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明細書 :偏光解析装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4174419号 (P4174419)
公開番号 特開2005-114704 (P2005-114704A)
登録日 平成20年8月22日(2008.8.22)
発行日 平成20年10月29日(2008.10.29)
公開日 平成17年4月28日(2005.4.28)
発明の名称または考案の名称 偏光解析装置
国際特許分類 G01J   4/04        (2006.01)
G01N  21/21        (2006.01)
G02B   5/30        (2006.01)
FI G01J 4/04 Z
G01N 21/21 Z
G02B 5/30
請求項の数または発明の数 13
全頁数 27
出願番号 特願2003-411786 (P2003-411786)
出願日 平成15年12月10日(2003.12.10)
優先権出願番号 2003363854
優先日 平成15年9月17日(2003.9.17)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成18年11月6日(2006.11.6)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】302060650
【氏名又は名称】株式会社フォトニックラティス
【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】川上 彰二郎
【氏名】佐藤 尚
【氏名】橋本 直樹
個別代理人の代理人 【識別番号】100116850、【弁理士】、【氏名又は名称】廣瀬 隆行
審査官 【審査官】樋口 宗彦
参考文献・文献 特開平04-147040(JP,A)
特開2002-116085(JP,A)
米国特許第06075235(US,A)
調査した分野 G01N21/00-21/61
G01J3/00-3/52,4/00-4/04,9/00-9/04
G01B11/00-11/30
PATOLIS
特許請求の範囲 【請求項1】
透過光に与える位相差は一様で光軸方向が異なる複数の領域を有する波長板アレイと、
透過する偏波の方向が異なる複数の領域を有する偏光子アレイとを有し、
前記の波長板アレイと前記の偏光子アレイがそれぞれ重なるように配置され、
前記波長板の特定の領域と前記偏光子の特定の領域を通過した光を個別に受光することのできるような受光素子アレイを配置したことを特徴とする偏光解析装置。
【請求項2】
透過光に与える位相差は一様で光軸方向が個々に異なる少なくとも2つ以上のストライプ状の領域を有する波長板アレイと、
透過する偏波の方向が異なる少なくとも2つ以上のストライプ状の領域を有する偏光子アレイとを有し、
前記の波長板アレイと前記の偏光子アレイとが前記ストライプを互いに交差させるように配置され、
各交差領域を通過する光を個別に受光することのできるような受光素子アレイを配置したことを特徴とする偏光解析装置。
【請求項3】
前記波長板アレイおよび前記偏光子アレイが、
積層方向には各層の形状が周期的であり、かつ各層の形状が領域毎に決まる面内の一方向に繰り返される周期的な凹凸形状を有する誘電体多層膜からなることを特徴とする請求項1または請求項2記載の偏光解析装置。
【請求項4】
光軸方向は一様で透過光の位相差が異なる複数の領域を有する波長板アレイと、
透過する偏波の方向が異なる複数の領域を有する偏光子アレイとを有し、
前記の波長板アレイと前記の偏光子アレイがそれぞれ重なるように配置され、
前記波長板の特定の領域と前記偏光子の特定の領域を通過した光を個別に受光することのできるような受光素子アレイを配置したことを特徴とする偏光解析装置。
【請求項5】
光軸方向が一様で透過光の位相差が異なる少なくとも2つ以上のストライプ状の領域を有する波長板アレイと、
透過する偏波の方向が異なる少なくとも2つ以上のストライプ状の領域を有する偏光子アレイとを有し、
前記の波長板アレイと前記の偏光子アレイとが前記ストライプを互いに交差させるように配置され、
各交差領域を通過する光を個別に受光することのできるような受光素子アレイを配置したことを特徴とする偏光解析装置。
【請求項6】
前記波長板アレイが積層方向には形状が周期的であり、かつ領域毎に決まる繰返し周期をもち共通の一方向に周期的な凹凸形状を有する誘電体多層膜からなり、前記偏光子アレイが、積層方向には各層の形状が周期的であり、かつ各層の形状が領域毎に決まる面内の一方向に繰り返される周期的な凹凸形状を有する誘電体多層膜からなることを特徴とする請求項4または請求項5記載の偏光解析装置。
【請求項7】
前記波長板アレイと前記偏光子アレイの間および前記偏光子アレイと前記受光素子アレイとの間の片方または両方に光吸収性の層をさらに有するか、または前記波長板アレイと前記偏光子アレイおよび前記受光素子アレイの各領域の境界に透明領域または不透明領域をさらに有し、これにより不要な多重反射光を減衰させることを特徴とする請求項1から請求項のいずれかの項記載の偏光解析装置。
【請求項8】
請求項1から請求項のいずれかの項記載の偏光解析装置において、
前記波長板アレイおよび前記偏光子アレイの周辺領域に透明領域を設けるか、もしくは前記波長板アレイと前記偏光子アレイの各領域の境界部分の一部に透明領域を設けることにより、各波長板領域および各偏光子領域を通過した光の強度分布と同時に、入射光の強度分布および前記波長板アレイおよび前記偏光子アレイの透過損失分布を計測し、測定結果を補正する偏光解析装置。
【請求項9】
請求項1から請求項のいずれかの項記載の偏光解析装置において、前記波長板アレイおよび前記偏光子アレイの各領域の境界部分に遮光部分を設けるか、または前記波長板アレイと前記偏光子アレイの各領域の境界部分に対応した受光素子アレイの領域を遮光することによって、前記の境界部分における光の回折や散乱の影響を抑圧することを特徴とする偏光解析装置。
【請求項10】
請求項1からのいずれかの項記載の偏光解析装置を平面内に複数配置することにより、入射光ビームの位置変動による測定エラーを回避することを特徴とする偏光解析装置。
【請求項11】
レーザー光源と、
前記レーザー光源から放出されたレーザー光をサンプル上で集光させるための第1のレンズと、
前記レンズを経て集光したレーザー光が照射されるサンプルが搭載されるサンプル台と、
前記サンプル台に搭載されたサンプルから反射した光を平行ビームとなるように調整するための第2のレンズと、
前記第2のレンズにより平行ビームとされた光が入射する偏光解析装置と、
前記偏光解析装置により解析された情報が入力されるコンピュータと、
を具備し、

前記偏光解析装置は、請求項1~請求項のいずれに記載の偏光解析装置であり、反射光の振幅強度比及び反射光の位相差を出力し、

前記コンピュータは、前記偏光解析装置から出力された反射光の振幅強度比及び反射光の位相差を用いて、サンプルの膜厚と屈折率とを求める、

エリプソメータ。
【請求項12】
前記レーザー光源として、
波長の異なる複数のレーザー光源を用いる、
請求項11に記載のエリプソメータ。
【請求項13】
真空チャンバ内において薄膜を形成するための真空薄膜形成装置であって、
試料に薄膜を形成するための薄膜形成手段と、
前記薄膜形成手段により形成された薄膜の膜厚と屈折率を求めるためのエリプソメータと、
前記エリプソメータからの出力情報をモニタし、前記薄膜形成手段へ前記薄膜の膜厚と屈折率に関する情報のいずれか又は両方をフィードバックすることで、前記薄膜形成手段が形成する薄膜を制御させる製膜管理手段と、

