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明細書 :光ファイバプローブ及びその製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3793435号 (P3793435)
公開番号 特開2003-054994 (P2003-054994A)
登録日 平成18年4月14日(2006.4.14)
発行日 平成18年7月5日(2006.7.5)
公開日 平成15年2月26日(2003.2.26)
発明の名称または考案の名称 光ファイバプローブ及びその製造方法
国際特許分類 C03C  13/04        (2006.01)
C03C  25/68        (2006.01)
G02B   6/00        (2006.01)
G02B   6/44        (2006.01)
A61B   1/00        (2006.01)
FI C03C 13/04
C03C 25/06
G02B 6/00 376B
G02B 6/44 301A
G02B 6/44 331
A61B 1/00 300U
請求項の数または発明の数 5
全頁数 10
出願番号 特願2001-248684 (P2001-248684)
出願日 平成13年8月20日(2001.8.20)
審査請求日 平成14年3月18日(2002.3.18)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
【識別番号】000002255
【氏名又は名称】昭和電線電纜株式会社
【識別番号】000000044
【氏名又は名称】旭硝子株式会社
発明者または考案者 【氏名】細野 秀雄
【氏名】平野 正浩
【氏名】大登 正敬
【氏名】栃谷 元
【氏名】大根田 進
【氏名】菊川 信也
個別代理人の代理人 【識別番号】100077584、【弁理士】、【氏名又は名称】守谷 一雄
審査官 【審査官】後藤 昌夫
参考文献・文献 特開平05-147966(JP,A)
特開2000-103629(JP,A)
特開平09-309742(JP,A)
特開平01-126602(JP,A)
特開平10-095628(JP,A)
特開平06-011441(JP,A)
特開平10-104244(JP,A)
特開平11-271337(JP,A)
調査した分野 G02B 6/00 - 6/54
特許請求の範囲 【請求項1】
光ファイバの先端部を尖鋭化して成る光ファイバプローブにおいて、
前記光ファイバは、フッ素の含有量が100~1000ppm、OH基の含有量が4~7ppmでかつ水素を含浸したシリカガラスから成るコアを備え、前記コアの外周にフッ素の含有量が1000~7000ppmであるシリカガラス、またはホウ素の含有量が2000~10000ppmであるシリカガラスから成るクラッドを備えることを特徴とする光ファイバプローブ。
【請求項2】
前記クラッドの外周に保護層を備えることを特徴とする請求項記載の光ファイバプローブ。
【請求項3】
前記保護層の外周に保護被覆層を備えることを特徴とする請求項2記載の光ファイバプローブ。
【請求項4】
請求項1記載の光ファイバの先端部を、エッチング液で尖鋭化することを特徴とする光ファイバプローブの製造方法。
【請求項5】
前記エッチング液は、2~46%の弗化水素酸水溶液であることを特徴とする請求項記載の光ファイバプローブの製造方法。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、真空紫外光および深紫外光を伝播させることができる光ファイバプローブ及びその製造方法に係わり、特に近接場顕微鏡のプローブとして好適する光ファイバプローブ及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近時、いわゆる近接場光を検出する近接場顕微鏡が開発され、この近接場顕微鏡によって、細胞やDNA等の微小体を観察したり、破壊すること等が行なわれている。
【0003】
かかる近接場顕微鏡においては、測定すべき試料は逆三角形状の全反射プリズム上に配置され、この全反射プリズムには試料の裏面から試料表面で全反射条件を満たすように光が入射され、これにより試料の表面付近に近接場光と称する表面波が発生する。そして、この表面波の中に先端部が先鋭化されたプローブを差込むと、近接場光が散乱され、また、散乱光の一部がプローブ内に進入し、検出部材に導光される。これにより、試料からの光学情報がナノ・メーター・オーダーの分解能で測定される。
