TOP > 国内特許検索 > 光再構成型ゲートアレイの光照射位置補正装置 > 明細書

明細書 :光再構成型ゲートアレイの光照射位置補正装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第3916592号 (P3916592)
公開番号 特開2005-031551 (P2005-031551A)
登録日 平成19年2月16日(2007.2.16)
発行日 平成19年5月16日(2007.5.16)
公開日 平成17年2月3日(2005.2.3)
発明の名称または考案の名称 光再構成型ゲートアレイの光照射位置補正装置
国際特許分類 G02F   1/01        (2006.01)
FI G02F 1/01 D
請求項の数または発明の数 2
全頁数 10
出願番号 特願2003-273030 (P2003-273030)
出願日 平成15年7月10日(2003.7.10)
審査請求日 平成16年6月7日(2004.6.7)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】渡邊 実
【氏名】小林 史典
個別代理人の代理人 【識別番号】100099508、【弁理士】、【氏名又は名称】加藤 久
審査官 【審査官】佐藤 宙子
参考文献・文献 特開2002-353317(JP,A)
特開2000-258738(JP,A)
特開平08-278472(JP,A)
特開平07-036054(JP,A)
調査した分野 G02F 1/01
特許請求の範囲 【請求項1】
光情報記憶媒質であるホログラムと、フォトダイオードアレイが形成されたLSI部との間に設けられた光再構成型ゲートアレイの光照射位置補正装置であって、X座標補正光回路、Y座標補正光回路、及び回転方向補正光回路を備え、前記X座標補正光回路、前記Y座標補正光回路、前記回転方向補正光回路はいずれも、複屈折光学結晶と空間光変調素子とを交互に積層してなり、前記回転方向補正光回路は、前記LSI部のY軸方向を前記複屈折光学結晶において異常光の進行方向がずれを発生する方向とし、前記Y軸方向について原点から遠ざかるに従って前記複屈折光学結晶の厚みを増加させ、かつ前記複屈折光学結晶の各層の厚み増加の傾斜角度を異ならせた第1の回転方向補正光回路と、前記LSI部のX軸方向を前記複屈折光学結晶において異常光の進行方向がずれを発生する方向とし、前記X軸方向について原点から遠ざかるに従って前記複屈折光学結晶の厚みを増加させ、かつ前記複屈折光学結晶の各層の厚み増加の傾斜角度を異ならせた第2の回転方向補正光回路と、からなり、前記複屈折光学結晶の各層の厚みは、厚み増加の傾斜角度が2のべき乗で順次変化するように、前記複屈折光学結晶が形成されていることを特徴とする光再構成型ゲートアレイの光照射位置補正装置。
【請求項2】
前記LSI部に照射される光ビームの位置ずれ情報が前記空間光変調素子に送出され、この位置ずれ情報に応じて、前記空間光変調素子が入射光の偏光方向を切替えて光補正量を制御することを特徴とする請求項に記載の光再構成型ゲートアレイの光照射位置補正装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、光再構成型ゲートアレイの光照射位置補正装置及びその方法に関し、特に、複屈折光学結晶と空間光変調素子を用いて簡便に光照射位置を補正することが可能な光再構成型ゲートアレイの光照射位置補正装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
光再構成型ゲートアレイでは回路の記憶手段として光情報記憶媒質(ホログラムや光マスク)が用いられている。
光再構成型ゲートアレイは、光によって高速で構成(プログラム)、再構成(再プログラム)が可能なデバイスであり、従来シリアルに行われていた再構成回路を受光素子に置き換えることによって、光により並列的な構成・再構成を可能としたデバイスである。
従来の光再構成型ゲートアレイでは、ホログラムが高い位置精度でLSI部と固定されており、容易にホログラムを交換することは難しく、この点が実用化を困難にしていた。
【0003】
従来のFPGA(Field Programmable Gate Array)やPLD(Programmable Logic Device)の様なプログラマブル・デバイスのように、目的に応じて簡単に回路を変更できるようにするためには、ホログラムのような光情報記憶媒質を人の手によって交換できるようにすることが必要となる。
