TOP > 国内特許検索 > ホルムアルデヒド測定用試薬及びそれを用いたホルムアルデヒドの測定方法 > 明細書

明細書 :ホルムアルデヒド測定用試薬及びそれを用いたホルムアルデヒドの測定方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3828427号 (P3828427)
公開番号 特開2003-207498 (P2003-207498A)
登録日 平成18年7月14日(2006.7.14)
発行日 平成18年10月4日(2006.10.4)
公開日 平成15年7月25日(2003.7.25)
発明の名称または考案の名称 ホルムアルデヒド測定用試薬及びそれを用いたホルムアルデヒドの測定方法
国際特許分類 G01N  31/00        (2006.01)
C07C 225/16        (2006.01)
G01N  21/77        (2006.01)
G01N  21/78        (2006.01)
G01N  31/22        (2006.01)
FI G01N 31/00 V
C07C 225/16
G01N 21/77 A
G01N 21/77 B
G01N 21/78 A
G01N 31/22 121C
G01N 31/22 122
請求項の数または発明の数 8
全頁数 10
出願番号 特願2002-007885 (P2002-007885)
出願日 平成14年1月16日(2002.1.16)
審査請求日 平成15年3月6日(2003.3.6)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
【識別番号】591243103
【氏名又は名称】財団法人神奈川科学技術アカデミー
発明者または考案者 【氏名】鈴木 孝治
【氏名】鈴木 祥夫
個別代理人の代理人 【識別番号】100088546、【弁理士】、【氏名又は名称】谷川 英次郎
審査官 【審査官】竹中 靖典
参考文献・文献 特開2001-356117(JP,A)
特開2004-157103(JP,A)
Environ. Sci. Technol. 2003, 37, 5695-5700
調査した分野 G01N31/00~31/22
G01N21/75~21/83
G01N30/00~30/96
CAplus(STN)
JSTPlus(JDream2)
特許請求の範囲 【請求項1】
下記一般式[I]で示される構造を有する化合物を有効成分として含有するホルムアルデヒド測定用試薬。
【化1】
JP0003828427B2_000011t.gif
(式中、
は水素、炭素数1~10の直鎖若しくは分枝アルキル基又はフェニル基(ただし、該フェニル基上の各水素原子は、炭素数1~10の直鎖若しくは分枝アルキル基、ハロゲン、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基若しくはアミノ基(4級アンモニウム塩も含む)で置換されていてもよく、該フェニル基上に前記置換基が複数存在する場合には、それぞれの置換基は同一でも異なっていてもよい)、Rは、水素又は炭素数1~10の直鎖若しくは分枝アルキル基、
Arはフェニル基、ナフチル基又はアントラセニル基(ただし、これらの基上の各水素原子は、炭素数1~10の直鎖若しくは分枝アルキル基、ハロゲン、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基若しくはアミノ基(4級アンモニウム塩も含む)で置換されていてもよく、これらの基上に前記置換基が複数存在する場合には、それぞれの置換基は同一でも異なっていてもよい)
を示す。)
【請求項2】
前記一般式[I]で示される化合物は、下記一般式[II]で表される請求項1記載の試薬。
【化2】
JP0003828427B2_000012t.gif
(式中、R及びRは、一般式[I]と同義、RないしRはそれぞれ独立に水素、炭素数1~10の直鎖若しくは分枝アルキル基、ハロゲン、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基若しくはアミノ基(4級アンモニウム塩も含む)を示す)。
【請求項3】
前記一般式[I]又は[II]中のRが炭素数1~10の直鎖若しくは分枝アルキル基又はフェニル基である請求項1又は2記載の試薬。
【請求項4】
前記一般式[I]又は[II]中のRが水素である請求項3記載の試薬。
【請求項5】
前記一般式[II]中のRないしRは水素である請求項2ないし4のいずれか1項に記載の試薬。
