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明細書 :光ルーティング方法およびその装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3964118号 (P3964118)
公開番号 特開2002-111584 (P2002-111584A)
登録日 平成19年6月1日(2007.6.1)
発行日 平成19年8月22日(2007.8.22)
公開日 平成14年4月12日(2002.4.12)
発明の名称または考案の名称 光ルーティング方法およびその装置
国際特許分類 H04B  10/02        (2006.01)
G02F   1/35        (2006.01)
H04Q   3/52        (2006.01)
FI H04B 9/00 T
G02F 1/35
H04Q 3/52 101Z
請求項の数または発明の数 2
全頁数 6
出願番号 特願2000-292871 (P2000-292871)
出願日 平成12年9月26日(2000.9.26)
審査請求日 平成14年2月28日(2002.2.28)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】小西 毅
【氏名】一岡 芳樹
個別代理人の代理人 【識別番号】100093230、【弁理士】、【氏名又は名称】西澤 利夫
審査官 【審査官】前田 典之
参考文献・文献 特開平11-046304(JP,A)
中津原克己,グレーティング装荷方向性結合器における全光スイッチング動作,電子情報通信学会通信ソサイエティ大会講演論文集2,日本,社団法人 電子情報通信学会,2000年 9月 7日,Vol.2000, ソサイエティB2,418頁
T.J.Xia at.al.,All-Optical Packet-Drop Demonstartion Using 100-Gb/s Words by Integrating Fiber-Based Components,IEEE Photonics Technology Letters,米国,IEEE,1988年 1月,Vol.10, No.1,page 153-155
調査した分野 H04B10/00 - 10/28
H04J14/00 - 14/08
G02F 1/35
H04Q 3/52
特許請求の範囲 【請求項1】
半透明鏡などの光分離部材により、パケット信号に含まれる信号光を反射し、ヘッダ認識信号を透過する、あるいはその逆を行うことにより、パケット信号を信号光とヘッダ認識信号とに分ける光学手段と、
ヘッダ認識信号を回折格子により分散させ、円筒レンズによりフーリエ変換することにより、ヘッダ認識信号のスペクトル分布を取得する光学手段と、
予め用意しておいた光ルータで転送対象とするパケット信号のヘッダ信号部分と同一の振幅と位相を有するスペクトル分布が入射したときにのみ単一超短パルス光のスペクトル分布を再生するように設計され、取得したヘッダ認識信号のスペクトル分布が入射される空間フィルタと、
再生されたスペクトル分布に対して円筒レンズにより逆フーリエ変換を行い、回折格子により分散を補償することによって、単一超短パルス光を得て、それを制御光として出力する光学手段と、
制御光と前記信号光とが入射したときに両光の間で形成される四光波混合による自己回折現象により反応が生じる非線形媒質またはカー効果あるいはフォトクロミック効果により反応が生じる光シャッタとを有し、
制御光と信号光との非線形媒質への同時入射により、前記光ルータで転送対象とするパケット信号のみの引き抜きが行われるようになっている光ルーティング装置。
【請求項2】
半透明鏡などの光分離部材により、パケット信号に含まれる信号光を反射し、ヘッダ認識信号を透過する、あるいはその逆を行うことにより、パケット信号を信号光とヘッダ認識信号とに分け、
ヘッダ認識信号を回折格子により分散させ、円筒レンズによりフーリエ変換することにより、ヘッダ認識信号のスペクトル分布を取得し、
得られたスペクトル分布を、予め用意しておいた光ルータで転送対象とするパケット信号のヘッダ信号部分と同一の振幅と位相を有するスペクトル分布が入射したときにのみ単一超短パルス光のスペクトル分布を再生するように設計した空間フィルタへ入射させて、入射スペクトル分布の振幅と位相が前記ヘッダ信号部分と同一である場合にのみ単一超短パルス光のスペクトル分布を再生し、
再生されたスペクトル分布に対して円筒レンズにより逆フーリエ変換を行い、回折格子により分散を補償することによって、単一超短パルス光を得て、それを制御光として出力し、
そして、この制御光と前記信号光とを、それら両光が入射したときに両光の間で形成される四光波混合による自己回折現象により反応が生じる非線形媒質またはカー効果あるいはフォトクロミック効果により反応が生じる光シャッタへ同時に入射させることにより、前記光ルータで転送対象とするパケット信号のみの引き抜きを行うことを特徴とする光ルーティング方法。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
