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明細書 :リン酸カルシウム透明体およびその製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5299658号 (P5299658)
公開番号 特開2007-246299 (P2007-246299A)
登録日 平成25年6月28日(2013.6.28)
発行日 平成25年9月25日(2013.9.25)
公開日 平成19年9月27日(2007.9.27)
発明の名称または考案の名称 リン酸カルシウム透明体およびその製造方法
国際特許分類 C01B  25/32        (2006.01)
A61L  29/00        (2006.01)
A61K   6/033       (2006.01)
FI C01B 25/32 B
C01B 25/32 P
A61L 29/00 Z
A61K 6/033
請求項の数または発明の数 11
全頁数 25
出願番号 特願2006-068295 (P2006-068295)
出願日 平成18年3月13日(2006.3.13)
審査請求日 平成21年2月6日(2009.2.6)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
【識別番号】803000056
【氏名又は名称】公益財団法人ヒューマンサイエンス振興財団
発明者または考案者 【氏名】古薗 勉
【氏名】岡田 正弘
【氏名】安田 昌司
【氏名】小粥 康充
個別代理人の代理人 【識別番号】110000338、【氏名又は名称】特許業務法人原謙三国際特許事務所
審査官 【審査官】西山 義之
参考文献・文献 特開平07-034329(JP,A)
特開2005-193231(JP,A)
特開2002-137910(JP,A)
調査した分野 C01B 25/00-25/46
特許請求の範囲 【請求項1】
平均粒子径が5~100nmの範囲内であり、粒子径の変動係数が5~50%の範囲内であるリン酸カルシウムが溶媒中に分散した分散液を、該溶媒の凝固点より10℃高い温度以上、該溶媒の沸点以下の範囲内の温度で、静置乾燥させることによって得られ、
X線回折パターンにおける(002)面の回折である2θ=25.90°の半値幅が0.35°以上2.00°以下の範囲内であり、
厚さ500μmのフィルムとした場合の可視光の透過率が30%以上100%以下の範囲内であることを特徴とするリン酸カルシウム透明体。
【請求項2】
見かけ密度が1.6g/cm以上3.15g/cm以下の範囲内であることを特徴とする請求項1に記載のリン酸カルシウム透明体。
【請求項3】
粒子間隙が200nm以下であることを特徴とする請求項1~の何れか1項に記載のリン酸カルシウム透明体。
【請求項4】
請求項1~の何れか1項に記載のリン酸カルシウム透明体を含むことを特徴とするコーティング材料。
【請求項5】
請求項1~の何れか1項に記載のリン酸カルシウム透明体を含むことを特徴とする細胞培養用材料。
【請求項6】
請求項1~の何れか1項に記載のリン酸カルシウム透明体を含むことを特徴とする医療用材料。
【請求項7】
請求項4に記載のコーティング材料によりコーティングされたことを特徴とする請求項6に記載の医療用材料。
【請求項8】
請求項1~の何れか1項に記載のリン酸カルシウム透明体を含むことを特徴とする歯科用材料。
【請求項9】
請求項4に記載のコーティング材料によりコーティングされたことを特徴とする請求項に記載の歯科用材料。
【請求項10】
請求項1~3の何れか1項に記載のリン酸カルシウム透明体を製造する方法であって、
平均粒子径が5~100nmの範囲内であり、粒子径の変動係数が5~50%の範囲内であるリン酸カルシウムが溶媒中に分散した分散液を、該溶媒の凝固点より10℃高い温度以上、該溶媒の沸点以下の範囲内の温度で、静置乾燥させることを特徴とするリン酸カルシウム透明体の製造方法。
【請求項11】
上記分散液を静置乾燥させる前に、濾過または遠心分離により分散液中の溶媒を取り除くことを特徴とする請求項10に記載のリン酸カルシウム透明体の製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、リン酸カルシウム透明体および該リン酸カルシウム透明体を高熱処理を行わずに製造する方法、並びにその透明体の用途に関する。
【背景技術】
【0002】
ハイドロキシアパタイト、β-リン酸三カルシウムなどのリン酸カルシウム化合物からなる透明体(リン酸カルシウム透明体)は、生体親和性、生体適合性、生体組織に対する密着性あるいは接着性を有し、医療用材料に有用である。更には軟組織に対しても親和性があることが知られている。リン酸カルシウム透明体は透明であるため、リン酸カルシウム上で細胞活動を評価する際に、細胞培養試験による観察や機器分析による定量的評価などが可能となる。
【0003】
リン酸カルシウム化合物の合成には、湿式法、熱水法および乾式法と呼ばれる方法が用いられ、リン酸カルシウム化合物粒子の工業的な大量合成には、主に湿式法が用いられている。この湿式法の具体的な方法としては、常温下にて水酸化カルシウムスラリーにリン酸を滴下して合成する沈殿法や、リン酸水素カルシウム二水和物と炭酸カルシウムとを反応させる加水分解法などが知られている(例えば、非特許文献1参照)。
【0004】
リン酸カルシウム透明体は、上記方法によって得られるリン酸カルシウム化合物を焼結させることにより得られる。焼結方法としては、900~1100℃、200MPaの高温・高圧条件下で行う熱間等方圧加圧成形法(例えば、非特許文献2参照)や、300℃、50MPaの高温・高圧条件下で行う水熱ホットプレス法(例えば、非特許文献3参照)や、ゲルキャスティングにより得られる粉末の1000℃での常圧焼結による方法(例えば、非特許文献4参照)や、特殊電源制御装置を用い、800~1000℃の高温条件で行う放電プラズマ焼結法(例えば、非特許文献5参照)が知られている。また、670~780℃の焼結により、半透明アパタイトガラスセラミックを製造する方法が開示されている(例えば特許文献1、2参照)。

【特許文献1】特開2002-53343号公報(2002年2月19日公開)
【特許文献2】特開平11-29342号公報(1999年2月2日公開)
【非特許文献1】松田信行、若菜穣、鍛冶文宏、「水酸アパタイトおよび関連リン酸塩類の結晶および結晶集合体の形態制御」、Inorganic Materials, Vol.2 No.258,393-400(1995)
【非特許文献2】KOJI IOKU and MASAHIRO YOSHIMURA, [MICROSTRUCTURE DESIGNING OF HYDROXYAPATITE CERAMICS BY HIP POST-SINTERING], Hot Isostatic Press Theory Appl, pp. 123-128 (1992)
【非特許文献3】Koji IOKU, Keiichi YAMAMOTO, Kazumichi YANAGISAWA and Nakamichi YAMASAKI, [LOW TEMPERATURE SINTERING OF HYDROXYAPATITE BY HYDROTHERMAL HOT-PRESSING], Phosphorus Res Bull, Vol. 4, pp. 65-70 (1994)
