TOP > 国内特許検索 > SQUID顕微鏡による画像の解析方法、及びSQUID顕微鏡による画像の解析システム > 明細書

明細書 :SQUID顕微鏡による画像の解析方法、及びSQUID顕微鏡による画像の解析システム

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4775632号 (P4775632)
公開番号 特開2007-114104 (P2007-114104A)
登録日 平成23年7月8日(2011.7.8)
発行日 平成23年9月21日(2011.9.21)
公開日 平成19年5月10日(2007.5.10)
発明の名称または考案の名称 SQUID顕微鏡による画像の解析方法、及びSQUID顕微鏡による画像の解析システム
国際特許分類 G01N  27/72        (2006.01)
G01R  33/035       (2006.01)
FI G01N 27/72 ZAA
G01R 33/035
請求項の数または発明の数 22
全頁数 26
出願番号 特願2005-307141 (P2005-307141)
出願日 平成17年10月21日(2005.10.21)
審査請求日 平成20年8月6日(2008.8.6)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
【識別番号】505127721
【氏名又は名称】公立大学法人大阪府立大学
発明者または考案者 【氏名】林 正彦
【氏名】海老澤 丕道
【氏名】石田 武和
個別代理人の代理人 【識別番号】100072051、【弁理士】、【氏名又は名称】杉村 興作
【識別番号】100101096、【弁理士】、【氏名又は名称】徳永 博
【識別番号】100107227、【弁理士】、【氏名又は名称】藤谷 史朗
【識別番号】100114292、【弁理士】、【氏名又は名称】来間 清志
【識別番号】100119530、【弁理士】、【氏名又は名称】冨田 和幸
審査官 【審査官】田中 洋介
参考文献・文献 特表2005-503564(JP,A)
特表2002-526781(JP,A)
特開2005-055341(JP,A)
調査した分野 G01N 27/72-27/90
G01R 33/00-33/18
JSTPlus/JST7580(JDreamII)
特許請求の範囲 【請求項1】
超伝導量子干渉素子(SQUID)顕微鏡による画像の解析方法であって、
前記SQUID顕微鏡による測定領域を複数のセルに分割し、i番目のセルをbiとして規定するステップと、
前記SQUID顕微鏡のピックアップコイルがカバーする測定領域を複数のセルに分割し、j番目のセルをdjとして規定するステップと、
JP0004775632B2_000113t.gif
なる式(ここで、
JP0004775632B2_000114t.gif
はコイルの形状因子である)に基づいて、
JP0004775632B2_000115t.gif
なる式(ここで、
JP0004775632B2_000116t.gif
はdjのベクトル表示であり、
JP0004775632B2_000117t.gif
はbiのベクトル表示であり、Hは観測によるデータの平均化を表す行列であり、
JP0004775632B2_000118t.gif
及び
JP0004775632B2_000119t.gif
の次元は互いに同じであるとする)を得るステップと、
前記(2)式におけるHの逆行列を導出し、
JP0004775632B2_000120t.gif
から
JP0004775632B2_000121t.gif
を復元するステップと、
を具えることを特徴とする、SQUID顕微鏡による画像の解析方法。
【請求項2】
超伝導量子干渉素子(SQUID)顕微鏡による画像の解析方法であって、
前記SQUID顕微鏡による測定領域を複数のセルに分割し、i番目のセルをbiとして規定するステップと、
前記SQUID顕微鏡のピックアップコイルがカバーする測定領域を複数のセルに分割し、j番目のセルをdjとして規定するステップと、
JP0004775632B2_000122t.gif
なる式(ここで、
JP0004775632B2_000123t.gif
はコイルの形状因子である)に基づいて、
JP0004775632B2_000124t.gif
なる式(ここで、
JP0004775632B2_000125t.gif
は2次元の波数ベクトルであり、

JP0004775632B2_000126t.gif
はコイルピックアップの形状因子を表す行列である)を得るステップと、
前記(3)式を変形して
JP0004775632B2_000127t.gif
を得、
JP0004775632B2_000128t.gif
を導出するステップと、
を具えることを特徴とする、SQUID顕微鏡による画像の解析方法。
【請求項3】
前記ピックアップコイルは正方形であって、前記
JP0004775632B2_000129t.gif

