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明細書 :アリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタン及びその金属塩、並びにそれらの製造法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3957635号 (P3957635)
登録日 平成19年5月18日(2007.5.18)
発行日 平成19年8月15日(2007.8.15)
発明の名称または考案の名称 アリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタン及びその金属塩、並びにそれらの製造法
国際特許分類 C07C 317/06        (2006.01)
B01J  31/02        (2006.01)
C07B  61/00        (2006.01)
C07C  45/69        (2006.01)
C07C  47/445       (2006.01)
C07C  67/08        (2006.01)
C07C  69/76        (2006.01)
C07C 315/04        (2006.01)
C07F   1/02        (2006.01)
C07F   1/10        (2006.01)
C07F   5/00        (2006.01)
FI C07C 317/06
B01J 31/02 103Z
C07B 61/00 300
C07C 45/69
C07C 47/445
C07C 67/08
C07C 69/76 Z
C07C 315/04
C07F 1/02
C07F 1/10
C07F 5/00 B
請求項の数または発明の数 49
全頁数 37
出願番号 特願2002-549631 (P2002-549631)
出願日 平成13年12月14日(2001.12.14)
国際出願番号 PCT/JP2001/010978
国際公開番号 WO2002/048098
国際公開日 平成14年6月20日(2002.6.20)
優先権出願番号 2000381537
2000381539
2001283216
2001283217
優先日 平成12年12月15日(2000.12.15)
平成12年12月15日(2000.12.15)
平成13年9月18日(2001.9.18)
平成13年9月18日(2001.9.18)
優先権主張国 日本国(JP)
日本国(JP)
日本国(JP)
日本国(JP)
審査請求日 平成16年10月15日(2004.10.15)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】石原 一彰
【氏名】山本 尚
個別代理人の代理人 【識別番号】100107984、【弁理士】、【氏名又は名称】廣田 雅紀
審査官 【審査官】前田 憲彦
参考文献・文献 特開平03-254697(JP,A)
特開平02-232651(JP,A)
特開昭54-150497(JP,A)
特開昭53-043769(JP,A)
特開昭53-121100(JP,A)
特開昭53-120765(JP,A)
特開昭51-126222(JP,A)
特開昭57-031562(JP,A)
Journal of Fluorine Chemistry,1993年,64(1-2),p.47-60
Journal of the American Chemical Society,1989年,111(17),p.6643-6648
調査した分野 C07C 317/00
B01J 31/00
C07C 45/00
C07C 47/00
C07C 67/00
C07C 69/00
C07C 315/00
C07F 1/00
C07F 5/00
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
以下の一般式[1]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタン。
【化1】
JP0003957635B2_000025t.gif
(式[1]中、R4-(トリフルオロメチル)フェニル基、3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、ペンタフルオロフェニル基若しくはそのパラ位置換体、又はパーフルオロビフェニル基若しくはその4′位置換体、Rf及びRfは互いに独立してC1~8のパーフルオロアルキル基を示す。)
【請求項2】
Rf及びRfが共にトリフルオロメチル基であることを特徴とする請求項1記載の一般式[1]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタン。
【請求項3】
式[2]で表されるペンタフルオロフェニルビス(トリフルオロメチルスルホニル)メタン又はそのパラ位置換体。
【化2】
JP0003957635B2_000026t.gif

【請求項4】
式[3]で表される{4-(ペンタフルオロフェニル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル}ビス(トリフリル)メタン又はその4′位置換体。
【化3】
JP0003957635B2_000027t.gif

【請求項5】
アリールハロメタンとパーフルオロアルキルスルフィン酸塩とを反応させ、次いで生成したアリールメチルパーフルオロアルキルスルホンを有機金属又は金属塩からなる脱プロトン化剤と反応させ、得られるアリールメチルパーフルオロアルキルスルホンの金属塩をパーフルオロアルキルスルホン酸無水物と反応させることを特徴とする一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの製造法。
【化4】
JP0003957635B2_000028t.gif
(式[4]中、Rは置換基としてC1~4のアルキル基、C1~4のハロゲン化アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、スルホニル基若しくはアミノ基を有する又は非置換のフェニル基、ナフチル基及びビフェニル基から選ばれるアリール基、Rf及びRfは互いに独立してC1~8のパーフルオロアルキル基を示す。)
【請求項6】
アリールハロメタンとパーフルオロアルキルスルフィン酸塩とを、触媒存在下又は非存在下で溶媒を用いて加熱還流することにより反応させることを特徴とする請求項記載の一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの製造法。
【請求項7】
触媒として、テトラブチルアンモニウムヨウ化物を用いることを特徴とする請求項記載の一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの製造法。
【請求項8】
溶媒として、プロピオニトリルを用いることを特徴とする請求項記載の一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの製造方法。
【請求項9】
アリールメチルパーフルオロアルキルスルホンに対して、1.7~2.4当量の有機金属又は金属塩からなる脱プロトン化剤を反応させることを特徴とする請求項記載の一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの製造方法。
【請求項10】
アリールハロメタンが、ベンジルブロミド、2-ブロモメチルナフタレン、1-クロロメチルナフタレン、2,4,6-トリメチルフェニルメチルクロリド、4-(トリフルオロメチル)フェニルメチルブロミド、3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニルメチルブロミド、ペンタフルオロフェニルメチルブロミド、又は4-(ブロモメチル)パーフルオロビフェニルであることを特徴とする請求項記載の一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの製造法。
【請求項11】
パーフルオロアルキルスルフィン酸塩が、トリフルオロメタンスルフィン酸のアルカリ金属塩であることを特徴とする請求項記載の一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの製造法。
【請求項12】
アリールメチルパーフルオロアルキルスルホンの金属塩が、アリールメチルパーフルオロアルキルスルホンのリチウム塩又はマグネシウム塩であることを特徴とする請求項記載の一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの製造法。
【請求項13】
一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンが、一般式[5]で表されるアリールビス(トリフルオロメチルスルホニル)メタンであることを特徴とする請求項記載の一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの製造法。
【化5】
JP0003957635B2_000029t.gif
(式[5]中、Rは置換基としてC1~4のアルキル基、C1~4のハロゲン化アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、スルホニル基若しくはアミノ基を有する又は非置換のフェニル基、ナフチル基及びビフェニル基から選ばれるアリール基を示す。)
【請求項14】
一般式[5]で表されるアリールビス(トリフルオロメチルスルホニル)メタンが、式[2]で表されるペンタフルオロフェニルビス(トリフルオロメチルスルホニル)メタンであることを特徴とする請求項1記載の一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの製造法。
【化6】
JP0003957635B2_000030t.gif

【請求項15】
一般式[5]で表されるアリールビス(トリフルオロメチルスルホニル)メタンが、式[3]で表される{4-(ペンタフルオロフェニル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル}ビス(トリフリル)メタンであることを特徴とする請求項1記載の一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの製造法。
【化7】
JP0003957635B2_000031t.gif

【請求項16】
一般式[6]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩。
【化8】
JP0003957635B2_000032t.gif
(式[6]中、Rは置換基としてC1~4のアルキル基、C1~4のハロゲン化アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、スルホニル基若しくはアミノ基を有する又は非置換のフェニル基、ナフチル基及びビフェニル基から選ばれるアリール基(但し、フェニル基を除く)、Rf及びRfは互いに独立してC1~8のパーフルオロアルキル基を示し、Mはアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、遷移金属元素、ホウ素、ケイ素、アルミニウム、スズ、亜鉛又はビスマスから選ばれるいずれかの元素を示し、nはM元素の原子価に等しい数値を示す。)
【請求項17】
遷移金属元素が、スカンジウム、イットリウム、ランタノイド、銅、銀、チタン、ジルコニウム又はハフニウムから選ばれるいずれかの金属元素であることを特徴とする請求項1記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩。
【請求項18】
Rf及びRfが共にトリフルオロメチル基であることを特徴とする請求項1記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩。
【請求項19】
が、ナフチル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、4-(トリフルオロメチル)フェニル基、3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、ペンタフルオロフェニル基、又はパーフルオロビフェニル基であることを特徴とする請求項1記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩。
【請求項20】
アリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩が、2-ナフチルビス(トリフリル)メタンの金属塩、1-ナフチルビス(トリフリル)メタンの金属塩、2,4,6-トリメチルフェニルビス(トリフリル)メタンの金属塩、4-(トリフルオロメチル)フェニルビス(トリフリル)メタンの金属塩、3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニルビス(トリフリル)メタンの金属塩、ペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メタンの金属塩、又は{4-(ペンタフルオロフェニル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル}ビス(トリフリル)メタンの金属塩であることを特徴とする請求項1記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩。
【請求項21】
ペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メタンの金属塩が、スカンジウム(III)ペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メチド又はリチウムペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メチドであることを特徴とする請求項2記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩。
【請求項22】
{4-(ペンタフルオロフェニル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル}ビス(トリフリル)メタンの金属塩が、スカンジウム(III){4-(ペンタフルオロフェニル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル}ビス(トリフリル)メチド又はリチウム{4-(ペンタフルオロフェニル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル}ビス(トリフリル)メチドであることを特徴とする請求項2記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩。
【請求項23】
一般式[6]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法であって、一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンと、金属の水酸化物とを中和反応させることを特徴とするアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法。
【化9】
JP0003957635B2_000033t.gif
(式[6]中、Rは置換基としてC1~4のアルキル基、C1~4のハロゲン化アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、スルホニル基若しくはアミノ基を有する又は非置換のフェニル基、ナフチル基及びビフェニル基から選ばれるアリール基、Rf及びRfは互いに独立してC1~8のパーフルオロアルキル基を示し、Mはアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、遷移金属元素、ホウ素、ケイ素、アルミニウム、スズ、亜鉛又はビスマスから選ばれるいずれかの元素を示し、nはM元素の原子価に等しい数値を示す。)
【化10】
JP0003957635B2_000034t.gif
(式[4]中、Rは置換基としてC1~4のアルキル基、C1~4のハロゲン化アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、スルホニル基若しくはアミノ基を有する又は非置換のフェニル基、ナフチル基及びビフェニル基から選ばれるアリール基、Rf及びRfは互いに独立してC1~8のパーフルオロアルキル基を示す。)
【請求項24】
金属の水酸化物が、アルカリ金属又はアルカリ土類金属から選ばれる金属の水酸化物であることを特徴とする請求項2記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法。
【請求項25】
アリールハロメタンとパーフルオロアルキルスルフィン酸塩とを反応させ、次いで生成したアリールメチルパーフルオロアルキルスルホンを有機金属又は金属塩からなる脱プロトン化剤と反応させ、得られるアリールメチルパーフルオロアルキルスルホンの金属塩をパーフルオロアルキルスルホン酸無水物と反応させることにより得られる、一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンを用いることを特徴とする請求項2記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法。