を具備し、
前記エリプソメータは、
請求項11又は請求項12に記載のエリプソメータである、
真空薄膜形成装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、光の偏光解析装置、それを利用して薄膜の光学定数および厚さを測定するエリプソメータ、および薄膜形成装置に用いる膜厚制御装置に関する。
【背景技術】
【0002】
エリプソメトリは古くから知られている薄膜分析の手法であり、薄膜試料からの反射光の偏光解析、すなわち電界が入射面に平行な成分(p偏波)の反射率Rpと垂直な成分(s偏波)の反射率Rsとの比ρを測定することより試料の光学定数あるいは膜厚を知ることができる。ρは一般には複素数であり、ρ=Rp/Rs=tan(Ψ)×exp(jΔ)と表すことができる。つまりエリプソメトリでは、この振幅比Ψと位相差Δを求めることになる。このΨ、Δはエリプソパラメータまたはエリプソメトリ角と呼ばれるものである。反射振幅比ρは膜の光学定数(n)、厚さ(d)によって決まる値であることから、逆にρから光学定数、厚さを求めることが可能となる。
【0003】
ΨとΔを求める基本的な方法として消光法が知られている(非特許文献1)。これは、光源から試料に対して斜めに、かつP偏波とS偏波の強度比がほぼ等しい直線偏波を入射し、その反射光(一般には楕円偏波)を1/4波長板、偏光子の順に通して受光器で受けるものである。1/4波長板、偏光子をそれぞれ独立に回転させて、光強度が最小となる回転角度を読むことで、ΨとΔを求めることができるが、この方法は2変数で最小値を探すため、1箇所の測定を行うだけでも多くの時間を必要とする欠点がある。他方、1/4波長板を使わずに、検光子だけを1回転させて各角度での受光強度を測定する方法(回転検光子法)がある。この方法では、受光強度を検光子角度の関数として得られれば、計算によりΨとΔを求めることができる。しかしこの方法は、位相差についてΔと(2π—Δ)の区別、すなわち右周りの楕円偏波か左周りの楕円偏波かの区別が付かないという不都合がある。これを回避するためには、1/4波長板を挿脱するなどして1点の計測に対して2回の測定を行う必要があり、測定時間が多大であることは先の消光比法とあまり変わりがない。
【0004】
駆動部のないエリプソメータの方式として、光ビームを4つに分岐した後、それぞれのビームを偏光子あるいは波長板と偏光子を通過させ、4つの偏光成分の光強度を計測し、偏波状態を解析する方法が提案されている(特許文献1)。この偏光測定の原理そのものは以前より良く知られているものであり(非特許文献2)、簡便な偏光解析に適している。しかしながら、このような偏光解析装置の光学系は、特許文献1で示されているように多数の個別素子から構成されている。例えば1つのビームスプリッタ、2つの偏光ビームスプリッタ、1つの1/4波長板、4つの偏光子および4つの受光素子で構成されている。これらを精度良くアセンブリすることは非常に難しく、また小型化も難しい。
【0005】
最近、このような方式の偏光解析装置として、フォトニック結晶を使ったものが提案されている(非特許文献3)。これは積層形の2次元周期構造からなるフォトニック結晶を偏光子として用いており、偏光子の光軸を変えたものを1枚の基板上にモノリシックに集積することができ、部品点数を大幅に低減することができる。これにより、小型化ができる、アセンブリを容易にする、位置精度を向上することができる、といった利点がある。しかしながら、このような4つの偏光成分の強度から偏光状態を求める方式では、薄膜の光学定数や厚さを高精度に測定する要求のあるエリプソメータには適していない。
【0006】
したがって、駆動部のない、エリプソメータに適した偏光解析装置はこれまで提案がなされていなかった。

