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明細書 :衝撃波加工装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5526428号 (P5526428)
公開番号 特開2011-103796 (P2011-103796A)
登録日 平成26年4月25日(2014.4.25)
発行日 平成26年6月18日(2014.6.18)
公開日 平成23年6月2日(2011.6.2)
発明の名称または考案の名称 衝撃波加工装置
国際特許分類 A23P   1/00        (2006.01)
A23L   1/212       (2006.01)
A23L   1/025       (2006.01)
FI A23P 1/00
A23L 1/212 B
A23L 1/025
請求項の数または発明の数 5
全頁数 22
出願番号 特願2009-260795 (P2009-260795)
出願日 平成21年11月16日(2009.11.16)
審査請求日 平成24年11月6日(2012.11.6)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】504159235
【氏名又は名称】国立大学法人 熊本大学
発明者または考案者 【氏名】伊東 繁
個別代理人の代理人 【識別番号】100080160、【弁理士】、【氏名又は名称】松尾 憲一郎
審査官 【審査官】大山 広人
参考文献・文献 実開平06-034496(JP,U)
特表2004-518434(JP,A)
特開2003-190955(JP,A)
調査した分野 A23P 1/00
A23L 1/025
A23L 1/212
特許請求の範囲 【請求項1】
被加工物に衝撃波を作用させることにより、被加工物を加工する衝撃波加工装置であって、
衝撃波を伝播させる伝達媒体が充填される空洞を形成するとともに、少なくとも前記伝達媒体よりも高い音響インピーダンスを有する高音響インピーダンス材料により構成される伝達容器部を備え、
前記伝達容器部には、前記伝達媒体が充填されるとともに衝撃波を発生させるための衝撃波発生空間を形成する衝撃波発生室が隣接形成されており、
前記空洞および前記衝撃波発生空間は、前記高音響インピーダンス材料である金属により構成された壁部を介して互いに区画された状態で形成されており、
前記空洞内に被加工物を収容した状態で、前記伝達容器部が前記空洞の外側から前記空洞内に衝撃波を発生させるための衝撃を受けることにより、前記壁部から前記伝達容器部および前記伝達媒体を介して被加工物に衝撃波を作用させることを特徴とする衝撃波加工装置。
【請求項2】
前記衝撃波発生室は、衝撃波を発生させるための手段として、所定の間隔を隔てて互いに対向した状態で配置される少なくとも一対の電極を備え、該電極によって放電を行うことにより、衝撃波を発生させる、
ことを特徴とする請求項に記載の衝撃波加工装置。
【請求項3】
前記衝撃波発生室は、衝撃波を発生させるための手段として、前記伝達容器部に機械的な衝撃力を作用させる打撃装置を備え、該打撃装置により、衝撃波を発生させる、
ことを特徴とする請求項に記載の衝撃波加工装置。
【請求項4】
前記衝撃波発生室は、衝撃波を発生させるための手段として、爆薬を備え、該爆薬を爆発させることにより、衝撃波を発生させる、
ことを特徴とする請求項に記載の衝撃波加工装置。
【請求項5】
前記空洞内に充填される前記伝達媒体は液体であり、該液体内に気泡を発生させる気泡発生手段を備えることを特徴とする請求項1~のいずれか一項に記載の衝撃波加工装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、果物や野菜や穀類等の食品等の被加工物に衝撃波を作用させることにより、被加工物の加工を行う衝撃波加工装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、果物や野菜や穀類等の食品(食材)の加工方法として、衝撃波を用いる方法がある(例えば、特許文献1参照。)。具体的には、衝撃波は、音速を超える速さで伝わる圧力変化の波であり、この衝撃波が食品に作用することにより、食品が収縮し、続いてその反動で食品が一気に膨張する。この衝撃波の力による収縮と膨張により、食品の細胞壁等が破壊され、食品が軟化あるいは粉体化させられる。こうした衝撃波を用いる食品の加工方法によれば、処理時間が短くなることから、加工にともなって生じる熱に起因して食品の栄養価が損なわれることがなく、また、簡単に加工することが可能となる。
【0003】
このように食品の加工に用いられる衝撃波を発生させるための手段の一つとして、爆発を利用する方法が挙げられる。爆発を利用する方法によれば、食品に作用させる衝撃波について、食品の加工のために十分な強度を容易に得ることができる。しかし、衝撃波を発生させるために爆発を利用する方法は、汎用性に欠け、一般家庭における料理等のための食品の加工に適用することが困難である。
【0004】
そこで、衝撃波を発生させるための手段として、電気パルス等の電気エネルギーを利用する方法がある(例えば、特許文献2参照)。かかる方法によれば、衝撃波を用いる食品の加工について汎用性を向上させることができ、一般家庭への導入の可能性も高まる。しかしながら、電気エネルギーを利用する方法であっても、食品の加工のために十分な強度の衝撃波を発生させるためには、必要なコンデンサの容量が大きいこと等に起因して、衝撃波を発生させるための装置が大型化し、やはり一般家庭への導入が困難であるのが現状である。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】再表2006/098453号公報
【特許文献2】特表2004-518434号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、上記のような問題点に鑑みてなされたものであり、その解決しようとする課題は、比較的小さなエネルギーによっても食品等の加工に十分な強度の衝撃波を発生させることができ、汎用性の向上を図ることができる衝撃波加工装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の衝撃波加工装置は、被加工物に衝撃波を作用させることにより、被加工物を加工する衝撃波加工装置であって、衝撃波を伝播させる伝達媒体が充填される空洞を形成するとともに、少なくとも前記伝達媒体よりも高い音響インピーダンスを有する高音響インピーダンス材料により構成される伝達容器部を備え、前記伝達容器部には、前記伝達媒体が充填されるとともに衝撃波を発生させるための衝撃波発生空間を形成する衝撃波発生室が隣接形成されており、前記空洞および前記衝撃波発生空間は、前記高音響インピーダンス材料である金属により構成された壁部を介して互いに区画された状態で形成されており、前記空洞内に被加工物を収容した状態で、前記伝達容器部が前記空洞の外側から前記空洞内に衝撃波を発生させるための衝撃を受けることにより、前記壁部から前記伝達容器部および前記伝達媒体を介して被加工物に衝撃波を作用させるものである。
【0009】
また、本発明の衝撃波加工装置においては、前記衝撃波発生室は、衝撃波を発生させるための手段として、所定の間隔を隔てて互いに対向した状態で配置される少なくとも一対の電極を備え、該電極によって放電を行うことにより、衝撃波を発生させるものである。
【0010】
また、本発明の衝撃波加工装置においては、前記衝撃波発生室は、衝撃波を発生させるための手段として、前記伝達容器部に機械的な衝撃力を作用させる打撃装置を備え、該打撃装置により、衝撃波を発生させるものである。
【0011】
また、本発明の衝撃波加工装置においては、前記衝撃波発生室は、衝撃波を発生させるための手段として、爆薬を備え、該爆薬を爆発させることにより、衝撃波を発生させるものである。
【0013】
また、本発明の衝撃波加工装置においては、前記空洞内に充填される前記伝達媒体は液体であり、該液体内に気泡を発生させる気泡発生手段を備えるものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、比較的小さなエネルギーによっても食品等の加工に十分な強度の衝撃波を発生させることができ、汎用性の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第一実施形態に係る衝撃波加工装置の構成を示す図。
【図2】本発明の第一実施形態に係る衝撃波加工装置の変形例を示す図。
【図3】本発明の第一実施形態に係る衝撃波加工装置の変形例を示す図。
【図4】本発明の第二実施形態に係る衝撃波加工装置の構成を示す図。
【図5】本発明の第三実施形態に係る衝撃波加工装置の構成を示す図。
【図6】本発明の第四実施形態に係る衝撃波加工装置の構成を示す図。
【図7】本発明の第五実施形態に係る衝撃波加工装置の構成を示す図。
【図8】本発明の第六実施形態に係る衝撃波加工装置の構成を示す図。
【図9】本発明の第七実施形態に係る衝撃波加工装置の構成を示す図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明は、食品等の被加工物に衝撃波を作用させることで被加工物の加工を行う構成において、加工に際して被加工物を収容する容器部分の構成を工夫することで、被加工物に対して効率的に衝撃波を作用させようとするものである。以下、本発明の実施の形態について説明する。