【非特許文献4】Harikrishna Varma, Sekhara Pillai Vijayan and Sivadasan Suresh Babu, [Transparent Hydroxyapatite Ceramics through Gelcasting and Low-Temperature Sintering], J Am Ceram Soc, Vol.85, 493-495 (2002)
【非特許文献5】井奥洪二、川越大輔、寿典子、大串始、「細胞とナノインターフェース観察に適したリン酸カルシウム透明体」、バイオマテリアル、Vol. 23、pp.343-347(2005)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来の構成では、リン酸カルシウム透明体を得るためには、300℃以上の高温で熱処理(焼結)を行わなければならないという問題を生じる。
【0006】
このため、リン酸カルシウム透明体を製造するためには、高温の熱処理用の設備が必要である。従って、設備が高額となり、設備の運転コストが高くなるため、リン酸カルシウム透明体の製造コストは高くなる。
【0007】
これまでに、高温での熱処理を行わずにリン酸カルシウム透明体を製造した例は知られておらず、高温の熱処理を行わず、大掛かりな設備を必要としないリン酸カルシウム透明体の製造方法が求められていた。
【0008】
本発明は、上記の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、焼結などの高温の熱処理を行うことなく、低コストで製造することができる低結晶性のリン酸カルシウム透明体およびその製造方法を実現することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るリン酸カルシウム透明体は、上記課題を解決するために、リン酸カルシウムが溶媒中に分散した分散液を、該溶媒の凝固点よりも高く、該溶媒の沸点より100℃高い温度以下の範囲内の温度で、静置乾燥させることによって得られ、厚さ500μmのフィルムとした場合の可視光の透過率が30%以上100%以下の範囲内であることを特徴としている。
【0010】
上記構成によれば、高温高圧下で処理を行うことなく得られるため、低コストで、低結晶性のリン酸カルシウム透明体を提供することができるという効果を奏する。
【0011】
また、リン酸カルシウム化合物が溶媒中に分散した分散液を、乾燥させるだけで得られるため、例えば、上記分散液を被コーティング物の上で乾燥させることにより、様々な材料にリン酸カルシウム透明体をコーティングさせることができるコーティング材料を提供することができる。
【0012】
また、低結晶性のリン酸カルシウム透明体は、生体の骨や歯の成分と近いため、リン酸カルシウム透明体上で細胞を培養することができる。このため、細胞の活動を直接評価することができる細胞培養用材料を提供することができる。
【0013】
また、リン酸カルシウム透明体は、生体接着性および透明性に優れることから、中心静脈栄養カテーテルなどの経皮デバイスに接続あるいはコーティングすることにより、細菌感染を防止することができ、生体内の透過光測定を行うことができる医療用材料を提供することができる。
【0014】
本発明に係るリン酸カルシウム透明体では、上記分散液中におけるリン酸カルシウムは、平均粒子径が5~100nmの範囲内であり、粒子径の変動係数が5~50%の範囲内であることが好ましい。
【0015】
上記構成によれば、分散液中におけるリン酸カルシウムは、粒子径が小さく、かつ粒子径の均一な(粒度分布が狭い)ため、より密にパッキングされたリン酸カルシウム透明体を提供することができる。
【0016】
本発明に係るリン酸カルシウム透明体は、上記課題を解決するために、X線回折パターンにおける(002)面の回折である2θ=25.90°の半値幅が0.35°以上2.00°以下の範囲内であり、厚さ500μmのフィルムとした場合の可視光の透過率が30%以上100%以下の範囲内であることを特徴としている。
【0017】
上記構成によれば、低結晶性であるため、生体の骨や歯の成分と近く、リン酸カルシウム透明体上で細胞を培養することができる。このため、例えば、細胞の活動を直接評価することができる細胞培養用材料を提供することができるという効果を奏する。
【0018】
また、リン酸カルシウム透明体は、生体接着性および透明性に優れることから、中心静脈栄養カテーテルなどの経皮デバイスに接続あるいはコーティングすることにより、細菌感染を防止することができ、生体内の透過光測定を行うことができる医療用材料を提供することができる。
【0019】
本発明に係るリン酸カルシウム透明体は、上記課題を解決するために、リン酸カルシウムの粒子径が5~100nmの範囲内であり、厚さ500μmのフィルムとした場合の可視光の透過率が30%以上100%以下の範囲内であることを特徴としている。
【0020】
上記構成によれば、生体の骨や歯の成分と近く、リン酸カルシウム透明体上で細胞を培養することができる。このため、例えば、細胞の活動を直接評価することができる細胞培養用材料を提供することができるという効果を奏する。
【0021】
また、リン酸カルシウム透明体は、生体接着性および透明性に優れることから、中心静脈栄養カテーテルなどの経皮デバイスに接続あるいはコーティングすることにより、細菌感染を防止することができ、生体内の透過光測定を行うことができる医療用材料を提供することができる。
【0022】
本発明に係るリン酸カルシウム透明体では、見かけ密度が1.6g/cm以上3.15g/cm以下の範囲内であることが好ましい。
【0023】
本発明に係るリン酸カルシウム透明体では、粒子間隙が200nm以下であることが好ましい。
【0024】
本発明に係るコーティング材料は、上記課題を解決するために、上記本発明に係るリン酸カルシウム透明体を含むことを特徴としている。
【0025】
上記構成によれば、様々な材料にリン酸カルシウム透明体をコーティングさせることができるコーティング材料を提供することができる。
【0026】
本発明に係る細胞培養用材料は、上記課題を解決するために、上記本発明に係るリン酸カルシウム透明体を含むことを特徴としている。
【0027】
上記構成によれば、上記本発明に係るリン酸カルシウム透明体を含むため、細胞培養用材料上で細胞を培養することができ、上記細胞の活動を直接評価することができる細胞培養用材料を提供することができる。
【0028】
本発明に係る医療用材料は、上記課題を解決するために、上記本発明に係るリン酸カルシウム透明体を含むことを特徴としている。
【0029】
上記構成によれば、上記本発明に係るリン酸カルシウム透明体または上記本発明に係るコーティング材料を含むため、細菌感染を防止することができ、生体内の透過光測定を行うことができる医療用材料を提供することができる。
【0030】
本発明に係る医療用材料は、上記本発明に係るコーティング材料によりコーティングされたことが好ましい。
【0031】
上記構成によれば、リン酸カルシウム透明体をコーティングした医療用材料を簡便に製造することができるという更なる効果を奏する。
【0032】
本発明に係る歯科用材料は、上記課題を解決するために、上記本発明に係るリン酸カルシウム透明体を含むことを特徴としている。
【0033】
上記構成によれば、上記本発明に係るリン酸カルシウム透明体または上記本発明に係るコーティング材料を含むため、細菌感染を防止することができ、透過光測定を行うことができる歯科用材料を提供することができる。
【0034】
本発明に係る歯科用材料は、上記本発明に係るコーティング材料によりコーティングされたことが好ましい。
【0035】