【請求項26】
アリールハロメタンとパーフルオロアルキルスルフィン酸塩とを、触媒存在下又は非存在下で溶媒を用いて加熱還流することにより反応させることを特徴とする請求項2記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法。
【請求項27】
触媒として、テトラブチルアンモニウムヨウ化物を用いることを特徴とする請求項2記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法。
【請求項28】
溶媒として、プロピオニトリルを用いることを特徴とする請求項2記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法。
【請求項29】
パーフルオロアルキルスルフィン酸塩が、トリフルオロメタンスルフィン酸のアルカリ金属塩であることを特徴とする請求項2記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法。
【請求項30】
アリールメチルパーフルオロアルキルスルホンの金属塩が、アリールメチルパーフルオロアルキルスルホンのリチウム塩又はマグネシウム塩であることを特徴とする請求項2記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法。
【請求項31】
一般式[6]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法であって、一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンと、遷移金属の塩又は酸化物とを加熱還流することにより反応させることを特徴とするアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法。
【化11】
JP0003957635B2_000035t.gif
(式[6]中、Rは置換基としてC1~4のアルキル基、C1~4のハロゲン化アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、スルホニル基若しくはアミノ基を有する又は非置換のフェニル基、ナフチル基及びビフェニル基から選ばれるアリール基、Rf及びRfは互いに独立してC1~8のパーフルオロアルキル基を示し、Mはアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、遷移金属元素、ホウ素、ケイ素、アルミニウム、スズ、亜鉛又はビスマスから選ばれるいずれかの元素を示し、nはM元素の原子価に等しい数値を示す。)
【化12】
JP0003957635B2_000036t.gif
(式[4]中、Rは置換基としてC1~4のアルキル基、C1~4のハロゲン化アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、スルホニル基若しくはアミノ基を有する又は非置換のフェニル基、ナフチル基及びビフェニル基から選ばれるアリール基、Rf及びRfは互いに独立してC1~8のパーフルオロアルキル基を示す。)
【請求項32】
遷移金属の塩又は酸化物が、ランタノイド金属塩又はスカンジウム酸化物であることを特徴とする請求項3記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法。
【請求項33】
アリールハロメタンとパーフルオロアルキルスルフィン酸塩とを反応させ、次いで生成したアリールメチルパーフルオロアルキルスルホンを有機金属又は金属塩からなる脱プロトン化剤と反応させ、得られるアリールメチルパーフルオロアルキルスルホンの金属塩をパーフルオロアルキルスルホン酸無水物と反応させることにより得られる、一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンを用いることを特徴とする請求項3記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法。
【請求項34】
アリールハロメタンとパーフルオロアルキルスルフィン酸塩とを、触媒存在下又は非存在下で溶媒を用いて加熱還流することにより反応させることを特徴とする請求項3記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法。
【請求項35】
触媒として、テトラブチルアンモニウムヨウ化物を用いることを特徴とする請求項3記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法。
【請求項36】
溶媒として、プロピオニトリルを用いることを特徴とする請求項3記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法。
【請求項37】
パーフルオロアルキルスルフィン酸塩が、トリフルオロメタンスルフィン酸のアルカリ金属塩であることを特徴とする請求項3記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法。
【請求項38】
アリールメチルパーフルオロアルキルスルホンの金属塩が、アリールメチルパーフルオロアルキルスルホンのリチウム塩又はマグネシウム塩であることを特徴とする請求項3記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法。
【請求項39】
一般式[6]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法であって、一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩と、金属種の異なる金属のハロゲン化物とを反応させることを特徴とするアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法。
【化13】
JP0003957635B2_000037t.gif
(式[6]中、Rは置換基としてC1~4のアルキル基、C1~4のハロゲン化アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、スルホニル基若しくはアミノ基を有する又は非置換のフェニル基、ナフチル基及びビフェニル基から選ばれるアリール基、Rf及びRfは互いに独立してC1~8のパーフルオロアルキル基を示し、Mはアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、遷移金属元素、ホウ素、ケイ素、アルミニウム、スズ、亜鉛又はビスマスから選ばれるいずれかの元素を示し、nはM元素の原子価に等しい数値を示す。)
【化14】
JP0003957635B2_000038t.gif
(式[4]中、Rは置換基としてC1~4のアルキル基、C1~4のハロゲン化アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、スルホニル基若しくはアミノ基を有する又は非置換のフェニル基、ナフチル基及びビフェニル基から選ばれるアリール基、Rf及びRfは互いに独立してC1~8のパーフルオロアルキル基を示す。)
【請求項40】
一般式[6]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩が、アリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの銀塩であることを特徴とする請求項39記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法。
【請求項41】
アリールハロメタンとパーフルオロアルキルスルフィン酸塩とを反応させ、次いで生成したアリールメチルパーフルオロアルキルスルホンを有機金属又は金属塩からなる脱プロトン化剤と反応させ、得られるアリールメチルパーフルオロアルキルスルホンの金属塩をパーフルオロアルキルスルホン酸無水物と反応させることにより得られる、一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンを用いることを特徴とする請求項39記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法。
【請求項42】
アリールハロメタンとパーフルオロアルキルスルフィン酸塩とを、触媒存在下又は非存在下で溶媒を用いて加熱還流することにより反応させることを特徴とする請求項4記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法。
【請求項43】
触媒として、テトラブチルアンモニウムヨウ化物を用いることを特徴とする請求項4記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法。
【請求項44】
溶媒として、プロピオニトリルを用いることを特徴とする請求項4記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法。
【請求項45】
パーフルオロアルキルスルフィン酸塩が、トリフルオロメタンスルフィン酸のアルカリ金属塩であることを特徴とする請求項4記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法。
【請求項46】
アリールメチルパーフルオロアルキルスルホンの金属塩が、アリールメチルパーフルオロアルキルスルホンのリチウム塩又はマグネシウム塩であることを特徴とする請求項4記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法。
【請求項47】
一般式[6]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩を有効成分とするルイス酸触媒。
【化15】
JP0003957635B2_000039t.gif
(式[6]中、Rは置換基としてC1~4のアルキル基、C1~4のハロゲン化アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、スルホニル基若しくはアミノ基を有する又は非置換のフェニル基、ナフチル基及びビフェニル基から選ばれるアリール基、Rf及びRfは互いに独立してC1~8のパーフルオロアルキル基を示し、Mはアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、遷移金属元素、ホウ素、ケイ素、アルミニウム、スズ、亜鉛又はビスマスから選ばれるいずれかの元素を示し、nはM元素の原子価に等しい数値を示す。)
【請求項48】
一般式[6]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩を有効成分とする触媒を用いる有機化合物の合成方法であって、前記触媒の存在下、触媒反応を溶媒中で行うことを特徴とする有機化合物の合成方法。
【化16】
JP0003957635B2_000040t.gif
(式[6]中、Rは置換基としてC1~4のアルキル基、C1~4のハロゲン化アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、スルホニル基若しくはアミノ基を有する又は非置換のフェニル基、ナフチル基及びビフェニル基から選ばれるアリール基、Rf及びRfは互いに独立してC1~8のパーフルオロアルキル基を示し、Mはアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、遷移金属元素、ホウ素、ケイ素、アルミニウム、スズ、亜鉛又はビスマスから選ばれるいずれかの元素を示し、nはM元素の原子価に等しい数値を示す。)
【請求項49】
触媒反応が、ベンゾイル化反応、ディールス-アルダー反応、アルドール型反応、フリーデル-クラフツ型反応、マンニッヒ型反応、グリコシル化反応、エステル化反応、エン反応、カチオン重合反応又はアリル化反応であることを特徴とする請求項48記載の有機化合物の合成方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、トリフリル源としての求電子反応剤として、トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウムとトリフルオロメタンスルホン酸無水物とを用いたアリールビス(トリフリル)メタン等のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの製造法や、かかる製造法により得られるペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メタンや{4-(ペンタフルオロフェニル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル}ビス(トリフリル)メタン等の新規なアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンに関する。
【0002】
また、本発明は、アリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩、すなわち金属アリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メチドや、かかる化合物の製造方法や、かかる化合物を有効成分とするルイス酸触媒等の触媒や、かかる触媒を用いた有機化合物の合成方法に関する。
【背景技術】
【0003】
トリフルオロメタンスルホニル(-SOCF;トリフリル,Tf)基は最も強い電子求引性基の一つとして知られており、そのα位のプロトン酸性を高める働きがある(J. Am. Chem. Soc. 96, 2275, 1974、Synthesis, 691, 1997、J. Fluorine Chem. 66, 301, 1994)。例えば、ビス(トリフリル)メタン(CHTf;pK(HO)=-1)(J. Am. Chem. Soc. 106, 1510, 1984)やフェニルビス(トリフリル)メタン(PhCHTf;pK(MeCN)=7.83)(J. Org. Chem. 63, 7868, 1998)は酸化力のない強酸である。Koppelらによって見積もられた固有酸性度ΔGacid(気体状態)は次のようになっている(J. Am. Chem. Soc. 116, 3047, 1994):MeSOH(315.0)<CHTf(310.5)<PhCHTf(310.3)<TfOH(299.5)<NHTf(291.8)<CHTf(289.0)。これらの揮発性の結晶性固体は有機金属ヒドリドをプロトン化してカチオン性有機金属ジヒドリドを調製する際の反応剤となることが知られている(J. Am. Chem. Soc. 106, 1510, 1984、J. Chem. Soc. , Chem. Commun. 1675, 1987、Inorg. Chem. 27, 1593, 1988、Inorg. Chem. 27, 2473, 1988、Organometallics 9, 1290, 1990)。これらのことから、上記フェニルビス(トリフリル)メタン等のアリールビス(トリフリル)メタンにおける芳香族基の立体及び電子的効果は、そのブレンステッド酸性やそれらの有機金属錯体の特性に大きな影響を与えることが期待される。
【0004】
上記フェニルビス(トリフリル)メタンの合成法としては、従来、二つの方法が知られている(J. Org. Chem. 38, 3358, 1973、Heteroatom Chem. 5, 9, 1994、J. Fluorine Chem. 64, 47, 1993、J. Fluorine Chem. 106, 139, 2000)。1つの方法は、ベンジルマグネシウムクロリドとトリフリルフルオリドとの反応によりフェニルビス(トリフリル)メタンを合成する方法であり(40%収率)(J. Org. Chem. 38, 3358, 1973)、もう一つの方法は、ヨードベンゼンビス(トリフリルメチド)とベンゼンとの光反応である(61%収率)(Heteroatom Chem. 5, 9, 1994)。前者は入手困難なトリフリルフルオリドガス(bp=-21℃)をトリフリル源として必要とし、後者は反応剤であるベンゼンを溶媒として大過剰に必要とする。また、後者の場合、フルオロベンゼンのような電子求引基をもつアレンとの光反応ではアリールビス(トリフリル)メタンは形成されない。
【0005】
他方、Hendricksonらによりベンジルトリフロンの合成方法が報告されている(J. Am. Chem. Soc. 96, 2275, 1974、Synthesis, 691, 1997、J. Fluorine Chem. 66, 301, 1994)が、芳香族基が電子求引基で非活性化されている場合にはアリールメチルトリフロンを収率よく合成できないという問題点があった(Synthesis, 691, 1997)。
【0006】
また、有機合成の面において最もよく使用されている触媒として、ルイス酸触媒が知られている。このルイス酸触媒は有機化合物の特定の官能基と会合し、複合体を作り、そして特定の反応だけを行うように仕立て上げることが出来る。ルイス酸とは反応する相手から電子対を受容するものをいう。有機化合物には一般に官能基を有し、かかる官能基は大抵がルイス塩基であり、ルイス酸とお互いに引きつけあう。このようにしてデザインされたルイス酸触媒は有機化合物の官能基とコンプレックスを作って、起こって欲しい反応へとまっすぐに導いて行く。このような点からして、ルイス酸触媒は人工の酵素にもたとえられるが、従来のルイス酸触媒は酵素を用いた場合のように反応性や選択性はそれ程高くはなく、充分なものではなかった。そのため、優れた選択性や反応性を有し、さらには温和な条件下で反応が可能なルイス酸触媒が求められていた。
