TOP > 国内特許検索 > 側鎖にπ共役基を有する新規ポリエステル及びこのポリエステルを用いた電荷移動錯体含有組成物、並びに該組成物を用いた電荷輸送材料 > 明細書

明細書 :側鎖にπ共役基を有する新規ポリエステル及びこのポリエステルを用いた電荷移動錯体含有組成物、並びに該組成物を用いた電荷輸送材料

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4173482号 (P4173482)
登録日 平成20年8月22日(2008.8.22)
発行日 平成20年10月29日(2008.10.29)
発明の名称または考案の名称 側鎖にπ共役基を有する新規ポリエステル及びこのポリエステルを用いた電荷移動錯体含有組成物、並びに該組成物を用いた電荷輸送材料
国際特許分類 C08G  63/06        (2006.01)
C08L  67/04        (2006.01)
C08K   5/00        (2006.01)
G03G   5/07        (2006.01)
C09K  11/06        (2006.01)
FI C08G 63/06
C08L 67/04
C08K 5/00
G03G 5/07 103
C09K 11/06 680
請求項の数または発明の数 5
全頁数 9
出願番号 特願2004-503528 (P2004-503528)
出願日 平成15年5月7日(2003.5.7)
国際出願番号 PCT/JP2003/005727
国際公開番号 WO2003/095519
国際公開日 平成15年11月20日(2003.11.20)
優先権出願番号 2002132598
優先日 平成14年5月8日(2002.5.8)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成17年4月21日(2005.4.21)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】中野 環
個別代理人の代理人 【識別番号】100087631、【弁理士】、【氏名又は名称】滝田 清暉
審査官 【審査官】藤本 保
参考文献・文献 特許第3890436(JP,B2)
特表平11-510535(JP,A)
特開2004-002610(JP,A)
特開2000-143786(JP,A)
調査した分野 C08G63/06
C08L67/04
C08K5/00-13/08
C09K11/06
G03G5/07
特許請求の範囲 【請求項1】
下記構造式1で表されることを特徴とするポリエステル;但し、式中のR、無し(直接結合)又はC2n-、nは以上の整数、mは2以上の整数である。
JP0004173482B2_000006t.gif 尚、上記構造式において、Arはフェニル基を表し~Rは水素原子、電子供与性基又は電子吸引性基、R20及びR21は水素原子又はアルキル基、芳香族基、-CN、エステル基であるが、Rが直接結合である場合には無し、Xは-(CH)-、又は無し(直接結合)である。
【請求項2】
前記ポリエステルの分子量が、数平均分子量で400~100万である、請求項1に記載されたポリエステル。
【請求項3】
前記Xが直接結合であって、ポリエステル中のフルオレン残基間の距離が4~20Åである、請求項2に記載されたポリエステル。
【請求項4】
請求項1~3の何れかに記載されたポリエステルに電子受容性化合物又は電子供与性化合物を添加し、該電子受容性化合物又は電子供与性化合物と前記ポリエステルとの間で電荷移動錯体を形成させてなることを特徴とする、電荷移動錯体含有組成物。
【請求項5】
請求項4に記載された組成物を用いてなることを特徴とする電荷輸送材料。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、側鎖にフルオレン残基等のπ共役基を有する新規な高分子化合物に関し、特に、電子受容性化合物、または、電子供与性化合物と電荷移動錯体を形成し得る新規な高分子化合物、及び、電子受容性化合物、または、電子供与性化合物を添加してなる電荷移動錯体含有組成物、並びに該組成物を用いた電荷輸送材料に関する。
