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明細書 :液体ヘリウム供給装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3628954号 (P3628954)
公開番号 特開2002-130596 (P2002-130596A)
登録日 平成16年12月17日(2004.12.17)
発行日 平成17年3月16日(2005.3.16)
公開日 平成14年5月9日(2002.5.9)
発明の名称または考案の名称 液体ヘリウム供給装置
国際特許分類 F17C  9/02      
FI F17C 9/02
請求項の数または発明の数 3
全頁数 4
出願番号 特願2000-328021 (P2000-328021)
出願日 平成12年10月27日(2000.10.27)
審査請求日 平成12年10月27日(2000.10.27)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】武田 常広
個別代理人の代理人 【識別番号】100099265、【弁理士】、【氏名又は名称】長瀬 成城
審査官 【審査官】一ノ瀬 覚
参考文献・文献 特開平07-243712(JP,A)
実開平03-060698(JP,U)
調査した分野 F17C 5/00 - 9/04
F17C 13/00
特許請求の範囲 【請求項1】
液体ヘリウム貯留槽と、液体ヘリウム容器と、ヘリウムガスボンベとを備え、前記ヘリウムガスボンベは液体ヘリウム容器内に配置された熱交換器に接続され、さらに熱交換器はトランスファーチューブを介して液体ヘリウム貯留槽に接続され、前記ヘリウムガスボンベから供給されたヘリウムガスは液体ヘリウム容器内に収容された液体ヘリウムにより前記熱交換器で気液体混合状態にまで冷却され、冷却された気液混合状態のヘリウムガスが前記トランスファーチューブを介して前記液体ヘリウム貯留槽に供給されるべく構成したことを特徴とする液体ヘリウム供給装置。
【請求項2】
前記ヘリウムガスボンベから供給するヘリウムガスは、前記ヘリウムガスボンベと前記液体ヘリウム容器とを接続する流路内に配置されたヘリウムガス流量制御装置によりガス流量が制御されるべく構成されていることを特徴とする請求項1に記載の液体ヘリウム供給装置。
【請求項3】
前記ヘリウムガス流量制御装置は手動または自動によって制御されるべく構成されていることを特徴とする請求項2に記載の液体ヘリウム供給装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、極低温の液体ヘリウムを使用する各種システム(たとえば脳磁気計測システム、心磁図、MRI装置など、極低温における様々の材料物性の開発評価研究等に適用できるシステム)内に液体ヘリウムを供給するための液体ヘリウム供給装置に関するものであり、特に脳磁気計測システム内で使用する脳磁計を極低温に維持するための液体ヘリウム貯留槽等の極低温液体貯留槽に、脳磁計等の計測装置の運転を中断することなく、液体ヘリウムを定流量で連続して供給が可能な液体ヘリウム供給装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
人間の脳から発生する磁界を検出する脳磁気計測システムの開発が進められている。このシステムでは脳の活動を高時空間分解能で非侵襲的に計測できるSQUID(超電導量子干渉素子)が利用されており、このSQUIDは断熱された槽内に貯留されている液体ヘリウムに侵漬され、冷却された状態で用いられる。
【0003】
上記システムに使用している液体ヘリウム貯留槽では、同槽から蒸発したヘリウムガスはほとんどの場合大気に開放しているため、槽内の液体ヘリウムは時間の経過とともに減少する。このため、減少した分の液体ヘリウムを補う必要があるが、この液体ヘリウム供給方法として、液体ヘリウムを貯留槽内に直接充填する方法、あるいは液体ヘリウムコンテナからヘリウムガスの背圧を利用して供給する方法等が一般的である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記各供給方法は、液体ヘリウムを補充するための作業が極めて煩雑である上に、業者に依頼する場合にはコストが嵩む、また、液体ヘリウム供給の際に計測を一時中断する必要がある、さらに、背圧を使用した方法では加圧供給となるため液体ヘリウム充填効率が低下する等の問題がある。
こうした問題を解消するために、液体ヘリウム貯留槽で減少した液体ヘリウムを自動的に供給する液体ヘリウム自動供給装置も提案されているが、この装置は蒸発したヘリウムガスを冷凍機により凝縮し、液化した液体ヘリウムをリザーバタンクを介して液体ヘリウム貯留槽に計測装置に供給する必要があるため、「ヘリウム凝縮用冷凍機」、「液体ヘリウムリザーバタンク」、「これに伴う複雑な配管」等が必要となり、装置本体が大きくなり高価となる。
【0005】
そこで本発明は、液体ヘリウム貯留槽へ液体ヘリウムを供給する際に計測を中断することなく、連続的に液体ヘリウムを定量的に供給できる液体ヘリウム供給装置を提供し、上記問題点を解決することを目的とする。
本発明は、液体ヘリウム貯留槽にトランスファーチューブを接続し、そのトランスファーチューブ片端に熱交換部を設け、さらに熱交換部を液体ヘリウム容器内に設置し、その熱交換部へは流量制御可能な装置に接続されたヘリウムガスボンベからヘリウムガスを供給するようにしている。この結果、例えばヘリウムガスボンベから1.5リットル/分でガスが流されると、そのガスは液体ヘリウム容器中の熱交換部で冷却される。冷却されたヘリウムガスは気液混合状態となり、この状態で液体ヘリウム貯留槽に供給される。この時、供給される気液混合状態のヘリウムガス量は非常に微量であるため、液体ヘリウム貯留槽内に貯留されている液体ヘリウムおよび気槽部を攪乱することがなく、この結果連続的に液体ヘリウムを貯留槽内に供給することが可能となる。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明が採用した課題解決手段は、