従来の技術では、マイクロメータを備えた位置決め用のステージにLSI部を固定し、このステージを手動によって位置合わせを行うことで、ホログラムとLSI間の位置ずれを補正していた。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、この方法ではシステム全体が非常に大きくなり、かつ重くなるという欠点があるため実用的ではない。またホログラムを交換した後の調整に多大な時間が必要になるという欠点もある。従って、この方法では、現在市販されているFPGAやPLDの様なプログラマブル・デバイスとの代替は困難である。
光の干渉によってパターンを生成しているホログラムは、本質的に高い位置決め精度が要求されるものであり、光再構成型ゲートアレイのディテクタのサイズは現状のLSI技術レベルでも数μmから数十μmと非常に小さいことから、ホログラム部とLSI部の位置決めには高い精度が要求される。そのため、人の手によって光情報記憶媒質を交換することは困難であるといえる。
【0005】
本発明は、このような問題点を解決するためになされたもので、光の方向を補正して、自動的に位置決め精度の補正を行うことが可能な光再構成型ゲートアレイの光照射位置補正方法及びその装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
以上の課題を解決するために、本発明は、光情報記憶媒質であるホログラムと、フォトダイオードアレイが形成されたLSI部との間に設けられた光再構成型ゲートアレイの光照射位置補正装置であって、X座標補正光回路、Y座標補正光回路、及び回転方向補正光回路を備え、前記X座標補正光回路、前記Y座標補正光回路、前記回転方向補正光回路はいずれも、複屈折光学結晶と空間光変調素子とを交互に積層してなることを特徴とする光再構成型ゲートアレイの光照射位置補正装置である。
複屈折光学結晶においては、偏光方向が常光方向であれば光は直進する一方で、これに対して垂直な方向にある異常光方向であれば、その進行方向がずれ、複屈折光学結晶の厚みに比例して光はシフトする。従って、複屈折光学結晶の各層間に挿入された空間光変調素子によって、偏光方向を制御することで光のシフト量を制御することができ、LSI部のX軸方向、Y軸方向、及び回転方向について補正を行うことが可能となる。
【0007】
前記X座標補正光回路は、前記LSI部のX軸方向を前記複屈折光学結晶において異常光の進行方向がずれを発生する方向とし、かつ前記複屈折光学結晶の各層の厚みを異ならせたことを特徴とする。
このように、LSI部のX軸方向を複屈折光学結晶において異常光の進行方向がずれを発生する方向とすることにより、複屈折光学結晶の各層の厚みに応じてX軸方向に光をシフトさせることができ、LSI部に入射する光を、X軸方向に任意にシフトさせて、X座標補正光回路として機能させることができる。
【0008】
前記Y座標補正光回路は、前記LSI部のY軸方向を前記複屈折光学結晶において異常光の進行方向がずれを発生する方向とし、かつ前記複屈折光学結晶の各層の厚みを異ならせたことを特徴とする。
このように、LSI部のY軸方向を複屈折光学結晶において異常光の進行方向がずれを発生する方向とすることにより、複屈折光学結晶の各層の厚みに応じてY軸方向の光をシフトさせることができ、LSI部に入射する光を、Y軸方向に任意にシフトさせて、Y座標補正光回路として機能させることができる。
【0009】
前記複屈折光学結晶の各層の厚みは2のべき乗で順次変化するように、前記複屈折光学結晶が形成されていることを特徴とする。
これにより、少ない積層数で複屈折光学結晶を積層しても、光シフト量を任意に選択することができる。
【0010】
前記回転方向補正光回路は、前記LSI部のY軸方向を前記複屈折光学結晶において異常光の進行方向がずれを発生する方向とし、前記Y軸方向について原点から遠ざかるに従って前記複屈折光学結晶の厚みを増加させ、かつ前記複屈折光学結晶の各層の厚み増加の傾斜角度を異ならせた第1の回転方向補正光回路と、前記LSI部のX軸方向を前記複屈折光学結晶において異常光の進行方向がずれを発生する方向とし、前記X軸方向について原点から遠ざかるに従って前記複屈折光学結晶の厚みを増加させ、かつ前記複屈折光学結晶の各層の厚み増加の傾斜角度を異ならせた第2の回転方向補正光回路と、からなることを特徴とする。