【請求項6】
前記一般式[I]又は[II]で示される化合物が、固相に不動化されている請求項1ないし5のいずれか1項に記載の試薬。
【請求項7】
前記固相がろ紙である請求項6記載の試薬。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載の試薬と、被検試料とを接触させ、生成した色素を検出又は定量することを含むホルムアルデヒドの測定方法。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ホルムアルデヒド測定用試薬及びそれを用いたホルムアルデヒドの測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
近年、「シックハウス症候群」と呼ばれる住宅内装材の化学物質が原因とされる目や喉の痛み、あるいはアトピー性皮膚炎の悪化といった健康被害が問題にされている。シックハウス症候群と関連する化学物質として、ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、パラジクロロベンゼンが挙げられる。中でもホルムアルデヒドは、シックハウス症候群の原因物質として最も問題視されている。ホルムアルデヒドは、樹脂や高分子合成の原料として大量に使用されると共に、それらの製造工程や製品から大気中に放出され、例えば、新築住宅、リフォーム後の住宅で許容範囲をはるかに超える高濃度のホルムアルデヒドが検出された事例がある。また、種々の燃焼過程や光化学過程によっても生成する。さらにホルムアルデヒドは水に溶けやすいため、大気中の水滴に移行し、亜硫酸と安定な付加体の形成、還元剤としての作用による酸化体(過酸化水素など)の消費、ラジカル機構で進行する亜硫酸酸化におけるラジカル捕捉など、降水の酸性化を促進させる物質としても指摘されている。このため、室内空気中および大気中のホルムアルデヒド濃度を正確に見積もる必要がある。
【0003】
これまでに利用されている室内空気中の化学物質を測定する方法として、標準的測定法、検知管法、蒸気拡散式分析法、化学発光法、電気化学分析法などが挙げられる。これらの方法は厳密な測定結果を得ることが出来ると期待される反面、i) 精密な分析装置と高度な技術が必要とされる、ii) 結果の判定までにある程度の時間を要する、iii) 反応に用いる物質(溶媒、触媒など)が環境に不適切である、iv)妨害物質の影響を受けやすく、測定結果に誤差が生じるという問題点も指摘されている。一方で、消費者あるいは住宅生産者の間では、原因とされる化学物質の濃度を手軽に知りたいという要求が急速に増しており、既存の分析装置および分析試薬にとってかわる新しい手法が切望されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、本発明の目的は、ホルムアルデヒドを簡便に検出又は定量することができる、ホルムアルデヒド測定用試薬及びそれを用いたホルムアルデヒドの測定方法を提供することである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本願発明者らは、鋭意研究の結果、特定の構造を有するアミン化合物がホルムアルデヒドと反応すると有色の化合物が生成することを見出し、これを利用してホルムアルデヒドの測定が可能であることに想到して本発明を完成した。
【0006】
すなわち、本発明は、下記一般式[I]で示される構造を有する化合物を有効成分として含有するホルムアルデヒド測定用試薬を提供する。
【0007】
【化3】
JP0003828427B2_000002t.gif
【0008】
(式中、
は水素、炭素数1~10の直鎖若しくは分枝アルキル基又はフェニル基(ただし、該フェニル基上の各水素原子は、炭素数1~10の直鎖若しくは分枝アルキル基、ハロゲン、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基若しくはアミノ基(4級アンモニウム塩も含む)で置換されていてもよく、該フェニル基上に前記置換基が複数存在する場合には、それぞれの置換基は同一でも異なっていてもよい)、Rは、水素又は炭素数1~10の直鎖若しくは分枝アルキル基、
Arはフェニル基、ナフチル基又はアントラセニル基(ただし、これらの基上の各水素原子は、炭素数1~10の直鎖若しくは分枝アルキル基、ハロゲン、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基若しくはアミノ基(4級アンモニウム塩も含む)で置換されていてもよく、これらの基上に前記置換基が複数存在する場合には、それぞれの置換基は同一でも異なっていてもよい)
