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明細書 :新規なホスホン酸アミド化合物、その製造方法及び用途

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4151842号 (P4151842)
登録日 平成20年7月11日(2008.7.11)
発行日 平成20年9月17日(2008.9.17)
発明の名称または考案の名称 新規なホスホン酸アミド化合物、その製造方法及び用途
国際特許分類 C09K   3/00        (2006.01)
C07F   9/6584      (2006.01)
C07F   9/44        (2006.01)
FI C09K 3/00 108E
C07F 9/6584
C07F 9/44
請求項の数または発明の数 7
全頁数 25
出願番号 特願2003-573006 (P2003-573006)
出願日 平成15年3月3日(2003.3.3)
国際出願番号 PCT/JP2003/002422
国際公開番号 WO2003/074538
国際公開日 平成15年9月12日(2003.9.12)
優先権出願番号 2002057419
優先日 平成14年3月4日(2002.3.4)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成16年8月31日(2004.8.31)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
【識別番号】301021533
【氏名又は名称】独立行政法人産業技術総合研究所
発明者または考案者 【氏名】牧岡 良和
【氏名】林 輝幸
【氏名】田中 正人
【氏名】韓 立彪
個別代理人の代理人 【識別番号】100102668、【弁理士】、【氏名又は名称】佐伯 憲生
審査官 【審査官】本堂 裕司
参考文献・文献 Zhurnal Neorganicheskoi Khimii,1972年,17(3),771-775
Org. Reagenty Anal. Khim., Tezisy Dokl. Vses. Konf., 4th,1976年,Volume 2,15-16
Ukrainskii Khimicheskii Zhurnal (Russian Edition),1996年,62(11-12),111-115
調査した分野 C09K 3/00
C07F 9/44
C07F 9/6584
CA(STN)
REGISTRY(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
一般式[1]
【化1】
JP0004151842B2_000011t.gif
(式中、Rは置換基を有していても良いアルキル基、同シクロアルキル基、同アルケニル基、同シクロアルケニル基、同アルキニル基、同アリール基、同アラルキル基又は同複素環式基を示し、Rは水素原子、置換基を有していても良いアルキル基、同シクロアルキル基、同アルケニル基、同シクロアルケニル基、同アリール基、同アラルキル基又は同複素環式基を示す。Rは水素原子、置換基を有していても良いアルキル基、同シクロアルキル基、同アルケニル基、同シクロアルケニル基、同アリール基、同アラルキル基又は同複素環式基を示す。また、式中の2つのRが一緒になってアルキレン基、シクロアルキレン基又はアリーレン基を形成していても良い。)で表されるホスホン酸アミド化合物を含んでなる、希土類金属イオンの抽出剤。
【請求項2】
一般式[1]
【化2】
JP0004151842B2_000012t.gif
(式中、Rは置換基を有していても良いアルキル基、同シクロアルキル基、同アルケニル基、同シクロアルケニル基、同アルキニル基、同アリール基、同アラルキル基又は同複素環式基を示し、Rは水素原子、置換基を有していても良いアルキル基、同シクロアルキル基、同アルケニル基、同シクロアルケニル基、同アリール基、同アラルキル基又は同複素環式基を示す。Rは水素原子、置換基を有していても良いアルキル基、同シクロアルキル基、同アルケニル基、同シクロアルケニル基、同アリール基、同アラルキル基又は同複素環式基を示す。また、式中の2つのRが一緒になってアルキレン基、シクロアルキレン基又はアリーレン基を形成していても良い。)で表されるホスホン酸アミド化合物を抽出剤として用いることを特徴とする、希土類金属イオンを含む水溶液からの希土類金属イオンの抽出方法。
【請求項3】
有機溶媒を用いて抽出する請求項2に記載の抽出方法。
【請求項4】
有機溶媒が、水と完全には混和しない有機溶媒である請求項3に記載の抽出方法。
【請求項5】
希土類金属イオンを含む水溶液と、一般式[1]に記載のホスホン酸アミド化合物及び水と完全には混和しない有機溶媒とを混合、接触させて、該金属イオンを有機溶媒層に移行させる、請求項2に記載の抽出方法。
【請求項6】
請求項5に記載の抽出方法により希土類金属イオンを抽出してなる有機溶媒層を、水と混合、接触させて該金属イオンを水層に移行させることを特徴とする、希土類金属イオンの逆抽出方法。
【請求項7】
混合、接触させる水が弱酸性ないし酸性の水である請求項6の逆抽出方法。
発明の詳細な説明 【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、希土類金属イオンの抽出剤等として有用な新規なホスホン酸アミド化合物とその製造方法、並びに該化合物を用いた、希土類金属イオンを含む水溶液からの希土類金属イオンの抽出方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
希土類元素(スカンジウム、イットリウム及び15種類のランタノイド元素の総称)は、磁石、ハードディスクの研磨剤、水素二次電池、排ガス処理触媒、MRI造影剤等の重要な材料の構成元素として大量に利用されている。これらの元素は鉱石であるモナザイトやバストネサイト、ゼノタイムから分離精製される他、前記の材料からも分離回収されている。
【0003】
従来の希土類元素の分離方法としては、(1)イオン交換法、(2)沈澱法、及び、(3)溶媒抽出法が知られている。このうち、(3)の溶媒抽出法は、大量の希土類元素を連続して分離することが可能であることから、これらの中では最も効果的な分離方法であると言える。
【0004】
前記の溶媒抽出法においては、希土類元素を含む水溶液を抽出剤又は抽出剤を含む水溶液と接触させ、該元素を水層から有機層へ移動させることにより希土類元素の分離を行うことができる。該抽出剤としては、「レアメタル事典」(堂山昌男監修、株式会社フジ・テクノシステム社発行、1991年)251頁に記述されているジアルキルホスホン酸やカルボン酸等の酸性化合物、及び「希土類元素の化学」(N.E.Topp著、塩川二朗、足立吟也訳、化学同人発行、1974年)21頁に記述されているリン酸エステル等の中性化合物が一般に広く知られており、また、利用されている。
【0005】
しかしながら、前記の酸性化合物は、希土類元素を含む水溶液と接触することにより水溶液中に水素イオンを放出し、該水溶液の性質、特に該水溶液中の水素イオンの濃度を大きく変化させる。このことが、前記の、希土類元素を水層から有機層へ移動させる効率を大きく低下させる原因ともなっていた。
【0006】
一方、これまでに知られている前記の中性化合物は、希土類元素の水層から有機層への移動効率が本来的に低いという問題を有していた。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、希土類金属イオンを簡単な操作で効率良く抽出することができる希土類金属イオンの抽出方法と、そのためのより効果的な抽出剤を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、前記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、特定構造を有するホスホン酸アミド化合物が希土類金属イオンの抽出剤として極めて有効に利用し得ることを見出し、本発明に至った。
【0009】
即ち、本発明は、一般式[1]
【化3】
