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明細書 :小動物用心拍・呼吸数検出機能付き体温保持装置及びそれを用いた小動物用心拍・呼吸数測定システム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4015115号 (P4015115)
登録日 平成19年9月21日(2007.9.21)
発行日 平成19年11月28日(2007.11.28)
発明の名称または考案の名称 小動物用心拍・呼吸数検出機能付き体温保持装置及びそれを用いた小動物用心拍・呼吸数測定システム
国際特許分類 A01K  67/00        (2006.01)
A01K   1/015       (2006.01)
A61D   1/00        (2006.01)
FI A01K 67/00 D
A01K 1/015 A
A61D 1/00 Z
請求項の数または発明の数 11
全頁数 10
出願番号 特願2003-567168 (P2003-567168)
出願日 平成15年2月4日(2003.2.4)
国際出願番号 PCT/JP2003/001109
国際公開番号 WO2003/067967
国際公開日 平成15年8月21日(2003.8.21)
優先権出願番号 2002036620
優先日 平成14年2月14日(2002.2.14)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成16年8月19日(2004.8.19)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】佐藤 紳一
【氏名】山田 勝也
【氏名】稲垣 暢也
個別代理人の代理人 【識別番号】100089635、【弁理士】、【氏名又は名称】清水 守
審査官 【審査官】坂田 誠
参考文献・文献 特開平11-18602(JP,A)
特開昭59-122949(JP,A)
特開平10-108578(JP,A)
特開2002-51662(JP,A)
特開2002-250532(JP,A)
調査した分野 A01K 67/00
A01K 1/015
A01K 13/00
A01K 29/00
A61B 5/02
A61B 5/08
A61D 1/00
特許請求の範囲 【請求項1】
(a)平板状発熱装置と、
(b)該平板状発熱装置上に配置される薄い絶縁性シート間に挟まれた感圧センサーと、
(c)前記薄い絶縁性シート間に配置されるスペーサーと、
(d)該スペーサー上に搭載される温度センサーとを具備することを特徴とする小動物用心拍・呼吸数検出機能付き体温保持装置。
【請求項2】
請求項1記載の小動物用心拍・呼吸数検出機能付き体温保持装置において、前記スペーサーは、前記感圧センサーを配置する穴を有する金属板であることを特徴とする小動物用心拍・呼吸数検出機能付き体温保持装置。
【請求項3】
(a)平板状発熱装置と、
(b)該平板状発熱装置上に配置される薄い絶縁性シート間に挟まれた感圧センサーと、
(c)前記薄い絶縁性シート間に配置されるスペーサーと、
(d)該スペーサー上に搭載される温度センサーと、
(e)前記感圧センサー上に小動物の胸部を載置し、小動物の体温を維持するとともに前記感圧センサーからの情報を取得し、呼吸数と心拍数を得る制御装置と、
(f)前記小動物の呼吸数と心拍数を監視する監視装置とを具備する小動物用心拍・呼吸数測定システム。
【請求項4】
請求項3記載の小動物用心拍・呼吸数測定システムにおいて、前記スペーサーは、前記感圧センサーを配置する穴を有する金属板であることを特徴とする小動物用心拍・呼吸数測定システム。
【請求項5】
請求項4記載の小動物用心拍・呼吸数測定システムにおいて、前記感圧センサーからの情報を処理し、小動物の呼吸数を計測するための低域のバンドパスフィルターと、小動物の心拍数を計測するための高域のバンドパスフィルターとを有することを特徴とする小動物用心拍・呼吸数測定システム。
【請求項6】
請求項4記載の小動物用心拍・呼吸数測定システムにおいて、前記フィルター通過後の心拍および呼吸のアナログ信号波形を出力する端子を設置し、該端子からの出力に基づいてデジタル信号に変換し、心拍および呼吸数を計測することを特徴とする小動物用心拍・呼吸数測定システム。
【請求項7】
請求項4記載の小動物用心拍・呼吸数測定システムにおいて、前記フィルター通過後の心拍および呼吸のアナログ信号波形を出力する端子を設置し、該端子からの出力に基づいて心拍および呼吸を観測する観測装置を具備することを特徴とする小動物用心拍・呼吸数測定システム。
【請求項8】