このように、LSI部のX軸方向またはY軸方向について、原点から遠ざかるに従って複屈折光学結晶の厚みを増加させることにより、複屈折光学結晶の各層の厚みに応じて回転補正することができ、LSI部に入射する光を、回転方向に任意にシフトさせて、回転補正光回路として機能させることができる。
【0011】
前記複屈折光学結晶の各層の厚みは、厚み増加の傾斜角度が2のべき乗で順次変化するように、前記複屈折光学結晶が形成されていることを特徴とする。
これにより、少ない積層数で複屈折光学結晶を積層しても、回転補正量を任意に選択することができる。
【0012】
本発明の光再構成型ゲートアレイの光照射位置補正装置においては、前記LSI部に照射される光ビームの位置ずれ情報が前記空間光変調素子に送出され、この位置ずれ情報に応じて、前記空間光変調素子が入射光の偏光方向を切替えて光補正量を制御することを特徴とする。
LSI部に照射される光ビームの位置ずれ情報に基づいて、空間光変調素子に対する電圧の印加を制御し、複屈折光学結晶に入射する光の偏光方向を切替えて光シフトを発生させるため、光シフト量が必要な光補正量として十分であるか否かを容易に判断することができる。
【0013】
また本発明は、光情報記憶媒質であるホログラムと、フォトダイオードアレイが形成されたLSI部との間に設けられ、複屈折光学結晶と空間光変調素子とを交互に積層してなるX座標補正光回路、Y座標補正光回路、及び回転方向補正光回路に対し、前記LSI部に照射される光ビームの位置ずれ情報に基づいて前記空間光変調素子が入射光の偏光方向を切替えて、前記LSI部に照射される光をX軸方向、Y軸方向、回転方向について補正することを特徴とする光再構成型ゲートアレイの光照射位置補正方法である。
この方法によると、複屈折光学結晶の各層間に挿入された空間光変調素子によって、偏光方向を制御することで光のシフト量を制御することができ、LSI部のX軸方向、Y軸方向、及び回転方向について、小さなスペースで精度良く、自動的に位置決め精度の補正を行うことが可能となる。
【発明の効果】
【0014】
以上説明したように、本発明によると、以下の効果を奏することができる。
(1)X座標補正光回路、Y座標補正光回路、回転方向補正光回路がいずれも、複屈折光学結晶と空間光変調素子とを交互に積層して形成されていることにより、複屈折光学結晶の各層間に挿入された空間光変調素子によって、偏光方向を制御することで光のシフト量を制御することができ、LSI部のX軸方向、Y軸方向、及び回転方向について補正を行うことが可能となる。
【0015】
(2)X座標補正光回路は、LSI部のX軸方向を前記複屈折光学結晶において異常光の進行方向がずれを発生する方向とし、かつ前記複屈折光学結晶の各層の厚みを異ならせたことにより、複屈折光学結晶の各層の厚みに応じてX軸方向に光をシフトさせることができ、LSI部に入射する光を、X軸方向に任意にシフトさせることができる。
【0016】
(3)Y座標補正光回路は、LSI部のY軸方向を前記複屈折光学結晶において異常光の進行方向がずれを発生する方向とし、かつ前記複屈折光学結晶の各層の厚みを異ならせたことにより、複屈折光学結晶の各層の厚みに応じてY軸方向に光をシフトさせることができ、LSI部に入射する光を、Y軸方向に任意にシフトさせることができる。
【0017】
(4)X座標補正光回路とY座標補正光回路における複屈折光学結晶の各層の厚みは、2のべき乗で順次変化するように、複屈折光学結晶が形成されていることにより、少ない積層数で複屈折光学結晶を積層しても、光シフト量を任意に選択することができる。
【0018】
(5)回転方向補正光回路は、LSI部のY軸方向を前記複屈折光学結晶において異常光の進行方向がずれを発生する方向とし、Y軸方向について原点から遠ざかるに従って前記複屈折光学結晶の厚みを増加させ、かつ複屈折光学結晶の各層の厚み増加の傾斜角度を異ならせた第1の回転方向補正光回路と、LSI部のX軸方向を前記複屈折光学結晶において異常光の進行方向がずれを発生する方向とし、X軸方向について原点から遠ざかるに従って複屈折光学結晶の厚みを増加させ、かつ複屈折光学結晶の各層の厚み増加の傾斜角度を異ならせた第2の回転方向補正光回路と、からなることにより、複屈折光学結晶の各層の厚みに応じて回転補正することができ、LSI部に入射する光を、回転方向に任意にシフトさせることができる。
【0019】
(6)回転方向補正光回路における複屈折光学結晶の各層の厚みは、厚み増加の傾斜角度が2のべき乗で順次変化するように、複屈折光学結晶が形成されていることにより、少ない積層数で複屈折光学結晶を積層しても、回転補正量を任意に選択することができる。
【0020】