JP0004151842B2_000002t.gif(式中、Rは置換基を有していても良いアルキル基、同シクロアルキル基、同アルケニル基、同シクロアルケニル基、同アルキニル基、同アリール基、同アラルキル基又は同複素環式基を示し、Rは水素原子、置換基を有していても良いアルキル基、同シクロアルキル基、同アルケニル基、同シクロアルケニル基、同アリール基、同アラルキル基又は同複素環式基を示す。Rは水素原子、置換基を有していても良いアルキル基、同シクロアルキル基、同アルケニル基、同シクロアルケニル基、同アリール基、同アラルキル基又は同複素環式基を示す。また、式中の2つのRが一緒になってアルキレン基、シクロアルキレン基又はアリーレン基を形成していても良い。)で表されるホスホン酸アミド化合物に関する。
【0010】
また、本発明は、アミン化合物又はアンモニウム塩化合物とホスホリル化合物とを塩基性化合物の存在下にリン-窒素結合形成反応させることを特徴とする、上記ホスホン酸アミド化合物の製造方法に関する。
【0011】
更に、本発明は、リン酸アミド化合物と有機金属化合物とをリン-炭素結合形成反応させることを特徴とする、上記ホスホン酸アミド化合物の製造方法に関する。
【0012】
更にまた、本発明は、ホスホン酸アミド化合物と脱離基を有する有機化合物とを窒素-炭素結合形成反応させることを特徴とする、上記ホスホン酸アミド化合物の製造方法に関する。
【0013】
また、本発明は、上記ホスホン酸アミド化合物を含んでなる、希土類金属イオンの抽出剤に関する。
【0014】
更に、本発明は、上記ホスホン酸アミド化合物を抽出剤として用いることを特徴とする、希土類金属イオンを含む水溶液からの希土類イオンの抽出方法に関する。
【0015】
更にまた、本発明は、希土類金属イオンを抽出してなる有機溶媒層を、水と混合、接触させて該金属イオンを水層に移行させることを特徴とする、希土類金属イオンの逆抽出方法に関する。
【0016】
【発明の実施の形態】
前記一般式[1]において、Rが置換基を有していても良いアルキル基の場合のアルキル基としては、例えば、炭素数1~40、好ましくは1~30、より好ましくは1~18の直鎖状又は分岐状のアルキル基が挙げられ、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-、iso-、sec-、又はtert-ブチル基、n-、iso-、sec-、tert-、又はneo-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-オクチル基、2-オクチル基、2-エチルヘキシル基、n-ノニル基、n-デシル基、n-ドデシル基、セチル基等が挙げられる。
【0017】
また、Rが置換基を有していても良いシクロアルキル基の場合のシクロアルキル基としては、例えば、炭素数5~30、好ましくは5~20、より好ましくは5~10の単環又は複合環式のシクロアルキル基が挙げられ、具体的には、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロオクチル基等が挙げられる。
【0018】
が置換基を有していても良いアルケニル基の場合のアルケニル基としては、例えば、前記した炭素数2以上のアルキル基に1個以上の二重結合を有するものが挙げられ、具体的には、例えば、ビニル基、アリル基、1-プロペニル基、イソプロペニル基、2-ブテニル基、1,3-ブタジエニル基、2-ペンテニル基、2-ヘキセニル基等が挙げられる。
【0019】
が置換基を有していても良いシクロアルケニル基の場合のシクロアルケニル基としては、例えば、前記したシクロアルキル基に1個以上の二重結合等の不飽和結合を有するものが挙げられ、具体的には、例えば、シクロペンテニル基、シクロヘキセニル基等が挙げられる。
【0020】
が置換基を有していても良いアルキニル基の場合のアルキニル基としては、例えば、前記した炭素数2以上のアルキル基に1個以上の三重結合等の不飽和結合を有するものが挙げられ、具体的には、例えば、エチニル基、1-プロピニル基、2-プロピニル基等が挙げられる。
【0021】
が置換基を有していても良いアリール基の場合のアリール基としては、例えば、炭素数6~42、好ましくは6~26、より好ましくは6~22の単環、多環又は縮合環式のアリール基が挙げられ、具体的には、例えば、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基等が挙げられる。
【0022】
が置換基を有していても良いアラルキル基の場合のアラルキル基としては、例えば、炭素数7~30、好ましくは7~20、より好ましくは7~15の単環、多環又は縮合環式のアラルキル基が挙げられ、具体的には、例えば、ベンジル基、フェネチル基、ナフチルメチル基、ナフチルエチル基等が挙げられる。
【0023】
が置換基を有していても良い複素環式基の場合の複素環式基としては、例えば、環中に少なくとも1個以上の窒素原子、酸素原子又は硫黄原子を有し、1個の環の大きさが5~20員、好ましくは5~10員、より好ましくは5~7員であって、前記したシクロアルキル基、シクロアルケニル基又はアリール基を縮合していても良い飽和又は不飽和の単環、多環又は縮合環式の複素環式基が挙げられ、具体的には、例えば、ピリジル基、チエニル基、フェニルチエニル基、チアゾリル基、フリル基、ピペリジル基、ピペラジル基、ピロリル基、モルホリノ基、イミダゾリル基、インドリル基、キノリル基、ピリミジニル基等が挙げられる。
【0024】
これらアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基及び複素環式基の置換基としては、本発明化合物の製造方法において支障を来さない物であって、且つ、一般式[1]で示されるホスホン酸アミド化合物を希土類金属イオンの抽出剤として使用した場合に悪影響を及ぼさないような置換基であればどのような置換基でも良いが、例えば、前記したアルキル基からなるアルコキシ基(例えばメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert-ブトキシ基、2-エチルヘキシロキシ基、オクチロキシ基等)、アルキルチオ基(例えばメチルチオ基、エチルチオ基等)、ジアルキルアミノ基(例えばジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基等)、トリ置換シリル基(例えばトリメチルシリル基、トリエチルシリル基、tert-ブチルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基等)、トリ置換シロキシ基(例えばトリメチルシロキシ基、トリエチルシロキシ基、tert-ブチルジメチルシロキシ基、トリフェニルシロキシ基等)、例えば塩素、臭素、フッ素、ヨウ素等のハロゲン原子、例えばメチレンジオキシ基、ジメチルメチレンジオキシ基等のアルキレンジオキシ基、シアノ基等が挙げられる。
【0025】
また、一般式[1]中のRにおいて前記したアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基及び複素環式基が、相互に置換することができる場合には、これらの基が相互に置換したものであっても良い。そのようなものとしては、例えば、アルキル置換シクロアルキル基、アルキル置換アリール基、アルキル置換シクロアルケニル基、アルキル置換アラルキル基、シクロアルキル置換アルキル基、シクロアルキル置換アルケニル基、シクロアルキル置換アルキニル基、アルケニル置換アリール基、アリール置換アルケニル基、アリール置換アルキニル基等が挙げられる。
【0026】
一般式[1]において、Rが置換基を有していても良いアルキル基の場合のアルキル基、置換基を有していても良いシクロアルキル基の場合のシクロアルキル基、置換基を有していても良いアルケニル基の場合のアルケニル基、置換基を有していても良いシクロアルケニル基の場合のシクロアルケニル基、置換基を有していても良いアリール基の場合のアリール基、置換基を有していても良いアラルキル基の場合のアラルキル基及び置換基を有していても良い複素環式基の場合の複素環式基の定義及び具体例、並びにこれらの置換基の定義及び具体例は、Rについてそれぞれ前記したそれらと全く同じである。
【0027】
また、一般式[1]において、Rが置換基を有していても良いアルキル基の場合のアルキル基、置換基を有していても良いシクロアルキル基の場合のシクロアルキル基、置換基を有していても良いアルケニル基の場合のアルケニル基、置換基を有していても良いシクロアルケニル基の場合のシクロアルケニル基、置換基を有していても良いアリール基の場合のアリール基、置換基を有していても良いアラルキル基の場合のアラルキル基及び置換基を有していても良い複素環式基の場合の複素環式基の定義及び具体例、並びにこれらの置換基の定義及び具体例も、Rについてそれぞれ前記したそれらと全く同じである。