【0017】
本発明の第一実施形態について説明する。図1に示すように、本実施形態に係る衝撃波加工装置1は、被加工物2に衝撃波を作用させることにより、被加工物2を加工するものである。図1では、被加工物2としてリンゴが示されている。

【0018】
衝撃波加工装置1は、被加工物2を収容する空洞4を形成する容器3を備える。容器3の内部空間である空洞4は、密閉空間として形成される。空洞4内には、衝撃波を伝播させる伝達媒体5が充填される。伝達媒体5は、衝撃波を伝達することができるもの、つまり圧力変化の波を伝達させる媒体である。

【0019】
したがって、伝達媒体5としては、衝撃波を伝達することができるものであれば特に限定されず、水や塩水等の液体、ゴム等の弾性体やジェル状の物体等の固体、大気等の気体、あるいはこれらの混合体が用いられる。ただし、伝達媒体5としては、衝撃波の伝達性の観点から液体または固体が好ましく、さらに、低コストであることや入手が容易であることから水が好適に用いられる。

【0020】
容器3は、高音響インピーダンス材料により構成される。ここで、高音響インピーダンス材料とは、少なくとも空洞4に充填される伝達媒体5よりも高い音響インピーダンスを有する材料である。容器3を構成する材料としては、例えば、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、銅合金、鉄(Fe)、鉄合金、ニッケル(Ni)、タングステン(W)、タングステン合金等のあらゆる金属で、水やプラスチック等の樹脂材料等に対して音響インピーダンスが比較的大きい材料が用いられる。

【0021】
一般に、音響インピーダンスは、空気のような気体では極めて小さく、液体、樹脂、金属の順に大きくなる傾向にある。具体的には、音響インピーダンスは、例えば、空気:約4.1×10、水:約1.5×10、アクリル樹脂:約3.2×10、アルミニウム:約17×10、銅:約45×10(単位はPa・s/m)である。なお、金属中を伝播する弾性波や衝撃波の速度は、例えば、銅の場合は5000m/sec、アルミニウムの場合は4500m/sec以上である。

【0022】
容器3を構成する材料としては、音響インピーダンスが、1.5×10~110×10Pa・s/mの範囲にあるものが用いられる。好ましくは、容器3を構成する材料の音響インピーダンスは、10×10~50×10Pa・s/mの範囲である。したがって、容器3を構成する材料としては、良好な加工性が得られることや比較的低コストであること等の観点から、音響インピーダンスが約17×10Pa・s/mであるアルミニウムが好適に用いられる。

【0023】
本実施形態では、容器3および空洞4は、図1に示すような断面視において略矩形状となる形状(例えば円柱形状や直方体形状)を有する。容器3は、一側(図1において上側)に開口部を有する基部3aと、基部3aが有する開口部を塞ぐ蓋部3bとを有する。蓋部3bによって塞がれる基部3aの上側の開口部が、空洞4内に対して被加工物2を出し入れするための開口部分として用いられる。ただし、容器3および空洞4の形状は、特に限定されるものではない。

【0024】
以上のように、本実施形態の衝撃波加工装置1では、容器3が、衝撃波を伝播させる伝達媒体5が充填される空洞4を形成するとともに、少なくとも伝達媒体5よりも高い音響インピーダンスを有する高音響インピーダンス材料により構成される伝達容器部として機能する。

【0025】
そして、衝撃波加工装置1は、空洞4内に被加工物2を収容した状態で、容器3が空洞4の外側から空洞4内に衝撃波を発生させるための衝撃を受けることにより、容器3および伝達媒体5を介して被加工物2に衝撃波を作用させる。

【0026】
空洞4内に収容される被加工物2は、例えばビニル袋やポリエチレン製の袋等の透明なフィルム状の保護材に入れられた状態で、図示せぬ支持部材によって空洞4における所定の位置にセットされる。また、被加工物2が入れられた保護材の内部は、被加工物2に対する衝撃波の伝達作用や被加工物2の保護作用を高める観点から、真空状態に減圧されることが好ましい。

【0027】
図1に示すように、本実施形態の衝撃波加工装置1においては、容器3に、衝撃波発生室6が隣接形成されている。衝撃波発生室6は、伝達媒体7が充填されるとともに衝撃波を発生させるための部屋である。衝撃波発生室6において発生した衝撃波が、容器3および容器3内の伝達媒体5を伝播して被加工物2に作用する。

【0028】
衝撃波発生室6は、樹脂を材料として構成されるハウジング8により、衝撃波を発生させるための空間である衝撃波発生空間9を形成する。この衝撃波発生空間9内に、伝達媒体7が充填される。伝達媒体7としては、空洞4に充填される伝達媒体5と同様に、水が好適に用いられるが、液体、固体、気体、あるいはこれらの混合体を用いることができる。また、空洞4に充填される伝達媒体5と、衝撃波発生空間9内に充填される伝達媒体7とは、同じものであっても異なるものであってもよい。

【0029】
衝撃波発生空間9は、容器3に対して、衝撃波発生室6が隣接する側(図1において下側)の壁部(以下「下側壁部」という。)3cを介して容器3の空洞4に隣接するように形成される。言い換えると、空洞4および衝撃波発生空間9は、下側壁部3cを介して互いに区画された状態で形成される。

【0030】
したがって、衝撃波発生室6を構成するハウジング8は、一側(図1において上側)が開口するように形成され、その開口する側が容器3に対して下側壁部3cに臨むようにして設けられる。つまり、衝撃波発生空間9は、ハウジング8の一側に形成される開口部が容器3の下側壁部3cによって塞がれた状態となることで密閉された空間として形成される。なお、ハウジング8および衝撃波発生空間9の形状は、特に限定されるものではない。

【0031】
本実施形態の衝撃波加工装置1は、衝撃波を発生させるための手段として、所定の間隔を隔てて互いに対向した状態で配置される一対の電極10を備える。電極10は、棒状電極であり、例えば真鍮や銅等の導電性に優れる材料により構成される。電極10の形状については、先端側(相手の電極10に対向する側)が円錐状に尖った形状を有することが好ましい。

【0032】
一対の電極10は、それぞれハウジング8において互いに対向する側壁部を水平方向(図1における左右方向)に貫通することで衝撃波発生空間9内に突出するとともにハウジング8に支持された状態で設けられる。一対の電極10は、樹脂製のハウジング8に支持されることで容器3に対して絶縁されるとともに、互いの先端の間に所定の間隔を隔てた(先端同士が接触しない)状態で設けられる。一対の電極10間に設けられる間隔は、衝撃波発生室6において充填される伝達媒体7の種類等により、例えば被加工物2に作用する衝撃波のエネルギーが最も大きくなるような寸法等に適宜設定される。