上記構成によれば、リン酸カルシウム透明体をコーティングした歯科用材料を簡便に製造することができるという更なる効果を奏する。
【0036】
本発明に係るリン酸カルシウム透明体の製造方法は、上記課題を解決するために、平均粒子径が5~100nmの範囲内であり、粒子径の変動係数が5~50%の範囲内であるリン酸カルシウムが溶媒中に分散した分散液を、該溶媒の凝固点よりも高く、該溶媒の沸点より100℃高い温度以下の範囲内の温度で、静置乾燥させることを特徴としている。
【0037】
上記方法によれば、従来のように高温高圧下で処理を行うことなく、低コストで、低結晶性のリン酸カルシウム透明体を製造することができるという効果を奏する。
【0038】
本発明に係るリン酸カルシウム透明体の製造方法では、上記分散液を静置乾燥させる前に、濾過または遠心分離により分散液中の溶媒を取り除くことが好ましい。
【0039】
上記方法によれば、静置乾燥の前に濾過または遠心分離により分散液中の溶媒を取り除くため、静置乾燥の際の乾燥時間を短縮することができる。このため、より低コストでリン酸カルシウム透明体を製造することができるという更なる効果を奏する。
【発明の効果】
【0040】
本発明に係るリン酸カルシウム透明体は、以上のように、リン酸カルシウムが溶媒中に分散した分散液を、該溶媒の凝固点よりも高く、該溶媒の沸点より100℃高い温度以下の範囲内の温度で、静置乾燥させることによって得られ、厚さ500μmのフィルムとした場合の可視光の透過率が30%以上100%以下の範囲内であることを特徴としている。
【0041】
このため、低コストで、低結晶性のリン酸カルシウム透明体を提供することができるという効果を奏する。
【0042】
本発明に係るリン酸カルシウム透明体は、以上のように、X線回折パターンにおける(002)面の回折である2θ=25.90°の半値幅が0.35°以上2.00°以下の範囲内であり、厚さ500μmのフィルムとした場合の可視光の透過率が30%以上100%以下の範囲内であることを特徴としている。
【0043】
このため、例えば、細胞の活動を直接評価することができる細胞培養用材料を提供することができるという効果を奏する。
【0044】
本発明に係るリン酸カルシウム透明体は、以上のように、リン酸カルシウムの粒子径が5~100nmの範囲内であり、厚さ500μmのフィルムとした場合の可視光の透過率が30%以上100%以下の範囲内であることを特徴としている。
【0045】
このため、例えば、細胞の活動を直接評価することができる細胞培養用材料を提供することができるという効果を奏する。
【0046】
本発明に係るコーティング材料は、以上のように、上記本発明に係るリン酸カルシウム透明体を含むことを特徴としている。
【0047】
このため、様々な材料にリン酸カルシウム透明体をコーティングさせることができるコーティング材料を提供することができる。
【0048】
本発明に係る細胞培養用材料は、以上のように、上記本発明に係るリン酸カルシウム透明体を含むことを特徴としている。
【0049】
このため、細胞培養用材料上で細胞を培養することができ、上記細胞の活動を直接評価することができる細胞培養用材料を提供することができる。
【0050】
本発明に係る医療用材料は、以上のように、上記本発明に係るリン酸カルシウム透明体を含むことを特徴としている。
【0051】
このため、細菌感染を防止することができ、生体内の透過光測定を行うことができる医療用材料を提供することができる。
【0052】
本発明に係る歯科用材料は、以上のように、上記本発明に係るリン酸カルシウム透明体を含むことを特徴としている。
【0053】
このため、細菌感染を防止することができ、透過光測定を行うことができる歯科用材料を提供することができる。
【0054】
本発明に係るリン酸カルシウム透明体の製造方法は、以上のように、平均粒子径が5~100nmの範囲内であり、粒子径の変動係数が5~50%の範囲内であるリン酸カルシウムが溶媒中に分散した分散液を、該溶媒の凝固点よりも高く、該溶媒の沸点より100℃高い温度以下の範囲内の温度で、静置乾燥させることを特徴としている。
【0055】
このため、低コストで、低結晶性のリン酸カルシウム透明体を製造することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0056】
本発明の実施の形態について説明すれば、以下のとおりである。尚、本発明はこれに限定されるものではない。
【0057】
一般に、ハイドロキシアパタイトやβ-リン酸三カルシウムなどのリン酸カルシウム化合物は湿式法などにより微粒子形態で製造され、微粒子を乾燥した後、500℃~1200℃の熱処理で微粒子間を融着させる焼結過程を経て成型物となる。得られる成型物を透明にするためには、可視光がその成型物を透過することが必要となる。材料に入射された光は、可視光の波長程度の大きさの粒子あるいは粒子間の空隙による光散乱、材料自体による吸収を経て、残存した光が透過光となる。リン酸カルシウム自体による可視光の吸収はないため、上記の成型物自体による吸収については考慮する必要がない。つまり、可視光の波長よりも短い長さの粒子径のリン酸カルシウム微粒子を製造し、その微粒子を密に成形することで、リン酸カルシウム透明体を得ることができる。
【0058】
本実施の形態に係るリン酸カルシウム透明体は、リン酸カルシウムが溶媒中に分散した分散液を、該溶媒の凝固点よりも高く、該溶媒の沸点より100℃高い温度以下の範囲内の温度で、静置乾燥させることによって得られ、厚さ500μmのフィルムとした場合の可視光の透過率が30%以上100%以下の範囲内である。
【0059】
また、本実施の形態に係るリン酸カルシウム透明体は、X線回折パターンにおける(002)面の回折である2θ=25.90°の半値幅が0.35°以上2.00°以下の範囲内であり、厚さ500μmのフィルムとした場合の可視光の透過率が30%以上100%以下の範囲内である。
【0060】
また、本実施の形態に係るリン酸カルシウム透明体は、リン酸カルシウムの粒子径が5~100nmの範囲内であり、厚さ500μmのフィルムとした場合の可視光の透過率が30%以上100%以下の範囲内である。
【0061】
尚、明細書中では、「重量」は「質量」と同義語として扱い、「重量%」は「質量%」と同義語として扱う。また、範囲を示す「A~B」は、A以上B以下であることを示す。
【0062】
また、明細書中における「リン酸カルシウム透明体」とは、厚さ500μmのフィルムとした場合の可視光の透過率が30%以上100%以下の範囲内であり、水分が50%以下のリン酸カルシウムのことを意味する。
【0063】
以下に本実施の形態に係るリン酸カルシウム透明体を製造する方法について説明する。
【0064】
本実施の形態に係るリン酸カルシウム透明体は、平均粒子径が5~100nmの範囲内であり、粒子径の変動係数が5~50%の範囲内であるリン酸カルシウムが溶媒中に分散した分散液を、該溶媒の凝固点よりも高く、該溶媒の沸点より100℃高い温度以下の範囲内の温度で、静置乾燥させることにより製造することができる。
【0065】
上記分散液中に分散したリン酸カルシウム(CaP)としては、例えば、ハイドロキシアパタイト(Ca10(PO(OH))、リン酸トリカルシウム(Ca(PO)、メタリン酸カルシウム(Ca(PO)、Ca10(PO、Ca10(POClなどが挙げられる。尚、上記リン酸カルシウム(CaP)は、湿式法や、乾式法、加水分解法、水熱法などの従来公知の製造方法によって人工的に製造されたものであってもよく、また、骨、歯等から得られる天然由来のものであってもよい。また、上記リン酸カルシウム(CaP)には、リン酸カルシウム(CaP)の水酸イオンおよび/またはリン酸イオンの一部が炭酸イオン、塩化物イオン、フッ化物イオン等で置換された化合物などが含まれていてもよい。