【0004】
従来、このような構成の近接場顕微鏡のプローブとしては、所定量のゲルマニウムを含有させたシリカガラスから成るコアの外周に、シリカガラスから成るクラッドを設けて成る光ファイバプローブが使用されていた。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成の光ファイバプローブにおいては、波長領域が200nm以下のいわゆる真空紫外光および波長領域が200~300nmのいわゆる深紫外光を伝播させることが困難であり、また真空紫外光および深紫外光の透過による劣化が著しく使用に耐え得ることができないという難点があった。
【0006】
一方、光ファイバを近接場顕微鏡のプローブとして使用するためには、光ファイバの先端部を光の波長以下にまで先鋭化する必要がある。かかる光ファイバの先端部を先鋭化する方法としては、例えば、特開平10-104244号公報に示されるように、光ファイバの先端部をエッチング液に浸漬する方法が知られている。ここで、エッチング液中における溶解速度は、エッチング液の組成と光ファイバを構成する各層の材料によって決定される。
【0007】
しかしながら、従来のエッチング方法においては、光ファイバがシリカガラスから成るコアおよびクラッドで形成されていることから、エッチングを効率良く進ませることができず、ひいては光ファイバの先端部に所望の尖鋭部を形成することが困難であるという難点があった。
【0008】
本発明は、上述の難点を解決するためになされたもので、真空紫外光および深紫外光を高透過率で伝播させることができ、また、紫外線照射による劣化が少なく、さらに、エッチングにより、光ファイバの先端部に所望の尖鋭部を形成し得る光ファイバプローブおよびその製造方法を提供することを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
このような目的を達成するため、本発明の光ファイバプローブは、光ファイバの先端部を尖鋭化して成る光ファイバプローブにおいて、光ファイバは、フッ素の含有量が100~1000ppm、OH基の含有量が4~7ppmでかつ水素を含浸したであるシリカガラスから成るコアを備え、前記コアの外周にフッ素の含有量が1000~7000ppmであるシリカガラス、またはホウ素の含有量が2000~10000ppmであるシリカガラスから成るクラッドを備えることを特徴としている。
【0010】
また、本発明の光ファイバプローブは、クラッドの外周に保護層を備えることを特徴としている。
【0011】
さらに、本発明の光ファイバプローブは、保護層の外周に保護被覆層を備えることを特徴としている。
【0012】
本発明の光ファイバプローブの製造方法は、光ファイバの先端部をエッチング液で尖鋭化することを特徴としている。
【0013】
また、本発明におけるエッチング液は、2~46%の弗化水素酸水溶液であることを特徴としている。
【0014】
本発明の光ファイバプローブによれば、光ファイバとして、所定量のフッ素を含有させたシリカガラスから成るコアの外周に所定量のフッ素を含有させたシリカガラスから成るクラッドを備える光ファイバ等を使用していることから、深紫外光および真空紫外光を高透過率で伝播させることができ、また、深紫外光および真空紫外光の照射による劣化を防止することができ、ひいては長期にわたって安定した光ファイバプローブを提供することができる。
【0015】
また、本発明の光ファイバプローブの製造方法によれば、コアおよびクラッドにフッ素が含有され、かつエッチング液として弗化水素酸水溶液を使用していることから、従来のゲルマニウムを含有するシリカガラスから成るコアを備える光ファイバよりも、エッチングを効率良く進ませることができ、ひいては光ファイバの先端部を所望の形状に尖鋭化することができる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の光ファイバプローブおよびその製造方法を適用した好ましい実施の形態例について、図面を参照して説明する。
【0017】
図1は、本発明の光ファイバプローブの縦断面図、図2は、本発明における光ファイバの横断面図、図3および図4は、本発明における光ファイバの他の実施例に係る横断面図を示している。なお、図2~図4において、図1と共通する部分には同一の符号が付されている。
【0018】
図1において、本発明の光ファイバプローブ1は、後述する光ファイバ2の先端部を尖鋭化して成る尖鋭部3を備えており、尖鋭部3の外周面には、図中一点鎖線で示すように遮光用の金属被膜4が設けられている。ここで、尖鋭部3の角度(θ)は、約20~150度とされている。