JP0004775632B2_000130t.gif
なる式で表されることを特徴とする、請求項2に記載のSQUID顕微鏡による画像の解析方法。
【請求項4】
前記ピックアップコイルは円形であって、前記
JP0004775632B2_000131t.gif

JP0004775632B2_000132t.gif
なる式で表されることを特徴とする、請求項2に記載のSQUID顕微鏡による画像の解析方法。
【請求項5】
超伝導量子干渉素子(SQUID)顕微鏡による画像の解析方法であって、
前記SQUID顕微鏡による測定領域を複数のセルに分割し、i番目のセルをbiとして規定するステップと、
前記SQUID顕微鏡のピックアップコイルがカバーする測定領域を複数のセルに分割し、j番目のセルをdjとして規定するステップと、
JP0004775632B2_000133t.gif
なる式(ここで、
JP0004775632B2_000134t.gif
はコイルの形状因子である)に基づいて、
JP0004775632B2_000135t.gif
なる式(ここで、

JP0004775632B2_000136t.gif
はdjのベクトル表示であり、
JP0004775632B2_000137t.gif
はbiのベクトル表示であり、Hは観測によるデータの平均化を表す行列であり、
JP0004775632B2_000138t.gif
及び
JP0004775632B2_000139t.gif
の次元は互いに同じであるとする)を得るステップと、
前記(7)式におけるFが最小となるような
JP0004775632B2_000140t.gif
を導出するステップと、
を具えることを特徴とする、SQUID顕微鏡による画像の解析方法。
【請求項6】
超伝導量子干渉素子(SQUID)顕微鏡による画像の解析方法であって、
前記SQUID顕微鏡による測定領域を複数のセルに分割し、i番目のセルをbiとして規定するステップと、
前記SQUID顕微鏡のピックアップコイルがカバーする測定領域を複数のセルに分割し、j番目のセルをdjとして規定するステップと、
JP0004775632B2_000141t.gif
なる式(ここで、
JP0004775632B2_000142t.gif
はコイルの形状因子である)に基づいて、
JP0004775632B2_000143t.gif
なる式(ここで、
JP0004775632B2_000144t.gif
はdjのベクトル表示であり、
JP0004775632B2_000145t.gif
はbiのベクトル表示であり、Hは観測によるデータの平均化を表す行列であり、
JP0004775632B2_000146t.gif
及び
JP0004775632B2_000147t.gif
の次元は互いに同じであるとする)を得るステップと、
JP0004775632B2_000148t.gif
なる式を前記(7)式に加え、
JP0004775632B2_000149t.gif
なる式を得るステップと、
前記(9)式が最小となるような
JP0004775632B2_000150t.gif
を導出するステップと、
を具えることを特徴とする、SQUID顕微鏡による画像の解析方法。
【請求項7】
前記(8)式におけるγは、ノイズレベルの大きさに応じて変化させることを特徴とする、請求項6に記載SQUID顕微鏡による画像の解析方法。
【請求項8】
前記γは、前記ノイズレベルの増大に伴って増大させることを特徴とする、請求項7に記載のSQUID顕微鏡による画像の解析方法。
【請求項9】
前記(8)式は、定数Mとし、
JP0004775632B2_000151t.gifなる式に書き直し(ここで、
JP0004775632B2_000152t.gif
JP0004775632B2_000153t.gifの転置ベクトル)、
JP0004775632B2_000154t.gifなる式から
JP0004775632B2_000155t.gifを導出することを特徴とする、請求項6~8のいずれか一に記載のSQUID顕微鏡による画像の解析方法。
【請求項10】
前記γは得られる画像が最も鮮明となるように調整することを特徴とする、請求項9に記載のSQUID顕微鏡による画像の解析方法。
【請求項11】
前記画像の解像度が、前記ピックアップコイルのスケールより小さいことを特徴とする、請求項1~10のいずれか一に記載のSQUID顕微鏡による画像の解析方法。
【請求項12】
超伝導量子干渉素子(SQUID)顕微鏡と、
前記SQUID顕微鏡によって得た画像を解析するための画像解析手段とを具え、
前記画像解析手段においては、前記SQUID顕微鏡による測定領域を複数のセルに分割し、i番目のセルをbiとして規定し、前記SQUID顕微鏡のピックアップコイルがカバーする測定領域を複数のセルに分割し、j番目のセルをdjとして規定し、
JP0004775632B2_000156t.gif
なる式(ここで、
JP0004775632B2_000157t.gif
はコイルの形状因子である)に基づいて、
JP0004775632B2_000158t.gif
なる式(ここで、
JP0004775632B2_000159t.gif
はdjのベクトル表示であり、
JP0004775632B2_000160t.gif
はbiのベクトル表示であり、Hは観測によるデータの平均化を表す行列であり、