を示す。)
【0009】
また、本発明は、上記本発明の試薬と、被検試料とを接触させ、生成した色素を検出又は定量することを含むホルムアルデヒドの測定方法を提供する。
【0010】
【発明の実施の形態】
上記の通り、本発明のホルムアルデヒド測定用試薬は、上記一般式[I]で示される化合物を有効成分として含有する。
【0011】
一般式[I]中、Rは水素、炭素数1~10の直鎖若しくは分枝アルキル基又はフェニル基を示し、該フェニル基上の各水素原子は、炭素数1~10の直鎖若しくは分枝アルキル基、ハロゲン、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基若しくはアミノ基(4級アンモニウム塩も含む)で置換されていてもよく、該フェニル基上に前記置換基が複数存在する場合には、それぞれの置換基は同一でも異なっていてもよい。Rは、炭素数1~10の直鎖若しくは分枝アルキル基又はフェニル基であることが好ましく、特に炭素数1~4の直鎖若しくは分枝アルキル基又はフェニル基であることが好ましい。
【0012】
一般式[I]中、Rは、水素又は炭素数1~10の直鎖若しくは分枝アルキル基であり、好ましくは、水素又は炭素数1~4の直鎖若しくは分枝アルキル基であり、さらに好ましくは水素である。
【0013】
一般式[I]中、Arはフェニル基、ナフチル基又はアントラセニル基であり、これらの基上の各水素原子は、炭素数1~10の直鎖若しくは分枝アルキル基、ハロゲン、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基若しくはアミノ基(4級アンモニウム塩も含む)で置換されていてもよく、これらの基上に前記置換基が複数存在する場合には、それぞれの置換基は同一でも異なっていてもよい。Arは、フェニル基又は置換フェニル基であることが好ましい。従って、一般式[I]で表される化合物に包含される好ましい化合物として、下記一般式[II]で表される化合物を挙げることができる。
【0014】
【化4】
JP0003828427B2_000003t.gif
【0015】
一般式[II]中、R及びRは、一般式[I]と同義であり、好ましい基も一般式[I]について上記した通りであり、RないしRはそれぞれ独立に水素、炭素数1~10の直鎖若しくは分枝アルキル基、ハロゲン、水酸基、ニトロ基、カルボキシル基若しくはアミノ基(4級アンモニウム塩も含む)を示す。なお、一般式式[II]中のフェニル基は、特に置換されている必要はないので、RないしRが水素のものが合成が簡便で好ましい。
【0016】
一般式[II]で示される化合物の好ましい具体例として、下記式[III]で表される化合物及び下記式[IV]で表される化合物を挙げることができる。
【0017】
【化5】
JP0003828427B2_000004t.gif
【0018】
【化6】
JP0003828427B2_000005t.gif
【0019】
なお、一般式[I]で表される化合物自体は公知であり、公知の方法(例えば、Synthesis, 1983, 902-903に記載の方法等)により容易に合成することができ、また、下記実施例にも好ましい化合物の合成方法が詳細に記載されている。
【0020】
一般式[I]で表される化合物は、ホルムアルデヒドと接触すると、該化合物2分子とホルムアルデヒド1分子が次のように反応して、色素化合物を生じる。
【0021】
【化7】
JP0003828427B2_000006t.gif
【0022】
例えば、上記化合物及び化合物は、ホルムアルデヒドとそれぞれ次のように反応し、色素及び色素を生成する。
【0023】
【化8】
JP0003828427B2_000007t.gif
【0024】
【化9】
JP0003828427B2_000008t.gif
【0025】
従って、一般式[I]で示される化合物と、ホルムアルデヒドとの反応により生成される色素を測定することにより、被検試料中のホルムアルデヒドを測定することができる。生成される色素は、一般式[I]で示される化合物がほとんど吸光しない波長領域において吸光ピークを有するので、生成される色素を測定することにより、被検試料中のホルムアルデヒドを測定することができる。例えば、上記色素及びは、波長420nm~425nm付近に吸光ピークを有しており黄色に着色しているが、化合物及びは、波長420nm~425nm付近の光を全く吸収しないので、新たに生成したこれらの黄色の色素を容易に測定でき、それによってホルムアルデヒドを測定することができる。なお、本明細書において、「測定」とは検出と定量の両者を包含する意味で用いている。