【0066】
本実施の形態に係るリン酸カルシウム透明体は、上記分散液中のリン酸カルシウムを乾燥させることにより得られる。よって、上記分散液中のリン酸カルシウムの一次粒子の状態(粒子径、粒度分布)が、最終生成物であるリン酸カルシウム透明体に直接反映される。したがって、リン酸カルシウム透明体を製造するためには、一次粒子の粒子径はできる限り小さくすることが好ましく、可視光線の波長(約380~800nm)より短くすることが特に好ましい。上記一次粒子の粒子径を小さくするための具体的な手段としては、エマルション法あるいは低温の湿式法により粒子成長期間を短くする方法が挙げられる。これにより、粒子径が10~100nmの範囲内のリン酸カルシウム粒子を製造することができる。
【0067】
尚、明細書中における「粒子径」とは、特に断らない限り、一次粒子の粒子径のことを意味し、「平均粒子径」とは一次粒子の平均粒子径のことを意味する。
【0068】
リン酸カルシウム(CaP)の分散液中における平均粒子径は、100nm以下であれば特には限定されないが、5~100nmの範囲内であることが好ましく、10~80nmの範囲内であることがより好ましく、20~50nmの範囲内であることが特に好ましい。上記平均粒子径が100nmを超えると、粒子による光散乱が顕著となるため、可視光の透過率が低くなり、リン酸カルシウム透明体が得られない。上記平均粒子径が5nm未満であると、製造することが困難であるため、好ましくない。
【0069】
尚、上記粒子径は、動的光散乱法または、電子顕微鏡を用い、少なくとも50個以上の一次粒子について粒子径を測定して計算することにより求めることができる。
【0070】
リン酸カルシウム(CaP)の分散液中における粒子径の変動係数は、5~50%の範囲内であることが好ましく、5~40%の範囲内であることがより好ましく、5~30%の範囲内であることが特に好ましい。変動係数が、50%を超えると、光散乱の原因となる粒子径の大きい粒子が混入する確率が高くるため、可視光の透過率が低くなり、リン酸カルシウム透明体が得られない。
【0071】
尚、上記「変動係数」とは、下記式
変動係数(%)=標準偏差/平均粒子径(nm)×100
から算出することができる粒子間の粒子径のバラツキを示す値である。
【0072】
上記分散液における分散溶媒としては、上記リン酸カルシウム(CaP)が均一に分散するものであれば特には限定されず、水、有機溶媒などが挙げられる。上記有機溶媒としては、例えば、トルエン、キシレン、ヘキサン、ドデカン、シクロヘキサンなどの炭化水素類、クロロベンゼン、クロロホルムなどのハロゲン化炭化水素類、ジエチルエーテル、ジオキサンなどのエーテル類、メタノール、エタノール、ブタノールなどのアルコール類、アセトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類など挙げられ、1種類のみ用いてもよいし、2種類以上併用してもよい。
【0073】
上記分散液は、リン酸カルシウム(CaP)の分散性を高めるため、界面活性剤やリン酸塩あるいはカルシウム塩などの種々の添加剤を含んでいてもよい。界面活性剤としては、後述する陰イオン、陽イオン、両性イオン、非イオン性界面活性剤などが挙げられる。
【0074】
上記リン酸塩としては、リン酸、リン酸三ナトリウム、リン酸一水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸三カリウム、リン酸一水素カリウム、リン酸二水素カリウムなどが挙げられる。上記カルシウム塩としては、硝酸カルシウム、塩化カルシウム、水酸化カルシウムなどが挙げられる。
【0075】
リン酸カルシウムが溶媒中に分散した上記分散液の製造方法は、リン酸カルシウムが溶媒中に均一に分散していれば特には限定されず、リン酸カルシウムの種類(組成)により適宜選択の上、採用すればよい。例えば、常温下において水酸化カルシウムスラリーにリン酸を滴下すれば、リン酸カルシウム(CaP)の粒子が沈殿する。
【0076】
上述したようなナノメートルサイズでかつ粒子径が均一な(粒度分布が狭い)一次粒子群を生成する方法については、特に限定されるものではないが、例えば、従来公知の方法(例えば、特開2002-137910号公報参照)が利用可能である。つまり、界面活性剤/水/オイル系エマルジョン相にカルシウム溶液およびリン酸溶液を可溶化して混合させ、界面活性剤の曇点以上の温度で反応させることでリン酸カルシウム微粒子(一次粒子)を合成することができるというものである。また、このとき上記界面活性剤の官能基および親水性/疎水性比の割合を変えることによりリン酸カルシウム微粒子の大きさを制御することができる。
【0077】
上記リン酸カルシウム微粒子を製造する原理を簡単に説明すれば、以下の通りである。界面活性剤/水/オイル系エマルジョン相にカルシウム溶液およびリン酸溶液を可溶化して混合させ、反応させてリン酸カルシウム微粒子を合成する方法においては、界面活性剤のミセルの中でリン酸カルシウムの核が成長し、結晶成長する。このとき反応温度を界面活性剤の曇点以上とすることにより、ミセルの熱力学的安定性を制御することができる。すなわち界面活性剤の曇点以上に反応温度を上げるということは、界面活性剤のミセルを形成する力を下げるということである。これにより、ミセルという枠の中で制限を受けていたリン酸カルシウムの結晶成長の駆動力がミセルの枠を維持しようとする駆動力より大きくなると考えられる。よって、そのメカニズムを利用して結晶の形を制御できる。
【0078】
界面活性剤のミセルを作る場合に、界面活性剤の官能基(親水性部位)および分子内の親水性/疎水性比が重要であり、この違いによってミセルの安定性、曇点も異なってくる。また界面活性剤の曇点は、種類によって異なる。したがって、界面活性剤の種類を適宜変更することにより、上記界面活性剤の官能基および親水性/疎水性比の割合を変えることができ、リン酸カルシウム微粒子の大きさを制御することができる。
【0079】
尚、上記方法において用いる界面活性剤の種類は、特に限定されず、従来公知(例えば、特開平5-17111号公報参照)の陰イオン、陽イオン、両性イオン、非イオン性界面活性剤から適宜選択して用いることができる。より具体的には、非イオン性界面活性剤としてポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアリルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ポリオキシエチレン・ポリオキシプロピレンブロックコポリマー、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビトール脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミンなどが利用可能である。また陽イオン界面活性剤としては、ステアリルアミン塩酸塩、ラリウルトリメチルアンモニウムクロライド、アルキルベンゼンジメチルアンモニウムクロライドなどの第4級アンモニウム塩などが利用可能である。陰イオン界面活性剤としては、ラリウルアルコール硫酸エステルナトリウム、オレイルアルコール硫酸エステルナトリウムなどの高級アルコール硫酸エステル塩類、ラリウル硫酸ナトリウム、ラリウル硫酸アンモニウムなどのアルキル硫酸塩類、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、ドデシルナフタレンスルホン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩類などが利用可能である。両性界面活性剤としては、アルキルベタイン型、アルキルアミドベタイン型、アミンオキサイド型等が利用可能である。上記界面活性剤は1種類または2種類以上の組み合わせで使用する。この中で、曇点、溶解性の点から、特にペンタエチレングリコールドデシルエーテルを使用することが望ましい。
