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明細書 :含フッ素化合物の製造方法、含フッ素化合物、含フッ素ポリマー、及び含フッ素ポリマーを用いた光学材料若しくは電気材料

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4776303号 (P4776303)
公開番号 特開2006-143702 (P2006-143702A)
登録日 平成23年7月8日(2011.7.8)
発行日 平成23年9月21日(2011.9.21)
公開日 平成18年6月8日(2006.6.8)
発明の名称または考案の名称 含フッ素化合物の製造方法、含フッ素化合物、含フッ素ポリマー、及び含フッ素ポリマーを用いた光学材料若しくは電気材料
国際特許分類 C07D 317/42        (2006.01)
C07D 493/04        (2006.01)
C08F  16/24        (2006.01)
G02B   1/04        (2006.01)
FI C07D 317/42 CSP
C07D 493/04 101C
C08F 16/24
G02B 1/04
請求項の数または発明の数 8
全頁数 23
出願番号 特願2005-238676 (P2005-238676)
出願日 平成17年8月19日(2005.8.19)
優先権出願番号 60/629,614
優先日 平成16年11月22日(2004.11.22)
優先権主張国 アメリカ合衆国(US)
審査請求日 平成20年3月18日(2008.3.18)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】岡本 善之
【氏名】小池 康博
【氏名】ユー ヤン
【氏名】ウェイ-ホン リウ
個別代理人の代理人 【識別番号】100079049、【弁理士】、【氏名又は名称】中島 淳
【識別番号】100084995、【弁理士】、【氏名又は名称】加藤 和詳
【識別番号】100085279、【弁理士】、【氏名又は名称】西元 勝一
【識別番号】100099025、【弁理士】、【氏名又は名称】福田 浩志
審査官 【審査官】早川 裕之
参考文献・文献 特開平05-339255(JP,A)
国際公開第2005/085303(WO,A1)
国際公開第2004/097851(WO,A1)
国際公開第2003/037885(WO,A1)
米国特許第05408020(US,A)
米国特許第03308107(US,A)
Polymer Preprints,2004年 8月,45,663-664
J. Polymer Science, Part A,2004年 9月 8日,42,5180-5188
調査した分野 C07D 317/42
C07D 493/04
C08F 16/24
G02B 1/04
CAplus(STN)
REGISTRY(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
下記化学式(1)で表される化合物又は化学式(2)で表される化合物の1種類以上と下記化学式(3)で表される化合物の1種類以上とを反応させ縮合物を得る工程と、該縮合物をフッ素系溶液中、フッ素ガス雰囲気下でフッ素化する工程とを有する下記化学式(4)で表される含フッ素化合物の製造方法。
【化1】
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[式中、Xは水素原子又はフッ素原子を表し、Yは炭素数1~7のアルキル基を表し、Zは水酸基を表し、xは1~3のいずれかの整数を表す。]
【請求項2】
下記化学式(1)で表される化合物又は化学式(2)で表される化合物の1種類以上と下記化学式(5)で表される化合物の1種類以上とを反応させ縮合物を得る工程と、該縮合物をフッ素系溶液中、フッ素ガス雰囲気下でフッ素化する工程と、を有する下記化学式(6)で表される含フッ素化合物の製造方法。
【化2】
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[式中、Xは水素原子又はフッ素原子を表し、Yは炭素数1~7のアルキル基を表し、Zは水酸基を表し、x及びyは各々独立に1~3のいずれかの整数を表す。]
【請求項3】
下記化学式(1)で表される化合物又は化学式(2)で表される化合物の1種類以上と、下記化学式(7)で表される化合物の1種類以上と、を反応させ縮合物を得る工程と、該縮合物をフッ素系溶液中、フッ素ガス雰囲気下でフッ素化する工程と、を含む下記化学式(8)で表される含フッ素化合物の製造方法。
【化3】
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[式中、Xは水素原子又はフッ素原子を表し、Yは炭素数1~7のアルキル基を表し、Zは水酸基を表し、n1及びn2は各々独立に1~3のいずれかの整数を表す。]
【請求項4】
記化学式(6)又は化学式(8)で表される含フッ素化合物。
【化4】
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[式中、x及びyは、各々独立に1~3のいずれかの整数を表し、n1及びn2は、各々独立に1~3のいずれかの整数を表す。]
【請求項5】