請求項6記載の小動物用心拍・呼吸数測定システムにおいて、デジタル化された心拍出力パルスの数がノイズによるものを除き、1個で1心拍か2個で1心拍かのパターンを判断し計算するプログラムを格納した記憶媒体を具備するマイクロプロセッサを搭載することを特徴とする小動物用心拍・呼吸数測定システム。
【請求項9】
請求項6記載の小動物用心拍・呼吸数測定システムにおいて、前記感圧センサー出力を高域通過フィルターを通して増幅した信号と、該信号を入力とする積分回路出力とを、差動増幅器の2入力とし、該差動増幅器の出力をアナログ信号出力波形とした高域のバンドパスフィルター回路を構成したことを特徴とする小動物用心拍・呼吸数測定システム。
【請求項10】
請求項記載の小動物用心拍・呼吸数測定システムにおいて、前記高域のバンドパスフィルター回路の出力端子に、数ミリ秒程度の保持時間を持つ正の信号のピークホールド回路と負の信号のピークホールド回路とを差動増幅器の2入力に接続した回路を接続することにより、心拍数計測のためのデジタル信号を生成する回路を具備することを特徴とする小動物用心拍・呼吸数測定システム。
【請求項11】
請求項10記載の小動物用心拍・呼吸数測定システムにおいて、前記ピークホールド回路は、ダイオードと抵抗を直列接続した整流回路の抵抗にコンデンサを並列接続してなることを特徴とする小動物用心拍・呼吸数測定システム。
発明の詳細な説明
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、小動物用心拍・呼吸数検出機能付き体温保持装置及びそれを用いた小動物用心拍・呼吸数測定システムに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
本願発明者は既にマウスを主対象とした「小動物用体温保持装置」(特開2002-51662)において、麻酔により体温が低下したマウスを正常な生理状態に保つための保温装置を提案しているが、この装置では、小動物の呼吸数と心拍数は計測の対象外となっていた。
【0003】
ところが生理学実験において、麻酔をかけた動物の体温を維持するとともに、その動物の呼吸数と心拍数を監視することは、動物の生理的状態を把握する上で必要不可欠である。
【0004】
なお、人間が使用するカーペットにおいて、人間の体温や呼吸を計測して、その人間を快適な状態にする従来技術は見受けられるが、人間と比べてはるかに小さい小動物の生理的状態を計測するためには小動物特有の工夫が必要であり、簡便で確実な小動物用生理実験研究装置はこれまでに提供されていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記したように、これまで、マウスなどのごく小型の小動物に適した心電図用電極や呼吸モニター装置はほとんど市販されていない。現状では研究者らの手作りによる心電図用電極等を実験において使用しているが、最適なものではないために動物に痛みを与えたり、また、その設置の取扱が極めて困難である場合も少なくない。そのため、小動物の呼吸数と心拍数が監視できるまでの準備時間も長くなるという問題もあった。
【0006】
本発明は、上記状況に鑑み、動物に痛みを与えることなく、簡便、かつ容易にセット可能な小動物用心拍・呼吸数検出機能付き体温保持装置及びそれを用いた小動物用心拍・呼吸数測定システムを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記目的を達成するために、
〔1〕小動物用心拍・呼吸数検出機能付き体温保持装置において、平板状発熱装置と、この平板状発熱装置上に配置される薄い絶縁性シート間に挟まれた感圧センサーと、前記薄い絶縁性シート間に配置されるスペーサーと、そのスペーサー上に搭載される温度センサーとを具備することを特徴とする
【0008】
〔2〕上記〔1〕記載の小動物用心拍・呼吸数検出機能付き体温保持装置において、前記スペーサーは、前記感圧センサーを配置する穴を有する金属板であることを特徴とする。
【0009】
〔3〕小動物用心拍・呼吸数測定システムにおいて、平板状発熱装置と、この平板状発熱装置上に配置される薄い絶縁性シート間に挟まれた感圧センサーと、前記薄い絶縁性シート間に配置されるスペーサーと、そのスペーサー上に搭載される温度センサーと、前記感圧センサー上に小動物の胸部を載置し、小動物の体温を維持するとともに前記感圧センサーからの情報を取得し、呼吸数と心拍数を得る制御装置と、前記小動物の呼吸数と心拍数を監視する監視装置とを具備することを特徴とする
【0010】
〔4〕上記〔3〕記載の小動物用心拍・呼吸数測定システムにおいて、前記スペーサーは、前記感圧センサーを配置する穴を有する金属板であることを特徴とする。
【0011】
〔5〕上記〔4〕記載の小動物用心拍・呼吸数測定システムにおいて、前記感圧センサーからの情報を処理し、小動物の呼吸数を計測するための低域のバンドパスフィルターと、小動物の心拍数を計測するための高域のバンドパスフィルターとを有することを特徴とする。
