a、43bから電極装置11a、11bの裏側が見える。電極装置11a、11bは、導線52aおよび52bによりイベント心電計51に電気的に接続されている。イベント心電計51は、図3の例では、ベルト41のバックルの部分に取り付けられているが、スナップ、マジックテープなどの結合手段を用いてベルト41の他の箇所に取り付けることもできる。導線52aおよび52bは、一対の電極装置11に一端がコネクタにより接続される。導線52a、52bは、柔軟なワイアで形成し、コネクタで電極装置11a、11bおよびイベント心電計51に接続し、ベルト41の裏側に収めるようにしてもよい。
【0028】
電極装置11a、11bは、心電計51の2つの入力端子に接続され、心電計51は、両電極の電位の差を増幅し、A/D変換し、ディジタル信号として出力する。この場合、電極11aまたは11bは、接地機能を兼ねている。
【0029】
一対の電極装置11a、11bに加えてグランド電位(接地電位)用にもう一つの電極装置11cを設けることができる。図11は、このような実施形態を示す図であり、3つ目の電極装置11cがベルト41に取り付けられる。電極装置11cは、構造的には電極装置11a、11bと同じである。図11は、3つ目の電極装置11cを設けた以外は、図2の構造と同じであり、同じ構成要素は同じ参照番号で示してある。グランド用の電極を用いることにより、安定した計測信号を得ることができる。
【0030】
一実施形態では、イベント心電計は、データ計測部を備え、データ計測部は、心電信号から心拍数、PR時間、QT時間、QRS幅および振幅を計測する。
【0031】
ユーザは、イベント心電計51と有線またはブルートゥース(Bluetooth)もしくは赤外線で結合して通信する携帯電話53を所持している。イベント心電計51は、A/D変換回路、CPU、RAM、および書き換え可能なROM(EEPROM、FEPROM等)を備えており、電極装置11からの信号を処理して、心電信号を計測する。計測の結果は携帯電話53に送り、ユーザの心電信号をインターネットなどのネットワークを介して医療センタに送信することができる。
【0032】
医療センタには、ユーザ、サポータ、およびシステム管理者にインターフェイス画面を提供するウェブサーバ、データベースサーバおよび解析サーバが備えられる。データベースサーバには、システム管理データおよびサービス管理データ、ユーザの健康状態を判定するための判定ルール、およびユーザに与える助言データを格納するシステム・データベース、およびユーザそれぞれの個人データ、それぞれのユーザのイベント心電計から送られてきた心電計データを格納するユーザ・データベースが含まれる。
【0033】
図4は、この発明のもう一つの実施例に係る電極装置11Bを示す。電極装置11Bの導電性ケース12bには、複数の開口10が設けられており、それぞれの開口に突起13が設けられている点が、図1の実施例のものと異なり、その他の点は図1のものと概して同じであるので、詳細な説明は省略する。
【0034】
図5は、この発明のさらにもう一つの実施例に係る電極装置11Cを示す。電極装置11Cは、銅またはステンレスなどで形成された導電性のケース12Cを備え、ケース12Cには一つまたは複数の開口10が設けられている。開口10の周囲には突起13が設けられている。ケース12Cの空洞部30にスポンジ膜25が入れられ、スポンジ膜25の内側に導電性ゲル・カートリッジ20が収められる。この構造は、基本的に図1の実施例のものと同じである。
【0035】
図5の実施例では、基板18は、シリコンなどの軟質素材で作られており、台形部と、これから延びるフレキシブル部およびケース12Cを挟み込んで固定するフランジ部19を有する。この電極装置11Cは、図2(B)または図2(C)に示される態様でベルトに取り付けられる。図2(B)を参照すると、基板18の外側の面にマジックテープ、または両面テープを取り付けた一対の電極装置11a、11bがベルト41の取り付け部45a、45bに取り付けられる。取り付け部45a、45bは、マジックテープを使用するときは、マジックテープのフック部またはループ部であり、両面テープを使用するときは、プラスチックなど引きはがしの容易な素材の小さいシートで構成されている。
【0036】
電極装置11Cがベルトに装着され、同じくベルトに取り付けられたイベント心電計51に導線52a、52bで接続された状態で(図3)、ユーザが手のひらでケース12Cを包み込むようにしてケース12Cを押すと、図5(C)に示すように、基板18の台形部18Aがケース12Cの空洞部30に入り込んで導電性ゲル・カートリッジ20を圧迫する。これにより、カートリッジ20の保護膜22が突起13で破られ、導電性ゲル21が開口10から流れ出て導電性のケース12Cと手のひらとの間に良好な電気的接触を形成する。
【0037】