【0033】
一対の電極10には、電極10間にて放電を生じさせるための電源部11が、導線等を介して接続される。電源部11は、一対の電極10間にて単発あるいは連続的なパルス放電を発生させる。また、電源部11は、一対の電極10間にて発生させるパルス放電の回数や大きさを調整することが可能に構成される。このように、衝撃波発生室6においては、一対の電極10と、これに接続される電源部11とにより、パルス発生装置が構成される。

【0034】
電源部11としては、例えば、電気エネルギーを蓄えるコンデンサ11aと、コンデンサ11aに電力を供給する電源11bと、電源11bからコンデンサ11aに供給される電力についての制御を行うコントローラ11cとを含む構成が用いられる。ただし、電源部11の構成は特に限定されるものではない。

【0035】
また、電極10の配置に関し、本実施形態の変形例を図2および図3に示す。図2には、一対の電極10の両方が、ハウジング8を構成する一側(図2において右側)の側壁部をこの側壁部に対して略垂直方向に貫通した状態で設けられる配置例が示されている。図3には、一対の電極10の両方が、ハウジング8を構成する下側(図3において側)の壁部をこの壁部に対して略垂直方向に貫通した状態で設けられる配置例が示されている。

【0036】
このように、一対の電極10は、並列に配置されてもよい。したがって、一対の電極10についての「互いに対向した状態」には、直列に(略同一直線上に)配置される状態、つまり互いの先端同士を対向させた状態(図1参照)のほか、並列に配置される状態、つまり互いに平行(または略平行)な姿勢で対向する状態(図2、図3参照)も含まれる。

【0037】
また、衝撃波発生室6が備える電極10の数も限定されず、衝撃波発生室6において三個以上の電極10が備えられてもよい。つまり、電極10については、少なくとも一対備えられればよい。

【0038】
このように、本実施形態では、衝撃波発生室6は、衝撃波を発生させるための手段として、所定の間隔を隔てて互いに対向した状態で配置される少なくとも一対の電極10を備え、これらの電極10によって伝達媒体7中で放電を行うことにより、衝撃波を発生させる。

【0039】
以上のような構成を備える本実施形態の衝撃波加工装置1は、次のような作用により、被加工物2の加工を行う。被加工物2の加工に際しては、一対の電極10間において、電源部11から供給される電気により単発あるいは連続的なパルス放電が発生させられる。

【0040】
一対の電極10間にて生じた電気パルスによる衝撃力は、衝撃波発生空間9内の伝達媒体7を介して衝撃波となって容器3に伝達される。このように衝撃波発生室6側から容器3に衝撃波が伝達されることにより、容器3中(容器3を構成する材料内)に弾性波が発生する。つまり、前記のとおり高音響インピーダンス材料により構成される容器3に伝達された衝撃波は、容器3中を弾性波として伝播する。

【0041】
容器3中に発生した弾性波は、容器3中を伝播しながら空洞4内の伝達媒体5に伝播する。伝達媒体5に伝播した容器3中からの弾性波は、単発あるいは連続的な複数の衝撃波となり、伝達媒体5を介して被加工物2に作用する。つまり、容器3中に生じた弾性波は、伝達媒体5に入射することで衝撃波となり、伝達媒体5を伝播して被加工物2に作用する。

【0042】
このように、衝撃波発生室6の衝撃波発生空間9内において一対の電極10によって生じた衝撃波は、被加工物2を取り囲む容器3中を伝播することで、被加工物2に対して多方向から伝達媒体5を介して作用する。

【0043】
具体的には、一対の電極10間にて生じたパルス放電によって被加工物2に作用する衝撃波には、主に、衝撃波発生空間9内から容器3の下側壁部3cを介して空洞4内(伝達媒体5)に入射する成分(図1、矢印A1参照)と、下側壁部3cから容器3中を伝播して容器3の側壁側から空洞4内(伝達媒体5)に入射する成分(同図、矢印A2参照)とが含まれる。また、被加工物2に作用する衝撃波には、衝撃波発生空間9内の伝達媒体7からハウジング8を介して容器3に衝撃波(弾性波)が伝播することで得られる衝撃波や、空洞4内において被加工物2を通過する等して空洞4を形成する壁面で反射した衝撃波等も含まれる。

【0044】
このようにして被加工物2に衝撃波が作用することにより、圧力変化の作用によって被加工物2が収縮し、続いてその反動で被加工物2が一気に膨張する。この衝撃波の作用による収縮と膨張により、被加工物2の細胞壁等が破壊され、被加工物2が軟化あるいは粉体化させられる。

【0045】
例えば、被加工物2がリンゴである場合、衝撃波加工装置1によって加工されたリンゴは、ほぼ原形を維持しつつ細胞壁等が破壊されることで軟化した状態となる。衝撃波の作用により軟化したリンゴは、例えばストローを差し込むことによって内部の果汁を容易に飲むことが可能な状態となる。したがって、衝撃波加工装置1によって衝撃波の作用で軟化したリンゴによれば、本来の硬さを有するリンゴとの比較において圧搾効率が向上し、圧搾に要する時間やエネルギー消費量や廃棄物の量を低減させることができる。

【0046】
また、衝撃波加工装置1においては、空洞4に充填される伝達媒体5が水等の液体である場合、伝達媒体5内に、例えばマイクロバブル等の気泡12を発生させることができる。このため、衝撃波加工装置1は、伝達媒体5内(液体内)に気泡12を発生させる気泡発生手段としての気泡発生装置14を備える。

【0047】
気泡発生装置14としては、例えばマイクロバブルやナノバブル等の微小な気泡12を発生させることができるものであれば、周知の構成のものを利用することができる。本実施形態では、気泡発生装置14は、空洞4内に配置される。

【0048】
気泡発生装置14は、例えば、旋回流を生じさせることでマイクロバブルを発生させる旋回流型のマイクロバブル発生装置である。この場合、気泡発生装置14においては、気体供給経路14aから供給される二酸化炭素や酸素等の気体と、例えば空洞4内の伝達媒体5が加圧されて供給される加圧液体とが旋回流によって混合され、気泡12が発生させられる。なお、気泡発生装置14は、空洞4の外部に配置され、空洞4に連通する供給経路を介して伝達媒体5内に気泡12を供給する構成のものであってもよい。

【0049】
このように、気泡発生装置14によって伝達媒体5内に気泡12を発生させることで、気泡12の圧壊時に生じる衝撃、つまり気泡12の衝撃圧力作用によって被加工物2に作用する衝撃力を高めることができる。なお、被加工物2の加工に際しては、衝撃波発生室6における伝達媒体7内に気泡を発生させてもよい。

【0050】
本実施形態の衝撃波加工装置1においては、衝撃波発生室6からの衝撃によって容器3中つまり高音響インピーダンス材料中に発生した単数または複数の弾性波が、容器3を構成する材料よりも音響インピーダンスの低い伝達媒体5に入射することにより、伝達媒体5において単発あるいは連続的な複数の衝撃波が発生する。つまり、高音響インピーダンス材料中(容器3中)に発生した弾性波が、音響インピーダンスが比較的低い材料(伝達媒体5)に入射することで衝撃波となり、音響インピーダンスが比較的低い材料中を伝播する。このように、容器3中の弾性波が伝達媒体5に入射することで生じる衝撃波が、伝達媒体5を伝播して被加工物2に作用し、目的とする加工を行う。