【特許文献1】特開平5-113371号公報
【特許文献2】特開平10-335758号公報
【特許文献3】特開2001-83321号公報
【非特許文献1】応用物理ハンドブック,応用物理学会編(丸善),pp.20-22,1990年.
【非特許文献2】結晶光学,応用物理学会光学懇話会編,(森北出版),pp.139-140,1990年.
【非特許文献3】「フォトニック結晶偏波モニタ」,橋本,佐藤,大寺,電子情報通信学会ソサイエティ大会,C-3-42,2003年9月.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は上記の問題点を解決するためのものであり、可動部がなく、高速かつ精度の高い測定が行える偏光解析装置およびエリプソメータを提供することにある。さらに薄膜形成における膜厚制御装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、フォトニック結晶と呼ばれる多次元周期構造からなる人工光学材料を用いた偏光子アレイおよび波長板アレイを用いる。
【0009】
初めにフォトニック結晶からなる偏光子アレイおよび波長板アレイについて概説する。図1のような周期的な溝列を形成した透明材料基板101上に、透明で高屈折率の媒質102と低屈折率の媒質103とを界面の形状を保存しながら、交互に積層する。各層はx方向に周期性があるが、y方向は一様であってもよいしx軸方向より大きい長さの周期的または非周期的な構造を有していてもよい。
このような周期構造の形成は、特許文献2に記載されている自己クローニング技術と呼ばれる方式で、再現性、均一性が高く、工業的に微細な周期構造(フォトニック結晶)を作製することができる。
【0010】
このようにして得られた周期構造体にxy面に垂直あるいは斜め方向から無偏波光または楕円偏光を入射すると、溝列と平行な偏波即ちy偏波と、それに直交するx偏波とに対して、それぞれTEモードとTMモードの光が周期構造体の内部に励起される。TEモードとTMモードの伝搬定数は、周期構造を構成する材料の屈折率、xy面の周期、積層周期によって広い範囲で選ぶことができる。
【0011】
図2(a)は高屈折率材料102をSi、低屈折率材料103をSiO2とした場合の2次元周期構造の分散曲線の例である。縦軸は波長λの逆数を積層周期Lzで規格化した値、横軸は1周期を伝搬したときの位相変化量kzLzをπで規格化した値である。白丸がTE波、黒丸がTM波を示す。Lxは面内方向の周期を表し、ここではLz/Lx=1としてある。入射する光の周波数が、バンドギャップの中にあれば、そのモードは周期構造体の中で伝搬することができず、入射光は反射または回折される。一方、光の周波数がエネルギーバンド内にあれば、周期構造体の中を光は透過することができる。周波数領域201では、TE波はバンドギャップとなり反射され、TM波は伝搬域であるため透過され、従って偏光分離素子(特許文献3)として動作する。周波数領域202は、TE波が透過し、TM波が反射される偏光子として動作する。また周波数領域203では、TE波とTM波ともに伝搬域となり、透過する。しかし、曲線がずれていることから分かるように伝搬定数が異なり、位相差を与える波長板として動作することになる。曲線のずれ量や積層数を調整することにより、任意の位相差を与えるように設計可能であり、例えば位相差がπ/2となるようにすれば、1/4波長板として動作させることができる。
【0012】
溝の周期や方向は1枚の基板内の領域毎に独立に変えることができ、フォトニック結晶の特性を領域毎に変えることができる。これをマルチパタンフォトニック結晶と呼ぶことができる。例えば、偏光子であれば領域毎に光軸方向を変えることができ、また波長板であれば、光軸方向や位相差を変えることができる。このようにして、本特許で用いる波長板アレイや偏光子アレイを形成することができる。
【0013】
フォトニック結晶を構成する低屈折率媒質としては、SiO2を主成分とする材料が最も一般的であり、透明波長領域が広く、化学的、熱的、機械的にも安定であり、成膜も容易に行なえる。また、低屈折率媒質としてはその他の光学ガラス、例えばMgF2のようなより屈折率の低い材料を用いてもよい。高屈折率材料としては、Si、Geなどの半導体や、Ta2O5、TiO2、Nb2O5、HfO2、Si3N4などの酸化物や窒化物を用いることができる。半導体材料は屈折率が大きいため、大きなバンドキャップが得られるという利点があるが、利用波長域は近赤外に限定される。一方、酸化物や窒化物は透明波長範囲が広く、可視光領域でも使用することが可能となる。
【0014】
次にフォトニック結晶偏光子あるいは波長板の一般的な作製方法を示す。まず、基板上に電子ビームリソグラフィとドライエッチングにより、図1に示すような周期的な溝を基板101上に作製する。その他のフォトリソグラフィや干渉露光、金型によるスタンピング技術を用いても良い。溝の断面形状は矩形であるが、三角形など他の形でも良い。基板としては石英ガラス、その他の光学ガラスなどが使用できる。凹凸のピッチは入射する光の波長の半分程度、例えば0.8μmの光では0.4μm程度、溝の深さは0.2μm程度である。この基板上に、Ta2O5およびSiO2ターゲットを用い、スパッタデポジションとバイアススパッタリングを組み合わせて交互多層膜を積層する。このとき、各層のx軸方向に周期的な凹凸形状が保存されるように、バイアス条件を適切に設定することが肝要である。条件の一例は次の通りであった。Ta2O5層の成膜では、ガス圧2mTorr、ターゲット印加高周波電力300W、SiO2層の成膜では、ガス圧6mTorr、ターゲット印加高周波電力300W、スパッタエッチングはSiO2層成膜後行ない、ガス圧2mTorr、基板印加高周波電力90Wである。
【0015】
請求項1に関わる偏光解析装置は、透過する偏波の方向が異なる複数の領域を有する偏光子アレイと、透過光に与える位相差は一定で、かつ光軸方向が異なる複数の領域を有する波長板アレイとを有し、前記波長板アレイを前面、前記偏光子アレイを後面として重なるように配置され、波長板のある領域と偏光子のある領域を通過した光を個別に受光することのできるような受光素子アレイを2次元的に配置したことを特徴としたものである。ここで、波長板アレイと偏光子アレイおよび受光素子アレイは直接貼り合わせて一体化することも可能であるが、各アレイ間にリレーレンズを配置して、それぞれのアレイ透過後の像を次のアレイへと結像させてもよい。また、全偏波状態にわたって高精度な偏波解析を実現するためには、波長板アレイの各領域の位相差は1/4波長(π/2ラジアン)であり、波長板アレイの光軸方向および偏光子アレイの光軸方向は少なくとも0°から180°の範囲を網羅していることが望ましい。さらに、偏光子アレイおよび波長板アレイの領域の分割数が多いほど測定精度は高くなる。
【0016】
請求項2に関わる偏光解析装置は、透過する偏波の方向が異なる少なくとも2つ以上のストライプ状の領域を有する偏光子アレイと、透過光に与える位相差は一定で、かつ光軸方向が異なる少なくとも2つ以上のストライプ状の領域を有する波長板アレイとを有し、前記波長板アレイを前面、前記偏光子アレイを後面として各々のストライプが交差するように配置され、各交差部分を通過する光を個別に受光することのできるような受光素子アレイを配置したことを特徴とするものである。請求項1の場合と同様に、波長板アレイと偏光子アレイおよび受光素子アレイは直接貼り合わせて一体化することも可能であるが、各アレイ間にリレーレンズを配置して、それぞれのアレイ透過後の像を次のアレイへと結像させてもよい。また、全偏波状態にわたって高精度な偏波解析を実現するためには、波長板アレイの各領域の位相差は1/4波長(π/2ラジアン)であり、波長板アレイの光軸方向および偏光子アレイの光軸方向は少なくとも0°から180°の範囲を網羅していることが望ましい。さらに、偏光子アレイおよび波長板アレイのストライプ状の領域の数は多いほど測定精度が高くなる。
【0017】
請求項3に関わる偏光解析装置は、前記偏光子アレイおよび前記波長板アレイが、積層方向には各層の形状が周期的であり、かつ各層の形状が領域毎に決まる面内の一方向に繰り返される周期的な凹凸形状を有する誘電体多層膜からなることを特徴とする請求項1または2記載の偏光解析装置である。
【0018】
請求項4に関わる偏光解析装置は、透過する偏波の方向が異なる複数の領域を有する偏光子アレイと、光軸方向が一様であり透過光の位相差が異なる複数の領域を有する波長板アレイを有し、前記波長板アレイを前面、前記偏光子アレイを後面としてそれぞれ重なるように配置され、波長板のある領域と偏光子のある領域を通過した光を個別に受光することのできるように光素子アレイを配置したことを特徴とするものである。ここで、波長板アレイと偏光子アレイおよび受光素子アレイは直接貼り合わせて一体化することも可能であるが、各アレイ間にリレーレンズを配置して、それぞれのアレイ透過後の像を次のアレイへと結像させてもよい。また、全偏波状態にわたって高精度な偏波解析を実現するためには、波長板アレイの各領域の位相差は0°から360°の範囲を網羅しており、偏光子アレイの主軸角度は0°から180°の範囲を網羅していることが望ましい。さらに、偏光子アレイおよび波長板アレイの領域の分割数が多いほど測定精度は高くなる。
【0019】
請求項5に関わる偏光解析装置は、透過する偏波の方向が異なる少なくとも2つ以上のストライプ状の領域を有する偏光子アレイと、光軸方向が一様であり透過光の位相差が異なる少なくとも2つ以上のストライプ状の領域を有する波長板アレイを有し、前記波長板アレイを前面、前記偏光子アレイを後面として各々のストライプが交差するように配置され、各交差部分を通過する光を個別に受光することのできるように光素子アレイを配置したことを特徴とするものである。請求項4の場合と同じく、波長板アレイと偏光子アレイおよび受光素子アレイは直接貼り合わせて一体化することも可能であるが、各アレイ間にリレーレンズを配置して、それぞれのアレイ透過後の像を次のアレイへと結像させてもよい。また、全偏波状態にわたって高精度な偏波解析を実現するためには、波長板アレイの各領域の位相差は0°から360°の範囲を網羅しており、偏光子アレイの主軸角度は0°から180°の範囲を網羅していることが望ましい。さらに、偏光子アレイおよび波長板アレイの領域の分割数が多いほど測定精度は高くなる。
【0020】
請求項6に関わる偏光解析装置は、前記偏光子アレイが、積層方向には各層の形状が周期的であり、かつ各層の形状が領域毎に決まる面内の一方向に繰り返される周期的な凹凸形状を有する誘電体多層膜からなり、前記波長板アレイが積層方向には形状が周期的であり、かつ領域毎に決まる繰返し周期をもち、かつ共通の一方向に周期的な凹凸形状を有する誘電体多層膜からなることを特徴とする請求項4または5記載の偏光解析装置である。
【0021】
偏光解析装置のほかの例は、請求項1、2または3記載の偏光解析装置と、請求項4、5または6記載の偏光解析装置とを併せ持ち、計測する光ビームをそれぞれの偏光解析装置に入射することを特徴とする偏光解析装置である。

【0023】
請求項に関わる偏光解析装置は、前記波長板アレイと前記偏光子アレイの間および前記偏光子アレイと前記受光素子アレイとの間の片方または両方に光吸収性の層をさらに有するか、または前記波長板アレイと前記偏光子アレイおよび前記受光素子アレイの各領域の境界に透明領域または不透明領域をさらに有し、これにより不要な多重反射光を減衰させることを特徴とする請求項1から請求項のいずれかの項記載の偏光解析装置である。

【0024】
請求項に関わる偏光解析装置は、請求項1から請求項のいずれかの項記載の偏光解析装置において、前記波長板アレイおよび前記偏光子アレイの周辺領域に透明領域を設けるか、もしくは前記波長板アレイと前記偏光子アレイの各領域の境界部分の一部に透明領域を設けることにより、各波長板領域および各偏光子領域を通過した光の強度分布と同時に、入射光の強度分布および前記波長板アレイおよび前記偏光子アレイの透過損失分布を計測し、測定結果を補正する偏光解析装置である。

【0025】
請求項に関わる偏光解析装置は、請求項1から請求項のいずれかの項記載の偏光解析装置において、前記波長板アレイおよび前記偏光子アレイの各領域の境界部分に遮光部分を設けるか、または前記波長板アレイと前記偏光子アレイの各領域の境界部分に対応した受光素子アレイの領域を遮光することによって、前記の境界部分における光の回折や散乱の影響を抑圧することを特徴とする偏光解析装置である。

【0026】
請求項10は、請求項1からのいずれかの項記載の偏光解析装置を平面内に複数配置することにより、入射光ビームの位置変動による測定エラーを回避することを特徴とする偏光解析装置である。