液体ヘリウム貯留槽と、液体ヘリウム容器と、ヘリウムガスボンベとを備え、前記ヘリウムガスボンベは液体ヘリウム容器内に配置された熱交換器に接続され、さらに熱交換器はトランスファーチューブを介して液体ヘリウム貯留槽に接続され、前記ヘリウムガスボンベから供給されたヘリウムガスは液体ヘリウム容器内に収容された液体ヘリウムにより前記熱交換器で気液体混合状態にまで冷却され、冷却された気液混合状態のヘリウムガスが前記トランスファーチューブを介して前記液体ヘリウム貯留槽に供給されるべく構成したことを特徴とする液体ヘリウム供給装置である。
また、前記ヘリウムガスボンベから供給するヘリウムガスは、前記ヘリウムガスボンベと前記液体ヘリウム容器とを接続する流路内に配置されたヘリウムガス流量制御装置によりガス流量が制御されるべく構成されていることを特徴とする液体ヘリウム供給装置である。
また、前記ヘリウムガス流量制御装置は手動または自動によって制御されるべく構成されていることを特徴とする液体ヘリウム供給装置である。
【0007】
【実施の形態】
以下図面を参照して本発明に係わる液体ヘリウム供給装置を説明すると図1は同装置の概略構成図である。
図1において、1は計測装置を収容する断熱製の液体ヘリウム貯留槽であり、この貯留槽1には液体ヘリウム8が貯留されている。また同槽2にはトランスファーチューブ2が接続され、トランスファーチューブ2の端部は同貯留槽1内に於いてバッフル板1aによって支持固定されている。また液体ヘリウム貯留槽1には同槽内で蒸発したヘリウムガスを大気に放出するための放出チューブ9が取り付けられ、この放出チューブ9には蒸発ヘリウムガス流量計7が設けられている。
【0008】
前記トランスファーチューブ2の他端側は、液体ヘリウム容器4内に収容され、さらに熱交換部3に接続されている。液体ヘリウム容器4内には図に示すように液体ヘリウム貯留槽内に収容されている液体ヘリウム8と同じ液体ヘリウム8が密閉状態で収容されており、この液体ヘリウム8内に前記熱交換部3が浸漬配置されている。熱交換部3は、液体ヘリウム容器4外に配置されたヘリウムガス流量制御装置5に接続され、同制御装置5はヘリウムガスボンベ6に接続されている。なお、熱交換部3は、液体ヘリウム8によって熱交換部3内を流れるヘリウムガスを所定の温度にまで冷却できる構造のものであれば、どのような構成のものでもよい。
【0009】
ヘリウムガス流量制御装置5はヘリウムガスボンベから液体ヘリウム容器4に供給するヘリウムガス量を制御するための装置であり、この装置によって液体ヘリウム貯留槽に対するヘリウムガスの供給量を適量に制御することが可能となる。ヘリウムガス流量制御装置5は手動または自動で制御可能なものを使用することができ、たとえば前記蒸発ヘリウムガス流量計7による情報に応じて図示せぬ制御機器からの指令によってヘリウムガス流量制御装置5を制御することも可能である。
【0010】
この液体ヘリウム供給装置では、装置内で蒸発したヘリウムガスは蒸発ヘリウムガス流量計7を経由して大気に開放されているため、液体ヘリウム貯留槽内の液体ヘリウムは蒸発した分だけ減少することになる。しかし、この減少分はヘリウムガスボンベ6からヘリウムガス流量制御装置5を介して熱交換部3で気液混合状態となったヘリウムガスをトランスファーチューブ2から液体ヘリウム貯留槽1内に充填することで補われることになる。
上記のように本発明では、液体ヘリウム貯留槽内に配置されている計測装置を停止することなく、連続的にしかも安定して液体ヘリウムを供給できるため、連続長時間の計測が可能となる。また、装置が極めてシンプルであるがため、装置コストも安価となる。
【0011】
なお、本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいかなる形でも実施できる。そのため、前述の実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず限定的に解釈してはならない。
【0012】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように本発明によれば、
ヘリウムガスボンベから液体ヘリウム容器に供給するヘリウムガス量をヘリウムガス流量制御装置によって自由に制御できるため、ヘリウムガス供給時に液体ヘリウム貯留槽内に貯留されている液体ヘリウムおよび気槽部を攪乱することがない。この結果連続的に液体ヘリウムを貯留槽内に供給することが可能となり、極低温状態に置かれる計測装置の運転を中断することなく、液体ヘリウムを定流量で供給することはできる。
液体ヘリウム自動供給装置が必要としている「ヘリウムガス凝縮用冷凍機」、「液体ヘリウムリザーバタンク」、「これに伴う複雑な配管」等が不要となり、装置本体を小型化することができ、しかも装置コストを安価にできる。
液体ヘリウムを補充するための作業が不要となる。
等の優れた効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる液体ヘリウム供給装置の概略構成図である。
【符号の説明】
1 液体ヘリウム貯留槽
1a バッフル板
2 トランスファーチューブ
3 熱交換部
4 液体ヘリウム容器
5 ヘリウムガス流量制御装置
6 ヘリウムガスボンベ
7 蒸発ヘリウムガス流量計
8 液体ヘリウム
9 放出チューブ
図面
【図1】
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