【0080】
また上記方法において利用可能なオイル相としては、例えば、上述した有機溶媒が挙げられ、これら溶媒は、使用する界面活性剤に応じて、水の溶解度が小さく、上記界面活性剤のいずれかを溶解するように1種もしくは2種を選択する。この中で、水の溶解度、界面活性剤の溶解性の点から、特にドデカンを使用することが望ましい。この他反応温度、反応時間、原料の添加量等は、一次粒子の組成に応じて適宜最適な条件を選択の上、採用すればよい。但し、反応温度の上限は、溶液が沸騰しない温度であることが好ましく、例えば、90℃以下が好ましい。
【0081】
本実施の形態に係るリン酸カルシウム透明体は、上記分散液を、該溶媒の凝固点よりも高く、該溶媒の沸点より100℃高い温度以下の範囲内の温度で、静置乾燥させることにより得ることができる。具体的には、例えば、溶媒が水であり、常圧で乾燥する場合、分散液を、0℃よりも高く、200℃以下である温度の範囲内で乾燥することにより得ることができる。
【0082】
上記「静置乾燥」とは、乾燥中において、分散液中のリン酸カルシウム一次粒子に重力方向以外の外力を与えないで溶媒を蒸発させることを意味し、例えば、一定の温度に設定された乾燥機の中に、シャーレなどの容器の中に上記分散液を入れて行う乾燥などが挙げられる。言い換えれば、分散液の液面を乱すことなく、均一に乾燥させることである。このように、分散液を均一に乾燥することにより、溶媒の蒸発に伴って、分散液中のリン酸カルシウム一次粒子同士が均一に接近するため、乾燥後の上記リン酸カルシウム一次粒子は、互いが密となるような構造を形成すると推測される。
【0083】
乾燥温度は、分散液の溶媒の凝固点よりも高く、溶媒の沸点より100℃高い温度以下の範囲内であれば特には限定されないが、上記溶媒の凝固点より10℃高い温度以上沸点以下の範囲内であることがより好ましい。
【0084】
また、静置乾燥の際の圧力は、常圧のみならず、減圧状態であっても加圧状態であってもかまわない。但し、乾燥温度は、その圧力下における溶媒の凝固点よりも高く、溶媒の沸点より100℃高い温度以下の範囲内でなければならない。
【0085】
更には、乾燥時にリン酸カルシウム粒子の凝集を防ぐことにより、リン酸カルシウム一次粒子同士がより密の構造となるように、リン酸カルシウム一次粒子の表面電位を向上させた状態で乾燥させることが好ましい。具体的には、分散液中に界面活性剤やリン酸イオンあるいはカルシウムイオンを加えることで、リン酸カルシウム一次粒子の表面電位を向上させた状態で、乾燥を行う。ここで用いられる界面活性剤やリン酸イオンあるいはカルシウムイオンとしては上述したものが挙げられる。
【0086】
また、液面を乱さなければ、例えば、分散液の液面の面方向に対して均一に外力を加えてもよい。具体的には、乾燥前に上記分散液を濾過してもよいし、遠心分離を行ってもよい。上記濾過の方式としては、濾過中の分散液の液面を乱さなければ、特には限定されず、例えば、自然濾過、減圧濾過、加圧濾過を行うことができる。上記分散液の乾燥前に、上記分散液を減圧濾過または加圧濾過などを行うことにより、乾燥時間を短縮することができるため、より低コストでリン酸カルシウム透明体を得ることができる。
【0087】
上記遠心分離の条件としては、特には限定されないが、例えば、1000~15000Gの範囲内、5~20分の範囲内の時間で行うことができる。
【0088】
従来のリン酸カルシウム透明体は、上記分散液を乾燥後、高温高圧で焼結させることにより製造されていた。従来では、本実施の形態で説明したような「静置乾燥」は行われておらず、乾燥効率が高いことから、分散液の表面積を大きくして乾燥を行うスプレードライなどの乾燥装置を用いて乾燥を行うことが一般的であった。つまり、リン酸カルシウム透明体を製造するためには焼結を行わなければならないと考えられていたため、生産効率を高めるという観点からは逆行する、本発明のような「静置乾燥」を行うことは今まで行われていなかった。
【0089】
上述した方法により得られたリン酸カルシウム透明体は、厚さ500μmのフィルムとした場合の可視光の透過率が30%以上100%以下の範囲内である。
【0090】
本実施の形態に係るリン酸カルシウム透明体は、焼結などのような高温での処理によりリン酸カルシウム粒子間を融着させないため、X線回折パターンにおける(002)面における半値幅が0.35°以上2.00°以下の範囲内である。また同様の理由で、本実施の形態に係るリン酸カルシウム透明体は、リン酸カルシウムの粒子径が5~100nmの範囲内である。焼結などのような高温での処理で得られる従来のリン酸カルシウム透明体は、リン酸カルシウム粒子が粒子間で融着するため、粒子径が1μm以上となる。
【0091】
本実施の形態に係るリン酸カルシウム透明体は、見かけ密度が1.6g/cm以上3.15g/cm以下の範囲内であることが好ましい。また、粒子間隙が200nm以下(0~200nmの範囲内)であることが好ましい。
【0092】
本実施の形態に係るリン酸カルシウム透明体は、リン酸カルシウムが溶媒中に分散した分散液を、静置乾燥させるだけで得られるため、例えば、上記分散液を被コーティング物の上で乾燥させることにより、様々な材料にリン酸カルシウム透明体をコーティングさせることができるコーティング材料を提供することができる。つまり上記コーティング材料を用いることにより、中心静脈栄養カテーテルなどの経皮デバイスや眼内レンズなどに本実施の形態に係るリン酸カルシウム透明体をコーティングすることができる。
【0093】
本発明に係るリン酸カルシウム透明体は、生体活性が非常に高いため、医療分野において、例えば、骨充填剤、歯科用充填剤、薬物徐放剤などの歯科用材料または医療用材料として広く用いることができる。また、上記コーティング材料を用いることにより、簡便に上記歯科用材料および上記医療用材料に、リン酸カルシウム透明体をコーティングさせることができる。
【0094】
また、本実施の形態に係るリン酸カルシウム透明体のように低結晶性のリン酸カルシウム透明体は、生体の骨や歯の成分と近いため、リン酸カルシウム透明体上で細胞を培養することができる。このため、細胞の活動を顕微鏡などで直接評価することができる細胞培養用材料を提供することができる。
【0095】
また、リン酸カルシウム透明体は、生体接着性および透明性に優れることから、中心静脈栄養カテーテルなどの経皮デバイスに接続あるいはコーティングすることにより、細菌感染を防止することができ、生体内の透過光測定を行うことができる医療用材料を提供することができる。
【0096】
更に、本発明に係るリン酸カルシウム透明体は、透明であり、保湿性及び皮脂吸着性に優れるため化粧品添加剤として好適に用いることができる。また、他の物質、資材と良好に混合でき、生体適合性および環境親和性に優れるため、アスベスト(石綿)に代わる建材、例えば壁材、屋根材、外装材、内装材に利用することができる。建材以外では産業用材、例えばジョイントショート、シール材、耐熱材、ブレーキ(摩耗材)、潤滑材の繊維素材、接着材、ペイントの補填材などに用いることができる。
