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明細書 :OTDM/WDM伝送方法及び装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4252470号 (P4252470)
公開番号 特開2005-223369 (P2005-223369A)
登録日 平成21年1月30日(2009.1.30)
発行日 平成21年4月8日(2009.4.8)
公開日 平成17年8月18日(2005.8.18)
発明の名称または考案の名称 OTDM/WDM伝送方法及び装置
国際特許分類 H04B  10/02        (2006.01)
H04B  10/18        (2006.01)
H04J  14/08        (2006.01)
H04J  14/00        (2006.01)
H04J  14/02        (2006.01)
H04B  10/00        (2006.01)
FI H04B 9/00 M
H04B 9/00 D
H04B 9/00 E
H04B 9/00 B
請求項の数または発明の数 11
全頁数 25
出願番号 特願2004-026211 (P2004-026211)
出願日 平成16年2月3日(2004.2.3)
審査請求日 平成18年11月21日(2006.11.21)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】中沢 正隆
【氏名】廣岡 俊彦
個別代理人の代理人 【識別番号】100107010、【弁理士】、【氏名又は名称】橋爪 健
審査官 【審査官】川口 貴裕
参考文献・文献 国際公開第02/078218(WO,A1)
特開2005-020319(JP,A)
特開2002-314508(JP,A)
特開2003-333015(JP,A)
特開平05-316076(JP,A)
特開平11-112425(JP,A)
特開2001-086097(JP,A)
特開2002-077045(JP,A)
特開2002-006350(JP,A)
M.Romagnoli et.al.,“Time-domain Fourier optics for polarization-mode di,Opt.Lett.,米国,1999年 9月 1日,Vol.24,No.17,1197-1199
調査した分野 H04B 10/00-10/28
H04J 14/00-14/08
特許請求の範囲 【請求項1】
時間軸上の光パルス波形をそのパルスの周波数スペクトルの形状に変換するための光フーリエ変換装置を用いて、光フーリエ変換装置に入力される光時分割多重(OTDM)信号の時間領域パルス列を、各時分割チャネルに対応した波長チャネルを有する波長分割多重(WDM)信号スペクトル列に、複数の時分割チャネルを含むフレームを一括して変換し、
変換されたWDM信号スペクトル列を光ファイバに伝搬させ、
光ファイバ中を伝搬したWDM信号スペクトル列をWDM光分岐回路により各時分割チャネルに対応した各波長チャネルに分波し、
WDM光分岐回路により分波された各波長チャネルに対応して設けられ、スペクトル形状をそのパルスの時間軸上の光パルス波形に変換するための、時分割チャネル数の複数の光逆フーリエ変換装置を用いて、分波された各波長チャネルのスペクトルを、その波長チャネルに対応した時分割チャネルの時間信号波形に変換し、
伝送された光パルスが光ファイバ中でいかなる線形時間歪みを受けてもスペクトルの形状が保存されることから、受信側の各光逆フーリエ変換装置の出力で、送信側における時間信号を多重分離して再生するためのOTDM/WDM伝送方法。
【請求項2】
請求項1に記載のOTDM/WDM伝送方法において、
光フーリエ変換のための駆動周波数は、光時分割多重化前の光パルス列の繰り返し周波数Rの信号に基づいてN倍の多重化により得られるOTDM信号の繰り返し周波数NRに対して、多重化前の光パルス列の繰り返し周波数Rであることを特徴とするOTDM/WDM伝送方法。
【請求項3】
請求項1に記載のOTDM/WDM伝送方法において、
多重化数Nで光時分割多重化された、1フレームにNビット又はNチャネルを有するOTDM信号パルス列を、Nビット又はNチャネルを一括してフーリエ変換することにより、OTDM信号パルス列の各時分割チャネルに対応したNチャネルのWDM信号スペクトル列に変換することを特徴とするOTDM/WDM伝送方法。
【請求項4】
請求項1に記載のOTDM/WDM伝送方法において、
繰り返し周波数Rの信号に基づいて多重化数Nで光時分割多重化された伝送速度NRのOTDM信号パルス列を、WDM光分岐回路及び繰り返し周波数Rで動作する光逆フーリエ変換装置によって多重分離することを特徴とするOTDM/WDM伝送方法。
【請求項5】
請求項1に記載のOTDM/WDM伝送方法において、
光フーリエ変換装置及び光逆フーリエ変換装置は、光パルスに群速度分散を与えるための分散要素と、線形チャープを与えるための位相変調器とをそれぞれ備え、
受信側における光逆フーリエ変換装置の分散要素の群速度分散、及び、位相変調器のチャープ率の各符号は、送信側の光フーリエ変換装置のそれらと完全に反転したものを用いることを特徴とするOTDM/WDM伝送方法。
【請求項6】
請求項1に記載のOTDM/WDM伝送方法において、
前記光フーリエ変換装置及び/又は前記光逆フーリエ変換装置は、光パルスに群速度分散を与えるための分散要素と、線形チャープを与えるための位相変調器とをそれぞれ備え、
位相変調器のチャープ率Kと分散要素の群速度分散Dとが、K=1/Dの関係を満たすことを特徴とするOTDM/WDM伝送方法。
【請求項7】
請求項1に記載のOTDM/WDM伝送方法において、
OTDM信号パルス列としてフーリエ変換限界のパルスを用いることを特徴とするOTDM/WDM伝送方法。
【請求項8】
光時分割多重化された光パルス列を出力する光時分割多重(OTDM)信号送信器と、
前記OTDM信号送信器から出力されたOTDM信号パルス列に対して、時間軸上の光パルス波形をそのパルスの周波数スペクトルの形状に変換するための光フーリエ変換装置と、
前記光フーリエ変換装置から出力され、光ファイバを伝搬した光パルス列を分波するWDM光分岐回路と、
前記WDM光分岐回路により分波された各波長チャネルに対応して設けられ、スペクトルの形状を時間軸上の光パルス波形に変換するための、1フレームに含まれる時分割チャネル数の複数の光逆フーリエ変換装置と
を備え、
前記光フーリエ変換装置は、前記OTDM信号送信器からのOTDM信号の時間領域パルス列を、各時分割チャネルに対応した波長チャネルを有する波長分割多重(WDM)信号スペクトル列に、複数の時分割チャネルを含むフレームを一括して変換して、変換されたWDM信号スペクトル列を光ファイバ中に伝搬させ、
