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明細書 :二脚歩行式人型ロボット

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3682525号 (P3682525)
公開番号 特開2002-361575 (P2002-361575A)
登録日 平成17年6月3日(2005.6.3)
発行日 平成17年8月10日(2005.8.10)
公開日 平成14年12月18日(2002.12.18)
発明の名称または考案の名称 二脚歩行式人型ロボット
国際特許分類 B25J  5/00      
B25J 13/00      
FI B25J 5/00 F
B25J 5/00 E
B25J 13/00 Z
請求項の数または発明の数 10
全頁数 14
出願番号 特願2001-173263 (P2001-173263)
出願日 平成13年6月7日(2001.6.7)
審査請求日 平成15年4月9日(2003.4.9)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】古田 貴之
【氏名】富山 健
【氏名】北野 宏明
個別代理人の代理人 【識別番号】100082876、【弁理士】、【氏名又は名称】平山 一幸
審査官 【審査官】八木 誠
参考文献・文献 特開2001-239479(JP,A)
特開2001-138271(JP,A)
特開平11-48170(JP,A)
調査した分野 B25J1/00-21/02
特許請求の範囲 【請求項1】
胴体部と、胴体部の下部両側に取り付けられた脚部と、胴体部の上部両側に取り付けられた腕部と、胴体部の上端に取り付けられた頭部と、を備えており、
上記脚部が、胴体部に対して三軸方向に揺動可能に取り付けられた二つの大腿部と、各大腿部の下端に対してそれぞれ一軸方向に揺動可能に取り付けられた下腿部と、各下腿部の下端に対して二軸方向に揺動可能に取り付けられた足部と、を含んでいて、
上記腕部が、上記胴体部に対して二軸方向に揺動可能に取り付けられた二つの上腕部と、各上腕部に対してそれぞれ一軸方向に揺動可能に取り付けられた下腕部と、各下腕部に対して二軸方向に揺動可能に取り付けられた手部と、を含んでおり、
また上記胴体部が、途中の前屈部にて前屈可能に構成されていて、
さらに、上記脚部の足部,下腿部,大腿部そして上記腕部の手,下腕部及び上腕部そして前屈部をそれぞれ揺動させる駆動手段と、各駆動手段をそれぞれ駆動制御する制御部と、を有している二脚歩行式人型ロボットにおいて、
上記腕部の上腕部及び下腕部の間の肘部外側と、上記腕部の下腕部と手部の間の手首部外側と、上記足部の爪先部下側と、上記足部の踵部下側と、上記足部の大腿部及び下腿部の間の膝部外側と、上記胴体部の尻部,背中部と、にそれぞれ接触検知部を備え、
各接触検知部が、それぞれ外装表面を構成する外装部と、この外装部に作用する圧力を検知する圧力センサと、この外装部に作用する衝撃を緩和する衝撃吸収材と、から構成されており、
上記制御部が、上記各接触検知部の圧力センサからの検出信号に基づいて転倒した状態を判別することを特徴とする、二脚歩行式人型ロボット。
【請求項2】
前記各接触検知部における圧力センサ及び衝撃吸収材が一体に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の二脚歩行式人型ロボット。
【請求項3】
前記各接触検知部における外装部,圧力センサ及び衝撃吸収材が一体に構成されていることを特徴とする、請求項1に記載の二脚歩行式人型ロボット。
【請求項4】
前記各接触検知部における外装部が最も外側に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の二脚歩行式人型ロボット。
【請求項5】
前記各接触検知部における圧力センサが最も外側に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の二脚歩行式人型ロボット。
【請求項6】