請求項4に記載の含フッ素化合物の重合により得られる含フッ素ホモポリマー。
【請求項6】
請求項4に記載の含フッ素化合物と、該含フッ素化合物以外の不飽和含フッ素化合物との共重合により得られる含フッ素コポリマー。
【請求項7】
請求項5に記載の含フッ素ホモポリマー及び請求項6に記載の含フッ素コポリマーのうち少なくとも1種を含む光学部材又は電気部材。
【請求項8】
前記光学部材又は電気部材が、光ファイバ、光導波路、フォトマスク又はコーティング材料であることを特徴とする請求項7に記載の光学部材又は電気部材。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な含フッ素化合物の製造方法、当該含フッ素化合物より得られる含フッ素ポリマー、及び含フッ素ポリマーを用いた光学材料若しくは電気材料に関する。
【背景技術】
【0002】
含フッ素ポリマーは、プラスティック光ファイバーや露光部材などの光学部材として、あるいは表面改質剤等として使用され、幅広い分野で利用される有用な物質である。しかし、含フッ素ポリマーの合成工程は複雑であり、かつコストがかかる。
含フッ素ポリマーは、重合性不飽和基を有する含フッ素化合物を重合することにより得られる。当該含フッ素化合物の一つとして、1,3-ジオキソラン誘導体等が提示されている(例えば、特許文献1~2、及び非特許文献1~2参照。)。
【0003】
しかし、従来から知られている1,3-ジオキソラン誘導体は、下記化学式(A)で表される化合物(例えば、特許文献3参照。)や化学式(B)で表される化合物(例えば、特許文献4参照。)に限定され、ジオキソランの5員環上の特定位置に、特定の置換基しか配することができなかった。
【0004】
【化1】
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【0005】
式(B)中、Rf1'及びRf2'は、各々独立に、炭素数1~7のポリフルオロアルキル基である。
【0006】
これらの構造的な制限は、合成方法に起因するものである。例えば上記化学式(A)を合成する従来の方法では、1,3-オキソラン環には1つの含フッ素基しか配置させることができない。また、上記化学式(B)を合成する従来の方法では、1,3-オキソラン環に導入できるポリフルオロアルキル基は、4,5-の位置に1つずつ、合計2つに必ず限定されていた。さらに、化学式(B)の含フッ素化合物を合成するための原料は、下記化学式(C)であり、この化合物を合成することは、困難であった。
【0007】
【化2】
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【0008】
一方で、パーフルオロ(ブテニルビニルエーテル)を有するパーフルオロ2,2-ジメチル-1,3-ジオキソールの非晶質コポリマーや、パーフルオロ-2-メチレン-4-メチル-1,3-ジオキソランを有するパーフルオロ2,2-ジアルキル-1,3-ジオキソールの非晶質コポリマーについても開示されている(例えば、特許文献5及び特許文献6参照。)。
しかしながら、これらのパーフルオロモノマーは非常に高価であるため、より経済的な化合物の提供が望まれている。また、より良好な光学的、熱的及び溶解度特性を示す含フッ素ポリマーの提供についても熱望されている。

【特許文献1】米国特許第3,308,107号明細書
【特許文献2】米国特許第3,450,716号明細書
【特許文献3】米国特許第3,978,030号明細書
【特許文献4】特開平5-339255号公報
【特許文献5】米国特許第5,276,121号明細書
【特許文献6】米国特許第5,408020号明細書
【非特許文献1】Izvestiya Akademii Nank SSSR, Seriya Khimicheskaya著,「VIBRATIONAL SPECTROSCOPY」,1988年2月,p.392-395
【非特許文献2】Yuminov et al著,「VIBRATIONAL SPECTROSCOPY」,1989年4月,p.938
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
したがって、発明が解決しようとする課題は、柔軟性及び混和性に優れたジオキサンモノマーである含フッ素化合物の製造方法、含フッ素化合物、含フッ素ポリマー、及び含フッ素ポリマーを用いた光学材料若しくは電気材料を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記状況を勘案し、ジオキサンモノマーの柔軟性及び混和性をさらに改善するため、本発明者らはエーテル置換基を含むパーフルオロ-1,3-ジオキソランを設計し、合成することを試みた。これらの合成経路では、炭化水素前駆体の直接フッ素化の工程を含む。
また、得られたエーテル置換基を含むパーフルオロ-1,3-ジオキソランを塊状状態で、或いは溶液中で重合することによりホモポリマーを得ることができる。更に、該パーフルオロ-1,3-ジオキソランと他の不飽和含フッ素化合物とを共重合させることでコポリマーが得られる。
【0011】
すなわち、本発明は以下の通りである。
【0012】
<1> 下記化学式(1)で表される化合物又は化学式(2)で表される化合物の1種類以上と下記化学式(3)で表される化合物の1種類以上とを反応させ縮合物を得る工程と、該縮合物をフッ素系溶液中、フッ素ガス雰囲気下でフッ素化する工程とを有する下記化学式(4)で表される含フッ素化合物の製造方法。