前記WDM光分岐回路は、前記光ファイバ中を伝搬したWDM信号スペクトル列を、各時分割チャネルに対応した各波長チャネルに分波し、
前記光逆フーリエ変換装置は、分波された各波長チャネルのスペクトルを、その波長チャネルに対応した時分割チャネルの時間信号波形に変換し、
伝送された光パルスが光ファイバ中でいかなる線形時間歪みを受けてもスペクトルの形状が保存されることから、受信側の各前記光逆フーリエ変換装置の出力で、送信側における時間信号を多重分離して再生するためのOTDM/WDM伝送装置。
【請求項9】
請求項8に記載のOTDM/WDM伝送装置において、
前記光フーリエ変換装置による光フーリエ変換のための駆動周波数は、
光時分割多重化前の光パルス列の繰り返し周波数Rの信号に基づいてN倍の多重化により得られるOTDM信号の繰り返し周波数NRに対して、多重化前の光パルス列の繰り返し周波数Rであることを特徴とするOTDM/WDM伝送装置。
【請求項10】
請求項8に記載のOTDM/WDM伝送装置において、
前記光フーリエ変換装置は、
多重化数Nで光時分割多重化された、1フレームにNビット又はNチャネルを有するOTDM信号パルス列を、Nビット又はNチャネルを一括して光フーリエ変換することにより、OTDM信号パルス列の各時分割チャネルに対応したNチャネルのWDM信号スペクトル列に変換することを特徴とするOTDM/WDM伝送装置。
【請求項11】
請求項8に記載のOTDM/WDM伝送装置において、
前記光逆フーリエ変換装置は、繰り返し周波数Rの信号に基づいて多重化数Nで光時分割多重化されたOTDM信号の伝送速度NRに対して、繰り返し周波数Rで動作し、
伝送速度NRのOTDM信号パルス列を、前記WDM光分岐回路及び周波数Rで動作する前記光逆フーリエ変換装置によって多重分離することを特徴とするOTDM/WDM伝送装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、OTDM(光時分割多重、optical time division multiplexing)/WDM(波長分割多重、wavelength division multiplexing)伝送方法及び装置に係り、特に、光時分割多重(OTDM)伝送において、伝送速度を高速化したときに課題となる光ファイバ伝送路の分散および偏波モード分散による信号の時間波形歪みを完全に(又はほとんど完全に)除去することを可能にし、かつ、伝送速度より低速な信号処理技術で高速OTDM信号の多重分離を実現する新たなOTDM/WDM伝送方法及び装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
パルス幅が数ピコ秒からサブピコ秒の超短パルスを用いた超高速OTDM伝送の実現には、波長分散や偏波分散などの光ファイバの線形効果による信号波形歪みの低減、ならびに伝送後の超高速信号の多重分離が重要な課題となる。超高速OTDM伝送としては、これまでに160Gbit/s-480km、640Gbit/s-100km、1.28Tbit/s-70kmといった実験結果が報告されている(例えば、非特許文献1、2、3参照)。これらの実験では、分散補償ファイバや分散スロープ補償ファイバを用い伝送ファイバ全体の二次および三次分散がほぼゼロになるよう極めて正確に制御することによって伝送信号の時間波形歪みを抑えている。
【0003】
一方、100Gbit/s以上の超高速OTDM信号光の多重分離は電気的な信号処理速度の限界を超えるため、応答時間が極めて速い光ファイバ中の非線形光学効果を利用する方法が検討されている。具体的には、多重分離に用いる制御光のタイミングを基本繰り返し周波数の信号光に同期させて、制御光と信号光の間の四光波混合成分を用いる方法、あるいは制御光との相互位相変調によって信号光をスイッチングする方法などがある。このような手法により、光ファイバ中の四光波混合や非線形光ループミラーにおける相互位相変調を用いて、500Gbit/sや640Gbit/sOTDM信号光の10Gbit/sへの多重分離に成功している(例えば、非特許文献4、5参照)。
【0004】
これらの方法では制御光に同期した1チャネルの信号光しか多重分離されないが、1つの多重分離装置で全てのチャネルを一括して多重分離する方法として、波長が線形にチャープした基本繰り返し周波数の制御光とOTDM信号光との間の相互位相変調を用いたOTDM多重分離技術が提案されている(例えば、非特許文献6を参照)。この方法では、該OTDM信号光のパルス列の時間位置で該制御光の線形チャープが相互位相変調により局所的にキャンセルされるため、該OTDM信号の各ビットがそれぞれ該制御光のスペクトルの異なる中心波長(WDM信号)に転写され、その結果として波長領域で各スペクトルを光フィルタで切り出すことにより一括多重分離を行なうことができる。
【0005】
また、複数の波長分割多重化(WDM)光信号が、分散器としての光学的フーリエ変換素子に入力され、光学的フーリエ変換素子は波長全体にわたって各チャネルの情報ビットを分散してWDM分散光信号を搬送し、信号強度の劣化及び拡散を抑える方法及び装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【0006】
また、本発明者は、任意の分散ならびに偏波モード分散、タイミングジッタを有する光ファイバに伝送される信号の波形歪みをフーリエ変換により同時にかつ完全に補償する新たな光伝送方法および光伝送装置(参考文献1:特願2003-23973「光伝送方法および光伝送装置」)、超高速光通信ならびに光計測などに用いられる超短パルス技術において、パルス光源から出力された光パルスの時間幅を任意の比率で圧縮するとともに、さらには任意のパルス波形を得ることができる光パルス圧縮器および光関数発生器(参考文献2:特願2003-109708「光パルス圧縮器および光関数発生器、光パルス圧縮方法および光関数発生方法」)、OTDM伝送において、伝送速度を高速化したときに問題となり得る光ファイバ伝送路の分散および偏波モード分散による信号の時間波形歪みを完全に(又はほとんど完全に)除去することを可能にする新たなOTDM伝送方法及び装置(参考文献3:特願2003-181964「OTDM伝送方法及び装置」)、光パルスの時間波形をその周波数スペクトルの形状(包絡線)に、及び/又は光パルスの周波数スペクトルの形状をその時間波形に変換する光フーリエ変換装置及び方法(参考文献4:特願2004-464「光フーリエ変換装置及び方法」)について出願している。なお、これら出願の内容は、参照により本明細書に組み込むことができる。
【0007】