【0028】
また、式中の2つのRが一緒になってアルキレン基、シクロアルキレン基、又は、アリーレン基を形成している場合のアルキレン基、シクロアルキレン基、アリーレン基としては、それぞれ、前述したアルキル基、シクロアルキル基、アリール基から水素原子を1つ除いた2価の基が挙げられるが、アルキレン基としては、例えば、炭素数が1~20、好ましくは1~10、より好ましくは1~6の直鎖状又は分岐状のアルキレン基が挙げられ、より具体的には、例えば、メチレン基、エチレン基、トリメチレン基、メチルエチレン基、テトラメチレン基、1,2-ジメチルエチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基等が挙げられる。
【0029】
シクロアルキレン基としては、例えば、炭素数3~30、好ましくは3~20、より好ましくは3~10の単環、多環又は縮合環式のシクロアルキレン基が挙げられ、より具体的には、シクロプロピレン基、シクロペンチレン基、シクロヘキシレン基、シクロオクチレン基等が挙げられる。
【0030】
アリーレン基としては、炭素数6~30、好ましくは6~20、より好ましくは6~14の単環、多環又は縮合環式の2価の芳香族炭化水素基が挙げられ、より具体的には、例えば、フェニレン基、トリレン基、キシリレン基、ナフチレン基、メチルナフチレン基、ビフェニレン基等が挙げられる。
【0031】
一般式[1]で表される本発明のホスホン酸アミド化合物は、アミン化合物又はアンモニウム塩化合物とホスホリル化合物とを塩基性化合物の存在下にリン-窒素結合形成反応させることによって製造することができる。
【0032】
上記製造法において用いられるホスホリル化合物としては、例えば、下記一般式[2]
【化4】
JP0004151842B2_000003t.gif(式中、Rは前記と同じ。Xは脱離基を示す。)で表される化合物が挙げられる。
【0033】
また、上記製造法において用いられるアミン化合物としては、例えば下記一般式[3]
NH [3]
(式中、Rは前記と同じ。Rは水素原子、置換基を有していても良いアルキル基、同シクロアルキル基、同アルケニル基、同シクロアルケニル基、同アリール基、同アラルキル基又は同複素環式基を示す。)で表される化合物や、例えば下記一般式[4]
NH-R-NHR [4]
(式中、Rは前記と同じ。Rはアルキレン基、シクロアルキレン基又はアリーレン基を示す。)で表される化合物等が挙げられる。
【0034】
更に、上記製造法において用いられるアンモニウム塩化合物としては、例えば下記一般式[5]
NH [5]
(式中、R及びRは前記と同じ。Xは陰イオン基を示す)で表される化合物や、例えば下記一般式[6]
NH-R-NH [6]
(式中、R、R及びXは前記と同じ。)で表される化合物等が挙げられる。
【0035】
上記一般式[2]において、Xで示される脱離基としては、本発明の製造法により新たなリン-窒素結合を形成するために容易に脱離し得る基であれば特に制限はないが、例えば塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子や、例えばメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert-ブトキシ基等のアルコキシ基、例えばフェノキシ基、ナフトキシ基等のアリーロキシ基、例えばメチルチオ基、エチルチオ基等のアルキルチオ基、例えばフェニルチオ基、トリルチオ基、ナフチルチオ基等のアリールチオ基等が例示される。
【0036】
上記一般式[3]及び[5]において、Rで示される置換基を有していても良いアルキル基その他の1価の基、及び前記一般式[4]及び[6]において、Rで示されるアルキレン基その他の2価の基は、前記一般式[1]においてRで示される1価の基及び2価の基にそれぞれ対応する。
【0037】
上記一般式[5]及び[6]において、Xで示される陰イオン基としては、例えば、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン等のハロゲン化物イオンの他、次亜塩素酸イオン、過塩素酸イオン、トリフルオロメタンスルホン酸イオン、ペンタフルオロベンゼンスルホン酸イオン、テトラフルオロホウ酸イオン、ヘキサフルオロリン酸イオン、p-トルエンスルホン酸イオン、ベンゼンスルホン酸イオン、メタンスルホン酸イオン、水酸化物イオン、トリフルオロ酢酸イオン、ペンタフルオロ安息香酸イオン、酢酸イオン、安息香酸イオン、酒石酸イオン等の各種陰イオン基が例示される。
【0038】
一般式[2]で表される化合物と一般式[3]で表される化合物又は一般式[2]で表される化合物と一般式[5]で表される化合物の反応において、用いられる一般式[3]又は一般式[5]で示される化合物の当量数に制限はないが、一般式[2]で表される化合物に対して通常は1.5~20当量、好ましくは2~10当量である。
【0039】
一般式[2]で表される化合物と一般式[4]で表される化合物又は一般式[2]で表される化合物と一般式[6]で表される化合物の反応において、用いられる一般式[4]又は一般式[6]で表される化合物の当量数に制限はないが、一般式[2]で表される化合物に対して通常は0.5~10当量、好ましくは1~5当量である。
【0040】
一般式[2]で表される化合物と一般式[3]~[6]の何れかで表される化合物との反応は、何れも種々の温度で実施できるが、通常-100~180℃、好ましくは-70~150℃である。
【0041】
一般式[2]で表される化合物と一般式[3]~[6]の何れかで表される化合物との反応においては、何れの場合も、溶媒を用いることが好ましい。
【0042】
溶媒としては種々の炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、非プロトン性高極性溶媒を用いることができるが、その具体例としては、例えば、ヘキサン、デカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ベンゾニトリル、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ジメチルスルホキシド等が例示される。用いられる溶媒の量に制限はないが、一般式[2]で表される化合物1mmolに対して通常は0.1~100mL、好ましくは1~20mLである。また、用いる塩基が前記の反応温度において液体である場合には、このものを溶媒として用いることも出来る。
【0043】
一般式[2]で表される化合物と一般式[3]~[6]の何れかで表される化合物との反応においては、何れも塩基を用いることにより好ましい反応速度が達成される。
【0044】
塩基としては種々の無機又は有機塩基を用いることができるが、その具体例としては、例えば、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、酢酸リチウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化バリウム、リン酸三リチウム、リン酸三ナトリウム、リン酸三カリウム、フッ化セシウム、炭酸セシウム、酸化アルミニウム、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トルブチルアミン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N-メチルピペリジン、2,2,6,6-テトラメチル-N-メチルピペリジン、ピリジン、4-ジメチルアミノピリジン、N-メチルモルホリン、ナトリウムエトキシド、カリウムtert-ブトキシド等が例示される。
【0045】
用いられる塩基の量は、一般式[2]で表される化合物に対して0.01~100当量、好ましくは0.1~20当量の割合で用いられる。また、これらの塩基はそれぞれ単独で用いても、複数の塩基を必要に応じて適宜組合わせて用いても何れでも良い。更に、前記一般式[3]又は[4]で表される化合物を塩基として好適に用いることも出来る。
【0046】
一般式[1]で表される本発明のホスホン酸アミド化合物は、リン酸アミド化合物と有機金属化合物との炭素-リン結合形成反応によっても製造することが出来る。
【0047】
上記製造法において用いられるリン酸アミド化合物としては、例えば、下記一般式[7]
【化5】
JP0004151842B2_000004t.gif(式中、R及びRは前記と同じ。Xは脱離基を示す。)で表される化合物が挙げられる。
【0048】