【0007】
従来、ルイス酸触媒としては、一般式M[RfSO-N-SORf’]あるいはM[RfSO-N-SORf’]・mHO(Rf及びRf’は、炭素原子数1~8のパーフルオロアルキル基を表し、Mはアルカリ金属、アルカリ土類金属、遷移金属、希土類、アルミニウム、ガリウム、イリジウム、タリウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、鉛、ヒ素、アンチモン、ビスマス、セレン、テルルから選ばれた元素を表し、nは該当する金属の原子価と同数の整数を表し、mは0.5~20の自然数を表す)で示される化合物からなるルイス酸触媒(特開平7-246338号公報)や、次式
【0008】
【化1】
JP0003957635B2_000002t.gif【0009】
[式[7]中、Xは-N(Tf)Tf[Tfは-SORfを表し、Tfは-SORf(RfおよびRfはそれぞれ独立にフッ素原子またはパーフルオロアルキル基を表す。)を表す。]を表し、Rは置換もしくは非置換のシクロペンタジエニル基、-ORまたは-N(Tf)Rを表し、Rは置換もしくは非置換のシクロペンタジエニル基、-ORまたは-N(Tf)R[Tfは-SORfを表し、Tfは-SORf(RfおよびRfはそれぞれ独立にフッ素原子またはパーフルオロアルキル基を表す。)を表し、R、R、RおよびRはそれぞれ独立に低級アルキル基を表すか、または、RおよびR、RおよびR、RおよびR、あるいは、RおよびRがいっしょになって2価の基を形成する。]を表し、Mはアルカリ土類金属、希土類元素、遷移金属、ホウ素、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、鉛、ヒ素、アンチモン、ビスマス、セレンまたはテルルから選ばれる元素を表し、nは該当するMの原子価-2の整数を表し、-N(Tf)Tf、-N(Tf)Rまたは-N(Tf)Rの少なくとも1つを有する。]で示されるルイス酸触媒(特開平9-57110号公報)などが知られている。
【0010】
また上記の他、一般式M(X)q(式中、Mは周期律表IIIA族からVB族の元素からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属を表し、Xはハロゲン原子を表し、qはMの原子価数と同一の整数を表す。)で示される金属ハロゲン化物と四級塩型陰イオン交換樹脂とから成る、水共存下でも使用できる高活性なルイス酸触媒(特開平9-262479号公報)や、次式[(RfSOC](但し、Rfは炭素数1以上のパーフルオロアルキル基を、Mは、アルカリ金属、アルカリ土類金属、希土類を含む遷移金属、亜鉛、カドミウム、アルミニウム、ガリウム、インジウム、タリウム、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、鉛、ヒ素、アンチモン、ビスマス、セレン、テルルから選ばれる元素を表す。nはMの原子価と同数の整数を表す。)で示される、トリス(パーフルオロアルキルスルホニル)メチドの金属塩からなる酸触媒(特開2000-219692号公報)も高活性な酸触媒として開示されている。
【0011】
従来、トリフリル基をもつ有機酸として、TfOH、TfNH、TfCH、TfCHが既に知られているが、これらの分子は化学修飾が容易ではなく分子に新たな機能を持たせることが困難である。そのため、医薬品、農薬、不斉触媒、各種機能性材料などを製造する際の原料として相応しいものとはいえなかった。また、近年、医薬や農薬の分野でキラルテクノロジーとか、キラルインダストリーと言われている不斉合成を容易に行うことができる触媒の開発が医薬品、農薬、各種機能性材料等の開発や応用の面で期待されている。
【0012】
本発明の課題は、従来その合成が困難とされてきた嵩高いアリール基や電子求引性アリール基をもつ様々なアリールビス(トリフリル)メタン等のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンを簡便に高効率で製造することができる方法や、不斉触媒、各種機能性材料等への幅広い応用が可能なペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メタンや{4-(ペンタフルオロフェニル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル}ビス(トリフリル)メタン等の新規なアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンを提供することや、かかるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンを用いた、優れた選択性や反応性を有し、さらに温和な条件下で反応することができ、かつ様々なアリール基を導入することができるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩、すなわち金属アリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メチドの製造方法や、かかる製造方法により得られる金属アリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メチドや、かかる化合物からなるルイス酸触媒等の触媒や、かかる触媒を用いての有機化合物の合成方法を提供することにある。
【発明の開示】
【0013】
本発明者らは、入手容易なアリールハロメタンを出発原料に用い、トリフリル源としての求電子反応剤にトリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム(TfNa)を用いて、10mol%のテトラブチルアンモニウムヨウ化物触媒の存在下にプロピオニトリルを溶媒として加熱還流することにより求核置換反応を行ってアリールメチルトリフルオロメチルスルホンを高収率で生成せしめ、生成したアリールメチルトリフルオロメチルスルホンに対して2.2当量のtert-ブチルリチウム(t-BuLi)と1.1当量のトリフルオロメタンスルホン酸無水物(TfO)とを順次加えることにより、アリールビス(トリフルオロメチルスルホニル)メタンが高収率で生成することを見い出し、本発明を完成するに至った。
【0014】
更に、本発明者らは、前記課題を解決するために鋭意研究し、上記記載の方法と同様にTfNaとTfOを用いることによりペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メタンを合成し、得られたペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メタンを酸化スカンジウム(Sc)と水中で加熱還流することによりスカンジウム(III)ペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メチドを製造し、かかる化合物をルイス酸触媒としてメントールと安息香酸無水物とのベンゾイル化反応や、メタクロレインとシクロペンタジエンとのディールス-アルダー(Diels-Alder)反応に用いたところ、既存のルイス酸より優れた触媒活性を有することを確認し、本発明を完成するに至った。
【0015】
すなわち本発明は、以下の一般式[1]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタン
【0016】
【化2】
JP0003957635B2_000003t.gif【0017】
(式[1]中、R4-(トリフルオロメチル)フェニル基、3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、ペンタフルオロフェニル基若しくはそのパラ位置換体、又はパーフルオロビフェニル基若しくはその4′位置換体、Rf及びRfは互いに独立してC1~8のパーフルオロアルキル基を示す。)(請求項1)や、R及びRfが共にトリフルオロメチル基であることを特徴とする請求項1記載の一般式[1]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタン(請求項)や、式[2]で表されるペンタフルオロフェニルビス(トリフルオロメチルスルホニル)メタン又はそのパラ位置換体
【0018】
【化3】
JP0003957635B2_000004t.gif(請求項)や、式[3]で表される{4-(ペンタフルオロフェニル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル}ビス(トリフリル)メタン又はその4′位置換体
【0019】
【化4】
JP0003957635B2_000005t.gif(請求項)に関する。
【0020】
また、本発明は、アリールハロメタンとパーフルオロアルキルスルフィン酸塩とを反応させ、次いで生成したアリールメチルパーフルオロアルキルスルホンを有機金属又は金属塩からなる脱プロトン化剤と反応させ、得られるアリールメチルパーフルオロアルキルスルホンの金属塩をパーフルオロアルキルスルホン酸無水物と反応させることを特徴とする一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの製造法
【0021】
【化5】
JP0003957635B2_000006t.gif【0022】
(式[4]中、Rは置換基としてC1~4のアルキル基、C1~4のハロゲン化アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、スルホニル基若しくはアミノ基を有する又は非置換のフェニル基、ナフチル基及びビフェニル基から選ばれるアリール基、Rf及びRfは互いに独立してC1~8のパーフルオロアルキル基を示す。)(請求項)や、アリールハロメタンとパーフルオロアルキルスルフィン酸塩とを、触媒存在下又は非存在下で溶媒を用いて加熱還流することにより反応させることを特徴とする請求項6記載の一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの製造法(請求項)や、触媒として、テトラブチルアンモニウムヨウ化物を用いることを特徴とする請求項記載の一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの製造法(請求項)や、溶媒として、プロピオニトリルを用いることを特徴とする請求項記載の一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの製造方法(請求項)や、アリールメチルパーフルオロアルキルスルホンに対して、1.7~2.4当量の有機金属又は金属塩からなる脱プロトン化剤を反応させることを特徴とする請求項記載の一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの製造方法(請求項)や、アリールハロメタンが、ベンジルブロミド、2-ブロモメチルナフタレン、1-クロロメチルナフタレン、2,4,6-トリメチルフェニルメチルクロリド、4-(トリフルオロメチル)フェニルメチルブロミド、3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニルメチルブロミド、ペンタフルオロフェニルメチルブロミド、又は4-(ブロモメチル)パーフルオロビフェニルであることを特徴とする請求項記載の一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの製造法(請求項1)や、パーフルオロアルキルスルフィン酸塩が、トリフルオロメタンスルフィン酸のアルカリ金属塩であることを特徴とする請求項記載の一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの製造法(請求項1)や、アリールメチルパーフルオロアルキルスルホンの金属塩が、アリールメチルパーフルオロアルキルスルホンのリチウム塩又はマグネシウム塩であることを特徴とする請求項記載の一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの製造法(請求項1)や、一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンが、一般式[5]で表されるアリールビス(トリフルオロメチルスルホニル)メタンであることを特徴とする請求項記載の一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの製造法
【0023】
【化6】
JP0003957635B2_000007t.gif【0024】
(式[5]中、Rは置換基としてC1~4のアルキル基、C1~4のハロゲン化アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、スルホニル基若しくはアミノ基を有する又は非置換のフェニル基、ナフチル基及びビフェニル基から選ばれるアリール基を示す。)(請求項1)や、一般式[5]で表されるアリールビス(トリフルオロメチルスルホニル)メタンが、式[2]で表されるペンタフルオロフェニルビス(トリフルオロメチルスルホニル)メタンであることを特徴とする請求項1記載の一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの製造法
【0025】
【化7】
JP0003957635B2_000008t.gif(請求項1)や、一般式[5]で表されるアリールビス(トリフルオロメチルスルホニル)メタンが、式[3]で表される{4-(ペンタフルオロフェニル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル}ビス(トリフリル)メタンであることを特徴とする請求項1記載の一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの製造法
【0026】
【化8】
JP0003957635B2_000009t.gif(請求項1)に関する。
本発明は、一般式[6]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩
【0027】
【化9】
JP0003957635B2_000010t.gif【0028】
(式[6]中、Rは置換基としてC1~4のアルキル基、C1~4のハロゲン化アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、スルホニル基若しくはアミノ基を有する又は非置換のフェニル基、ナフチル基及びビフェニル基から選ばれるアリール基(但し、フェニル基を除く)、Rf及びRfは互いに独立してC1~8のパーフルオロアルキル基を示し、Mはアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、遷移金属元素、ホウ素、ケイ素、アルミニウム、スズ、亜鉛又はビスマスから選ばれるいずれかの元素を示し、nはM元素の原子価に等しい数値を示す。)(請求項1)に関し、遷移金属元素が、スカンジウム、イットリウム、ランタノイド、銅、銀、チタン、ジルコニウム又はハフニウムから選ばれるいずれかの金属元素であることを特徴とする請求項1記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩(請求項1)や、Rf及びRfが共にトリフルオロメチル基であることを特徴とする請求項1記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩(請求項1)や、R、ナフチル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、4-(トリフルオロメチル)フェニル基、3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、ペンタフルオロフェニル基、又はパーフルオロビフェニル基であることを特徴とする請求項1記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩(請求項19)や、アリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩が、2-ナフチルビス(トリフリル)メタンの金属塩、1-ナフチルビス(トリフリル)メタンの金属塩、2,4,6-トリメチルフェニルビス(トリフリル)メタンの金属塩、4-(トリフルオロメチル)フェニルビス(トリフリル)メタンの金属塩、3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニルビス(トリフリル)メタンの金属塩、ペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メタンの金属塩、又は{4-(ペンタフルオロフェニル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル}ビス(トリフリル)メタンの金属塩であることを特徴とする請求項1記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩(請求項2)や、ペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メタンの金属塩が、スカンジウム(III)ペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メチド又はリチウムペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メチドであることを特徴とする請求項2記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩(請求項2)や、{4-(ペンタフルオロフェニル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル}ビス(トリフリル)メタンの金属塩が、スカンジウム(III){4-(ペンタフルオロフェニル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル}ビス(トリフリル)メチド又はリチウム{4-(ペンタフルオロフェニル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル}ビス(トリフリル)メチドであることを特徴とする請求項2記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩(請求項2)に関する。