【0097】
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0098】
〔実施例〕
以下、実施例を示し、本発明の実施の形態についてさらに詳しく説明する。本発明は以下の実施例に限定されるものではなく、細部については様々な態様が可能であることはいうまでもない。さらに、本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、それぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0099】
〔分散液中に含まれるリン酸カルシウム粒子の平均粒子径〕
走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、モデル名:JSM-6301)を用いて、倍率9万5千倍で観察を行い、50個以上の粒子径を測定し、分散液中に含まれるリン酸カルシウム粒子の平均粒子径およびその標準偏差を算出した。走査型電子顕微鏡による観察は、具体的には、走査型電子顕微鏡用の試料台(ステンレス製)上に、試料(リン酸カルシウム粒子が分散した水溶液)を一滴滴下し、60℃で乾燥後、スパッタコータ(株式会社エリオニクス社製、モデル名:SC-701)により金を蒸着した後に行った。尚、粒子の形が球形ではない場合には、粒子の長軸の長さを粒子径とした。
【0100】
〔透明体中に含まれるリン酸カルシウム粒子の平均粒子径〕
走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、モデル名:JSM-6301)を用いて、倍率9万5千倍で観察を行い、50個以上の粒子径を測定し、透明体中に含まれるリン酸カルシウム粒子の平均粒子径およびその標準偏差を算出した。走査型電子顕微鏡による観察は、具体的には、走査型電子顕微鏡用の試料台(ステンレス製)上に、試料(リン酸カルシウム透明体)を載せ、スパッタコータ(株式会社エリオニクス社製、モデル名:SC-701)により金を蒸着した後に行った。尚、粒子の形が球形ではない場合には、粒子の長軸の長さを粒子径とした。
【0101】
〔X線回折パターン〕
X線回折パターンは、理学電機(株)製MiniFlexを用いて測定した。
【0102】
〔見かけ密度〕
見かけ密度は、ピクノメーター(比重びん)を用いる浸液法によって測定した。
【0103】
〔透過率〕
透過率は、厚さ500μmに成型したフィルムを、分光光度計(日本分光株式会社製、紫外可視分光高度計V-550)により、600nmの波長で測定した。
【0104】
〔粒子間空隙の範囲〕
粒子間空隙の範囲は、走査型電子顕微鏡(日本電子株式会社製、モデル名:JSM-6301F)を用いて、倍率1万倍で観察を行い、50個の隣り合う粒子間の最短距離を測定し、その最小値および最大値から算出した。
【0105】
〔実施例1〕
連続オイル相としてドデカン、非イオン性界面活性剤として曇点31℃のペンタエチレングリコールドデシルエーテルを用いた。20℃で上記界面活性剤0.5gを含有した連続オイル相40mLを調製した後、25%アンモニア水溶液を用いてpHを13に調節したCa(NO)水溶液(2.5M)を10mL添加した。十分に攪拌した後、水/オイル(W/O)溶液に1.5M-(NHHPO水溶液を10mL添加し、20℃で24時間反応させた。得られた反応物を遠心分離(10010G、10分)により分離洗浄することにより、ハイドロキシアパタイト分散水溶液(A-1)を得た。
【0106】
得られたハイドロキシアパタイト分散水溶液(A-1)中に含まれるハイドロキシアパタイト粒子の走査型電子顕微鏡による画像を図1に示す。走査型電子顕微鏡の画像から求めたハイドロキシアパタイトの平均粒子径は31.9nmであり、粒子径の変動係数は23.7%であった。
【0107】
上記ハイドロキシアパタイト分散水溶液(A-1)を60℃で静置乾燥させ、厚さ約0.5mmのフィルム状のリン酸カルシウム透明体(A-2)を得た。上記リン酸カルシウム透明体(A-2)の外観を図2に示す。図2の右側には実施例1で作成したリン酸カルシウム透明体(A-2)を、左側には後述する比較例3で作成した不透明のフィルム状のリン酸カルシウムを示す。図2の右側に示すように、リン酸カルシウム透明体(A-2)は透明であり、リン酸カルシウム透明体(A-2)を介して下地の模様を確認することができた。尚、リン酸カルシウム透明体(A-2)の可視光(波長600nm)の透過率は83%であった。
【0108】
図3にリン酸カルシウム透明体(A-2)のX線回折パターンを示す。X線回折パターンでは、(002)面の回折である2θ=25.90°の半値幅が0.40°であることから、リン酸カルシウム透明体を構成するハイドロキシアパタイトの結晶性は低いことが確認できた。また、リン酸カルシウム透明体(A-2)の見かけ密度は1.9g/cmであった。
【0109】
図4に、リン酸カルシウム透明体(A-2)の走査型電子顕微鏡による画像を示す。尚、観察は倍率1万倍で行った。粒子間の空隙は0~150nmの範囲内であることが確認できた。また、リン酸カルシウム透明体(A-2)中のリン酸カルシウム粒子の粒子径は32.0nmであり、粒子径の変動係数は25.1%であった。
【0110】
〔比較例1〕
実施例1で得られたリン酸カルシウム透明体(A-2)を800℃で焼結させた。X線回折パターンを測定したところ、(002)面の回折である2θ=25.90°の半値幅は0.26°であり、熱処理によってハイドロキシアパタイトの結晶性が高くなることが確認できた。
【0111】
〔比較例2〕
実施例1で得られたリン酸カルシウム透明体(A-2)を1000℃で焼結させた。X線回折パターンを測定したところ、(002)面の回折である2θ=25.90°の半値幅は0.19°であり、熱処理によってハイドロキシアパタイトの結晶性が高くなることが確認できた。
【0112】
〔比較例3〕
連続オイル相および非イオン性界面活性剤を用いず、反応温度を80℃で行ったこと以外は、ほとんど実施例1と同様の操作でリン酸カルシウムを作成した。具体的には、25%アンモニア水溶液を用いてpHを12に調節した42mmol/L硝酸カルシウム〔Ca(NO)〕水溶液800mLをフラスコ中に添加し、窒素雰囲気下において80℃まで昇温した。そこに、25%アンモニア水溶液を用いてpHを12に調節した100mmol/Lリン酸水素二アンモニウム〔(NHHPO〕水溶液200mLを添加し、80℃で24時間反応させた。得られた反応物を遠心分離(10010G、10分)により分離・洗浄することにより、ハイドロキシアパタイト分散水溶液(B-1)を得た。
【0113】
得られたハイドロキシアパタイト分散水溶液(B-1)中に含まれるハイドロキシアパタイト粒子の走査型電子顕微鏡による画像を図5に示す。尚、観察は倍率9万5千倍で行った。走査型電子顕微鏡の画像から求めたハイドロキシアパタイトの平均粒子径は106.9nmであり、粒子径の変動係数は62.4%であった。
【0114】
上記ハイドロキシアパタイト分散水溶液(B-1)を60℃で静置乾燥させ、厚さ約0.5mmの粉体状のリン酸カルシウム(B-2)を得た。上記リン酸カルシウム(B-2)の外観を図2に示す。図2の左側に示すように、リン酸カルシウム(B-2)を介して下地の模様を確認することができなかった。尚、リン酸カルシウム(B-2)の可視光(波長600nm)の透過率は17%であった。
【0115】
図6にリン酸カルシウム(B-2)のX線回折パターンを示す。X線回折パターンでは、(002)面の回折である2θ=25.90°の半値幅が0.32°であった。また、リン酸カルシウム(B-2)の見かけ密度は1.3g/cmであった。