また、上記製造法において用いられる有機金属化合物としては、例えば、下記一般式[8]
-M [8]
(式中のRは前記と同じ。Mはメタロ基を示す。)で表される化合物が挙げられる。
【0049】
上記一般式[7]において、Xで示される脱離基としては、本発明の製造法により新たな炭素-リン結合を形成するために容易に脱離し得る基であれば特に制限はないが、例えば塩素、臭素、ヨウ素等のハロゲン原子や例えばメトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、tert-ブトキシ基等のアルコキシ基、例えばフェノキシ基、ナフトキシ基等のアリーロキシ基、例えばメチルチオ基、エチルチオ基等のアルキルチオ基、例えばフェニルチオ基、トリルチオ基、ナフチルチオ基等のアリールチオ基等が例示される。
【0050】
上記一般式[8]において、Mで示されるメタロ基としては、周期律表の1族又は2族の金属又はその誘導体が挙げられ、その具体例としては、例えば、リチオ基、クロロマグネシオ基、ブロモマグネシオ基、ヨードマグネシオ基等が例示される。
【0051】
一般式[7]で表される化合物と一般式[8]で表される化合物の反応において、用いられる一般式[8]で表される化合物の当量数に制限はないが、一般式[7]で表される化合物に対して、通常は0.5~10当量、好ましくは1~5当量である。
【0052】
一般式[7]で表される化合物と一般式[8]で表される化合物の反応は、種々の温度で実施できるが、通常-100~180℃、好ましくは-70~150℃である。
【0053】
一般式[7]で表される化合物と一般式[8]で表される化合物の反応においては、溶媒を用いることが好ましい。
【0054】
溶媒としては種々の炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、非プロトン性高極性溶媒を用いることができるが、その具体例としては、例えばヘキサン、デカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ヘキサメチルリン酸トリアミド等が例示される。使用する溶媒の量に制限はないが、一般式[5]で表される化合物1mmolに対して通常は0.1~100mL、好ましくは1~20mLである。
【0055】
一般式[1]で表される本発明のホスホン酸アミド化合物は、酸性ホスホン酸アミド化合物と脱離基を有する有機化合物との炭素-窒素結合形成反応によっても製造することが出来る。
【0056】
なお、本発明でいう酸性ホスホン酸アミド化合物とは、N原子上に1以上の水素原子を有するホスホン酸アミド化合物のことである。
【0057】
上記製造法において用いられる酸性ホスホン酸アミド化合物としては、例えば、下記一般式[9]
【化6】
JP0004151842B2_000005t.gif(式中、R及びRは前記と同じ。)で表される化合物が挙げられる。
【0058】
また、上記製造法において用いられる脱離基を有する有機化合物としては、例えば、下記一般式[10]
-X[10]
(式中、Xは脱離基を示す。Rは前記と同じ。)で表される化合物が挙げられる。
【0059】
前記一般式[10]において、Xで示される脱離基としては、本発明の製造法により新たな炭素-窒素結合を形成するために容易に脱離し得る基であれば特に制限はないが、例えば塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等のハロゲン原子の他、アセトキシフェニルヨードニオ基やフェニルトリフルオロメタンスルホキシヨードニオ基等のヨードニオ基、メタンスルホニル基やトリフルオロメタンスルホニル基等のスルホニル基等の各種脱離基が例示される。
【0060】
一般式[9]で表される化合物と一般式[10]で表される化合物の反応は、塩基を用いることにより好ましい反応速度が達成される。
【0061】
塩基としては前記一般式[2]で表される化合物と前記一般式[3]~[6]の何れかで表される化合物との反応で前記した塩基の他、水素化ナトリウムや水素化リチウムアルミニウム等の水素化金属化合物、リチウムジイソプロピルアミドやリチウムアミド、ナトリウムアミド等の金属アミド化合物、及び前記一般式[8](式中のR及びMは前記と同じ。)で表される有機金属化合物等が例示される。用いられる塩基の量は、一般式[9]で表される化合物に対して0.01~100当量、好ましくは0.1~20当量の割合で用いられる。また、これらの塩基はそれぞれ単独で用いても、複数の塩基を必要に応じて適宜組合わせて用いても何れでも良い。
【0062】
一般式[9]で表される化合物と一般式[10]で表される化合物の反応において、用いられる一般式[10]で表される化合物の当量数に制限はないが、一般式[9]で表される化合物に対して、通常は1.5~10当量、好ましくは2~5当量である。
【0063】
一般式[9]で表される化合物と一般式[10]で表される化合物の反応は、種々の温度で実施できるが、通常-100~180℃、好ましくは-70~150℃である。
【0064】
一般式[9]で表される化合物と一般式[10]で表される化合物の反応においては、溶媒を用いることが好ましい。
【0065】
溶媒としては種々の炭化水素系溶媒、エーテル系溶媒、非プロトン性高極性溶媒を用いることができるが、その具体例としては、例えばヘキサン、デカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ヘキサメチルリン酸トリアミド、アセトニトリル等が例示される。使用する溶媒の量に制限はないが、一般式[9]で表される化合物1mmolに対して通常は0.1~100mL、好ましくは1~20mLである。
【0066】
生成したホスホン酸アミド化合物は、何れの場合も、蒸留、カラムクロマトグラフィー、再結晶等の常法により精製することが出来る。
【0067】
本発明のホスホン酸アミド化合物は、希土類金属の抽出剤として使用することが出来る。
【0068】
本発明のホスホン酸アミド化合物を抽出剤として使用する希土類金属の抽出方法は、希土類金属イオンを含む水溶液と前記一般式[1]で表されるホスホン酸アミド化合物と有機溶媒を適当な温度で、撹拌、震盪等の手段を用いて混合、接触させた後、有機層(抽出剤層)と水層とに層分離することにより行われる。
【0069】
抽出に用いられる有機溶媒としては、本発明のホスホン酸アミド化合物を溶解することが出来、且つ水と完全には混和しないものが好ましく、例えば、ハロゲン化炭化水素類、炭化水素類、エーテル類、アルコール類、ニトロ化合物、リン酸エステル類等が挙げられ、具体的には、クロロホルム、四塩化炭素、メチルイソブチルケトン、ニトロベンゼン、オクタノール、ヘキサン、オクタン、デカン、ドデカン、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、リン酸トリブチル等が例示される。
【0070】
これらの有機溶媒は、それぞれ単独で用いても、複数の有機溶媒を必要に応じて適宜組合わせて用いても何れでも良い。更に、一般式[1]で表されるホスホン酸アミド化合物が液体であり、且つ水とは完全に混和しないものである場合には、該ホスホン酸アミド化合物が有機溶媒(抽出溶媒)を兼ねることも可能である。
【0071】
抽出に用いられる希土類金属イオン含有水溶液のpH値は、適当な酸を用いて7以下に保つことが望ましい。酸としては種々の無機酸及び有機酸が好適に用いられるが、その具体例としては、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸、炭酸、リン酸、クエン酸、酒石酸、エチレンジアミンテトラ酢酸等が例示される。
【0072】
これらの酸はそれぞれ単独で用いても、複数の酸を必要に応じて適宜組合わせて用いても何れでも良い。
【0073】
抽出を行うに当たり、水溶液中に含まれる希土類金属イオンの濃度に特に制限はないが、通常1.0×10-9~10mol/L、好ましくは5.0×10-7~5.0mol/Lである。
【0074】
抽出に用いられる一般式[1]で表されるホスホン酸アミド化合物のモル数にも特に制限はないが、希土類金属イオンの総量に対して0.01倍以上であることが好ましい。
【0075】
また、抽出に用いられる希土類金属イオン含有水溶液とホスホン酸アミド化合物を含む有機溶媒の容積比にも特に制限はないが、通常は0.001:1~100:1であり、好ましくは0.02:1~50:1である。
【0076】
抽出を行う際の抽出温度に特に制限はないが、通常は0~100℃であり、好ましくは10~70℃である。