【0051】
そして、衝撃波加工装置1においては、容器3内の被加工物2に対しては、被加工物2を取り囲む容器3を介することで、空洞4内で反射する衝撃波を含め様々な方向から衝撃波が作用することとなるので、被加工物2に対して有効に衝撃波を作用させることができる。つまり、衝撃波を発生させるためのエネルギーを、効率的に衝撃波として被加工物2に作用させることができる。これにより、被加工物2に作用させる衝撃波を発生させるために大容量のコンデンサ等が不要となり、きわめて小型な装置構成を実現することが可能となる。以上のように、本実施形態の衝撃波加工装置1によれば、比較的小さなエネルギーによっても食品等の被加工物2の加工に十分な強度の衝撃波を発生させることができ、汎用性の向上を図ることができる。

【0052】
また、本実施形態の衝撃波加工装置1においては、衝撃波発生室6の一対の電極10間に発生させるパルス放電の回数や電力の大きさの調整により、被加工物2に作用させる衝撃波の負荷回数や衝撃波の大きさを調整することができる。これにより、被加工物2の種類や大きさ等に応じて目的とする加工を遂行することが可能となる。

【0053】
また、本実施形態の衝撃波加工装置1においては、衝撃波発生室6は、衝撃波を発生させるための手段として、所定の間隔を隔てて互いに対向した状態で配置される一対の電極10を備え、この一対の電極10によって伝達媒体7中で放電を行うことにより、衝撃波を発生させる。つまり、本実施形態の衝撃波加工装置1は、空洞4内に衝撃波を発生させるための衝撃として、単発あるいは連続的な電気パルスによる衝撃力を用いる。なお、電気的な衝撃力としては、プラズマを発生させることにより得られるものであってもよい。

【0054】
このように、衝撃波を発生させるために電気エネルギーを利用する構成が採用されることで、より汎用性を向上させることができ、衝撃波加工装置1の一般家庭への導入の可能性を高めることができる。なお、被加工物2に作用させる衝撃波を発生させるための構成は、本実施形態に限定されるものではない。

【0055】
本発明の第二実施形態について説明する。本実施形態に係る衝撃波加工装置は、衝撃波を発生させるために機械的な衝撃力を用いる点で、第一実施形態と異なる。このため、本実施形態では、第一実施形態と共通する部分については同一の符号を用いて説明を省略する。

【0056】
図4に示すように、本実施形態の衝撃波加工装置21は、衝撃波を発生させるための構成として、衝撃波発生室6において、単発あるいは連続的な機械的な衝撃力を発生させる打撃装置22を備える。打撃装置22は、容器3に対して機械的な衝撃力を与えるハンマー部材23を有する。

【0057】
ハンマー部材23は、衝撃波発生空間9内(伝達媒体7内)において、容器3に対して、下側壁部3c側から打撃を加えることができるように付勢移動可能に設けられる(矢印B参照)。具体的には、ハンマー部材23は、容器3に対して打ち付けられる側(図4において上側)に、打撃部23aを有する。つまり、ハンマー部材23が、容器3に対して付勢された状態で近接移動することで、打撃部23aが下側壁部3cの部分に接触し、容器3に対して打撃が与えられ、機械的な衝撃力が作用する。

【0058】
このように、打撃装置22によって容器3に機械的な衝撃力が作用することにより、容器3中(容器3を構成する材料内)に弾性波が発生する。容器3中に生じた弾性波は、第一実施形態の場合と同様に、伝達媒体5に入射することで衝撃波となり、伝達媒体5を伝播して被加工物2に作用する。そして、容器3中に生じた弾性波は、被加工物2を取り囲む容器3中を伝播することで、被加工物2に対して多方向から伝達媒体5を介して作用する。

【0059】
以上のように、本実施形態の衝撃波加工装置21においては、空洞4内に被加工物2を収容した状態で、容器3が空洞4の外側から空洞4内に衝撃波を発生させるための衝撃として機械的な衝撃力を受けることにより、容器3および伝達媒体5を介して被加工物2に衝撃波を作用させる。つまり、本実施形態の衝撃波加工装置21は、空洞4内に衝撃波を発生させるための衝撃として、単発あるいは連続的な機械的な衝撃力を用いる。

【0060】
また、本実施形態の衝撃波加工装置21においては、打撃装置22によって容器3に加える打撃の回数や力の大きさの調整により、被加工物2に作用させる衝撃波の負荷回数や衝撃波の大きさを調整することができる。これにより、被加工物2の種類や大きさ等に応じて目的とする加工を遂行することが可能となる。

【0061】
このように、本実施形態では、衝撃波発生室6は、衝撃波を発生させるための手段として、容器3に機械的な衝撃力を作用させる打撃装置22を備え、この打撃装置22により、衝撃波を発生させる。

【0062】
本実施形態の衝撃波加工装置21によっても、第一実施形態と同様に、比較的小さなエネルギーによっても食品等の被加工物2の加工に十分な強度の衝撃波を発生させることができ、汎用性の向上を図ることができる。また、本実施形態の衝撃波加工装置21によれば、例えば第一実施形態のように電気エネルギーを利用して衝撃波を発生させる構成との比較において、電源部等の外部的な装置を不要とすることができるので、装置構成の簡略化を容易に図ることができる。

【0063】
なお、容器3に対する機械的な衝撃力は、ハンマー等の打撃用の器具を用いることによって手動で作用させてもよい。また、容器3に対して機械的な衝撃力を作用させる箇所は複数箇所であってもよい。また、容器3に対する機械的な衝撃力を得るため、金属球の打ち込みを利用する構成等が採用されてもよい。

【0064】
また、衝撃波を発生させるために機械的な衝撃力を用いる構成においては、必ずしも衝撃波発生室6が備えられる必要はない。かかる構成を、本発明の第三実施形態として図5に示す。すなわち、図5に示すように、本実施形態の衝撃波加工装置31は、空洞4の(容器3の)外部に設けられる打撃装置22により、第二実施形態と同様にして、容器3に対して機械的な衝撃力を作用させる。

【0065】
本実施形態の衝撃波加工装置31によれば、より簡易な装置構成を実現することが可能となる。また、容器3に対して機械的な衝撃力を作用させるに際し、容器3に打撃を加える位置についての自由度が向上する。

【0066】
本発明の第四実施形態について説明する。本実施形態に係る衝撃波加工装置は、衝撃波を発生させるために爆発による衝撃力を用いる点で、第一実施形態と異なる。このため、本実施形態では、第一実施形態と共通する部分については同一の符号を用いて説明を省略する。

【0067】
図6に示すように、本実施形態の衝撃波加工装置41は、衝撃波を発生させるための構成として、衝撃波発生室6において、爆発による衝撃力を発生させる火薬等の爆薬42を備える。つまり、衝撃波加工装置41においては、爆薬42が、被加工物2に作用させる衝撃波の発生源となる。

【0068】
爆薬42は、衝撃波発生空間9内(伝達媒体7内)において、図示せぬ支持部材によって所定の位置にセットされる。爆薬42は、例えば電気雷管により起爆されるように構成される。爆薬42が爆発することにより、容器3に対して爆発による衝撃力が作用する。