(7)複屈折光学結晶と空間光変調素子とを交互に積層してなるX座標補正光回路、Y座標補正光回路、及び回転方向補正光回路に対し、LSI部に照射される光ビームの位置ずれ情報に基づいて空間光変調素子が入射光の偏光方向を切替えて、LSI部に照射される光をX軸方向、Y軸方向、回転方向について補正することにより、複屈折光学結晶の各層間に挿入された空間光変調素子によって、偏光方向を制御することで光のシフト量を制御することができ、LSI部のX軸方向、Y軸方向、及び回転方向について、小さなスペースで精度良く、自動的に位置決め精度の補正を行うことが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明をその実施の形態に基づいて説明する。
図1に本発明の実施の形態に係る光再構成型ゲートアレイの光照射位置補正装置の構成を示す。
図1(a)において、光情報記憶媒質であるホログラム1とLSI部2との間に、X座標補正光回路3、Y座標補正光回路4、第1の回転方向補正光回路5、第2の回転方向補正光回路6が配置されている。LSI部2には図1(b)に示すように、受光部であるフォトダイオードが2次元的に配列されたフォトダイオードアレイ7が形成されている。
【0022】
X座標補正光回路3、Y座標補正光回路4、第1の回転方向補正光回路5、第2の回転方向補正光回路6はいずれも、常光と異常光とを持つ方解石等の複屈折光学結晶と、入射された光の偏光方向を電圧の印加によって切替えることのできる空間光変調素子とから構成されている。このような空間光変調素子として例えば、液晶を用いることができる。
【0023】
図2に、X座標補正光回路3、Y座標補正光回路4の構成を示す。
X座標補正光回路3、Y座標補正光回路4は、図2において示すように、複屈折光学結晶11と空間光変調素子12とが交互に積層されて形成されている。複屈折光学結晶11の厚みはそれぞれの層において異なるように形成され、本実施形態においては、一方の端面側から順に、1mm、2mm、4mm、8mmのように、2のべき乗で順次変化させて形成されている。
X座標補正光回路3においては、LSI部2のX軸方向を、複屈折光学結晶11において異常光の進行方向がずれを発生する方向とし、Y座標補正光回路4においては、LSI部2のY軸方向を、複屈折光学結晶11において異常光の進行方向がずれを発生する方向としている。
【0024】
このようにして形成されたX座標補正光回路3では、例えば図2に示す方向で複屈折光学結晶11に入射した光は、偏光方向が常光方向であれば光は入射方向に対して直進するのに対し、偏光方向がこれに対して垂直方向にある異常光方向であれば、その進行方向がずれて、複屈折光学結晶11の厚みに比例して光はX方向にシフトする。
従って、複屈折光学結晶11の各層間に挿入された空間光変調素子12によって、複屈折光学結晶11の層ごとに偏光方向を制御して、常光と異常光とを切替えることで光のシフト量を制御することができる。すなわち、空間光変調素子12は、入射された光の偏光方向を電圧の印加によって切替えることができるため、必要な光補正の量に応じてX軸方向を複屈折光学結晶11における異常光のずれの方向とすることにより、X軸方向に光をシフトさせることができる。
【0025】
X軸方向への光シフト量の決定は、LSI部2に照射される光ビームの位置ずれ情報を空間光変調素子12に送出し、この位置ずれ情報に基づいて、複数個設けられた空間光変調素子12のいずれに対して電圧を印加するかしないかを決定することによって行うことができる。
例えば、複屈折光学結晶11のうち、最も薄い層によって生じるずれによる光シフトが必要な光補正量として十分であれば、その旨を知らせる情報が空間光変調素子12に送出され、空間光変調素子12は偏光方向を切替えて、複屈折光学結晶11の他の層によるX方向への光シフトが生じないようにする。
光補正量が不十分であるときは、その旨を知らせる情報が空間光変調素子12に送出され、空間光変調素子12は偏光方向を異常光のままに維持し、複屈折光学結晶11による光シフトが必要な光補正量に達するまでX方向への光シフトを生じさせる。
【0026】
本実施形態においては、複屈折光学結晶11の厚みを、一方の端面側から順に、1mm、2mm、4mm、8mmのように、2のべき乗で順次変化させているため、光シフトを生じさせる複屈折光学結晶11の厚みを0mmから15mmの間で任意に選択することができる。光シフト量は複屈折光学結晶11の厚みに比例するため、上記の構成によって、少ない積層数で光シフト量を任意に選択することができ、LSI部2に入射する光を、X軸方向に任意にシフトさせて、X座標補正光回路3として機能させることができる。