前記各接触検知部における衝撃吸収材が最も外側に配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の二脚歩行式人型ロボット。
【請求項7】
前記胴体部,腕部の上腕部,下腕部,脚部の大腿部,下腿部が、凸状の曲面形状から成る外装表面を有していることを特徴とする、請求項1に記載の二脚歩行式人型ロボット。
【請求項8】
前記足部が、下腿部に対して前後方向に関して-20乃至+20度の角度範囲で揺動可能であり、
前記下腿部が、大腿部に対して前後方向に関して0乃至+60度の角度範囲で揺動可能であって、
また、前記大腿部が、胴体部に対して前後方向に関して0乃至+45度の角度範囲で揺動可能であり、
さらに、前記胴体部が、前後方向に関して0乃至+30度の角度範囲で前屈可能であることを特徴とする、請求項1に記載の二脚歩行式人型ロボット。
【請求項9】
前記脚部の足部,下腿部,大腿部をそれぞれ揺動させるための駆動手段が、互いに足部,下腿部及び大腿部の揺動を妨げないように、相互に斜めに配置されていることを特徴とする、請求項1に記載の二脚歩行式人型ロボット。
【請求項10】
前記制御部が、転倒した状態に対する動作パターンに基づいて転倒後の起き上がり動作を行うように、前記各駆動手段をそれぞれ駆動制御することを特徴とする、請求項1~9の何れかに記載の二脚歩行式人型ロボット。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二脚歩行式人型ロボットに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、所謂二脚歩行式人型ロボットは、前もって設定された歩行パターン(以下、歩容という)データを生成して、この歩容データに従って歩行制御を行なって、所定の歩行パターンで脚部を動作させることにより二脚歩行を実現するようにしている。
ところで、このような二脚歩行式人型ロボットは、例えば床面状況,ロボット自体の物理パラメータの誤差等によって歩行の際の姿勢が不安定になりやすく、場合によっては転倒してしまうことがある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の二脚歩行式人型ロボットは、できるだけ転倒しないように設計はしてあるが、転倒時に受け身動作を行なったり転倒した状態から起き上がるようには設計されていない。
即ち、従来の二脚歩行式人型ロボットは、転倒時に、各部に作用する衝撃を緩和させたり、転倒した状態を検出するようには設計されていない。
また、従来の二脚歩行式人型ロボットは、胴体部や脚部,腕部の外装表面が比較的平坦な面により構成されていることから、このため、転倒時の起き上がり動作を行なわせようとしても、動的且つ円滑な動作遷移を実現することは困難であった。
【0004】
さらに、二脚歩行式人型ロボットに前転等の床面上での運動を行なわせる場合にも、同様の問題があった。
【0005】
本発明は、以上の点にかんがみて、転倒時等に各部に作用する衝撃を緩和させると共に、転倒状態を検出するようにした二脚歩行式人型ロボットを提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的は、本発明によれば、胴体部と、胴体部の下部両側に取り付けられた脚部と、胴体部の上部両側に取り付けられた腕部と、胴体部の上端に取り付けられた頭部とを備えており、上記脚部が、胴体部に対して三軸方向に揺動可能に取り付けられた二つの大腿部と、各大腿部の下端に対してそれぞれ一軸方向に揺動可能に取り付けられた下腿部と、各下腿部の下端に対して二軸方向に揺動可能に取り付けられた足部とを含んでいて、上記腕部が、胴体部に対して二軸方向に揺動可能に取り付けられた二つの上腕部と、各上腕部に対してそれぞれ一軸方向に揺動可能に取り付けられた下腕部と、各下腕部に対して二軸方向に揺動可能に取り付けられた手部とを含んでおり、また上記胴体部が途中の前屈部にて前屈可能に構成されていて、さらに、上記脚部の足部,下腿部,大腿部そして上記腕部の手,下腕部及び上腕部そして前屈部をそれぞれ揺動させる駆動手段と、各駆動手段をそれぞれ駆動制御する制御部とを有している二脚歩行式人型ロボットにおいて、上記各腕部の上腕部及び下腕部の間の肘部外側と、上記各腕部の下腕部と手部の間の手首部外側と、上記足部の爪先部下側と、上記足部の踵部下側と、上記足部の大腿部及び下腿部の間の膝部外側と、上記胴体部の尻部,背中部と、にそれぞれ接触検知部を備え、各接触検知部が、それぞれ外装表面を構成する外装部と、この外装部に作用する圧力を検知する圧力センサと、この外装部に作用する衝撃を緩和する衝撃吸収材と、から構成されており、上記制御部が、上記各接触検知部の圧力センサからの検出信号に基づいて転倒した状態を判別することを特徴とする二脚歩行式人型ロボットにより達成される。