【0077】
当該抽出条件により水層から有機溶媒層へと抽出、移行された希土類金属イオンは、該有機溶媒層を当該水層以外の水と接触させることにより、有機溶媒層から水層へ逆抽出することが出来る。
【0078】
則ち、上記抽出操作により希土類金属イオンを抽出してなる有機溶媒層を、水と混合、接触させることにより該金属イオンを水層に移行させることが出来、希土類金属イオンを水層に逆抽出することが出来る。
【0079】
本発明の逆抽出方法において、希土類金属イオンを抽出してなる有機溶媒層から希土類金属イオンを逆抽出する目的で用いられる水としては弱酸性ないし酸性の水が好ましい。則ち、当該逆抽出に用いられる水のpH値は、適当な酸を用いて7未満に保たれることが好ましい。当該pHの調整に用いられる酸としては種々の無機酸及び有機酸が挙げられ、その具体例としては、塩酸、硫酸、硝酸、酢酸、シュウ酸、炭酸、リン酸、クエン酸、酒石酸、エチレンジアミンテトラ酢酸等が例示される。これらの酸はそれぞれ単独で用いても、複数の酸を必要に応じて適宜組合わせて用いても何れでも良い。また、酸の代わりに酸性の塩類や各種緩衝剤(緩衝液)等を用いてpHの調整を行っても良い。
【0080】
逆抽出に用いられる有機層と水層の容積比に特に制限はないが、通常は0.001:1~1000:1であり、好ましくは0.02:1~50:1である。
【0081】
また、逆抽出時の温度に特に制限はないが、通常は0~100℃であり、好ましくは10~70℃である。
【0082】
なお、特願2002-057419明細書に記載された内容を、本明細書にすべて取り込む。
【0083】
【実施例】
次に、本発明を実施例により具体的に説明する。なお、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0084】
実施例1
ガラス容器中でN,N’-ジジイソプロピルエチレンジアミン1.44g(10mmol)(一般式[4]において、R=イソプロピル基、R=エチレン基)と、4-ジメチルアミノピリジン0.24g(2mmol)及びトリエチルアミン3mLをテトラヒドロフラン50mLに溶解し、この容器を水浴に浸した。ジクロロフェニルホスホン酸1.95g(10mmol)(一般式[2]において、R=フェニル基、X=塩素原子)を少しずつ加え、5時間攪拌した。得られた反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮して得られた残渣からの減圧蒸留(180℃/2mmHg)により、1.94g(7.3mmol)の2,5-ジアザ-2,5-ジイソプロピル-1-オキソ-1-フェニルホスホラン(一般式[1]において、R=フェニル基、R=イソプロピル基、2つのRは一緒になってエチレン基を形成している。)を得た。この化合物は、文献未記載の新規化合物である。
【0085】
実施例1で得られた化合物のスペクトルデータ及び元素分析の結果は以下の通りである。
H-NMR(CDCl):δ0.85-0.90(6H,m),1.07-1.22(6H,m),3.12-3.19(2H,m),3.26-3.35(4H,m),7.32-7.38(3H,m),7.71-7.79(2H,m)ppm。
13C-NMR(CDCl):δ20.5(d,J=4.3Hz)21.5(d,J=2.3Hz),39.9(d,J=9.8Hz),44.6(d,J=6.2Hz),128.0(d,J=30.5Hz),128.7(d,J=156.7Hz),131.0(d,J=2.9Hz),132.8(d,J=13.3Hz)ppm。
31P-NMR(CDCl):δ24.3ppm。
MS(EI):m/z 266,77。
元素分析,C1423ONPとしての計算値:C,63.14;H,8.70;N,10.52%。実測値:C,63.02;H,8.81;N,10.45%。
【0086】
実施例2
ガラス容器中でN,N’-ジプロピルエチレンジアミン1.44g(10mmol)(一般式[4]において、R=プロピル基、R=エチレン基)と、4-ジメチルアミノピリジン0.24g(2mmol)及びトリエチルアミン3mLをテトラヒドロフラン50mLに溶解し、この容器を水浴に浸した。ジクロロフェニルホスホン酸1.95g(10mmol)(一般式[2]において、R=フェニル基、X=塩素原子)を少しずつ加え、5時間攪拌した。得られた反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮して得られた残渣からの減圧蒸留(180℃/2mmHg)により、1.51g(5.7mmol)の2,5-ジアザ-2,5-ジプロピル-1-オキソ-1-フェニルホスホラン(一般式[1]において、R=フェニル基、R=プロピル基、2つのRは一緒になってエチレン基を形成している。)を得た。この化合物は、文献未記載の新規化合物である。
【0087】
実施例2で得られた化合物のスペクトルデータ及び元素分析の結果は以下の通りである。
H-NMR(CDCl):δ0.76(6H,t,J=7.3Hz),1.37-1.49(4H,m),2.67-2.75(4H,m),3.20-3.31(2H,m),3.37-3.40(2H,m),7.38-7.43(3H,m),7.68-7.72(2H,m)ppm。
13C-NMR(CDCl):δ11.7,21.7(d,J=4.1Hz),45.7(d,J=9.3Hz),46.9(d,J=5.2Hz),128.1(d,J=13.4Hz),131.2(d,J=3.1Hz),132.4(d,J=156.3Hz),132.5(d,J=9.3Hz)ppm。
31P-NMR(CDCl):δ28.3ppm。
MS(EI):m/z 266,77。
元素分析,C1423ONPとしての計算値:C,63.14;H,8.70;N,10.52%。実測値:C,63.08;H,8.76
;N,10.47%。
【0088】
実施例3
ガラス容器中でN,N’-ジフェニルエチレンジアミン2.12g(10mmol)(一般式[4]において、R=フェニル基、R=エチレン基)と、4-ジメチルアミノピリジン0.24g(2mmol)及びトリエチルアミン3mLをテトラヒドロフラン50mLに溶解し、この容器を水浴に浸した。ジクロロフェニルホスホン酸1.95g(10mmol)(一般式[2]において、R=フェニル基、X=塩素原子)を少しずつ加え、5時間攪拌した。得られた反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮して得られた残渣からの減圧蒸留(180℃/2mmHg)により、2.56g(7.70mmol)の2,5-ジアザ-1-オキソ-1,2,5-トリフェニルホスホラン(一般式[1]において、R=R=フェニル基、2つのRは一緒になってエチレン基を形成している。)を得た。この化合物は、文献未記載の新規化合物である。
【0089】
実施例3で得られた化合物のスペクトルデータ及び元素分析の結果は以下の通りである。
H-NMR(CDCl):δ3.93-4.03(4H,m),6.92(2H,t,J=7.2Hz),7.15-7.24(8H,m),7.37-7.40(3H,m),7.81-7.85(2H,m)ppm。
13C-NMR(CDCl):δ43.8(d,J=8.6Hz),116.5(d,J=4.8Hz),121.8,128.7(d,J=14.5Hz),129.2,132.1,132.2(d,J=3.1Hz),132.5(d,J=10.7Hz)141.3(d,J=7.6Hz)ppm。
31P-NMR(CDCl):δ18.8ppm。
MS(EI):m/z 334,77。
元素分析,C2019ONPとしての計算値:C,71.85;H,5.73;N,8.38%。実測値:C,71.83;H,5.64;N,8.30%。
【0090】
実施例4
ガラス容器中でp-オクチルアニリン4.11g(20mmol)(一般式[3]において、R=p-オクチルフェニル基、R=水素原子)と、トリエチルアミン3mLをアセトニトリル50mLに溶解し、この容器を水浴に浸した。ジクロロフェニルホスホン酸1.95g(10mmol)(一般式[2]において、R=フェニル基、X=塩素原子)を少しずつ加え、1時間攪拌した後、加熱環流下に更に1時間攪拌した。得られた反応混合物をろ過し、得られた固体を酢酸エチルで再結晶して、3.19g(5.98mmol)のN,N’-ビス(p-オクチルフェニル)フェニルホスホン酸アミド(一般式[1]において、R=フェニル基、R=p-オクチルフェニル基、R=水素原子)を得た。この化合物は、文献未記載の新規化合物である。