【特許文献1】特開2002-314508号公報
【非特許文献1】J.L.Auge, M.Cavallari, M.Jones, P.Kean, D.Watley, and A.Hadjifotiou, “Single channel 160Gb/s OTDM propagation over 480km of standard fiber using a 40GHz semiconductor mode-locked laser pulse source,” Optical Fiber Communication Conference(OFC), 2002, Paper TuA3.
【非特許文献2】山本貴司、吉田英二、田村公一、中沢正隆、「フェムト秒パルスを用いた640Gbit/s OTDM信号の100km伝送」、信学論(C)、Vol.J83-B, pp.625-633, 2000.
【非特許文献3】山本貴司、田村公一、中沢正隆、「位相変調器による3次、4次分散同時補償を用いた1.28Tbit/s-70kmフェムト秒パルスOTDM伝送」、信学論(B)、Vol.J84-B, pp.1587-1597, 2001.
【非特許文献4】T.Morioka, H.Takara, S.Kawanishi, T.Kitoh, and M.Saruwatari, “Error-free 500Gbit/s all-optical demultiplexing using low-noise, low-jitter supercontinuum short pulses,” Electron. Lett. Vol.32, pp.833-834, 1996.
【非特許文献5】山本貴司、吉田英二、中沢正隆、「超高速非線形ループミラーによるサブテラビットTDM光信号の多重分離」、信学論(C-I)、Vol.J82-C-I, pp.109-116, 1999.
【非特許文献6】K.Uchiyama, S.Kawanishi, and M.Saruwatari, “Multiple-channel output all-optical OTDM demultiplexer using XPM-induced chirp compensation (MOXIC),” Electron. Lett. Vol.34, pp.575-576, 1998.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
超短パルスを用いたOTDM伝送においては、伝送ファイバ全体の二次および三次分散を正確に補償しても、伝送路に残留するさらに高次の分散によって波形が歪む。また、分散値が温度など環境の影響によってわずかでも変動することにより、パルスの伝送特性が大きく変化する。さらに超短パルス伝送においては、振動や温度変化などの外乱によって伝送信号の偏波状態がランダムに変化することからパルス広がり(偏波モード分散)が発生してしまう。したがって分散値の変動や偏波モード分散に対するシステムの許容度を十分確保するためには、高次分散を含めた分散値の適応等化技術や偏波モード分散補償技術が不可欠である。しかし、このような分散補償技術は未だ実用化されるまでに至っていない。
【0009】
また、上に述べたOTDM高速多重分離に用いられる光ファイバの非線形光学効果は一般に変換効率が低いため、高品質な多重分離を行なうにはファイバ長を十分長くとり大きな四光波混合成分や位相変化量を得る必要がある。しかしファイバ長を長くすると制御光と信号光との間のウォークオフが大きくなり、ウォークオフ時間がOTDM信号のビット間隔と同程度になると正確な多重分離が困難になる。したがって非線形光学効果の高効率化と制御光-信号光の正確なタイミング制御との間にはトレードオフが存在する。ここで、ウォークオフとは、制御光と信号光の波長における群速度の違いによって、両者の間に生じる群遅延のことを指す。
【0010】
また、特許文献1に記載の方法等は、単に入力したWDM信号を分散して伝搬させるものであり、光時分割多重信号(OTDM信号)の伝送及び多重分離を対象としたものではない。
【0011】
本発明は以上の点に鑑み、時間波形歪みのない高速伝送が可能なOTDM/WDM伝送方法及び装置を提供することを目的とする。さらに、本発明は、本来時間領域で行なう高速OTDM信号の多重分離を多波長光分岐フィルタなどの簡便なWDM光分岐回路を用いて行なうことができるOTDM/WDM伝送方法及び装置を提供することを目的とする。また、本発明は、高速な光システムを安価な光装置で実現することも目的のひとつである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
そこで本発明ではこれらの課題を同時に解決するために、光ファイバ中のあらゆる線形歪み効果によって時間的に波形歪みが発生してもスペクトル形状(波形)は完全に保存されるという性質、ならびに光フーリエ変換によってOTDM信号とWDM信号を相互に一括変換できるという性質を超短パルス伝送およびOTDM多重分離技術に積極的に応用する。すなわち本発明のOTDM/WDM伝送方法及び装置では、光ファイバ伝送路の送信側でOTDM信号のNビットのパルス列をまず一括して光フーリエ変換することによってN個のWDM信号スペクトル列に変換し、光ファイバ伝送路を伝送させる。そして伝送後には受信側でWDMスペクトル列を各波長に分離し、チャネルごとに光逆フーリエ変換を施す。これにより送信側におけるOTDM多重化前の各チャネルの時間領域パルス列を受信側の各出力で完全に再生することができる。
【0013】
本発明の特徴のひとつは、時間軸上の光パルス波形をそのパルスのもつスペクトル波形(包絡線)に変換する光フーリエ変換装置を用いる光伝送方法及び装置において、該光フーリエ変換装置を送信部において用いて光時分割多重(OTDM)信号の時間領域パルス列を波長分割多重(WDM)信号スペクトル列に変換した後、光ファイバ中を伝搬せしめ、受信端で該WDM信号スペクトル列をWDM光分岐回路により各チャネルに分波し、分波されたスペクトルを光逆フーリエ変換装置を用いてチャネルごとに時間信号波形に変換することにより、伝送光パルスが光ファイバ中でいかなる線形時間歪みを受けてもスペクトルの波形(包絡線)が保存されることから、送信側における時間信号を受信側の各出力で完全に再生するOTDM/WDM伝送方法及び装置である。
【0014】
また、本発明は、上記のOTDM/WDM伝送方法及び装置において、OTDM多重化前の基本繰り返し周波数Rの信号からN倍の多重化により得られる繰り返し周波数NRのOTDM信号に対して、光フーリエ変換の駆動周波数に基本繰り返し周波数Rを用いることを特徴のひとつとする。
【0015】
また、本発明は、上記のOTDM/WDM伝送方法及び装置において、NをOTDM多重化数とすると、OTDM信号パルス列が光フーリエ変換によってNチャネルのWDM信号スペクトル列に変換されることを特徴のひとつとする。
【0016】
また、本発明は、上記のOTDM/WDM伝送方法及び装置において、伝送速度NRのOTDM信号の多重分離を、WDM光分岐回路ならびに基本繰り返し周波数Rで動作する光逆フーリエ変換装置によって実現することも特徴のひとつである。
【0017】
本発明の第1の解決手段によると、
時間軸上の光パルス波形をそのパルスの周波数スペクトルの形状に変換するための光フーリエ変換装置を用いて、光フーリエ変換装置に入力される光時分割多重(OTDM)信号の時間領域パルス列を、各時分割チャネルに対応した波長チャネルを有する波長分割多重(WDM)信号スペクトル列に、複数の時分割チャネルを含むフレームを一括して変換し、
変換されたWDM信号スペクトル列を光ファイバに伝搬させ、
光ファイバ中を伝搬したWDM信号スペクトル列をWDM光分岐回路により各時分割チャネルに対応した各波長チャネルに分波し、
前記WDM光分岐回路により分波された各波長チャネルに対応して設けられ、スペクトル形状をそのパルスの時間軸上の光パルス波形に変換するための、時分割チャネル数の複数の光逆フーリエ変換装置を用いて、分波された各波長チャネルのスペクトルを、その波長チャネルに対応した時分割チャネルの時間信号波形に変換し、
伝送された光パルスが光ファイバ中でいかなる線形時間歪みを受けてもスペクトルの形状が保存されることから、受信側の各光逆フーリエ変換装置の出力で、送信側における時間信号を多重分離して再生するためのOTDM/WDM伝送方法が提供される。
【0018】
本発明の第2の解決手段によると、
光時分割多重化された光パルス列を出力する光時分割多重(OTDM)信号送信器と、