【0007】
本発明による二脚歩行式人型ロボットは、好ましくは、上記各接触検知部における圧力センサ及び衝撃吸収材が一体に構成されている。
【0008】
本発明による二脚歩行式人型ロボットは、好ましくは、上記各接触検知部における外装部,圧力センサ及び衝撃吸収材が一体に構成されている。
【0009】
本発明による二脚歩行式人型ロボットは、好ましくは、上記各接触検知部における外装部が最も外側に配置されている。
【0010】
本発明による二脚歩行式人型ロボットは、好ましくは、上記各接触検知部における圧力センサが最も外側に配置されている。
【0011】
本発明による二脚歩行式人型ロボットは、好ましくは、上記各接触検知部における衝撃吸収材が最も外側に配置されている。
【0012】
本発明による二脚歩行式人型ロボットは、好ましくは、上記胴体部,腕部の上腕部,下腕部,脚部の大腿部,下腿部が、凸状の曲面形状から成る外装表面を有している。
【0013】
本発明による二脚歩行式人型ロボットは、好ましくは、上記足部が、下腿部に対して前後方向に関して-20乃至+20度以上の角度範囲で揺動可能であり、上記下腿部が、大腿部に対して前後方向に関して0乃至+60度以上の角度範囲で揺動可能であって、また、上記大腿部が、胴体部に対して前後方向に関して0乃至+45度以上の角度範囲で揺動可能であり、さらに、上記胴体部が、前後方向に関して0乃至+30度以上の角度範囲で前屈可能である。
【0014】
本発明による二脚歩行式人型ロボットは、好ましくは、上記脚部の足部,下腿部,大腿部をそれぞれ揺動させるための駆動手段が、互いに足部,下腿部及び大腿部の揺動を妨げないように、相互に斜めに配置されている。前記制御部は、転倒した状態に対する動作パターンに基づいて転倒後の起き上がり動作を行うように、前記各駆動手段をそれぞれ駆動制御する。
【0015】
上記構成によれば、二脚歩行式人型ロボットが転倒する際、あるいは前転等の床面上での運動を行なう場合に、床面等に衝突し得る部分、即ち各腕部の上腕部及び下腕部の間の肘部外側と、上記各腕部の下腕部と手部の間の手首部外側と、上記足部の爪先部下側と、上記足部の踵部下側と、上記足部の大腿部及び下腿部の間の膝部外側と、上記胴体部の尻部,背中部と、にそれぞれ接触検知部が備えられているので、これらの部分が床面等に衝突したとしても、接触検知部の衝撃吸収材によって衝突による衝撃が吸収されることになる。
従って、転倒時等における二脚歩行式人型ロボットの各部における内部構造に対する衝撃が緩和され、転倒時等に各部が破損するようなことはない。
【0016】
そして、二脚歩行式人型ロボットの転倒時に、上記各部のうち床面等に接触している部分の接触検知部の圧力センサが圧力を検知することによって制御部により二脚歩行式人型ロボットの転倒状態が把握される。従って、制御部が、現在の転倒状態に基づいて、駆動手段を駆動制御して、腕部及び脚部を適宜に動作させることにより、転倒するときに受け身動作を行なったり、起き上がり動作によって、二脚で立ち上がった状態に移行することができる。
【0017】
上記各接触検知部における圧力センサ及び衝撃吸収材が一体に構成されている場合、または上記各接触検知部における外装部,圧力センサ及び衝撃吸収材が一体に構成されている場合は、各接触検知部が簡単な構成で容易に組み立てられ得る。
【0018】
上記各接触検知部における外装部が最も外側に配置されている場合には、二脚歩行式人型ロボットの転倒の際に各接触検知部が床面等に衝突したとしても、外装部が直接に床面等により接触し、内側の圧力センサ,衝撃吸収材さらに内部構造を衝撃から保護することができる。
