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明細書 :マイクロカプセル化ルイス酸

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3976503号 (P3976503)
登録日 平成19年6月29日(2007.6.29)
発行日 平成19年9月19日(2007.9.19)
発明の名称または考案の名称 マイクロカプセル化ルイス酸
国際特許分類 C07F   5/00        (2006.01)
B01J  31/26        (2006.01)
B01J  13/04        (2006.01)
C07C  33/30        (2006.01)
C07C  49/84        (2006.01)
C07C  69/732       (2006.01)
C07C  69/738       (2006.01)
C07C 211/45        (2006.01)
C07C 225/16        (2006.01)
C07C 255/31        (2006.01)
C07C 255/42        (2006.01)
C07D 263/26        (2006.01)
C07D 491/048       (2006.01)
FI C07F 5/00 F
B01J 31/26 Z
B01J 13/02 A
C07C 33/30
C07C 49/84 C
C07C 69/732 Z
C07C 69/738 Z
C07C 211/45
C07C 225/16
C07C 255/31
C07C 255/42
C07D 263/26
C07D 491/048
請求項の数または発明の数 9
全頁数 12
出願番号 特願2000-531452 (P2000-531452)
出願日 平成11年2月12日(1999.2.12)
国際出願番号 PCT/JP1999/000626
国際公開番号 WO1999/041259
国際公開日 平成11年8月19日(1999.8.19)
優先権出願番号 1998031880
優先日 平成10年2月13日(1998.2.13)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成14年11月29日(2002.11.29)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】小林 修
個別代理人の代理人 【識別番号】100093230、【弁理士】、【氏名又は名称】西澤 利夫
審査官 【審査官】関 美祝
参考文献・文献 Shu Kobayashi et al.,A Microencapsulated Lewis Acid. A New Type of Polymer-Supported Lewis Acid Catalyst of Wide Utility in Organic Synthesis,J. Am. Chem. soc.,1998年,Vol.120, No.12,P.2985-2986
長山敏他,マイクロカプセル化ルイス酸触媒,日本化学会講演予稿集,1998年,Vol.74th, No.2,P.752
調査した分野 B01J 21/00 - 37/36
JST7580(JDream2)
JSTPlus(JDream2)
特許請求の範囲 【請求項1】
ルイス酸が有機ポリマーのマイクロカプセルに担持されているマイクロカプセル化ルイス酸であって、ルイス酸は、スカンジウム、イットリウムおよびランタニドのいずれかの希土類金属の化合物である希土類トリフルオロメタンスルホネートであり、有機ポリマーは、ベンゼン環を持つ実質的に非架橋のポリマーであることを特徴とするマイクロカプセル化ルイス酸。
【請求項2】
粒子またはその集合体としてある請求項1のマイクロカプセル化ルイス酸。
【請求項3】
有機ポリマーが、付加重合により形成されたものである請求項1のマイクロカプセル化ルイス酸。
【請求項4】
有機ポリマーが、ベンゼン環を側鎖に持つ実質的に非架橋のポリマーである請求項1から3のいずれかのマイクロカプセル化ルイス酸。
【請求項5】