【0091】
実施例4で得られた化合物のスペクトルデータ及び元素分析の結果は以下の通りである。
H-NMR(CDCl):δ0.87(6H,t,J=7.0Hz),1.25(20H,brs),1.50-1,54(4H,m),2.48(4H,t,J=7.5Hz),5.38(2H,d,J=9.6Hz),6.94(8H,s),7.39-7.48(2H,m),7.49-7.55(1H,m),7.90(2H,dd,J=6.9,13.4Hz)ppm。
13C-NMR(CDCl):δ14.1,22.6,29.2,29.4,30.9,31.5,31.9,35.1,118.5(d,J=6.2Hz),128.7(d,J=13.5Hz),129.1,130.4(d,J=173.7Hz),131.7(d,J=10.3Hz),132.3,136.6,137.5ppm。
31P-NMR(CDCl):δ10.0ppm。
元素分析,C3449ONPとしての計算値:C,76.65;H,9.27;N,5.26%。実測値:C,76.86;H,9.27;N,5.15%。
【0092】
実施例5
ガラス容器中でp-オクチロキシアニリン6.63g(30mmol)(一般式[3]において、R=p-オクチロキシフェニル基、R=水素原子)と、トリエチルアミン9mLをアセトニトリル60mLに溶解し、この容器を水浴に浸した。ジクロロフェニルホスホン酸2.93g(15mmol)(一般式[2]において、R=フェニル基、X=塩素原子)を少しずつ加え、1時間攪拌した後、加熱環流下に更に1時間攪拌した。得られた反応混合物をろ過し、得られた固体を酢酸エチルで再結晶して、4.88g(7.60mmol)のN,N’-ビス(p-オクチロキシフェニル)フェニルホスホン酸アミド(一般式[1]において、R=フェニル基、R=p-オクチロキシフェニル基、R=水素原子)を得た。この化合物は、文献未記載の新規化合物である。
【0093】
実施例5で得られた化合物のスペクトルデータ及び元素分析の結果は以下の通りである。
H-NMR(CDCl):δ0.88(6H,t,J=6.9Hz),1.28(16H,brs),1.36-1.41(4H,m),1.70-1.77(4H,quin,J=7.5Hz),5.11(2H,d,J=9.1Hz),6.71(4H,d,J=8.4Hz),6.98(4H,d,J=8.4Hz),7.41-7.43(2H,m),7.44-7.46(1H,m),7.83-7.90(2H,m)ppm。
13C-NMR(CDCl):δ14.1,22.6,26.0,29.2,29.3,29.7,31.8,68.3,115.2,120.8(d,J=6.2Hz),128.6(d,J=13.5Hz),131.6(d,J=157.2Hz),131.6(d,J=10.4Hz),132.2,132.7,154.7ppm。
31P-NMR(CDCl):δ10.9ppm。
元素分析,C3449Pとしての計算値:C,72.31;H,8.75;N,4.96%。実測値:C,72.64;H,8.92;N,4.97%。
【0094】
実施例6
ガラス容器中でN,N’-ジセチルエチレンジアミン二臭化水素酸塩6.69g(10mmol)(一般式[6]において、R=セチル基、、R=エチレン基、X=臭化物イオン)と、4-ジメチルアミノピリジン0.24g(2mmol)及びトリエチルアミン3mLをテトラヒドロフラン50mLに溶解し、この容器を水浴に浸した。ジクロロフェニルホスホン酸1.95g(10mmol)(一般式[2]において、R=フェニル基、X=塩素原子)を少しずつ加え、5時間攪拌した。得られた反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下に濃縮して得られた残渣をヘキサンを溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、1.58g(2.5mmol)の2,5-ジアザ-2,5-ジセチル-1-オキソ-1-フェニルホスホラン(一般式[1]において、R=フェニル基、R=セチル基、2つのRは一緒になってエチレン基を形成している。)を得た。この化合物は、文献未記載の新規化合物である。
【0095】
実施例6で得られた化合物のスペクトルデータ及び元素分析の結果は以下の通りである。
H-NMR(CDCl):δ0.84(6H,t,J=6.9Hz),1.13(4H,brs),1.25(48H,brs),1.41-1.43(4H,m),2.76(4H,q,J=7.6Hz),3.21-3.30(2H,m),3.36-3.40(2H,m),7.32-7.41(3H,m),7.68-7.80(2H,m)ppm。
13C-NMR(CDCl):δ14.1,22.7,26.8,28.5(d,J=4.5Hz),29.2,29.4,29.5,29.55,29.63,29.67.29.70,31.9,45.1(d,J=5.2Hz),45.8(d,J=9.4Hz),128.2(d,J=13.7Hz),131.2,132.5(d,J=157.0Hz),132.6(d,J=9.8Hz)ppm。
31P-NMR(CDCl):δ28.4ppm。
元素分析,C4075ONPとしての計算値:C,76.14;H,11.98;N,4.44%。実測値:C,76.10;H,12.15;N,4.31%。
【0096】
実施例7
ガラス容器中でN,N’-ジセチルエチレンジアミン2.12g(45mmol)(一般式[4]において、R=セチル基、R=エチレン基)と、4-ジメチルアミノピリジン0.24g(9mmol)及びトリエチルアミン15mLをテトラヒドロフラン200mLに溶解し、この容器を水浴に浸した。ジクロロフェニルホスホン酸8.78g(45mmol)(一般式[2]において、R=フェニル基、X=塩素原子)を少しずつ加え、2時間攪拌した。得られた反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下に濃縮して得られた残渣をジエチルエーテルを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、14.9g(22.5mmol)の2,5-ジアザ-2,5-ジセチル-1-オキソ-1-フェニルホスホラン(一般式[1]において、R=フェニル基、R=セチル基、2つのRは一緒になってエチレン基を形成している。)を得た。
【0097】
実施例8
ガラス容器中で、1-ブロモ-4-オクチロキシベンゼン0.285g(1.0mmol)と金属マグネシウム0.030g(1.25mmol)をテトラヒドロフラン(1mL)中で混合し、50℃に加熱して30分間攪拌した。得られた臭化4-オクチロキシフェニルマグネシウム(一般式[8]において、R=4-オクチロキシフェニル基、M=ブロモマグネシオ基)の溶液を2,5-ジアザ-2,5-ジメチル-1-オキソ-1-フェノキシホスホラン0.210g(1.0mmol)(一般式[7]において、R=メチル基、X=フェノキシ基、2つのRは一緒になってエチレン基を形成している。)と混合し、67℃で7日間攪拌した。得られた混合物に水0.2mLを加え、ろ過により固形物を除いた後、ろ液を減圧下で濃縮した。得られた油状物を、ジエチルエーテルを溶離液とするシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、0.196g(0.58mmol)の2,5-ジアザ-2,5-ジメチル-1-(4-オクチロキシフェニル)-1-オキソホスホラン(一般式[1]において、R=4-オクチロキシフェニル基、R=メチル基、2つのRは一緒になってエチレン基を形成している。)を得た。この化合物は、文献未記載の新規化合物である。
【0098】
実施例8で得られた化合物のスペクトルデータは以下の通りである。
H-NMR(CDCl):δ0.88(3H,t,J=6.9Hz),1.26-1.31(10H,brs),1.41-1.45(2H,m),1.78(2H,quin,J=6.7Hz),2.50(6H,d,J=10.1Hz),3.19-3.24(2H,m),3.33-3.38(2H,m),3.98(2H,t,J=6.7Hz),6.92(2H,dd,J=2.6,8.6Hz),7.62(2H,dd,J=8.6,12.3Hz)ppm。
13C-NMR(CDCl):δ14.1,22.7,26.0,29.2,29.3,31.7(d,J=5.6Hz),48.6,68.1,114.4(d,J=14.8Hz),120.5,134.5(d,J=11.3Hz),162.0ppm。
31P-NMR(CDCl):δ30.2ppm。