【0029】
また、本発明は、一般式[6]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法であって、一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンと、金属の水酸化物とを中和反応させることを特徴とするアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法
【0030】
【化10】
JP0003957635B2_000011t.gif【0031】
(式[6]中、Rは置換基としてC1~4のアルキル基、C1~4のハロゲン化アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、スルホニル基若しくはアミノ基を有する又は非置換のフェニル基、ナフチル基及びビフェニル基から選ばれるアリール基、Rf及びRfは互いに独立してC1~8のパーフルオロアルキル基を示し、Mはアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、遷移金属元素、ホウ素、ケイ素、アルミニウム、スズ、亜鉛又はビスマスから選ばれるいずれかの元素を示し、nはM元素の原子価に等しい数値を示す。)
【0032】
【化11】
JP0003957635B2_000012t.gif【0033】
(式[4]中、Rは置換基としてC1~4のアルキル基、C1~4のハロゲン化アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、スルホニル基若しくはアミノ基を有する又は非置換のフェニル基、ナフチル基及びビフェニル基から選ばれるアリール基、Rf及びRfは互いに独立してC1~8のパーフルオロアルキル基を示す。)(請求項2)や、金属の水酸化物が、アルカリ金属又はアルカリ土類金属から選ばれる金属の水酸化物であることを特徴とする請求項2記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法(請求項2)や、アリールハロメタンとパーフルオロアルキルスルフィン酸塩とを反応させ、次いで生成したアリールメチルパーフルオロアルキルスルホンを有機金属又は金属塩からなる脱プロトン化剤と反応させ、得られるアリールメチルパーフルオロアルキルスルホンの金属塩をパーフルオロアルキルスルホン酸無水物と反応させることにより得られる、一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンを用いることを特徴とする請求項2記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法(請求項2)や、アリールハロメタンとパーフルオロアルキルスルフィン酸塩とを、触媒存在下又は非存在下で溶媒を用いて加熱還流することにより反応させることを特徴とする請求項2記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法(請求項2)や、触媒として、テトラブチルアンモニウムヨウ化物を用いることを特徴とする請求項2記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法(請求項2)や、溶媒として、プロピオニトリルを用いることを特徴とする請求項2記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法(請求項2)や、パーフルオロアルキルスルフィン酸塩が、トリフルオロメタンスルフィン酸のアルカリ金属塩であることを特徴とする請求項2記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法(請求項29)や、アリールメチルパーフルオロアルキルスルホンの金属塩が、アリールメチルパーフルオロアルキルスルホンのリチウム塩又はマグネシウム塩であることを特徴とする請求項2記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法(請求項3)や、一般式[6]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法であって、一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンと、遷移金属の塩又は酸化物とを加熱還流することにより反応させることを特徴とするアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法
【0034】
【化12】
JP0003957635B2_000013t.gif【0035】
(式[6]中、Rは置換基としてC1~4のアルキル基、C1~4のハロゲン化アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、スルホニル基若しくはアミノ基を有する又は非置換のフェニル基、ナフチル基及びビフェニル基から選ばれるアリール基、Rf及びRfは互いに独立してC1~8のパーフルオロアルキル基を示し、Mはアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、遷移金属元素、ホウ素、ケイ素、アルミニウム、スズ、亜鉛又はビスマスから選ばれるいずれかの元素を示し、nはM元素の原子価に等しい数値を示す。)
【0036】
【化13】
JP0003957635B2_000014t.gif【0037】
(式[4]中、Rは置換基としてC1~4のアルキル基、C1~4のハロゲン化アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、スルホニル基若しくはアミノ基を有する又は非置換のフェニル基、ナフチル基及びビフェニル基から選ばれるアリール基、Rf及びRfは互いに独立してC1~8のパーフルオロアルキル基を示す。)(請求項3)や、遷移金属の塩又は酸化物が、ランタノイド金属塩又はスカンジウム酸化物であることを特徴とする請求項3記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法(請求項3)や、アリールハロメタンとパーフルオロアルキルスルフィン酸塩とを反応させ、次いで生成したアリールメチルパーフルオロアルキルスルホンを有機金属又は金属塩からなる脱プロトン化剤と反応させ、得られるアリールメチルパーフルオロアルキルスルホンの金属塩をパーフルオロアルキルスルホン酸無水物と反応させることにより得られる、一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンを用いることを特徴とする請求項3記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法(請求項3)や、アリールハロメタンとパーフルオロアルキルスルフィン酸塩とを、触媒存在下又は非存在下で溶媒を用いて加熱還流することにより反応させることを特徴とする請求項3記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法(請求項3)や、触媒として、テトラブチルアンモニウムヨウ化物を用いることを特徴とする請求項3記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法(請求項3)や、溶媒として、プロピオニトリルを用いることを特徴とする請求項3記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法(請求項3)や、パーフルオロアルキルスルフィン酸塩が、トリフルオロメタンスルフィン酸のアルカリ金属塩であることを特徴とする請求項33記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法(請求項3)や、アリールメチルパーフルオロアルキルスルホンの金属塩が、アリールメチルパーフルオロアルキルスルホンのリチウム塩又はマグネシウム塩であることを特徴とする請求項3記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法(請求項3)に関する。
【0038】
また本発明は、一般式[6]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法であって、一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩と、金属種の異なる金属のハロゲン化物とを反応させることを特徴とするアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法
【0039】
【化14】
JP0003957635B2_000015t.gif【0040】
(式[6]中、Rは置換基としてC1~4のアルキル基、C1~4のハロゲン化アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、スルホニル基若しくはアミノ基を有する又は非置換のフェニル基、ナフチル基及びビフェニル基から選ばれるアリール基、Rf及びRfは互いに独立してC1~8のパーフルオロアルキル基を示し、Mはアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、遷移金属元素、ホウ素、ケイ素、アルミニウム、スズ、亜鉛又はビスマスから選ばれるいずれかの元素を示し、nはM元素の原子価に等しい数値を示す。)
【0041】
【化15】
JP0003957635B2_000016t.gif【0042】
(式[4]中、Rは置換基としてC1~4のアルキル基、C1~4のハロゲン化アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、スルホニル基若しくはアミノ基を有する又は非置換のフェニル基、ナフチル基及びビフェニル基から選ばれるアリール基、Rf及びRfは互いに独立してC1~8のパーフルオロアルキル基を示す。)(請求項39)や、一般式[6]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩が、アリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの銀塩であることを特徴とする請求項39記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法(請求項4)や、アリールハロメタンとパーフルオロアルキルスルフィン酸塩とを反応させ、次いで生成したアリールメチルパーフルオロアルキルスルホンを有機金属又は金属塩からなる脱プロトン化剤と反応させ、得られるアリールメチルパーフルオロアルキルスルホンの金属塩をパーフルオロアルキルスルホン酸無水物と反応させることにより得られる、一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンを用いることを特徴とする請求項39記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法(請求項4)や、アリールハロメタンとパーフルオロアルキルスルフィン酸塩とを、触媒存在下又は非存在下で溶媒を用いて加熱還流することにより反応させることを特徴とする請求項4記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法(請求項4)や、触媒として、テトラブチルアンモニウムヨウ化物を用いることを特徴とする請求項4記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法(請求項4)や、溶媒として、プロピオニトリルを用いることを特徴とする請求項4記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法(請求項4)や、パーフルオロアルキルスルフィン酸塩が、トリフルオロメタンスルフィン酸のアルカリ金属塩であることを特徴とする請求項4記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法(請求項4)や、アリールメチルパーフルオロアルキルスルホンの金属塩が、アリールメチルパーフルオロアルキルスルホンのリチウム塩又はマグネシウム塩であることを特徴とする請求項4記載のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩の製造方法(請求項4)に関する。
【0043】
また本発明は、一般式[6]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩を有効成分とするルイス酸触媒
【0044】
【化16】
JP0003957635B2_000017t.gif【0045】
(式[6]中、Rは置換基としてC1~4のアルキル基、C1~4のハロゲン化アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、スルホニル基若しくはアミノ基を有する又は非置換のフェニル基、ナフチル基及びビフェニル基から選ばれるアリール基、Rf及びRfは互いに独立してC1~8のパーフルオロアルキル基を示し、Mはアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、遷移金属元素、ホウ素、ケイ素、アルミニウム、スズ、亜鉛又はビスマスから選ばれるいずれかの元素を示し、nはM元素の原子価に等しい数値を示す。)(請求項47)に関する。
【0046】
さらに本発明は、一般式[6]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩を有効成分とする触媒を用いる有機化合物の合成方法であって、前記触媒の存在下、触媒反応を溶媒中で行うことを特徴とする有機化合物の合成方法
【0047】
【化17】
JP0003957635B2_000018t.gif【0048】
(式[6]中、Rは置換基としてC1~4のアルキル基、C1~4のハロゲン化アルキル基、ハロゲン原子、アルコキシ基、スルホニル基若しくはアミノ基を有する又は非置換のフェニル基、ナフチル基及びビフェニル基から選ばれるアリール基、Rf及びRfは互いに独立してC1~8のパーフルオロアルキル基を示し、Mはアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、遷移金属元素、ホウ素、ケイ素、アルミニウム、スズ、亜鉛又はビスマスから選ばれるいずれかの元素を示し、nはM元素の原子価に等しい数値を示す。)(請求項48)や、触媒反応が、ベンゾイル化反応、ディールス-アルダー反応、アルドール型反応、フリーデル-クラフツ型反応、マンニッヒ型反応、グリコシル化反応、エステル化反応、エン反応、カチオン重合反応又はアリル化反応であることを特徴とする請求項48記載の有機化合物の合成方法(請求項49)に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0049】
本発明の一般式[1](式[1]中、Rは置換又は非置換のアリール基(但し、フェニル基を除く)、Rf及びRfは互いに独立してパーフルオロアルキル基を示す。)で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンにおけるRとしては、置換基を有するフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基等の置換基を有するアリール基、α-ナフチル基、β-ナフチル基、ビフェニル基等の非置換のフェニル基以外のアリール基を挙げることができ、この場合の置換基としては、メチル基等のC1~4のアルキル基、トリフルオロメチル基等のC1~4のハロゲン化アルキル基、フッ素等のハロゲン原子、アルコキシ基、スルホニル基、アミノ基などを例示することができる。かかるRとしては、ナフチル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、4-(トリフルオロメチル)フェニル基、3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、ペンタフルオロフェニル基、p-トリル基、m-トリル基、メシチル基、キシリル基、ビフェニル基、パーフルオロビフェニル基、p-クロロフェニル基、o-クロロフェニル基等を具体的に挙げることができる。
【0050】