【0012】
〔6〕上記〔4〕記載の小動物用心拍・呼吸数測定システムにおいて、前記フィルター通過後の心拍および呼吸のアナログ信号波形を出力する端子を設置し、この端子からの出力に基づいてデジタル信号に変換し、心拍および呼吸数を計測することを特徴とする。
【0013】
〔7〕上記〔4〕記載の小動物用心拍・呼吸数測定システムにおいて、前記フィルター通過後の心拍および呼吸のアナログ信号波形を出力する端子を設置し、この端子からの出力に基づいて心拍および呼吸を観測する観測装置を具備することを特徴とする。
【0014】
〔8〕上記〔6〕記載の小動物用心拍・呼吸数測定システムにおいて、デジタル化された心拍出力パルスの数がノイズによるものを除き1個で1心拍か2個で1心拍かのパターンを判断し計算するプログラムを格納した記憶媒体を具備するマイクロプロセッサを搭載することを特徴とする。
【0015】
〔9〕上記〔6〕記載の小動物用心拍・呼吸数測定システムにおいて、前記感圧センサー出力を高域通過フィルターを通して増幅した信号と、その信号を入力とする積分回路出力とを、差動増幅器の2入力とし、その差動増幅器の出力をアナログ信号出力波形とした高域のバンドパスフィルター回路を構成したことを特徴とする。
【0016】
〔10〕上記〔〕記載の小動物用心拍・呼吸数測定システムにおいて、前記高域のバンドパスフィルター回路の出力端子に、数ミリ秒程度の保持時間を持つ正の信号のピークホールド回路と負の信号のピークホールド回路とを差動増幅器の2入力に接続した回路を接続することにより、心拍数計測のためのデジタル信号を生成する回路を具備することを特徴とする。
【0017】
〔11〕上記〔10〕記載の小動物用心拍・呼吸数測定システムにおいて、前記ピークホールド回路は、ダイオードと抵抗を直列接続した整流回路の抵抗にコンデンサを並列接続してなることを特徴とする。
【0018】
このように、本発明は、小動物を体温保持用ヒーター上に置くとき小動物の胸部(心臓直下)が覆う部分のヒーター表面に、薄い平板型の感圧センサーを配置して、その感圧センサーに接する小動物の呼吸と心拍による振動(圧力変化)を検出し、呼吸数と心拍数を監視することができる。
【0019】
すなわち、体温保持ヒーター表面に呼吸数と心拍数を検出する装置を、組込み一体型とし、小動物の体温を維持するとともに呼吸数と心拍数を監視することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0021】
第1図は本発明の実施例を示す小動物用心拍・呼吸数検出機能付き体温保持装置の構成図であり、第1図(a)はその小動物用心拍・呼吸数検出機能付き体温保持装置の分解斜視図、第1図(b)はその小動物用心拍・呼吸数検出機能付き体温保持装置の斜視図である。第2図はその小動物用心拍・呼吸数検出機能付き体温保持装置上にマウスを置いた状態を示す図、第3図はその小動物用心拍・呼吸数検出機能付き体温保持装置を用いた小動物の心拍・呼吸数測定システムの構成図である。
【0022】
これらの図において、1は平板状発熱装置、2はヒーター電流供給線、3は薄い絶縁性シート、4は薄い板状の感圧センサー、5は感圧センサー4の信号線、6はスペーサー、6Aはスペーサー6に形成される、感圧センサー4を配置するための穴、7はマウス、8は温度センサー、9はその温度センサー8の信号線、10は制御装置、11は入力インタフェース、12は低域のバンドパスフィルター部(LBPF部)、13は高域のバンドパスフィルター部(HBPF部)、14は処理部、15はプログラムを格納する記憶装置(メモリ:記憶媒体)、16,17は出力インタフェース、18は電源、19は観測装置、20は小動物の心拍・呼吸数監視装置である。
【0023】
そこで、第1図(a)に示すように、ヒーター電流供給線2が接続される平板状発熱装置1の上に薄い絶縁性シート3,3などでサンドイッチ状に挟まれた薄い板状の感圧センサー4(圧電素子等)を配置する。
【0024】
スペーサー6には、感圧センサー4を配置するための穴6Aが形成される。また、スペーサー6は温度分布の均等化と小動物による荷重の分散化を図るために金属板とすることが望ましい。
【0025】
ここで、感圧センサー4の信号線5および温度センサー8の信号線9は制御装置10に接続されている。また、ヒーター電流供給線2は電源18に接続され、その電源18は制御装置10によって制御可能である。
【0026】