【0019】
光ファイバ2は、図2に示すように、コア5と、このコア5の外周に設けられるクラッド6aと、このクラッド6aの外周に設けられる保護層7と、この保護層7の外周に設けられる保護被覆層8とを備えている。
【0020】
コア5は、フッ素含有量が100~1000ppmであるシリカガラスから構成されている。かかるフッ素は、従来、屈折率を低減させるものとしてクラッドにドープされていたものであるが、本発明においては、コア5を形成するシリカガラスにフッ素を100~1000ppm含有させることにより、光ファイバ中を伝送する紫外光の透過率を高くすることができる。ここで、フッ素のシリガガラスに対する含有量を100ppm以上としたのは、100ppm未満では、光ファイバ中を伝送する紫外光の透過率が低減し、また、1000ppm以下としたのは、後述するクラッドに含有するフッ素の含有量を考慮したものである。また、フッ素含有量が100~1000ppmであるシリカガラスとしては、紫外光照射に起因する光ファイバの劣化を防止する観点から、OH基を4~7ppmの範囲で含有させることが好ましい。ここで、OH基の範囲を4~7ppmとしたのは、4ppm未満であると、光ファイバ中を伝送する紫外光の透過率の低減を防止することができず、反対に、7ppmを超えると、透過率の低減が生じることになるからである。
【0021】
なお、コア5は、石英ガラス上に所定量のSiO2の粒子を堆積させて火炎加水分解によってガラス化させて作成する直接ガラス化法や別の焼結工程により作成する所謂スート法等で形成することができる。
【0022】
クラッド6aは、フッ素含有量が1000~7000ppmであるシリカガラスまたはホウ素含有量が2000~10000ppmであるシリカガラスから構成されている。かかるフッ素またはホウ素の所定量をシリカガラスに含有させることにより、光ファイバ中を伝送する光の透過率の低下を防止することができる。ここで、フッ素のシリガガラスに対する含有量を1000ppm以上としたのは、コア5に含有するフッ素の含有量を考慮したものであり、また7000ppm以下としたのは、フッ素のシリカガラスに対する飽和量を考慮したものである。
【0023】
一方、ホウ素のシリカガラスに対する含有量を2000~10000ppmとしたのは、2000ppm未満であると、コア5の屈折率との関係から、光ファイバ中を伝送する光の透過率の低下を防止することが困難となり、また10000ppm以下としたのは、ホウ素のシリカガラスに対する飽和量を考慮したものである。
【0024】
なお、クラッド6aを有する光ファイバは、VAD法(気相軸付け法)、OVD法(外付け法)、MCVD法(内付け法)等により製造することができるが、所定量のフッ素あるいはホウ素を含有させたシリカガラスから、外径30mm程度の中空のドープ管を形成し、先に形成されたコアロッドを挿入して、プレフォームを作成することができる。そして、このプレフォームを紡糸して光ファイバを製造する。紡糸は、プレフォームを炉で加熱溶融し、巻取機により、所定の口径となるように、巻取速度を調整することにより行うことができる。
【0025】
ここで、前述の実施例においては、コア5の外周に、所定量のフッ素またはホウ素を含有するシリカガラスから成るクラッド6aを設けているが、このクラッド6aに代えて、図3に示すように、コア5の外周に紫外線透過樹脂から成るクラッド6bを形成してもよい。かかる紫外線透過樹脂としては、フッ素系樹脂が好ましく、また光透過性の観点からは、非結晶性フッ素樹脂が好ましい。結晶性を有するフッ素樹脂は、光散乱により透過率が低下するため、クラッド6bとして用いる場合には、フッ素系樹脂の結晶化度は30%以下であることが好ましい。なお、非結晶性フッ素樹脂の場合は、結晶化度を20%以下にすることが好ましい。このようなフッ素樹脂としては、特に主鎖に脂肪族環構造を有するフッ素ポリマー、例えば、アモルファスパーフロロ樹脂(商品名:サイトップ(旭硝子(株)社製))が好適に使用される。
【0026】
また、図4に示すように、クラッド6aに代えて、コア5の外周に、多数の中空孔Hを有するクラッド6cを形成してもよい。かかる中空孔Hは、光ファイバの光軸と平行に形成されおり、その全断面積は光ファイバの断面積に対して10~60%程度となるように設けられている。なお、多数の中空孔Hはコア5に対して均一に配置されるように設けられている。
【0027】
この実施例においては、中空孔H内の空気の存在により、コア5の屈折率に対して、光の伝送を最適となるように屈折率を低くすることができる。