前記OTDM信号送信器から出力されたOTDM信号パルス列に対して、時間軸上の光パルス波形をそのパルスの周波数スペクトルの形状に変換するための光フーリエ変換装置と、
前記光フーリエ変換装置から出力され、光ファイバを伝搬した光パルス列を分波するWDM光分岐回路と、
前記WDM光分岐回路により分波された各波長チャネルに対応して設けられ、スペクトルの形状を時間軸上の光パルス波形に変換するための、1フレームに含まれる時分割チャネル数の複数の光逆フーリエ変換装置と
を備え、
前記光フーリエ変換装置は、前記OTDM信号送信器からのOTDM信号の時間領域パルス列を、各時分割チャネルに対応した波長チャネルを有する波長分割多重(WDM)信号スペクトル列に、複数の時分割チャネルを含むフレームを一括して変換して、変換されたWDM信号スペクトル列を光ファイバ中に伝搬させ、
前記WDM光分岐回路は、前記光ファイバ中を伝搬したWDM信号スペクトル列を、各時分割チャネルに対応した各波長チャネルに分波し、
前記光逆フーリエ変換装置は、分波された各波長チャネルのスペクトルを、その波長チャネルに対応した時分割チャネルの時間信号波形に変換し、
伝送された光パルスが光ファイバ中でいかなる線形時間歪みを受けてもスペクトルの形状が保存されることから、受信側の各前記光逆フーリエ変換装置の出力で、送信側における時間信号を多重分離して再生するためのOTDM/WDM伝送装置が提供される。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、光フーリエ変換によってあらかじめOTDM信号パルス列の時間波形をWDM信号のスペクトル形状に変換しておくことで、伝送ファイバの線形効果により伝送信号に波形歪みが生じても受信端において光逆フーリエ変換によって伝送信号のスペクトルからもとのOTDM信号を再生することができる。したがって本発明のOTDM/WDM伝送方式を用いることで、光ファイバ伝送路の伝搬特性に依存せず信号の正確な伝送が可能となり、超高速OTDM伝送の実現にあたって大きな障害となっていた線形波形歪みによる信号劣化を完全に(又はほとんど完全に)克服することができる。これにより、波長分散の正確な制御や偏波モード分散の補償を必要としない理想的な無歪み波形伝送が可能となるため、高速OTDM伝送の伝送速度のさらなる向上ならびに伝送距離の延長を図ることができ、実用的・経済的な光ファイバ通信を実現することができる。
【0020】
さらに本発明のOTDM/WDM伝送方法及び装置では、受信信号のスペクトルの分波と光逆フーリエ変換によって等価的にOTDM信号の一括多重分離を実現することができる。このため従来大きな課題であった非線形光学効果の高効率化や制御光と信号光との間のタイミング制御を必要としない高効率かつ実用的なOTDM多重分離を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。
1.OTDM/WDM伝送システム
図1は、OTDM/WDM伝送システムの構成図である。OTDM/WDM伝送システムは、OTDM信号送信器1と、光フーリエ変換装置2と、光逆フーリエ変換装置2’と、光ファイバ伝送路3と、WDM光分岐回路4と、受光器5とを備える。なお、光逆フーリエ変換装置2’及び受光器5は、WDM光分岐回路4により光が分岐される数に応じた適宜の数を備えることができる。ここで、光フーリエ変換装置2は、例えばOTDM信号をWDM信号に変換するための装置であり、光逆フーリエ変換装置2’は、例えばWDM信号をOTDM信号に戻す(又はスペクトルを時間波形に戻す)ための装置である。なお、光フーリエ変換装置2及び光逆フーリエ変換装置2’は、後述する第2の実施の形態に係る光フーリエ変換装置20及び光逆フーリエ変換装置20’でもよい。
【0022】
図2は、OTDM/WDM伝送方式の動作の概要を示す説明図である。図2(a)~(e)はそれぞれ図1中A~Eの各点における時間波形とそのスペクトルの概略を示している。以下、図1及び図2を参照して、本実施の形態の動作の概要を説明する。
【0023】
まずOTDM信号送信器1から出力されるOTDM信号(図2(a))を光フーリエ変換装置2中へ入射する。光フーリエ変換装置2はパルスの時間波形を波長軸上の信号へ変換するものである(図2(b))。OTDM信号送信器1から送信されるOTDM信号パルスがチャープのないフーリエ変換限界パルスであれば光フーリエ変換を最も正確に実行できる。後述するように、OTDM信号を構成するN個(1フレーム)のパルス時間波形を一括してフーリエ変換することによって、光フーリエ変換装置2の出力で中心波長の異なるN個のスペクトルが得られる。ここで、Nは、OTDM多重化数又は時分割チャネル数とすることができる。すなわち光フーリエ変換装置2によってNチャネル(時分割チャネル)のOTDM信号系列(図2(a))がNチャネル(波長チャネル)のWDMスペクトル系列(図2(b))に変換される。
【0024】
光フーリエ変換装置2から出力されたWDM信号は光ファイバ伝送路3に入射される。光ファイバ伝送路3は、任意の分散および偏波モード分散を有する伝送線路である。これらの分散量は時間的な変動を伴ってもよい。ここで、光ファイバ伝送路3にあらゆる線形歪み効果が存在しても波長軸上では伝送信号のスペクトルの位相変化を生じるだけでありスペクトル形状は伝送によって不変であることから、該光ファイバ伝送路3を伝搬した後の該WDM信号(図2(c))のスペクトルの形状は伝送前のWDM信号(図2(b))のスペクトル形状と等しいことに注意する。
【0025】
図2(c)のWDM信号は、WDM光分岐回路4によって各波長チャネルに分波される。該WDM光分岐回路4には例えば単純に多波長光分岐フィルタを用いることができる。図2(d)は、WDM光分岐回路4によりN個の波長チャネルに多重分離されたスペクトルの一つを示している。分波された各スペクトル成分は波長チャネルごとに光逆フーリエ変換装置2’に入力される。
【0026】
光逆フーリエ変換装置2’は波長軸上のスペクトル形状を時間波形(パルス)に変換するものである。例えば、チャネルごとに設置されたN個の該光逆フーリエ変換装置2’によって、OTDM信号送信器1から送信されるOTDM信号の伝送速度に対して、速度が1/Nの低速な時間領域パルス列(すなわち多重分離されたパルス列)が各出力で再現される(図2(e))。ここで伝送後WDM多重分離前のスペクトル形状(図2(c)下段)が伝送前(図2(b)下段)と等しいことから、WDM多重分離後光逆フーリエ変換装置2’の各出力(図2(e))では、送信側におけるOTDM多重化前の各チャネルのパルス時間波形(図2(a)のパルス列を構成する各パルス)が完全に再生されている。
【0027】
光逆フーリエ変換装置2’によって再生された低速光パルスの時間波形は受光器5によって電気信号に変換される。受光器5はパルスの包絡線のみを検出するので、光ファイバ伝送路3における線形効果による位相変化は一切問題とならない。
【0028】
このように、本実施の形態のOTDM/WDM伝送方式では、光ファイバ伝送路3にあらゆる線形歪み効果が存在しても伝送データを受信側で完全に再生することが可能であるということがポイントのひとつである。また本来時間領域で行なう高速OTDM信号の多重分離を光フィルタなどの安価なWDM光分岐回路4を用いて波長領域で容易に実現できるということもポイントのひとつである。
【0029】
2.OTDM/WDM伝送装置の第1の実施の形態
図3に、OTDM信号送信器1および光フーリエ変換装置2の第1の実施の形態の構成図を示す。図3のOTDM信号送信器1は、光パルス光源11と、クロック信号源12と、光変調器13と、OTDM多重化装置14と、データ入力端子15を有する。
【0030】
光パルス光源11はクロック信号源12から供給される波長で動作する基本繰り返し周波数R[Hz]の光パルス光源である。クロック信号源12は、周波数R[Hz]のクロック信号を発生し、例えば、光パルス光源11、光変調器13、OTDM多重化装置14、及び、光フーリエ変換装置2の位相シフタ25にクロックを出力する。光変調器13は、光パルス光源11からの該光パルス列を、データ入力端子15から入力される送信データに従い、伝送速度R[bit/s]の光パルス信号列にデータ変調する光変調器であり、クロック信号源12から供給されるクロックで駆動される。OTDM多重化装置14は、伝送速度R[bit/s]のNチャネルの光パルス信号列を時分割多重化し伝送速度をN倍にする(多重化数Nで光時分割多重化する)装置であり、クロック信号源12から供給されるクロックで駆動される。例えば、OTDM多重化装置14には、光変調器13によりデータ変調されたNチャネルの光パルス信号列が入力される。なお同図で、実線および破線はそれぞれ光パルスおよび電気信号の経路を表している。