【0027】
同様にして、Y座標補正光回路4では、LSI部2のY軸方向を複屈折光学結晶11において異常光のずれが発生する方向とすることにより、Y軸方向に光をシフトさせることができる。これによって、LSI部2に入射する光を、Y軸方向に任意にシフトさせて、Y座標補正光回路3として機能させることができる。
Y座標補正光回路4についても、X座標補正光回路3と同様に、複屈折光学結晶11の厚みを2のべき乗で順次変化させて積層することで、少ない積層数で任意の光シフト量を得ることができる。
【0028】
次に、回転方向補正光回路について説明する。
図3に、第1の回転方向補正光回路5の構成の一例を示す。
図3は、LSI部2のY軸方向を、複屈折光学結晶において異常光の進行方向がずれを発生する方向とし、Y軸方向について原点から遠ざかるに従って複屈折光学結晶13の厚みを増加させ、かつ複屈折光学結晶13の各層の厚み増加の傾斜角度を異ならせた第1の回転方向補正光回路5である。
【0029】
この第1の回転方向補正光回路5を構成する複屈折光学結晶13は、Y=0の点、すなわち原点における厚みを0とし、Y軸のプラス側とマイナス側にそれぞれ厚みが直線的に増加するように形成されている。Y軸のプラス側に形成される複屈折光学結晶13と、Y軸のマイナス側に形成される複屈折光学結晶13とは、異常光のずれの方向が互い逆になるように、複屈折光学結晶13の方向が設定されている。
この複屈折光学結晶13が複数個形成され、複屈折光学結晶13の各層の間に空間光変調素子12が積層されている。複屈折光学結晶13の各層の厚み増加の傾斜角度は、一方の端面側から順に、2のべき乗で順次変化している。
【0030】
同様に、第2の回転方向補正光回路6は、LSI部2のX軸方向を複屈折光学結晶において異常光の進行方向がずれを生じる方向とし、X=0の点、すなわち原点における複屈折光学結晶13の厚みを0とし、X軸のプラス側とマイナス側にそれぞれ厚みが増加するように複屈折光学結晶13が形成されている。X軸のプラス側に形成される複屈折光学結晶13と、X軸のマイナス側に形成される複屈折光学結晶13とは、異常光のずれの方向が互い逆になるように、複屈折光学結晶13の方向が設定されている。
この複屈折光学結晶13が複数個形成され、複屈折光学結晶13の各層の間に空間光変調素子12が積層されている。複屈折光学結晶13の各層の厚み増加の傾斜角度は、一方の端面側から順に、2のべき乗で順次変化している。
【0031】
第1の回転方向補正光回路5、第2の回転方向補正光回路6を上記のように形成する理由について、以下に説明する。
ホログラム1を人の手によって配置したときに、挿入角度誤差が±3°程度未満の微少な量とすると、回転補正による角座標の変換は以下の式で近似できる。
【0032】
【数1】
JP0003916592B2_000002t.gif

【0033】
この場合、回転補正後の新しいX座標であるx1は、元の座標xから、補正角度θに依存したtanθと元の座標yとの積算値を引けばよく、また回転補正後の新しいY座標y1は、元の座標xと補正角度θに依存した量を元の座標yに足し込めば良い。
このような補正は、原点から離れるに従って厚みを変化させた複屈折光学結晶13によって実現することができる。
【0034】
上述した構成の第1の回転方向補正光回路5では、LSI部2のY軸方向を複屈折光学結晶において異常光の進行方向がずれを発生する方向としているため、例えば図3に示す方向で複屈折光学結晶13に入射した光は、X軸方向には異常光によるずれを生じることはなく、Y軸方向にのみ異常光によるずれを生じる。しかも、複屈折光学結晶13は、原点から離れるに従ってY軸方向に厚くなるように形成されているため、原点から離れるほど、Y軸方向への異常光のずれが大きくなる。角座標の変換式における角度θは、複屈折光学結晶13の厚み増加の傾斜角度に対応しているため、第1の回転方向補正光回路5を用いることによって、角座標の変換式のx1で表す変換を行うことができる。
【0035】
一方、第2の回転方向補正光回路6では、LSI部2のX軸方向を複屈折光学結晶において異常光の進行方向がずれを発生する方向としているため、複屈折光学結晶13に入射した光は、Y軸方向には異常光によるずれを生じることはなく、X軸方向にのみ異常光によるずれを生じる。しかも、複屈折光学結晶13は、原点から離れるに従ってX軸方向に厚くなるように形成されているため、原点から離れるほど、X軸方向への異常光のずれが大きくなる。角座標の変換式における角度θは、複屈折光学結晶13の厚み増加の傾斜角度に対応しているため、第2の回転方向補正光回路6を用いることによって、角座標の変換式のy1で表す変換を行うことができる。