【0028】
保護層7は、コア5およびクラッド6a、6b、6cを機械的に保護すると共に環境から保護するために設けられる。保護層7としては、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂、ウレタン系樹脂およびアクリレート系樹脂等が使用される。
【0029】
なお、保護層7は、保護層7を形成する樹脂を炉の下流において、ダイスからクラッドの周囲に所定量押し出し、架橋装置により樹脂を加熱架橋、あるいはUV照射架橋させ、固化または溶液を除去して形成することができる。この場合、保護層7としてシリコーン樹脂、ポリイミド樹脂を使用する場合は加熱架橋がなされ、ウレタン系樹脂、アクリレート系樹脂を使用する場合はUV照射架橋がなされる。
【0030】
なお、コア5、クラッド6a、6b、6c及び保護層7に対して、水素処理を施すことにより、光ファイバの紫外線照射による劣化防止を図ることができる。ここで、水素処理は、光ファイバを水素に含浸することにより行うことができる。水素含浸処理は、圧力0.5~15Mpa、温度20~100℃の水素中に放置することにより行うことができる。水素処理は、例えば、50時間以上行うこともできるが、50時間の処理により光ファイバの紫外線照射による劣化防止に有効な結果を得ることができる。上記条件による水素処理が2時間未満であると、十分な紫外線照射劣化防止の効果が得られない。
【0031】
保護被覆層8は、光ファイバの強度を高めるために設けられる。保護被覆層8は、ナイロン樹脂等を溶融し、ダイスから光ファイバの外周に押し出し、冷却して形成することができる。
【0032】
このような構成の光ファイバとしては、その口径は、150μmのコア5に対して200μmのクラッド6a、6b、6cを有し、また、800μmのコア5に対して1000μmのクラッド6a、6b、6cを有している。一方、保護層7は、100~250μmの厚さで設けられ、保護被覆層8は、400~600μmの厚さで設けられる。保護層7の厚さが100μm未満となると、コア5およびクラッド6a、6b、6cを十分に保護することができず、また、保護被覆層8の厚さが400μm未満となると、十分な強度が得られないからである。
【0033】
【実施例】
コア5としてフッ素含有量が100~200ppm、OH基含有量が4~7ppmのフッ素ドープシリカガラス(商品名:AQX、旭硝子社製)を用い、フッ素含有量が2000ppmのシリカガラスのクラッド6aを形成した。コア径は600μm、クラッド径は750μmに形成した。水素処理を行った後、ArFエキシマレーザーを用いて、紫外光を照射した前後における、紫外光伝送用光ファイバ1mを透過する各波長の紫外光の透過率を測定した。
【0034】
図5はその測定結果を示している。同図より、紫外光照射前の透過率T1と紫外光照射後の透過率T2は、殆ど同等であり、光ファイバの透過率は、紫外光を照射しても殆ど劣化していないことが理解できる。
【0035】
また、水素処理を行わず、ArFエキシマレーザーを用いて、紫外光を照射した前後における、紫外光伝送用光ファイバ1mを透過する各波長の紫外光の透過率を測定した。図6はその測定結果を示している。同図より、紫外光照射前の透過率T3が、紫外光照射後の透過率T4のように低下していることから、水素処理を施すことにより、紫外線照射による劣化を防止し得ることが理解できる。
【0036】
なお、上記のArFエキシマレーザーによる照射条件は、光密度20mJ/cm2の/pulse、繰り返し周波数20Hz、パルス数6000pulseであり、透過率は反復照射した前後の、紫外光伝送用光ファイバ1mを透過する各波長の紫外光の透過率を測定した。
【0037】
以上の結果より、本発明の光ファイバは、紫外光の透過率を高めることができ、また、紫外光照射による透過率の低減を改善することができ、劣化の影響を減少させることができる。特に、水素処理を行ったものは、紫外光照射による透過率の低減が見られず、その特性が著しく改善されていることがわかった。
【0038】
従って、このような構成の光ファイバを近接場顕微鏡のプローブとして利用すれば、深紫外光および真空紫外光を高透過率で伝播させることができ、また、深紫外光および真空紫外光の照射による劣化を防止することができ、ひいては長期にわたって安定した光ファイバプローブを提供することができる。
【0039】
なお、このような構成の光ファイバプローブは、深紫外光および真空紫外光を使用するエキシマレーザーを用いた露光装置、エキシマランプを用いた表面洗浄装置にも好適に適用することができる。