【0031】
図10は、変調器13の構成例を示す図である。変調器13は、送信データをバッファして光パルスを送信データに従い変調する、時分割チャネル分の複数の変調素子(回路)13-i(i=1~N)を備える。多重化数N=4の場合、変調器13は、データ入力端子15からチャネル1~4の4チャネルの送信データを入力し、入力されたデータに従い、伝送速度Rで4チャネルの光パルス信号列に変調する。
【0032】
図8は、OTDM信号送信器による時分割多重化の例を示す図である。ここでは、一例として4チャネルを多重化する場合(N=4)について説明する。
【0033】
光変調器13により変調されたチャネル1(ch.1)~チャネル4(ch.4)の4チャネルの信号のデータ(光パルス列)は、OTDM多重化装置14に入力される。OTDM多重化装置14は、図示のように、1フレーム内に各チャネルのデータを1ビットずつ含むように時分割多重化する。OTDM多重化装置14の出力は、光フーリエ変換装置2の入力端子21に入力され、後述のようなNビットを有する1フレーム(この例ではN=4ビット)が一括してフーリエ変換されて、ch.1~ch.4に対応した4チャネルのWDM信号スペクトル系列に変換される。
【0034】
図3の光フーリエ変換装置2は、入力端子21と、光サーキュレータ23および23’と、位相シフタ25と、分散要素26と、位相変調器27と、出力端子28と、電気増幅器29とを有する。
【0035】
入力端子21には光サーキュレータ23のポート23aが接続される。光サーキュレータ23のポート23aには、ポート23b、分散要素26および光サーキュレータ23’のポート23’bを介してポート23’aが接続される。光サーキュレータ23’のポート23’aとポート23’cとは位相変調器27を介してループ状に接続される。光サーキュレータ23のポート23bはポート23cを介して出力端子28に接続される。
【0036】
位相変調器27はOTDM信号パルス列の基本繰り返し周波数Rに同期した位相変調をパルスに印加するために、OTDM信号送信器1中のクロック信号源12から供給される基本繰り返し周波数Rのクロックを駆動周波数として用いる。すなわちクロック信号源12を位相シフタ25および電気増幅器29を介して位相変調器27の駆動回路に接続する。このように、本実施の形態では位相変調器27の駆動周波数を、例えばOTDM信号パルス列の繰り返し周波数の1/N倍(N:OTDM多重化数)に選ぶ。なお、1/N倍に選ぶ以外にも、1/n(n:多重化数N以外の任意の整数)としてもよい。このためには、必要に応じて、適切な逓倍器もしくは分周器等を電気増幅器25と位相変調器27との間に挿入したり省略したりすればよい。
【0037】
位相変調器27としては、例えば、LiNbOなどの電気光学効果を用いた位相変調器が好適に用いられる。位相変調器27は、あるいはEA(Electro-Absorption)やSOA(Semiconductor Optical Amplifier)などにおける位相変調効果を用いてもよい。位相変調器27には一般に偏波依存性のあるものが多いが、無偏波形の光デバイスあるいは偏波ダイバーシティーによる方法を採用して無偏波化を図ってもよい。
【0038】
ここで位相シフタ25は位相変調がパルス列に最適に同期して印加されるように機能する。例えば変調のタイミングが温度などによりずれる場合には、位相シフタ25が自動的に位相シフト量を調整し、最適な変調を印加する技術を用いることができる。(参考文献1:特願2003-23973「光伝送方法および光伝送装置」、参考文献2:特願2003-109708「光パルス圧縮器および光関数発生器、光パルス圧縮方法および光関数発生方法」参照)。また、電気増幅器29は、位相シフタ25の出力により位相変調器27を駆動するための駆動信号を出力する。
【0039】
分散要素26としては、例えば、1.3μmの波長帯域付近に零分散領域が存在する群速度分散特性を有するような単一モード光ファイバあるいは回折格子対、ファイバブラッググレーティング等を用いることができる。
【0040】
図9は、光フーリエ変換装置2によりOTDM信号からWDM信号へ変換する説明図である。
例えば、4チャネルのOTDM信号に対して、1フレーム(4ビット)を一括して光フーリエ変換する場合について説明する。このとき、位相変調器27に印加される位相変調特性は、4個のOTDM信号パルスを含む時間幅になる(図9(a))。なお、図中、「0」のデータに対応するパルスは、便宜上小さなパルスで表しているが、パルスがなくてもよい。
【0041】
図9(b)に、各フレームに対応する時間における周波数スペクトルを模式的に示す。光フーリエ変換装置2の出力は、OTDM信号の時分割チャネルch.1~4に対応した波長チャネルを有するスペクトル列になる。例えば、図9(a)のOTDM信号のフレーム1を光フーリエ変換すると、フレーム1の各チャネルのパルスに対応したスペクトルが現れる。次に、OTDM信号のフレーム2を光フーリエ変換すると、フレーム2に相当する時間では、図示のようにフレーム2に含まれる各パルスに対応したスペクトルが現れる。ここで、フレーム1、2、3・・・の各時分割チャネルに対応する波長チャネルのスペクトルは、同じ波長に現れる。受光側ではWDM光分岐回路4によりスペクトルを各波長チャネルに分離することができる。
【0042】
なお、図2及び図9の時間波形は、横軸が時間軸(右方向が+)であり、例えば図2(a)及び図9(a)の光パルス波形は、左側のパルスから順に光フーリエ変換装置2に入力される。変換されたWDMスペクトル系列の各波長チャネルは、OTDM信号系列の各時分割チャネルに対応している。
【0043】
図5に、波長軸上のスペクトル形状を時間波形(パルス)に変換する光逆フーリエ変換装置2’の第1の実施の形態の構成図を示す。光逆フーリエ変換装置2’は、入力端子21と、光カップラ22と、光サーキュレータ23および23’と、クロック信号再生回路24と、位相シフタ25と、分散要素26と、位相変調器27と、出力端子28と、電気増幅器29とを有する。図3と同符号の装置・手段はそれぞれ、上述と同様の構成・機能を用いることができ、詳細な説明を省略する。図5に示す光逆フーリエ変換装置2’は図3に示す光フーリエ変換装置2において、入力端子21に光カップラ22を接続し、一方の出力を光サーキュレータ23のポート23aに、もう一方の出力をクロック信号再生回路24、位相シフタ25および電気増幅器29を介して位相変調器27の駆動回路に接続したものである。なお同図で、実線および破線はそれぞれ光パルスおよび電気信号の経路を表している。
【0044】
クロック信号再生回路24は、位相変調器27において信号パルス列に同期した位相変調をパルスに印加するための回路である。すなわち、入力した該信号パルス列の一部を光カップラ22により分岐してクロック信号再生回路24に入力し、この回路によりクロック信号(正弦波信号)を抽出し、得られたクロック周波数で該位相変調器27を駆動する。電気増幅器29は位相変調器27の駆動用である。なお、クロック信号再生回路24が入力する信号パルス列は、WDM光分岐回路4により各波長チャネル(例えばN個のチャネル)に分波されたひとつのチャネルの信号パルス列であり、これにより得られるクロック周波数は、例えばOTDM信号の繰り返し周波数の1/Nである。すなわち、伝送速度NRのOTDM信号に対して、光逆フーリエ変換装置2’は繰り返し周波数Rで動作する。
【0045】
送信側で用いた光フーリエ変換に対応する光逆フーリエ変換は、光逆フーリエ変換装置2’の分散要素26の分散量D’の符号を、光フーリエ変換装置2に用いた分散要素26の分散量Dと逆符号となるように(D’=-Dに)選ぶことで実現できる。このとき光逆フーリエ変換装置2’における位相変調器27のチャープK’の符号も、光フーリエ変換装置2に用いた位相変調器27のチャープKと逆符号となるように(すなわちK’=-Kに)選ぶ。なお、位相変調器27のチャープは、例えば位相変調器27に印加する電圧の位相を反転することによって逆符号にすることができる(例えば、参考文献3:特願2003-181964「OTDM伝送方法及び装置」参照)。
【0046】
(動作原理)
次に、図3中の光フーリエ変換装置2によってパルスの時間波形が周波数軸上の信号へ変換される原理を説明する。OTDM信号送信器1によって生成されたOTDM信号をu(t)、その周波数スペクトルをU(ω)とする。時間信号u(t)とその周波数スペクトルU(ω)は
【0047】
【数1】
JP0004252470B2_000002t.gif