【0069】
爆薬42としては、球状、棒状、板状等適宜の形状・大きさのものが用いられる。また、爆薬42は、図6では一個のみ示されているが、空洞4の大きさ等に応じて複数用いられてもよい。さらに、複数の爆薬42が用いられる場合、爆薬42ごとに異なるタイミングで起爆させることで、容器3に対して連続的な衝撃力を作用させることができる。

【0070】
爆薬42によって生じた爆発による衝撃力は、衝撃波発生空間9内の伝達媒体7を介して衝撃波となって容器3に伝達される。このように衝撃波発生室6側から容器3に衝撃波が伝達されることにより、容器3中(容器3を構成する材料内)に弾性波が発生する。容器3中に生じた弾性波は、第一実施形態の場合と同様に、伝達媒体5に入射することで衝撃波となり、伝達媒体5を伝播して被加工物2に作用する。そして、容器3中に生じた弾性波は、被加工物2を取り囲む容器3中を伝播することで、被加工物2に対して多方向から伝達媒体5を介して作用する。

【0071】
以上のように、本実施形態の衝撃波加工装置41においては、空洞4内に被加工物2を収容した状態で、容器3が空洞4の外側から空洞4内に衝撃波を発生させるための衝撃として爆発による衝撃力を受けることにより、容器3および伝達媒体5を介して被加工物2に衝撃波を作用させる。つまり、本実施形態の衝撃波加工装置41は、空洞4内に衝撃波を発生させるための衝撃として、単発あるいは連続的な爆発による衝撃力を用いる。

【0072】
また、本実施形態の衝撃波加工装置41においては、爆薬42による爆発の回数や規模の大きさの調整により、被加工物2に作用させる衝撃波の負荷回数や衝撃波の大きさを調整することができる。これにより、被加工物2の種類や大きさ等に応じて目的とする加工を遂行することが可能となる。

【0073】
このように、本実施形態では、衝撃波発生室6は、衝撃波を発生させるための手段として、爆薬42を備え、この爆薬42を爆発させることにより、衝撃波を発生させる。

【0074】
本実施形態の衝撃波加工装置41によっても、第一実施形態と同様に、比較的小さなエネルギーによっても食品等の被加工物2の加工に十分な強度の衝撃波を発生させることができ、汎用性の向上を図ることができる。また、本実施形態の衝撃波加工装置41によれば、爆発によって衝撃波の強度を得やすいことから、比較的短時間での加工が可能となる。

【0075】
本発明の第五実施形態について説明する。図7に示すように、本実施形態に係る衝撃波加工装置51においては、被加工物2を収容する容器53と衝撃波発生室6との間に隔膜13が介在するとともに、この隔膜13によって空洞54と衝撃波発生空間59とが仕切られる。なお、本実施形態では、第一実施形態と共通する部分については同一の符号を用いて説明を省略する。

【0076】
容器53は、衝撃波発生室6が隣接する側(図7において下側)に開口部を有する。容器53の開口部が隔膜13によって塞がれることで、空洞54が形成される。また、衝撃波発生空間59は、容器53に対して、隔膜13を介して空洞54に隣接するように形成される。つまり、空洞54および衝撃波発生空間59は、隔膜13を介して互いに区画された状態で形成され、空洞54内の伝達媒体5は、隔膜13によって衝撃波発生空間59内の伝達媒体7に対して隔離される。

【0077】
したがって、衝撃波発生室6を構成するハウジング8は、その開口する側が隔膜13に臨むようにして設けられる。つまり、衝撃波発生空間59は、ハウジング8の一側に形成される開口部が隔膜13によって塞がれた状態となることで密閉された空間として形成される。このように、隔膜13は、容器53の開口側(図7において下側)の端面と衝撃波発生室6を構成するハウジング8の開口側(同図において上側)の端面との間に挟まれる態様で、容器53と衝撃波発生室6との間に介在する。

【0078】
隔膜13は、容器53と同様に高音響インピーダンス材料により構成される。隔膜13を構成する材料と容器53を構成する材料とは、同じものであっても異なるものであってもよい。

【0079】
本実施形態の衝撃波加工装置51は、第一実施形態と同様に、衝撃波を発生させるための手段として一対の電極10を備える。衝撃波加工装置51においては、一対の電極10間にて生じた電気パルスによる衝撃力は、衝撃波発生空間59内の伝達媒体7を介して衝撃波となって隔膜13から容器53に伝達される。このように衝撃波発生室6側から隔膜13および容器53に衝撃波が伝達されることにより、隔膜13中および容器53中(容器53を構成する材料内)に弾性波が発生する。つまり、前記のとおり高音響インピーダンス材料により構成される隔膜13および容器53に伝達された衝撃波は、隔膜13および容器53中を弾性波として伝播する。

【0080】
隔膜13および容器53中に発生した弾性波は、隔膜13および容器53中を伝播しながら空洞54内の伝達媒体5に伝播する。伝達媒体5に伝播した隔膜13および容器53中からの弾性波は、単発あるいは連続的な複数の衝撃波となり、伝達媒体5を介して被加工物2に作用する。つまり、隔膜13および容器53中に生じた弾性波は、伝達媒体5に入射することで衝撃波となり、伝達媒体5を伝播して被加工物2に作用する。

【0081】
このように、衝撃波発生室6の衝撃波発生空間59内において一対の電極10によって生じた衝撃波は、被加工物2を取り囲む隔膜13および容器53中を伝播することで、被加工物2に対して多方向から伝達媒体5を介して作用する。

【0082】
具体的には、一対の電極10間にて生じたパルス放電によって被加工物2に作用する衝撃波には、主に、衝撃波発生空間59内から隔膜13を介して空洞54内(伝達媒体5)に入射する成分(図7、矢印C1参照)と、隔膜13から容器53中を伝播して容器53の側壁側から空洞54内(伝達媒体5)に入射する成分(同図、矢印C2参照)とが含まれる。また、被加工物2に作用する衝撃波には、衝撃波発生空間59内の伝達媒体7からハウジング8を介して隔膜13および容器53に衝撃波(弾性波)が伝播することで得られる衝撃波や、空洞54内において被加工物2を通過する等して空洞54を形成する壁面で反射した衝撃波等も含まれる。

【0083】
本実施形態の衝撃波加工装置51によっても、第一実施形態と同様に、比較的小さなエネルギーによっても食品等の被加工物2の加工に十分な強度の衝撃波を発生させることができ、汎用性の向上を図ることができる。

【0084】
本発明の第六実施形態について説明する。本実施形態の衝撃波加工装置は、第一実施形態との比較において、主に、被加工物2が収容される空洞と被加工物2に作用させる衝撃波を発生させるための空間とを隔てる低音響インピーダンス材料の隔膜を備える点で異なる。

【0085】
図8に示すように、本実施形態の衝撃波加工装置61は、第一実施形態と同様に、被加工物2を収容するとともに伝達媒体65が充填される空洞64を形成する容器63を備える。容器63は、高音響インピーダンス材料により構成される。容器63は、筒状に構成される基部63aと、基部63aの一側(図8において上側)の開口部を塞ぐ蓋部63bとを有する。