【0013】
【化3】
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式中、Xは水素原子又はフッ素原子を表し、Yは炭素数1~7のアルキル基を表し、Zは水酸基を表し、xは1~3のいずれかの整数を表す。
【0014】
<2> 下記化学式(1)で表される化合物又は化学式(2)で表される化合物の1種類以上と下記化学式(5)で表される化合物の1種類以上とを反応させ縮合物を得る工程と、該縮合物をフッ素系溶液中、フッ素ガス雰囲気下でフッ素化する工程と、を有する下記化学式(6)で表される含フッ素化合物の製造方法。
【0015】
【化4】
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式中、Xは水素原子又はフッ素原子を表し、Yは炭素数1~7のアルキル基を表し、Zは水酸基を表し、x及びyは各々独立に1~3のいずれかの整数を表す。
【0016】
<3> 下記化学式(1)で表される化合物又は化学式(2)で表される化合物の1種類以上と、下記化学式(7)で表される化合物の1種類以上と、を反応させ縮合物を得る工程と、該縮合物をフッ素系溶液中、フッ素ガス雰囲気下でフッ素化する工程と、を含む下記化学式(8)で表される含フッ素化合物の製造方法。
【0017】
【化5】
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式中、Xは水素原子又はフッ素原子を表し、Yは炭素数1~7のアルキル基を表し、Zは水酸基を表し、n1及びn2は各々独立に1~3のいずれかの整数を表す。
【0018】
<4> 下記化学式(6)又は化学式(8)で表される含フッ素化合物。
【化6】
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式中、x及びyは、各々独立に1~3のいずれかの整数を表し、n1及びn2は、各々独立に1~3のいずれかの整数を表す。
【0019】
<5> 前記<4>に記載の含フッ素化合物の重合により得られる含フッ素ホモポリマー。
【0020】
<6> 前記<4>に記載の含フッ素化合物と、該含フッ素化合物以外の不飽和含フッ素化合物との共重合により得られる含フッ素コポリマー。
【0021】
<7> 前記<5>に記載の含フッ素ホモポリマー及び前記<6>に記載の含フッ素コポリマーのうち少なくとも1種を含む光学部材又は電気部材。
【0022】
<8> 前記光学部材又は電気部材が、光ファイバ、光導波路、フォトマスク又はコーティング材料であることを特徴とする前記<7>に記載の光学部材又は電気部材。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、柔軟性及び混和性に優れたジオキサンモノマーである含フッ素化合物の製造方法、含フッ素化合物、含フッ素ポリマー、及び含フッ素ポリマーを用いた光学材料若しくは電気材料を提供できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
1.含フッ素化合物の製造方法
本発明のパーフルオロ-1,3-ジオキソランのエーテル誘導体である含フッ素化合物の製造方法を説明する。
【0025】
<1> 化学式(4)で表される含フッ素化合物の製造方法
化学式(4)で表される1,3-ジオキソランのエーテル誘導体の製造方法においては、第1の態様としては、化学式(1)で表される化合物と化学式(3)で表される化合物とを用いて反応させる方法である。この反応スキームを以下に例示するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0026】
【化7】
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【0027】
本発明の製造工程を大きく区分すると、少なくとも以下の4つの工程を含むことが好ましい。
【0028】
(1)上記化学式(1)で表される化合物と、上記化学式(3)で表される化合物とを脱水反応させて縮合物を生成させる工程。
(2)上記(1)の工程により生じた縮合物を、フッ素系溶液中、フッ素雰囲気下でフッ素化する工程。
(3)塩基によってカルボン酸塩を生成させる工程。
(4)加熱し、上記カルボン酸塩を脱炭酸分解させる工程。
以下、(1)~(4)の4つの工程について、説明する。
【0029】
(1)の工程
化学式(4)で表される1,3-ジオキソランのエーテル誘導体の製造方法においては、化学式(1)で表される化合物と、化学式(3)で表される化合物とは、等モルずつで反応させることが好ましい。ここで、化学式(1)で表される化合物は、1種類のみであっても複数種併用してもよい。化学式(3)で表される化合物も、1種類のみであっても複数種併用してもよい。なお、化学式(3)中、xは1~3のいずれかの整数を表し、好ましくは1である。
また、発熱反応のため、冷却しながら反応させることが好ましい。その他、反応条件については特に制限は無く、次の(2)の工程の前に、蒸留等の精製工程を加えることも好ましい。
【0030】
