TOP > 国内特許検索 > 光増幅器 > 明細書

明細書 :光増幅器

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4183225号 (P4183225)
公開番号 特開2002-252397 (P2002-252397A)
登録日 平成20年9月12日(2008.9.12)
発行日 平成20年11月19日(2008.11.19)
公開日 平成14年9月6日(2002.9.6)
発明の名称または考案の名称 光増幅器
国際特許分類 H01S   3/06        (2006.01)
C03C  13/04        (2006.01)
G02B   6/00        (2006.01)
H01S   3/094       (2006.01)
H01S   3/10        (2006.01)
FI H01S 3/06 B
C03C 13/04
G02B 6/00 376A
H01S 3/094 S
H01S 3/10 Z
請求項の数または発明の数 2
全頁数 8
出願番号 特願2001-047098 (P2001-047098)
出願日 平成13年2月22日(2001.2.22)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 2000年9月3日 (社)応用物理学会発行の「2000年(平成12年)秋季 第61回応用物理学会学術講演会 講演予稿集 第2分冊」に発表
審判番号 不服 2007-001575(P2007-001575/J1)
審査請求日 平成16年4月28日(2004.4.28)
審判請求日 平成19年1月17日(2007.1.17)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】藤本 靖
【氏名】中塚 正大
個別代理人の代理人 【識別番号】100089635、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 守
参考文献・文献 特開平4-265251(JP,A)
特開平5-63284(JP,A)
藤本靖他、「1.3μm帯におけるBiドープシリカガラスの新しい発行特性」、電子情報通信学会論文誌 C、2000年4月、Vol.J83-C、No.4、p.354-p.355
調査した分野 H01S 3/00-3/02,3/04-3/095,3/098-3/102,3/105-3/131,3/136-3/20,3/23-4/00
IEEE
Science Direct
JSTPlus(JDream2)
Scitation
特許請求の範囲 【請求項1】
(a)0.8μm帯の励起用半導体レーザと、
(b)Biをドープした石英ガラス〔xBi2 3 -yAl2 3 -(1-x-y)SiO2 〕が、モル%でBi2 3 は0.1から10.0%、Al2 3 は2から20%で、かつ、x<yであり、前記0.8μm帯の励起により、1.3μm帯域での蛍光を得るBiドープシリカガラス蛍光材料を有する光ファイバを具備することを特徴とする光増幅器。
【請求項2】
請求項記載の光増幅器において、前記半導体レーザはGaAlAs系半導体レーザであることを特徴とする光増幅器。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、光増幅器に係り、特に、シングルモード光ファイバの1.3μm帯の信号光増幅に有用な、Bi(ビスマス)ドープ石英ガラスを用いた光増幅器に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
情報通信における光伝送路として主に使用されている光ファイバは、伝送距離や帯域の観点からシングルモード光ファイバが主流である。その光の波長としては1.3μm帯と1.5μm帯があり、特に、通信系には、1.3μm帯が使われている。1.3μm帯は石英ファイバが零分散を示す波長であり、伝送歪みの少ない光通信が可能である。1.5μm帯における伝送では分散を補償した特殊な光ファイバを用いることで歪みを低減させるためコスト高になる。長距離に光信号を伝送する光ファイバ伝送システムは、途中、光信号を増幅するために光ファイバ増幅器を有している。光を光のままで増幅する方式として、1.5μm帯ではエルビウム(Er)をドープした光ファイバ増幅器やラマン増幅器が実用化されている。
【0003】
図10は従来の半導体光増幅器の構成図である。
【0004】
この図において、101は入射端、102,105は光ファイバ、103は入力光信号、104は半導体レーザ、106は出力光信号、107は出射端である。入力光信号103は半導体レーザ104によって増幅され、出射端107から出力される。
【0005】
図11は従来の光ファイバ増幅器の構成図である。
【0006】
この図において、111は入射端、112,115,117は通常の光ファイバ、113は入力光信号、114は励起部としての半導体レーザ、116は増幅部(希土類ドープファイバ)、118は出力光信号、119は出射端である。半導体レーザ114からの励起光を増幅部116へ送ると、この増幅部116からは増幅された出力光信号118が出射端119から出力される。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記したエルビウムをドープした光ファイバ増幅器は1.3μm帯の増幅には適していない。このためプラセオジム(Pr)をドープしたフッ素系の光ファイバ増幅器が開発された(特開平5-75191号,特開平7-149538号参照)。
【0008】
しかしながら、それはフッ化物系のファイバであるため、伝送路に使われている石英系ファイバとのマッチングの問題やコストアップの課題がある。
【0009】
また、ネオジム(Nd)ドープファイバは、1.3μm帯ではESA(Excited State Absorption:励起状態吸収)の影響が大きく効率が悪くなる。
【0010】
また、ラマン増幅器はその効率が高々5%である。
【0011】
本発明は、上記問題点を除去し、高効率の1.3μm帯の増幅に適した光増幅器を提供することを目的とする。
【0012】
また、光を励起する半導体レーザとして、0.8μm帯のGaAlAs系半導体レーザが使用できれば、小型、安価で実用的な光増幅器の励起用光源になる。
【0013】
本発明は、0.8μm帯の励起で、1.3μm帯の光信号増幅器を作ることにある。
【0014】
