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明細書 :接触放電ツルーイング・ドレッシング方法およびその装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4010392号 (P4010392)
公開番号 特開2002-086356 (P2002-086356A)
登録日 平成19年9月14日(2007.9.14)
発行日 平成19年11月21日(2007.11.21)
公開日 平成14年3月26日(2002.3.26)
発明の名称または考案の名称 接触放電ツルーイング・ドレッシング方法およびその装置
国際特許分類 B24B  53/00        (2006.01)
B23H   5/00        (2006.01)
FI B24B 53/00 D
B23H 5/00 J
請求項の数または発明の数 16
全頁数 21
出願番号 特願2001-188638 (P2001-188638)
出願日 平成13年6月21日(2001.6.21)
優先権出願番号 2000213605
優先日 平成12年7月14日(2000.7.14)
優先権主張国 日本国(JP)
審判番号 不服 2006-006245(P2006-006245/J1)
審査請求日 平成15年3月19日(2003.3.19)
審判請求日 平成18年4月5日(2006.4.5)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】水野 雅裕
個別代理人の代理人 【識別番号】100089635、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 守
参考文献・文献 特開昭62-39175(JP,A)
特開平3-86473(JP,A)
特開平3-142164(JP,A)
特開平4-193477(JP,A)
特開平4-294976(JP,A)
特開平2-145256(JP,A)
特開平2-106272(JP,A)
特開平7-60642(JP,A)
実開平2-78256(JP,U)
特開平4-360765(JP,A)
実公昭35-3886(JP,Y1)
米国特許第2719902(US,A)
米国特許第5194126(US,A)
調査した分野 B24B53/00
B23H5/00
特許請求の範囲 【請求項1】
DC電圧またはパルス電圧を与えた一対の電極(202,204)に対し、回転させた導電性被ツルーイング・ドレッシング砥石(101)を接触させ、正電極(202)-正電極(202)側の電極の切り屑(221)-砥石結合剤(102)-負電極(204)側の電極の切り屑(220)-負電極(204)から構成される回路を開閉させる際に生じる接触放電により、前記導電性被ツルーイング・ドレッシング砥石(101)が断続的にツルーイング・ドレッシングされる接触放電ツルーイング・ドレッシング方法であって、前記正電極である電極内輪(202)と前記負電極である電極外輪(204)とを有し、該電極内輪(202)と電極外輪(204)との間に配置される絶縁体(203)で絶縁された二重リング形回転電極(201)の、前記電極内輪(202)と前記電極外輪(204)の先端面を一対の電極として用いることを特徴とする接触放電ツルーイング・ドレッシング方法。
【請求項2】
DC電圧またはパルス電圧を与えた一対の電極(211,213)に対し、回転させた非導電性被ツルーイング・ドレッシング砥石(110)を接触させ、正電極(211)-電極の切り屑(222)-負電極(213)から構成される回路を開閉させる際に生じる接触放電により、前記非導電性被ツルーイング・ドレッシング砥石(110)が断続的にツルーイング・ドレッシングされる接触放電ツルーイング・ドレッシング方法であって、前記正電極である電極内輪(211)と前記負電極である電極外輪(213)と該電極内輪(211)と電極外輪(213)との間に配置される絶縁体(212)からなる二重リング形回転電極(201)を配置し、前記絶縁体(212)の厚さが前記電極の切り屑(222)を生じさせる厚さであり、前記電極内輪(211)-前記電極の切り屑(222)-前記電極外輪(213)から構成される回路の、前記電極の切り屑(222)の部分で接触放電を生じさせるように、前記二重リング形回転電極(201)の前記電極内輪(211)と前記電極外輪(213)の先端面を一対の電極として用いることを特徴とする接触放電ツルーイング・ドレッシング方法。
【請求項3】
DC電圧またはパルス電圧を与えた一対の電極(202,204)に対し、回転させた導電性被ツルーイング・ドレッシング砥石(101)を接触させ、正電極(202)-正電極(202)側の電極切り屑(221)-砥石結合剤(102)-負電極(204)側の電極の切り屑(220)-負電極(204)から構成される回路を開閉させる際に生じる接触放電により、前記導電性被ツルーイング・ドレッシング砥石(101)が断続的にツルーイング・ドレッシングされる接触放電ツルーイング・ドレッシング装置であって、
(a)前記正電極である電極内輪(202)と前記負電極である電極外輪(204)とを有し、該電極内輪(202)と電極外輪(204)との間に配置される絶縁体(203)で絶縁された二重リング形回転電極(201)と、
(b)該二重リング形回転電極(201)の前記電極内輪(202)と前記電極外輪(204)の先端面からなる一対の電極とを具備することを特徴とする接触放電ツルーイング・ドレッシング装置。
【請求項4】
DC電圧またはパルス電圧を与えた一対の電極(211,213)に対し、回転させた非導電性被ツルーイング・ドレッシング砥石(110)を接触させ、正電極(211)-電極の切り屑(222)-負電極(213)から構成される回路を開閉させる際に生じる接触放電により、前記非導電性被ツルーイング・ドレッシング砥石(110)が断続的にツルーイング・ドレッシングされる接触放電ツルーイング・ドレッシング装置であって、