MS(EI):m/z 338。
元素分析,C1831Pとしての計算値:C,63.88;H,9.23;N,8.28%。実測値:C,63.57;H,9.45;N,8.19%。
【0099】
実施例9
ガラス容器中で、N,N’-ビス(p-メチルフェニル)フェニルホスホン酸アミド(一般式[9]において、R=フェニル基、R=p-メチルフェニル基)1.68g(5.0mmol)、臭化オクチル(一般式[10]において、R=オクチル基、X=臭素原子)3mL、水素化ナトリウム0.9g及びアセトニトリル30mLを混合し、混合物を室温で24時間撹拌した。反応混合物をろ過して固形物を除き、ろ液を濃縮して得られた残渣を、エーテルを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、2.41g(4.56mmol)のN,N’-ビス(p-メチルフェニル)-N,N’-ジオクチルフェニルホスホン酸アミド(一般式[1]において、R=フェニル基、R=オクチル基、R=p-メチルフェニル基)を得た。この化合物は、文献未記載の新規化合物である。
【0100】
実施例9で得られた化合物のスペクトルデータは以下の通りである。
H-NMR(CDCl):δ0.83(6H,t,J=6.9Hz),0.95-1.43(24H,m),2.29(6H,s),3.17-3.23(2H,m),3.29-3.35(2H,m),6.95(4H,d,J=8.0Hz),7.02(4H,d,J=8.0Hz),7.34-7.41(3H,m),7.71-7.78(2H,m)ppm。
13C-NMR(CDCl):δ14.0,20.9,22.6,26.7,28.5(d,J=3.1Hz),29.1,29.2,31.7,50.5(d,J=4.1Hz),127.9(d,J=13.5Hz),128.5(d,J=3.1Hz),129.2,131.0,132.2(d,J=157.3Hz),132.6(d,J=9.3Hz),135.0,140.0(d,J=2.0Hz)ppm。
31P-NMR(CDCl):δ21.3ppm。
元素分析,C3653ONPとしての計算値:C,77.10;H,9.53;N,5.00%。実測値:C,77.24;H,9.56;N,4.99%。
【0101】
実施例10
実施例9において、N,N’-ビス(p-メチルフェニル)フェニルホスホン酸アミドの代わりにN,N’-ビス(p-メトキシフェニル)フェニルホスホン酸アミド(一般式[9]において、R=フェニル基、R=p-メトキシフェニル基)1.84g(5.0mmol)を用いた以外は実施例9と同様にして、1.34g(3.40mmol)のN,N’-ビス(p-メトキシフェニル)-N,N’-ジオクチルフェニルホスホン酸アミド(一般式[1]において、R=フェニル基、R=オクチル基、R=p-メトキシフェニル基)を得た。この化合物は、文献未記載の新規化合物である。
【0102】
実施例10で得られた化合物のスペクトルデータは以下の通りである。
H-NMR(CDCl):δ0.83(6H,t,J=7.2Hz),0.94-1.23(24H,m),3.08-3.22(2H,m),3.23-3.26(2H,m),3.76(6H,s),6.74(4H,d,J=7.9Hz),6.94(4H,d,J=7.9Hz),7.31-7.48(3H,m),7.70-7.76(2H,m)ppm。
13C-NMR(CDCl):δ14.0,22.6,26.7,28.5(d,J=3.1Hz),29.1,29.2,31.7,50.7(d,J=4.1Hz),55.3,113.8,127.9(d,J=12.4Hz),130.1(d,J=3.1Hz),130.9(d,J=3.1Hz),132.1(d,J=153.1Hz),132.7(d,J=8.3Hz),135.3(d,J=3.1Hz),157.4ppm。
31P-NMR(CDCl):δ21.7ppm。
元素分析,C3653Pとしての計算値:C,72.94;H,9.01;N,4.73%。実測値:C,72.90;H,9.01;N,5.01%。
【0103】
実施例11
ガラス容器中で、N,N’-ビス(p-オクチルフェニル)フェニルホスホン酸アミド(一般式[9]において、R=フェニル基、R=p-オクチルフェニル基)3.72g(7.0mmol)、ヨウ化メチル(一般式[10]において、R=メチル基、X=ヨウ素原子)5mL、水素化ナトリウム1.0g及びアセトニトリル100mLを混合し、混合物を室温で24時間撹拌した。反応混合物をろ過して固形物を除き、ろ液を濃縮して得られた残渣を、エーテルを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、2.88g(5.15mmol)のN,N’-ビス(p-オクチルフェニル)-N,N’-ジメチルフェニルホスホン酸アミド(一般式[1]において、R=フェニル基、R=メチル基、R=p-オクチルフェニル基)を得た。この化合物は、文献未記載の新規化合物である。
【0104】
実施例11で得られた化合物のスペクトルデータは以下の通りである。
H-NMR(CDCl):0.87(6H,t,J=6.9Hz),1.26(20H,brs),1.53-1.57(4H,m),2.52(4H,t,J=7.6Hz),3.05(6H,d,J=9.3Hz),6.99(4H,d,J=8.4Hz),7.09(4H,d,J=8.4Hz),7.26-7.41(3H,m),7.70-7.76(2H,m)ppm。
13C-NMR(CDCl):δ14.1,22.7,29.3,29.5,31.5,31.6(d,J=3.1Hz),31.9,35.3,38.2(d,J=5.2Hz),125.2(d,J=4.2Hz),128.1(d,J=13.5Hz),128.7(2C),131.7(d,J=90.0Hz),132.6(d,J=9.3Hz),139.2,142.8(d,J=3.1Hz)ppm。
31P-NMR(CDCl):δ22.5ppm。
元素分析,C3653ONPとしての計算値:C,77.10;H,9.53;N,5.00%。実測値:C,77.00;H,9.68;N,5.03%。
【0105】
実施例12
ガラス容器中で、N,N’-ビス(p-オクチロキシフェニル)フェニルホスホン酸アミド(一般式[9]において、R=フェニル基、R=p-オクチロキシフェニル基)1.13g(2.0mmol)、ヨウ化メチル(一般式[10]において、R=メチル基、X=ヨウ素原子)1mL、水素化ナトリウム0.3g及びアセトニトリル20mLを混合し、混合物を室温で24時間撹拌した。反応混合物をろ過して固形物を除き、ろ液を濃縮して得られた残渣を、エーテルを溶離液とするシリカゲルクロマトグラフィーにより精製して、0.834g(1.41mmol)のN,N’-ビス(p-オクチロキシフェニル)-N,N’-ジメチルフェニルホスホン酸アミド(一般式[1]において、R=フェニル基、R=メチル基、R=p-オクチロキシフェニル基)を得た。この化合物は、文献未記載の新規化合物である。
【0106】
実施例12で得られた化合物のスペクトルデータは以下の通りである。
H-NMR(CDCl):δ0.88(6H,t,J=6.9Hz),1.29(16H,brs),1.38-1.43(4H,m),1.74(4H,quin,J=6.6Hz),2.99(6H,d,J=10.2Hz),3.88(4H,t,J=6.6Hz),6.74(4H,d,J=9.0Hz),7.07(4H,d,J=9.0Hz),7.34-7.39(3H,m),7.60-7.75(2H,m)ppm。
13C-NMR(CDCl):δ14.1,22.6,29.19,29.24,29.3,31.8,38.7(d,J=5.2Hz),68.1,114.6,127.5(d,J=4.1Hz),128.0(d,J=13.4Hz),130.8(d,J=157.4Hz),131.1(d,J=2.1Hz),132.5(d,J=8.3Hz),137.9(d,J=3.1Hz),156.5ppm。
31P-NMR(CDCl):δ22.6ppm。
元素分析,C3653Pとしての計算値:C,72.94;H,9.01;N,4.73%。実測値:C,72.85;H,9.07;N,4.99%。
【0107】
実施例13
