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明細書 :カーボンナノホーンとその製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3479889号 (P3479889)
公開番号 特開2003-025297 (P2003-025297A)
登録日 平成15年10月10日(2003.10.10)
発行日 平成15年12月15日(2003.12.15)
公開日 平成15年1月29日(2003.1.29)
発明の名称または考案の名称 カーボンナノホーンとその製造方法
国際特許分類 B82B  1/00      
B01J 23/10      
B01J 23/42      
B82B  3/00      
C01B 31/02      
FI B82B 1/00
B01J 23/10
B01J 23/42
B82B 3/00
C01B 31/02
請求項の数または発明の数 12
全頁数 5
出願番号 特願2001-214335 (P2001-214335)
出願日 平成13年7月13日(2001.7.13)
審査請求日 平成13年10月2日(2001.10.2)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】396020800
【氏名又は名称】科学技術振興事業団
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
【識別番号】000173647
【氏名又は名称】財団法人産業創造研究所
発明者または考案者 【氏名】湯田坂 雅子
【氏名】飯島 澄男
【氏名】小海 文夫
【氏名】高橋 邦充
【氏名】糟屋 大介
個別代理人の代理人 【識別番号】100071272、【弁理士】、【氏名又は名称】後藤 洋介 (外1名)
審査官 【審査官】佐藤 秀樹
参考文献・文献 特開2001-64004(JP,A)
特開2001-39706(JP,A)
Y.Saito, K. Nishikubo, K. Kawabata, and T. Matsumoto,Carbon nanocapsules and single-layered nanotubes produced with platinum-group metals by arc discharg,Journal of Applied Physics,米国,American Institute of Physics,1996年 9月 1日,80(5),3062-3067
調査した分野 B82B 1/00,3/00
C01B 31/02
特許請求の範囲 【請求項1】
カーボンナノホーンにおいて、炭素以外の原子を含む粒状物質を、カーボンナノホーンの周辺及び内部のうち少なくとも周辺に担持したことを特徴とするカーボンナノホーン。

【請求項2】
請求項1に記載のカーボンナノホーンにおいて、前記粒状物質は、金属、合金、半導体、及びこれらの炭化物からなる群から選ばれた少なくとも一種類の物質を含んでいることを特徴とするカーボンナノホーン。

【請求項3】
請求項1及び2のいずれかに記載のカーボンナノホーンにおいて、前記粒状物質の大きさは、1~50nmであることを特徴とするカーボンナノホーン。

【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載のカーボンナノホーンにおいて、前記粒状物質は触媒作用を有することを特徴とするカーボンナノホーン。

【請求項5】
カーボンナノホーンの製造方法において、炭素以外の物質をその構成原子に含む粒状物質及び炭素の混合物にエネルギーを注入し、前記粒状物質と炭素とを蒸発させることにより、前記粒状物質がカーボンナノホーンの周辺に担持されたカーボンナノホーンを製造することを特徴とするカーボンナノホーン製造方法。

【請求項6】
請求項5に記載のカーボンナノホーン製造方法において、前記粒状物質は、金属、合金、半導体、及びこれらの炭化物からなる群から選ばれた少なくとも一種類の物質を含んでいることを特徴とするカーボンナノホーン製造方法。

【請求項7】
請求項5及び6のいずれかに記載のカーボンナノホーン製造方法において、前記粒状物質の大きさは、1~50nmであることを特徴とするカーボンナノホーン製造方法。

【請求項8】
請求項5乃至7のいずれかに記載のカーボンナノホーン製造方法において、前記粒状物質は触媒作用を有することを特徴とするカーボンナノホーン製造方法。

【請求項9】
請求項5乃至8のいずれかに記載のカーボンナノホーン製造方法において、前記エネルギーの注入は、不活性ガス雰囲気にて行われることを特徴とするカーボンナノホーン製造方法。

【請求項10】
請求項5乃至9のいずれかに記載のカーボンナノホーン製造方法において、前記エネルギーの注入は、レーザー光の照射にてなされることを特徴とするカーボンナノホーン製造方法。