この出願の発明は、光ルーティング方法およびその装置に関するものである。さらに詳しくは、この出願の発明は、光通信の全光ネットワークにおけるパケット信号の行き先を制御する光ルーティングに有用な、ヘッダ認識と信号の転送を超高速に行うことのできる、新しい光ルーティング方法および光ルーティング装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術とその課題】
光通信においては、インターネットの普及により、時間多重や波長多重などによる伝送容量の大容量化が進められており、その信号形態は基本的に超高速の時系列光信号である。また、伝送容量の大容量化に伴い、伝送情報に対する各種処理を超高速に行うことが必要になっている。現在の超高速処理システムでは、基本的に、超高速の光信号を電気信号に変換し(光/電気変換)、変換された電気信号を用いて各種処理を行い、得られた電気信号を光信号に変換している(電気/光変換)。
【0003】
ところで、光通信で伝送されてくる光信号を中継して次の行き先に転送する光ルーティングにおいては、伝送されてきたパケット信号中に含まれるヘッダ信号を超高速に認識する必要がある。しかしながら、従来は、このヘッダ認識を光/電気変換の後に行っており、光信号と電気信号間の変換における帯域のミスマッチが全体の処理能力を落とすという問題点があった。
【0004】
そこで、この出願の発明は、以上のとおりの事情に鑑みてなされたものであり、従来技術の問題点を解消し、光通信における光ルーティングに必要なヘッダ認識と信号の転送を超高速に行うことのできる、新しい光ルーティング方法およびその装置を提供することを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この出願の発明は、上記の課題を解決するものとして、半透明鏡などの光分離部材により、パケット信号に含まれる信号光を反射し、ヘッダ認識信号を透過する、あるいはその逆を行うことにより、パケット信号を信号光とヘッダ認識信号とに分ける光学手段と、ヘッダ認識信号を回折格子により分散させ、円筒レンズによりフーリエ変換することにより、ヘッダ認識信号のスペクトル分布を取得する光学手段と、予め用意しておいた光ルータで転送対象とするパケット信号のヘッダ信号部分と同一の振幅と位相を有するスペクトル分布が入射したときにのみ単一超短パルス光のスペクトル分布を再生するように設計され、取得したヘッダ認識信号のスペクトル分布が入射される空間フィルタと、再生されたスペクトル分布に対して円筒レンズにより逆フーリエ変換を行い、回折格子により分散を補償することによって、単一超短パルス光を得て、それを制御光として出力する光学手段と、制御光と前記信号光とが入射したときに両光の間で形成される四光波混合による自己回折現象により反応が生じる非線形媒質またはカー効果あるいはフォトクロミック効果により反応が生じる光シャッタとを有し、制御光と信号光との非線形媒質への同時入射により、前記光ルータで転送対象とするパケット信号のみの引き抜きが行われるようになっている光ルーティング装置(請求項1)を提供する。
【0007】
またさらに、この出願の発明は、半透明鏡などの光分離部材により、パケット信号に含まれる信号光を反射し、ヘッダ認識信号を透過する、あるいはその逆を行うことにより、パケット信号を信号光とヘッダ認識信号とに分け、ヘッダ認識信号を回折格子により分散させ、円筒レンズによりフーリエ変換することにより、ヘッダ認識信号のスペクトル分布を取得し、得られたスペクトル分布を、予め用意しておいた光ルータで転送対象とするパケット信号のヘッダ信号部分と同一の振幅と位相を有するスペクトル分布が入射したときにのみ単一超短パルス光のスペクトル分布を再生するように設計した空間フィルタへ入射させて、入射スペクトル分布の振幅と位相が前記ヘッダ信号部分と同一である場合にのみ単一超短パルス光のスペクトル分布を再生し、再生されたスペクトル分布に対して円筒レンズにより逆フーリエ変換を行い、回折格子により分散を補償することによって、単一超短パルス光を得て、それを制御光として出力し、そして、この制御光と前記信号光とを、それら両光が入射したときに両光の間で形成される四光波混合による自己回折現象により反応が生じる非線形媒質またはカー効果あるいはフォトクロミック効果により反応が生じる光シャッタへ同時に入射させることにより、前記光ルータで転送対象とするパケット信号のみの引き抜きを行うことを特徴とする光ルーティング方法(請求項2)を提供する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、添付した図面に沿って実施例を示し、この出願の発明の実施の形態について詳しく説明する。
【0009】
【実施例】
図1は、この出願の発明の光ルーティング方法を説明するフローチャートであり、図2は、その光ルーティング方法を実行する光ルーティング装置の要部構成を例示したものである。以下、これら図1および図2を用いてこの出願の発明について説明する。