【0048】
で関係づけられている。該OTDM信号が光フーリエ変換装置2の入力端子21から入射し、光サーキュレータ23のポート23a、23bを介して分散要素26を通過した後の信号の時間波形u(t)は
【0049】
【数2】
JP0004252470B2_000003t.gif

【0050】
となる。ここでDは分散要素26の分散量であり、二次分散k”、長さLの光ファイバで構成されているとするとD=k”Lである。すなわちこの作用により次の光フーリエ変換によって生じる位相の時間的変化(チャープ)をあらかじめ補償しておく。
次に光サーキュレータ23’のポート23’b、23’aを介して位相変調器27を通過した後の信号の時間波形u(t)は
【0051】
【数3】
JP0004252470B2_000004t.gif

【0052】
と表される。ここでKは位相変調器27のチャープ率である。さらに光サーキュレータ23’のポート23’c、23’bを介して再び分散要素26を通過し光サーキュレータ23のポート23b、23cを介して出力端子28で得られる信号の時間波形v(t)は次式で与えられる。
【0053】
【数4】
JP0004252470B2_000005t.gif

【0054】
ここで位相変調器27のチャープ率をK=1/Dに選ぶと次式を得る。
【0055】
【数5】
JP0004252470B2_000006t.gif

【0056】
したがって光フーリエ変換装置2を通った後の出力端子28における信号の時間波形v(t)は、式(5)からわかるように、入力端子21におけるもとのOTDM信号のスペクトル形状U(t/D)に対応している。このとき出力端子28における信号の周波数スペクトルV(ω)は式(5)より
【0057】
【数6】
JP0004252470B2_000007t.gif

【0058】
と表される。ここで
【0059】
【数7】
JP0004252470B2_000008t.gif

【0060】
を用いた。ただし、δ(Ω)はデルタ関数で、Ω=0のときに1、それ以外のときに0の値をとる関数である。
【0061】
したがって出力端子28における信号の周波数スペクトルV(ω)は、式(6)より、入力端子21におけるもとのOTDM信号の時間波形u(-Dω)に対応している。
【0062】
ここで本発明の重要なポイントのひとつとして、位相変調器27の駆動周波数をOTDM信号パルス列の繰り返し周波数の1/n倍(nは任意の整数)に選び光フーリエ変換装置2によってn個のパルス時間波形を一括してフーリエ変換すると、出力端子28では中心波長の異なるn個のスペクトルが得られる点に注意する。本実施の形態では、例えば整数nはOTDM多重化数Nで与えられることとし、光フーリエ変換装置2における位相変調器27は上述のようにOTDM信号の基本繰り返し周波数Rで動作している。
【0063】
もとのOTDM信号u(t)のパルス間隔をΔt(伝送速度B=1/Δt)とすると、N個のパルス列の光フーリエ変換に必要な位相変調器の駆動周波数はf=1/(NΔt)で与えられ、光フーリエ変換された信号のスペクトルV(ω)はV(ω)∝u(-Dω)(式(6))より周波数間隔Δω=Δt/D(すなわち波長間隔Δλ=(λ/2πc)Δω=(λ/2πcD)Δt)のN個のスペクトル列となる(cは光速)。このようにして光フーリエ変換によってNチャネルのOTDM信号系列はNチャネルのWDMスペクトル系列に変換される。このとき出力端子28における時間信号波形v(t)は式(5)よりもとのOTDM信号のスペクトル形状U(t/D)で与えられる。N個のパルス列(パルス間隔Δt)のスペクトルはf=1/Δtとその整数倍の周波数にピークをもつ形状であるので、v(t)はt=D(2πf)=2πD/Δtとその整数倍の時間位置にピークをもつ波形で与えられる。
【0064】
このようにOTDM信号パルス列の繰り返し周波数の1/N倍の低速な位相変調器によって光フーリエ変換を実現できるということは、本伝送方式の実現を容易にするうえで極めて有用な特徴である。 ここで、図1のAにおけるN個のパルスを有するOTDM信号の時間波形(図2(a))を
【0065】
【数8】
JP0004252470B2_000009t.gif

【0066】
とおく。ここで
【0067】
【数9】
JP0004252470B2_000010t.gif

【0068】
は位相変調特性のピークから時間Tだけ離れた位置に中心をもつパルスである(i=1~N、以下同じ)。また、u(t)は各光時分割チャネルに対応するパルスである。このとき光フーリエ変換装置2の出力(図1のBにおける信号、図2(b))の時間波形は
【0069】
【数10】
JP0004252470B2_000011t.gif

【0070】
で与えられ、その周波数スペクトルは
【0071】
【数11】
JP0004252470B2_000012t.gif

【0072】
となる。ここで、ωは、u(t)が位相変調特性のピークからTだけ離れた位置にピークを持つことによる周波数のずれを表し、V(ω)は次式のように表すこともできる。
【0073】
【数12】
JP0004252470B2_000013t.gif

【0074】
また、これはu(t-T)を光フーリエ変換したものを表し、次式のように表すこともできる。
【0075】
【数13】
JP0004252470B2_000014t.gif

【0076】
光ファイバ伝送路3を伝搬した後のWDM信号(図1のCにおける信号、図2(c))は、
Q(ω)=Q(ω)+Q(ω)+・・・+Q(ω)
で与えられる。
【0077】
光ファイバ伝送路3の線形効果によって伝送信号のスペクトルに生じる位相変化をφ(ω)とする。光ファイバ伝送路3により伝送されたNチャネルのWDM信号のi番目のチャネルのスペクトル(すなわち図1のDにおける信号のスペクトル、図2(d)に相当)Q(ω)は伝送前の該チャネルのスペクトルV(ω)と
【0078】
【数14】
JP0004252470B2_000015t.gif

【0079】
で関係づけられる。
【0080】
また、時間信号は例えば、
q(t)=q(t)+q(t)+・・・+q(t)
と表すことができる。ここで、q(t)は、Q(ω)に対応する時間信号である。時間信号は、光ファイバ伝送路3により波形歪みを受けており、q(t)(i=1~N)は互いに重なり合うことがある。
【0081】
つぎに、光逆フーリエ変換装置2’によって周波数軸上のスペクトル形状が時間波形へ変換される原理を説明する。
【0082】
WDM信号は、WDM光分岐回路4によって各波長チャネルに分岐され、i番目のチャネルに対応した光逆フーリエ変換装置2’にQ(ω)(図1のDの信号、図2(d))が入力される。また、光逆フーリエ変換装置2’の出力(図1のE、図2(e))における時間波形r(t)は、分散要素D’=-D、チャ-プ率K’=-Kとして、式(5)、(13)、(14)から、
【0083】
【数15】
JP0004252470B2_000016t.gif