【0086】
衝撃波加工装置61は、図8に示すように、容器63を構成する筒状の基部63aの筒軸方向が上下方向(図8における上下方向)となる姿勢で用いられる。したがって、容器63を構成する基部63aは、上下両側が開口するとともに、上側の開口部が前記のとおり蓋部63bにより塞がれる。そして、基部63aの下側の開口部を塞ぐようにして、隔膜80が設けられる。つまり、隔膜80は、容器63の底面部分を形成する。

【0087】
このように、衝撃波加工装置61においては、空洞64は、容器63を構成する基部63aの内周面63cにより形成される空間が蓋部63bと隔膜80とによって上下から塞がれることで、密閉空間として形成される。かかる密閉空間としての空洞64に、伝達媒体65が充填される。つまり、本実施形態の衝撃波加工装置61では、容器63が、衝撃波を伝播させる伝達媒体65が充填される空洞64を形成するとともに、少なくとも伝達媒体65よりも高い音響インピーダンスを有する高音響インピーダンス材料により構成される伝達容器部として機能する。

【0088】
また、蓋部63bによって塞がれる基部63aの上側の開口部が、空洞64内に対して被加工物2を出し入れするための開口部分として用いられる。被加工物2は、第一実施形態と同様に、図示せぬ支持部材によって空洞64における所定の位置にセットされる。

【0089】
隔膜80は、容器63を構成する基部63aに対する支持部分である支持部80aと、容器63の底面部分を形成する膜部80bとを有し、全体として略有底筒状に構成される。支持部80aは、容器63の内周面63cに沿って筒状に形成される部分である。つまり、隔膜80は、支持部80aの部分が容器63の内周面63cに対して接触した状態で固定されることで、容器63に対して支持される。

【0090】
そして、隔膜80は、膜部80bの部分が基部63aの下側の開口端部に位置するように、基部63aに対して固定される。なお、隔膜80は、支持部80aを有しない構成であってもよい。かかる構成の場合、隔膜80は、膜状の部材として形成され、例えば基部63aの下側の開口部の外側(下側)から基部63aの下側の端面に貼り付けられること等によって、基部63aの開口部に膜部分を形成する。つまり、隔膜80としては、基部63aの下側の開口部においてこの開口部を覆う膜状の部分を形成することができるものであればよい。

【0091】
隔膜80は、低音響インピーダンス材料により構成される。ここで、低音響インピーダンス材料とは、前述したような高音響インピーダンス材料よりも低い音響インピーダンスを有する材料である。隔膜80を構成する材料としては、例えば、ゴム、綿、麻、ナイロン等の化学繊維、シリコン材料、高分子ポリマー材料等の、金属材料に対して音響インピーダンスが比較的小さい材料が用いられる。

【0092】
隔膜80を構成する材料としては、音響インピーダンスが、0.1×10~40×10Pa・s/mの範囲にあるものが用いられる。好ましくは、隔膜80を構成する材料の音響インピーダンスは、0.5×10~20×10Pa・s/mの範囲である。したがって、隔膜80を構成する材料としては、良好な加工性が得られることや比較的低コストであること等の観点から、音響インピーダンスが約1.5×10Pa・s/mである高分子材料が好適に用いられる。

【0093】
衝撃波加工装置61は、空洞64内に被加工物2を収容した状態で、容器63が空洞64の下側から空洞64内に衝撃波を発生させるための衝撃を受けることにより、隔膜80、容器63、および伝達媒体65を介して被加工物2に衝撃波を作用させる。

【0094】
図8に示すように、本実施形態の衝撃波加工装置61においては、容器63に、衝撃波発生室66が隣接形成されている。衝撃波発生室66は、伝達媒体67が充填されるとともに衝撃波を発生させるための部屋である。衝撃波発生室66において発生した衝撃波が、容器63および容器63内の伝達媒体65を伝播して被加工物2に作用する。

【0095】
衝撃波発生室66は、第一実施形態と同様に、樹脂を材料として構成されるハウジング68により、衝撃波を発生させるための空間である衝撃波発生空間69を形成し、この衝撃波発生空間69内に、伝達媒体67が充填される。

【0096】
衝撃波発生空間69は、容器63に対して、衝撃波発生室66が隣接する側(図8において下側)に設けられる隔膜80を介して容器63の空洞64に隣接するように形成される。つまり、空洞64および衝撃波発生空間69は、隔膜80を介して互いに区画された状態で形成され、空洞64内の伝達媒体65は、隔膜80によって衝撃波発生空間69内の伝達媒体67に対して隔離される。

【0097】
したがって、衝撃波発生室66を構成するハウジング68は、一側(図8において上側)が開口するように形成され、その開口する側が容器63に対して隔膜80に臨むようにして設けられる。つまり、衝撃波発生空間69は、ハウジング68の一側に形成される開口部が容器63の下側に設けられる隔膜80および基部63aの下端面によって塞がれた状態となることで密閉された空間として形成される。なお、ハウジング68および衝撃波発生空間69の形状は、特に限定されるものではない。

【0098】
このように、本実施形態の衝撃波加工装置61においては、空洞64と衝撃波発生室66が、低音響インピーダンス材料により構成される膜状の部材である隔膜80を介して隔てられている。また、衝撃波加工装置61においては、容器63と、この容器63の下側に構成される衝撃波発生室66を構成するハウジング68とが、金属材料や樹脂材料等により構成される筒状のケーシング62内に収容された状態で設けられる。

【0099】
本実施形態の衝撃波加工装置61は、第一実施形態と同様に、衝撃波を発生させるための手段として一対の電極70を備える。一対の電極70は、それぞれケーシング62およびハウジング68を水平方向(図8における左右方向)に貫通することで衝撃波発生空間69内に突出するとともにケーシング62およびハウジング68に支持された状態で設けられる。

【0100】
一対の電極70は、樹脂製のハウジング68に支持されることで容器63に対して絶縁された状態で設けられる。したがって、ケーシング62が金属等の導電性の材料により構成されるものである場合は、電極70とケーシング62との間に絶縁性の部材が介装されることで、電極70は容器63に対して絶縁される。

【0101】
衝撃波加工装置61においては、一対の電極70間にて生じた電気パルスによる衝撃力は、衝撃波発生空間69内の伝達媒体67を介して衝撃波となって隔膜80および容器63に伝達される。このように、衝撃波発生空間69内において一対の電極70によって生じた衝撃波は、被加工物2を取り囲む隔膜80および容器63中を伝播することで、被加工物2に対して多方向から伝達媒体5を介して作用する。

【0102】
具体的には、衝撃波発生室66において一対の電極70間にて生じたパルス放電によって生じた衝撃波の一部は、隔膜80を介して空洞64内(伝達媒体65内)へ伝播する(矢印D1参照)。ここで、隔膜80は低音響インピーダンス材料により構成されるものであるため、隔膜80を介して空洞64内(伝達媒体65内)へ伝播する衝撃波については、減衰が小さく、被加工物2に対して有効に作用する。

【0103】
一方、衝撃波発生室66において一対の電極70間にて生じたパルス放電によって生じた衝撃波の一部は、伝達媒体67を介して、または伝達媒体67およびハウジング68を介して容器63(基部63a)に入射する。容器63に入射した衝撃波は、容器63中を弾性波として伝播し、空洞64内の伝達媒体65に入射することで単発あるいは連続的な複数の衝撃波となって被加工物2に作用する(矢印D2参照)。