【0027】
請求項11に関わるエリプソメータは、レーザー光源と、前記レーザー光源から放出されたレーザー光をサンプル上で集光させるための第1のレンズと、前記レンズを経て集光したレーザー光が照射されるサンプルが搭載されるサンプル台と、前記サンプル台に搭載されたサンプルから反射した光を平行ビームとなるように調整するための第2のレンズと、前記第2のレンズにより平行ビームとされた光が入射する偏光解析装置と、前記偏光解析装置により解析された情報が入力されるコンピュータと、を具備し、前記偏光解析装置は、請求項1~請求項のいずれに記載の偏光解析装置であり、反射光の振幅強度比及び反射光の位相差を出力し、前記コンピュータは、前記偏光解析装置から出力された反射光の振幅強度比及び反射光の位相差を用いて、サンプルの膜厚と屈折率とを求める、エリプソメータである。この場合、資料からの反射光以外の光を除去して測定精度を向上させるために、前記の偏光解析装置の前に入射光の波長に対応した光波長フィルタを挿入することも可能である。

【0028】
請求項12に関わるエリプソメータは、前記レーザー光源として、波長の異なる複数のレーザー光源を用いる、請求項11に記載のエリプソメータである。

【0029】
請求項13は、真空チャンバ内において薄膜を形成するための真空薄膜形成装置であって、試料に薄膜を形成するための薄膜形成手段と、前記薄膜形成手段により形成された薄膜の膜厚と屈折率を求めるためのエリプソメータと、前記エリプソメータからの出力情報をモニタし、前記薄膜形成手段へ前記薄膜の膜厚と屈折率に関する情報のいずれか又は両方をフィードバックすることで、前記薄膜形成手段が形成する薄膜を制御させる製膜管理手段と、を具備し、前記エリプソメータは、請求項11又は請求項12に記載のエリプソメータである、真空薄膜形成装置である。
【発明の効果】
【0031】
本発明の構造からなる偏光解析装置およびエリプソメータは、駆動部が無く、高速な測定ができ、エリプソパラメータであるΨとΔを高精度で測定することができる。また構成部品は小型であり、位置調整も簡便であることから低コストで実現することができる。したがって、従来は高価な大型装置を用いてオフラインで測定していたものを、1台の薄膜製造装置に複数個のエリプソメータを設置して、オンラインで測定することも可能になる。薄膜製造の制御あるいは品質管理用に適しており、従来の方法を置き換えることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0032】
ここでは、本発明の請求項1から6を実施するための最良の形態である、自己クローニング型フォトニック結晶からなる偏光子アレイと、同じく自己クローニング型フォトニック結晶からなる波長板アレイ、および受光素子アレイの組み合わせによって構成される偏光解析装置について説明する。この偏光解析装置を使用することにより、小型で信頼性の高いエリプソメータを実現することができ、例えば薄膜プロセス中における膜厚・膜質のモニタリングや成膜制御が可能となる。
【0033】
フォトニック結晶偏光子、およびフォトニック結晶波長板は図1の構成からなり、2次元の溝パターンを形成した基板101上に2つの無機材料102および103を自己クローニング成長させることによって作成される。このような構造では、基板101上に作成する溝の周期、成膜に用いる材料、各層の周期などを制御することにより、光の屈折率やフォトニックバンドギャップ(PBG)の帯域などの諸特性を自在に設計できる。この特徴を利用して、設計パラメータを適当に選ぶことにより、ある特定波長の光に対して、一方の偏波(TM:基板パターンに垂直な偏波)は透過させ、もう一方の偏波(TE:基板パターンに平行な偏波)は遮断するような偏光子(偏光分離素子)を作成することができるだけでなく、2つの偏波間に任意の位相差を与えるような波長板を作成することも可能である。
【0034】
本発明の請求項1から請求項3で表した『波長板角度変化型』の偏光解析装置を実現する構成例を図3に示す。波長板アレイ301、および偏光子アレイ302は自己クローニング型フォトニック結晶を用いて構成されており、図のような複雑な構造をそれぞれ一度のプロセスで製作することができる。フォトニック結晶波長板アレイ301は、溝の方向(波長板の光軸の向き)を少しずつ変化させた領域がM個配列されたものであり、それぞれの領域のリターデーション量(TM光とTE光の位相差)は一定となるように設計されている。同様にフォトニック結晶偏光子アレイ302も溝の方向(遮断される偏波の方向)を少しずつ変化させた領域がN個配列されたものであり、それぞれの領域の偏波消光比は十分に高くなるように設計されている。図ではx軸方向を水平方向、y軸方向を垂直方向とし、波長板と偏光子の軸の角度はx軸を基準として0°から180°まで徐々に変化させたが、基準軸の取り方や角度の範囲は任意である。また、図では結晶軸の異なる領域を、波長板アレイ301についてはx方向(横方向)に、偏光子アレイ302についてはy方向(縦方向)にそれぞれ角度が徐々に変化するように配列したが、波長板と偏光子の配列方向が交差するようにすれば、配列方向や配列順は任意である。このような波長板アレイと偏光子アレイを互いに直行するように貼り合わせ、その後方に受光素子アレイ303を配置し、波長板アレイと偏光子アレイのそれぞれの重ねあわせによって作られるM×N個の領域を透過した光の強度をそれぞれ個別に計測する。受光器アレイとしては、CCDなどの既存の部品を用いることができ、十分に小型のデバイスが実現できる。
【0035】
入射光は上記の偏光解析装置より十分に大きなスポットサイズで入射されるものとする。入射光は波長板アレイによってそれぞれの領域ごとに偏波状態が変換された後、偏光子アレイのそれぞれの領域の軸の方向で定まる特定の偏波成分だけが透過することになる。したがって、受光素子アレイの一つ一つの受光素子は、それぞれ違った角度の波長板、偏光子を透過した光を検出することになり、それぞれの受光素子が検出する光の強度を解析することにより、入射光の偏光状態を2次元的に把握することが可能となる。
【0036】
このような波長板角度変化型の偏光解析装置において、波長板アレイの位相差をπ/2(1/4波長)とし、波長板アレイおよび偏光子アレイの分割数を16とした場合に、256素子の検出器アレイが感じる光の強度分布のシミュレーション結果の例を図4に示す。ここでは1/4波長板アレイの各領域の主軸角度を0゜から180゜まで12゜ずつ変化させて縦軸方向に配列し、偏光子アレイの各領域の主軸角度(透過する偏波の角度)も同じく、0゜から180゜まで12゜ずつ変化させて横軸方向に配列した場合のシミュレーション結果を示した。結果からもわかるように、入射光の偏光状態に応じて検出器で検出される光の強度分布形状が変化することから、得られる強度分布パターンを解析することにより、入射光の偏光状態を判別することができる。これは、従来の回転1/4波長板や回転偏光子を用いた消光型のエリプソメータと比較して、装置の小型化や測定時間の短縮、および測定精度の向上に大きな効果が期待できる。
【0037】
次に、本発明の請求項4から請求項6で表した『波長板位相差変化型』の偏光解析装置を実現する構成例を図5に示す。波長板アレイ501および偏光子アレイ502は、自己クローニング型フォトニック結晶によって形成されており、図のような複雑な構造を容易に実現することができる。偏光子アレイ502は既に述べた図3(請求項1から請求項3)と同じものであり、溝の方向(遮断される偏波の方向)を少しずつ変化させた領域がN個配列されており、それぞれの領域の偏波消光比は十分に高くなるように設計されている。一方、波長板アレイ501については全ての領域で溝の向き(光軸の向き)が同じであり、それぞれの領域のリターデーション量をM通りに変化させたものである。図では、波長板アレイの光軸はx軸(水平方向)に対して45゜となるようにしたが、0゜や90゜など任意の角度に設定してよい。また、波長板角度変化型(図3)の場合と同じように、基準軸の取り方や、アレイの配列方向、配列順、偏光子アレイの主軸の角度範囲および波長板アレイの位相差の範囲は任意である。このような波長板アレイと偏光子アレイを互いに直交するように貼り合わせ、その後方に受光素子アレイ503配置し、波長板アレイと偏光子アレイのそれぞれの重ねあわせによって作られるM×N個の領域を透過した光の強度をそれぞれ個別に計測する。この波長板位相差変化型の偏光解析装置の場合も、上述の波長板角度変化型の場合と同様に、受光素子アレイのそれぞれの受光素子が受光する光の強度を解析することにより、入射光の偏光状態を2次元的に把握することが可能である。
【0038】
位相差変化型の偏波解析装置において、波長板アレイおよび偏光子アレイの分割数をそれぞれ16とし、偏光子アレイの主軸は0°から180°まで12°ずつ変化させ、波長板アレイのリターデーション量は0°から360°まで24°ずつ変化させた場合の、受光素子アレイが感じる光の強度分布の一例を図6に示す。図4の場合と同様に、横軸に偏光子の主軸角度(透過する偏波の向き)、縦軸に波長板のリターデーション量を取り、256素子の受光器が感じる光強度をシミュレーションによって求めた。この場合においても入射光の偏光状態に応じて検出器で検出される光の強度分布が変化することから、得られる強度分布パターンを解析することにより、入射光の偏光状態を判別することができる。これは、従来の位相変調器を用いた回転検光子型のエリプソメータと比較して、装置の小型化や測定時間の短縮、および測定精度の向上に大きな効果が期待できる。
【0039】
次に、これらの波長板角度変化型、および波長板位相差変化型の偏光解析装置を用いた場合の偏光解析の手法について説明する。既に述べたように本発明では、波長板アレイと偏光子アレイを用いて入射光をさまざまな偏光状態成分に分割し、受光素子アレイを用いてそれぞれの偏光成分の強度を測定する。波長板と偏光子を通過した光の偏光状態は図22の式2201ように表すことができ、測定される強度分布パターンの形状は偏光状態に依存することがわかる。従って測定される強度分布パターンを解析することにより、逆に入射光の偏光状態を判定できることになる。このパターン解析手法として、最も単純な方法である、強度分布パターンのピーク(最大値)もしくはボトム(最小値、暗点)を検出する方法について以下に簡単に解説する。この方法は従来の消光法を用いたエリプソメータにおいて、波長板および偏光子の角度を回転させて消光点を求めることに対応する。
【0040】
波長板角度変化型、波長板位相差変化型の場合どちらの偏光解析装置についても、波長板アレイおよび偏光子アレイの角度範囲を適切に選べば、測定される強度分布パターンは必ず2つのピーク(山)と2つのボトム(谷)を持ち、その位置は入射偏波に依存する。したがって、このピーク位置もしくはボトム位置を検出することができれば、偏光状態が特定できることになる。実際には入射光の強度が時間的に変動する場合や、入射光のビームプロファイルがアレイの全範囲にわたって均一でない場合も考えられることから、ピークを検出するよりも強度が最小になる点を検出するほうが容易であるため、以下ではゼロ点検出法の場合について述べるが、最大値検出法についても全く同様の理論が成り立つ。
【0041】
理想的に波長板アレイおよび偏光子アレイの分割数を無限に大きくできれば、測定される強度分布パターンの最小点(暗点)位置を正確に知ることができるが、実際のアレイでは分割数が有限であるため、得られるボトム(最小値)位置にはアレイの分割数に対応した誤差がある。例として、波長板角度変化型の偏波解析装置において、波長板アレイと偏光子アレイの主軸角度を0°から180°まで12°ずつ変化させたとき(16分割)と、1°ずつ変化させたとき(181分割)2通りについて、水平方向の直線偏波が入射した場合の強度分布のシミュレーション結果を図7に示す。図からわかるように、181分割の場合は2つの暗点(白点および矢印で示した)が±1°の精度で求まるが、16分割の場合は分割が荒いため、暗点位置を正確に知ることが難しくなる。暗点位置の分解能を高めるためにはアレイの分割数が多ければ多いほど良いことになるが、実際の製造やコストを考慮すると、できるだけ少ない分割数で実現できたほうが望ましい。
【0042】
より少ない分割数で正確に光強度が最小となる位置を求めるためには、観測されるとびとびの強度分布を補間し、計算によって連続な強度分布を求める方法が有効である。例として、波長板位相差変化型の偏波解析装置において、波長板アレイは主軸角度を水平方向に対して45°とし、位相差を0°から360°まで24°ずつ変化させ(16分割)、偏光子アレイは主軸角度を0°から180°まで12°ずつ変化させた(16分割)場合について考える。この偏光解析装置に右回り円偏波が入射した場合の、観測される強度分布、および得られる結果をスプライン補間した連続的な強度分布のシミュレーション結果を図8に示す。図からも明らかなように、強度分布を補間することによって、アレイの分割数を増やした場合と比較しても遜色なく、連続的な強度分布が得られることがわかる。この補間後のデータを元に、強度が最小となる点(白点で示した)を近似計算により求めることができるため、少ない分割数でも正確な偏波状態を判定することが可能となる。補間によって求める暗点の位置精度はアレイの分割数と相関があるため、装置の要求される精度をもとに、アレイの分割数を決定すればよい。また、先にも少し触れたが、実際の使用を考えた場合、入射ビームは通常ガウス型であるため、光強度をアレイの全平面にわたって均一にすることは難しく、面内に強度分布が存在してしまう。また、偏光解析装置を構成するための波長板アレイや偏光子アレイ等の部品に損失分布が存在することもあり得る。このような光の強度分布や損失分布がある場合についても、暗点検出法では比較的精度良く偏波状態が測定できる点が特徴である。さらに高精度な計測のためには、得られたデータを2次曲線近似などにより補正したり入射光の強度分布や波長板アレイや偏光子アレイの透過損失分布を補正したりする方法を採用することも有効である。