【0084】
と表される。したがって光逆フーリエ変換されたi番目のチャネルの信号の時間波形r(t)は、r(t)∝u(t)となり、位相変化φ(-t/D)を除いて光ファイバ伝送路3における時間歪みが完全に除去されたi番目の信号(図1のEにおける信号、図2(e))が受光器5で得られる。
【0085】
上述のように、光ファイバ伝送路3中を伝搬する光パルスは、該光ファイバ伝送路の有する分散ならびに偏波モード分散によって複雑な線形波形歪みを受ける。特に超高速OTDM伝送においては超短パルスが光信号に用いられるため、分散や偏波モード分散といった線形効果による信号波形の歪みが伝送性能を決定する。しかし光ファイバの線形効果は波長軸上では伝送信号のスペクトルの位相変化を生じるだけであり、スペクトルの包絡線形状(スペクトル波形)は一切変形されない。したがって該光ファイバ伝送路に入射する前にOTDM信号の時間波形を光フーリエ変換装置2によって、この光フーリエ変換装置2の出力信号のスペクトル形状に変換しておき、その出力信号を伝送信号として光ファイバ伝送路3中を伝搬させることで、光ファイバ伝送路3の任意の地点でスペクトルから光逆フーリエ変換装置2’による光逆フーリエ変換によってもとの信号時間波形を正確に再現することができる。受光器5はパルスの包絡線のみを検出するので、線形効果による位相変化は一切問題とならない。
【0086】
3.OTDM伝送装置の第2の実施の形態
なお図3中の光フーリエ変換装置2及び図5中の光逆フーリエ変換装置2’において、分散要素26と位相変調器27を入れ替えることによっても同様の光フーリエ変換を実現することができる(参考文献2参照)。
【0087】
図4に、OTDM信号送信器1および光フーリエ変換装置の第2の実施の形態の構成図を示す。OTDM信号送信器1は、前述の第1の実施の形態と同様である。
【0088】
光フーリエ変換装置20は、入力端子21、光サーキュレータ23および23’、位相シフタ25、分散要素26、位相変調器27、出力端子28、電気増幅器29及び光遅延素子30を備える。光フーリエ変換装置20は、図3の光フーリエ変換装置2における分散要素26と位相変調器27を入れ替えたものであり、図3と同符号のものは上述と同様であり、その説明を省略する。
【0089】
この場合にはポート23bから該位相変調器27に入射するパルス列に対しては、クロック信号源12から位相シフタ25および電気増幅器29を介して供給されるクロック信号に従って該位相変調器27を駆動し、OTDM信号系列のパルスのピークが位相変調特性のタイミングに同期するよう位相変調を該パルスに印加する。それと同時に、ポート23’bから該位相変調器に入射するパルス列に対してもパルスのピークが位相変調特性のタイミングに同期するよう、分散要素26の後に光遅延素子30を挿入し適切な時間遅延を与えておく。
【0090】
入力端子21を介して入力された光パルス(OTDM信号)は、光サーキュレータ23のポート23aからポート23bを介して位相変調器27に入力され、クロック信号に従ったタイミングで駆動する位相変調器27によって光パルスに線形チャープが与えられる。すなわち該光パルスの各時間位置に異なる周波数シフトが割り当てられる。チャープを受けた該光パルスは光サーキュレータ23’のポート23’bおよび23’aを介して分散要素26を通過する。このとき該光パルスの時間波形には上記周波数シフトに応じた時間遅延が与えられ、時間軸上で異なる周波数成分が分別される。第1の実施の形態と同様に、位相変調器27のチャープ率Kに対して分散要素26の分散量DをD=1/Kに選ぶことによって、時間波形u(t)のフーリエ変換像U(ω)が時間軸上で生成される。
【0091】
図6は、光逆フーリエ変換装置の第2の実施の形態の構成図である。この光逆フーリエ変換装置20’は、図5中の光逆フーリエ変換装置2’において分散要素26と位相変調器27を入れ替え、さらに光サーキュレータ23’のポート23’aとポート23’cを結ぶループにおいて分散要素26のあとに光遅延素子30を挿入したものである。位相変調器27には図4と同様、光カップラ22からクロック信号抽出回路24により再生されたクロック信号が、位相シフタ25、電気増幅器29を介して位相変調器27に供給されている。なお、図5と同符号の装置・手段は、それぞれ同様の構成・機能を有する。
【0092】
送信側で用いた光フーリエ変換に対応する光逆フーリエ変換は、光逆フーリエ変換装置20’の分散要素D’の符号を、光フーリエ変換装置20に用いた分散要素Dと逆符号となるように(D’=-Dに)選ぶことで実現できる。このとき光逆フーリエ変換装置20’における位相変調器のチャープK’の符号も、光フーリエ変換装置20に用いた位相変調器のチャープKと逆符号となるように(すなわちK’=-Kに)選ぶ。
【0093】
つぎに、第2の実施の形態におけるOTDM伝送の動作の概要を、図1、図4及び図6を用いて説明する。
【0094】
(動作原理)
まず、光フーリエ変換装置20の動作について説明する。
OTDM信号送信器1によって生成されたOTDM信号u(t)と出力パルス波形v(t)の関係は以下のようにして求められる。u(t)が光フーリエ変換装置20の入力端子21から入射し、光サーキュレータ23のポート23a、23bを介して位相変調器27を通過して位相変調を受けた後の時間信号u(t)は
【0095】
【数16】
JP0004252470B2_000017t.gif

【0096】
で与えられる。このパルスが光サーキュレータ23’のポート23’b、23’aを介して分散要素26を通過した後のパルス波形u(t)はu(t)を用いて、
【0097】
【数17】
JP0004252470B2_000018t.gif

【0098】
と表される。式(16)より式(17)は入力パルス波形u(t)を用いて
【0099】
【数18】
JP0004252470B2_000019t.gif

【0100】
と表される。ここで分散要素26の分散量DをD=1/Kに選ぶと、式(18)は
【0101】
【数19】
JP0004252470B2_000020t.gif

【0102】
と書くことができる。ただしU(ω)[ω=t/D]はu(t)のスペクトル(式(1))である。上式における残留チャープexp(-iKt/2)は、位相変調器27によって上述の位相変調と同じ大きさの位相変調exp(iKt/2)を再度印加することで取り除くことができる。パルス列は再び位相変調器27に入射するため、予め光遅延素子30によって適当な時間遅延を与えられる。遅延量はパルスのピークが位相変調器27の位相変調特性のタイミングと同期するように設定する。このようにして残留チャープが完全に補償された光パルス
【0103】
【数20】
JP0004252470B2_000021t.gif

【0104】
は、光サーキュレータ23のポート23b、23cおよび出力端子28を介して外部に出力される。このとき出力端子28における信号の周波数スペクトルV(ω)は式(6)と同様にして、
【0105】
【数21】
JP0004252470B2_000022t.gif
となる。
【0106】
よって、第1の実施の形態と同様の時間波形及びスペクトルを得ることができる。得られた信号列を光ファイバ伝送路3を通過させ、第1の実施の形態と同様に波長分離し、光逆フーリエ変換すれば、光ファイバ伝送路3における時間歪みが除去された信号が各受光器5で受光できる。なお、iチャネルに対応するOTDM信号の時間波形、光フーリエ変換装置2の出力の時間波形及びスペクトル、光ファイバ伝送路3通過後の時間波形及びスペクトルは、上述の第1の実施の形態と同様に、それぞれu(t)、v(t)、V(ω)、q(t)、Q(ω)と書くことができる。
【0107】
つぎに、第2の実施の形態における光逆フーリエ変換装置20’の動作について説明する。
光ファイバ伝送路3から伝送され、WDM光分岐回路4によって分岐されたi番目のチャネルのスペクトルをQ(ω)、光逆フーリエ変換装置20’の出力の時間波形をr(t)、スペクトルをR(ω)とする。Q(ω)は光ファイバ伝送路3を伝送前のiチャネルの信号スペクトルV(ω)と
【0108】
【数22】
JP0004252470B2_000023t.gif