本発明の一般式[4](式[4]中、Rは置換又は非置換のアリール基、Rf及びRfは互いに独立してパーフルオロアルキル基を示す。)で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの製造法としては、アリールハロメタンとパーフルオロアルキルスルフィン酸塩とを反応させ、次いで生成したアリールメチルパーフルオロアルキルスルホンを有機金属又は金属塩からなる脱プロトン化剤と反応させ、得られるアリールメチルパーフルオロアルキルスルホンの金属塩を無水パーフルオロアルキルスルホン酸と反応させる方法であれば特に制限されるものではなく、また、かかる方法により得られたアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンに、アルキルリチウム等のアルキルアニオン、アルコキシリチウム等のアルコキシアニオン等を更に反応させて得られるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの製造方法も本発明の製造法に包含される。
【0051】
上記式[4]中のRとしては、置換又は非置換のフェニル基、ナフチル基、ビフェニル基等のアリール基を挙げることができ、この場合の置換基としては、メチル基等のC1~4のアルキル基、トリフルオロメチル基等のC1~4のハロゲン化アルキル基、フッ素等のハロゲン原子、アルコキシ基、スルホニル基、アミノ基などを例示することができる。かかるRとしては、フェニル基、ナフチル基、2,4,6-トリメチルフェニル基、4-(トリフルオロメチル)フェニル基、3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニル基、ペンタフルオロフェニル基、p-トリル基、m-トリル基、メシチル基、キシリル基、ビフェニル基、パーフルオロビフェニル基、p-クロロフェニル基、o-クロロフェニル基等を具体的に挙げることができる。
【0052】
上記一般式[1]や[4]におけるRf及びRfは、互いに同一または相異なっていてもよいパーフルオロアルキル基、好ましくはC1~8のパーフルオロアルキル基を示し、これらを含む-SORfや-SORfとしては、トリフルオロメチルスルホニル基、パーフルオロエチルスルホニル基、パーフルオロプロピルスルホニル基、パーフルオロイソプロピルスルホニル基、パーフルオロブチルスルホニル基、パーフルオロイソブチルスルホニル基、パーフルオロペンチルスルホニル基、パーフルオロイソペンチルスルホニル基、パーフルオロネオペンチルスルホニル基等を具体的に例示することができる。
【0053】
本発明の一般式[1]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンとしては、例えば、2-ナフチルビス(トリフリル)メタン、1-ナフチルビス(トリフリル)メタン、2,4,6-トリメチルフェニルビス(トリフリル)メタン、4-(トリフルオロメチル)フェニルビス(トリフリル)メタン、3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニルビス(トリフリル)メタン、式[2]で表されるペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メタン、式[3]で表される{4-(ペンタフルオロフェニル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル}ビス(トリフリル)メタン等を具体的に挙げることができるが、これらに制限されるものではない。
【0054】
さらに、本発明の化合物としては、上記式[2]で表されるペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メタンのパラ位置換体、例えばp-フェニル-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル-ビス(トリフリル)等のパラ位アルキル置換体、p-ヘキサノキシ-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル-ビス(トリフリル)等のパラ位アルコキシ置換体などや、式[3]で表される{4-(ペンタフルオロフェニル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル}ビス(トリフリル)メタンの4′位置換体、例えば[4-(4-フェニル-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル]ビス(トリフリル)等の4′位アルキル置換体、[4-(4-ヘキサノキシ-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル]ビス(トリフリル)メタン等の4′位アルコキシ置換体などを挙げることができる。
【0055】
本発明の一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの製造法における一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンとしては、一般式[5](式[5]中、Rは前記のアリール基を示す。)で表されるアリールビス(トリフルオロメチルスルホニル)メタン、例えば、フェニルビス(トリフリル)メタン、2-ナフチルビス(トリフリル)メタン、1-ナフチルビス(トリフリル)メタン、2,4,6-トリメチルフェニルビス(トリフリル)メタン、4-(トリフルオロメチル)フェニルビス(トリフリル)メタン、3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニルビス(トリフリル)メタン、式[2]で表されるペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メタン、式[3]で表される{4-(ペンタフルオロフェニル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル}ビス(トリフリル)メタン等を具体的に挙げることができるが、これらに制限されるものではない。
【0056】
本発明の一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの製造方法に用いられるアリールハロメタンとしては、置換又は非置換のアリール基とハロゲン原子により置換されたメタンであれば特に制限されるものではなく、具体的には、ベンジルブロミド、2-ブロモメチルナフタレン、1-クロロメチルナフタレン、2,4,6-トリメチルフェニルメチルクロリド、4-(トリフルオロメチル)フェニルメチルブロミド、3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニルメチルブロミド、ペンタフルオロフェニルメチルブロミド、4-(ブロモメチル)パーフルオロビフェニル(パーフルオロビフェニルメチルブロミド)等を挙げることができる。
【0057】
本発明の一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの製造方法に用いられるパーフルオロアルキルスルフィン酸塩としては、トリフルオロメチルスルフィン酸、パーフルオロエチルスルフィン酸、パーフルオロプロピルスルフィン酸、パーフルオロイソプロピルスルフィン酸、パーフルオロブチルスルフィン酸、パーフルオロイソブチルスルフィン酸、パーフルオロペンチルスルフィン酸、パーフルオロイソペンチルスルフィン酸、パーフルオロネオペンチルスルフィン酸等のC1~8のパーフルオロアルキルスルフィン酸の金属塩を好適に例示することができ、また金属塩としてはアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩を例示することができるが、ナトリウム塩等のアルカリ金属塩が好ましい。
【0058】
本発明の一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの製造方法における、アリールハロメタンとパーフルオロアルキルスルフィン酸塩との求核置換反応は、触媒存在下又は非存在下で溶媒を用いて加熱還流するなど、アリールメチルパーフルオロアルキルスルホンを高効率に合成できる条件で行うことが好ましい。上記反応系におけるアリールハロメタンのモル濃度としては、0.2~0.4Mが好ましく、またトリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム塩等のパーフルオロアルキルスルフィン酸塩は、アリールハロメタンの1.0~1.5当量、特に1.3当量程度使用することが好ましい。また、触媒を使用する場合は、テトラブチルアンモニウムヨウ化物、ヨウ化カリウム等のヨウ化物からなる触媒を好適に用いることができ、これら触媒の使用量はアリールハロメタンに対して2~20mol%、好ましくは5~10mol%を例示することができる。また、溶媒としてはアセトニトリル、プロピオニトリル、ニトロメタン、ニトロプロパン等の溶媒を挙げることができるが、極性と沸点が適しているという点でプロピオニトリルを用いることが好ましい。
【0059】
上記合成反応は、乾燥不活性ガス雰囲気中、例えば、アルゴン又は窒素雰囲気中の加熱還流下で行うことが好ましく、80~150℃、特に100~120℃で12~48時間加熱還流下で反応を行うことが好ましい。これらの合成反応によって得られるアリールメチルトリフロンの精製方法としては、例えば、上記の条件下で反応して得られた反応溶液を濾過することにより塩を取り除き、展開溶媒としてヘキサンと酢酸エチル(EtOAc)とを用いたシリカゲルカラムクロマトグラフィーや、ヘキサンとトルエンとを用いた再結晶操作等の方法を挙げることができる。
【0060】
次に、アリールハロメタンとパーフルオロアルキルスルフィン酸塩との求核置換反応により生成したアリールメチルパーフルオロアルキルスルホンを有機金属又は金属塩からなる脱プロトン化剤と反応させ、得られるアリールメチルパーフルオロアルキルスルホンの金属塩をパーフルオロアルキルスルホン酸無水物と反応させることにより、一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンを製造することができるが、上記脱プロトン化剤としては脱プロトン化作用を有する有機金属又は金属塩であれば特に制限されず、低級アルキルのアルカリ金属塩やアルカリ土類金属塩、具体的にはt-BuLiやt-BuMgClを好適に例示することができる。また上記パーフルオロアルキルスルホン酸無水物としては、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(TfO)、パーフルオロエタンスルホン酸無水物、パーフルオロプロパンスルホン酸無水物、パーフルオロイソプロパンスルホン酸無水物、パーフルオロブタンスルホン酸無水物、パーフルオロイソブタンスルホン酸無水物、パーフルオロペンタンスルホン酸無水物、パーフルオロイソペンタンスルホン酸無水物、パーフルオロネオペンタンスルホン酸無水物等のC1~8のパーフルオロアルキルスルホン酸無水物を好適に例示することができるが、特にTfOが好ましい。
【0061】
上記アリールメチルパーフルオロアルキルスルホンを、アルキルリチウム、アルキルマグネシウムクロリド等の脱プロトン化剤とTfO等のパーフルオロアルキルスルホン酸無水物と反応させる方法としては、高収率でアリールビス(トリフルオロメチルスルホニル)メタン等のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンを生成できる方法であれば特に制限されるものではなく、例えばアリールメチルトリフロン等のアリールメチルパーフルオロアルキルスルホンをジエチルエーテル等の溶媒に溶解した後、アルキルリチウムを-78℃で加え、5~10分間反応させ、反応後にTfOを加えて室温で1~2時間反応させる方法や、アルキルマグネシウムクロリドを-78℃で加え30分間、0℃で30分間反応させ、反応後に-78℃でTfOを加えて室温で1~2時間反応させる方法などを具体的に挙げることができるが、収率を向上させるという点から、かかる操作を複数回繰り返すことが好ましい。
【0062】
また、高収率でアリールビス(トリフルオロメチルスルホニル)メタン等のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンを得るため、アリールメチルトリフロン等のアリールメチルパーフルオロアルキルスルホンに対して、1.7~2.4当量のアルキルリチウム等の有機金属や1.0~1.2当量のTfO等のパーフルオロアルキルスルホン酸無水物を反応させることが好ましい。
【0063】
例えば、ベンジルトリフロンに対しt-BuLi(1.2当量)を使用すると、フェニルビス(トリフリル)メタンはベンジルトリフロンより遥かに強い酸であるため、生成するフェニルビス(トリフリル)メタンはベンジルトリフロンのリチウム塩によってすぐに脱プロトン化を受け、フェニルビス(トリフリル)メタンはリチウム塩となり、得られたフェニルビス(トリフリル)メタンのリチウム塩はTfOとの反応によってフェニルトリス(トリフリル)メタンに変換され、ベンジルトリフロンとフェニルトリス(トリフリル)メタンのモル比がほぼ1:1となり、フェニルビス(トリフリル)メタンはほんのわずかしか合成されないが、ベンジルトリフロンに対し2.2当量のt-BuLiを使用すると、生成するフェニルビス(トリフリル)メタンはt-BuLiによって脱プロトン化を受け、ベンジルトリフロンが定量的にフェニルビス(トリフリル)メタンのリチウム塩に変換される。
【0064】
しかし、ペンタフルオロメチルブロミドを用いてペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メタンを製造する場合、1:1の割合でペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メタンと4-tert-ブチル-2,3,5,6-テトラフルオロフェニルビス(トリフリル)メタンが共に得られる(収率はそれぞれ45%)ことから、この場合は、1.0当量のt-BuLiと0.5当量のTfOとを用いると、4-tert-ブチル-2,3,5,6-テトラフルオロフェニルビス(トリフリル)メタンの生成が完全に抑制され、ペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メタンがTfOをベースに高収率で得ることができる。
【0065】
本発明の一般式[6]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩[金属アリールビス(トリフルオロメチルスルホニル)メチドという場合もある。]における、Rは置換又は非置換のアリール基を示し、Rf及びRfは互いに独立してパーフルオロアルキル基を示し、Mはアルカリ金属元素、アルカリ土類金属元素、遷移金属元素、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、鉛、ヒ素、アンチモン、ビスマス、又はテルルから選ばれるいずれかの元素を示し、nはM元素の原子価に等しい数値を示す。ここで、金属アリールビス(トリフルオロメチルスルホニル)メチドの金属種としては、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、フランシウム等のアルカリ金属元素、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム、ラジウム等のアルカリ土類金属元素、スカンジウム、イットリウム、ランタン、セリウム、プラセオジム、ネオジム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホルミウム、エルビウム、ツリウム、イッテルビウム、ルテチウム、チタン、ジルコニウム、ハフニウム、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、マンガン、テクネチウム、レニウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、コバルト、ロジウム、イリジウム、ニッケル、パラジウム、ホウ素、アルミニウム、白金、銅、銀、金、亜鉛、カドミウム、水銀等の遷移金属元素、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、鉛、ヒ素、アンチモン、ビスマス、又はテルル等の金属種を挙げることができ、これらの中でも、特にリチウム、スカンジウム、銀、ケイ素等が好ましい。
【0066】
上記式[6]におけるRとしては、本発明のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの製造法における一般式[4]で表されるRと同じものであり、上記一般式[6]におけるRf及びRfは、本発明の一般式[1]や、[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンにおけるRfとRfと同じものでる。
【0067】