【0116】
図7に、リン酸カルシウム(B-2)の走査型電子顕微鏡の画像を示す。尚、観察は倍率1万倍で行った。粒子間の空隙は0~2000nmの範囲内であることが確認できた。
【0117】
〔実施例2〕
25%アンモニア水溶液を用いてpHを12に調節した42mmol/L硝酸カルシウム〔Ca(NO)〕水溶液800mLをフラスコに入れ、窒素雰囲気下で、温度を20℃に保った。そこに、25%アンモニア水溶液を用いてpHを12に調節した100mmol/Lリン酸水素二アンモニウム〔(NHHPO〕水溶液200mLを添加し、20℃で24時間反応させた。得られた反応物を遠心分離(10010G、10分)により分離・洗浄することにより、ハイドロキシアパタイト分散水溶液(C-1)を得た。
【0118】
得られたハイドロキシアパタイト分散水溶液(C-1)中に含まれるハイドロキシアパタイト粒子の走査型電子顕微鏡の画像を図8に示す。走査型電子顕微鏡の画像から求めた平均粒子径は38.6nmであり、粒子径の変動係数は16.8%であった。
【0119】
上記ハイドロキシアパタイト分散水溶液(C-1)を60℃で静置乾燥させ、厚さ約0.5mmのフィルム状のリン酸カルシウム透明体(C-2)を得た。リン酸カルシウム透明体(C-2)の外観を図9に示す。図9の中央には本実施例で作成したリン酸カルシウム透明体(C-2)を、左側には後述する比較例2で作成した不透明のリン酸カルシウムを、右側には後述する実施例3で作成したリン酸カルシウム透明体をそれぞれ示す。
【0120】
図9に示すように、リン酸カルシウム透明体(C-2)は透明であり、リン酸カルシウム透明体(C-2)を介して下地の模様を確認することができた。尚、リン酸カルシウム透明体(C-2)の可視光(波長600nm)の透過率は57%であった。
【0121】
図10にリン酸カルシウム透明体(C-2)のX線回折パターンを示す。X線回折パターンでは、(002)面の回折である2θ=25.90°の半値幅は0.41°であることから、ハイドロキシアパタイトの結晶性は低いことが確認できた。また、リン酸カルシウム透明体(C-2)の見かけ密度は1.8g/cmであった。
【0122】
図11に、リン酸カルシウム透明体(C-2)の走査型電子顕微鏡の画像を示す。尚、観察は倍率1万倍で行った。粒子間の空隙は0~200nmの範囲内であることが確認できた。また、リン酸カルシウム透明体(C-2)中のリン酸カルシウム粒子の粒子径は38.9nmであり、粒子径の変動係数は16.8%であった。
【0123】
次に、リン酸カルシウム透明体(C-2)を用いて、マウス線維芽細胞由来L929細胞を用いた培養試験を行った。24ウェルマルチプレート中に静置したフィルム上に1×10個のL929細胞を播種した。血清培養液は10%胎児ウシ血清(FCS、ICN Biomedical製)、ペニシリン100IU/mL、ストレプトマイシン100μg/mLを含むα-minimum essential medium(α-MEM、Gibco製)を使用した。L929細胞を播種した直後および20時間後にリン酸緩衝液で洗浄を行った。洗浄後、倒立顕微鏡(NIKON製、モデル名:TE2000-U)を用いて観察を行った。その結果を図12、図13に示す。
【0124】
図12は、リン酸カルシウム透明体の端部における播種直後のL929細胞の顕微鏡による画像(40倍)を示す図面であり、図13は、リン酸カルシウム透明体上に接着したL929細胞の20時間後の顕微鏡による画像(100倍)を示す図面である。
【0125】
図12、図13に示すように、リン酸カルシウム透明体(C-2)は透明であるため、リン酸カルシウム透明体(C-2)上のL929細胞を観察することができた。また、20時間後の顕微鏡像において、リン酸カルシウム透明体(C-2)上に細胞が接着しており、一部の細胞が伸展している様子を確認することができた。
【0126】
以上の結果から、リン酸カルシウム透明体上で細胞を培養することが可能であり、本発明に係るリン酸カルシウム透明体は、細胞の活動を直接評価することができる細胞培養用材料として利用できることが確認できた。
【0127】
〔実施例3〕
実施例2で得られたハイドロキシアパタイト分散水溶液(C-1)中に、ハイドロキシアパタイト粒子の重量に対して10%の硝酸カルシウム〔Ca(NO)〕を添加した後、60℃で静置乾燥させ、水で洗浄し、さらに60℃で乾燥させ、フィルム状のリン酸カルシウム透明体(D-2)を得た。
【0128】
リン酸カルシウム透明体(D-2)の外観を図9に示す。図9の右側に示すように、リン酸カルシウム透明体(D-2)は透明であり、下地の模様を確認することができた。尚、リン酸カルシウム透明体(D-2)の可視光(波長600nm)の透過率は78%であった。また、リン酸カルシウム透明体(D-2)の見かけ密度は2.2g/cmであった。
【0129】
図14に、リン酸カルシウム透明体(D-2)の走査型電子顕微鏡の画像を示す。尚、観察は倍率1万倍で行った。粒子間の空隙は0~150nmの範囲内であることが確認できた。また、リン酸カルシウム透明体(C-2)中のリン酸カルシウム粒子の粒子径は38.3nmであり、粒子径の変動係数は16.1%であった。
【0130】
〔比較例4〕
実施例2で得られたハイドロキシアパタイト分散水溶液(C-1)を0℃、減圧下(10mmHg)で乾燥させたところ、図15に示すような粉体状の不透明のリン酸カルシウム(E-2)が得られた。尚、上記乾燥中、分散媒体である水は一部凝固していることが確認された。
【0131】
リン酸カルシウム(E-2)の見かけ密度は、1.0g/cmであった。
【0132】
〔実施例4〕
実施例2で得られたハイドロキシアパタイト分散水溶液(C-1)を100℃で静置乾燥させ、厚さ約0.5mmのフィルム状のリン酸カルシウム透明体(F-2)を得た。リン酸カルシウム透明体(F-2)の外観を図16に示す。図16の左側には本実施例で作成したリン酸カルシウム透明体(F-2)を、中央には後述する実施例5で作成したリン酸カルシウム透明体を、右側には後述する比較例5で作成した不透明のリン酸カルシウムをそれぞれ示す。
【0133】
図16に示すように、リン酸カルシウム透明体(F-2)は透明であり、リン酸カルシウム透明体(F-2)を介して下地の模様を確認することができた。尚、リン酸カルシウム透明体(F-2)の可視光(波長600nm)の透過率は63%であった。
【0134】
リン酸カルシウム透明体(F-2)のX線回折パターンを測定したところ、(002)面の回折である2θ=25.90°の半値幅は、0.41°であり、結晶性の低いハイドロキシアパタイトであることが確認できた。また、リン酸カルシウム透明体(F-2)の見かけ密度は2.1g/cmであった。
【0135】
〔実施例5〕
実施例2で得られたハイドロキシアパタイト分散水溶液(C-1)を200℃で静置乾燥させ、厚さ約0.5mmのフィルム状のリン酸カルシウム透明体(G-2)を得た。図16の中央に示すように、リン酸カルシウム透明体(G-2)は透明であり、リン酸カルシウム透明体(G-2)を介して下地の模様を確認することができた。尚、リン酸カルシウム透明体(G-2)の可視光(波長600nm)の透過率は32%であった。
【0136】
リン酸カルシウム透明体(G-2)のX線回折パターンを測定したところ、(002)面の回折である2θ=25.90°の半値幅は、0.42°であり、結晶性の低いハイドロキシアパタイトであることが確認できた。また、リン酸カルシウム透明体(G-2)の見かけ密度は1.6g/cmであった。