【0109】
で関係づけられる。ここでφ(ω)は光ファイバ伝送路3の線形効果によって伝送信号のスペクトルに生じる位相変化である。
【0110】
分散要素D’=-D、チャ-プ率K’=-Kとして、位相変調器27、分散要素26を通過し、さらに位相変調器27を通過した信号(出力端子28における信号)は、式(20)と同様にして、
【0111】
【数23】
JP0004252470B2_000024t.gif

【0112】
と表される。さらに、式(21)を代入して、
【0113】
【数24】
JP0004252470B2_000025t.gif

【0114】
を得る。したがって光逆フーリエ変換された信号の時間波形r(t)は、r(t)∝u(t)となり、位相変化φ(-t/D)を除いて光ファイバ伝送路3による時間歪みを完全に除去することができる。
【0115】
なお、光フーリエ変換装置と光逆フーリエ変換装置の組み合わせは、上述の実施の形態に示す組み合わせ以外にも、例えば、光フーリエ変換装置2と光逆フーリエ変換装置20’、光フーリエ変換装置20と光逆フーリエ変換装置2’など適宜の組み合わせとすることもできる。
【0116】
4.数値計算例
図7に、本発明の実施の形態に基づくOTDM/WDM伝送方法及び装置の数値計算例を示す。光ファイバ伝送路3には二次分散-1.2ps/nm/km、三次分散0.07ps/nm/km、非線形係数n=2.3×10-20/W、実効コア断面積Aeff=50μm、損失0.2dB/kmを有する光ファイバを用い、光増幅器を50km間隔に挿入している。増幅器で発生する自然放出雑音はここでは考慮していない。また該光ファイバ伝送路3の受信側には、WDM光分岐回路4の前に、伝送路全体の平均分散が0.01ps/nm/kmになるよう分散値16.5ps/nm/kmをもつ適切な長さの光ファイバを挿入し該光ファイバ伝送路3の累積分散を補償している。伝送前のOTDM信号の伝送速度は160Gbit/sで、各ビットは、ピークパワー1.64mW、パルス幅TFWHM=2.5psのガウス型パルスu(t)=Aexp(-t/2T)、T=TFWHM/1.665である。
【0117】
光フーリエ変換装置2および光逆フーリエ変換装置2’における位相変調器27は理想的な二乗位相変調特性を有するとし、駆動周波数はOTDMのクロック周波数160GHzの1/4倍(40GHz)としている。すなわち4ビットを一ブロック(1フレーム)として一括して光フーリエ変換している。また光フーリエ変換装置2における分散要素17の分散量はD=9.95psとしている。したがって位相変調器27のチャープ率の大きさはK=1/D=0.1ps-2に設定する。このときビット間隔Δt=6.25psの4ビットパルス列はチャネル間隔0.8nm(Δf=100GHz)の4チャネルWDMスペクトル列に変換される。また、このとき光逆フーリエ変換装置2’における分散要素の分散量はD’=-D=-9.95psである。
【0118】
図7(a)および(b)はそれぞれ、OTDM信号送信器1で生成され光フーリエ変換装置2に入力するOTDM信号の時間波形、該光フーリエ変換装置2から出力される信号のスペクトルを示している。また図7(a)においてグラフ上部の細線は位相変調器27の位相変調特性を表している。OTDM信号が4ビットを時間ブロック単位として4チャネルのWDM信号(4×40Gbit/sに相当)に変換されていることがわかる。
【0119】
図7(b)は、図7(a)に示している32ブロックの時間波形をブロック毎に一括して光フーリエ変換した例である。ここで、図7(a)の各ブロックの中のi番目の信号は図7(b)のチャネルi(Ch.i)に現れていることに注意する。1ブロックごとに信号のスペクトルを見ると図2(b)の下段にあるような変換前のOTDM信号の時間波形に対応したスペクトルが得られるが、32ブロック全体の信号に対するスペクトルは各ブロックのビットパターンに応じて図7(b)のような複雑なスペクトルとなる。すなわち、光フーリエ変換後のスペクトルには、OTDM信号のビットパターンが反映されることを示している。各ブロックのi番目の信号はチャネルiの中心周波数に現れるが、ブロック毎の時間のずれにより図示のように中心周波数から広がったスペクトルになっている。
【0120】
図7(c)は光ファイバ伝送路3を500km伝搬後WDM光分岐回路4によってチャネル2に相当する波長を分波し光逆フーリエ変換により40Gbit/sにOTDM多重分離された時間信号波形を示している。この結果から、光ファイバ伝送路3における線形波形歪みが補償された40Gbit/sの信号(各ブロックのi番目のパルス列)が受信側で再生され、超高速OTDM信号の無歪み伝送ならびに多重分離が同時に実現できていることがわかる。変換後のパルスの強度にわずかな差が見られるが、これはフーリエ変換の有効時間幅から伝送後のデータがはみ出た場合に発生するものである。また、振幅の小さい雑音的なものがはみ出したことによる残留成分である。なお本実施形態と同じ条件で従来のOTDM伝送を行なった場合には伝送距離は約100kmとなり、本方式に比べて最大伝送距離が大幅に短い。このことからも本発明の有用性が大きいことがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0121】
光パルスを用いた超短パルス伝送およびOTDM多重分離技術として利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0122】
【図1】本発明のOTDM/WDM伝送システムの実施の形態を示す模式図である。
【図2】図1中のA~Eの各部分における光パルスの時間波形およびスペクトルの概略を示す図である。
【図3】図1中のOTDM信号送信器1および光フーリエ変換装置2の構成の一例(第1の実施の形態)を示す模式図である。
【図4】図1中のOTDM信号送信器1および光フーリエ変換装置2の構成の他の一例(第2の実施の形態)を示す模式図である。
【図5】図1中の光逆フーリエ変換装置2’の構成の一例(第1の実施の形態)を示す模式図である。
【図6】図1中の光逆フーリエ変換装置2’の構成の他の例(第2の実施の形態)を示す模式図である。
【図7】図1中の光フーリエ変換装置2の入力におけるOTDM信号の時間波形(a)、該フーリエ変換装置の出力における信号のスペクトル(b)、ならびに図1中の光ファイバ伝送路3を500km伝搬しWDM多重分離装置4および光フーリエ変換装置2’を通過後の信号時間波形(c)を示す図である。
【図8】OTDM信号送信器による時分割多重化の例を示す図。
【図9】OTDM信号からWDM信号へ変換する説明図。
【図10】変調器13の構成例を示す図。
【符号の説明】
【0123】
1 OTDM信号送信器
2 光フーリエ変換装置
2’ 光逆フーリエ変換装置
3 光ファイバ伝送路
4 WDM光分岐回路
5 受光器
11 光パルス光源
12 クロック信号源
13 光変調器
14 OTDM多重化装置
15 データ入力端子
21 入力端子
22 光カップラ
23、23’ 光サーキュレータ
24 クロック信号再生回路
25 位相シフタ
26 分散要素
27 位相変調器
28 出力端子
29 電気増幅器
30 光遅延素子
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9