化学式(1)中、Xは水素原子又はフッ素原子を表す。入手の容易さから、好ましくはXは水素原子である。Yは炭素数1~7のアルキル基を表す。Yは、好ましくは、炭素数1~3のアルキル基である。
【0031】
化学式(3)中、Zは水酸基を表す。xは、1~3のいずれかの整数を表し、好ましくは1である。
【0032】
(2)の工程
(1)で生成した化合物の水素原子を全てフッ素原子で置換する工程である。その方法としては、フッ素系溶液中で直接フッ素化することが好ましい。このような直接フッ素化については、Synthetic Fluorine Chemistry,Eds by G.A.Olah,R.D.Chambers and G.K.S.Prakash,J.Wiley and Sons.Inc.New York(1992)のR.J.Lagow,T.R.Bierschenk,T.J.Juhlke and H.Kawa,第5章のポリエーテル合成方法等を参照できる。
フッ素系溶液としては特に制限はないが、例えば、1,1,2-トリクロロトリフルオロエタン、ポリフルオロベンゼン等が好ましく、具体的には、Fluorinert FC-75、FC-77、FC-88(3M社製)等を挙げることができる。
本発明はフッ素溶液中、フッ素ガス雰囲気下で行い、該フッ素ガスにより上記(1)の工程で得られた中間生成物はフッ素化される。フッ素ガスは、窒素ガスで希釈されていてもよい。
【0033】
(3)の工程
(2)の工程で得られたフッ素化合物を、塩基によりカルボン酸塩を生成させる。塩基としては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化セシウム等が好ましく、水酸化カリウムがより好ましい。
【0034】
(4)の工程
得られたカルボン酸塩を加熱し、脱炭酸させる。加熱温度は、250℃~320℃が好ましく、270℃~290℃がより好ましい。
【0035】
本発明の製造方法では、上記(1)~(4)の工程以外の工程を加えて、製造することもできる。
【0036】
また、化学式(4)で表される1,3-ジオキソランのエーテル誘導体の製造方法における第2の態様として、下記のスキームに示すように、上記化学式(1)で表される化合物に代えて、下記化学式(2)で表される化合物を用いてもよい。
【0037】
【化8】
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【0038】
化学式(2)で表される化合物を原料に用いる場合であっても、少なくとも上記(1)~(4)の4つの工程を含むことが好ましく、この場合には、上記(1)~(4)の工程において、「化学式(1)で表される化合物」を「化学式(2)で表される化合物」に読み替える。
また、上記4つの工程のほかに適宜工程を加えてもよい。また、化学式(2)で表される化合物を原料に用いる場合であっても、上記(1)~(4)の各工程における好適な条件については同様である。
さらに、化学式(2)中のX及びYは、化学式(1)中のX及びYと同義であり、好ましい範囲も同様である。
【0039】
<2> 化学式(6)で表される含フッ素化合物の製造方法
化学式(6)で表される1,3-ジオキソランのエーテル誘導体は、上記化学式(4)の含フッ素化合物の製造方法で説明した方法に類似する下記の2つのスキームにしたがって製造することができる。
【0040】
【化9】
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【0041】
【化10】
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【0042】
化学式(6)の含フッ素化合物の製造方法においても、上記化学式(4)の含フッ素化合物の製造方法で説明した少なくとも上記(1)~(4)の4つの工程を含むことが好ましく、この4つの工程のほかに適宜工程を加えてもよい。また、上記(1)~(4)の各工程における好適な条件についても、同様である。
なお、上記スキーム中の化学式において、化学式(1)及び(2)は、上記化学式(4)の含フッ素化合物の製造方法で説明したものと同義であり、好ましい範囲も同様である。また、化学式(5)及び化学式(6)におけるx及びyは、各々独立に1~3のいずれかの整数を表し、xとyは同じであっても異なっていても良い。
【0043】
<3> 化学式(8)で表される含フッ素化合物の製造方法
化学式(8)で表される1,3-ジオキソランのエーテル誘導体は、上記化学式(4)の含フッ素化合物の製造方法で説明した方法に類似する下記の2つスキームにしたがって製造することができる。
【0044】
【化11】
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【0045】
【化12】
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【0046】
化学式(8)の含フッ素化合物の製造方法においても、上記化学式(4)の含フッ素化合物の製造方法で説明した少なくとも上記(1)~(4)の4つの工程を含むことが好ましく、この4つの工程のほかに適宜工程を加えてもよい。また、上記(1)~(4)の各工程における好適な条件についても、同様である。