【0019】
上記各接触検知部における圧力センサが最も外側に配置されている場合には、二脚歩行式人型ロボットの転倒の際に、各接触検知部の圧力センサが床面等に直接に接触し、圧力センサが床面等への接触を確実に検出することができる。
【0020】
上記各接触検知部における衝撃吸収材が最も外側に配置されている場合には、二脚歩行式人型ロボットの転倒の際に各接触検知部が床面等に衝突したとしても、衝撃吸収材が直接に床面等により接触して衝撃が確実に吸収され、内側の外装部,圧力センサ及び内部構造を衝撃から保護することができる。
【0021】
上記胴体部,腕部の上腕部,下腕部,脚部の大腿部,下腿部が凸状の曲面形状から成る外装表面を有している場合には、二脚歩行式人型ロボットの転倒状態からの起き上がり動作の際に、これらの曲面形状の外装表面が床面等に接触し、起き上がり動作を円滑に行なうことができる。
【0022】
上記足部が、下腿部に対して前後方向に関して-20乃至+20度以上の角度範囲で揺動可能であり、上記下腿部が、大腿部に対して前後方向に関して0乃至+60度以上の角度範囲で揺動可能であって、また、上記大腿部が、胴体部に対して前後方向に関して0乃至+45度以上の角度範囲で揺動可能であり、さらに、上記胴体部が、前後方向に関して0乃至+30度以上の角度範囲で前屈可能である場合には、二脚歩行式人型ロボットの転倒状態からの起き上がり動作の際に、上述した動作範囲により確実に起き上がり動作を行なうことができる。
【0023】
上記脚部の足部,下腿部,大腿部をそれぞれ揺動させるための駆動手段が、互いに足部,下腿部及び大腿部の揺動を妨げないように相互に斜めに配置されている場合には、二脚歩行式人型ロボットの転倒状態からの起き上がり動作の際に、脚部の足部,下腿部及び大腿部が互いに干渉することなく揺動可能であるので、確実に起き上がり動作を行なうことができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示した実施形態に基づいて、この発明を詳細に説明する。
図1乃至図2は、本発明による二脚歩行式人型ロボットの一実施形態の構成を示している。
図1において、二脚歩行式人型ロボット10は、胴体部11と、胴体部11の下部両側に取り付けられた脚部12L,12Rと、胴体部の上部両側に取り付けられた腕部13L,13Rと、胴体部の上端に取り付けられた頭部14と、を含んでいる。
【0025】
上記胴体部11は、上部11aと下部11bとに分割されており、上部11aが前屈部11cにて下部11bに対して前後方向に揺動可能に、特に前方に前屈可能に支持されている。さらに、上記胴体部11には後述する制御部が内蔵されている。なお、上記前屈部11cは関節駆動用モータ(図2参照)により構成されている。
【0026】
上記脚部12L,12Rは、それぞれ大腿部15L,15R,下腿部16L,16R及び足部17L,17Rと、から構成されている。
ここで、上記脚部12L,12Rは、図2に示すように、それぞれ六個の関節部、即ち上方から順に、胴体部11に対する腰の脚部回旋用の関節部18L,18R、腰のロール方向(x軸周り)の関節部19L,19R、腰のピッチ方向(y軸周り)の関節部20L,20R、大腿部15L,15Rと下腿部16L,16Rの接続部分である膝部21L,21Rのピッチ方向の関節部22L,22R、足部17L,17Rに対する足首部のピッチ方向の関節部23L,23R、足首部のロール方向の関節部24L,24Rを備えている。
なお、各関節部18L,18R乃至24L,24Rは、それぞれ関節駆動用モータにより構成されている。
【0027】
このようにして、腰関節は、上記関節部18L,18R,19L,19R,20L,20Rから構成され、また足関節は、関節部23L,23R,24L,24Rから構成されることになる。
これにより、二脚歩行式人型ロボット10の左右両側の脚部12L,12Rはそれぞれ6自由度を与えられることになり、歩行中にこれらの12個の関節部をそれぞれ駆動モータにより適宜の角度に駆動制御することにより、脚部12L,12R全体に所望の動作を与えて、任意に三次元空間を歩行することができるように構成されている。
【0028】