有機ポリマーが、ポリスチレンである請求項4のマイクロカプセル化ルイス酸。
【請求項6】
ルイス酸が、スカンジウムトリフルオロメタンスルホネートである請求項1から5のいずれかのマイクロカプセル化ルイス酸。
【請求項7】
請求項1から6のいずれかのマイクロカプセル化ルイス酸からなることを特徴とするマイクロカプセル化ルイス酸触媒。
【請求項8】
ルイス酸をマイクロカプセル化法により有機ポリマーのマイクロカプセルの形成とともにマイクロカプセルに担持するマイクロカプセル化ルイス酸の製造方法であって、ルイス酸は、スカンジウム、イットリウムおよびランタニドのいずれかの希土類金属の化合物である希土類トリフルオロメタンスルホネートであり、有機ポリマーは、ベンゼン環を持つ実質的に非架橋のポリマーであることを特徴とするマイクロカプセル化ルイス酸の製造方法。
【請求項9】
マイクロカプセル化法が相分離法である請求項8のマイクロカプセル化ルイス酸の製造方法。
発明の詳細な説明 技術分野
この出願の発明は、ルイス酸を高分子ゲルの網目構造の中に封じ込めたマイクロカプセル化ルイス酸に関するものである。このマイクロカプセル化ルイス酸は、ルイス酸がポリマーカプセルの表面や内部に固定化され、一定の空間内に閉じこめられた状態のもので、有機合成上触媒となるものである。
背景技術
従来より、有機ポリマーに担持された触媒の開発が、有機合成にとって極めて重要な課題になっている。それと言うのも、有機ポリマーに担持された触媒は、その調製、反応生成物との分離等の点において経済性に優れ、工業的応用が期待されるからであり、反面では、これまでにもポリマー担持触媒のいくつかが報告されているが、その触媒活性は担持しないものに比べて低く、高い活性を持つ有機ポリマー担持の触媒を実現することは極めて困難であったからである。
【0001】
一方、ルイス酸は、その特徴のある触媒活性と反応選択性の点で注目され、しかもより温和な条件下での触媒反応を可能とするものとして工業的にも極めて有用なものであることが知られている。しかし、水溶液中では分解したり回収再利用が難しく、ポリマーに担持させた場合でも同様である。例えば、塩化アルミを架橋有機ポリマーに担持させた触媒は知られているが、当該触媒は1度目の使用後反応系から回収は容易なるも2度目以降の反応系からの回収が困難になり、再利用ができない。
【0002】
このように、従来のルイス酸触媒においては、反応系の調製、反応生成物との分離、その回収と再利用等の点において必ずしも容易でなく、有機ポリマーに担持させた場合でも回収と再利用が難しく経済的にも満足できる状況にないという問題があった。
【0003】
そこで、この出願の発明においては、従来のポリマー担持触媒の技術的限界を克服し、しかも工業的有用性の大きなルイス酸触媒について、反応系の調製や、反応生成物との分離とその回収にともなう問題点をも解決するものとして、これまでに知られていない新規なポリマー担持マイクロカプセル化ルイス酸を提供するとともに、このものからなる触媒を提供することを課題としている。
発明の開示
この出願は、上記の課題を解決するために、第1の発明として、ルイス酸が有機ポリマーのマイクロカプセルに担持されているマイクロカプセル化ルイス酸であって、ルイス酸は、スカンジウム、イットリウムおよびランタニドのいずれかの希土類金属の化合物である希土類トリフルオロメタンスルホネートであり、有機ポリマーは、ベンゼン環を持つ実質的に非架橋のポリマーであることを特徴とするマイクロカプセル化ルイス酸を提供する。
【0004】
また、この出願は、前記第1の発明について、第2の発明として、粒子またはその集合体としてマイクロカプセル化ルイス酸を、第3の発明として、有機ポリマーが、付加重合により形成されたものであるマイクロカプセル化ルイス酸を、第4の発明として、有機ポリマーが、ベンゼン環を側鎖に持つ実質的に非架橋のポリマーであるマイクロカプセル化ルイス酸を、第5の発明として、有機ポリマーが、ポリスチレンであるマイクロカプセル化ルイス酸を、第6の発明として、ルイス酸が、スカンジウムトリフルオロメタンスルホネートであるマイクロカプセル化ルイス酸を提供する。
【0005】
そして、この出願は、第の発明として、以上の第1~第の発明のマイクロカプセル化ルイス酸からなることを特徴とするルイス酸触媒を提供する。