本願発明者らは、既にBiドープ石英ガラスに関する提案をしている(特開平11-29334号)。これは、石英ガラスにゼオライトを均一に分散し、ゼオライトのユニットセル内の中央にBiがクラスタ化されてドープされているものである。
【0015】
また、吸収ピークとして500nmと700nmを示し、800nm近辺はない。Biドープの光増幅器の研究を進め、組成、製法で先行した既出願とは異なり、本発明では、0.8μm帯で1.3μm帯の発光する増幅器材料を見い出した。
【0016】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、
〕光増幅器において、0.8μm帯の励起用半導体レーザと、Biをドープした石英ガラス〔xBi2 3 -yAl2 3 -(1-x-y)SiO2 〕が、モル%でBi2 3 は0.1から10.0%、Al2 3 は2から20%で、かつ、x<yであり、前記0.8μm帯の励起により、1.3μm帯域での蛍光を得るBiドープシリカガラス蛍光材料を有する光ファイバを具備することを特徴とする。
【0017】
〕上記〔〕記載の光増幅器において、前記半導体レーザはGaAlAs系半導体レーザであることを特徴とする。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の実施の形態を詳細に説明する。
【0019】
まず、ガラス作製について説明する。
【0020】
Bi2 3 ,Al2 3 ,SiO2 の各粉末(市販品)を所望のモル比になるように秤量し、乳鉢にて粉砕・混合する。実験では合計2gにした。それから、それを石英るつぼに入れ、1750℃で、1時間保持し、徐冷して板状のガラスを作製した。
【0021】
図1は本発明にかかるBi(ビスマス)をドープした石英ガラスの組成図である。
【0022】
xBi2 3 -yAl2 3 -(1-x-y)SiO2 であり、
モル%でBi2 3 は0.1から10.0%、Al2 3 は2から20%で、かつx<yであり、三角形のほぼ左半分に対応する。
【0023】
なお、これは、x<yの領域がクリアなガラスになる。SiO2 が80%以下では石英系ガラスの特性が損なわれる。これは、Bi、特に、Bi+5からの発光であると思われる。
【0024】
(実施例1)
モル比でBi2 3 :Al2 3 :SiO2 =0.3:2.2:97.5(重量比で2.3:3.7:94)、833nmでの発光特性を図2に示す。
【0025】
この図2において、横軸は波長(nm)、縦軸は強度(相対単位)を示している。
【0026】
ここで、その分光透過特性は、図3に示される。この図において、横軸は波長(nm)、縦軸は透過度(%)を示している。
【0027】
この図から明らかなように、泡が多くその透過度は30%と低い。これは端面反射の影響もあるが、1.3μm帯では自己吸収がない。
【0028】
また、X線回折は図4に示されるが、試料が非晶質であることを示している。
【0029】
更に、図5に示されるように、室温での蛍光寿命は630μsと長い。従来の結晶では、数μsであることからすると、随分と長い蛍光寿命を有する。
【0030】
(実施例2)
モル比でBi2 3 :Al2 3 :SiO2 =3:7:90(重量比で18.6:9.5:72)、833nmでの発光特性は、図6に示される。この図6において、横軸は波長(nm)、縦軸は強度(相対単位)を示している。
【0031】
分光透過特性は、図7に示される。この図7において、横軸は波長(nm)、縦軸は透過度(%)を示している。その透過度は端面反射の影響で80%が上限である。
【0032】
(実施例3)
モル比でBi2 3 :Al2 3 :SiO2 =1.5:3.5:95(重量比で10.3:5.3:84)、833nmでの発光特性は、図8に示される。この図8においては、横軸は波長(nm)、縦軸は強度(相対単位)を示している。
【0033】
(実施例4)
モル比でBi2 3 :Al2 3 :SiO2 =6:14:80(重量比で31:15.8:53)、833nmでの発光特性は、図9に示される。この図9においては、横軸は波長(nm)、縦軸は強度(相対単位)を示している。
【0034】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0035】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0036】
(A)Biをドープした石英ガラスからなる光ファイバでもって、伝送歪みの少ない1.3μm帯の増幅器を構成することが可能である。
【0037】
(B)石英系であるので伝送の石英ファイバとの融着接続等のマッチングが良好である。
【0038】
(C)通常のガラス製作プロセス・材料と同じであり低価格である。
【0039】
(D)高出力のレーザ媒質としての応用が可能である。
【0040】
(E)出力光の半値幅が、300nmと広く(Erドープ光ファイバの5~6倍)、広い帯域をカバーすることができる。
【0041】
(F)光を励起する半導体レーザとして、0.8μm帯のGaAlAs系半導体レーザが使用できるので、小型、安価で実用的な光増幅器の励起用光源を構成することができる。つまり、0.8μm帯の励起で、1.3μm帯の光信号増幅器を構築することができる。
【0042】
(G)量子効率が60~70%であり、従来のラマン増幅器(量子効率が高々5%)よりも高い効率を望むことができる。
【0043】
(H)分散補償ファイバを使わなくても良く、低コストである。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明にかかるBi(ビスマス)をドープした石英ガラスの組成図である。
【図2】 本発明の第1実施例の833nmでの発光特性図である。
【図3】 本発明の第1実施例の分光透過特性図である。
【図4】 本発明の第1実施例のX線回折特性図である。
【図5】 本発明の第1実施例のスペクトル特性の要約図である。
【図6】 本発明の第2実施例の833nmでの発光特性図である。
【図7】 本発明の第2実施例の分光透過特性図である。
【図8】 本発明の第3実施例の833nmでの発光特性図である。
【図9】 本発明の第4実施例の833nmでの発光特性図である。
【図10】 従来の半導体光増幅器の構成図である。
【図11】 従来の光ファイバー増幅器の構成図である。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10