本発明の金属アリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メチドとしては、例えば、フェニルビス(トリフリル)メタンの金属塩、2-ナフチルビス(トリフリル)メタンの金属塩、1-ナフチルビス(トリフリル)メタンの金属塩、2,4,6-トリメチルフェニルビス(トリフリル)メタンの金属塩、4-(トリフルオロメチル)フェニルビス(トリフリル)メタンの金属塩、3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニルビス(トリフリル)メタンの金属塩、ペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メタンの金属塩、{4-(ペンタフルオロフェニル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル}ビス(トリフリル)メタンの金属塩等を具体的に挙げることができるが、これらの中でもリチウム塩、スカンジウム塩等の金属塩が好ましく、特にペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メタンや{4-(ペンタフルオロフェニル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル}ビス(トリフリル)メタンのスカンジウム塩やリチウム塩が触媒活性等の点で好ましい。
【0068】
本発明の金属アリールビス(トリフルオロメチルスルホニル)メチドの製造方法としては、例えば、前述の本発明のアリールビス(トリフルオロメチルスルホニル)メタンと、〔I〕金属の水酸化物との中和反応、〔II〕遷移金属の塩又は酸化物との加熱還流下での反応、〔III〕炭酸銀との遮光下での反応を挙げることができる。
【0069】
また、その他の製造方法としては、一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの銀塩等の金属塩と、金属種の異なる金属のハロゲン化物とを反応させる金属種の交換反応を例示することができる。
【0070】
上記〔I〕の中和反応における金属の水酸化物としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物や、水酸化カルシウム等のアルカリ土類金属の水酸化物を具体的に例示することができ、これら金属の水酸化物をジエチルエーテル等の溶媒に溶解した溶液を用いて、10分~10数時間反応させる方法を例示することができる。
【0071】
上記〔II〕の加熱還流下での反応における遷移金属の塩又は酸化物としてはランタンやセリウムの塩化物等のランタノイド金属塩やSc等のスカンジウム酸化物を具体的に例示することができ、水溶液中の加熱還流を10分~10数時間行う方法を例示することができる。
【0072】
本発明の金属アリールビス(トリフルオロメチルスルホニル)メチドの製造方法における一般式[4]で表されるアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンにおけるRやRf及びRfは、前記一般式[6]におけるRやRf及びRfと同じ基を示し、アリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの製造法としては、本発明のアリールビス(トリフルオロメチルスルホニル)メタンの製造法におけるアリールビス(トリフルオロメチルスルホニル)メタンの製造法を適用することができる。
【0073】
本発明のアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩からなるルイス酸触媒等の触媒としては、少なくともアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩を有効成分として含有しているものであればどのようなものでもよく、例えば、担体に担持されたものや、高分子化合物に固定したものや、分子内に疎水性原子団と親水性原子団とを存在させることで界面活性能を有するものを具体的に挙げることができる。これらアリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩からなるルイス酸触媒等の触媒は、既存のルイス酸を上回る触媒活性を有することから、高い収率及び優れた選択性で有機化合物の合成反応に用いることができる。
【0074】
また、上記アリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩からなるルイス酸触媒等の触媒を用いることにより、医薬品、農薬、不斉触媒、各種機能性材料などの有機化合物を合成することができる。かかる合成方法としては、上記アリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メタンの金属塩からなるルイス酸触媒等の触媒の存在下、水溶液中、有機溶媒中、又は水と有機溶媒との混合系溶媒中で触媒反応を行う方法を具体的に挙げることができ、上記触媒反応としては、ベンゾイル化反応、ディールス-アルダー反応、アルドール型反応、フリーデル-クラフツ型反応、マンニッヒ型反応、グリコシル化反応、エステル化反応、エン反応、カチオン重合反応、アリル化反応、エステル交換反応、マンニッヒタイプ反応、マイケル付加反応、アシル化反応、共役付加反応、脱水反応、脱水縮合反応、重合反応などを具体的に例示することができる。
【0075】
以下に、実施例を揚げてこの発明を更に具体的に説明するが、この発明の範囲はこれらの例示に限定されるものではない。
【0076】
実施例1[分析方法及び材料]
赤外線スペクトルは、Shimadzu FTIR-9100で測定した。H NMRスペクトルは、Varian Gemini-300(300MHz)核磁気共鳴装置で測定した。H NMRの化学シフトは、内部標準(0ppmにおけるテトラメチルシラン)としての溶剤を使用したppmで表わした。分裂パターンは、一重項をs、二重項をd、三重項をt、四重項をq、多重項をm、ブロードピークをbrとして示した。13C NMRスペクトルは、Varian Gemini-300(125MHz)核磁気共鳴装置で測定し、内部標準(77.0ppmにおけるCDCl)としての溶剤を使用したppmで表わした。19F NMRスペクトルは、Varian Gemini-300(282MHz)核磁気共鳴装置で測定し、内部標準(-64.0ppmにおけるCF)としての溶剤を使用したppmで表わした。高度液体クロマトグラフィ(HPLC)分析は、Shimadzu LC-10AD機器とSPD-M10A UV検出器でキラルカラム(Daicel,AS又はOD-H)を使用して行った。以下の実施例は全てオーブンで乾燥させたガラス機器中でマグネチックスターラーを用いて行った。反応生成物は、シリカゲルE.Merck9385又はシリカゲル60エキストラピュア上でフラッシュクロマトグラフィにより精製した。高分解能質量(HRMS)分析は、Daikin Industries, Ltd.のものを用いた。
【0077】
実施例2[アリールメチルトリフロンの合成]
表1に示す各種アリールハロメチル(10mmol)、トリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム(2.0g:13mmol)、プロピオニトリル(30mL)、テトラブチルアンモニウムヨウ化物(0.37g:1mmol)の混合溶液を約1日間アルゴン雰囲気下で加熱還流した。加熱還流後、反応溶液を室温に冷やし、濾過によって塩を取り除いた後濃縮した。得られた粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン-EtOAc)あるいは再結晶操作(ヘキサン-トルエン)によって精製し、アリールメチルトリフロンを得た。各アリールメチルトリフロンの収率を表1に示し、各アリールメチルトリフロンの物性を以下に示す。表1から、トリフリル源としての求電子反応剤にトリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム(TfNa)を用いて、テトラブチルアンモニウムヨウ化物触媒存在下でプロピオニトリルを溶媒に用いてアリールハロメタンと加熱還流させることにより、Hendricksonらの方法(Synthesis,691,1997)より高収率でアリールメチルトリフロンを得ることができることがわかった。
【0078】
【表1】
JP0003957635B2_000019t.gif【0079】
ベンジルトリフロン(2-Benzyl Triflone;J. Fluorine chem. 66, 301, 1994):IR(KBr)1362,1347,1223,1198,1188,1125,776,698,640,525,507cm-1H NMR(CDCl,300MHz)δ 4.48(s,2H),7.42-7.47(m,5H);19F NMR(CDCl,282MHz)δ -77.6(s,3F,CF).
【0080】
2-ナフチルメチルトリフロン(2-Naphthylmethyl Triflone):IR(KBr)1358,1345,1221,1194,1125,831,756,658,608,486cm-1H NMR(CDCl,300MHz)δ 4.65(s,2H),7.50(dd,J=1.8,8.4Hz,1H),7.54-7.58(m,2H),7.86-7.94(m,4H);13C NMR(CDCl,125MHz)δ 56.3,119.8(q,JCF=326Hz,1C),120.3,126.9,127.4,127.5,127.8,128.1,129.2,131.5,133.1,133.6;19F NMR(CDCl,282MHz)δ -77.6(s,3F,CF).Anal.Calcd for C12S:C,52.55;H,3.31;F,20.78;S,11.69.Found C,52.51;H,3.33;F,20.81;S,11.65.
【0081】
1-ナフチルメチルトリフロン(1-Naphthylmethyl Triflone):IR(KBr)1510,1358,1223,1200,804,776,658,486cm-1H NMR(CDCl3,300MHz)δ 4.99(s,2H),7.53(dd,J=7.8,8.4Hz,1H),7.62(d,J=7.8Hz,1H),7.58(ddd,J=0.9,6.9,8.3Hz,1H),7.65(ddd,J=1.5,6.9,8.4Hz,1H),7.93(dd,J=1.5,8.3Hz,1H),7.98(dd,J=8.4Hz,1H),8.04(dd,J=0.9,8.4Hz,1H);13C NMR(CDCl,125MHz)δ 53.0,119.2,120.0(q,JCF=326Hz,1C),123.3,125.3,126.5,127.5,129.0,131.1,131.5,132.3,134.0;19F NMR(CDCl,282MHz)δ -78.1(s,3F,CF).Anal.Calcd for C12S:C,52.55;H,3.31;F,20.78;S,11.69.Found C,52.53;H,3.29;F,20.75;S,11.73.
【0082】
2,4,6-トリメチルフェニルメチルトリフロン(2,4,6-Trimethylphenylmethyl Triflone):IR(KBr)1358,1206,1117,864,619,550,500,469cm-1H NMR(CDCl,300MHz)δ 2.29(s,3H),2.43(s,6H)4.62(s,2H),6.96(s,2H);13C NMR(CDCl,125 MHz)δ 20.3,21.0(2C),49.8,117.0,120.0(q,JCF=326Hz,1C,CF),129.9(2C),139.7(2C),139.8;19F NMR(CDCl,282MHz)δ -79.7(s,3F,CF).Anal.Calcd for C1113S:C,49.62;H,4.92;F,21.40;S,12.04.Found C,49.58;H,4.53;F,21.35;S,12.06.
【0083】
4-(トリフルオロメチル)フェニルメチルトリフロン(4-(Trifluoromethyl)phenylmethyl Triflone;Synthesis, 691, 1997):IR(KBr)1356,1341,1227,1210,1144,1121,855,658,513cm-1H NMR(CDCl,300MHz)δ 4.53(s,2H),7.58(d,J=8.0Hz,2H),7.72(d,J=8.0Hz,2H);19F NMR(CDCl,282MHz)δ -77.5(s,3F,CF),-64.3(s,3F,CF).
【0084】
3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニルメチルトリフロン(3,5-Bis(trifluoromethyl)phenylmethyl Triflone):IR(KBr)1376,1362,1277,1175,1117,918,910,669cm-1H NMR(CDCl,300MHz)δ 4.60(s,2H),7.91(s,2H),8.01(s,1H);13C NMR(CDCl,125MHz)δ 55.0,119.6(q,JCF=326Hz,1C,CF),122.6(q,JCF=272Hz,2C,2CF),124.2(septet,JCF=4Hz,1C),126.1,131.3(2C),132.9(q,JCF=34Hz,2C);19F NMR(CDCl,282MHz)δ -77.4(s,3F,CF),-64.3(s,6F,2CF).Anal.Calcd for C10S:C,33.53;H,0.84;F,47.74;S,8.95.Found C,33.48;H,0.91;F,47.87;S,8.89.
【0085】
ペンタフルオロフェニルメチルトリフロン(Pentafluorophenylmethyl Triflone):IR(KBr)1509,1374,1210,1121,995cm-1H NMR(CDCl,300MHz)δ 4.64;13C NMR(CDCl,125 MHz)δ 44.3,100.0(dt,JCF=4,17Hz,1C,ipso-C),119.5(q,JCF=326Hz,1C,CF),137.9(d,JCF=251Hz,2C,2m-C),142.8(d,JCF=258Hz,1C,p-C),145.9(d,JCF=252Hz,2C,2o-C);19F NMR(CDCl,282MHz)δ -160.0(d,J=15.2Hz,2F,2m-F),149.0(s,1F,p-F),139.4(d,J=15.2Hz,2F,2o-F),-78.3(s,3F,CF).Anal.Calcd for CS:C,30.59;H,0.64;F,48.38;S,10.21.Found C,30.49;H,0.73;F,48.37;S,10.18.
【0086】
実施例3[アリールビス(トリフリル)メタンの合成法の検討]
実施例2により得られたベンジルトリフロン(0.5mmol)をジエチルエーテル(3mL)に溶解し、この溶液を-78℃まで冷却してから2.2当量(1.1mmol)のt-BuLi(0.34mL,1.6Mのペンタン溶液)を加え、0.5時間撹拌した。続いてTfO(46μL,0.55mmol)を加えた後、反応溶液を室温まで上げて更に1時間撹拌した。その後、水を加えて反応を止め、中和した後、ヘキサンで洗浄した。これら水相を4Mの塩酸で酸性にし、ジエチルエーテルで2回抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥、濾過、濃縮してフェニルビス(トリフリル)メタン[PhCHTf]を固体として得ることができ(収率79%)、フェニルトリス(トリフリル)メタン[PhCTf]は微量しか生成されなかった。他方、2.2当量のt-BuLiに代えて1.1当量のt-BuLiを用いる以外は上記と同様に反応を行ったところ、PhCHTfの収率は6%、PhCTfの収率は46%であった。
【0087】
実施例4[アリールビス(トリフリル)メタンの合成]
実施例2により得られた各アリールメチルトリフロン(0.5mmol)をジエチルエーテル(3mL)に溶解してそれぞれの溶液を調製した。これらの溶液を-78℃まで冷却してから1.1当量(0.55mmol)のt-BuLi(0.34mL,1.6Mのペンタン溶液)を加え、10分間撹拌した後、続いてTfO(46μL,0.275mmol)を加え、反応溶液を室温まで上げて更に1時間撹拌した。再び-78℃に冷却した後、1.1当量(0.55mmol)のt-BuLi(0.34mL,1.6Mのペンタン溶液)を加え、10分間撹拌した後、TfO(46μL,0.275mmol)を加え、反応溶液を室温まで上げて更に1時間撹拌した。その後、水を加えて反応を止め、中和した後、ヘキサンで洗浄した。これら水相を4Mの塩酸で酸性にし、ジエチルエーテルで2回抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥、濾過、濃縮してアリールビス(トリフリル)メタンを固体として得た。更なる精製は必要としなかった。各アリールメチルトリフロンの収率を表2に示し、各アリールメチルトリフロンの物性を以下に示す。
【0088】
【表2】
JP0003957635B2_000020t.gif【0089】
フェニルビス(トリフリル)メタン(Phenylbis(triflyl)methane;J. Oorg. Chem. 38, 3358, 1973Heteroatom Chem. 5, 9, 1994):IR(KBr)2950,1381,1242,1219,1184,1102,806,695,660,608,585,507cm-1H NMR(CDCl,300MHz)δ 5.97(s,1H),7.54-7.68(m,5H);13C NMR(CDCl,125MHz)δ 80.7,119.3,119.3(q,JCF=329Hz,2C,2CF),130.0(2C),131.8(br),132.9(2C);19F NMR(CDCl,282MHz)-73.8(s,6F,2CF).