【0006】
さらにまた、この出願は、第の発明として、ルイス酸をマイクロカプセル化法により有機ポリマーのマイクロカプセルの形成とともにマイクロカプセルに担持するマイクロカプセル化ルイス酸の製造方法であって、ルイス酸は、スカンジウム、イットリウムおよびランタニドのいずれかの希土類金属の化合物である希土類トリフルオロメタンスルホネートであり、有機ポリマーは、ベンゼン環を持つ実質的に非架橋のポリマーであることを特徴とするマイクロカプセル化ルイス酸の製造方法を、第の発明として、マイクロカプセル化法が相分離法であるマイクロカプセル化ルイス酸の製造方法をも提供する。
【0007】
本発明による有機ポリマーに担持されたマイクロカプセル化ルイス酸は、ルイス酸がカプセル表面に配置され、またカプセル内部の入り組んだ空間に閉じこめられ内包された担持状態でポリマー上に露出し、触媒として反応に関与する。
発明を実施するための最良の形態
この出願の発明は、以上のとおりの特徴を有するものであるが、以下にその実施の形態について説明する。
【0008】
ポリマー担持のルイス酸については、これまでにもいくつかの例が報告されている(Neckers,D.C.et al,J.Am.Chem.Soc.1972,94,9284;Drago,R.S.et al,J.Am.Chem.Soc.1988,110,3311;Clark,J.H.et al,J.Chem.Soc.,Chem.Commun.1995,2037他)。また、この出願の発明者らによっても報告されている(Kobayashi,S.et al,J.Org.Chem.1996,61,2256;KobayaShi,S.et al,J.Am.Chem.Soc.1996,118,8977)。
しかしながら、これらのポリマー担持ルイス酸の触媒活性は、いずれも担持していない状態のルイス酸に比べて触媒活性が低いという問題があった。
【0009】
また、特開平6-296855号公報に有機ポリマーのマイクロカプセルが記載されている。しかしながら、このマイクロカプセルは破裂性のもので、再利用できず、殻壁内にルイス酸を物理的に収納するものである。
【0010】
これに対し、この出願の発明である前記のとおりの、ルイス酸が有機ポリマーのマイクロカプセルに担持されている形態のマイクロカプセル化ルイス酸は、その製造、調製が容易で、しかも驚くべきことに高い触媒活性を示し、反応生成物からの分離回収と再利用が可能で、各種の有機合成反応に利用することができる。このマイクロカプセル化ルイス酸は、従来の有機ポリマー担持のものとは本質的に相違している。
【0011】
有機ポリマーのマイクロカプセルは、これまでにも医薬品等の分野において知られているものであるが、ルイス酸をマイクロカプセル化したものやそれを触媒等へ利用することはこの発明により初めて提示されることになる。
【0012】
この発明のマイクロカプセル化ルイス酸では、たとえば粒径が数μmからナノメートルオーダーの微粒子もしくはその集合体として提供可能とされる。ルイス酸は、マイクロカプセルの有機ポリマーに担持されることになり、その担持の形態は、ルイス酸が粒子もしくはその集合体の表面へ配置され、カプセル内部の入り組んだ空間にも閉じこめられ内包された担持状態でポリマー上に露出して配置される。また、集合体においてルイス酸は、粒子同士の接触状態においても内包されたルイス酸が露出等の状態で見られ、これらの形態においてルイス酸として作用し、担持しないルイス酸の場合に比べてその作用は安定化し、さらにはより高い触媒活性等を示すことになる。
【0013】
有機ポリマーについては、マイクロカプセル化が可能とされるものであれば架橋されたものでも非架橋のものでも使用できるが、実質的に非架橋のものが好ましく、さら望ましくは付加重合により形成されたものが適当なものである。より具体的には、芳香族環、望ましくはベンゼン環を持つ実質的に非架橋のポリマー、例えば、ポリスチレン、スチレン・アクリロニトリル共重合体、スチレン・MMA共重合体が挙げられる。
【0014】
ベンゼン環を持つ有機ポリマーのマイクロカプセルにルイス酸が担持されていることの特徴は、構造としては、ルイス酸とベンゼン環のπ電子との相互作用がより触媒的に有効に働くものとして考慮される。