【0040】
次に、このような構成の光ファイバ2の先端部を先鋭化する方法について説明する。
【0041】
先ず、図7に示すように、光ファイバ2の所定部分を光軸に対して垂直に切断し、この切断部の末端から所定長の保護被覆層8および保護層7を剥離して、クラッド6a、6b、6cの外表面を清浄にする。次に、図8に示すように、容器9内に2~46%の弗化水素酸水溶液10を充填し、この弗化水素酸水溶液10に図7に示す光ファイバの先端部を浸漬し、所定時間放置する。ここで弗化水素酸水溶液を2~46%としたのは、規定値未満では光ファイバの先端部を効率良くエッチングできず、規定値を超えると、コア5の外表面が粗くなるからである。
【0042】
しかして、このままの状態で120分程度放置すると、エッチングが進んで光ファイバの先端部が自然に尖鋭化し、図1に示すように、尖鋭角(θ)が20~150度程度の光ファイバの尖鋭部3が得られる。このようにして得られた光ファイバの尖鋭部3の透過光部を除く外表面に、真空蒸着やスパッタリング法等により、遮光用の金属被膜4(図1参照)が施され、これにより本発明の光ファイバプローブが得られる。
【0043】
【実施例】
実施例として、コア5としてフッ素含有量が100~200ppm、OH基含有量が4~7ppmのフッ素ドープシリカガラス(商品名:AQX、旭硝子社製)を用い、フッ素含有量が2000ppmのシリカガラスのクラッド6aを形成した。コア径は10μm、クラッド径は125μmに形成した。比較例として、口径が10μmのシリカガラスから成るコアと、口径が125μmのシリカガラスから成る光ファイバを準備した。そして、これらの光ファイバの先端部を光軸に対して垂直に切断し、この切断部の末端から1cm程度に亘って保護被覆層8および保護層7を剥離して、クラッド6aの外表面を清浄にした。次に、容器9内に30%の弗化水素酸水溶液10を充填し、この弗化水素酸水溶液10に、実施例および比較例の光ファイバの先端部を浸漬してエッチングを行なった。その結果を図9に示す。
【0044】
図9より、実施例の光ファイバは、120分程度でエッチングが100%程度進み、比較例の光ファイバは40%程度しかエッチングが進行しないことが理解できる。
【0045】
なお、前述の実施例においては、光ファイバの先端部をエッチング液で尖鋭化しているが、本発明はこれに限定されず、例えば、機械研磨若しくはガスによるエッチングによって、光ファイバの先端部を尖鋭化してもよい。また、光ファイバ径も任意であり、20μm~2mmのものでプローブを形成してもよい。
【0046】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、本発明の光ファイバプローブによれば、プローブとして、所定量のフッ素を含有させたシリカガラスから成るコアの外周に、所定量のフッ素またはホウ素を含有させたシリカガラスから成るクラッドを設けて成る等の光ファイバを使用していることから、深紫外光および真空紫外光を高透過率で伝播させることができ、また、深紫外光および真空紫外光の照射による劣化を防止することができ、ひいては長期にわたって安定した光ファイバプローブを提供することができる。
【0047】
また、本発明の光ファイバプローブの製造方法によれば、コアおよびクラッドにフッ素が含有され、かつエッチング液として弗化水素酸水溶液を使用していることから、従来のゲルマニウムを含有するシリカガラスから成るコアを備える光ファイバよりも、効率良くエッチングを進ませることができ、所望の尖鋭部を効率よく形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の光ファイバプローブの縦断面図。
【図2】 本発明における光ファイバの横断面図。
【図3】 本発明における光ファイバの他の実施例を示す横断面図。
【図4】 本発明における光ファイバの他の実施例を示す横断面図。
【図5】 本発明における光ファイバの特性を示す説明図。
【図6】 本発明における光ファイバの特性を示す説明図。
【図7】 光ファイバの先端部の処理状況を示す縦断面図。
【図8】 光ファイバのエッチングの状況を示す説明図。
【図9】 光ファイバのエッチング率の比較を示す説明図。
【符号の説明】
1………光ファイバプローブ
2………光ファイバ
3………尖鋭部
4………金属被膜
5………コア
6………クラッド
7………保護層
8………保護被覆層
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8