【請求項11】
カーボンナノホーンにおいて、炭素以外の原子であって、触媒作用を有する粒状物質をカーボンナノホーンの周辺に担持したことを特徴とするカーボンナノホーン。

【請求項12】
カーボンナノホーンの製造方法において、炭素以外の物質をその構成原子に含む粒状物質であって、触媒作用を有する前記粒状物質及び炭素の混合物にエネルギーを注入し、前記粒状物質と炭素とを蒸発させることにより、前記粒状物質がカーボンナノホーンの周辺に担持されたカーボンナノホーンを製造することを特徴とするカーボンナノホーン製造方法。
発明の詳細な説明 【発明の詳細な説明】

【1】

【発明の属する技術分野】本発明は、カーボンナノチューブにおいて径の大きい部分と小さい部分に挟まれた円錐あるいは円錐台状の領域が主たる構造、即ちカーボンナノホーンに関する。特に、本発明は、カーボンナノホーンの構成要素及びその製造方法に関する。

【10】
このようにして、異種元素がカーボンナノホーンに担持することにより、カーボンナノホーンの化学的性質や物性の多様性が拡大する。

【11】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態であるカーボンナノホーンの製造方法について説明する。

【12】
(1)カーボンナノホーンに担持させる粒状物質を含むグラファイトターゲットを用意する。ここで利用できる粒状物質として、白金族金属、遷移金属、アルカリ金属、アルカリ土類金属がある。または、これらの金属の合金、金属炭化物を含有させることもできる。更には、カルコゲナイド元素、半導体を含有させることもできる。これらの粒状物質は単一の種類に限らず、複数の組み合わせであっても良い。

【13】
グラファイトターゲット中での粒状物質の含有量を増やせば、カーボンナノホーンにて担持される粒状物質の量は増加する。逆に、グラファイトターゲット中での粒状物質の含有量を減らせば、カーボンナノホーンにて担持される元素の量は減少する。

【14】
(2)用意したグラファイトターゲットを不活性ガス雰囲気中に置く。ここで不活性ガスとしてはアルゴン、窒素、ヘリウム、ネオン等が利用できる。

【15】
(3)グラファイトターゲットに対してエネルギーを注入する。代表的な方法としてはレーザー光による注入がある。

【16】
尚、エネルギー注入は、雰囲気の減圧下であっても加圧下であってもカーボンナノホーンを生成することができるが、減圧下で行なうと粒状物質を小さくすることができる。粒状物質が小さい方がカーボンナノホーンの化学的性質や物性の変化は顕著となる。具体的には、粒状物質の大きさを1~50nmとしたとき、顕著な化学的性質や物性を有するカーボンナノホーンを製造することが容易となる。

【17】
(4)カーボンナノホーンが形成される。

【18】
以上の方法はカーボンナノホーンの構造に関わらず適用できる。即ち、単層、多層、松毬(かさ)状といったカーボンナノホーンの構造全てに適用できる。

【19】
また、磁性体を粒状物質として担持させたカーボンナノホーンは、磁場を作用させることで任意の操作を行うことができる。磁場を作用させた操作は、カーボンナノホーン以外のカーボンナノチューブ、フラーレンにおいてもカーボンナノホーンと同様に操作することができることはいうまでもない。

【2】

【従来の技術】近年、ナノメートルスケールの微細構造を有する炭素物質が注目を浴びている。カーボンナノチューブ、フラーレン、ナノカプセルといったこの種の炭素物質は、電子材料、触媒、光材料等への応用が期待されている。

【20】

【実施例】次に実施例を用いて本発明を更に詳しく説明する。

【21】
(第1の実施例)圧力5.7Pa(760Toor)、室温、のアルゴンガス雰囲気中で、白金を1atm%を含有したグラファイトターゲットに、4kWのCO2レーザー光をパルス幅500ms、10Hzにて照射すると、図1のように白金微粒子を担持したカーボンナノホーンが形成されることが透過電子顕微鏡観察で明らかになった。生成物は黒色粉末で、白金微粒子の直径はおよそ5nmであった。この場合の収率は75w%以上、純度は約90%であった。