【0043】
以上のように、本発明では受光素子アレイによって検出される光の相対的な強度分布をもとに瞬時に偏光状態が判別できるため、光強度の絶対値についての情報を必要としない。例えば、入射光が微弱である場合や、光の強度変動がある場合においても、問題なく測定が行えることが特徴である。
【実施例】
【0044】
(実施例1)
請求項1から請求項6の偏光解析装置において、波長板アレイと偏光子アレイを一体化させた例を図9に示す。基板904上に溝パターンを形成し、多層膜903を積層させことにより偏光子アレイを作成する。この偏光子アレイ層の最終層902をやや厚く積層させ、同時にスパッタエッチングを強くかけると、自己クローニングによって形成された凹凸が消滅し、平らな表面が出来上がる。表面を平滑化するのに機械的な研磨を用いても特に問題ない。その後、再びリソクラフィーで波長板用のライン&スペースパターンを新たに形成し、自己クローニングにより多層膜501を積層させて波長板アレイを作成する。偏光子アレイと波長板アレイのパターンの位置あわせには、あらかじめ基板の一部に位置決め用のマーカーをつけて置けば良い。このようにして、偏光子アレイと波長板アレイを一体形成することができれば、受光素子アレイ905と組み合わせることにより、より小の偏光解析装置を実現できる。
【0045】
(実施例2)
請求項1から請求項6の偏光解析装置において、波長板アレイと偏光子アレイを一体化させるもう一つの例を図10に示す。この場合、基板1002の表裏にそれぞれ溝パターンを形成し、波長板アレイ層601と偏光子アレイ603層を自己クローニングによって形成することにより一体化を実現している。パターンの位置合わせのためには、基板602に、SiO2などの透明基板を用い、位置合わせ用のマーカーを付けておけばよい。この一体化波長板/偏光子アレイと受光素子アレイ1004と組み合わせることによって、小型の偏光解析装置を実現できる。
【0046】
(実施例3)
図4および図6からも明らかであるが、波長板角度変化型および波長板位相差変化型のいずれの偏光解析装置についても、ある特定の偏波が入射した場合に強度がゼロとなる位置が点とはならずに線となって現れる。例えば、角度変化型(図4)の場合は、右回り、左回りの円偏波の光が入射した場合、位相差変化型(図6)の場合は、波長板の主軸角度と同じ方向、もしくは直交する方向の直線偏波光が入射した場合に、強度分布が線状になる。偏波解析アルゴリズムとして前述の暗点検出法を採用する場合、これらの特異点とその近傍の偏光状態については、ボトム位置(もしくはピーク位置)が一点に定まらなくなるため、偏光状態の判定が難しくなる。
【0047】
そこで、本発明の請求項7の実施例として、波長板角度変化型の偏光解析装置と波長板位相差変化型の偏光解析装置を組み合わせて相補的に用いる方法を図11に示す。主軸角度変化型の1/4波長板アレイ1101とリターデーション量(位相差)変化型の波長板アレイ1102を同一基板上に形成し、偏光子アレイ1103と組み合わせ、光検出器アレイ1104によって光の強度分布を計測する。自己クローニング型フォトニック結晶ではさまざまなパターンを同一プロセスで作り込むことが可能であるため、図のような複雑なパターンについても容易に製作可能である。図ではそれぞれの領域をy軸方向に並べたが、それぞれの領域を配置する位置や順序については任意である。この場合、一方の領域において強度分布が線状になり偏光状態の判別が難しくなった場合においても、もう一方の領域ではゼロ点位置を正確に求めることが可能であるため、すべての偏波状態の判定が問題なく行えることになる。このような複雑な構成についても、フォトニック結晶を用いることにより十分に小型で、しかも簡単なプロセスによって実現できることが本発明の利点である。
【0048】
(実施例4)
本発明の好ましい偏光解析装置は偏光子アレイと波長板アレイおよび受光素子アレイの3つの平面デバイスの組み合わせによって構成されるものであるため、偏光子と波長板および受光素子の間における光の多重反射が問題となる可能性がある。この多重反射の影響を避ける方法として、 本発明の好ましい実施例の一つを図12に示す。図12では、波長板アレイ1201と偏光子アレイ1202および受光素子アレイ1205の断面を示した。この場合、波長板アレイ1201には、溝パターン1203域が一定の間隔ごとに形成されており、波長板として機能する領域は溝パターンの存在する領域だけである。溝のないその他の領域は単なる多層膜となり光に対して透明もしくは不透明となる。同様に偏光子アレイ基板1202についても、偏光子パターン1204が形成されているのは一部分のみであり、その他の領域では光に対して透明もしくは不透明となる。このような2枚の波長板アレイと偏光子アレイを受光素子アレイと組み合わせて、光の入射方向に対して傾けて配置する。図のように、溝パターンのピッチや2つのアレイの間隔および挿入角度を適当に選ぶことにより、偏光子アレイによって反射された光のうち、各面間を多重反射したのち受光素子で検出される成分を大幅に低減することが可能である。