上記腕部13L,13Rは、それぞれ上腕部25L,25R,下腕部26L,26R及び手部27L,27Rと、から構成されている。
ここで、上記腕部13L,13Rの上腕部25L,25R,下腕部26L,26R及び手部27L,27Rは、上述した脚部12L,12Rと同様にして、それぞれ関節部により一軸方向または二軸方向に揺動可能に支持されており、各関節部はそれぞれ関節駆動用モータにより構成されている。
このようにして、二脚歩行式人型ロボット10の左右両側の腕部13L,13Rは、それぞれ適宜の自由度を与えられて各種動作を行なう。
【0029】
上記頭部14は、胴体部11の上部11aの上端に取り付けられており、例えば視覚としてのカメラや聴覚としてのマイクが搭載されている。
【0030】
以上の構成は、従来の二脚歩行式人型ロボットとほぼ同様の構成であるが、本発明実施形態による二脚歩行式人型ロボット10においては、以下の点で異なる構成になっている。
即ち、二脚歩行式人型ロボット10は、図1に示すように、上述した胴体部11の上部11a,下部11b、脚部12L,12Rの大腿部15L,15R,下腿部16L,16Rそして腕部13L,13Rの上腕部25L,25R,下腕部26L,26Rが、それぞれ例えば発泡スチロール等の耐衝撃性材料により形成された凸状の曲面形状から成る外装表面を備えている。
【0031】
さらに、二脚歩行式人型ロボット10は、転倒時に床面等に衝突し得る部分、即ち上記各腕部13L,13Rの上腕部25L,25R及び下腕部26L,26Rの間の肘部28L,28Rの外側と、上記各腕部13L,13Rの下腕部26L,26Rと手部27L,27Rの間の手首部29L,29Rの外側と、上記足部17L,17Rの下面中央,爪先部30L,30Rの下側,踵部31L,31Rの下側及び膝部21L,21Rの外側と、上記胴体部11の下部11bの後側である尻部32及び上部11aの後側である背中部33と、にそれぞれ接触検知部40を備えている。
【0032】
この接触検知部40は、図3に示すように、外装表面を構成する外装部41と、外装部41の内側に配置された圧力センサ42と、さらにその内側に配置された衝撃吸収材43と、から構成されている。
【0033】
上記外装部41は、例えば発泡スチロール等の耐衝撃性材料等から構成されており、上述した各部と同様に凸状の曲面形状から構成されている。
上記圧力センサ42は、当該接触検知部40が二脚歩行式人型ロボット10の転倒時等にて床面等に接触しているとき、接触圧力を検出して、その検出信号を後述する制御部に出力するようになっている。
上記衝撃吸収材43は、例えばソルボセイン等から構成されており、当該接触検知部40が二脚歩行式人型ロボット10の転倒時等により床面等に衝突したとき、その衝撃を吸収するようになっている。
なお、上記接触検知部40は、外側から順に外装部41,圧力センサ42及び衝撃吸収材43を備えているが、これに限らず、任意の順に配置されていてもよい。この場合、外装部41が最も外側に配置されると、二脚歩行式人型ロボット10の転倒の際に、各接触検知部40が床面等に衝突したとしても、外装部41が直接に床面等により接触し、内側の圧力センサ42,衝撃吸収材43さらに内部構造を衝撃から保護することができる。
また、圧力センサ42が最も外側に配置されると、二脚歩行式人型ロボット10の転倒の際に、圧力センサ42が床面等に直接に接触し、床面等への接触を確実に検出することができる。
さらに、衝撃吸収材43が最も外側に配置されると、二脚歩行式人型ロボット10の転倒の際に、各接触検知部40が床面等に衝突したとしても、衝撃吸収材43が直接に床面等により接触し、衝撃が確実に吸収され得る。
【0034】
また、上記接触検知部40は、外装部41,圧力センサ42及び衝撃吸収材43が別体に構成されているが、これに限らず、圧力センサ42及び衝撃吸収材43、あるいは外装部41,圧力センサ42及び衝撃吸収材43が互いに一体に構成されていてもよい。
【0035】
さらに、上記二脚歩行式人型ロボット10においては、胴体部11の前屈部11cと、脚部12L,12Rの前後方向の関節部、即ち腰関節の関節部20L,20R,膝部の関節部22L,22R,足首部の関節部23L,23Rは、図4及び図5に示す角度範囲で揺動可能に支持されている。