【背景技術】
【0002】
特開2000-319366号公報にあるように、フルオレン残基を持つポリエステルは既に知られている。このポリエステルは、耐熱性及び透明性に優れると共に屈折率が高く、複屈折率及び吸水性が低い為に、光学機器用材料として好適である。しかしながら、フルオレン残基同士の重なりがほとんどないため、π共役電子の特性を利用した電気特性を発現させることは困難であった。
【0003】
また、ポリアセチレンやポリフルオレンのようなπ共役基を持つ高分子材料に電子受容性化合物、または電子供与性化合物を添加することにより電荷輸送性を示す材料が得られることは既に知られている。しかしながら、これらの材料の場合には水分や酸素等によって劣化するため、電荷輸送性を示す材料としての安定性に問題があった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明者がパイ共役電子の特性によって特殊な電気特性を発現することの出来る高分子化合物について鋭意検討した結果、フルオレン残基等のπ共役基を側鎖に有するポリエステルが特異な電気特性を発現する上、適当な電子受容性化合物又は電子供与性化合物と安定性に優れた電荷移動錯体を形成することを見出し本発明に到達した。
従って本発明の第1の目的は、π共役電子を有するポリエステルであって、該π共役電子の特性によって特異な電気特性を発現するポリエステルを提供することにある。
本発明の第2の目的は、電子受容性化合物又は電子供与性化合物と安定な電荷移動錯体を形成した組成物、及び該組成物を用いた電荷輸送材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の上記の諸目的は、下記構造式1で表されることを特徴とするポリエステルによって達成された。但し、式中のR、無し(直接結合)又はC2n-2、nは以上の整数、mは2以上の整数である。
JP0004173482B2_000002t.gifJP0004173482B2_000003t.gif 尚、上記構造式において、Arはフェニル基を表し~Rは水素原子、電子供与性基又は電子吸引性基、R20及びR21は水素原子又はアルキル基、芳香族基、-CN、エステル基であるが、Rが直接結合である場合には無し、Xは-(CH)-、又は無し(直接結合)である。
本発明においては、特にRがないこと、つまり重合単位の末端となっていることが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
構造式1におけるXは、-(CH)-又は無し(直接結合)である
【0007】
本発明の上記構造式1における電子供与性基とは、その置換基を導入することにより、フルオレン残基の電子密度が上がりフルオレン残基の電子ドナー性を強める官能基のことである。このような電子供与性基とは、例えば、-F、-Cl、-Br、-I、-OH、-OR、-O(C=O)R、-NR1011、-SR、-SH、及びアルキル基などが挙げられるが、これらの中でも特に、-C11、-t-C、-NR1011が好ましい。但し、R、R10及びR11は、H、芳香族基又はアルキル基、好ましくは、芳香族基又はアルキル基である。R20、R21としては、特に水素原子、アルキル基、芳香族基、-CN、エステル基が好ましい。
【0008】
一方、電子吸引性基とは、その置換基を導入することによってフルオレン残基の電子密度が下がり、これによってフルオレン残基の電子アクセプター性を強める官能基のことである。このような電子吸引性基としては、例えば-C≡N、
-(C=O)R、-SO-、-NO、フェニル基、-COOH、-COOR等が挙げられるが、特に-C≡N及び-NOが好ましい。
【0009】
上記のような電子吸引性基や電子供与性基をポリマーに持たせることにより、後述する電子供与性化合物や電子受容性化合物を添加した場合に、より安定な電荷移動型組成物となる。