【0049】
(実施例5)
波長板アレイと偏光子アレイおよび受光素子アレイの間での光の多重反射の影響を低減する方法について、もう一つの実施例を図13に示す。これは光の吸収をもつ基板1301および1302を波長板アレイ1303と偏光子アレイ1304の間、あるいは波長板アレイ1304と受光素子アレイ1305の間に配置した構造である。これらの素子を貼り合わせたり、1枚の基板上に成膜して作製するなどの方法により一体化させたりした場合も同様である。このような構成では、光の透過強度そのものが弱くなってしまうが、通常入射光の強度は光検出器の感度と比較して十分に強いと考えられるため、実用上の問題はない。偏光子アレイ1304や受光素子アレイ1305などで反射された光は、吸収層1301および1302内を伝播するうちに吸収され次第に弱くなるため、再び反射されて検出器で検出される成分を十分に小さくすることができる。

【0050】
(実施例6)
本発明の好ましい実施例として、波長板アレイおよび偏光子アレイの各領域の間に透明領域を設け、入射光強度分布や波長板アレイおよび偏光子アレイの損失分布を測定する構成例を図23に示す。波長板アレイ2301の各領域を互いに離して配列し、同様に偏光子アレイ2302の各領域を互いに離して配列する。偏光子アレイもしくは波長板アレイのパターンのない領域は光に対して透明となるように設計しておく。フォトニック結晶を利用する場合、図のような複雑な構造も1度のプロセスで簡単に作成できる。この波長板アレイと偏光子アレイを受光素子アレイ2303と組み合わせた場合、それぞれの受光素子は波長板と偏光子の両方を通過した光成分を測定する領域2304と、波長板のみを通過した光を測定する領域2305と、偏光子のみを通過した光を測定する領域2306と、波長板と偏光子のどちらも通らない光(透明領域を通過する光)を測定する領域2307とに分類することが可能である。領域2307で測定される光強度分布によって入射光の強度分布情報を知ることができる。同様に領域2305で測定される強度分布から波長板アレイの損失分布が、領域2306で測定される強度分布より偏光子アレイの損失分布が評価できる。これらのデータを用いて、測定領域2304で測定される強度分布を補正することが可能であり、精度の高い偏波解析が可能となる。

【0051】
(実施例7)
本発明の好ましい実施例として、波長板アレイおよび偏光子アレイの周辺部に透明領域を設ける例を図24に示す。波長板アレイ基盤2401のうち波長板として機能する部分は中央付近の周期パターンのある領域だけで、その他の周辺領域は透明領域となっている。同様に偏光子アレイ基板2402のうち偏光子として機能するのは中央付近だけで、周辺部分は透明領域となっている。このような複雑なパターンも、フォトニック結晶技術を用いることで簡単に形成できる。偏光子アレイおよび波長板アレイはそれぞれ長方形の形状となっており、2つのアレイを重ねた場合にパターンの端が重ならず、どちらか片方のみを通過する光も受光素子へ到達する。このような場合、受光素子アレイ2403の領域2404が波長板と偏光子の両方を通過した光の強度分布を測定することになる。領域2405では波長板のみを通過した光を、領域2406では偏光子のみを通過した光をそれぞれ受光することになり、領域2407では偏光子と波長板のどちらも通過しなかった光強度を測定する。領域2405での測定結果から波長板アレイの損失分布がわかり、領域2406の測定より偏光子アレイの損失分布がわかる。また、入射光は通常はガウスビームであると考えられるため、領域2407の測定結果から入射光のビームプロファイルも評価することができる。得られた損失分布および入射光の強度分布を用いることにより、測定データの高精度な補正が可能となる。

【0052】
(実施例8)
本発明の偏光解析装置において使用する波長板アレイおよび偏光子アレイの各領域の境界付近では、構造上光の散乱や回折が避けられないため、光の像が乱れる。このようなアレイの境界付近の光を除去し、より明確な強度分布パターンを得るために、 本発明の好ましい実施例を図25に示す。波長板アレイ2501と偏光子アレイ2502の各領域の境界部分には黒線で示した遮光領域2503が配置されており、この部分に入射した光は受光素子に到達することができない。あるいは、受光素子アレイ2504のうち波長板アレイおよび偏光子アレイの境界部分からの光が入射する領域に遮光領域2505を設けることで散乱光および回折光を除去することも可能ある。

【0053】
(実施例9)
本発明の好ましい実施例として、本発明の偏光解析装置を4つ平面内に配置し、入射ビームの位置変動による測定エラーを回避する方法の例を図26に示す。本発明ではフォトニック結晶を利用することにより、十分に小型の偏光解析装置が実現できるため、複数の偏光解析装置を小さな領域に配置することや、複数の偏光解析装置を一体化して1つの装置にまとめることも容易である。偏光解析装置2601から2604を平面内に並べて配置することにより、入射光ビームが変動した場合も4つのうちのいずれかの領域に光が照射されることになる。入射光ビームのビーム径を適切に設計することにより、どの位置にビームが照射されても、本発明の偏光解析装置1台分から得られる強度分布と同等以上の情報を得るようにすることが可能である。例えば図のように、4つの偏光解析装置の中央領域2505に光が入射した場合は、それぞれの領域から1/4ずつの強度分布情報が得られるため、これらの情報を合成して偏光解析を行うことができる。面内に配置する偏光解析装置の数をさらに増やせば、より大きなビーム変動にも対応が可能となる。