そこで、感圧センサー4の出力は、小動物(例えば、第2図におけるマウス 7)の呼吸数と心拍数が重畳された電気信号であるため、これらを低域のバンドパスフィルター部(LBPF部)12にかけることにより、小動物の呼吸に対応した波形とし、一方、高域のバンドパスフィルター部(HBPF部)13にかけることにより、小動物の心拍に対応した波形とする。つまり、感圧センサー4の出力である呼吸数と心拍数が重畳された電気信号を、分離・整形して表示するための処理を行う。そして、それぞれ整形された信号を外部の観測装置(例えば、オシロスコープ)19で観測する。さらに、周波数を計測してLED表示として小動物の呼吸数と心拍数を監視装置20にて監視することができる。なお、小動物の体温は温度センサー8によって出力され、制御装置10によって制御可能である。
【0027】
以下、本発明の心拍信号の検出手段について詳細に説明する。
【0028】
第4図は本発明の実施例を示す小動物用心拍・呼吸数検出機能付き体温保持装置において、心拍信号を検出するための回路例を示す図、第5図はその小動物用心拍・呼吸数検出機能付き体温保持装置において、ピークホールド回路を具体的に実現する簡易な回路例を示す心拍信号整形回路の回路図である。
【0029】
これらの図において、101は高域のバンドパスフィルター回路(HBPF)であり、HPF(高域フィルター)111、増幅器112、積分回路113、差動増幅器114からなる。なお、115は差動増幅器114の出力信号線である。
【0030】
また、120は心拍信号整形回路、121は正の信号のピークホールド回路であり、この正の信号のピークホールド回路121は、ダイオード(順方向接続)122と、このダイオード122の出力側と接地との間に並列される抵抗123とコンデンサ124からなる。125は負の信号のピークホールド回路であり、この負の信号のピークホールド回路125は、ダイオード126(逆方向接続)と、このダイオード126の出力側と接地との間に並列される抵抗127とコンデンサ128からなる。131は正の信号のピークホールド回路121の出力信号と負の信号のピークホールド回路125の出力信号とを入力する差動増幅器、132は差動増幅器131に接続されるコンパレータ、133はそのコンパレータ132の出力信号線であり、デジタル化された心拍信号が出力される。
【0031】
第6図は本発明の実施例を示す小動物用心拍・呼吸数検出機能付き体温保持装置におけるマウスの心拍信号出力を示す図、第7図は第6図の時間軸を拡大した小動物用心拍・呼吸数検出機能付き体温保持装置におけるマウスの心拍信号出力を示す図であり、第6図及び第7図は性能の低い高域フィルターを使用した場合のマウスの心拍信号出力を示し、ノイズおよび呼吸の信号成分の分離が不十分である。
【0032】
第8図は本発明の実施例を示す低域バンドパスフィルター出力(マウスの呼吸)を示す図であり、この図において、周期約350ミリ秒の大きな信号が観察されるが、これはマウスの呼吸による信号を示すものであり、心拍による信号成分は完全に分離されている。
【0033】
第9図は本発明の実施例を示す高域バンドパスフィルター出力(マウスの心拍)を示す図であり、この図において、周期約100ミリ秒の大きな振幅の信号が観察されるが、これはマウスの心臓の拍動による信号を示すものであり、基線付近の細かい振幅の小さいノイズとは目視によっても明確に区別することができる。また、第7図に示したものとは明確な差がある。この信号が心拍による信号であることは心電図(ECG)との対応を見ることによって確認している。このように第4図に示す本発明の高域バンドパスフィルター回路によりSN比の大きいマウスの心拍のアナログ信号出力を得ることができる。
【0034】
第10図は、本発明の実施例を示す高域バンドパスフィルター出力(マウスの心拍)のうち、心拍出力パルス2個につき1心拍である例を示した図であり、この図において、周期約100ミリ秒の間に2つの大きな振幅の信号が観察されるが、マウスの心臓の拍動は感圧センサーでは、小動物の生理的状態や個体差によって、1心拍あたり1回または2回の大きな振動を検出する。その振動はそれぞれ心拍出力パルス1個あるいは2個に変換されるが、この図では、心拍出力パルス2個につき1心拍である例を示した。
【0035】
これらの第6図~第7図においては、横軸は時間(ms)、縦軸は電圧(m V)を、第8図~第10図においては、横軸は時間(ms)、縦軸は電圧(V)をそれぞれ示している。
【0036】