JP0004775632B2_000161t.gif
及び
JP0004775632B2_000162t.gif
の次元は互いに同じであるとする)を得、前記(2)式におけるHの逆行列を導出し、
JP0004775632B2_000163t.gif
から
JP0004775632B2_000164t.gif
を復元することを特徴とする、SQUID顕微鏡による画像の解析システム。
【請求項13】
超伝導量子干渉素子(SQUID)顕微鏡と、
前記SQUID顕微鏡によって得た画像を解析するための画像解析手段とを具え、
前記画像解析手段においては、前記SQUID顕微鏡による測定領域を複数のセルに分割し、i番目のセルをbiとして規定し、前記SQUID顕微鏡のピックアップコイルがカバーする測定領域を複数のセルに分割し、j番目のセルをdjとして規定し、
JP0004775632B2_000165t.gif
なる式(ここで、
JP0004775632B2_000166t.gif
はコイルの形状因子である)に基づいて、
JP0004775632B2_000167t.gif
なる式(ここで、
JP0004775632B2_000168t.gif
は2次元の波数ベクトルであり、
JP0004775632B2_000169t.gif
はコイルピックアップの形状因子を表す行列である)を得、前記(3)式を変形して(4)式を得、
JP0004775632B2_000170t.gif
を導出することを特徴とする、SQUID顕微鏡による画像の解析システム。
【請求項14】
前記ピックアップコイルは正方形であって、前記
JP0004775632B2_000171t.gif

JP0004775632B2_000172t.gif
なる式で表されることを特徴とする、請求項13に記載のSQUID顕微鏡による画像の解析システム。
【請求項15】
前記ピックアップコイルは円形であって、前記
JP0004775632B2_000173t.gif

JP0004775632B2_000174t.gif
なる式で表されることを特徴とする、請求項13に記載のSQUID顕微鏡による画像の解析システム。
【請求項16】
超伝導量子干渉素子(SQUID)顕微鏡と、
前記SQUID顕微鏡によって得た画像を解析するための画像解析手段とを具え、
前記画像解析手段においては、前記SQUID顕微鏡による測定領域を複数のセルに分割し、i番目のセルをbiとして規定し、前記SQUID顕微鏡のピックアップコイルがカバーする測定領域を複数のセルに分割し、j番目のセルをdjとして規定し、
JP0004775632B2_000175t.gif
なる式(ここで、
JP0004775632B2_000176t.gif
はコイルの形状因子である)に基づいて、
JP0004775632B2_000177t.gif
なる式(ここで、
JP0004775632B2_000178t.gif
はdjのベクトル表示であり、
JP0004775632B2_000179t.gif
はbiのベクトル表示であり、Hは観測によるデータの平均化を表す行列であり、
JP0004775632B2_000180t.gif
及び
JP0004775632B2_000181t.gif
の次元は互いに同じであるとする)を得、前記(7)式におけるFが最小となるような
JP0004775632B2_000182t.gif
を導出することを特徴とする、SQUID顕微鏡による画像の解析システム。
【請求項17】
超伝導量子干渉素子(SQUID)顕微鏡と、
前記SQUID顕微鏡によって得た画像を解析するための画像解析手段とを具え、
前記画像解析手段においては、前記SQUID顕微鏡による測定領域を複数のセルに分割し、i番目のセルをbiとして規定し、前記SQUID顕微鏡のピックアップコイルがカバーする測定領域を複数のセルに分割し、j番目のセルをdjとして規定し、
JP0004775632B2_000183t.gif
なる式(ここで、Aはコイルの形状因子である)に基づいて、
JP0004775632B2_000184t.gif
なる式(ここで、
JP0004775632B2_000185t.gif
はdjのベクトル表示であり、
JP0004775632B2_000186t.gif
はbiのベクトル表示であり、Hは観測によるデータの平均化を表す行列であり、
JP0004775632B2_000187t.gif
及び
JP0004775632B2_000188t.gif
の次元は互いに同じであるとする)を得、
JP0004775632B2_000189t.gif
なる式を前記(7)式に加えて、
JP0004775632B2_000190t.gif
なる式を得、前記(9)式が最小となるような
JP0004775632B2_000191t.gif
を導出することを特徴とする、SQUID顕微鏡による画像の解析システム。
【請求項18】
前記(8)式におけるγは、ノイズレベルの大きさに応じて変化させることを特徴とする、請求項17に記載SQUID顕微鏡による画像の解析システム。
【請求項19】
前記γは、前記ノイズレベルの増大に伴って増大させることを特徴とする、請求項18に記載のSQUID顕微鏡による画像の解析システム。
【請求項20】
前記(8)式は、定数Mとし、
JP0004775632B2_000192t.gifなる式に書き直し(ここで、
JP0004775632B2_000193t.gif
JP0004775632B2_000194t.gifの転置ベクトル)、
JP0004775632B2_000195t.gifなる式から
JP0004775632B2_000196t.gifを導出することを特徴とする、請求項17~19のいずれか一に記載のSQUID顕微鏡による画像の解析システム。
【請求項21】
前記γは得られる画像が最も鮮明となるように調整することを特徴とする、請求項20に記載のSQUID顕微鏡による画像の解析システム。
【請求項22】
前記画像の解像度が、前記ピックアップコイルのスケールより小さいことを特徴とする、請求項12~21のいずれか一に記載のSQUID顕微鏡による画像の解析システム。

