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明細書 :脳磁計用センサとそれを使用した超多チャンネル脳磁計システム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3566258号 (P3566258)
公開番号 特開2003-230546 (P2003-230546A)
登録日 平成16年6月18日(2004.6.18)
発行日 平成16年9月15日(2004.9.15)
公開日 平成15年8月19日(2003.8.19)
発明の名称または考案の名称 脳磁計用センサとそれを使用した超多チャンネル脳磁計システム
国際特許分類 A61B  5/05      
G01R 33/035     
FI A61B 5/05 A
G01R 33/035 ZAA
請求項の数または発明の数 3
全頁数 6
出願番号 特願2002-034920 (P2002-034920)
出願日 平成14年2月13日(2002.2.13)
審査請求日 平成14年2月13日(2002.2.13)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人 科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】武田 常広
個別代理人の代理人 【識別番号】100099265、【弁理士】、【氏名又は名称】長瀬 成城
審査官 【審査官】門田 宏
参考文献・文献 特開平04-238280(JP,A)
特開平04-283676(JP,A)
特開平02-116766(JP,A)
特開平07-008467(JP,A)
調査した分野 A61B 5/05
G01R 33/035
特許請求の範囲 【請求項1】
薄膜上にプリントしたセンサコイルを必要枚数だけ積層して構成した脳磁計用センサであって、前記センサコイルは上下方向および左右方向にそれぞれ正確にa/n(ただしaは薄膜コイルの一辺の長さ、nは自然数)だけずらし、かつn2 枚積層して構成したことを特徴とする脳磁計用センサ。
【請求項2】
上記センサコイルを積層して構成したセンサを、対向して正確に位置合わせしつつ、上下に複数枚配置し、対応するコイルに生じる電流の差をとって磁場の軸方向の一次微分や高次の微分を計測できるようにしたことを特徴とする請求項1に記載の脳磁計用センサ。
【請求項3】
請求項1または請求項2のセンサと、前記センサ中の各コイルに対応する高速の切り換え手段と、前記高速の切り換え手段に対応して配置されたスクイッドとを備えていることを特徴とする超多チャンネル脳磁計システム。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、被験者の脳により生じた磁界を測定する超多チャンネル脳磁計システムに関するものであり、特に被験者の頭部を包囲するセンサの構造に特徴がある超多チャンネル脳磁計システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
人の脳は、電気信号を発生している。これら電気信号は非常に微弱であるが、これらを種々の方法により非侵襲的に測定できる。かかる方法の一例である生体磁気測定法は、脳の電流によって頭部の外部に生じる磁界の測定を行っている。
【0003】
脳磁計(MEG)システムは、磁界センサ、センサ中の電流の検出器、及び関連エレクトロニクスを有する特別に改良された磁界検出用高感度装置であり、時間および空間分解能がすぐれた非侵襲脳機能計測装置として大きな期待がかけられ、次第に普及が図られている。
【0004】
このようなシステムに使用されるプラナー型磁界センサは、典型的には磁束により貫かれると微小電流を生じさせる多ループのコイル状の電線であり、例えば図3に示すように一つのマグネトメータ用コイル(イ)および計二つの磁場の方向微分コイル(グラディオメータ)(ロ)(ハ)を組み合わせ重ねて一体として構成されている。また、前記(イ)を持たず、(ロ)(ハ)のコイルだけで計測するものも多用されている。同時に(イ)だけのコイルも利用可能である。
【0005】
ところで、上記システムにおいて、充分な感度を確保するためにはセンサコイルの面積は数平方センチメートルは必要であり、そのような面積を持つセンサコイルを頭部表面に稠密に配置した時には、図2に示すように配置する数が限られ、高々数百チャンネル程度がその上限となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
そこで本発明は、薄膜上にプリントしたセンサコイルを上下左右方向に正確にa/n(ただしaは薄膜コイルの一辺の長さ、nは自然数)だけずらし、かつ
枚積層してセンサを構成し、対応する多数の薄膜からの信号を並列して多チャンネルスクイッドの入力部で切り換えるようにした超多チャンネル脳磁計システムを提供することにより、さらに数百から数万倍の解像度を持てる超高解像度システムを得ることを目的とする。
さらに、薄膜上にプリントしたセンサコイルを上下左右方向に正確にa/nだけずらし、n枚積層したセンサを、正確に位置合わせしつつ、対向して上下に複数枚配置し、対応するコイルに生じる電流の差をとるよう磁場の軸方向の一次微分や高次の微分を計測できるようにした脳磁計用センサとそのセンサを利用した超高解像度システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
このため、本発明が採用した技術解決手段は、