図2(C)は、電極装置11Cをベルト41に取り付けるもう一つの態様を示す。取り付け帯47a、47bは、布またはビニールなどのフレキシブルな素材でそれぞれ1枚の帯状に作られており、ベルトに巻き付けられ、ベルトの裏側で、帯の一端と他端がマジックテープまたはフックにより着脱可能に結合される。取り付け帯47a、47bには、図2(B)を参照して説明した取り付け部45a、45bが設けられている。
【0038】
図6は、この発明の電極装置のもう一つの実施例を示す。電極装置11Dは、フレキシブルな導電性材料、たとえば導電性ゴムで作られたケース12Dを備える。ケース12Dには、一つまたは複数の開口10が設けられ、開口10の周辺には突起13が設けられている。ケース12Dの空洞部30には、スポンジ膜25を介して導電性ゲル・カートリッジ20が収納されている。基板31は硬質シリコンまたは金属で作られており、ケース12Dと結合するためのフランジ部33を備えている。
【0039】
電極装置11Dは、図5の電極装置11Cと同様の態様でベルト41(図2)に取り付けられる。ユーザが手のひらでケース12Dと包むようにして押しつけると、突起13によってカートリッジ20の保護膜22が破られ、導電性ゲルが開口10からしみ出て、導電性ケース12Dと手との間に良好な電気的接触を形成する(図6(C))。
【0040】
図7は、図6の電極装置11Dの変形を示す。電極装置11Eは、次の点で電極装置11Dと相違する。導電性のケース12Eには、突起13が設けられていない。このため、スポンジ膜25をケース12Eの内側に設けることなく、導電性ゲル・カートリッジ20をケース12Eに入れることができる。心電データを収集する際には、手のひらでケース12Eを強く押してカートリッジ20の保護膜22を破る(図7(C))。
【0041】
図8は、さらにこの発明の電極装置のもう一つの実施例を示す。電極装置11Fは、側壁が直立するフレキシブルな導電性材料で作られたケース12Fを備えており、ケース12Fの天井部内側の前面および側壁の一部には、突起13を有する金属製または硬質樹脂製のフレーム13Fが設けられている。天井では、このフレーム13Fに接してスポンジ膜25Fが配置されている。基板31は、硬質シリコン、軟質シリコンなどの素材で作ることができる。図8(A)を参照すると、ケース12Fは、平面図において縦長の形状をしており、長辺には直線部があり、短辺は全体的に湾曲している。フレーム13Fの側壁は、長辺部分では欠けている。このフレームが欠けている長辺部分を両側から指でつまむことにより、カートリッジ20の保護膜22が突起13によって破られ、導電性ゲル21が開口10から流れ出る(図8(C))。
【0042】
図9は、図8の実施例の変形で、電極装置11Gには、電極装置11Fのようなフレーム13Fは設けられていない。ケース12Gは、導電性ゴムなどのフレキシブルな材料で作られており、突起13は、金属などの硬質の材料で作られている。
【0043】
図10は、電極装置11のさらにもう一つの実施例を示す。電極装置11Hは、導電性の金属で作られた基板35と、この基板に両面テープまたは、接着剤で取り付けられた導電性ゲル・カートリッジ20とで構成される。この電極装置11Hは、図2(B)または(C)に示す態様でベルト41に取り付けられる。電極として使用する際には、手のひらでカートリッジ20を押しつぶして導電性ゲル21を流れ出させて使用する。このため、カートリッジ20は過度の導電性ゲル21が流れ出さないよう、比較的小さい形状に作られる。
【0044】
以上の数々の実施例の図面において共通する部分には共通の参照番号を付け、重複する説明を省略した。この発明を具体的な実施例に則して説明したが、この発明は、このような実施例に限定されるものではない。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】この発明に係る電極装置の一実施例を示す図。
【図2】この発明に係る電極装置を装着するためのベルトの実施例を示す図。
【図3】この発明に係る電極装置をイベント心電計と接続した状態の心電データ収集システムの全体的概念を示す図。
【図4】この発明に係る電極装置の一実施例を示す図。
【図5】この発明に係る電極装置の一実施例を示す図。
【図6】この発明に係る電極装置の一実施例を示す図。
【図7】この発明に係る電極装置の一実施例を示す図。
【図8】この発明に係る電極装置の一実施例を示す図。
【図9】この発明に係る電極装置の一実施例を示す図。
【図10】この発明に係る電極装置の一実施例を示す図。
【図11】3つの電極装置を用いる実施例を示す図。
【符号の説明】
【0046】
11 電極装置
12 ケース
20 導電性ゲル・カートリッジ
51 イベント心電計
53 携帯電話
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10