発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、SQUID顕微鏡による画像の解析方法、及びSQUID顕微鏡による画像の解析システム関する。
【背景技術】
【0002】
超伝導量子干渉素子(SQUID)顕微鏡は、磁場分布を高精度で測定し画像化する技術として研究されており、既に実用化もされている。この顕微鏡を用いて画像を得るに際しては、ピックアップコイルと呼ばれる微小なコイルを2次元平面内で走査することによって、前記コイルを貫く磁束を計測し、2次元画像としてイメージ化するものである。
【0003】
このようにして得た画像を数値処理する技法としては、観測された磁場分布からその磁場を生じているところの電流分布を求めるというものが挙げられる。この際、磁場分布の短波長の部分の寄与が増幅されることによるノイズの増幅を抑えるために、例えばローパスフィルタを使用することが提案されている。また、予め観測像の形状を考慮したフーリエ空間における選択的フィルタリングの方法も導入されている。
【0004】
しかしながら、これらの技術は、上記ピックアップコイルよりもスケールの大きな磁場及び電流分布にのみ適用可能な技術であり、高解像度の画像を得ることはできない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、超伝導量子干渉素子(SQUID)顕微鏡で得た画像を、例えばそのピックアップスケールよりも小さいようなスケールで解析し、高解像度の画像を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成すべく、本発明は超伝導量子干渉素子(SQUID)顕微鏡で得た画像を高解像度で解析すべく種々の画像解析技術を開発した。
【0007】
本願の請求項1に関わる発明は、
超伝導量子干渉素子(SQUID)顕微鏡による画像の解析方法であって、
前記SQUID顕微鏡による測定領域を複数のセルに分割し、i番目のセルをbiとして規定するステップと、
前記SQUID顕微鏡のピックアップコイルがカバーする測定領域を複数のセルに分割し、j番目のセルをdjとして規定するステップと、
JP0004775632B2_000002t.gif
なる式(ここで、
JP0004775632B2_000003t.gif
はコイルの形状因子である)に基づいて、
JP0004775632B2_000004t.gif
なる式(ここで、
JP0004775632B2_000005t.gif
はdjのベクトル表示であり、
JP0004775632B2_000006t.gif
はbiのベクトル表示であり、Hは観測によるデータの平均化を表す行列であり、
JP0004775632B2_000007t.gif
及び
JP0004775632B2_000008t.gif
の次元は互いに同じであるとする)を得るステップと、
前記(2)式におけるHの逆行列を導出し、
JP0004775632B2_000009t.gif
から
JP0004775632B2_000010t.gif