【0054】
(実施例10)
本発明の好ましい実施例として、本発明の偏光解析装置とレーザ光源を組み合わせることによって実現されるエリプソメータを図14に示す。図14は本発明を用いたエリプソメータのほんの一例であり、本発明を用いてエリプソメータを実現する構成は他にも何通りも考えられる。この図では波長板アレイと偏光子アレイを組み合わせた受光素子1403とレーザ光源1402が配置された装置の中央に、試料台1406が配置されている。レーザからの出射光の偏光状態は予め既知であるとする。試料台1406上に測定したい薄膜サンプル1401を設置し、レーザ光をサンプル上で集光させると同時に、反射光が平行ビームとなって偏光解析装置の1403に達するように、レンズ対1404を調整する。サンプルからの反射光を、偏光解析装置1403で検出し、CPU1405によって測定される強度分布から反射光の偏光状態を算出する。エリプソメータでは、光の偏光状態をP波とS波の振幅強度比(Ψ)と位相差(Δ)で表すのが一般的である。通常は入射光として45゜の直線偏波光(Ψ=1、Δ=0)を用いられ、このときの反射光のΨ´およびΔ´を測定することになる。測定結果より、サンプルにおけるP波、S波のフレネル反射率(Rp、Rs)、つまりは薄膜の膜厚と屈折率を求めることができる。

【0055】
(実施例11)
本発明の好ましい実施例として、本発明の偏光解析装置を用いて実現できる簡易型の分光エリプソメータを図15に示した。この場合も実施例6のエリプソメータの場合と同様に、試料台1504上に試料基板1501をセットし、それぞれ波長の違うレーザ光源群1502からの光を照射し、それぞれの波長に対応した受光ヘッド群1503を用いてそれぞれの波長の反射光を検出する。それぞれの受光ヘッドによって検出された偏光状態をCPU1505で解析するわけであるが、複数の波長を用いることにより試料の膜厚、膜質がより正確に評価できる。
【0056】
このような分光エリプソメータを従来技術で実現した場合、精度の高い回転機構や駆動部分が複数セット必要となり、装置が大型になるだけでなく、測定時間も長くなってしまう欠点あった。これに対して本発明では、フォトニック結晶を利用することにより、小型の偏光解析装置が実現できるため、複数の光学系を一つの装置内に収めることが容易になるだけでなく、駆動部分がないため信頼性の高いデバイスが実現できる。さらに、受光素子アレイで得られた結果から瞬時に偏光状態が判別できるため、測定時間も非常に短くできる。
【0057】
(実施例12)
本発明の好ましい実施例として、蒸着やスパッタなどの薄膜形成プロセス中における膜厚/膜質モニタの例を図16に示す。真空チャンバ1606内に基板1601がセットされており、制御回路1605をコントロールすることによって物質源1607が基板上に成膜されるようなプロセス装置を考える。この成膜装置のチャンパ内にレーザ光源1602、および本発明の偏波解析装置の受光ヘッド1603を図のように設置し、レーザ光を基板に向けて照射し、基板からの反射光を受光部ヘッドで検出する。図では小型のレーザ光源をチャンバ内に設置したが、光源をチャンバの外部に配置し、偏波保持型の光ファイバなどを用いて光をチャンバ内へ導くことも可能である。受光ヘッドからの信号はCPU1604で解析され、光の強度分布から成膜中の薄膜の膜厚と屈折率がリアルタイムにモニタできる。さらに、モニタした膜厚や膜質の情報を装置へフィードバックし、成膜条件をコントロールすることにより、厳密な成膜管理を行うことも可能となる。

【0058】
このような薄膜形成プロセス中におけるリアルタイムの膜厚/膜質モニタは、高精度な膜厚、膜質管理に極めて有用であり、従来にはない技術である。従来のエリプソメータは大型の装置であり、プロセス装置の中でリアルタイムに膜厚/膜質のモニタリングをすることはほぼ不可能であった。また、例えば水晶振動子のような膜厚モニタも存在したが、屈折率を含めた膜質のモニタリングは不可能であった。本発明により、エリプソメータの超小型化や高信頼性を実現することができるため、真空プロセスの膜厚/膜質モニタとして装置内部へ導入することも容易となる。また、先にも述べたように、本発明では光強度の絶対値の情報は必要とせず、相対的な強度分布のみで膜厚/膜質の判別ができる。したがって、成膜物質の窓への付着等による光の強度変動に影響されることなくモニタリングが可能である。
【0059】
通常の真空プロセス装置では、均一な膜を形成するために基板ホルダを自転または公転(もしくは両方)させながら成膜を行うのが一般的である。このような常に移動している基板の膜厚や膜質をモニタすることは、従来は非常に難しいと考えられてきた。この場合においても、本発明を利用することにより十分に高速な膜厚/膜質測定が実現できるため、例えば基板ホルダの回転周期と測定のサンプリング周期を一致させるなどの方法によりリアルタイムに膜厚/膜質のモニタリングが可能となる。サンプリング周期を工夫すれば、一度に複数の基板に成膜する場合においても、基板毎の膜厚/膜質のモニタリングも可能となるであろう。また、基板ホルダにガタツキがあり光の入射位置に変動があるような場合においても、入射光のビーム径を広げたり、実施例6で示したような強度分布補正手法や、実施例9で示したビーム位置変動に対する対応策を採用したりすることによって計測エラーを避けることができる。