【0090】
2-ナフチルビス(トリフリル)メタン(2-Naphtylbis(triflyl)methane):IR(KBr)1393,1381,1244,1213,1103,646,586cm-1H NMR(CDCl,300MHz)δ 6.10(s,1H),7.61-7.71(m,3H),7.92-7.99(m,2H),8.03(d,J=8.4Hz,2H);13C NMR(CDCl,75MHz)δ 80.9,116.3,119.3(q,JCF=329Hz,2C,2CF),127.7,128.0,128.8,129.1,130.1,132.8,133.4,134.7;19F NMR(CDCl,282MHz)δ -73.6(s,6F,2CF);HRMS(EI)calcd for C13[M] 405.9768,found 405.9761.
【0091】
1-ナフチルビス(トリフリル)メタン(1-Naphthylbis(triflyl)methane):IR(KBr)1389,1383,1215,1111,770,650,504cm-1H NMR(CDCl,300MHz)δ 6.87(s,1H),7.62-7.80(m,4H),8.02(d,J=8.4Hz,1H),8.16(d,J=8.4Hz,1H),8.37(d,J=7.5Hz,1H);13C NMR(CDCl,75MHz)δ 74.6,114.1(s,1C,ipso-C),119.4(q,JCF=328Hz,2C,2CF),119.9,125.4,127.0,128.9,130.1,131.5,131.7,133.8,134.0;19F NMR(CDCl,282MHz)δ -74.2(s,6F,2CF);HRMS(EI)calcd for C13[M] 405.9768,found 405.9761.
【0092】
2,4,6-トリメチルフェニルビス(トリフリル)メタン(2,4,6-Trimethylphenylbis(triflyl)methane):IR(KBr)1397,1383,1217,1119,1107,642,590cm-1H NMR(CDCl,300MHz)δ 2.33(s,3H),2.35(s,3H),2.61(s,3H),6.48(s,1H),7.00(s,1H),7.08(2,1H);13C NMR(CDCl,75MHz)δ 20.2,21.1,22.2,77.7,115.9,119.4(q,JCF=328Hz,2C,2CF),130.4,132.2,140.0,142.2,142.6;19F NMR(CDCl,282MHz)δ -76.3(s,6F,2CF);HRMS(EI)calcd for C1212[M] 398.0081,found 398.0089.
【0093】
4-(トリフルオロメチル)フェニルビス(トリフリル)メタン(4-(Trifluoromethyl)phenylbis(triflyl)methane):IR(KBr)1393,1383,1327,1231,1171,1136,1111,860,671,610cm-1H NMR(CDCl,300 MHz)δ 5.98(s,1H),7.84(s,4H);13C NMR(CDCl,125MHz)δ 80.4,120.0(q,JCF=329Hz,2C,2CF),123.8(q,JCF=271Hz,1C,CF),124.2,127.6(q,J=4Hz,2C),133.0(2C),135.6(q,JCF=33Hz,1C);19F NMR(CDCl,282MHz)δ -73.5(s,6F,2CF),-64.7(s,3F,CF);HRMS(EI)calcd for C10[M] 423.9486,found 423.9471.
【0094】
3,5-ビス(トリフルオロメチル)フェニルビス(トリフリル)メタン(3,5-Bis(trifluoromethyl)phenylbis(triflyl)methane):IR(KBr)1395,1374,1285,1223,1194,1179,1144,1105,936,909,629,519cm-1H NMR(CDCl,300MHz)δ 6.05(s,1H),8.13(s,2H),8.18(s,1H);13C NMR(CDCl,125MHz)δ 78.9,119.2(q,JCF=329Hz,2C,2CF),122.2(q,JCF=272Hz,2C,2CF),122.9,126.7(septet,JCF=4Hz),131.6(s,2C),133.8(q,J=35Hz,2C);19F NMR(CDCl,282MHz)δ -73.2(s,6F,2CF),-64.3(s,6F,2CF);HRMS(EI)calcd for C1112[M] 472.9375,found 472.9372.
【0095】
ペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メタン(Pentafluorophenylbis(triflyl)methane):Mp.86~87℃;IR(KBr)1522,1501,1347,1321,1198,1127,1024,988,613cm-1H NMR(CDCl,300MHz)δ 6.21(brs,1H);13C NMR(CDCl,125MHz)δ 70.4,98.0(s,1C,ipso-C),119.2(q,JCF=330Hz,2C,2CF),137.8(d,JCF=258Hz,1C,m-C),138.6(d,JCF=257Hz,1C,m-C),144.7(d,JCF=264Hz,1C,p-C),145.4(d,JCF=262Hz,1C o-C),147.2(d,JCF=262Hz,1C,o-C);13C NMR(CDOD(δ 49.0),125MHz)δ 56.2,109.1(dt,J=6,19Hz,1C,ipso-C),122.4(q,JCF=324Hz,2C,2CF),138.5(d,JCF=250Hz,2C,2m-C),143.0(d,JCF=251Hz,1C,p-C),150.0(d,JCF=245Hz,1C,o-C),19F NMR(CDCl,282MHz)δ -157.9(dt,J=6.2,21.5Hz,1F,m-F),-156.8(dt,J=6.2,21.5Hz,1F,m-F),-142.6(tt,J=5.9,21.5Hz,1F,p-F),-140.3(br,1F,o-F),-127.7(ddd,J=5.9,15.2,21.5Hz,1F,o-F),-75.2(s,6F,2CF);HRMS(EI)calcd for CHO11[M] 445.9141,found 445.9137.
【0096】
実施例5[ペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メタンのパラ位特異的な求核置換]
また、表2にペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メタンの収率が45%と記載されているように、ペンタフルオロメチルブロミドを用いてペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メタンを製造する場合、1:1の割合でペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メタンと4-tert-ブチル-2,3,5,6-テトラフルオロフェニルビス(トリフリル)メタンが共に得られることがわかった(収率はそれぞれ45%)。しかし、1.0当量のt-BuLiと0.5当量のTfOとを用いた場合では、4-tert-ブチル-2,3,5,6-テトラフルオロフェニルビス(トリフリル)メタンの生成が完全に抑制され、ペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メタンはTfOをベースに95%の収率で得られることがわかった。そこで、ペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メタンのパラ位特異的な求核置換の一般性と範囲を調べるために、ペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メタンと種々のアルキルリチウム試薬との反応について調べた。アルキルリチウム試薬の種類と反応条件とペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メタンのパラ位置換体の収率を表3に示す。なお、表3に示されたペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メタンのパラ位置換体は、ペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メタンとアルキルリチウム試薬との反応生成物を塩酸溶液で洗浄することにより得られ、また、表3中「Bn」はベンジル基を表す。
【0097】
【表3】
JP0003957635B2_000021t.gif【0098】
実施例6[{4-(ペンタフルオロフェニル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル}ビス(トリフリル)メタンの合成]
4-メチルパーフルオロビフェニルの合成;
パーフルオロビフェニル(10g,30mmol)を溶解したTHF(50mL)溶液にアルゴン雰囲気下、-78℃でメチルリチウムのジエチルエーテル溶液(13mL,15mmol)を0.5時間かけて滴下した。さらに、同温で2時間撹拌した後、室温でさらに2時間撹拌した。水を加えて反応を停止した後、ジエチルエーテルを用いて抽出し、その有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過後、溶媒を減圧除去して、4-メチルパーフルオロビフェニル、4,4′-ジメチルパーフルオロビフェニル、パーフルオロビフェニルの混合物(モル比、30:3:67)を粗生成物として得た。
【0099】
4-(ブロモメチル)パーフルオロビフェニルの合成;
上記4-メチルパーフルオロビフェニルを含む混合物、N-ブロモ琥珀酸イミド(NBS)(26.7g,150mmol)、AIBN(0.99g,6mmol)、四塩化炭素(100mL)の混合溶液を1週間加熱環流した。その間、反応の進行状況をTLCで確認し、適時、NBSとAIBNを追加した。最終的に、285mmolのNBS、15mmolのAIBNを加えた。反応終了後、室温まで冷却し、溶媒を減圧除去した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ヘキサン-酢酸エチル=100:1)により精製し、4-(ブロモメチル)パーフルオロビフェニル(7.36g,18mmol,メチルリチウムからの総収率60%)を単離した。
【0100】
H NMR(CDCl,300MHz)δ 4.58(s,2H,CHBr);19F NMR(CDCl,282MHz)δ-138.02(dd,J=10.6,19.8Hz,2F),-138.56(dt,J=9.1,20.3Hz,2F),-142.36(dd,J=10.6,19.8Hz,2F),-150.59(t,J=20.3Hz,1F),-161.08(dt,J=7.1,20.3Hz,2F).
【0101】
{4-(ペンタフルオロフェニル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル}(トリフリル)メタンの合成;
4-ブロモメチルパーフルオロビフェニル(3.68g,9mmol)とトリフルオロメタンスルフィン酸ナトリウム(1.69g,10.8mmol)をプロピオニトリル(30mL)に溶解し、12時間加熱環流した。反応後、室温まで冷却し、水を加えて酢酸エチルで抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し濾過した後、溶媒を減圧除去した。粗生成物をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン-酢酸エチル=20:1~8:1~1:1)で精製し目的とする{4-(ペンタフルオロフェニル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル}(トリフリル)メタン(3.91g,8.46mmol,94%収率)を単離した。
【0102】
H NMR(CDCl,300MHz)δ4.75(s,2H,CHTf);19F NMR(CDCl,282MHz)δ -78.24(s,3F,CF),-136.82~-136.62(m,1F),-137.72(dd,J=10.7,18.3Hz,2F),-138.84(dd,J=10.7,18.3Hz,2F),-149.69(t,J=21.3Hz,1F),-160.63(dt,J=6.1,21.3Hz,2F).
【0103】
{4-(ペンタフルオロフェニル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル}ビス(トリフリル)メタンの合成;
{4-(ペンタフルオロフェニル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル}(トリフリル)メタン(4.6g,10mmol)を溶解したジエチルエーテル(120mL)の溶液に、アルゴン雰囲気下、-78℃でtert-ブチルマグネシウムクロリド(5mL,10mmol,2.0Mのジエチルエーテル溶液)を加えた。反応溶液を-78℃で0.5時間撹拌した後、さらに0℃で0.5時間撹拌した。再度、-78℃まで冷却し、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.84mL,5mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。引き続き、-78℃でtert-ブチルマグネシウムクロリド(3.75mL,7.5mmol,2.0Mのジエチルエーテル溶液)を加えた。反応溶液を-78℃で0.5時間撹拌した後、0℃で0.5時間撹拌した。再度、-78℃まで冷却し、トリフルオロメタンスルホン酸無水物(0.84mL,5mmol)を加え、室温で2時間撹拌した。反応終了後、水を加え、更に1Mの塩酸水で中和し、ヘキサンで水相を洗った。次に、その水相を4Mの塩酸水で酸性にし、ジエチエーテルで抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した後、溶媒を減圧除去した。粗生成物を昇華(8~9Pa,150℃)して、目的の{4-(ペンタフルオロフェニル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル}ビス(トリフリル)メタン(2.79g,4.7mmol,47%収率)を単離した。
【0104】
H NMR(CDCl,300MHz)δ6.32(s,1H,CH),19F NMR(CDCl,282MHz)δ-75.1(s,6F,2CF),-127.72~-127.58(m,1F),-133.43(dt,J=10.2,21.3Hz,1F),-134.60(dt,J=9.4,21.3Hz,1F),-137.08~-137.35(m,2F),-140.07(br,1F),-148.38(t,J=21.3Hz,1F),-160.01(dt,J=6.2,21.3Hz,2F).
【0105】
実施例7[{4-(ペンタフルオロフェニル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル}ビス(トリフリル)メタンの4′位アルキル置換体の合成]
{4-(ペンタフルオロフェニル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル}ビス(トリフリル)メタン(59mg,0.1mmol)を溶解したジエチルエーテル(1mL)溶液にアルゴン雰囲気下、-78℃でフェニルリチウム(0.28mL,0.3mmol,1.06Mのシクロヘキサン-ジエチルエーテル混合溶液)を加えた。反応溶液をゆっくり-40℃まで昇温し、1時間撹拌した。反応は水で止め、1Mの塩酸水で中和し、ヘキサンで水相を洗った。次に、4Mの塩酸水で酸性にし、ジエチエーテルで抽出した。有機相を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した後、溶媒を減圧除去した。こうして得られた生成物は目的の化合物{4-(4-フェニル-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル}ビス(トリフリル)メタン(57.2mg,0.088mmol,88%収率)であり、さらなる精製を必要としなかった。
【0106】
H NMR(CDCl,300MHz)δ6.33(s,1H,CH),7.54(s,5H,C);19F NMR(CDCl,282MHz)δ-75.15(s,6F,2CF),-128.03(dt,J=10.5,21.2Hz,1F),-133.35(dt,J=10.5,21.2Hz,1F),-134.52(dt,J=10.5,21,2Hz,1F),-138.73~-138.53(m,2F),-140.42(br,1F),-142.66~-142.53(m,2F).