ガラス容器中でN,N’-ジメチルエチレンジアミン0.88g(10mmol)(一般式[4]において、R=メチル基、R=エチレン基)とトリエチルアミン3mLをテトラヒドロフラン50mLに溶解し、この容器を水浴に浸した。ジクロロフェニルホスホン酸1.95g(10mmol)(一般式[2]において、R=フェニル基、X=塩素原子)を少しずつ加え、2時間攪拌した。得られた反応混合物をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮して得られた残渣を減圧蒸留(180℃/2mmHg)して、1.79g(8.5mmol)の2,5-ジアザ-2,5-ジメチル-1-オキソ-1-フェニルホスホラン(一般式[1]において、R=フェニル基、R=メチル基、2つのRは一緒になってエチレン基を形成している。)を得た。この化合物は、文献未記載の新規化合物である。
【0108】
実施例13で得られた化合物のスペクトルデータは以下の通りである。
H-NMR(CDCl):δ2.44(6H,d,J=7.6Hz),3.15-3.23(2H,m),3.32-3.37(2H,m),7.38-7.45(3H,m),7.64-7.71(2H,m)ppm。
13C-NMR(CDCl):δ31.6(d,J=6.3Hz),48.4(d,J=8.8Hz),128.3(d,J=13.7Hz),131.0(d,J=156.6Hz),131.5(d,J=2.9Hz),132.5(d,J=9.8Hz)ppm。
31P-NMR(CDCl):δ29.5ppm。
MS(EI):m/z 210.77。
【0109】
比較例1
1.00×10-4mol/Lの三価ランタンイオン及び1.00×10-4mol/Lの三価ユウロピウムイオンを含有する1mol/Lの硝酸水溶液4mLに、ジクロロメタン溶液4mLを加え、25℃で10分間振盪し、遠心分離による層分離を行った後、水溶液中に残存する三価ランタンイオン及び三価ユウロピウムイオンの濃度をICP発光分光分析法で測定したが、三価ランタンイオン及び三価ユウロピウムイオンは全て水溶液中に残存していた。
【0110】
実施例14~33
1.00×10-4mol/Lの三価ランタンイオン及び1.00×10-4mol/Lの三価ユウロピウムイオンを含有する1mol/Lの硝酸水溶液4mLに、種々のホスホン酸アミド化合物を1mmol含有するジクロロメタン溶液4mLを加え、25℃で10分間振盪し、層分離させた後、水溶液中に残存する三価ランタンイオン及び三価ユウロピウムイオンの濃度をICP発光分光分析法で測定し、三価ランタン及び三価ユウロピウムイオンの抽出率を算出した。結果を表1に示す。
【0111】
なお、以下に記述する抽出率は全て、各々のイオンにおける、水層から有機層へ移動したイオンのモル数の、初期の水層に含まれるイオンのモル数に対する割合を示す。
【0112】
【表1】
JP0004151842B2_000006t.gifJP0004151842B2_000007t.gif【0113】
実施例34
1.00×10-4mol/Lの三価ランタンイオン及び1.00×10-4mol/Lの三価ユウロピウムイオンを含有する1mol/Lの硝酸水溶液4mLに、実施例8で得られたホスホン酸アミド化合物(一般式[1]において、R=4-オクチロキシフェニル基、R=メチル基、2つのRは一緒になってエチレン基を形成している。)を200μmol含有するジクロロメタン溶液4mLを加え、25℃で10分間振盪し、層分離させた。水溶液中に残存する三価ランタンイオン及び三価ユウロピウムイオンの濃度をICP発光分光分析法で測定し、三価ランタン及び三価ユウロピウムイオンの抽出率を算出した結果、94.2%(0.376μmol)の三価ランタンイオン及び97.0%(0.388μmol)の三価ユウロピウムイオンが水層から有機層へ抽出されていることが判った。
【0114】
比較例2
ジクロロメタンの代わりにドデカンを用いる以外は比較例1と同様にして、水溶液中に残存する三価ランタンイオン及び三価ユウロピウムイオンの濃度をICP発光分光分析法で測定したが、三価ランタンイオン及び三価ユウロピウムイオンは全て水溶液中に残存していた。
【0115】
実施例35~38
1.00×10-4mol/Lの三価ランタンイオン及び1.00×10-4mol/Lの三価ユウロピウムイオンを含有する1mol/Lの硝酸水溶液4mLに、実施例8で得られたホスホン酸アミド化合物(一般式[1]において、R=4-オクチロキシフェニル基、R=メチル基、2つのRは一緒になってエチレン基を形成している。)を種々の濃度で含有するドデカン溶液4mLを加え、25℃で10分間振盪し、層分離させた後、水溶液中に残存する三価ランタンイオン及び三価ユウロピウムイオンの濃度をICP発光分光分析法で測定し、三価ランタン及び三価ユウロピウムイオンの抽出率を算出した。結果を表2に示す。Aは、ホスホン酸アミド化合物のmmolを表す。
【0116】
【表2】
JP0004151842B2_000008t.gif【0117】
実施例39
1×10-4mol/Lの三価ランタンイオン、1×10-4mol/Lの三価セリウムイオン、1×10-4mol/Lの三価プラセオジムイオン、1×10-4mol/Lの三価ネオジムイオン、1×10-4mol/Lの三価サマリウムイオン、1×10-4mol/Lの三価ユウロピウムイオン、1×10-4mol/Lの三価ガドリニウム、1×10-4mol/Lの三価テルビウムイオン、1×10-4mol/Lの三価ディスプロシウムイオン、1×10-4mol/Lの三価ホルミウムイオン、1×10-4mol/Lの三価エルビウムイオン、1×10-4mol/Lの三価イッテルビウムイオン、1×10-4mol/Lの三価ルテチウムイオンを含有する1mol/Lの硝酸水溶液4mLに、実施例13で得られたホスホン酸アミド化合物(一般式[1]においてR=フェニル基で、R=メチル基、2つのRは一緒になってエチレン基を形成している。)を1mmol含有するジクロロメタン溶液4mLを加え、25℃で10分間振盪し、層分離させた後、水溶液中に残存する各希土類金属イオンの濃度をICP発光分光分析法で測定し、各イオンの抽出率を算出した。結果を表3に示す。
【0118】
実施例40
実施例39において、ジクロロメタンの代わりにドデカンを用い、実施例13で得られたホスホン酸アミド化合物の代わりに実施例8で得られたホスホン酸アミド化合物(一般式[1]において、R=p-オクチロキシフェニル基、R=メチル基、2つのRは一緒になってエチレン基を形成している。)を用いる以外は実施例39と同様にして、各イオンの抽出率を算出した。結果を実施例39の結果と併せて表3に示す。
表3から明らかなように、どちらの場合も三価イッテルビウムイオンと三価ルテチウムイオンを選択的に抽出することができた。
【0119】
【表3】
JP0004151842B2_000009t.gif【0120】
実施例41~44
1.00×10-4mol/Lの三価ランタンイオン及び1.00×10-4mol/Lの三価ユウロピウムイオンを含有する1mol/Lの硝酸水溶液12mLに、実施例13で得られたホスホン酸アミド化合物(一般式[1]においてR=フェニル基、R=メチル基、2つのRは一緒になってエチレン基を形成している。)を3mmol含有するジクロロメタン溶液12mLを加え、25℃で10分間振盪し、層分離させた。この時、94.8%(1.14μmol)の三価ランタンイオン及び95.3%(1.14μmol)の三価ユウロピウムイオンが水層からジクロロメタン層へ移動していた。続いて、有機層を2mLずつに分割し、これらに種々の水溶液(各種濃度の硝酸水溶液及び酢酸/酢酸ナトリウム水溶液)2mLを独立に加え、25℃で10分間振盪し、層分離させた。水溶液中に溶存する三価ランタンイオン及び三価ユウロピウムイオンの濃度をICP発光分光分析法で測定し、逆抽出率を算出した。ここで、逆抽出率とは、ジクロロメタン層に含まれる希土類金属イオンを水層で抽出した際の、各々のイオンにおけるジクロロメタン層から水層へ移動したイオンのモル数の、ジクロロメタン層に含まれるイオンの初期モル数に対する割合を表す。三価ランタンイオン及び三価ユウロピウムイオンの逆抽出率を表4に示す。
【0121】
【表4】
JP0004151842B2_000010t.gif【0122】
【発明の効果】
本発明は、希土類金属イオンの抽出剤等として有用な新規なホスホン酸アミド化合物とその製造方法、並びに該化合物を用いた、希土類金属イオンを含む水溶液からの希土類金属イオンの抽出方法を提供するものであり、本発明のホスホン酸アミド化合物を抽出剤として用いることにより、希土類金属イオンを含む水溶液から希土類金属イオンを簡単な操作で極めて効率良く抽出することが出来る。
また、当該抽出操作により水層から有機溶媒層へと抽出、移行させた希土類金属イオンは、該有機溶媒層を当初の水層とは別の弱酸性ないし酸性の水と混合、接触させることにより、有機溶媒層から水層へ効率良く逆抽出することが出来る。