【0010】
~Rの好ましい組み合わせは、(1)~Rの全てがHである場合;(2)及びRがNR1011(R10及びR11は、H、アルキル基、又は芳香族基)で、R、R~R及びRがHである場合;(3)及びRがNHで、R、R~R及びRがHである場合;(4)及びRが-N(Cで、R、R~R及びRがHである場合;(5)及びR並びにRがNOで、R、R、R、R及びRがHである場合;(6)及びRがNOで、R、R~R及びRがHである場合;(7)、R及びRがCNで、R、R、R、R及びRがHである場合;及び(8)及びRがCNで、R、R~R及びRがHである場合である。
【0011】
上記された電子受容性化合物とは、構造式1のポリマーより電子親和力の強い化合物のことであり、例えば、下記のようなハロゲン類、ルイス酸、プロトン酸、遷移金属ハロゲン等を挙げることが出来る。
【0012】
ハロゲン類:I、Br、Cl、ICl、ICl、IBr、IF
ルイス酸:BF、PF、AsF、SbF、SO、BBr
BF、PF、AsF、SbF、ClO
プロトン酸:HNO、HSO、HClO、HF、HCl、FSOH、
CFSO
遷移金属ハロゲン:FeCl、MoCl、WCl、SnCl、MoF
FeOCl、RuF、TaBr、SnI、LnCl(LnはLa、Ce、
Pr、Nd、又はSmである。)、(9-フルオレニリデン)アセトニトリル、(9-フルオレニリデン)マロノニトリル、(2,4,7-トリニトロ-9-フルオレニリデン)アセトニトリル、(2,4,7-トリニトロ-9-フルオレニリデン)マロノニトリル、o-ジニトロベンゼン、m-ジニトロベンゼン、p-ジニトロベンゼン、2,4,7-トリニトロベンゼン、2,4,7-トリニトロトルエン、TCNQ、TCNE、DDQ等が挙げられる。
【0013】
一方、電子供与性化合物とは、構造式1のポリマーよりイオン化ポテンシャルの小さい化合物のことであり、例えば、ヘキサメチルベンゼン、アルカリ金属、アンモニウムイオン、ランタノイドなどが挙げられる。
【0014】
フルオレン残基に電子吸引性官能基を導入した場合には、電子供与性化合物を添加し、フルオレン残基に電子供与性官能基を導入した場合には、電子受容性化合物を添加することが好ましい。このようにすることによって、安定な電荷移動型錯体が得られる。
【0015】
(合成方法)
本発明のポリマーの合成には、例えば下記の化合物を通常の触媒を用いて重縮合させれば良い。
JP0004173482B2_000004t.gifJP0004173482B2_000005t.gif 尚、これらの式におけるX、~R及びR20、R21は、夫々構造式1中のR~R及びR20、R21と同じである。
【0016】
ポリマーの好ましい分子量は、数平均分子量で400~100万であり、さらに好ましくは、800~10万である。400以下では、フルオレン残基間に電子受容性化合物または、電子供与性化合物が入り込むことが少なく、100万以上では溶解性が低くなる。
【0017】
好ましいフルオレン残基間の距離は、4~20Å、より好ましくは5~10Åである。4Å以下ではフルオレン残基間に電子受容性化合物または、電子供与性化合物が入り込むことができず、20Å以上ではフルオレン残基間に入った電子受容性化合物または電子供与性化合物が、電荷移動錯体を形成しにくい。
【0018】
更に、ポリマーのTgは30~300℃であることが好ましく、特に80~200℃であることが好ましい。Tgが30℃以下では、温度変化によるポリマーの構造変化により電荷移動錯体の形成が阻害される。
【0019】
上記の条件が満たされると、安定な電荷移動錯体を得ることが出来る。このような安定な電荷移動錯体は、例えば有機EL、太陽電池のホール輸送層のような電荷輸送材料として好適である。このような電荷輸送材料は、スピンコートなどの公知の方法によって容易に製造することが出来る。
以下、本発明を実施例によって更に詳述するが、本発明はこれによって限定されるものではない。
【実施例1】
【0020】
(ポリマー合成).