【0036】
従って、第1の回転方向補正光回路5と第2の回転方向補正光回路6とを併せて用いることによって、LSI部2に入射する光ビームに対して回転補正することが可能となる。
【0037】
回転補正量の決定は、LSI部2に照射される光ビームの回転方向ずれ情報を空間光変調素子12に送出し、この回転方向ずれ情報に基づいて、複数個設けられた空間光変調素子12のいずれに対して電圧を印加するかしないかを決定することによって行うことができる。
例えば、複屈折光学結晶13のうち、最も薄い層によって生じるずれによって回転補正量が十分であれば、その旨を知らせる情報が空間光変調素子12に送出され、空間光変調素子12は偏光方向を切替えて、回転補正が生じないようにする。回転補正量が不十分であるときは、その旨を知らせる情報が空間光変調素子12に送出され、空間光変調素子12は偏光方向を異常光のままに維持し、必要な回転補正量に達するまで回転補正を行う。
【0038】
本実施形態においては、複屈折光学結晶13の厚み増加の傾斜角度を、一方の端面側から順に、2のべき乗で順次変化させているため、回転補正を生じさせる複屈折光学結晶13の傾斜を任意に選択することができる。回転補正量は複屈折光学結晶13の傾斜に比例するため、上記の構成によって、回転補正量を任意に選択することができ、LSI部2に入射する光を任意に回転させて、回転方向補正光回路として機能させることができる。
【0039】
複屈折光学結晶11として方解石を用いる場合、その厚さを20μm程度までに薄くして形成することが可能である。この厚さの方解石を複屈折光学結晶11として用いると、LSI部2に入射する光の位置をμmオーダーで調整することができる。LSI部2上のディテクタのサイズは数μm程度であり、上述の補正方法によって、十分な調整精度を確保することができる。人の手を介して位置調整を行う場合には、調整操作に必要なスペースを考慮すると、0.5mm程度の精度が限界であることと比較すると、高精度で光位置の調整が可能となる。
【0040】
また、マイクロメータを備えた位置決め用のステージを用いて機械的に調整する場合には、調整装置が大掛りとなり、かつ調整に時間を要するが、本発明によると、自動的に高精度の調整が可能となる。
従って、光情報記憶媒質であるホログラム1を人の手を介して配置しても、LSI部2へ照射される光ビームの位置を高精度で調整することができ、光情報記憶媒質であるホログラム1を人の手によって交換することが可能となる。
【0041】
上述したように、ホログラム1からのコンフィギュレーション信号は、X座標補正光回路3によってX方向の補正が加えられ、次にY座標補正光回路4によってY方向の補正が加えられ、最後に回転方向補正光回路5によって回転方向の補正が加えられた後、LSI部2のフォトディテクターにコンフィギュレーション信号が正しく照射される。
このように、LSI部2に対して、上下左右の補正光学系と回転光学系を組み合わせることで、任意の位置に置かれたホログラム1からの光を正確にフォトディテクターに導くことができる。
なお、X座標補正光回路3、Y座標補正光回路4、及び回転方向補正光回路5の配置の順番は、上記の説明に限定されるものではなく、他の順番で配置することも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0042】
本発明は、光再構成型ゲートアレイの光照射位置を補正する装置及び方法として利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】本発明の実施の形態に係る光照射位置補正装置の構成を示す図である。
【図2】X座標補正光回路、Y座標補正光回路の構成を示す図である。
【図3】回転方向補正光回路の構成を示す図である。
【符号の説明】
【0044】
1 ホログラム
2 LSI部
3 X座標補正光回路
4 Y座標補正光回路
5 第1の回転方向補正光回路
6 第2の回転方向補正光回路
7 フォトダイオードアレイ
11 複屈折光学結晶
12 空間光変調素子
13 複屈折光学結晶
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2