【0015】
実質的に非架橋のポリマーは、特に架橋剤を加えて架橋化反応を行ったものではないポリマーをいい、ポリマーの製造段階で少数の架橋構造が生成したものを排除するものではない。すなわち溶媒に不要なゲル状架橋高分子を実質的に含まないものが考慮される。
【0016】
有機ポリマーが芳香族環を持つ場合には、その分子構造における芳香族環は、いわゆるポリマーの主鎖を形成するものでも、あるいは側鎖として存在するものであってもよい。なかでも、ルイス酸とベンゼン環のπ電子との相互作用の観点からは、たとえば、ポリスチレンあるいはスチレンと他のモノマーとの共重合体やブロック重合体の場合、付加重合により形成されたものであってベンゼン環が側鎖として存在している有機ポリマーがより好ましいものとして挙げられる。
芳香族環を持つ有機ポリマーの分子構造は、芳香族環を持つものであればポリオレフィン構造、ポリエステル構造、ポリエーテル構造、ポリアミド構造等の各種の構造であってよい。そして各種モノマーの共重合体であってもよい。その分子量についても特に制限はないが、一般的には、たとえば重量平均分子量として、10,000~2,000,000程度のものが使用できる。
【0017】
ルイス酸のこれら有機ポリマーのマイクロカプセルへの担持については各種の方法によるものであってよく、簡便な方法としては、界面重合法、相分離法(コアセルベーション法)、界面沈殿法等が知られている。なかでも、この発明においては、相分離法(コアセルベーション法)が好ましい方法として適用される。
【0018】
この発明のマイクロカプセル化ルイス酸を構成するルイス酸については、電子対受容体として定義されるものであって、このルイス酸は各種のものでよく、たとえばAIC13、BF3等周知のものも使用可能であるが、この発明においては、スカンジウム(Sc)、イットリウム(Y)ランタニド(Ln)系の希土類金属の有機金属化合物、例えば希土類トリフルオロメタンスルホネート、即ちスカンジウムトリフルオロメタンスルホネート(スカンジウムトリフレート)、イットリウムトリフレート、ランタニド(Ln=La,Ce,Pr,Nd,Sm,Eu,Gd,Tb,Dy,HoEr,Tm,Yb,Lu)トリフレートが好ましいものとして例示される。なかでも、発明者らが見出した水相においても安定なスカンジウム(Sc)化合物が特に好ましいものとして例示され、その中で代表的なものがスカンジウムトリフレート(Scandium trifate:Sc(OTf)3)である。
【0019】
ルイス酸の有機ポリマーマイクロカプセルへの担持量については特に限定はなく、ルイス酸並びに有機ポリマーの種類と、マイクロカプセル化ルイス酸の使用目的、用途に応じて選択することができる。たとえば一般的には、重量平均分子量10,000~2,000,000程度の前記ポリマーを用いる場合には、ルイス酸/有機ポリマー(重量比)は、1/100以上、より望ましくは1/3以下1/50以上を目安とすることができる。
【0020】
この発明においては、以上のようなマイクロカプセル化ルイス酸は、各種有機合成反応のための触媒等として使用される。
【0021】
触媒として回分(バッチ)反応方式、連続(フロー)反応方式のいずれの態様においても使用可能であって、たとえば、イミノアルドール反応、マンニッヒ型反応、アルドール反応、マイケル反応、フリーデルクラフツ反応等の各種の有機合成反応に使用される。そして、この発明の触媒は、その反応活性が高く、ルイス酸を担持することなく単独で使用する場合よりも高い反応収率(選択性)をもたらすことも認められ、反応後の回収により再使用する場合にも高い反応活性を示すという極めて顕著な作用が認められる。
【0022】
もちろん、反応生成物からの分離による回収は、固体(粒子)としての回収が可能であって極めて容易である。
実施例
そこで以下に実施例を示し、さらに詳しくこの発明の実施の形態について説明するが、本発明はそれらに限定されるものではない。
【0023】
実施例1
この発明のマイクロカプセル化ルイス酸を以下の手順に調製した。相分離(コアセルベーション)マイクロカプセル化方法がこの手順において採用された。
【0024】