【0036】
即ち、足首部の関節部23L,23Rは、その揺動角度θ1が-20乃至+20度以上の角度範囲で揺動可能である。
また、膝部の関節部22L,22Rは、その揺動角度θ2が0乃至+60度以上の角度範囲で揺動可能である。
さらに、腰関節の関節部20,20は、その揺動角度θ3が0乃至+45度以上の角度範囲で揺動可能である。
また、胴体部11の前屈部11cは、その揺動角度θ4が、0乃至+30度以上の角度範囲で揺動可能である。
【0037】
上述した前屈部11c及び各関節部20L,20R,22L,22R,23L,23Rの揺動角度範囲を実現するために、前屈部11c及び各関節部20L,20R,22L,22R,23L,23Rの関節駆動用モータは、図6に示すように配置されている。即ち、図6において、前屈部11c及び各関節部20L,20R,22L,22R,23L,23Rの関節駆動用モータM2,M3,M4は、それぞれモータの駆動軸が減速器G2,G3,G4を介して、その出力軸G2a,G3a,G4aにより前屈部11c及び各関節部20L,20R,22L,22R,23L,23Rを駆動して、それぞれ胴体部11の上部11a,大腿部15L,15R,下腿部16L,16Rそして足部17L,17Rを揺動させるようになっている。
【0038】
そして、減速器G2,G3,G4を含む各モータM2,M3,M4は、互いに前屈部11c,各関節部20L,20R,22L,22R,の揺動を妨げないように、図6(A)に示すように互いに傾斜して配置されている。これにより、前屈部11c,各関節部20L,20R,22L,22Rが揺動したとき、図6(B)に示すように、各モータM2,M3,M4は、前屈部11c,各関節部20L,20R,22L,22Rの揺動と干渉しない。
このような構成により、脚部12L,12Rの長さを必要以上に長くすることなく、前屈部11c及び各関節部20L,20R,22L,22Rの揺動の角度範囲を確保することができる。
なお、図6において、モータM1は、関節部24L,24Rの関節駆動用モータであり、またモータM5は、関節部19L,19R用の関節駆動用モータである。
【0039】
図7は、図1乃至図6に示した二脚歩行式人型ロボット10の電気的構成を示している。図7において、二脚歩行式人型ロボット10は、駆動手段、即ち上述した前屈部11cそして各関節部、即ち関節駆動用モータ18L,18R乃至24L,24Rを駆動制御する歩行制御装置50を備えている。
【0040】
上記歩行制御部50は、制御部51とモータ制御ユニット52とから構成されている。上記制御部51は、前以て決められた動作パターンに基づいて各関節駆動用モータの制御信号を生成するようになっている。上記モータ制御ユニット52は、制御部51からの制御信号に従って各関節駆動用モータを駆動制御するようになっている。
さらに、上記制御部51は、二脚歩行式人型ロボット10の転倒時には、その転倒状態、即ち各接触検知部40の圧力センサ42からの検出信号に基づいて転倒状態(転倒姿勢)を判別して、この転倒姿勢に対する動作パターンに基づいて転倒時の受け身動作,転倒後の起き上がり動作を行なうように、前以て決められた動作パターンに基づいて各関節駆動用モータの制御信号を生成するようになっている。
【0041】
本発明実施形態による二脚歩行式人型ロボット10は以上のように構成されており、通常の歩行動作は、歩行制御装置50の制御部51が前以て決められた歩行動作パターンに基づいて制御信号を生成してモータ制御ユニット52に出力する。これにより、モータ制御ユニット52が前屈部11c及び各関節部18L,18R乃至24L,24Rの関節駆動用モータを駆動制御する。このようにして二脚歩行式人型ロボット10は歩行動作を行なうことになる。
【0042】
ここで、二脚歩行式人型ロボット10が、例えば歩行姿勢が不安定になって、前側に転倒する場合、図8(A)に示すように、通常の歩行では、足部17L,17Rの下面中央付近に設けられた接触検知部40の圧力センサが圧力を検出して、その検出信号を制御部51に出力する。これにより、制御部51は、安定した歩行状態と判断して通常の歩行動作を継続する。