【22】
(第2の実施例)圧力5.7Pa(760Toor)、室温、のアルゴンガス雰囲気中で、ガドリニウムを1atm%を含有したグラファイトターゲットに、4kWのCO2レーザー光をパルス幅500ms、10Hzにて連続的に照射すると、ガドリニウム微粒子を担持した単層カーボンナノホーンが形成された。ガドリニウム微粒子の直径はおよそ5~10nmであった。この場合も収率は75w%以上、純度は約90%であった。このガドリニウム担持カーボンナノホーンは磁場により所望の場所にマニピュレート(操作、搬送)できた。

【23】

【発明の効果】本発明によれば、異種元素を含む粒状物質がカーボンナノホーンの一部を担持することにより、カーボンナノホーンの化学的性質や物性の多様性が拡大することができる。

【24】
また、本発明によれば、担持する粒状物質が触媒になる場合、微小な空間に効率よく触媒を配置することが可能になり、カーボンナノホーンの応用範囲を拡大することができる。

【3】
カーボンナノチューブ及びフラーレンでは、その主たる構成元素の炭素に異種元素を担持した構造が知られている。このような構造を有することにより、カーボンナノチューブやフラーレンの化学的性質や物性に、様々な多様性を発現させることが可能となり、その結果、様々な分野への応用が考えられるようになった。

【4】

【発明が解決しようとする課題】しかし、カーボンナノホーンでは、まだ、そのような異種元素を担持した構造や、その製法は見つかっていなかった。そのため、カーボンナノホーンの化学的性質や物性の多様性は限定されていた。その結果、応用可能な分野が限られていた。

【5】
このような状況に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、多様な化学的性質や物性を具備し得るカーボンナノホーンの構造及びその製造方法を提供することである。

【6】

【課題を解決するための手段】本発明では、カーボンナノホーンにおいて、その構成要素として異種元素の粒子をカーボンナノホーンの周辺に担持したカーボンナノホーンの製造技術を提供する。異種元素を含む炭素にエネルギーを注入して、異種元素と炭素を蒸発させる金属、半導体担持カーボンナノホーンの製造技術を提供する。異種元素は金属、半導体、あるいはそれらの炭化物であり、かつその一種類あるいは複数種類である。

【7】
即ち、本発明は、炭素以外の原子を含む粒状物質をカーボンナノホーンの周辺あるいは内部に担持したことを特徴とするカーボンナノホーンを提供する。

【8】
このようなカーボンナノホーンによれば、担持した粒状物質に応じて異なる化学的性質及び物性を有することが可能となり、カーボンナノホーンの応用範囲を拡大することができる。ここでいう粒状物質は、例えば、金属、合金、半導体、及びこれらの炭化物といった物質である。これらの物質のうちの一種類であっても複数種類であってもよい。特に、粒状物質の大きさを1~50nmとすると、顕著な化学的性質や物性を有するカーボンナノホーンとなる。また、特に、触媒作用を有する粒状物質を用いる場合、このカーボンナノホーンは触媒を微小空間に効率よく配置する手段として用いることができる。

【9】
また、本発明は次のようなカーボンナノホーンの製造方法を提供する。即ち、炭素以外の物質をその構成原子に含む粒状物質及び炭素の混合物にエネルギーを注入し、粒状物質と炭素とを蒸発させることにより、粒状物質がカーボンナノホーンの周辺に担持されたカーボンナノホーンを製造することを特徴とするカーボンナノホーン製造方法である。粒状物質は、金属、合金、半導体、及びこれらの炭化物からなる群から選ばれた少なくとも一種類の物質を含んでいることとしてよい。触媒作用を有する粒状物質を用いれば、微小空間に触媒を効率よく分散して配置する方法として利用することができる。エネルギーの注入は不活性ガス雰囲気にて行われることとしてよい。エネルギーの注入方法の一例としてはレーザー光の照射がある。
図面
【図1】
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