<9-ヒドロキシメチル-9-フルオレンカルボン酸(モノマー)の合成>
フレームドライ及び窒素置換した反応容器に、9-フルオレンカルボン酸(4.98g,23.7mモル)と無水THF(300ml)を加え、反応溶液を-78℃に冷却した後、n-ブチルリチウム(1.6M-ヘキサン溶液41.0ml,71.0mモル)加えた。反応溶液を-78℃で30分攪拌した後、-78℃のままパラホルムアルデヒド(2.30g,75.0mモル)を無水THF(100ml)に溶解して加え、室温で13時間攪拌した。蒸留水を加え、エーテルで抽出し、水層を1Nの塩酸を用いてpH=2に調製した後、クロロホルムで再び抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ロータリーエバポレータで低沸分を減圧留去し、粗生成物4.21gを得た。この粗生成物の内の塩化メチレン不溶分を回収し、目的化合物(4.60g,19.3mモル,80.5%)を得た。
H-NMR(500MHz,CDCl)d:7.78(d,J=7.5,2H),7.67(d,J=7.5,2H),7.46(dd,J=7.0,2H),7.54(dd,J=8.0,2H),4.02(s,4H)。
【0021】
<9-ヒドロキシメチル-9-フルオレンカルボン酸を原料とするポリマーの合成>
反応容器(9mmΦ×50mm)に9-ヒドロキシメチル-9-フルオレンカルボン酸(50.4mg,0.21mモル)および触媒として(CFSOSnを0.90mg入れ、全体が均一になるように振り混ぜた。その後、窒素を吹き込みながら(シリンジ針を、化合物の約2mm上で固定した。)、180℃で3時間加熱した。3時間後、得られた化合物をTHF可溶分(47.1mg)と不溶分(2.20mg)にデカンテーションにより分別した。一旦乾燥して秤量した可溶分をあらためてTHF(3ml)に溶解し、ゆっくりと攪拌しながらジアゾメタン(エーテル溶液、1ml)を滴下し、室温で5時間攪拌した。5時間後、ロータリーエバポレータで溶媒および揮発性成分を減圧留去し、得られた粗生成物をメタノール可溶分(8.10mg)と不溶分(34.9mg)に分け、さらにメタノール不溶分をTHF可溶分(14.19mg)と不溶分(20.64mg)に分けた。メタノールに不溶でTHFに可溶な部分は、1,000~10程度の分子量(SEC,ポリスチレン換算)分布を有した。
【実施例2】
【0022】
(ポリマー合成).
フレームドライ及び窒素置換した反応容器中で、9-ヒドロキシ-9-フルオレンカルボン酸(1.01g,4.42mモル)に無水塩化メチレン(17ml)を加え、室温で5分間撹拌して均一な溶液とした後、無水トリエチルアミン(0.62ml,4.502mモル)を滴下して加えた。反応溶液を室温で30分間攪拌した後、塩化p-トルエンスルホニル(762mg,4.42mモル)の無水塩化メチレン(3ml)溶液を滴下した。反応溶液を室温で15時間攪拌した後蒸留水を加え、クロロホルムで抽出し、有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥した。ロータリーエバポレータで溶媒を減圧留去し、得られた粗生成物をヘキサン可溶分(111mg)と不溶分(777mg)に分別した。ヘキサン不溶分をTHF(20ml)に溶解し、ゆっくりと攪拌しながらジアゾメタン(エーテル溶液、3ml)を滴下し、室温で5時間攪拌した。反応生成物は2~10量体の混合物であった。また、このポリマーをリサイクル液体クロマトグラフィーで分別し、純粋な2量体、3量体、および4量体を得た。
【実施例3】
【0023】
(D-A錯体形成、分光測定).