前記正電極である電極内輪(211)と前記負電極である電極外輪(213)と該電極内輪(211)と電極外輪(213)との間に配置される厚さが前記電極の切り屑(222)を生じさせる厚さの絶縁体(212)からなる二重リング形回転電極(201)を配置し、該二重リング形回転電極(201)の前記電極内輪(211)と前記電極外輪(213)の先端面からなる一対の電極を備え、前記電極内輪(211)-前記電極の切り屑(222)-前記電極外輪(213)から構成される回路の、前記電極の切り屑(222)の部分で接触放電を生じさせることを特徴とする接触放電ツルーイング・ドレッシング装置。
【請求項5】
請求項3または4記載の接触放電ツルーイング・ドレッシング装置において、前記二重リング形回転電極の回転軸方向への駆動機構を具備することを特徴とする接触放電ツルーイング・ドレッシング装置。
【請求項6】
請求項1または2記載の接触放電ツルーイング・ドレッシング方法において、前記接触放電を液中、噴霧中または気中の環境下で行うことを特徴とする接触放電ツルーイング・ドレッシング方法。
【請求項7】
請求項1または2記載の接触放電ツルーイング・ドレッシング方法において、前記二重リング形回転電極の側面の初期回転振れを除去するため、前記電極間に給電せずに前記被ツルーイング・ドレッシング砥石で前記電極側面を研削した後、該電極間に電圧を与えてツルーイング・ドレッシングを開始することを特徴とする接触放電ツルーイング・ドレッシング方法。
【請求項8】
請求項3または4記載の装置を用い、前記電極の回転軸と前記被ツルーイング・ドレッシング砥石の回転軸との間に所定の角度を与えた状態で前記電極に電極回転軸方向の送りを与えることにより、所定の砥石刃先形状を得ることを特徴とする接触放電ツルーイング・ドレッシング方法。
【請求項9】
請求項3または4記載の装置を用い、前記二重リング形回転電極の駆動装置を十字移動機構と回転機構を備えた数値制御移動テーブル上に設置し、高精度な総型ツルーイング・ドレッシングを行うことを特徴とする接触放電ツルーイング・ドレッシング方法。
【請求項10】
請求項3または4記載の接触放電ツルーイング・ドレッシング装置において、前記電極側面側に該電極側面の位置を測定する変位センサを設置し、ツルーイング量を測定しながらツルーイング・ドレッシングを行うことを特徴とする接触放電ツルーイング・ドレッシング方法。
【請求項11】
請求項3または4記載の接触放電ツルーイング・ドレッシング装置において、前記電極側面側に該電極側面の位置を測定する変位センサを備えたことを特徴とする接触放電ツルーイング・ドレッシング装置。
【請求項12】
請求項10記載の接触放電ツルーイング・ドレッシング方法を、インプロセスツルーイング・ドレッシングに適用し、ツルーイング量に基づいてツールパスを補正しながら行うことを特徴とする接触放電ツルーイング・ドレッシング方法。
【請求項13】
請求項1または2記載の接触放電ツルーイング・ドレッシング方法において、前記二重リング形回転電極の内側に砥石を配置し、放電の度に前記被ツルーイング・ドレッシング砥石への電極材料の付着物を除去することを特徴とする接触放電ツルーイング・ドレッシング方法。
【請求項14】
請求項1または2記載の接触放電ツルーイング・ドレッシング方法において、前記二重リング形回転電極の外側に砥石を配置し、放電の度に前記被ツルーイング・ドレッシング砥石への電極材料の付着物を除去することを特徴とする接触放電ツルーイング・ドレッシング方法。
【請求項15】
請求項3または4記載の接触放電ツルーイング・ドレッシング装置において、前記二重リング形回転電極の内側に砥石を配置することを特徴とする接触放電ツルーイング・ドレッシング装置。
【請求項16】
請求項3または4記載の接触放電ツルーイング・ドレッシング装置において、前記二重リング形回転電極の外側に砥石を配置することを特徴とする接触放電ツルーイング・ドレッシング装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、二重リング形回転電極による接触放電ツルーイング・ドレッシング方法およびその装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
超砥粒砥石は従来砥石に比べて摩耗が少なく、高精度な形状創成加工に適している。しかし、その反面、ツルーイング・ドレッシングが困難であるため、広くは普及していないのが現状である。
【0003】
超砥粒砥石のうち、金属等を結合剤に用いた導電性砥石については放電ツルーイング・ドレッシング、電解ドレッシングなどの手法が適用される(砥粒加工学会誌Vol.39、No.5 1995,SEP、P.21、P.22、P.25、P.26参照)が、従来の方法はいずれも液中で行う方法であり、金型製造業界で一般的に用いられている乾式研削盤には適しなかった。また、上記方法では、砥石主軸にブラシを用いて給電する必要があり、簡便ではなかった。
【0004】
これに対し、絶縁性の砥石を挟んだ一対の電極に電圧を与え、これを導電性砥石で研削し、その際生じる接触放電現象を利用した接触放電ツルーイング・ドレッシング法がある(砥粒加工学会誌Vol.39、No.5 1995,SEP、P.24参照)。この方法は、砥石主軸にブラシを用いて給電する必要がないので簡便である。
【0005】
しかし、この従来の接触放電ツルーイング・ドレッシング法では、電極に対する砥石の切込み量や電極の送り速度を一定にして電極を砥石で研削するため、安定した接触放電現象が得られず、場合によっては砥石作業面の円周に周期的凹凸が生じるといった問題が発生した(1990年度精密工学会春季大会学術講演会講演論文集、933~934頁参照)。また、主に機械的に電極を削るため電極の消耗が激しかった。さらに、この接触放電ツルーイング・ドレッシング法は非導電性の砥石には適用することができなかった。
【0006】
この他に、回転させた従来砥石を用い、結合剤(通常は金属以外の結合剤)を機械的に削り落とすことで砥粒を脱落させるツルーイング・ドレッシング法が数種ある(砥粒加工学会誌Vol.39、No.5 1995,SEP、P.8~11参照)。
【0007】
しかし、いずれの方法も乾式で適用した場合、大量の砥粒が飛散し、工作機械の寿命や人体に悪影響を与えるため問題となっていた。また、機械的な力によるツルーイング・ドレッシングであるため、V字形の鋭い刃先形状を創成しようとすると刃先が欠けるという問題があった。
【0008】