を復元するステップと、
を具えることを特徴とする、SQUID顕微鏡による画像の解析方法(第1の画像解析方法)に関する。
【0008】
また、本願の請求項2に関わる発明は、
超伝導量子干渉素子(SQUID)顕微鏡による画像の解析方法であって、
前記SQUID顕微鏡による測定領域を複数のセルに分割し、i番目のセルをbiとして規定するステップと、
前記SQUID顕微鏡のピックアップコイルがカバーする測定領域を複数のセルに分割し、j番目のセルをdjとして規定するステップと、
JP0004775632B2_000011t.gif
なる式(ここで、
JP0004775632B2_000012t.gif
はコイルの形状因子である)に基づいて、
JP0004775632B2_000013t.gif
なる式(ここで、
JP0004775632B2_000014t.gif
は2次元の波数ベクトルであり、
JP0004775632B2_000015t.gif
はコイルピックアップの形状因子を表す行列である)を得るステップと、
前記(3)式を変形して(4)式を得、
JP0004775632B2_000016t.gif
を導出するステップと、
を具えることを特徴とする、SQUID顕微鏡による画像の解析方法(第2の画像解析方法)に関する。
【0009】
さらに、本願の請求項5に関わる発明は、
超伝導量子干渉素子(SQUID)顕微鏡による画像の解析方法であって、
前記SQUID顕微鏡による測定領域を複数のセルに分割し、i番目のセルをbiとして規定するステップと、
前記SQUID顕微鏡のピックアップコイルがカバーする測定領域を複数のセルに分割し、j番目のセルをdjとして規定するステップと、
JP0004775632B2_000017t.gif
なる式(ここで、
JP0004775632B2_000018t.gif
はコイルの形状因子である)に基づいて、
JP0004775632B2_000019t.gif
なる式(ここで、
JP0004775632B2_000020t.gif
はdjのベクトル表示であり、
JP0004775632B2_000021t.gif
はbiのベクトル表示であり、Hは観測によるデータの平均化を表す行列であり、
JP0004775632B2_000022t.gif
及び
JP0004775632B2_000023t.gif
の次元は互いに同じであるとする)を得るステップと、
前記(7)式におけるFが最小となるような
JP0004775632B2_000024t.gif
を導出するステップと、
を具えることを特徴とする、SQUID顕微鏡による画像の解析方法(第3の画像解析方法)に関する。
【0010】
また、本願の請求項6に関わる発明は、
超伝導量子干渉素子(SQUID)顕微鏡による画像の解析方法であって、
前記SQUID顕微鏡による測定領域を複数のセルに分割し、i番目のセルをbiとして規定するステップと、
前記SQUID顕微鏡のピックアップコイルがカバーする測定領域を複数のセルに分割し、j番目のセルをdjとして規定するステップと、
JP0004775632B2_000025t.gif
なる式(ここで、
JP0004775632B2_000026t.gif
はコイルの形状因子である)に基づいて、
JP0004775632B2_000027t.gif
なる式
(ここで、
JP0004775632B2_000028t.gif
はdjのベクトル表示であり、
JP0004775632B2_000029t.gif
はbiのベクトル表示であり、Hは観測によるデータの平均化を表す行列であり、
JP0004775632B2_000030t.gif
及び
JP0004775632B2_000031t.gif
の次元は互いに同じであるとする)を得るステップと、
JP0004775632B2_000032t.gif

なる式を前記(7)式に加え、
JP0004775632B2_000033t.gif
なる式を得るステップと、
前記(9)式が最小となるような
JP0004775632B2_000034t.gif
を導出するステップと、
を具えることを特徴とする、SQUID顕微鏡による画像の解析方法(第4の画像解析方法)に関する。
【0011】
上述した第1の画像解析方法~第4の画像解析方法によれば、いずれの方法においても、前記SQUID顕微鏡による測定領域を複数のセルに分割し、i番目のセルをbiとして規定するとともに、前記SQUID顕微鏡のピックアップコイルがカバーする測定領域を複数のセルに分割し、これらの間に行列などを用いた所定の関係式を形成し、この関係式に逆演算を施すことにより、前記ピックアップコイルがカバーする測定領域のセル画像データに基づいて、測定領域全体のセル画像を解析するようにしている。この場合、前記ピックアップコイルのスケール以下の画像(セル画像)を解析するようにしているので、目的とする画像の解像度を前記ピックアップコイル以下のスケールで、十分高解像度に得ることができる。
【0012】
なお、以下において詳述するが、第1の画像解析方法~第3の画像解析方法に比較して、第4の画像解析方法は、ノイズ成分をより効果的に除去することができる。
【0013】
また、本発明では、上述した画像解析方法を用いたSQUID顕微鏡による画像の解析システムに関する。具体的に、本願の請求項12に関わる発明は、
超伝導量子干渉素子(SQUID)顕微鏡と、
前記SQUID顕微鏡によって得た画像を解析するための画像解析手段とを具え、
前記画像解析手段においては、前記SQUID顕微鏡による測定領域を複数のセルに分割し、i番目のセルをbiとして規定し、前記SQUID顕微鏡のピックアップコイルがカバーする測定領域を複数のセルに分割し、j番目のセルをdjとして規定し、
JP0004775632B2_000035t.gif