【0043】
これに対して、二脚歩行式人型ロボット10が、図8(B)に示すように前側に転倒すると、片方の腕部13Lまたは13Rの手首部29L,29Rに設けられた接触検知部40の圧力センサが圧力を検出して、その検出信号を制御部51に出力する。これにより制御部51は、手首部29L,29Rの圧力センサ42からの検出信号に基づいて二脚歩行式人型ロボット10が前方に転倒していることを判別し、受け身動作を行なうようにモータ制御ユニット52に対して制御信号を出力する。
【0044】
従って、二脚歩行式人型ロボット10は、図8(C)に示すように、受け身動作により、両肘部28L,28R,両膝部21L,21Rを床面についた状態となる。この場合、両肘部28L,28R,両膝部21L,21Rには、それぞれ接触検知部40が設けられているので、両肘部28L,28R,両膝部21L,21Rが床面に衝突したとしても、接触検知部40の衝撃吸収材43が衝突による衝撃を吸収する。
また、制御部51は、図示のように、両肘部28L,28R,両膝部21L,21Rそして一方の足部17Lまたは17Rの爪先部30L,30Rに設けられた接触検知部40からの検出信号が入力されることにより、二脚歩行式人型ロボット10の転倒姿勢を把握することができる。従って、制御部51は、この転倒状態から起き上がり動作を行なうように、モータ制御ユニット52に対して制御信号を出力する。
これにより、二脚歩行式人型ロボット10は、起き上がり動作を行なって、二脚で立ち上がった状態に移行することができる。この際、各部の外装表面が凸状の曲面形状からなる外装表面を有しているので、起き上がり動作を円滑に行なうことができる。
【0045】
また、二脚歩行式人型ロボット10が、例えば歩行姿勢が不安定になって後側に転倒する場合、図9(A)に示すように、通常の歩行では足部17L,17Rの下面中央付近に設けられた接触検知部40の圧力センサが圧力を検出して、その検出信号を制御部51に出力する。これにより、制御部51は安定した歩行状態と判断して通常の歩行動作を継続する。
【0046】
これに対して、二脚歩行式人型ロボット10が、図9(B)に示すように後側に転倒すると、片方の足部17Lまたは17Rの踵部31L,31Rに設けられた接触検知部40の圧力センサ42が圧力を検出して、その検出信号を制御部51に出力する。これにより、制御部51は、踵部31L,31Rの圧力センサ42からの検出信号に基づいて、二脚歩行式人型ロボット10が後方に転倒していることを判別し、受け身動作を行なうようにモータ制御ユニット52に対して制御信号を出力する。
【0047】
従って、二脚歩行式人型ロボット10は、図9(C)に示すように、受け身動作により、尻部32,背中部33及び両肘部28L,28Rを床面についた状態となる。
この場合、尻部32,背中部33及び両部28L,28Rには、それぞれ接触検知部40が設けられているので、尻部32,背中部33及び両肘部28L,28Rが床面に衝突したとしても、接触検知部40の衝撃吸収材43が衝突による衝撃を吸収する。
また、制御部51は、図示のように、尻部32,背中部33及び両肘部28L,28Rに設けられた接触検知部40からの検出信号が入力されることにより、二脚歩行式人型ロボット10の転倒姿勢を把握することができる。従って、制御部51は、この転倒状態から起き上がり動作を行なうようにモータ制御ユニット52に対して制御信号を出力する。これにより、二脚歩行式人型ロボット10は起き上がり動作を行なって、二脚で立ち上がった状態に移行することができる。この際、同様にして、各部の外装表面が凸状の曲面形状からなる外装表面を有しているので、起き上がり動作を円滑に行なうことができる。
【0048】
このようにして、本発明実施形態による二脚歩行式人型ロボット10によれば、両肘部28L,28R,手首部29L,29R,両膝部21L,21R,足部17L,17Rの下面中央部,踵部31L,31R及び爪先部30L,30Rに設けられた接触検知部40により転倒姿勢を検出することができるので、二脚歩行式人型ロボット10の転倒時には、その転倒姿勢に対応した受け身動作を行なうことができると共に、転倒姿勢に応じた起き上がり動作によって二脚で立ち上がった状態に円滑に移行することができる。