【0026】
本発明の方法では、一般式[I]で示される上記化合物と、被検試料中のホルムアルデヒドとを接触させ、上記色素を生成させる。
【0027】
本発明の試薬は、溶液の形態にあっても、固相に不動化された形態でも使用することができる。溶液として用いる場合、好ましい溶媒の例として、水、アセトニトリル、両者の混合溶媒等を挙げることができるがこれらに限定されるものではなく、一般式[I]で示される有効成分を溶解することができ、ホルムアルデヒドとの反応を阻害しないいずれの溶媒をも用いることができる。溶液として使用する場合、溶液中の一般式[I]で示される有効成分の濃度は、特に限定されず、被検試料の種類や予定する反応時間等に応じて適宜選択することができるが、通常、1~50mM程度であり、5~10mM程度が好ましい。
【0028】
試薬を固相に不動化する場合、固相の好ましい例としては、ろ紙、シリカシート、アルミナシート等を挙げることができる。固相化は、特に限定されないが、一般式[I]で示される有効成分の溶液(好ましい溶媒及び濃度は上記と同じ)をろ紙等の固相に含浸させ、乾燥することにより容易に達成することができる。含浸は、溶液中への固相の浸漬又は溶液の固相への噴霧等により行うことができる。
【0029】
被検試料としては、その中に含まれるかもしれないホルムアルデヒドを測定しようとするあらゆる試料であってよく、気体でも液体でもよい。被検試料としては、例えば、新たに内装を施した家の中の空気等を例示することができる。
【0030】
測定は、溶液の形態又は固相に不動化された形態にある本発明の試薬と、被検試料を単に接触させ、生じた色素を測定することにより行うことができる。検出の場合には、目視により本発明の試薬が着色するか否かを調べることにより、被検試料中にホルムアルデヒドが含まれるか否かを調べることができる。また、定量の場合には、好ましくは、生成する色素の吸光ピーク又はその近傍の波長において、吸光度を測定することにより生成した色素を定量することができ、ひいては被検試料中のホルムアルデヒドを定量することができる。試薬が溶液の形態にある場合、定量は、試薬の吸光度をそのまま、あるいは、必要に応じて測定に適した濃度に希釈した後、測定することにより行うことができる。また、固相に不動化された形態にある場合には、被検試料との接触後、固相上に生じた色素を溶媒中に溶出し、得られた溶液の吸光度を測定することにより行うことができる。この場合の溶媒としては、特に限定されないが、試薬の溶液調製に用いられる上記溶媒を用いることができる。
【0031】
反応時間は、特に限定されず、被検試料中のホルムアルデヒド濃度や、所望する測定感度等に応じて適宜選択できるが、通常、5分~10分間程度でよい。また、反応温度も特に限定されず、室温で行うのが最も簡便で好ましい。
【0032】
【実施例】
以下、本発明を実施例に基づきより具体的に説明する。もっとも、本発明は下記実施例に限定されるものではない。
【0033】
実施例1 3-アミノ-4-ジフェニルプロプ-2-エン-1-オン(化合物)の合成
【化10】
JP0003828427B2_000009t.gif
【0034】
ディーンスタークトラップを取付けた200 ml三口フラスコに、1,3-ジフェニル-1,3-プロパンジオン4.50 g(0.02 mol)、乾燥ベンゼン60 ml、酢酸アンモニウム3.08 g (0.04 mol)、酢酸1.0 mlを加え、窒素気流下、12時間還流した。放冷後、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、カラムクロマトグラフィー(SiO2, CHCl3:AcOEt = 4:1 v/v)で精製し、目的化合物を得た。同定は、1H-NMR及びESI-TOFMSを用いて行った。
【0035】
収率:80%
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz, TMS, r.t.,δ/ppm) 5.7(s,1H), 7.3-7.6(m,10H), 10.1(br.s,1H)
ESI-TOFMS(+) [M+Na]+ = 246
【0036】
実施例2 4-アミノ-4-フェニル-3-エン-2-オン(化合物)の合成
【化11】
JP0003828427B2_000010t.gif
【0037】