【0137】
〔比較例5〕
実施例2で得られたハイドロキシアパタイト分散水溶液(C-1)を250℃で静置乾燥させ、厚さ約0.5mmのフィルム状のリン酸カルシウム(H-2)を得た。図16の右側に示すように、リン酸カルシウム(H-2)を介しては下地の模様を確認することができなかった。尚、リン酸カルシウム(H-2)の可視光(波長600nm)の透過率は7%であった。
【0138】
リン酸カルシウム透明体(H-2)のX線回折パターンを測定したところ、(002)面の回折である2θ=25.90°の半値幅は、0.39°であり、結晶性の低いハイドロキシアパタイトであることが確認できた。また、リン酸カルシウム透明体(H-2)の見かけ密度は1.3g/cmであった。
【0139】
〔比較例6〕
比較例2で作製した粉体状のリン酸カルシウム(B-2)を用いて、実施例2で示した方法と同様の方法でL929細胞を用いた培養試験を行った。その結果、透明性が低い(リン酸カルシウム(B-2)の可視光の透過率が低い)ため、リン酸カルシウム(B-2)上のL929細胞を顕微鏡などで直接確認することはできなかった。
【0140】
〔実施例6〕
実施例2で得られたハイドロキシアパタイト分散水溶液(C-1)を、厚さ150μmのガラス基板上に塗布し、18℃で静置乾燥させることにより、ガラス基板の表面にハイドロキシアパタイトコーティングを行った。コーティング前後のガラス基板の外観を図17に示す。
【0141】
図17は、コーティング前のガラス基板(左側)と、表面にハイドロキシアパタイトコーティングを行った本実施例のガラス基板(右側)と、表面にハイドロキシアパタイトコーティングを行った後述する比較例7のガラス基板(中央)とを示す図面である。
【0142】
図17の右側に示すように、乾燥後のハイドロキシアパタイトコーティングによるコーティング層は透明であり、ハイドロキシアパタイトコーティングしたガラス基板を介して、下地の模様を確認することができた。尚、上記コーティング層の厚さは約15μmであった。また、上記ハイドロキシアパタイトコーティングしたガラス基板の可視光(波長600nm)の透過率は91%であった。
【0143】
上記ハイドロキシアパタイトコーティングしたガラス基板を用いて、マウス線維芽細胞由来L929細胞を用いた培養試験を行った。試験方法は実施例2と同様の方法で行った。その結果を図18、図19に示す。
【0144】
図18は、ハイドロキシアパタイトコーティングしたガラス基板の端部における播種直後のL929細胞の顕微鏡による画像(40倍)を示す図面であり、図19は、ハイドロキシアパタイトコーティングしたガラス基板上に接着したL929細胞の20時間後の顕微鏡による画像(100倍)を示す図面である。ハイドロキシアパタイトコーティングしたガラス基板は透明であり、ガラス基板表面上のL929細胞を顕微鏡で直接確認することができた。図19に示すように、20時間後の顕微鏡像において、ハイドロキシアパタイトコーティングしたガラス基板上に細胞が接着しており、一部の細胞が伸展している様子を確認することができた。
【0145】
以上の結果から、ハイドロキシアパタイトコーティングしたガラス基板上で細胞を培養することが可能であり、本発明に係るコーティング材料は、細胞の活動を直接評価することができる細胞培養用材料として利用できることを確認することができた。
【0146】
〔比較例7〕
厚さ150μmのガラス基板上に比較例3で得られたハイドロキシアパタイト分散水溶液(B-1)を塗布し、60℃において静置乾燥を行った。その結果を図16の中央に示した。乾燥後のハイドロキシアパタイトコーティングによるコーティング層は不透明であり、白濁しているため、ハイドロキシアパタイトコーティングしたガラス基板を介して、下地の模様を確認することができなかった。尚、上記コーティング層の厚さは約14μmであった。また、同コーティングガラスの可視光(波長600nmの)の透過率は13%であった。
【0147】
上記ハイドロキシアパタイトコーティングしたガラス基板を用いて、マウス線維芽細胞由来のL929細胞を用いた培養試験を行った結果、コーティング層が不透明であるため材料表面上のL929細胞を直接観察することはできなかった。
【産業上の利用可能性】
【0148】
本発明のリン酸カルシウム透明体は、高温高圧にすることなく、静置乾燥させるだけで製造することができるため、様々な材料に簡便にコーティングすることができる。よって、細胞培養用材料、医療用材料および歯科用材料などに適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0149】
【図1】実施例1のハイドロキシアパタイト分散水溶液の走査型電子顕微鏡による画像を示す図面である。
【図2】実施例1のリン酸カルシウム透明体(右側)と比較例3で作成した不透明のリン酸カルシウム(左側)とを示す図面である。
【図3】実施例1のリン酸カルシウム透明体のX線回折パターンを示す図面である。
【図4】実施例1のリン酸カルシウム透明体の走査型電子顕微鏡による画像を示す図面である。
【図5】比較例3のハイドロキシアパタイト分散水溶液の走査型電子顕微鏡による画像を示す図面である。
【図6】比較例3のリン酸カルシウムのX線回折パターンを示す図面である。
【図7】比較例3のリン酸カルシウムの走査型電子顕微鏡による画像を示す図面である。
【図8】実施例2のハイドロキシアパタイト分散水溶液の走査型電子顕微鏡による画像を示す図面である。
【図9】実施例2のリン酸カルシウム透明体(中央)と、比較例2のリン酸カルシウム(左側)と、実施例3のリン酸カルシウム透明体(右側)とを示す図面である。
【図10】実施例2のリン酸カルシウム透明体のX線回折パターンを示す図面である。
【図11】実施例2のリン酸カルシウム透明体の走査型電子顕微鏡による画像を示す図面である。
【図12】実施例2のリン酸カルシウム透明体の端部における播種直後のL929細胞を示す図面である。
【図13】実施例2のリン酸カルシウム透明体上に接着した細胞の20時間後のL929細胞を示す図面である。
【図14】実施例3のリン酸カルシウム透明体の走査型電子顕微鏡による画像を示す図面である。
【図15】比較例4のリン酸カルシウムを示す図面である。
【図16】実施例4のリン酸カルシウム透明体(左側)と、実施例5のリン酸カルシウム透明体(中央)と、比較例5のリン酸カルシウム(右側)とを示す図面である。
【図17】コーティング前のガラス基板(左側)と、表面にハイドロキシアパタイトコーティングを行った比較例7のガラス基板(中央)と、表面にハイドロキシアパタイトコーティングを行った実施例6のガラス基板(右側)とを示す図面である。
【図18】実施例6のハイドロキシアパタイトコーティングしたガラス基板の端部における播種直後のL929細胞を示す図面である。
【図19】実施例6のハイドロキシアパタイトコーティングしたガラス基板上に接着した細胞の20時間後のL929細胞を示す図面である。
図面
【図3】
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【図6】
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【図10】
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【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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