なる式(ここで、
JP0004775632B2_000036t.gif
はコイルの形状因子である)に基づいて、
JP0004775632B2_000037t.gif
なる式
(ここで、
JP0004775632B2_000038t.gif
はdjのベクトル表示であり、
JP0004775632B2_000039t.gif
はbiのベクトル表示であり、Hは観測によるデータの平均化を表す行列であり、
JP0004775632B2_000040t.gif
及び
JP0004775632B2_000041t.gif
の次元は互いに同じであるとする)、前記(2)式におけるHの逆行列を導出し、
JP0004775632B2_000042t.gif
から
JP0004775632B2_000043t.gif
を復元することを特徴とする、SQUID顕微鏡による画像の解析システム(第1の画像解析システム)に関する。
【0014】
また、本願の請求項13に関わる発明は、
超伝導量子干渉素子(SQUID)顕微鏡と、
前記SQUID顕微鏡によって得た画像を解析するための画像解析手段とを具え、
前記画像解析手段においては、前記SQUID顕微鏡による測定領域を複数のセルに分割し、i番目のセルをbiとして規定し、前記SQUID顕微鏡のピックアップコイルがカバーする測定領域を複数のセルに分割し、j番目のセルをdjとして規定し、
JP0004775632B2_000044t.gif
なる式(ここで、
JP0004775632B2_000045t.gif
はコイルの形状因子である)に基づいて、
JP0004775632B2_000046t.gif
なる式
(ここで、
JP0004775632B2_000047t.gif
は2次元の波数ベクトルであり、
JP0004775632B2_000048t.gif
はコイルピックアップの形状因子を表す行列である)を得、前記(3)式を変形して(4)式を得、
JP0004775632B2_000049t.gif
を導出することを特徴とする、SQUID顕微鏡による画像の解析システム(第2の画像解析システム)に関する。
【0015】
さらに、本願の請求項16に関わる発明は、
超伝導量子干渉素子(SQUID)顕微鏡と、
前記SQUID顕微鏡によって得た画像を解析するための画像解析手段とを具え、
前記画像解析手段においては、前記SQUID顕微鏡による測定領域を複数のセルに分割し、i番目のセルをbiとして規定し、前記SQUID顕微鏡のピックアップコイルがカバーする測定領域を複数のセルに分割し、j番目のセルをdjとして規定し、
JP0004775632B2_000050t.gif
なる式(ここで、
JP0004775632B2_000051t.gif
はコイルの形状因子である)に基づいて、
JP0004775632B2_000052t.gif
なる式
(ここで、
JP0004775632B2_000053t.gif
はdjのベクトル表示であり、
JP0004775632B2_000054t.gif
はbiのベクトル表示であり、Hは観測によるデータの平均化を表す行列であり、
JP0004775632B2_000055t.gif
及び
JP0004775632B2_000056t.gif
の次元は互いに同じであるとする)を得、前記(7)式におけるFが最小となるような
JP0004775632B2_000057t.gif
を導出することを特徴とする、SQUID顕微鏡による画像の解析システム(第3の画像解析システム)に関する。
【0016】
また、本願の請求項17に関わる発明は、
超伝導量子干渉素子(SQUID)顕微鏡と、
前記SQUID顕微鏡によって得た画像を解析するための画像解析手段とを具え、
前記画像解析手段においては、前記SQUID顕微鏡による測定領域を複数のセルに分割し、i番目のセルをbiとして規定し、前記SQUID顕微鏡のピックアップコイルがカバーする測定領域を複数のセルに分割し、j番目のセルをdjとして規定し、
JP0004775632B2_000058t.gif
なる式(ここで、
JP0004775632B2_000059t.gif
はコイルの形状因子である)に基づいて、
JP0004775632B2_000060t.gif
なる式
(ここで、
JP0004775632B2_000061t.gif
はdjのベクトル表示であり、
JP0004775632B2_000062t.gif
はbiのベクトル表示であり、Hは観測によるデータの平均化を表す行列であり、
JP0004775632B2_000063t.gif
及び
JP0004775632B2_000064t.gif
の次元は互いに同じであるとする)を得、
JP0004775632B2_000065t.gif