なお、上記2つのスキーム中の化学式において、化学式(1)及び(2)は、上記化学式(4)の含フッ素化合物の製造方法で説明したものと同義であり、好ましい範囲も同様である。化学式(7)及び化学式(8)におけるn1及びn2は、各々独立に1~3のいずれかの整数を表し、n1とn2は同じであっても異なっていても良い。
【0047】
2.含フッ素化合物
本発明の製造方法によって得られた化学式(4)、(6)及び(8)の含フッ素化合物は、パーフロロ-1,3-ジオキソラン誘導体であってエーテル基を有する。これらの1,3-ジオキソラン誘導体は、容易に重合させやすいという特徴を有するため、ホモポリマーや、他の種類のパーフロロビニルモノマーとの共重合によりコポリマーを製造しやすい。
【0048】
3.含フッ素ポリマーの製造方法
上記の含フッ素化合物は、常法によってラジカル重合し、含フッ素ポリマーを製造できる。ラジカル触媒としては、過酸化物を用いることが好ましいが、フッ素化合物のフッ素原子が水素原子に置換しないように、パーフルオロ過酸化物を用いる。
ここで、上記化学式(4),(6)及び(8)で表される含フッ素化合物のいずれか1種類のみをモノマー原料として用いてラジカル重合させると、ホモポリマーを得ることができる。
一方、上記化学式(4),(6)及び(8)で表される含フッ素化合物のうち、少なくとも2種類を用いてラジカル重合させると、コポリマーを得ることができる。更に、上記化学式(4),(6)及び(8)で表される含フッ素化合物の少なくとも1種と、他の含フッ素不飽和化合物あるいは炭化水素系不飽和化合物との重合によってもコポリマーを製造することができる。
【0049】
4.含フッ素ポリマーの用途
本発明の含フッ素ホモポリマー及び含フッ素コポリマーは、ガラス転移温度が高く、非晶質物質であり、耐熱性、耐光性等に優れる。このような性質を利用し、光学材料及び電気材料に好適に用いることができる。
本発明の含フッ素ポリマーの好適な用途としては、例えば、プラスチック光ファイバ、光導波路、光学レンズ、プリズム、フォトマスク、特殊ペイント等を挙げることができる。
【実施例】
【0050】
次に実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。
【0051】
[実施例1]
<パーフルオロ2-メチレン-4-(メトキシメチル)-1,3-ジオキサン(化学式(3)におけるx=1である含フッ素化合物)の合成>
2.0molの3-メトキシ-1,2-プロパンジオールと2.0molのピルビン酸メチルと10gのイオン交換樹脂(H形態、DOWEX(登録商標))と1L無水ベンゼンとの混合物を、脱水が止むまでディーンスタークトラップ(Dean-Stark trap)を装着したフラスコ内で還流させた。得られたメチル-4-(メトキシメチル-2-2-メチル-1,3-ジオキサン-2-カルボキシレートを分画蒸留によって精製した。
【0052】
得られた精製物の収率は55%であり、沸点は80℃/1.0mmHgであった。また、1H NMRによる分析結果は、以下の通りであった。
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):1.60(d、3H、-CH3)、4.28-4.50(m、1H、-OCH-)、4.12-4.25及び3.80-3.90(m、2H、OCH2-)、3.76(d、3H、-COOCH3)、3.41-3.60(m、2H、-OCH2-)、3.39(d、3H、-OCH3)。
【0053】
上記精製したメチル4-(メトキシメチル-メチル-1,3-ジオキサン-2-カルボキシレートの650gを、窒素で希釈したフッ素ガス雰囲気下で、フッ素系溶剤Flurinert FC-75中においてフッ素化した。
反応が停止した後、その混合物を水酸化カリウム水溶液で処理して有機相及び水相を形成した。水相中の生成物を分離し、水の一部を減圧下で除去した。得られた生成物を濾過し、パーフルオロ4-(メトキシメチル)-2-メチル-1,3-ジオキサン-2-カルボキシレートのカリウム塩を得た。収率は95%であった。得られた該カリウム塩の1H NMR、及び19F NMRの結果を以下に示す。
【0054】
1H NMR(DMSO)δ(ppm):なし。
19F NMR(DMSO)δ(ppm):-55.11(dt、3F、-OCF3)、-79.71(d、3F、-CF3)、76.59(m、1F)及び-81.00(m、1F)(合計で2F、OCF2-)、-85.35(m、2F、-OCF2-)、-120.67(dm、1F、-OCF-)。
【0055】
100g(0.243mol)の上記カリウム塩をアルゴン雰囲気下、250℃で分解し、-78℃に冷却したトラップ内で生成物を捕集した。その生成物を分画蒸留によって精製し、パーフルオロ2-メチレン-4-(メトキシメチル)-1,3-ジオキサンを得た。収率は、81%(61g、0.l9mol)であった。得られた目的物の1H NMR、19F NMR及びGC-MSの結果を以下に示す。
【0056】
1H NMR(CDCl3)δ(ppm);なし。
19F NMR(CDCl3)δ(ppm):-55.56(3F、-OCF3)、-82.54(1F)及び-87.40(1F)(合計で2F、-OCF2-)、-85.28(m、2F、-OCF2-)、-126.06(2F、4ラインパターン、=CF2)、-128.44(1F、-OCF-)。
・GC-MS:m/e 310(M+)であり、予想されるパターンを有していた。