まず、ポリスチレン(重量平均分子量280,000)(1.000g)をシクロヘキサン(20ml)に40℃の温度において溶解し、次いで、得られた溶液にスカンジウムトリフレート(Sc(OTf)3)(0.200g)を添加した。
【0025】
分離混合液を同温度において1時間攪拌し、0℃までゆっくりと冷却した。相分離(コアセルベーション)が生じ、スカンジウムトリフレートはポリスチレンに覆われる状態となった。そこで、ヘキサン(30ml)を添加し、マイクロカプセルの粒子壁部を硬化させた。
【0026】
さらに1時間攪拌し、マイクロカプセル粒状物をアセトニトリルにより数回洗浄した。その後、50℃において乾燥した。
【0027】
以上のプロセスにおいて、0.08gのスカンジウムトリフレートが回収されたことから、0.120gのスカンジウムトリフレートがマイクロカプセルに担持されたことが確認された。
【0028】
このマイクロカプセル化ルイス酸の全重量は1.167gであった(アセトニトリル含有)。
【0029】
次の表1のIR(KBr)吸収スペクトルが確認された。
【0030】
【表1】
JP0003976503B2_000002t.gif 走査型電子顕微鏡(SEM)およびスカンジウムエネルギー分散X線(EDX)マップによると、厳密な意味でのマイクロカプセル構造は特定できないものの、微小粒子が相互に密着した状態にあることと、スカンジウムトリフレートがポリマーマイクロカプセル表面に配置されていることが認められた。
実施例2
実施例1において調製した、マイクロカプセル化ルイス酸を触媒として、表2のとおりのイミノアルドール反応を行った。
【0031】
反応は、0.120gのスカンジウムトリフレート含有のマイクロカプセル状粒状物:MC Sc(OTf)3を用い、アセトニトリル溶媒中において循環カラムによる連続法(フロー法)により、室温で3時間行った。
【0032】
すなわち、前記MC Sc(OTf)3(1.167g)を触媒とし、このものをカラム(1.6×15cm)に装入、アセトニトリル(10ml)を添加した。アルジミン(0.50mmol)とシリルエノレート(0.60mmol)のアヤトニトリル(5ml)の混合物を加え、溶液を室温において3時間循環させた。
溶液を回収し、減圧濃縮した。粗生成物をシリカゲルクロマトグラフにより精製した。
【0033】
触媒としてのマイクロカプセル化ルイス酸:MC Sc(OTf)3は回収して7度にわたり再利用した。
【0034】
表2には反応の収率をも示した。
【0035】
【表2】
JP0003976503B2_000003t.gif 極めて高い収率で反応生成物のアミノカルボニル化合物が合成されること、さらには触媒の再利用によっても収率が低下しないことが確認された。
【0036】
このことによって、この発明の触媒が全く予期することのできない極めて顕著な作用効果を奏することがわかる。
実施例3
実施例2と同様にして、次の表3のとおりの三成分原料系のマンニッヒ型反応を行った。
【0037】
実施例2と同様に、表3に示したとおりの高い収率が得られ、しかも触媒の再利用によっても収率が低下しないことも確認された。
【0038】
【表3】
JP0003976503B2_000004t.gif実施例4
実施例1により調製されたマイクロカプセル化ルイス酸:MC Sc(OTf)3を触媒として用い、回分方式により表4のとおりのアルドール反応を行った。反応時間は6時間とした。
【0039】
表4に示したように、90%以上の高い収率でヒドロキシカルボニル化合物が合成され、触媒の再利用時にも、たとえば3度目の使用時に収率95%という、極めて高い水準が維持されることが確認された。
【0040】
【表4】
JP0003976503B2_000005t.gif実施例5
実施例4と同様にして、表5のとおりのマイケル反応を回分(バッチ)方式により行った。
【0041】
この発明のマイクロカプセル化ルイス酸触媒を用いることにより、表5に示したように、高い反応収率が、触媒の再利用によっても維持されることが確認された。
【0042】
【表5】
JP0003976503B2_000006t.gif実施例6
実施例4と同様にしてフリーデルタラフツ アシル化反応を表6のとおりに行った。
【0043】
反応は、ニトロメタン中において、LiClO4の共存下に、50℃の温度で6時間行った。