【0104】
容器63を介する衝撃波(矢印D2)は、隔膜80を介する衝撃波(矢印D1)よりも長い距離を経て被加工物2に作用することとなる。その反面、容器63を介する衝撃波(矢印D2)は、高音響インピーダンス材料により構成される容器63中を伝播するため、低音響インピーダンス材料により構成される隔膜80や伝達媒体65中を伝播する衝撃波よりも伝播速度が速い。したがって、容器63を介する衝撃波(矢印D2)は、隔膜80を介する衝撃波(矢印D1)と合わさって被加工物2に作用する。

【0105】
つまり、本実施形態の衝撃波加工装置61においては、衝撃波の伝播距離に基づく、衝撃波が被加工物2に作用するタイミングの差が、低音響インピーダンス材料により構成される隔膜80によって緩和されている。これにより、衝撃波発生室66において発生した衝撃波が、隔膜80によって衝撃波発生空間69に対して隔離された空洞64内の被加工物2に有効に作用する。なお、被加工物2に作用する衝撃波には、空洞64内において被加工物2を通過する等して空洞64を形成する壁面で反射した衝撃波等も含まれる。

【0106】
以上のように、本実施形態の衝撃波加工装置61によれば、前述した各実施形態における効果が得られることに加え、低音響インピーダンス材料によって構成される隔膜80により、被加工物2に対して異なる経路を介して作用する衝撃波について、伝播距離の差に基づく作用するタイミングの差を緩和することができ、被加工物2に対して有効に衝撃波を作用させることができる。また、隔膜80を介して被加工物2に作用する衝撃波については、低音響インピーダンス材料によって構成される隔膜80によって減衰を小さくすることができるので、この点からも被加工物2に対して有効に衝撃波を作用させることができる。

【0107】
本発明の第七実施形態について説明する。図9に示すように、本実施形態に係る衝撃波加工装置91は、被加工物92に衝撃波を作用させることにより、被加工物92を加工するものである。図9では、被加工物92として複数のジャトロファ(ナンヨウアブラギリ)の種子が示されている。ジャトロファの種子から精製された油は、植物性バイオディーゼル燃料の材料として使用される。

【0108】
衝撃波加工装置91は、被加工物92を収容する空洞94を形成する容器部93を備える。容器部93の内部空間である空洞94は、密閉空間として形成される。空洞94内には、衝撃波を伝播させる伝達媒体としての水95が充填される。

【0109】
容器部93は、全体として略筒状に構成され、その筒軸方向が上下方向(図9における上下方向)となるように設けられる。容器部93は、ステンレス製のケース(以下「上部ケース」という。)93aと、アルミニウム製のパイプ部材93bと、ステンレス製の蓋93cとを有し、全体的に高音響インピーダンス材料により構成される。

【0110】
容器部93においては、上部ケース93aは、筒状に構成され、この上部ケース93aの内周側に、筒状のパイプ部材93bが上部ケース93aに対して差し込まれた状態で設けられる。つまり、容器部93は、外周部分を構成する上部ケース93aと、内周部分を構成するパイプ部材93bとによる二層構造となっている。パイプ部材93bとしては、衝撃波を反射させる観点から、少なくとも20mm程度の厚さ(肉厚)を有するものが好適に用いられる。上部ケース93aおよびパイプ部材93bにより構成される筒状の部分における上側の開口部が、蓋93cによって塞がれる。

【0111】
したがって、衝撃波加工装置91においては、パイプ部材93bの内周面と蓋93cの下面とによって空洞94が形成され、この空洞94内には前記のとおり伝達媒体としての水95が充填される。このように、本実施形態の衝撃波加工装置91では、容器部93が、衝撃波を伝播させる伝達媒体としての水95が充填される空洞94を形成するとともに、水95よりも高い音響インピーダンスを有する高音響インピーダンス材料により構成される伝達容器部として機能する。

【0112】
そして、衝撃波加工装置91は、空洞94内に被加工物92を収容した状態で、容器部93が空洞94の外側から空洞94内に衝撃波を発生させるための衝撃を受けることにより、容器部93および水95を介して被加工物92に衝撃波を作用させる。

【0113】
空洞94内に収容される被加工物92は、例えばビニル袋やポリエチレン製の袋等の透明なフィルム状の保護材92aに入れられた状態で、図示せぬ支持部材によって空洞94における所定の位置にセットされる。ここで、被加工物92は、空洞94に対して、蓋93cによって塞がれる上部ケース93aおよびパイプ部材93bの上側の開口部から出し入れされる。

【0114】
なお、容器部93においては、パイプ部材93bが上部ケース93aに対して取外し可能に設けられ、被加工物92を支持した状態のパイプ部材93bが上部ケース93aに挿入されることで被加工物92がセットされる構成が採用されてもよい。また、被加工物92が入れられた保護材92aの内部は、被加工物92に対する衝撃波の伝達作用や被加工物92の保護作用を高める観点から、真空状態に減圧されることが好ましい。

【0115】
図9に示すように、本実施形態の衝撃波加工装置91においては、容器部93に、衝撃波発生室96が隣接形成されている。衝撃波発生室96は、伝達媒体としての水95が充填されるとともに衝撃波を発生させるための部屋である。衝撃波発生室96において発生した衝撃波が、水95および容器部93等を伝播して被加工物92に作用する。

【0116】
衝撃波発生室96は、樹脂を材料として構成されるハウジング98と、このハウジング98の外側の略全体を覆うステンレス製のケース(以下「下部ケース」という。)98aとを有する。ハウジング98により、衝撃波を発生させるための空間である衝撃波発生空間99が形成される。

【0117】
衝撃波発生空間99は、容器部93においてパイプ部材93b内に形成される空洞94と一体的な(連続した)空間を形成する。したがって、ハウジング98は、一側(図9において上側)が開口するように形成され、その開口する側が空洞94に臨むようにして設けられる。

【0118】
空洞94を形成するパイプ部材93bは、ハウジング98に対して、上側からハウジング98の開口端部に形成される凹部98bに嵌った状態で設けられる。パイプ部材93bがハウジング98の凹部98bに嵌った状態においては、空洞94を形成するパイプ部材93bの内周面と、衝撃波発生空間99を形成するハウジング98の内周面とにより略連続した内周面部が形成される。このように空洞94と衝撃波発生空間99とにより形成される一体的な空間に、水95が充填される。

【0119】
下部ケース98aは、パイプ部材93bの凹部98bに対する嵌合を許容するとともにハウジング98の略全体を外側から覆う。下部ケース98aの上側の部分の一部は、容器部93を構成する上部ケース93aとハウジング98とにより挟まれた状態となる。つまり、下部ケース98aにおいてハウジング98の上側を覆う部分の上側に、上部ケース93aが設けられる。

【0120】
本実施形態の衝撃波加工装置91は、衝撃波を発生させるための手段として、所定の間隔を隔てて互いに対向した状態で配置される一対の真鍮電極100を備える。一対の真鍮電極100は、それぞれ略円錐形状を有し、その頂点側を互いに対向させた状態で配置される。一対の真鍮電極100には、第一実施形態と同様に、コンデンサ等を有する電源部が導線101を介して接続される。