薄膜上にプリントしたセンサコイルを必要枚数だけ積層して構成した脳磁計用センサであって、前記センサコイルは上下方向および左右方向にそれぞれ正確にa/n(ただしaは薄膜コイルの一辺の長さ、nは自然数)だけずらし、かつn2 枚積層して構成したことを特徴とする脳磁計用センサである。
また、上記センサコイルを積層して構成したセンサを、対向して正確に位置合わせしつつ、上下に複数枚配置し、対応するコイルに生じる電流の差をとって磁場の軸方向の一次微分や高次の微分を計測できるようにしたことを特徴とする脳磁計用センサである。
また、上記センサと、前記センサ中の各コイルに対応する高速の切り換え手段と、前記高速の切り換え手段に対応して配置されたスクイッドとを備えていることを特徴とする超多チャンネル脳磁計システムである。
【0008】
【発明の実施形態】
以下、図面を参照して本発明に係る超多チャンネル脳磁計システムの一実施形態を説明すると、図1は同システムに使用するセンサコイル部の説明図である。
図において、1はセンサであり、このセンサ1は、従来公知のプラナー型のセンサコイルと同様の機能を持つ薄膜コイルを上下左右方向に正確にa/nだけずらしてn枚積層して構成されている(ただしaは薄膜コイルの一辺の長さ、nは自然数)。薄膜にコイルをプリントするならば、1枚の厚さを数μmとすれば、数百から数千枚重ねても高々数mmにしかならない。また正確に積層することも現在の技術では容易に実現できる。
【0009】
センサ1は頭部表面に図2に示すように複数配置され、夫々のセンサ1中のセンサコイル2は対応するマルチプレクサ等の切り換え手段3を介して対応するスクイッド4に従来システムと同様に接続されている。よって、マルチプレクサを1~nに次々と切り換えるとスクイッド、アンプ等は従来の数で最高数万倍ものチャンネルをもった計測システムが構成できる。なお、スクイッド以降の構成は従来のシステムをそのまま使用する。そして上下にこのセンサを並べて対応するコイルに生じる電流の差をとって磁場の軸方向の一次微分や高次の微分を計測することにより、軸方向のグラディオメータも構成できる。このようにして既存の電子システムと同様な構成でセンサを薄膜技術によって多重化するだけで超高解像度を得ることができるシステムを作ることが可能となる。
【0010】
以上の構成からなるシステムでは、セレクト信号により第i層からの出力を同時に多チャンネルのスクイッドに電子的に結合できるよう高速に切り換える手段によって切り換えてやると、スクイッドおよび以降の電子回路を莫大なものにすること無く、安価に超多チャンネルシステムを構築することができことが大きな特徴である。なお、脳磁計で計測される信号成分は高々数百ヘルツにすぎないので、上記切り換えは充分高速に行うことが可能で計測の同時性は保証される。
【0011】
こうして本システムでは一つのセンサに於いて検出する情報が積層した枚数によって決定されるため、積層数が多くなると、頭部に配置したセンサの数にたいして積層枚数分センサコイル数が著しく増大したことになり、従来のセンサコイルに比較して格段の情報収集量となり、従来のシステムに対して数百から数万倍の解像度を持てる超高解像度システムを得ることを可能にする。
【0012】
以上、本発明に係るセンサの実施形態について説明したが、上記実施形態は現在最も実現し易い方法、装置を例にとって説明しているにすぎない。例えば、上記方法によって積層したセンサコイルから得られた出力を適当なソフトウエアを用いて処理すれば同等の結果を得ることが可能であることから、センサコイルをずらす量(a/n)は必ずしも一定である必要はなく、積層枚数も必ずしもn枚である必要はない。さらにセンサコイルは平面形状は四角に限定されることなく、他の形状とすることができる。また上記実施形態ではプレナー型のセンサについて説明したが、積層したセンサを正確に位置合わせしつつ、対向して上下に複数枚配置し、従来公知のグラディオータ、または高次微分センサを構成することも可能であり,それらを切り換え手段を介してスクイッドに接続し脳磁計システムを構築することもできる。また、センサは被測定体(たとえば頭)に平行に置く必要はなく、頭部に垂直において、頭部に平行な磁場成分を測定することに使うことも可能である。また切り換え手段は、従来公知の適宜手段を採用することができる。
さらに、本発明はその精神または主要な特徴から逸脱することなく、他のいかなる形でも実施できる。そのため、前述の実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず限定的に解釈してはならない。
【0013】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、本発明によれば、センサコイルをプリントした薄膜を左右上下方向に一定方向だけずらして積層してセンサを構成し、対応する多数の薄膜センサコイルからの信号を並列して多チャンネルスクイッドの入力部で切り換える手段を採用することにより、従来のシステムに対して数百から数万倍の解像度を持てる超高解像度システムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセンサ部の構成を説明する図面である。
【図2】センサ部を頭部に配置した様子を示す図である。
【図3】従来のプラナー型のセンサコイルの一例を示す図である。
【符号の説明】
1 センサ部
2 薄膜センサコイル
3 切り換え手段
4 スクイッド
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2