【0057】
以下に実施例1の合成スキームの概略を示す。
【0058】
【化13】
JP0004776303B2_000014t.gif

【0059】
[実施例2]
<パーフルオロ-2-メチレン-4-(メトキシメチル)-1,3-ジオキサンのフリーラジカル重合>
2gのパーフルオロ-2-メチレン-4-(メトキシメチル)-1,3-ジオキサンと8.8mgの過酸化パーフルオロベンゾイルをガラス管に充填し、次にそれを3回の真空-解凍サイクルで脱気してアルゴンを再充填した。管を真空下で密封し、60℃で24時間加熱したところ、固体の棒状体としてパーフルオロ-2-メチレン-4-(メトキシメチル)-1,3-ジオキサンのホモポリマーを得た。
そのホモポリマーをヘキサフルオロベンゼンに溶解し、クロロホルム中に沈殿させ、真空中で一定重量(1.8g)に乾燥させた。収率は、90%であり、ガラス転移温度Tgは101℃であった。
FTIR、1H NMR、19F NMR、13C NMRの結果を以下に示す。
【0060】
・FTIR:カルボニル吸収なし。
1H NMR(C66/CDCl3)δ(ppm):なし。
19F NMR(C66/CDCl3)δ(ppm):-58.32(3F、-OCF3)、-79.40(2F、-OCF2-)、-85.8(2F、-OCF2-)、-109.05(2F、主鎖上の-CF2-)、121.80(側鎖上のOCF-)。
13C NMR(C66/CDCl3)δ(ppm):カルボニル炭素ピークなし。
【0061】
[実施例3]
<パーフルオロ-2-メチレン-4,5-ジメトキシメチル-1,3-ジオキサン(化学式(5)におけるx=1、y=1である含フッ素化合物)の合成>
パーフルオロ-2-メチレン-4,5-ジメトキシメチル-1,3-ジオキサンは、実施例1と同様、下記の概略スキームにしたがい、ジオール化合物と2-ジオキソプロピルアセテートとを脱水反応した縮合物をフッ素溶液中、フッ素ガス雰囲気下でフッ素化して得られた。
【0062】
【化14】
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【0063】
1,4-ジメチルメトキシ-2,3-ブチルジオールはHelvetica Chimica Acta 60, 031 (1977) Dieter Seebath等の文献の記載にしたがい、タータリック酸とジメチルメトキシプロパンとの縮合反応で得られた。
【0064】
ジオールと2-ジオキソプロピルアセテートをベンゼン溶媒中で、触媒としてp-トルエンスルフォン酸を用いて、メチル-4,5-ジメトキシジメチル-1,3-ジオキサン-2-カルボキシレートを得た。精製したこの化合物の沸点は、150℃/8Torrであった。1H NMRの結果を以下に示す。
【0065】
1H NMR(CDCl3)δ(ppm):4.0-4.2(m、2H、in -CH2OC(=O)-,2-CH-,4H)、3.56(m,-CH2O-,4H)、3.4(m、-OCH3,6H)、2.11(s,-C(=O)CH3,3H)、1.42(s、-CCH3,3H)。
【0066】
上記精製したメチルカルボキシレート1,000g(4.95モル)を窒素で帰着したフッ素ガス雰囲気下で、フッ素系溶剤Flurinert FC-75中においてフッ素化した。
反応が停止した後、その混合物を水酸化カリウム水溶液で処理して有機相及び水相を形成した。水相中の生成物を分離し、水の一部を減圧下で除去した。得られた生成物を濾過し、カリウム塩を得た。この塩を更に減圧下80℃で乾燥し、1295g(3.46モル)を得た。
得られた該カリウム塩の1H NMR、及び19F NMRの結果を以下に示す。
【0067】
1H NMR(in d6-DMSO)δ(ppm):なし。
19F NMR(in d6-DMSO)δ(ppm):-82,-80.05(3F、-CF3)、-78.57,-79.92,-81.58,-91.32(4F、-OCF2-)、-129.57,-130.79(m、2F,-CFO-)。
【0068】
上記カリウム塩をカルゴン雰囲気下で、250℃で分解し、-78℃に冷却したトラップ内で生成物を捕集した。その生成物を分画蒸留によって精製し、パーフルオロ-2-メチレン-4,5-ジメトキシメチル-1,3-ジオキサンを得た。収率は、50%であった。得られた目的物の1H NMR、及び19F NMRの結果を以下に示す。
【0069】
1H NMR(in CDCl3)δ(ppm);なし。
19F NMR(in CDCl3)δ(ppm):-56(m、CF3O-、6F)、-84(-CF2O-、4F)、-126(2F、=CF2)、-138(m、2F、-CFO)。
【0070】
<パーフルオロ-2-メチレン-4,5-ジメトキシメチル-1,3-ジオキサンのフリーラジカル重合>
2gのパーフルオロ-2-メチレン-4,5-ジメトキシメチル-1,3-ジオキサンと8.8mgの過酸化パーフルオロベンゾイルをガラス管に充填し、次にそれを3回の真空乾燥-解凍サイクルで脱気してアルゴンを再充填した。管を真空下で密封し、60℃で30時間加熱したところ、固体の棒状体としてパーフルオロ-2-メチレン-4-(メトキシメチル)-1,3-ジオキサンのホモポリマーを得た。
そのホモポリマーをヘキサフルオロベンゼンに溶解し、クロロホルム中に沈殿させ、真空中で一定重量(1.8g)に乾燥させた。収率は、90%であり、ガラス転移温度Tgは88℃で、分回転は255℃(窒素ガス)であった。