【0121】
一対の真鍮電極100は、それぞれハウジング98および下部ケース98aにおいて互いに対向する側壁部を水平方向(図9における左右方向)に貫通する導線101の先端部に支持されることで、衝撃波発生空間99内において対向した状態で設けられる。一対の真鍮電極100は、導線101が樹脂製のハウジング98に支持されることで容器部93に対して絶縁された状態で設けられる。したがって、ステンレス製の下部ケース98aを貫通する導線101は、下部ケース98aとの間に絶縁性の部材を介在させること等によって下部ケース98aに対して絶縁される。

【0122】
一対の真鍮電極100は、衝撃波発生空間99内において互いの先端の間に所定の間隔を隔てた(先端同士が接触しない)状態で設けられる。一対の真鍮電極100間に設けられる間隔は、衝撃波発生室96において充填される水95に対応して、例えば被加工物92に作用する衝撃波のエネルギーが最も大きくなるような寸法等に適宜設定される。

【0123】
このように、本実施形態では、衝撃波発生室96は、衝撃波を発生させるための手段として、所定の間隔を隔てて互いに対向した状態で配置される一対の真鍮電極100を備え、一対の真鍮電極100によって水95中で放電を行うことにより、衝撃波を発生させる。なお、衝撃波発生室96が備える真鍮電極100の数は限定されず、衝撃波発生室96において三個以上の真鍮電極100が備えられてもよい。

【0124】
また、衝撃波加工装置91においては、上述した容器部93および衝撃波発生室96を含む構成が、金属や樹脂等により構成されるケーシング102内に収容される。したがって、一対の真鍮電極100に接続される導線101は、ケーシング102外に延出されて、図示せぬ電源部に接続される。

【0125】
以上のような構成を備える本実施形態の衝撃波加工装置91は、次のような作用により、被加工物92の加工を行う。被加工物92の加工に際しては、一対の真鍮電極100間において、電源部から供給される電気により単発あるいは連続的なパルス放電が発生させられる。

【0126】
一対の真鍮電極100間にて生じた電気パルスによる衝撃力は、衝撃波発生空間99内の水95を介して衝撃波となって被加工物92に作用する。また、被加工物92に対しては、一対の真鍮電極100間から水95を介して直接的に作用する衝撃波のほか、容器部93や衝撃波発生室96を構成する部分を介する衝撃波も作用する。

【0127】
具体的には、一対の真鍮電極100間にて生じたパルス放電によって被加工物92に作用する衝撃波には、衝撃波発生空間99内からパイプ部材93b中(パイプ部材93bを構成する材料内)を弾性波として伝播してから空洞94内の水95を介して作用する衝撃波が含まれる。また、同じく被加工物92に作用する衝撃波には、衝撃波発生空間99内から、ハウジング98、下部ケース98a、上部ケース93a、蓋93c等を介して作用する衝撃波や、空洞94内において被加工物92を通過する等して空洞94を形成する壁面で反射した衝撃波等も含まれる。

【0128】
このようにして被加工物92に衝撃波が作用することにより、圧力変化の作用によって被加工物92が収縮し、続いてその反動で被加工物92が一気に膨張する。この衝撃波の作用による収縮と膨張により、被加工物92の細胞壁等が破壊され、被加工物92が軟化あるいは粉体化させられる。

【0129】
例えば、被加工物92がジャトロファの種子である場合、衝撃波加工装置91によって加工されたジャトロファの種子は、ほぼ原形を維持しつつ細胞壁等が破壊されることで軟化した状態となる。衝撃波加工装置91によって衝撃波の作用で軟化したジャトロファの種子によれば、前記のとおり植物性バイオディーゼル燃料の材料として使用される油を精製するに際し、本来の硬さを有するジャトロファの種子との比較において圧搾効率が向上し、圧搾に要する時間やエネルギー消費量や廃棄物の量を低減させることができる。

【0130】
このように、衝撃波加工装置91においては、容器部93内の被加工物92に対しては、被加工物92を取り囲む容器部93や衝撃波発生室96を構成する部材を介することで、空洞94内で反射する衝撃波を含め様々な方向から衝撃波が作用することとなるので、被加工物92に対して有効に衝撃波を作用させることができる。つまり、衝撃波を発生させるためのエネルギーを、効率的に衝撃波として被加工物92に作用させることができる。以上のように、本実施形態の衝撃波加工装置91によっても、比較的小さなエネルギーによっても被加工物92の加工に十分な強度の衝撃波を発生させることができ、汎用性の向上を図ることができる。

【0131】
なお、本実施形態の衝撃波加工装置91においては、第一実施形態と同様に、衝撃波発生室96の一対の真鍮電極100間に発生させるパルス放電の回数や大きさの調整により、被加工物92に作用させる衝撃波の負荷回数や衝撃波の大きさを調整することができる。

【0132】
また、本実施形態の衝撃波加工装置91においては、空洞94と衝撃波発生空間99とにより一体的な空間が形成されているが、空洞94と衝撃波発生空間99とが例えば前述したような高音響インピーダンス材料または低音響インピーダンス材料により構成される隔膜によって仕切られる構成が採用されてもよい。

【0133】
また、容器部93を構成する各部材の構成材料については、高音響インピーダンス材料であれは特に限定されない。したがって、例えば、ステンレス製の上部ケース93aについてはアルミニウム製等であってもよく、また、アルミニウム製のパイプ部材93bについてはステンレス鋼(SUS)製等であってもよく、また、ステンレス製の蓋93cについてはアルミニウム製等であってもよい。さらに、本実施形態の衝撃波加工装置91においては、被加工物92を収容するパイプ部材93bについて、その構成材料や肉厚の調整により、被加工物92に作用させる衝撃波の大きさ等を調整することができる。
【産業上の利用可能性】
【0134】
本発明は、軟化や製粉等を目的とした衝撃波による食品加工用の装置、衝撃波による殺菌用の装置、電子機器や家電製品等の各種機械の分解用の装置、その他の衝撃波を利用した加工装置全般に利用することが可能である。
【0135】
また、本発明に係る衝撃波加工装置によれば、例えば、山芋をとろろの状態にすることや、通常は硬くて食することができないパイナップルの芯の部分を柔らかくすることや、ハンバーグの生地を混ざった状態とすることや、野菜に漬物液を染み込ませること等を、瞬間的な処理により行うことができ、料理の下ごしらえや食品加工業について様々な利用可能性が見込まれる。
【0136】
また、本発明に係る衝撃波加工装置によれば、例えば、衝撃波によって米を粉体化させることで米粉を得るに際し、米を磨り潰したり叩いたりすることにより生じる摩擦熱によって味や風味を損なうことなく、また、衝撃波による殺菌作用によって米に付着する細菌をほぼ死滅させることができることから、良質で保存性の良い米粉を得ることができる。このため、本発明に係る衝撃波加工装置は、例えば、日本で自給率の低い小麦粉の代わりとなる米粉の製粉に好適に用いることができ、食料自給率の向上にも寄与することができることから、製粉業についても大きな利用可能性を有する。
【符号の説明】
【0137】
1 衝撃波加工装置
2 被加工物
3 容器(伝達容器部)
4 空洞
5 伝達媒体
6 衝撃波発生室
7 伝達媒体
10 電極
14 気泡発生装置(気泡発生手段)
22 打撃装置
42 爆薬
80 隔膜
91 衝撃波加工装置
92 被加工物
93 容器部(伝達容器部)
94 空洞
95 水
96 衝撃波発生室
100 真鍮電極
図面
【図1】
0
【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
4
【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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