なる式を前記(7)式に加えて、
JP0004775632B2_000066t.gif
なる式を得、前記(9)式が最小となるような
JP0004775632B2_000067t.gif
を導出することを特徴とする、SQUID顕微鏡による画像の解析システム(第4の画像解析システム)に関する。
【発明の効果】
【0017】
以上説明したように、本発明によれば、超伝導量子干渉素子(SQUID)顕微鏡で得た画像を、例えばそのピックアップスケールよりも小さいようなスケールで解析し、高解像度の画像を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
以下、本発明の詳細、並びにその他の特徴及び利点について、発明を実施するための最良の形態に基づいて詳細に説明する。
【0019】
図1は、超伝導量子干渉素子(SQUID)顕微鏡における、正方形のピックアップコイルを用いて得た画像を解析する工程を説明するための図である。図1において、破線で示す領域は、SQUID顕微鏡による測定領域を示し、実線で示す領域は、前記ピックアップコイルがカバーする測定領域を示すものである。
【0020】
(第1の画像解析方法)
図1に示すように、本発明においては、SQUID顕微鏡による測定領域を複数のセルに分割し、i番目のセルをbiとするとともに、前記ピックアップコイルがカバーする測定領域を複数のセルに分割し、j番目のセルをdjとする。このとき、bi及びdjは、
JP0004775632B2_000068t.gif

なる式(ここで、
JP0004775632B2_000069t.gif
はコイルの形状因子である)で表すことができる。
次いで、本発明では、上記(1)式に基づき、
JP0004775632B2_000070t.gif
なる等価な式
(ここで、
JP0004775632B2_000071t.gif
はdjのベクトル表示であり、
JP0004775632B2_000072t.gif
はbiのベクトル表示であり、Hは観測によるデータの平均化を表す行列であり、
JP0004775632B2_000073t.gif
及び
JP0004775632B2_000074t.gif
の次元は互いに同じであるとする)を得る。
【0021】
したがって、(2)式におけるHの逆行列を導出することにより、
JP0004775632B2_000075t.gif
から
JP0004775632B2_000076t.gif
を復元することができる。この
JP0004775632B2_000077t.gif
は、SQUID顕微鏡による測定領域のセルに分割された画像成分に相当し、前記ピックアップスケールよりも小さいので、このような解析を前記SQUID顕微鏡による測定領域の全セルに対して施すことにより、SQUID顕微鏡によって得た画像を前記ピックアップスケールよりも小さい、すなわち高い解像度で得ることができる。
【0022】
(第2の画像解析方法)
なお、上述した方法に代えて、(1)式より
JP0004775632B2_000078t.gif
なる式
(ここで、
JP0004775632B2_000079t.gif
は2次元の波数ベクトルであり、
JP0004775632B2_000080t.gif
はコイルピックアップの形状因子を表す行列である)を得、前記(3)式を変形して(4)式を得た後、
JP0004775632B2_000081t.gif
を導出するようにすることができる。この場合においても、前記FはQUID顕微鏡による測定領域のセルに分割された画像成分に相当し、前記ピックアップスケールよりも小さいので、このような解析を前記SQUID顕微鏡による測定領域の全セルに対して施すことにより、SQUID顕微鏡によって得た画像を前記ピックアップスケールよりも小さい、すなわち高い解像度で得ることができる。
【0023】
なお、(3)式は(1)式を畳み込んで得ることができるものである。
【0024】
前記ピックアップコイルが正方形である場合、前記
JP0004775632B2_000082t.gif

JP0004775632B2_000083t.gif
なる式で表すことができる。
【0025】
また、前記ピックアップコイルが円形である場合、前記
JP0004775632B2_000084t.gif