FTIR、1H NMR、19F NMR、13C NMRの結果を以下に示す。
【0071】
・FTIR:カルボニル吸収なし。
1H NMR(in CDCl3)δ(ppm):なし。
19F NMR(in CDCl3)δ(ppm):-100-130(4F、主鎖中の-CFと-CF2)、-110(4F、-CF2-)、-58(6F、-OCF3)。
13C NMR(C66/CDCl3)δ(ppm):カルボニル炭素ピークなし。
【0072】
[実施例4]
<エーテル環含有パーフルオロジオキサン(化学式(7)においてn1及びn2=1の場合の化合物)の合成>
1,4-無水エリスリトールとピルビン酸エステル又は2-オキソプロピルアセテートとの縮合反応を行った。以下では、後者の2-オキソプロピルアセテートを用いた縮合反応について詳細に記載し、実施例3の2-オキソプロピルアセテートを用いた合成スキームの概略を示す。
【0073】
【化15】
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【0074】
ベンゼン1Lに448gの1,4-無水エリスリトールと500gの2-オキソプロピルアセテートと硫酸p-トルエン30gとを加えた混合物を、2Lフラスコに入れた。その混合物を還流させ、107mlの水を留去した。生成物を炭酸ナトリウムで処理した後、水で洗浄した。その生成物をフッ素ガス/窒素ガス雰囲気下で、フッ化溶媒中で直接フッ素化した。
フッ素化後、そのフッ素化溶液を冷却下において水酸化カリウム水溶液で処理し、有機相及び水相を得た。水相中の生成物を分離した後、水の一部を減圧下で除去した。単離されたカリウム塩を濾過した。収率は70%であり、融点は存在しなかった。
以下に、1H NMR、19F NMRの結果を示す。
【0075】
1H NMR(DMSO)なし。
19F NMR(DMSO)δ(ppm):82、82.05(3F、CF3)、-78.57~79.92、-83.58~93.32(4F、-OCF2-)、-129.58、-130.79(m、2F、-CFO)。
【0076】
上記得られたカリウム塩の100gを250℃で分解し、その後-78℃に冷却してトラップ内に捕集した。得られた化合物を分画蒸留によって精製し、パーフルオロ-2-エーテル環置換ジオキサンを得た。目的物の収率は50%であり、沸点は74℃/760mmHgであった。
以下に、1H NMR、19F NMRの結果を示す。
【0077】
1H NMR(CDCL3)δ(ppm)なし
19F NMR(CDCL3)δ(ppm):-78、-92(4F、-OCF2-)、-136(2F、-CF-)、-126(2F、=CF2
・GC-MS:m/e 272(M+)。
【0078】
[実施例5]
<パーフルオロ-2-エーテル環置換ジオキサンのフリーラジカル重合>
実施例4で得られたモノマー(パーフルオロ-2-エーテル環置換ジオキサン)の2gと、8.8mgの過酸化パーフルオロベンゾイルをガラス管に充填し、次にそれを3回の真空-解凍サイクルで脱気してアルゴンを再充填した。
管を真空下で密封し、60℃で1日間加熱した。固体ポリマー棒状体が得られた。そのポリマーをヘキサフルオロベンゼンに溶解した後、クロロホルム中に沈殿させ、真空中で一定重量(1.8g)に乾燥させて、目的物のポリマーを得た。収率は90%であった。
得られたポリマーのFTIR、DSC、及び屈折率の結果を以下に示す。
【0079】
・FTIR:カルボニル吸収なし。
・DSC:Tg=164℃、TGA初期分解温度は窒素雰囲気下で350℃。
・屈折率:1.3372(532nm)、1.3348(632nm)、1.3315(839nm);1.3302(1.544nm)。
【0080】
[実施例6]
<実施例1で作製した含フッ素化合物(M1)と実施例4で作製した含フッ素化合物(M2)とのコポリマー>
実施例1で作製した含フッ素化合物(M1)と実施例4で作製した含フッ素化合物(M2)を様々な比率で、過酸化パーフルオロジベンゾイル又は過酸化パーフルオロジ-t-ブチルと共にガラス重合管に入れ、3回の真空-解凍サイクルでアルゴンを用いて脱気した。管を真空下で密封し、60℃乃至65℃で加熱した。モノマーの反応性を決定するため、得られたコポリマーをヘキサフルオロ-ベンゼンに溶解した後、クロロホルム中に沈殿させ、真空中で一定重量に乾燥させて、モノマー変換を約10~15%で停止させた。生成したポリマーの組成を、19F NMRを測定することによって決定した。
得られた典型的なコポリマーについて、ガラス転移温度及び屈折率等のデータを表1、図1、図2、及び図3に示した。
【0081】
【表1】
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【0082】
なお、含フッ素化合物(M1)及び含フッ素化合物(M2)のガラス転移温度(Tg)は、それぞれ、110℃及び168℃であった。
【0083】
1とM2とのコポリマーの一例として、以下に、含フッ素化合物(M1)と含フッ素化合物(M2)との仕込み比率が20:80のものと、40:60のものについて、固ポリマーの製造方法を詳細に記載し、これらコポリマーの材料分散性について評価した。
【0084】