ディーンスタークトラップを取付けた200 ml三口フラスコに、1-フェニル-1,3-ブタンジオン3.24 g(0.02 mol)、乾燥ベンゼン60 ml、酢酸アンモニウム3.08 g (0.04 mol)、酢酸1.0 mlを加え、窒素気流下、12時間還流した。放冷後、水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を減圧留去後、カラムクロマトグラフィー(SiO2, CHCl3:AcOEt = 4:1 v/v)で精製し、目的化合物を得た。同定は、1H-NMR及びESI-TOFMSを用いて行った。
【0038】
収率:85%
1H-NMR (CDCl3, 300 MHz, TMS, r.t.,δ/ppm) 2.0(s,3H), 5.7(s,1H), 7.5(m,5H), 10.1(br.s,1H)
ESI-TOFMS(+) [M+Na]+ = 184
【0039】
実施例3 化合物とホルムアルデヒドとの反応による吸収スペクトルの変化
実施例1で合成した化合物を、溶媒(MeCN:リン酸緩衝溶液(pH5.0) = 1.1 v/v)に20μMの濃度になるように溶解し、吸収スペクトルを測定した。この溶液1.0 mlに、5.0μMのホルムアルデヒド溶液(溶媒は化合物の溶媒と同じ)1.0 mlを混合し、室温で放置した。混合後、5分後に吸収スペクトルを測定した。
【0040】
結果を図1に示す。図1に示されるように、化合物は波長350 nm付近に吸収ピークを有し、一方、波長約410 nm以上の領域には吸収がない。しかし、これをホルムアルデヒドと反応させると、波長350 nm付近のピークが激減すると共に波長425 nm付近に新たな吸収ピークが生じてくる。従って、この波長425 nm付近で吸光度を測定することにより、被検試料中にホルムアルデヒドが含まれるか否かを容易かつ高感度に測定することができる。また、この反応により、透明であった溶液が、はっきりと視認できる程度に黄色に着色した。
【0041】
実施例4 化合物とホルムアルデヒドとの反応
実施例3と同様にして、化合物(実施例2で合成)の溶液とホルムアルデヒド溶液とを室温で反応させた。1.0μM又は5.0μMのホルムアルデヒド溶液1.0 mlと化合物を混合し、それぞれ室温で放置した。混合後、5分後に吸収スペクトルを測定した。
【0042】
結果を図2に示す。なお、図2において、波長325 nm付近の吸収ピークが上から2番目の曲線は、ホルムアルデヒド濃度が1.0μMの場合の結果を示し、波長325 nm付近の吸収ピークが最も低い曲線(「ホルムアルデヒドとの反応後(色素)」と記した曲線)は、ホルムアルデヒド濃度が5.0μMの場合の結果を示す。図2に示されるように、化合物は波長325 nm付近に吸収ピークを有し、一方、波長約380 nm以上の領域には吸収がない。しかし、これをホルムアルデヒドと反応させると、波長325 nm付近のピークが激減すると共に波長420 nm付近に新たな吸収ピークが生じてくる。従って、この波長420 nm付近で吸光度を測定することにより、被検試料中にホルムアルデヒドが含まれるか否かを容易かつ高感度に測定することができる。また、この反応により、透明であった溶液が、はっきりと視認できる程度に黄色に着色した。
【0043】
実施例5 化合物の固相化及びホルムアルデヒドとの反応
化合物を、溶媒(MeCN:リン酸緩衝溶液(pH5.0) = 4.1 v/v)中に6.0 mMの濃度で溶解した。ろ紙をこの溶液中に含浸し、乾燥させた。次いで、このろ紙を、ホルムアルデヒドガスで飽和したビニール袋の中に入れ、室温で5分間放置した。その結果、白色であったろ紙が、はっきりと視認できる程度に黄色に着色した。
【0044】
【発明の効果】
本発明により、ホルムアルデヒドを簡便に検出又は定量することができる、ホルムアルデヒド測定用試薬及びそれを用いたホルムアルデヒドの測定方法が初めて提供された。本発明の試薬を用いることにより、簡便かつ十分正確に被検試料中のホルムアルデヒドを測定することができる。特に、固相に不動化した形態では、試薬の取り扱いや持ち運びが容易で、しかも室内空気等の被検試料中に固相化試薬を放置するだけで極めて簡便にホルムアルデヒドの測定を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の試薬に用いられる化合物の1実施例である化合物とホルムアルデヒドとの反応による吸収スペクトルの変化を示す図である。
【図2】本発明の試薬に用いられる化合物の1実施例である化合物とホルムアルデヒドとの反応による吸収スペクトルの変化を示す図である。
図面
【図1】
0
【図2】
1