さらに、本発明実施形態による二脚歩行式人型ロボット10によれば、転倒状態(転倒姿勢)を把握することができるので、例えば床面上での前転,後転等の運動を行なうことも可能である。
【0049】
上述した実施形態においては、腕部13L,13Rは、受け身動作及び起き上がり動作時にどのように動作するかについて説明されていないが、これらの受け身動作及び起き上がり動作時に適宜に動作するようにしてもよい。
【0050】
【発明の効果】
以上述べたように、本発明によれば、二脚歩行式人型ロボットが転倒する際、あるいは前転等の床面上での運動を行なう場合に、床面等に衝突し得る部分、即ち各腕部の上腕部及び下腕部の間の肘部外側と、上記各腕部の下腕部と手部の間の手首部外側と、上記足部の爪先部下側と、上記足部の踵部下側と、上記足部の大腿部及び下腿部の間の膝部外側と、上記胴体部の尻部,背中部とにそれぞれ接触検知部が備えられているので、これらの部分が床面等に衝突したとしても接触検知部の衝撃吸収材によって衝突による衝撃が吸収される。従って、転倒時等の際に、二脚歩行式人型ロボットの各部における内部構造に対する衝撃が緩和されることで各部が破損するようなことはない。
【0051】
そして、二脚歩行式人型ロボットの転倒時に、上記各部のうち床面等に接触している部分の接触検知部の圧力センサが圧力を検知し、制御部により二脚歩行式人型ロボットの転倒状態が把握される。従って、制御部が、現在の転倒状態に基づいて駆動手段を駆動制御して、腕部及び脚部を適宜に動作させることにより、転倒するときに受け身動作を行なったり、起き上がり動作によって二脚で立ち上がった状態に移行することができる。
このようにして、本発明によれば、転倒時等に各部に作用する衝撃を緩和させると共に、転倒状態を検出するようにした、極めて優れた二脚歩行式人型ロボットが提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による二脚歩行式人型ロボットの一実施形態の外観を示し、(A)は概略正面図、(B)は概略側面図である。
【図2】図1の二脚歩行式人型ロボットの機械的構成を示す概略図である。
【図3】図1の二脚歩行式人型ロボットの接触検知部の構成を示す拡大分解斜視図である。
【図4】図1の二脚歩行式人型ロボットの前屈部及び脚部の各関節部の前方への揺動限界を示す概略図である。
【図5】図1の二脚歩行式人型ロボットの前屈部及び脚部の各関節部の前方への揺動限界を示す概略図である。
【図6】図1の二脚歩行式人型ロボットの脚部における各関節駆動用モータの配置を示し、(A)は直立時の、(B)は揺動時の概略図である。
【図7】図1の二脚歩行式人型ロボットの電気的構成を示すブロック図である。
【図8】図1の二脚歩行式人型ロボットの前方への転倒の際の受け身動作を示すもので、(A)は転倒前,(B)は転倒時、(C)は倒伏時の受け身動作を示す概略図である。
【図9】図1の二脚歩行式人型ロボットの後方への転倒の際の(A)転倒前,(B)転倒時及び(C)受け身動作を示す概略図である。
【符号の説明】
10 二脚歩行式人型ロボット
11 胴体部
11a 上部
11b 下部
11c 前屈部
12L,12R 脚部
13L,13R 腕部
14 頭部
15L,15R 大腿部
16L,16R 下腿部
17L,17R 足部
18L,18R乃至24L,24R 関節部(関節駆動用モータ)
21L,21R 膝部
25L,25R 上腕部
26L,26R 下腕部
27L,27R 手部
28L,28R 肘部
29L,29R 手首部
30L,30R 爪先部
31L,31R 踵部
32 尻部
33 背中部
40 接触検知部
41 外装部
42 圧力センサ
43 衝撃吸収材
50 歩行制御装置
51 制御部
52 モータ制御ユニット
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
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【図8】
7
【図9】
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