また、上記のいずれのツルーイング・ドレッシング法においても、砥石の真円度の大きさをモニタリングしながらツルーイング・ドレッシングする方策が採られていなかった。そのため、荒から仕上げへのツルーイング・ドレッシング条件の移行を自動で連続的に行うことができなかった。また、ツルーイング・ドレッシングをどの時点で終了すべきかを、ツルーイング・ドレッシングを行いながら判断することができなかった。
【0009】
さらに、上記のいずれのツルーイング・ドレッシング法においても、ツルーイングによる砥石半径減少量をモニタリングしながらツルーイング・ドレッシングする方策が採られていなかった。そのため、インプロセスツルーイング・ドレッシングにおいてツールパス(工具経路)を補正しながら加工を行うことができなかった。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、従来のいずれのツルーイング・ドレッシング法も、種々の問題を有していた。
【0011】
本発明は、上記状況に鑑みて、超砥粒砥石、特に金属の結合剤を有する超砥粒砥石のツルーイング・ドレッシングを極めて簡便に行うことができる接触放電ツルーイング・ドレッシング方法およびその装置を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕DC電圧またはパルス電圧を与えた一対の電極(202,204)に対し、回転させた導電性被ツルーイング・ドレッシング砥石(101)を接触させ、正電極(202)-正電極(202)側の電極の切り屑(221)-砥石結合剤(102)-負電極(204)側の電極の切り屑(220)-負電極(204)から構成される回路を開閉させる際に生じる接触放電により、前記導電性被ツルーイング・ドレッシング砥石(101)が断続的にツルーイング・ドレッシングされる接触放電ツルーイング・ドレッシング方法であって、前記正電極である電極内輪(202)と前記負電極である電極外輪(204)とを有し、この電極内輪(202)と電極外輪(204)との間に配置される絶縁体(203)で絶縁された二重リング形回転電極(201)の、前記電極内輪(202)と前記電極外輪(204)の先端面を一対の電極として用いることを特徴とする。
【0013】
〔2〕DC電圧またはパルス電圧を与えた一対の電極(211,213)に対し、回転させた非導電性被ツルーイング・ドレッシング砥石(110)を接触させ、正電極(211)-電極の切り屑(222)-負電極(213)から構成される回路を開閉させる際に生じる接触放電により、前記非導電性被ツルーイング・ドレッシング砥石(110)が断続的にツルーイング・ドレッシングされる接触放電ツルーイング・ドレッシング方法であって、前記正電極である電極内輪(211)と前記負電極である電極外輪(213)とこの電極内輪(211)と電極外輪(213)との間に配置される絶縁体(212)からなる二重リング形回転電極(201)を配置し、前記絶縁体(212)の厚さが前記電極の切り屑(222)を生じさせる厚さであり、前記電極内輪(211)-前記電極の切り屑(222)-前記電極外輪(213)から構成される回路の、前記電極の切り屑(222)の部分で接触放電を生じさせるように、前記二重リング形回転電極(201)の前記電極内輪(211)と前記電極外輪(213)の先端面を一対の電極として用いることを特徴とする。
【0014】
〔3〕DC電圧またはパルス電圧を与えた一対の電極(202,204)に対し、回転させた導電性被ツルーイング・ドレッシング砥石(101)を接触させ、正電極(202)-正電極(202)側の電極切り屑(221)-砥石結合剤(102)-負電極(204)側の電極の切り屑(220)-負電極(204)から構成される回路を開閉させる際に生じる接触放電により、前記導電性被ツルーイング・ドレッシング砥石(101)が断続的にツルーイング・ドレッシングされる接触放電ツルーイング・ドレッシング装置であって、
(a)前記正電極である電極内輪(202)と前記負電極である電極外輪(204)とを有し、この電極内輪(202)と電極外輪(204)との間に配置される絶縁体(203)で絶縁された二重リング形回転電極(201)と、
(b)この二重リング形回転電極(201)の前記電極内輪(202)と前記電極外輪(204)の先端面からなる一対の電極とを具備することを特徴とする。
【0015】
〔4〕DC電圧またはパルス電圧を与えた一対の電極(211,213)に対し、回転させた非導電性被ツルーイング・ドレッシング砥石(110)を接触させ、正電極(211)-電極の切り屑(222)-負電極(213)から構成される回路を開閉させる際に生じる接触放電により、前記非導電性被ツルーイング・ドレッシング砥石(110)が断続的にツルーイング・ドレッシングされる接触放電ツルーイング・ドレッシング装置であって、
前記正電極である電極内輪(211)と前記負電極である電極外輪(213)とこの電極内輪(211)と電極外輪(213)との間に配置される厚さが前記電極の切り屑(222)を生じさせる厚さの絶縁体(212)からなる二重リング形回転電極(201)を配置し、この二重リング形回転電極(201)の前記電極内輪(211)と前記電極外輪(213)の先端面からなる一対の電極を備え、前記電極内輪(211)-前記電極の切り屑(222)-前記電極外輪(213)から構成される回路の、前記電極の切り屑(222)の部分で接触放電を生じさせることを特徴とする。
【0016】
〔5〕上記〔3〕または〔4〕記載の接触放電ツルーイング・ドレッシング装置において、前記二重リング形回転電極の回転軸方向への駆動機構を具備することを特徴とする。
【0017】
〔6〕上記〔1〕または〔2〕記載の接触放電ツルーイング・ドレッシング方法において、前記接触放電を液中、噴霧中または気中の環境下で行うことを特徴とする。
【0018】
〔7〕上記〔1〕または〔2〕記載の接触放電ツルーイング・ドレッシング方法において、前記二重リング形回転電極の側面の初期回転振れを除去するため、電極間に給電せずに被ツルーイング・ドレッシング砥石で電極側面を研削した後、電極間に電圧を与えてツルーイング・ドレッシングを開始することを特徴とする。
【0019】