((M1)と(M2)との仕込みモル比が20:80のコポリマー[1])
ガラス重合管に、実施例1で作製した含フッ素化合物(M1)の6.20g(0.020mol)と、実施例4で作製した含フッ素化合物(M2)の2.18g(0.80mol)と、重合開始剤としての1.4gの過酸化パーフルオロベンゾイルとを充填した。
管を3回の真空-解凍サイクルでアルゴンを用いて脱気してから、管を真空中で密封し、55~60℃で12時間徐々に加熱した後、さらに100℃まで24時間加熱した。固体生成物をヘキサフルオロベンゼンに溶解した後、クロロホルム中に沈殿させた。収率は92%であり、ガラス転移温度(Tg)は、DSC分析で130℃であった。
生成したコポリマーの組成を19F NMRの測定によって決定したところ、M1及びM2の組成比率は、それぞれ16.5及び83.5モル%であることが確認された。
このコポリマーは280~300℃で分解することなく溶融した。屈折率は1.3470(532nm)、1.3449(633nm)、1.3433(839nm)及び1.3405(1544nm)であった。
【0085】
((M1)と(M2)との仕込みモル比が40:60のコポリマー[2])
ガラス管に実施例1で作製した含フッ素化合物(M1)の12.4g(0.04mol)と、実施例4で作製した含フッ素化合物(M2)の16.30g(0.06mol)と、過酸化パーフルオロベンゾイルの1.4gを充填した。管を脱気し、真空中で密封して55~60℃で12時間加熱し、重合を完了させるため、さらに100℃まで24時間加熱した。生成したコポリマーをヘキサフルオロベンゼンに溶解した後、クロロホルム中に沈殿させた。収率は92%であり、Tgは120℃であった。
コポリマーの組成を19F NMRの測定によって決定したところ、M1及びM2の組成比率は、それぞれ38及び62であることが確認された。
このコポリマーは290~300℃で溶融した。屈折率は1.3438(532nm)、1.3417(633nm)、1.3398(839nm)及び1.3345(1544nm)であった。
【0086】
上記コポリマー[1]とコポリマー[2]の材料分散性を、下記式Iによって算出した。
【0087】
式I; M(λ)=-λd2n/cdλ2
[式中、nはポリマーの屈折率を表し、λは関連する波長を表し、cは真空中での光の速度を表す。]
【0088】
また、波長の関数としての屈折率データを3項セルマイヤ式(three term sellmeier equation)にあてはめて、d2n/dλ2を算出した。
【0089】
これらの算出により得られたM(λ)やd2n/dλ2の値から、コポリマー[1]及びコポリマー[2]の材料分散性は、過フッ化ポリマー、CYTOPに匹敵することが明らかとなった。
【0090】
[実施例7]
<実施例4で作製した含フッ素化合物(M2)とヘプタフルオロプロピルトリフルオロビニルエーテルとのコポリマー>
ガラス重合管に200molのCFC-113、27.2g(0.10mol)の含フッ素化合物(M2)、9.7g(0.12mol)のヘプタフルオロプロピルトリフルオロビニルエーテル及び1.3gの過酸化パーフルオロジベンゾイルを充填した。
管を脱気して密封し、50℃で8時間、次いで60℃で12時間加熱した。その後、溶媒過剰モノマーを蒸発によって除去し、生じたポリマーを110℃、真空下で16時間乾燥させた。生成物の重量は34gであり、それを340℃で圧縮してフィルムとした。
このコポリマーについて19F NMRを測定したところ、58モル%の含フッ素化合物(M2)と42モル%のビニルエーテルで構成されていることがわかった。また、得られたコポリマーをDSC分析したところ、ガラス転移温度Tgは90℃であった。
【0091】
[実施例8]
<実施例4で作製した含フッ素化合物(M2)とヘプタフルオロプロピルトリフルオロビニルエーテルとのコポリマー>
ガラス重合管に27.2g(0.10mol)の含フッ素化合物(M2)、1.9g(0.02mol)のヘプタフルオロプロピルトリフルオロビニルエーテル、及び1.3gの過酸化パーフルオロジベンゾイルを充填した。
管を脱気して密封した後、管を40℃で10時間、次いで60℃で12時間加熱した。未反応のモノマーを蒸発によって除去し、生じたポリマーを110℃、真空下で16時間乾燥させた。そのポリマーをヘキサフルオロベンゼンに溶解し、クロロホルムで再沈殿させた。
このコポリマーについて19F NMRを測定したところ、92モル%の含フッ素化合物(M2)と8モル%のビニルエーテルで構成されていることがわかった。また、得られたコポリマーをDSC分析したところ、ガラス転移温度Tgは122℃であった。
【図面の簡単な説明】
【0092】
【図1】実施例6における、原料中の含フッ素化合物(M1)の含有率(モル%)と生成したポリマー中の含フッ素化合物(M1)に起因する構造の含有率との関係(モル%)を示す図である。
【図2】実施例5において得られたコポリマー中の含フッ素化合物(M1)の含有率(モル%)と該コポリマーのガラス転移温度(Tg)との関係を示す図である。
【図3】実施例5において得られたコポリマー中の含フッ素化合物(M1)の含有率(モル%)と該コポリマーの屈折率との関係を示す図である。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2