【0060】
(実施例13)
本発明の好ましい実施例として、プロセス装置内部に複数のエリプソメータを導入した構成を図17に示す。この例では、プロセス装置外部のレーザ光源1702から、光ファイバ1708を用いてレーザ光を真空チャンバ1706内へ導いている。光ファイバは複数に分岐しており、ファイバ端から出射された光はそれぞれ基板1701上の異なる位置で反射され、本発明の偏光解析装置群1703でそれぞれ検出される。こうような構成により、成膜中の膜厚/膜質だけでなく、基板上の場所の違いによる膜厚/膜質の分布もリアルタイムにモニタリングできる。CPU1704で算出された分布情報を装置の成膜制御装置1705へフィードバックし、膜の組成や成膜レートの分布を制御できれば、より均一な膜を形成することが可能となる。
【0061】
本発明によって実現できるプロセス中における膜の均一化方法について簡単に説明する。図18はサイドスパッタ装置に複数の膜厚制御装置を取り付けた例である。ターゲット1801が縦に配置してあり、回転式ドラム1802の周囲に基板が取り付けてある。通常、膜厚および膜質は基板の回転方向には均一であるが、縦方向には不均一となり周囲になるにしたがって膜厚は小さくなる。そこで、縦方向の均一領域を広げるために補正板1803をターゲットの周囲に配置してプラズマ密度をコントロールする方法が提案されている。従来は膜の均一性を高めるために、成膜後の膜厚分布をオフラインで測定し、遮蔽板の形状および取り付け位置を調整して条件出しを繰り返すという煩雑な方法を採用せざるを得なかったために、分布を1~2%あるいはそれ以下まで均一化することは非常に難しかった。これに対して 本発明のエリプソメータ1804を用いる場合、リアルタイムの測定結果からCPU1805の計算で得られた膜厚/膜質の分布情報を、成膜制御装置1806にフィードバックしてターゲットに印加する電力および遮蔽板の開度を制御することにより、オンラインで膜厚分布を一定にするように調整することが可能となる。
【0062】
スパッタ装置における膜の均一化についてもう一つの例を図19に示す。ターゲット1901の周囲にガス導入口1902が複数配置されており、それぞれにガスの流量を制御するマスフローコントローラ1903が設置されているようなスパッタ装置を考える。このようなスパッタ装置では、ターゲットの周囲に供給するガスの流量をコントロールすることにより、プラズマ密度を部分的に制御することができる。一般に成膜される膜質および成膜レートはプラズマ密度と相関があることから、各位置でのプラズマ密度をコントロールすることにより、それぞれの位置における膜厚/膜質を制御することが可能となる。本発明のエリプソメータ1904を利用し、CPU1905により得られた膜圧/膜質の情報をリアルタイムに制御回路1906へフィードバックし、装置内のプラズマ密度をオンラインで制御することが出来れば、均一で均質な成膜が可能になる。
【0063】
スパッタ装置を用いた成膜制御の方法について第3の例を図20に示す。マグネトロンスパッタ装置のカソード2001の内部に、永久磁石2002と電磁石2003の両方が配置されている。このような装置では電磁石に流す電流を制御することにより、全体のプラズマ密度を制御することができる。本発明のエリプソメータ2004およびCPU2005を利用してモニタした分布情報を制御回路2005へフィードバックし電磁石の制御を行うことでプラズマ密度のリアルタイム制御が可能となるため、オンラインでの膜厚/膜質の制御が可能になる。
【0064】
最後に真空蒸着装置における、膜の均一化手法についての一例を図21に示す。チャンバ内に蒸着源2102が複数配置できる多源蒸着装置を考える。このような装置では、各蒸着源に加える電力配分をコントロールすることにより、膜圧および膜質の分布を制御できる。本発明のエリプソメータ2103を利用して、基板2101の各位置における膜圧/膜質をリアルタイムにモニタし、CPU2104によって算出された分布情報を成膜制御装置2105へフィードバックする。測定によって得られた分布情報を元に、各々の蒸着源に加える電力量をコントロールすることが出来れば、均一で均質な膜の作成が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0065】
【図1】フォトニック結晶からなる偏光子あるいは波長板の概念図
【図2】図1に示すフォトニック結晶の伝搬特性を表わすバンド図
【図3】フォトニック結晶を用いて構成される「角度変化型」偏光解析装置
【図4】図3の偏光解析装置を用いた場合に観測される光の強度分布の例
【図5】フォトニック結晶を用いて構成される「位相差変化型」偏光解析装置
【図6】図5の偏光解析装置を用いた場合に観測される光の強度分布の例
【図7】波長板/偏光子の分割数による強度分布パターンの違いの例
【図8】測定される強度分布パターンと補間後の強度分布の関係の例
【図9】波長板アレイと偏光子アレイを一体化する方法を示す概念図
【図10】波長板アレイと偏光子アレイを一体化する第2の方法を示す概念図
【図11】図3と図5の偏光解析装置を一体化させた偏光解析装置を表す概念図
【図12】偏光解析装置において、光の多重反射を抑圧する方法を示す概念図
【図13】偏光解析装置において、光の多重反射を抑圧する第2の方法を示す概念図
【図14】本発明を利用したエリプソメータの構成を表す概念図
【図15】本発明を利用した分光エリプソメータの構成を表す概念図
【図16】薄膜プロセス中のオンライン膜厚/膜質モニタの概念図
【図17】薄膜プロセス中のオンライン膜厚/膜質および分布モニタの概念図
【図18】スパッタ装置における膜厚/膜質および分布の制御方法の例-その1
【図19】スパッタ装置における膜厚/膜質および分布の制御方法の例-その2
【図20】スパッタ装置における膜厚/膜質および分布の制御方法の例-その3
【図21】真空蒸着装置における膜厚/膜質および分布の制御方法の例
【図22】本発明の偏光解析装置で得られる強度分布パターンの概念図および理論式
【図23】入射光強度分布や損失分布を補正するための偏光解析装置の構成例—その1
【図24】入射光強度分布や損失分布を補正するための偏光解析装置の構成例—その2
【図25】遮光領域によって散乱/回折光の影響を回避する偏光解析装置の構成例
【図26】入射光の位置変動の影響を回避するための偏光解析装置の構成例
【符号の説明】
【0066】
101 パターン付き基板
102 高屈折率材料層
103 低屈折率材料層
201 TE波を反射し、TM波を透過させる偏光子の動作をする周波数領域
202 TE波を透過し、TM波を反射させる偏光子の動作をする周波数領域
203 TE波もTM波を透過させる波長板として動作する周波数領域
301 自己クローニング型フォトニック結晶を用いた波長板アレイ
302 自己クローニング型フォトニック結晶を用いた偏光子アレイ
303 受光素子アレイ
501 自己クローニング型フォトニック結晶を用いた波長板アレイ
502 自己クローニング型フォトニック結晶を用いた偏光子アレイ
503 受光素子アレイ
901 波長板アレイ層
902 偏光子アレイの最終層
903 偏光子アレイ層
904 基板
905 受光素子アレイ
1001 波長板アレイ層
1002 基板
1003 偏光子アレイ層
1004 受光素子アレイ
1101 「角度変化型」の波長板アレイ領域
1102 「位相差変化型」の波長板アレイ領域
1103 偏光子アレイ
1104 受光素子アレイ
1201 波長板アレイ基板
1202 偏光子アレイ基板
1203 波長板を形成するための溝パターンが存在する領域
1204 偏光子を形成するための溝パターンが存在する領域
1205 受光素子アレイ基板
1206 各受光素子
1301 損失を持つ材料
1302 損失を持つ材料
1303 波長板アレイ
1304 偏光子アレイ
1305 受光素子アレイ
1401 表面に薄膜が形成された基板サンプル
1402 レーザ光源
1403 本発明の偏光解析装置
1404 光軸調整用レンズ
1405 データ解析用PC
1406 試料台
1501 表面に薄膜が形成された基板サンプル
1502 各波長のレーザ光源
1503 本発明の偏光解析装置
1504 試料台
1505 データ解析用PC
1601 薄膜を形成する基板
1602 レーザ光源
1603 本発明の偏光解析装置
1604 データ解析用CPU
1605 成膜制御装置
1606 真空チャンバ
1607 蒸着源・スパッタターゲットなどの薄膜材料
1701 薄膜を形成する基板
1702 レーザ光源
1703 本発明の偏光解析装置
1704 データ解析用CPU
1705 成膜制御装置
1706 真空チャンバ
1707 薄膜材料
1708 光ファイバ
1801 スパッタターゲット
1802 基板
1803 成膜速度調整用の補正板
1804 本発明の偏光解析装置
1805 データ解析用CPU
1806 成膜制御装置
1901 スパッタターゲット
1902 ガス導入口
1903 ガス流量制御装置
1904 本発明の偏光解析装置
1905 データ解析用CPU
1906 成膜制御装置
2001 スパッタのカソード
2002 永久磁石
2003 電磁石
2004 本発明の偏光解析装置
2005 データ解析用CPU
2006 成膜制御装置
2101 薄膜を形成する基板
2102 蒸着源
2103 本発明の偏光解析装置
2104 データ解析用CPU
2105 成膜制御装置
2201 本発明の偏光解析装置で観測される光強度分布を示す式
2301 隙間を空けて配列した波長板アレイ
2302 隙間を空けて配列した偏光子アレイ
2303 受光素子アレイ
2304 波長板と偏光子の両方を通過した光の強度を測定する受光素子領域
2305 波長板のみを通過した光の強度を測定する受光素子領域
2306 偏光子のみを通過した光の強度を測定する受光素子領域
2307 透明領域を通過した光の強度を測定する受光素子領域
2401 波長板アレイ基板
2402 偏光子アレイ基板
2403 受光素子アレイ
2404 波長板と偏光子の両方を通過した光の強度を測定する受光素子領域
2405 波長板のみを通過した光の強度を測定する受光素子領域
2406 偏光子のみを通過した光の強度を測定する受光素子領域
2407 透明領域を通過した光強度を測定する受光素子領域
2501 波長板アレイ
2502 偏光子アレイ
2503 波長板アレイおよび偏光子アレイに設ける遮光領域
2504 受光素子アレイ
2505 受光素子アレイに設ける遮光領域
2601 偏光解析装置1
2602 偏光解析装置2
2603 偏光解析装置3
2604 偏光解析装置4
2605 入射ビームの照射される領
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14
【図16】
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【図17】
16
【図18】
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【図19】
18
【図20】
19
【図21】
20
【図22】
21
【図23】
22
【図24】
23
【図25】
24
【図26】
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