〔8〕接触放電ツルーイング・ドレッシング方法において、上記〔3〕または〔4〕記載の装置を用い、前記電極の回転軸と被ツルーイング・ドレッシング砥石の回転軸との間に所定の角度を与えた状態で電極に電極回転軸方向の送りを与えることにより、所定の砥石刃先形状を得ることを特徴とする。
【0020】
〔9〕接触放電ツルーイング・ドレッシング方法において、上記〔3〕または〔4〕記載の装置を用い、前記二重リング形回転電極の駆動装置を十字移動機構と回転機構を備えた数値制御移動テーブル上に設置し、高精度な総型ツルーイング・ドレッシングを行うことを特徴とする。
【0021】
〔10〕上記〔3〕または〔4〕記載の接触放電ツルーイング・ドレッシング装置において、電極側面側に電極側面の位置を測定する変位センサを設置し、ツルーイング量を測定しながらツルーイング・ドレッシングを行うことを特徴とする。
【0022】
〔11〕上記〔3〕または〔4〕記載の接触放電ツルーイング・ドレッシング装置において、前記電極側面側に電極側面の位置を測定する変位センサを備えたことを特徴とする。
【0023】
〔12〕上記〔10〕記載の接触放電ツルーイング・ドレッシング方法を、インプロセスツルーイング・ドレッシングに適用し、ツルーイング量に基づいてツールパスを補正しながら行うことを特徴とする。
【0024】
〔13〕上記〔1〕または〔2〕記載の接触放電ツルーイング・ドレッシング方法において、前記二重リング形回転電極の内側に砥石を配置し、放電の度の前記被ツルーイング・ドレッシング砥石への電極材料の付着物を除去することを特徴とする。
【0025】
〔14〕上記〔1〕または〔2〕記載の接触放電ツルーイング・ドレッシング方法において、前記二重リング形回転電極の外側に砥石を配置し、放電の度の前記被ツルーイング・ドレッシング砥石への電極材料の付着物を除去することを特徴とする。
【0026】
〔15〕上記〔3〕または〔4〕記載の接触放電ツルーイング・ドレッシング装置において、前記二重リング形回転電極の内側に砥石を配置することを特徴とする。
【0027】
〔16〕上記〔3〕または〔4〕記載の接触放電ツルーイング・ドレッシング装置において、前記二重リング形回転電極の外側に砥石を配置することを特徴とする。
【0028】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照しながら詳細に説明する。
【0029】
図1は本発明の実施例を示す接触放電ツルーイング・ドレッシング装置の構成図である。ここでは、プロファイル研削用砥石の刃先ツルーイングに二重リング形回転電極式の接触放電ツルーイング・ドレッシング方式を適用した例を示す。なお、図1ではプロファイル研削用砥石の回転軸と二重リング形回転電極の回転軸が直交した状態で示されているが、これは説明図をわかりやすくするためであり、実際にはプロファイル研削用砥石の刃先を30°のV字形に成形するために、これらの軸間に30°の角度を与えた。
【0030】
この図において、1はプロファイル研削用砥石(被ツルーイング・ドレッシング砥石)、2はベース、3は前カバー、4はOリング、5はOリング押え蓋、6は後カバー、7はコネクタ、8はカバー、9は取っ手、10は前方リミッタ、11は後方リミッタ、12はモータブラケット、13はステッピングモータ、14はカップリング、15はボールスクリュー、16はボールスクリューサポートユニット、17はナット、18はナットブラケット、19は主軸移動テーブル、20はリニアガイドレール、21はリニアガイドスライダ、22はモータブラケット、23はDCモータ、24はカップリング、25は主軸、26は主軸サポートユニット、27は主軸補助サポートユニット、28はメカロック、29は電極ホルダ、30は絶縁層、31は二重リング形回転電極外輪、32は二重リング形回転電極絶縁層、33は二重リング形回転電極内輪、34,35は給電ブラシ、36は給電ブラシブラケット、37は変位センサである。
【0031】
まず、図1を用いて二重リング形回転電極式の接触放電ツルーイング・ドレッシング装置の構造を説明する。
【0032】
べース2にはボールスクリューサポートユニット16が固定されており、これによりピッチ1mmのボールスクリュー15が支持されている。このボールスクリュー15の一端はカップリング14を介してステッピングモータ13の回転軸に接続されており、ステップ角0.1°で回転駆動される。なお、ステッピングモータ13はモータブラケット12によりべース2に固定されている。
【0033】
ナット17はボールスクリュー15と噛み合っており、ステッピングモータ13の回転によって回転軸方向に送られる。ナットブラケット18はナット17に固定されており、これが前方リミッタ10または後方リミッタ11のスイッチを押すとステッピングモータ13が停止するようになっている。
【0034】
また、べース2には電極回転軸方向に伸びるリニアガイドレール20が2本平行に固定されている。それぞれのリニアガイドレール20には2個のリニアガイドスライダ21が搭載されている。主軸移動テーブル19はリニアガイドスライダ21および前記ナットブラケット18に固定されており、ステッピングモータ13により電極回転軸方向に駆動される。
【0035】
主軸25は移動テーブル上に固定された主軸サポートユニット26と主軸補助サポートユニット27によって支持され、その一端はカップリング24を介してそれを回転駆動するためのDCモータ23に接続されている。なおDCモータ23はモータブラケット22を用いて主軸移動テーブル19上に固定されている。
【0036】
二重リング形回転電極外輪31および内輪33の電極材としてカーボン(または銅)を用い、両者を絶縁する二重リング形回転電極絶縁層32にはエポキシ樹脂を用いた。ここで電極間の絶縁層の厚さは約500μmとした。この二重リング形回転電極と電極ホルダ29は、絶縁性の高い熱可塑性樹脂からなる絶縁層30で接着されている。二重リング形回転電極外輪31、二重リング形回転電極内輪33、二重リング形回転電極絶縁層32および電極ホルダ29から構成される二重リング形回転電極は、メカロック28により主軸25に固定されている。
【0037】
また、二重リング形回転電極外輪31および内輪33には、ばねによる押し付け式の給電ブラシ34,35が接触しており、これにより給電される。これらの給電ブラシ34,35は、主軸移動テーブル19上に固定されたべークライト製の給電ブラシブラケット36で支持されている。