【0107】
実施例8[{4-(ペンタフルオロフェニル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル}ビス(トリフリル)メタンの4′位アルコキシ置換体の合成]
ミネラルオイル含有の60%水素化ナトリウム(0.56g,14mmol)を溶解したピリジン(10mL)溶液にヘキサノール(1.5mL,12mmol)を0℃で加え、室温で1時間撹拌した。-20℃まで冷却した後、{4-(ペンタフルオロフェニル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル}ビス(トリフリル)メタン(1.2g,2mmol)を加えた。反応溶液を-20℃で5時間撹拌した。反応後、4Mの塩酸水で酸性にし、ジエチルエーテルで抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗生成物を昇華(0.2~0.3torr,80℃)によって精製し、{4-(4-ヘキサノキシ-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル}ビス(トリフリル)メタンを94%収率(1.27g,1.88mmol)で得た。
【0108】
H NMR(CDCl,300MHz)δ0.83~0.94(m,3H),1.26(br,2H),1.33~1.38(m,2H),1.45~1.52(m,2H),1.84(5,J=6.8Hz,2H),4.38(t,J=6.8Hz,2H),4.32(s,1H);19F NMR(CDCl,282MHz)δ-75.0(s,6F,2CF),-128.4~-128.3(m,1F),-133.6(dt,J=9.1,21.3Hz,1F),-134.8(dt,J=9.1,21.3Hz,1F),-139.8~-139.6(m,2F),-140.7(br,1F),-156.5(d,J=19.7Hz,2F).
【0109】
実施例9[ペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メタンのパラ位アルコキシ置換体の合成]
ミネラルオイル含有の60%水素化ナトリウム(0.56g,14mmol)を溶解したピリジン(10mL)溶液にヘキサノール(1.5mL,12mmol)を0℃で加え、室温で1時間撹拌した。-20℃まで冷却した後、ペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メタン(0.89g,2mmol)を加えた。反応溶液を-20℃で5時間撹拌した。反応後、4Mの塩酸水で酸性にし、ジエチルエーテルで抽出した。硫酸マグネシウムで乾燥後、濾過し、溶媒を減圧除去した。粗生成物を昇華(0.2~0.3torr,65℃)によって精製し、4-ヘキサノキシ-2,3,5,6-テトラフルオロフェニルビス(トリフリル)メタンを99%収率(1.02g,1.98mmol)で得た。
【0110】
H NMR(CDCl,300MHz)δ0.91(t,J=7.1Hz,3H),1.32~1.37(m,4H),1.43~1.51(m,2H),1.83(quintet,J=6.8Hz,2H),4.44(t,J=6.8Hz,2H),6.19(s,1H);19F NMR(CDCl,282MHz)δ -75.35(s,6F,2CF),-130.64(dt,J=9.9,21.2Hz,1F),-143.16(br,1F),-155.31(d,J=21.2Hz,1F).
【0111】
実施例10[リチウムペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メチドの合成]
実施例4で得られたペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メタン(1mmol)と、LiOH・HO(1mmol)とをジエチルエーテル(10mL)に溶かし室温で12時間撹拌した後、濃縮乾燥して白い粉末のリチウムペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メチドを得た(100%収率)。この得られたリチウムペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メチドの物性を以下に示す。
【0112】
リチウムペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メチド(Lithium Pentafluorophenylbis(triflyl)methide):13C NMR(CDOD,125MHz)δ56.1,109.0(dt,J=4,19Hz,1C,ipso-C),122.3(q,JCF=324Hz,2C,2CF),138.5(d,JCF=247Hz,2C,2m-C),143.0(d,JCF=251Hz,1C,p-C),149.5(d,JCF=245Hz,2C,2o-C).
【0113】
実施例11[リチウム{4-(ペンタフルオロフェニル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル}ビス(トリフリル)メチドの合成]
実施例6で得られた{4-(ペンタフルオロフェニル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル}ビス(トリフリル)メタン(1mmol)と、LiOH・HO(1mmol)とをジエチルエーテル(10mL)に溶かし室温で12時間撹拌した後、濃縮乾燥して白色固体のリチウム{4-(ペンタフルオロフェニル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル}ビス(トリフリル)メチドを得た(100%収率)。
【0114】
実施例12[銀(I)ペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メチドの合成]
アルミニウムホイルで光を遮断した反応フラスコ内でペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メタン(0.20g,0.40mmol)の水溶液(3mL)にAgCO(66mg,0.24mmol)を加え室温で12時間撹拌した後、固体が残っているようであれば濾過してから濃縮し、銀(I)ペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メタンの白色固体を得た(収率99%以上)。この得られた銀(I)ペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メチドの物性を以下に示す。
【0115】
銀(I)ペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メチド(Silver(I)Pentafluorophenylbis(triflyl)methide):19F NMR(CDCl,282MHz)δ-162.6(dt,J=7.6,21.4Hz,2F,2m-F),-150.6(t,J=21.4Hz,1F,p-F),-134.7-134.6(m,2F,2o-F),-79.5(s,6F,2CF).
【0116】
実施例13[スカンジウム(III)ペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メチドの合成(その1)]
Sc(21mg,0.155mmol)とペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メタン(0.277g,0.62mmol)を水(0.5mL)中で12時間加熱還流した。その後、未反応のScを濾過によって除去し濃縮した。得られた粗生成物をクロロホルムで洗い、未反応のペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メタンを除去した後、真空ポンプで減圧にし、100℃で乾燥することによりスカンジウム(III)ペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メチドの白色粉末を得た(50%収率)。
【0117】
実施例14[スカンジウム(III)ペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メチドの合成(その2)]
実施例12より得られた銀(I)ペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メチド(0.19g,0.34mmol)とSc(III)Cl・(HO)(29mg,0.11mmol)をジエチルエーテル(3mL)中、室温で12時間撹拌した。その後、塩化銀を濾過によって除去し濃縮した。未反応のペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メタンを除去し、真空ポンプで減圧にし、100℃で乾燥することによりスカンジウム(III)ペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メチドの白色粉末を得た(50%収率)。本実施例や実施例13で得られたスカンジウム(III)ペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メチドの物性を以下に示す。
【0118】
スカンジウム(III)ペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メチド(Scandium(III)Pentafluorophenylbis(triflyl)methide):Mp.>250℃(decomposed);13C NMR(CDOD(δ 49.0),125MHz)δ 56.2,109.0(dt,JCF=2,20Hz,1C,ipso-C),122.3(q,JCF=324Hz,2C,2CF),137.8(d,JCF=247Hz,2C,2m-C),142.3(d,JCF=251Hz,1C,p-C),148.9(d,JCF=245Hz,2C,2o-C);19F NMR(CDOD,282MHz)δ -166.4(dt,J=6.1,21.3Hz,2F,2m-F),-155.9(t,J=21.3Hz,1F,p-F),-134.9~-134.9(m,2F,2o-F),-80.9(s,6F,2CF).
【0119】
実施例15[メントールのベンゾイル化反応]
実施例13や14で得られたスカンジウム(III)ペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メチドをルイス酸触媒として用いたメントールのベンゾイル化反応を行った(化38)。l-メントール(0.18g,1mmol)と安息香酸無水物(0.34g,1.5mmol)を、1mol%のルイス酸触媒としてのスカンジウム(III)ペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メチドの存在下、アセトニトリル(4.8mL)中26℃で1日間攪拌しながら反応させた。2,3滴のトリエチルアミンを加えて反応を止め、5mLの水を加えて濃縮、乾燥し、生成した安息香酸メンチルをジエチルエーテルで抽出し、有機相をHNMRで分析したところ、安息香酸メンチルの収率は79%と高収率であった。上記スカンジウム(III)ペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メチドに代えて、従来公知のルイス酸触媒としてスカンジウム(III)トリフラート[Sc(OTf)]を用いる以外は上記と同様に反応させたところ、安息香酸メンチルの収率は48%にすぎなかった。これらのことから、本発明のスカンジウム(III)ペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メチドは、既存のルイス酸触媒をはるかに上回る触媒活性を示すことがわかった。
【0120】
【化20】
JP0003957635B2_000022t.gif【0121】
実施例16[メタクロレインのディールス-アルダー(Diels-Alder)反応]
実施例13や14で得られたスカンジウム(III)ペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メチドをルイス酸触媒として用いたメタクロレインのディールス-アルダー反応を行った(化39)。メタクロレイン(0.21mL,2.6mmol)とシクロペンタジエン(0.56mL,6.8mmol)を、1mol%のルイス酸触媒としてのスカンジウム(III)ペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メチドの存在下、3mLのジクロロメタン中-40℃で4時間攪拌しながら反応させた。2,3滴のトリエチルアミンを加えて反応を止め、5mLの水を加えて生成した5-ノルボルネン-2-アルデヒドをペンタンで抽出し、濃縮・乾燥後の粗精製物をHNMRで分析したところ、5-ノルボルネン-2-アルデヒドの収率は95%(88%exo)と高収率であった。上記スカンジウム(III)ペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メチドに代えて、従来公知のルイス酸触媒としてスカンジウム(III)トリフラート[Sc(OTf)]を用いる以外は上記と同様に反応させたところ、5-ノルボルネン-2-アルデヒドはほとんど合成されなかった。次に、このスカンジウム(III)トリフラートを2mol%用いたところ、5-ノルボルネン-2-アルデヒドの収率は97%(89%exo)であった。これらのことから、本発明のスカンジウム(III)ペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メチドは、既存のルイス酸触媒をはるかに上回る触媒活性を示すことがわかった。
【0122】
【化21】
JP0003957635B2_000023t.gif【0123】
上記実施例5及び9と実施例7及び8からもわかるように、アルキルリチウムは、ペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メタンのパラ位に位置特異的に求核置換反応を起こすのに対し、{4-(ペンタフルオロフェニル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル}ビス(トリフリル)メタンとの反応ではその4′位選択的に求核置換反応を起こす。また、求核反応剤としては、アルキルリチウム等のアルキルアニオンに限らず、アルコキシアニオンも同様な反応性を示すことがわかった。そして、以下の構造式とその下の数値で表されたpKa値(酢酸)からもわかるように、ペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メタンのパラ位をアルキル基あるいはアルコキシ基等の電子供与性基で置換すると、その酸性度は低下したが、{4-(ペンタフルオロフェニル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル}ビス(トリフリル)メタンの4′位に同様な置換基を導入しても、その酸性度は低下しなかった。このことは、{4-(ペンタフルオロフェニル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル}ビス(トリフリル)メタンの4′位への求核置換反応を利用して樹脂等に{4-(ペンタフルオロフェニル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル}ビス(トリフリル)メタンを坦持してもその超強酸性を保持できることを示しており、{4-(ペンタフルオロフェニル)-2,3,5,6-テトラフルオロフェニル}ビス(トリフリル)メタンは超強酸性を利用した様々な有機材料及び酸触媒の合成原料として極めて有用であることがわかる。
【0124】
【化22】
JP0003957635B2_000024t.gif【産業上の利用可能性】
【0125】
本発明の製造法により、効率よく簡便に強酸性を有するアリールビス(トリフリル)メタンを製造することが可能である。本発明のペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メタン等はTfOHよりも強い有機酸であることから、新しいタイプのプロトン酸又は金属塩の共役塩基としての利用が期待される。また、アリールビス(トリフリル)メタンのアリール基においては様々なアリール基を導入できることから、不斉触媒、機能性材料等への幅広い応用が可能である。
【0126】
また、本発明のスカンジウム(III)ペンタフルオロフェニルビス(トリフリル)メチド等の金属アリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メチドは、既存のルイス酸触媒より優れた触媒活性を示し、高収率で簡便に有機化合物を合成することができ、本発明の金属アリールビス(パーフルオロアルキルスルホニル)メチドのアリール基には、様々なアリール基を導入することができることから、不斉触媒や機能性材料等への幅広い応用が期待される。