【0010】
<ステップS1>まず、パケット信号を信号光(2)とヘッダ認識信号(3)とに分ける。これは、たとえば半透明鏡(4)など、パケット信号に含まれる信号光(2)を反射し、ヘッダ認識信号(3)を透過する、あるいはその逆を行うことのできる光学手段により行われる。パケット信号は、たとえば超高速光通信用の超短パルス光からなる。
【0011】
<ステップS2>続いて、ヘッダ認識信号(3)をヘッダ認識系(1)へ入射させる。このヘッダ認識系(1)では、まず、ヘッダ認識信号(3)のスペクトル分布(7)を得る。これは、たとえば、ヘッダ認識信号(3)を回折格子(5)により分散させ、円筒レンズ(6)によりフーリエ変換することによって行われる。
【0012】
<ステップS3>得られたスペクトル分布(7)を空間フィルタへ入射させる。この空間フィルタは、予め用意しておいた光ルータで転送対象とするパケット信号に含まれるヘッダ信号部分と同一の振幅と位相を有するスペクトル分布が入射したときにのみ単一超短パルス光のスペクトル分布を再生するように設計したものであり、入射スペクトル分布(7)の振幅と位相がヘッダ信号部分と同一である場合にのみ、単一超短パルス光のスペクトル分布が再生される。
【0013】
図2の実施例では、このような空間フィルタの一例として、光ルータで転送対象とするパケット信号に含まれるヘッダ信号部分のスペクトル分布の振幅および位相と同一の振幅および位相を有する単一超短パルス光のスペクトル分布を参照光として記録しており、ヘッダ認識信号(3)のスペクトル分布(7)と参照光である単一超短パルス光のスペクトル分布とが同一である場合にのみ、単一超短パルス光のスペクトル分布を再生するホログラム(8)を用いている。このホログラム(8)以外にも、上述の再生機能を有するように設計された計算機ホログラムや合成識別関数フィルタ(SDFと呼ばれる多信号識別相関フィルタ)などを用いることができる。
【0014】
<ステップS4>次いで、再生されたスペクトル分布の単一超短パルス光を制御光として出力する。具体的には、たとえば、再生スペクトル分布に対して円筒レンズ(9)により逆フーリエ変換を行い、回折格子(10)により分散を補償することによって、単一超短パルス光を得て、それを制御光(11)として出力する。
【0015】
<ステップS5>出力された制御光(11)は、信号光(2)と同時に、非線形媒質(15)へ入射される。非線形媒質(15)は、信号光(2)と制御光(11)とが入射したときにのみ反応が生じるものであり、たとえば、制御光(11)と信号光(2)との間で形成される四光波混合による自己回折現象により反応が生じるものや、カー効果あるいはフォトクロミック効果により反応が生じる光シャッタなどを用いることができる。また、両光の同時入射は、たとえば、鏡(12)と直角プリズム(13)と鏡(14)などで構成された光路差調整系により信号光(2)の光路長を調整することによって実現できる。
【0016】
そして、この両光の非線形媒質(15)への入射により、光ルータが転送対象とするパケット信号のみの引き抜きが選択的に行われる。すなわち、光ルータが転送対象とするパケット信号については、上述したように、ヘッダ認識系(1)から制御光(11)が出力され、非線形媒質(15)へ入射されるので、非線形媒質(15)が反応して、光ルータによる転送が行われ、他方、光ルータが転送対象としないパケット信号については、制御光(11)が出力されず、信号光(2)のみが非線形媒質(15)へ入射するため、非線型媒質(15)が反応せず、そのまま通過することとなる。
【0017】
以上のように、この出願の発明では、従来のような電気的な処理を行うことなく、光通信における光ルーティングに必要なヘッダ認識と信号の転送を超高速に行うことができるのである。
【0018】
もちろん、この発明は以上の例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能である。
【0019】
【発明の効果】
以上詳しく説明した通り、この出願の発明によって、光通信における光ルーティングに必要なヘッダ認識と信号の転送を超高速に行うことのできる、新しい光ルーティング方法およびその装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】この出願の発明の光ルーティング方法を説明するフローチャートである。
【図2】この出願の発明の光ルーティング方法を実行する光ルーティング装置を例示した要部構成図である。
【符号の説明】
1 ヘッダ認識系
2 信号光
3 ヘッダ認識信号
4 半透明鏡
5 回折格子
6 円筒レンズ
7 スペクトル分布
8 ホログラム
9 円筒レンズ
10 回折格子
11 制御光
12 鏡
13 直角プリズム
14 鏡
15 非線形媒質
図面
【図1】
0
【図2】
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