【0038】
変位センサ37は研削盤のテーブルまたはべース2に設置されており、電極側面の位置を測定することにより、プロファイル研削砥石の刃先位置をモニタリングしている。
【0039】
図2は本発明の実施例を示す接触放電ツルーイング・ドレッシング装置の制御装置のブロック図である。
【0040】
この図において、38は放電電流制限抵抗、39はホール電流検出器、40は数値演算処理装置、41はデジタル入力装置、42はデジタル出力装置、43はAD変換器、44はDA変換器、45はピーク検出回路、46はローパスフィルタ、47はVF変換器、48はスイッチング回路、49はY形リレー、50は電力増幅回路、51はステッピングモータドライバ、52,53はアナログスイッチ、54はDCモータドライバ、55は手動操作装置、56は増幅器である。
【0041】
以下、図2を用いて制御装置について説明する。
【0042】
制御にはデジタル入出力装置41,42、AD変換器43、DA変換器44を備えた数値演算処理装置40を用いる。
【0043】
放電回路の電源にはパワーオペアンプによる電力増幅回路50を用い、その出力電圧は数値演算処理装置40からの指令で設定可能である。これにより、荒ツルーイングから仕上げツルーイングヘ、ツルーイング条件を連続的に変化させることが可能となる。なお、電力増幅回路50の出力は、安全のため商用電源およびアースから電気的に絶縁されている。
【0044】
電力増幅回路50の出力の正極は給電ブラシ35に直接接続されている。一方、電力増幅回路50の出力の負極は数値演算処理装置40からの指令で切替可能なY形リレー49に接続されており、ここでDC電圧とパルス電圧の切替が行われる。パルス電圧とする場合は電界効果トランジスタから構成されるスイッチング回路48を経た後、ホール電流検出器39、放電電流制限抵抗38を介して給電ブラシ34に接続されるが、DC電圧とする場合はスイッチング回路48を経由しない。なお、スイッチング回路48のスイッチング周波数は、VF変換器(電圧-周波数変換器)47を用いることにより数値演算処理装置40からの指令で設定可能である。
【0045】
また、ホール電流検出器39からの出力は三径路に分けて数値演算処理装置40に取り込まれる。第一径路は出力を直接取り込む経路である。第二径路はピーク検出回路45を経た後、取り込む経路である。第二径路の信号電圧から接触放電電流のピーク値Ip を得ることができる。なお、ピーク検出回路45は数値演算処理装置40からの指令により砥石一回転以上の周期でリセットされる。第三径路はローパスフィルタ46を経た後取り込む経路である。第三径路の信号電圧から接触放電電流の平均値Im を得ることができる。
【0046】
ステッピングモータ13はホール電流検出器39からの出力に応じて駆動される。具体的には、接触放電電流がピーク値Ip をとるときに電極間における消費電力が最大になるように、すなわち、電源電圧をEとしたときIp =E/(2R)となるようにステッピングモータ13の回転速度および回転方向が数値制御される。また、前方リミッタ10または後方リミッタ11が押されたときに、アナログスイッチ52,53を用いてステッピングモータドライバ51ヘの入力パルスを遮断する。この前方リミッタ10および後方リミッタ11からの出力信号は数値演算処理装置40へも送られる。
【0047】
また、DCモータ23の起動・停止指令、回転方向切替、回転速度調整は手動操作装置55において、全て手動で行われ、DCモータ23に異常が生じた場合のアラーム出力信号の信号線のみが数値演算処理装置40に接続され、異状時の処理が行えるようになっている。
【0048】
さらに、変位センサ37の出力は増幅器56で増幅された後、数値演算処理装置40に取り込まれ、プロファイル研削用砥石1(図1参照)の刃先位置のモニタリングに使用される。
【0049】
図3は本発明の実施例を示す接触放電ツルーイング・ドレッシング方法の説明図、図4及び図5は図3のA部を拡大し、そのツルーイング・ドレッシングメカニズムを説明する図である。
【0050】
例えば、図4に示すように、電極内輪202、絶縁層203、電極外輪204から構成される二重リング形回転電極201を用いる。そして、電極内輪202と電極外輪204の間にDC電圧またはパルス電圧を与えて回転させる。この二重リング形回転電極201を回転軸方向に送り、その側面を導電性砥石101に接触させると、電極外輪204-電極の切り屑220-導電性結合剤102-電極の切り屑221-電極内輪202から構成される回路の、電極の切り屑220および221の部分で接触放電が生じ、その熱で導電性結合剤102が溶けて砥粒103が脱落する。この図4のツルーイング装置においては、絶縁層203の厚さが数百μm以上あってもよい。
【0051】
これに対して、図5に示すように、二重リング形回転電極201の絶縁層212の厚さを数百μm以下にすれば、非導電性砥石110のツルーイングにも適用できるようになる。この場合には、二重リング形回転電極201の側面を非導電性砥石110に接触させると、電極外輪213-電極の切り屑222-電極内輪211から構成される回路の、電極の切り屑222の部分で接触放電が生じ、その熱で非導電性結合剤111が溶けて砥粒112が脱落する。このように、電極間の絶縁層の厚さを小さくすることにより、非導電性砥石のツルーイング・ドレッシングも可能になる。
【0052】
これらの方法では、被ツルーイング・ドレッシング砥石100の主軸にブラシを用いて給電する必要がなく、簡便である。また、乾式の条件下でもツルーイング・ドレッシングを行うことができる。
【0053】
接触放電の放電電力制御は次のようにして行う。図3に示すように、給電回路側に電極対に対して直列になるように放電電流制限抵抗Rとホール電流検出器Aを挿入する。この回路において、電源電圧Eに対して接触放電電力が最大になるのは電流値IがI=E/(2R)となる時である。被ツルーイング面に振れがある場合、電流Iは砥石100の回転周期で変動するが、その最大値Ip がE/(2R)となるように電極の回転軸方向への送り速度vを制御すれば、振れの最も大きい部分を効率よく除去することが可能となる。105はDC電源またはパルス電源である。