<ポリ(9-ヒドロキシメチル-9-フルオレンカルボン酸)とm-ジニトロベンゼン(DNB)によるD-A錯体の形成>
1.溶液中での吸収スペクトル測定
ポリマー(2.98mg)とDNB(1.80mg,0.01mモル)を紫外吸収スペクトル用THFに溶かして10mlの溶液とした。これを100倍に希釈し、室温での吸収スペクトル測定(石英セル;10mm)に用いた。ポリマーとDNBの混合物の吸収強度はポリマーのみの吸収強度より小さくなり、242nmにおいて0.140あった強度は、DNBを加えた後に、0.108に変化した。またこの変化は濃度に依存し、DNBの濃度を2.5×10-5M、5.0×10-5Mと変えると、242nmにおける吸収強度はそれぞれ0.077及び0.059と変化した。この淡色効果は、ポリマーのフルオレン環とDNBがスタックした錯体を形成したことを実証するものである。
また、長波長側の吸収が310nmから345nmにのびた。
【0024】
2.固体状態でのD-A錯体形成
ポリマー(100mg)とm-ニトロベンゼン(100mg)をCHCl溶液とした後、溶媒を留去しながら生成した薄赤色固体を集めた。これを再び
CHClに溶解して溶媒を留去したところ、薄赤色針状結晶を得た。
【実施例4】
【0025】
<ポリ(9-ヒドロキシ-9-フルオレンカルボン酸)と2,4,7-トリニトロ-9-フルオレニリデンマロノニトリル(TNFMN)による、D-A錯体の形成>
1.溶液中での吸収スペクトル測定
TNFMN(363.3mg,1.0mモル)を紫外吸収スペクトル用塩化メチレン溶媒で溶解し、100mlの溶液とした。次いで、その溶液を用いてポリマー(2-10量体の混合物10.4mg,モノマー単位で0.05mモル)を溶解し、1mlの溶液として室温で吸収スペクトルの測定(石英セル;0.1mm)を行った。測定の結果、D-A錯体に由来する新たなピーク、386nm(λmax=0.038)、488nm(λmax=0.009)を観測した。
【0026】
2.固体状態でのD-A錯体形成
TNFMN(15.1mg,0.04mモル)とポリマー(10.4mg,モノマー単位で0.05mモル)を塩化メチレン溶液とした後、溶媒を留去乾燥することにより橙色~赤色の固体を得た。この固体のHNMRによる組成分析の結果、モノマー単位:TNFMN=1:1の割り合いであることがわかった。
【実施例5】
【0027】
<9-ヒドロキシ-9-フルオレンカルボン酸の3量体とTNFMNによるD-A錯体形成>
1.溶液中での吸収スペクトル測定
TNFMN(363.3mg,1.0mモル)を紫外吸収スペクトル用塩化メチレン溶媒で溶解し、100mlの溶液とした。次いで、その溶液を用いて3量体(10.4mg,モノマー単位で0.05mモル)を溶解し、1mlの溶液として室温で吸収スペクトルの測定(石英セル;0.1mm)を行った。測定の結果、D-A錯体に由来する新たなピーク、388nm(λmax=0.037)、489nm(λmax=0.009)を観測した。またこれらの吸収強度は濃度に依存し、フルオレンの濃度を0.03M、0.04Mと変えると、388nmにおける吸収強度はそれぞれ0.022及び0.029と変化した。
【0028】
2.固体状態でのD-A錯体形成
TNFMN(15.1mg,0.04mモル)と3量体(10.4mg,モノマー単位で0.05mモル)を塩化メチレン溶液とした後、溶媒を留去乾燥することにより橙色固体得た。この固体のHNMRによる組成分析の結果、モノマー単位:TNFMNが1:1の割り合いであることが判明した。
【実施例6】
【0029】
(導電性:飛行時間測定)
重合度20程度の混合物(主成分2量体-4量体)をCHCl溶液とし、これに2,4,7-トリニトロフルオレンマロノニトリル1%を加えて溶解した後、溶液をITOガラス基板上に流延して乾燥し薄膜(1μm厚)を作製した。得られた膜上にアルミニウムを真空蒸着した(厚さ1000A、面積5mm×5mm)。TOF301(株式会社オプテル製)を用いてITO-アルミニウム間に5.0Vの電圧を印可し、同時にITO側から337nmのパルスレーザー(窒素レーザ、パルス幅1ns、150μJ)を照射し、飛行時間の測定を行った。室温での測定結果から、ホール移動度を1.20×10-4cm-1sec-1と決定した。
【産業上の利用可能性】
【0030】
本発明のポリエステルは、フルオレン残基を側鎖に有するので特異な電気特性を有する上、適当な電子受容化合物又は電子供与性化合物と安定性に優れた電荷移動錯体を形成することが出来るので、有機EL材料として、或いは太陽電池のホール輸送層のような電荷輸送材料として好適である。