【0044】
表6のように、3度目の触媒の再利用時にも81%収率が得られ、高水準の収率が維持されることが確認された。
【0045】
【表6】
JP0003976503B2_000007t.gif実施例7
実施例7に示したとおりの、アルデヒドのアリル化反応を行った。反応は、回分(バッチ)方式で、次の手順により行った。
【0046】
すなわち、実施例1において調製した。スカンジウムトリフレート(0.120g)含有のマイクロカプセル化ルイス酸:MC Sc(OTf)3(1.167g)を触媒とし、このものに、アルデヒド(0.50mmol)とテトラアリル錫(0.30mmol)とのアセトニトリル(5ml)混合物を室温において混合した。
【0047】
混合物を、同温度において2時間攪拌した。濾別後、濾液を減圧濃縮し、粗生成物をシリカゲルクロマトグラフにより精製した。
回収した触媒は3度にわたり再使用した。
【0048】
表7には反応の収率を示した。
【0049】
【表7】
JP0003976503B2_000008t.gif 90%以上の収率が再使用においても維持されることが確認された。
実施例8
実施例7と同様にして、表8のとおりの、アルデヒドのシアノ化反応を行った。
【0050】
この発明の触媒が、再使用によっても高い収率を保つことが確認された。
【0051】
【表8】
JP0003976503B2_000009t.gif実施例9
実施例7と同様にして、表9のとおりの、デイールズーアルダー反応を行った。
【0052】
この発明のポリマー担持触媒の優れた触媒活性と、再使用時でのその持続性が確認された。
【0053】
【表9】
JP0003976503B2_000010t.gif実施例10
実施例2と同様にして、表10のとおりの、アザ(Aza)デイールズーアルダー反応を行った。
【0054】
触媒の再使用によっても高い収率が維持されることが確認された。
【0055】
【表10】
JP0003976503B2_000011t.gif実施例11
実施例2を同様にして、表11のとおりのシアノ化反応を行った。
【0056】
触媒の再使用によっても初回と同水準の収率が維持されていることがわかる。
【0057】
【表11】
JP0003976503B2_000012t.gif実施例12
実施例11において、表12のとおりの三成分原料の使用によって、シアノ化反応を行った。
【0058】
触媒の再使用においては、初回よりも高い収率が得られた。
【0059】
【表12】
JP0003976503B2_000013t.gif実施例13
実施例2と同様にして、表13のとおりのアリル化反応を行った。
高い反応収率が、触媒の再使用によっても維持されることが確認された。
【0060】
【表13】
JP0003976503B2_000014t.gif実施例14
実施例2と同様にして、表14のとおりのキノリン合成を行った。
【0061】
高い反応収率が、触媒の再使用時にも維持されることが確認された。
【0062】
【表14】
JP0003976503B2_000015t.gif実施例15
実施例2のイミノアルドール反応において、この発明のマイクロカプセル化ルイス酸触媒:MC Sc(OTf)3と、ポリマーに担持しないSc(OTf)3触媒とを各々用いて触媒活性を比較した。
【0063】
反応使用時のSc(OTf)3の量は同じ0.120gとした。
反応時間と収率との関係を示したものが図1である。この発明の触媒(図中のA)の場合、反応活性は高く、イミノアルドール反応は、担持していないルイス酸触媒としてのSc(OTf)3の場合(図中のB)に比べて、はるかにすみやかに進行していることがわかる。
発明の効果
以上詳しく説明したとおり、この出願の発明により、各種の有機合成反応の触媒等として有用なルイス酸がポリマーマイクロカプセルに担持されて、その調製、回収、再使用が容易で、しかも触媒としての活性も高く、再使用時にも活性が維持されるという極めて顕著な作用効果が奏せられる。
【図面の簡単な説明】
図1は、実施例15の反応活性の比較を例示した図である。
図面
【図1】
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