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明細書 :晶析装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4187446号 (P4187446)
公開番号 特開2003-251101 (P2003-251101A)
登録日 平成20年9月19日(2008.9.19)
発行日 平成20年11月26日(2008.11.26)
公開日 平成15年9月9日(2003.9.9)
発明の名称または考案の名称 晶析装置
国際特許分類 B01D   9/02        (2006.01)
FI B01D 9/02 604
B01D 9/02 602A
B01D 9/02 603A
B01D 9/02 603D
B01D 9/02 605
B01D 9/02 609B
B01D 9/02 611Z
B01D 9/02 621
請求項の数または発明の数 2
全頁数 6
出願番号 特願2002-058556 (P2002-058556)
出願日 平成14年3月5日(2002.3.5)
審査請求日 平成17年2月25日(2005.2.25)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
【識別番号】000171919
【氏名又は名称】佐竹化学機械工業株式会社
発明者または考案者 【氏名】塩原 克己
【氏名】清水 健司
【氏名】小川 薫
個別代理人の代理人 【識別番号】100081787、【弁理士】、【氏名又は名称】小山 輝晃
審査官 【審査官】神田 和輝
参考文献・文献 特表2000-516527(JP,A)
国際公開第98/037938(WO,A1)
清水健司,機能性結晶材料の取り組みについて,化学工学会第66年会(2001)研究発表講演要旨集,日本,化学工学会,2001年 3月 2日,p106,107
調査した分野 B01D 9/00-9/04
B01J 19/00-19/32
C07B 31/00-63/04
C07C 1/00-409/44
C30B 1/00-35/00
JSTPlus(JDreamII)
特許請求の範囲 【請求項1】
蒸発部と該蒸発部に連通する晶析部とからなり、該晶析部の容器内に円筒状の仕切壁を介して中央部の結晶形成部と周辺部の微小結晶除去部を形成し、前記仕切壁に磁力発生手段を設けた晶析装置。
【請求項2】
前記仕切壁内に円筒形状のドラフトチューブを設けた請求項1に記載の晶析装置。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は医療品関係、食品関係、光学品関係、電気デバイス素材、テープフィラー素材等の材料関係等において適用される晶析装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種の従来の晶析装置として、図6の如く上方に配設した蒸発部aとその下方に配設した晶析部bとからなり、該蒸発部aから該晶析部b内へ導入管cにより連結されていると共に、該晶析部bから該蒸発部aへリターン管dにより連結されており、かつ該晶析部bから分級脚eが垂下し、前記リターン管dへ供給管fより供給された原料液は前記蒸発部aにおいて一部蒸発し、濃縮された原料液は前記導入管cを経て前記晶析部bにおいて過飽和状態となって結晶化されていき、残った原料液はリターン管dを経て前記蒸発部aへ戻ると共に供給管fより原料液が補充され、晶析部bにおいて形成された結晶は前記分級脚eより得ることができる装置が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
この従来の晶析装置によれば、晶析部bにおいて単に過飽和状態の原料液から結晶を成長形成させているので、得られた成長結晶の配向は図7の如く種々にわたり、薬理効果の高い均一な薬品等が得られない問題点があった。
【0004】
本発明はこのような問題点を解消し配向性即ち結晶軸方向が一致した結晶が得られる晶析装置を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成すべく本発明は蒸発部と該蒸発部に連通する晶析部とからなり、該晶析部の容器内に円筒状の仕切壁を介して中央部の結晶形成部と周辺部の微小結晶除去部を形成し、前記仕切壁に磁力発生手段を設けたことを特徴とする。
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の第1の実施の形態を図1により説明する。
【0007】
1は蒸発部、2は晶析部を示し、該蒸発部1は容器にヒータ等の加熱手段を具備して形成され、該蒸発部1からその下方に位置する前記晶析部2の容器2a内の中心部の下方部に垂下する導入管3を設けて該導入管3により前記蒸発部1と前記晶析部2との間を連結した。
【0008】
又、前記晶析部2の容器2aの側壁の上方部から前記蒸発部1に至るリターン管4を連通連結し、該リターン管4の途中に原料液の供給管5を連通接続した。
【0009】
6は磁力発生手段を示し、該磁力発生手段6は円筒状の電磁石からなり、前記晶析部2の容器2aの側壁の外方にこれを囲繞するように設けられている。
【0010】
7は結晶を流下させる管状の分級脚を示し、該分級脚7は該晶析部2の容器2aの底面から垂下するように設けられている。
【0011】
次に前記第1の実施の形態の作用を説明する。