【0054】
図6は本発明の実施例を示す電極送り駆動機構を有する接触放電ツルーイング・ドレッシング装置の要部構成図である。
【0055】
この図に示すように、二重リング形回転電極201を電極送り駆動機構120により二重リング形回転電極201の回転軸方向に送るように構成する。なお、図6において、100は砥石、105はDC電源またはパルス電源、120は電極送り駆動機構である。
【0056】
図7は本発明の実施例を示す接触放電ツルーイング・ドレッシング装置の給電機構の構成図である。
【0057】
この図において、121は二重リング形回転電極201の回転主軸、122はその回転主軸121に固定される導電体リング、123は絶縁層、124は電極フランジ、125はワッシャ、126は回転主軸121と電極内輪202とを電気的に接続する電極固定ボルト、127は電極外輪204と電極フランジ124を電気的に接続する給電バネ、128と129は給電ブラシである。
【0058】
このように、給電ブラシ128-導電体リング122-回転主軸121-電極固定ボルト126-ワッシャ125を介して電極内輪202に給電され、給電ブラシ129-電極フランジ124-給電バネ127を介して電極外輪204に給電される。
【0059】
図8は図7に示す接触放電ツルーイング・ドレッシング装置の二重リング形回転電極の径を異ならせた例を示す断面図である。
【0060】
この図に示すように、この実施例では、径の小さい二重リング形回転電極201′を設けるようにしている。
【0061】
図9は本発明の各種の接触放電ツルーイング・ドレッシング方法の説明図であり、図9(a)は接触放電を液中、図9(b)は接触放電を噴霧中、図9(c)は接触放電を気中の環境下で行うようにしている。なお、図3と同じ部分には同じ符号を付してその説明は省略する。
【0062】
すなわち、図9(a)に示すように、接触放電を液中で行う場合には、接触放電箇所に液供給用ノズル301を配置し、液302を供給しながら接触放電を行わせる。
【0063】
また、図9(b)に示すように、接触放電を噴霧中で行う場合には、接触放電箇所に噴霧供給用ノズル303を配置し、噴霧304を供給しながら接触放電を行わせる。
【0064】
勿論、図9(c)に示すように、なんら供給することなく、気中で接触放電を実施するようにしてもよい。
【0065】
図10は本発明の実施例を示す電極側面の回転振れを除去する方法を示す図である。
【0066】
この図に示すように、二重リング形回転電極201の側面の初期回転振れを除去するため、スイッチ107をオフにして、電極内輪と電極外輪間に給電せずに、被ツルーイング・ドレッシング砥石100で電極側面を研削した後、電極内輪と電極外輪間に電圧を与えてツルーイング・ドレッシングを開始するようにする。
【0067】
図11は本発明の実施例を示すV字形の砥石刃先形状を得る接触放電ツルーイング・ドレッシング方法の説明図である。
【0068】
この実施例では、二重リング形回転電極405の回転主軸406と砥石401の回転軸402との間に所定の角度θを与えた状態で二重リング形回転電極405に電極回転主軸406方向の送りを与えることにより、所定の砥石刃先形状を得るようにすることができる。
【0069】
図12は本発明の実施例を示す二重リング形回転電極の駆動装置を十字移動機構と回転機構を備えた数値制御移動テーブル上に設置する接触放電ツルーイング・ドレッシング装置の構成図である。
【0070】
この実施例では、二重リング形回転電極415の駆動装置を十字移動機構と回転機構を備えた数値制御移動テーブル418上に設置する。つまり、砥石回転軸411に固定される砥石410に二重リング形回転電極415を対応させて接触放電ツルーイング・ドレッシングを行うが、その際に、二重リング形回転電極415の回転主軸416の駆動機構、つまり、ツルーイング・ドレッシング装置本体417を、十字移動機構と回転機構を備えた数値制御移動テーブル418上に設置する。これにより、高精度な総型ツルーイング・ドレッシングを行うことができる。
【0071】
図13は本発明の実施例を示す二重リング形回転電極の回転軸方向への送り速度を数値制御する方法の説明図であり、図13(a)はそのシステムの構成図、図13(b)はその数値制御による電流の波形図である。
【0072】
この実施例では、その装置の給電回路側に、二重リング形回転電極201に対して直列になるよう接触放電電流制限抵抗Rおよび電流検出器Aを挿入し、接触放電電流がピーク値Ip をとるときに、二重リング形回転電極201間における消費電力が最大になるように、すなわち、電源電圧をEとしたときIp =E/(2R)となるように、前記二重リング形回転電極201の回転軸121方向への送り速度を数値制御装置501により制御する。
【0073】
これにより、接触放電状態を極めて安定に保つことができ、砥石作業面に発生する周期的凹凸を抑制できる。また、電極が機械的に無駄に削られる割合が少なくなるので電極消耗を低減できる。このことは作業環境をクリーンな環境に保全することにもつながる。
【0074】
図14は本発明の実施例を示す砥石の真円度を推定する方法の説明図であり、図14(a)はそのシステムの構成図、図14(b)はその数値制御による電流の波形図である。
【0075】
この実施例では、電流検出器Aからの出力の平均値Im とピーク値Ip を砥石一回転以上の周期で取得し、Im /Ip の値に基づいて砥石の真円度を推定しながらツルーイング・ドレッシングを行う。つまり、Im /Ip の値から砥石の真円度を推定する砥石の真円度推定装置602を設ける。図14(b)に示すように、Im /Ip の値が大きいほど砥石の真円度が高い。なお、601は電流Iのピーク値Ip がIp =E/(2R)になるように電極送り速度を数値制御する数値制御装置である。
【0076】
このように、電流検出器Aからの出力の平均値Im とピーク値Ip を砥石一回転以上の周期で測定し、Im /Ip の値に基づいて砥石の真円度を推定しながらツルーイング・ドレッシングを行うことができるので、荒から仕上げへのツルーイング・ドレッシング条件の連続的な移行やツルーイング・ドレッシングをどの時点で終了すべきかの判断が自動化できる。