上述したように、本発明では感圧センサー4の出力を低域のバンドパスフィルター部(LBPF部)12と高域のバンドパスフィルター部(HBPF部)13にかけることにより、呼吸数と心拍数が重畳された電気信号を、分離・整形して表示するための処理を行うが、心拍信号の整形において性能の低い高域フィルターを使用すると、第6図や第7図のようなSN比の小さい波形となるので、性能の高い高域のバンドパスフィルター部を使用しなければならない。本発明においては、第4図に示した高域のバンドパスフィルター部(HBPF部)101のような、安価に製作可能な独自に開発した回路構成の高域のバンドパスのフィルターを使用した結果、第8図のようなSN比の大きい心拍信号のアナログ出力波形を得ることができた。積分回路113は最も簡単な抵抗とコンデンサの直列回路でもよい。そして、それぞれ整形された信号を外部のオシロスコープ等の観測装置19で観測する。さらに、処理部14内の心拍信号整形回路120において、数ミリ秒程度の保持時間を持つ正の信号のピークホールド回路121および負の信号のピークホールド回路125を差動増幅器131の2入力に接続した回路により、心拍信号の数ミリ秒程度の限られた時間内に正負に大きく振動する成分のみを抽出することができる。この回路を加えることにより、ノイズレベルが高い場合でもさらに容易に心拍信号を検出することが可能となる。また、これらのピークホールド回路121,125は、第5図に示した回路のように、ダイオード122,126と抵抗とを直列接続した整流回路の抵抗123,127にコンデンサ124,128を並列接続した簡単な回路でも代用が可能である。これらの回路でデジタル化され出力される心拍出力パルスを、さらに処理部14内のマイクロプロセッサによって、その心拍出力パルスの数のうちノイズによるものを除き、第9図に示すような、1個で1心拍であるか、第10図に示すような、2個で1心拍かのパターンを判断することができる。その計算した結果をLED表示として小動物の呼吸数と心拍数を監視装置20にて監視することができる。
【0037】
なお、本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の趣旨に基づいて種々の変形が可能であり、これらを本発明の範囲から排除するものではない。
【0038】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、小動物用心拍・呼吸数検出機能付き体温保持装置の上に小動物を置くだけで、小動物の体温維持のみならずノイズや小動物の心拍信号のパターン変化に左右されずに呼吸数や心拍数を監視することができる。これは、従来必要であった心電図用電極の装着と配線、そして装置の調整の手間と時間を皆無にすることができる画期的な装置である。呼吸数の測定装置についても同様であり、外部装置の削減が可能となるため、実験室スペースを低減することができ、その分、余裕拡大につながる。すなわち、本発明の装置を導入すれば、実験準備の手間と時間が大幅に短縮され、実験スペースが確保されるという利点がある。さらに、高価な呼吸モニターや心電計を別途購入する必要もなくなるので経済的にも効果が大きい。
【0039】
更に、高度な利用方法として、小動物の心臓の拍動および肺の動きの大きさ(強さ)やパターンを観測することができる出力インターフェースを備えることにより、心電図、血圧による従来の方法では知ることのできなかった心臓の生理的状態を示す情報を分析することや心臓や肺の動きの状態を分析することが可能となる。したがって、本発明により医学・療養の研究分野に新たな発展をもたらすことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例を示す小動物用心拍・呼吸数検出機能付き体温保持装置の構成図である。
【図2】本発明の実施例を示す小動物用心拍・呼吸数検出機能付き体温保持装置上にマウスを置いた状態を示す図である。
【図3】本発明の実施例を示す小動物用心拍・呼吸数検出機能付き体温保持装置を用いた小動物の心拍・呼吸数測定システムの構成図である。
【図4】本発明の実施例を示す小動物用心拍・呼吸数検出機能付き体温保持装置において、心拍信号を検出するための回路例を示す図である。
【図5】本発明の実施例を示す小動物用心拍・呼吸数検出機能付き体温保持装置において、ピークホールド回路を具体的に実現する簡易な回路例を示す心拍信号整形回路の回路図である。
【図6】本発明の実施例を示す小動物用心拍・呼吸数検出機能付き体温保持装置における感圧センサーによるマウスの拍動の出力を示す図であり、性能の低い高域フィルターを使用した場合のマウスの心拍信号出力を示す図である。
【図7】第6図の時間軸を拡大した小動物用心拍・呼吸数検出機能付き体温保持装置における感圧センサーによるマウスの拍動の出力を示す図であり、性能の低い高域フィルターを使用した場合のマウスの心拍信号出力を示す図である。
【図8】本発明の実施例を示す低域バンドパスフィルター出力(マウスの呼吸)を示す図である。
【図9】本発明の実施例を示す高域バンドパスフィルター出力(マウスの心拍)を示す図(その1)である。
【図10】本発明の実施例を示す高域バンドパスフィルター出力(マウスの心拍)を示す図(その2)である。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9