【0012】
供給管5から原料液を供給すると、該原料液は、リターン管4を経て蒸発部1に至り、該蒸発部1において一部が蒸発して濃縮される。
【0013】
そして濃縮された原料液は導入管3より晶析部2の容器2aの中心部の下方部に流出する。
【0014】
該容器2a内において、濃縮された原料液は周囲の溶液によって冷却され過飽和状態となって徐々に上方へ流動し、この上方への流動中に晶析化しながら結晶が成長形成する。このときに、容器2aが外方の電磁石6により発生する該容器2a内の磁場力作用により結晶は図2の如く結晶軸方向が一致して成長形成する。即ち磁場力による磁化率が最小となる磁場方向に結晶はその結晶軸方向が平行となって成長する。
【0015】
このように結晶化された後の残りの原料液はリターン管4により帰還されて蒸発部1に戻される。このとき該リターン管4へ供給管5より原料液が補充され、又、容器2a内で形成された結晶軸方向が一致した結晶は分級脚7より外部へ取り出される。
【0016】
ここで、発明者はL-アラニンの液を晶析部の容器内に入れて過飽和の状態にし、電磁石による磁場の強さを種々変更して配向率Rを求めた結果が図3のグラフである。
【0017】
同グラフにおいて横軸を磁場の強さテラス(T)とし、縦軸を配向率(R)とすると、配向率Rは
JP0004187446B2_000002t.gifとなり、それぞれの結晶の配向即ち結晶軸方向の角度差θが3°より小である析出結晶の測定全析出結晶に対する割合は、磁場の強さが1T以上になると約100%となることが判明した。
【0018】
尚、このグラフの曲線は他の原料液についても同様の傾向がみられた。又、この実施の形態では、磁力発生手段6を容器2aの外側に設けたが、該磁力発生手段6を該容器2aの内側に設けてもよい。
【0019】
図4は本発明の第2の実施の形態を示し、この実施の形態においては、蒸発部1と晶析部2とを共通の容器8とすると共に該晶析部2の個所の容器8bが前記蒸発部1の個所の容器8aより大径に形成して該蒸発部1の個所の容器8aの側壁の下方部が前記晶析部2の個所の容器8b内の途中まで下方に延長して仕切壁9に形成し、該仕切壁9によりその内方の結晶形成部2aと外方の微小結晶除去部2bとに仕切り、該仕切壁9内の中央部にドラフトチューブ10を設けた。又、リターン管4aは前記容器8bの側壁の下方部より該容器8bの底面のドラフトチューブ10の下方位置に連結すると共に該リターン管4aの途中に原料液の供給管5を連通接続した。
【0020】
かくて、供給管5からの原料液はリターン管4aからの戻り液と共に加熱されて晶析部2の容器8b内へ、その底面から流入し、ドラフトチューブ10内を上昇してから該ドラフトチューブ10の外側を流下し、その流下した原料液の一部が該ドラフトチューブ10内を上昇すると共に残りの原料液は仕切壁9の外方の微小結晶除去部2bを上昇してリターン管4aに至り、該リターン管4aの途中で供給管5より原料液が補充されて前記容器8b内へ流入する。
【0021】
容器8内における原料液の前述の流動中、蒸発部1の容器8a内において原料液の液面が蒸発して該原料液が過飽和状態となって結晶化され、この結晶の結晶化過程に電磁石6の磁場力作用によって結晶軸方向が一致してくる。
【0022】
そしてこの第2の実施の形態においては前記ドラフトチューブ10によりその内外で原料液の流れが整流分化されて磁場力の作用を受けて晶析化されるので、効率よく結晶軸方向が一致した結晶が得られる。尚、本実施の形態の図4では円筒状の磁力発生手段6を容器8bの外側に設けたが、これは容器8bの内側に設けるようにしてもよい。
【0023】
図5は本発明の第3の実施の形態を示し、この実施の形態においては磁力発生手段6が容器8内の仕切壁9に設けられ、第2の実施の形態と比べて磁場の強さが効率的に大となる。ここで前記磁力発生手段6は、前記仕切壁9の内側に設けても又は外側に設けるようにしてもよい。
【0024】
尚、磁力発生手段6として、電磁石以外に永久磁石或いは超電導磁石を用いてもよい。又、これら磁力発生手段6にはコーティングを施して液封に形成するとよい。
【0025】
又前記実施の形態では、本発明を蒸発式晶析装置に適用した例を示したが、本発明を冷却式晶析装置等の他の方式の晶析装置に適用してもよい。
【0026】
【発明の効果】
このように本発明によると、晶析部に磁力発生手段を設けたので、結晶軸方向が一致した結晶が得られ、かくて薬理効果の向上した医療材料素材や光透過性や光信号伝達などの特性が向上した光学的材料素材等がろ過性もよく容易に得られる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態の説明図である。
【図2】本発明の結晶の成長形成状態を示す説明図である。
【図3】磁場の強さと結晶の配向率の関係を示すグラフである。
【図4】本発明の第2の実施の形態の説明図である。
【図5】本発明の第3の実施の形態の説明図である。
【図6】従来の晶析装置の説明図である。
【図7】従来の晶析装置による結晶の成長形成状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 蒸発部
2 晶析部
2a 容器
6 磁力発生手段
9 仕切壁
10 ドラフトチューブ
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6