JP0004775632B2_000085t.gif
なる式で表すことができる。
【0026】
(第3の画像解析方法)
上述した第2の画像解析方法では、
JP0004775632B2_000086t.gif
となるような波数が存在する。このような波数成分は本来
JP0004775632B2_000087t.gif
には存在しないが、ノイズの効果によりそのような波数成分が誘起される場合がある。このような場合、前記ノイズ効果により
JP0004775632B2_000088t.gif

JP0004775632B2_000089t.gif
と書き表すことができ、上記(4)式は
JP0004775632B2_000090t.gif

で表すことができる。この場合、
JP0004775632B2_000091t.gif
となるような波数を有するノイズ成分は発散的に増幅されることになる。
【0027】
したがって、このような場合においては、本発明の第3の画像解析方法に従って、
JP0004775632B2_000092t.gif
なる式(ここで、
JP0004775632B2_000093t.gif
はコイルの形状因子である)に基づいて、
JP0004775632B2_000094t.gif
なる式
(ここで、
JP0004775632B2_000095t.gif
はdjのベクトル表示であり、
JP0004775632B2_000096t.gif
はbiのベクトル表示であり、Hは観測によるデータの平均化を表す行列であり、
JP0004775632B2_000097t.gif
及び
JP0004775632B2_000098t.gif
の次元は互いに同じであるとする)を得、前記(7)式における
JP0004775632B2_000099t.gif
が最小となるように
JP0004775632B2_000100t.gif
を導出する。これによって、上記問題を回避することができる。
【0028】
なお、上述したように、
JP0004775632B2_000101t.gif
はSQUID顕微鏡による測定領域のセルに分割された画像成分に相当し、前記ピックアップスケールよりも小さいので、このような解析を前記SQUID顕微鏡による測定領域の全セルに対して施すことにより、SQUID顕微鏡によって得た画像を前記ピックアップスケールよりも小さい、すなわち高い解像度で得ることができる。
【0029】
(第4の画像解析方法)
上述した第3の画像解析方法でも、あるゼロでない
JP0004775632B2_000102t.gif
に対して
JP0004775632B2_000103t.gif
がゼロになり、逆変換によって
JP0004775632B2_000104t.gif
を導出できないような場合がある。このような場合は、本発明の第4の画像解析方法に基づいて、上記(7)なる式に
JP0004775632B2_000105t.gif
なる式を加え、以下に示すような(9)式を得て
JP0004775632B2_000106t.gif
に硬さを持たせるようにする。したがって、この場合においては、(9)式が最小となるような場合の
JP0004775632B2_000107t.gif
を求める。
【0030】
なお、この場合、上記(8)式におけるγは、ノイズレベルの大きさに応じて変化させるようにする。具体的には、上記(8)式におけるγは、ノイズレベルの増大に伴って増大させる。
【0031】
また、上記(8)式は、
JP0004775632B2_000108t.gif
なる式に書き直し(ここで、
JP0004775632B2_000109t.gif

JP0004775632B2_000110t.gif
の転置ベクトル)、
JP0004775632B2_000111t.gif
なる式から
JP0004775632B2_000112t.gif
を導出するようにすることができる。
【0032】
前記CはSQUID顕微鏡による測定領域のセルに分割された画像成分に相当し、前記ピックアップスケールよりも小さいので、このような解析を前記SQUID顕微鏡による測定領域の全セルに対して施すことにより、SQUID顕微鏡によって得た画像を前記ピックアップスケールよりも小さい、すなわち高い解像度で得ることができる。
【0033】
この場合、前記γは、得られる画像が最も鮮明となるように調整する。
【0034】
図2及び図3は、本発明の第4の画像解析方法によって得た画像を示す写真である。いずれの図においても、左側がSQUID顕微鏡によるオリジナルな画像であり、右側が第4の画像解析方法を施して得た画像を示す写真である。いずれの場合においても、本発明の画像解析を施すことにより、得られた画像の解像度が向上していることが分かる。
【0035】
以上、具体例を挙げながら発明の実施の形態に基づいて本発明を詳細に説明してきたが、本発明は上記内容に限定されるものではなく、本発明の範疇を逸脱しない限りにおいてあらゆる変形や変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】超伝導量子干渉素子(SQUID)顕微鏡における、正方形のピックアップコイルを用いて得た画像を解析する工程を説明するための図である。
【図2】本発明の第4の画像解析方法によって得た画像を示す写真である。
【図3】同じく、本発明の第4の画像解析方法によって得た画像を示す写真である。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2