【0077】
図15は本発明の実施例を示す砥石の真円度の推定値に基づいて数値制御または自動制御により接触放電消費電力E・Ip /2の大きさを自動調整する方法の説明図である。
【0078】
この実施例では、電流検出器Aからの出力の平均値Im とピーク値Ip に基づいて、接触放電消費電力E・Ip /2を自動調整する接触放電電力自動調整装置610を設けて、前記砥石の真円度の推定値に基づいて数値制御または自動制御により接触放電消費電力E・Ip /2の大きさを自動調整して高精度ツルーイング・ドレッシングを行う。
【0079】
図16は本発明の実施例を示す砥石の真円度の推定値が所定の値になった場合に接触放電ツルーイング・ドレッシングを自動終了する方法の説明図である。
【0080】
この実施例では、砥石の真円度の推定値が所定の値になった場合にツルーイング・ドレッシングを自動的に終了処理を行う自動終了処理装置620を設けて、砥石の真円度が満足できる値になった場合にツルーイング・ドレッシングを自動的に終了できるようにする。
【0081】
図17は本発明の実施例を示す制御がより安定的に行われるように、二重リング形回転電極に対する供給電圧の種類をDC電圧とパルス電圧の間で自動切替えする方法の説明図である。
【0082】
この実施例では、二重リング形回転電極に対する供給電圧の種類をDC電圧とパルス電圧の間で自動切替えする自動切替装置630を設けて、制御がより安定的に行われるようにする。
【0083】
図18は本発明の実施例を示すツルーイング量を測定しながら接触放電ツルーイング・ドレッシングを行う方法の説明図である。
【0084】
この実施例では、電極側面側に電極側面の位置を測定する変位センサ37を設置し、ツルーイング量を測定しながらツルーイング・ドレッシングを行う。
【0085】
また、図19に示すように、変位センサ37は、ツルーイング装置本体701に設けるようにしてもよい。
【0086】
このように、電極側面側に電極側面の位置を測定する変位センサを設置することで接触放電ツルーイング・ドレッシングによるツルーイング量をモニタリングすることが可能となる。これをインプロセスツルーイング・ドレッシングに適用した場合、ツールパスを補正しながら加工を行うことができる。
【0087】
図20は本発明の実施例を示すインプロセスツルーイング・ドレッシングに適用し、ツルーイング量に基づいてツールパスを補正しながら行う接触放電ツルーイング・ドレッシング方法の説明図である。
【0088】
この図において、801は変位センサ37からの出力信号によりツルーイング量に基づいてツールパスの補正を行う補正装置、802は工作物803を搭載する数値制御移動テーブルである。
【0089】
この実施例では、インプロセスツルーイング・ドレッシングに適用し、ツルーイング量に基づいてツールパスを補正しながら接触放電ツルーイング・ドレッシングを行うようにしたものである。
【0090】
上記した方法でツルーイング・ドレッシングを行うと、被ツルーイング・ドレッシング砥石の突出した部分(振れの大きい部分)に電極材料が付着し、その結果、電極が後退し続けるという現象が生じる恐れがある。そこで、この問題を解決するためには以下のような構成をとることが有効である。
【0091】
図21は本発明の実施例を示す従来砥石(非導電性砥石)を内側に配置した二重リング形回転電極を有するツルーイング・ドレッシング装置を示す図である。
【0092】
この図に示すように、二重リング形回転電極910の回転主軸911によって回転する電極内輪913、絶縁層914、電極外輪915から構成される二重リング形回転電極910の内側に従来砥石(非導電性砥石)912を配置する。
【0093】
このように構成したので、ツルーイング・ドレッシングを行うことにより、被ツルーイング・ドレッシング砥石100の突出した部分(振れの大きい部分)に電極材料が付着しても、二重リング形回転電極の内側に配置された従来砥石(非導電性砥石)912によって、的確に除去することができる。
【0094】
図22は本発明の実施例を示す従来砥石(非導電性砥石)を外側に配置した二重リング形回転電極を有するツルーイング・ドレッシング装置を示す図である。
【0095】
この図に示すように、二重リング形回転電極920の回転主軸921によって回転する電極内輪922、絶縁層923、電極外輪924から構成される二重リング形回転電極920の外側に従来砥石(非導電性砥石)925を配置する。
【0096】
このように構成したので、ツルーイング・ドレッシングを行うことにより、被ツルーイング・ドレッシング砥石100の突出した部分(振れの大きい部分)に電極材料が付着しても、二重リング形回転電極の外側に配置された従来砥石(非導電性砥石)925によって、的確に除去することができる。
【0097】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0098】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、以下のような効果を奏することができる。
【0099】
(A)超砥粒砥石、特に金属の結合剤を有する超砥粒砥石のツルーイング・ドレッシングを極めて簡便に行うことができる。
【0100】
(B)高精度な形状創成加工が可能になる。
【0101】
(C)乾式研削盤でも機上ツルーイング・ドレッシングができる。
【0102】
(D)導電性、非導電性の砥石に関わらず、同じ装置でツルーイング・ドレッシングを行うことができる。
【0103】
(E)高い真円度の砥石作業面が得られる。
【0104】
(F)電極の消耗が少ないため経済的であり、また作業環境をクリーンに保つことができる。
【0105】
(G)V字形の鋭い刃先形状を容易に創成することができる。
【0106】
(H)ツルーイング・ドレッシングを行いながら砥石の真円度をモニタリングすることができ、その結果、その時々に合った適切なツルーイング・ドレッシング条件を与えることができる。
【0107】
(I)インプロセスツルーイング・ドレッシングにおいて、ツールパスを補正しながら加工を行うことができる。
【0108】
(J)ツルーイング・ドレッシングを行うことにより、被ツルーイング・ドレッシング砥石の突出した部分(振れの大きい部分)に電極材料が付着しても、二重リング形回転電極の内側または外側に配置された従来砥石(非導電性砥石)によって、的確に除去することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施例を示す接触放電ツルーイング・ドレッシング装置の構成図である。
【図2】 本発明の実施例を示す接触放電ツルーイング・ドレッシング装置の制御装置のブロック図である。
【図3】 本発明の実施例を示す接触放電ツルーイング・ドレッシング方法の説明図である。
【図4】 図3のA部を拡大し、そのツルーイング・ドレッシングメカニズムを説明する図(その1)である。
【図5】 図3のA部を拡大し、そのツルーイング・ドレッシングメカニズムを説明する図(その2)である。
【図6】 本発明の実施例を示す電極送り駆動機構を有する接触放電ツルーイング・ドレッシング装置の要部構成図である。
【図7】 本発明の実施例を示す接触放電ツルーイング・ドレッシング装置の給電機構の構成図である。
【図8】 図7に示す接触放電ツルーイング・ドレッシング装置の二重リング形回転電極の径を異ならせた例を示す断面図である。
【図9】 本発明の各種の接触放電ツルーイング・ドレッシング方法の説明図である。
【図10】 本発明の実施例を示す電極側面の回転振れを除去する方法を示す図である。
【図11】 本発明の実施例を示すV字形の砥石刃先形状を得る接触放電ツルーイング・ドレッシング方法の説明図である。
【図12】 本発明の実施例を示す二重リング形回転電極の駆動装置を十字移動機構と回転機構を備えた数値制御移動テーブル上に設置する接触放電ツルーイング・ドレッシング装置の構成図である。
【図13】 本発明の実施例を示す二重リング形回転電極の回転軸方向への送り速度を数値制御する方法の説明図である。
【図14】 本発明の実施例を示す砥石の真円度を推定する方法の説明図である。
【図15】 本発明の実施例を示す砥石の真円度の推定値に基づいて数値制御または自動制御により接触放電消費電力E・Ip /2の大きさを自動調整する方法の説明図である。
【図16】 本発明の実施例を示す砥石の真円度の推定値が所定の値になった場合に接触放電ツルーイング・ドレッシングを自動終了する方法の説明図である。
【図17】 本発明の実施例を示す制御がより安定的に行われるように、二重リング形回転電極に対する供給電圧の種類をDC電圧とパルス電圧の間で自動切替えする方法の説明図である。
【図18】 本発明の実施例を示すツルーイング量を測定しながら接触放電ツルーイング・ドレッシングを行う方法の説明図である。
【図19】 図18に示す接触放電ツルーイング・ドレッシングを行う方法の変形例を示す図である。
【図20】 本発明の実施例を示すインプロセスツルーイング・ドレッシングに適用し、ツルーイング量に基づいてツールパスを補正しながら行う接触放電ツルーイング・ドレッシング方法の説明図である。
【図21】 本発明の実施例を示す従来砥石(非導電性砥石)を内側に配置した二重リング形回転電極を有するツルーイング・ドレッシング装置を示す図である。
【図22】 本発明の実施例を示す従来砥石(非導電性砥石)を外側に配置した二重リング形回転電極を有するツルーイング・ドレッシング装置を示す図である。
【符号の説明】
1,100,401,410 プロファイル研削用砥石または被ツルーイング・ドレッシング砥石
2 ベース
3 前カバー
4 Oリング
5 Oリング押え蓋
6 後カバー
7 コネクタ
8 カバー
9 取っ手
10 前方リミッタ
11 後方リミッタ
12 モータブラケット
13 ステッピングモータ
14,24 カップリング
15 ボールスクリュー
16 ボールスクリューサポートユニット
17 ナット
18 ナットブラケット
19 主軸移動テーブル
20 リニアガイドレール
21 リニアガイドスライダ
22 モータブラケット
23 DCモータ
25 主軸
26 主軸サポートユニット
27 主軸補助サポートユニット
28 メカロック
29 電極ホルダ
30,123,203,212,914,923 絶縁層
31 二重リング形回転電極外輪
32 二重リング形回転電極絶縁層
33 二重リング形回転電極内輪
34,35,128,129 給電ブラシ
36 給電ブラシブラケット
37 変位センサ
38 放電電流制限抵抗
39 ホール電流検出器
40 数値演算処理装置
41 デジタル入力装置
42 デジタル出力装置
43 AD変換器
44 DA変換器
45 ピーク検出回路
46 ローパスフィルタ
47 VF変換器
48 スイッチング回路
49 Y形リレー
50 電力増幅回路
51 ステッピングモータドライバ
52,53 アナログスイッチ
54 DCモータドライバ
55 手動操作装置
56 増幅器
101 導電性砥石
102 導電性結合剤
103,112 砥粒
105 DC電源またはパルス電源
107 スイッチ
110 非導電性砥石
111 非導電性結合剤
120 電極送り駆動機構
121,406,416,911,921 二重リング形回転電極の回転主軸
122 導電体リング
124 電極フランジ
125 ワッシャ
126 電極固定ボルト
127 給電バネ
201,405,415,910,920 二重リング形回転電極
201′ 径の小さい二重リング形回転電極
202,211,913,922 電極内輪
204,213,915,924 電極外輪
220,221,222 電極の切り屑
301 液供給用ノズル
302 液
303 噴霧供給用ノズル
304 噴霧
402,411 砥石回転軸
417 ツルーイング・ドレッシング装置本体
418,802 数値制御移動テーブル
501,601 数値制御装置
602 砥石の真円度推定装置
610 接触放電電力自動調整装置
620 自動終了処理装置
630 電源種類自動切替装置
701 ツルーイング装置本体
801 ツールパスの補正装置
803 工作物
912,925 従来砥石(非導電性砥石)
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14
【図16】
15
【図17】
16
【図18】
17
【図19】
18
【図20】
19
【図21】
20
【図22】
21