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明細書 :熱電対一体型ペルチェモジュール

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5545942号 (P5545942)
公開番号 特開2011-086736 (P2011-086736A)
登録日 平成26年5月23日(2014.5.23)
発行日 平成26年7月9日(2014.7.9)
公開日 平成23年4月28日(2011.4.28)
発明の名称または考案の名称 熱電対一体型ペルチェモジュール
国際特許分類 H01L  35/30        (2006.01)
H01L  35/32        (2006.01)
FI H01L 35/30
H01L 35/32 A
請求項の数または発明の数 3
全頁数 7
出願番号 特願2009-237814 (P2009-237814)
出願日 平成21年10月15日(2009.10.15)
審査請求日 平成24年10月9日(2012.10.9)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】592218300
【氏名又は名称】学校法人神奈川大学
発明者または考案者 【氏名】山口 栄雄
個別代理人の代理人 【識別番号】110000545、【氏名又は名称】特許業務法人大貫小竹国際特許事務所
審査官 【審査官】小川 将之
参考文献・文献 特開2008-141161(JP,A)
実開平03-114030(JP,U)
特開2007-285885(JP,A)
特開昭58-060227(JP,A)
特開2009-216492(JP,A)
調査した分野 H01L 35/30
H01L 35/32
G01K 7/02
特許請求の範囲 【請求項1】
微小な先端を有する金属と、前記金属の外周面に対向させて配置したP型およびN型の半導体とからなるペルチェ素子と、前記金属の温度を検出する熱電対とを備え、
前記金属にその先端近傍にかけて挿入孔を形成し、この挿入孔に前記熱電対を挿入して前記挿入孔の先端に前記熱電対を固定し、
前記金属は銅と同等かまたはそれ以上の導電性及び熱伝導性を有することを特徴とする熱電対一体型ペルチェモジュール。
【請求項2】
前記熱電対は、前記挿入孔の挿入孔先端部と1点で固定されることを特徴とする請求項1に記載の熱電対一体型ペルチェモジュール。
【請求項3】
前記熱電対は、前記金属に接続する部分を除いて絶縁体で被覆されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の熱電対一体型ペルチェモジュール。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、金属の内部に熱電対が格納された熱電対一体型ペルチェモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
ペルチェ素子を用いた加熱器または冷却器として、たとえば、対向させて配置した第1の半導体プレート及び第2の半導体プレートと、前記第1の半導体プレートにおける一端側の内面と前記第2の半導体プレートにおける一端側の内面とを接続する接合部と、前記第1の半導体プレートにおける他端側の外面と前記第2の半導体プレートにおける他端側の外面にそれぞれ配置した電極とを備え、前記接合部に、突出させた針部を設けたペルチェモジュールが知られている(特許文献1参照)。
【0003】
このようなペルチェモジュールを用いて対象物を加熱または冷却させる場合、対象物を所望の温度にするために正確な温度を把握する必要がある。したがって、特許文献1に記載のペルチェモジュールを用いて対象物を加熱または冷却をする場合には、図5のAに示すように、対象物9から所定の距離を有する金属2上に熱電対3を固定させて対象物9の温度を把握すること必要となる。
【先行技術文献】
【0004】

【特許文献1】特開2008-141161号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところが、対象物9から離れたところに熱電対3を固定させる場合、金属2は対象物9に接触した部位から僅かに熱の移動が生じるため、接触部位8と測定部位において温度差が生じて正確な温度を測定することができない不都合がある。
【0006】
本発明は、上記問題に鑑みてなされたものであり、対象物の温度を正確に測定することができる熱電対一体型ペルチェモジュールを提供することを主たる目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の熱電対一体型ペルチェモジュールは、微小な先端を有する金属と、前記金属の外周面に対向させて配置したP型およびN型の半導体とからなるペルチェ素子と、前記金属の温度を検出する熱電対とを備え、前記金属にその先端近傍にかけて挿入孔を形成し、この挿入孔に前記熱電対を挿入して前記挿入孔の先端に前記熱電対を固定し、前記金属は銅と同等かまたはそれ以上の導電性及び熱伝導性を有することを特徴としている。
【0008】
金属にその先端近傍にかけて挿入孔を形成し、この挿入孔に熱電対を挿入して挿入孔の先端に前記熱電対を固定したことにより、対象物と直接接触している箇所の温度を正確に測定することが可能となる。
【0009】
さらに、前記熱電対は、前記挿入孔の挿入孔先端部と1点で固定されることが望ましい。
【0010】
また、前記熱電対は、前記金属に接続する部分を除いて絶縁体で被覆されていることが望ましい。
【発明の効果】
【0011】
以上本発明によれば、金属に設けられた挿入孔を該金属の先端近傍まで形成し、熱電対をその挿入孔に挿入して、挿入孔の先端に固定するようにしたので、対象物の温度を正確に測定することが可能となり、対象物の温度を正確に知ることが可能となるので、対象物を所望の温度に正確に加熱または冷却をすることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】図1は、本熱電対一体型ペルチェモジュールの構成を表した構成図である。
【図2】図2は、本熱電対一体型ペルチェモジュールの加熱・冷却実験における構成を表した構成図である。
【図3】図3は、冷却実験における金属の温度変化を示したグラフである。
【図4】図4は、加熱実験における金属の温度変化を示したグラフである。
【図5】図5は、ペルチェモジュールの構成を表した構成図であり、(A)は、外部熱電対を接触部から離れた箇所に接続したペルチェモジュールの構成図である。(B)は、シース熱電対を用いた熱電対一体型ペルチェモジュールの構成図である。(C)は、金属の挿入孔に熱電対が挿入された熱電対一体型ペルチェモジュールの構成図である。
【図6】図6は、シース熱電対の断面図を示した図であり、(A)は、接地型のシース熱電対の断面図を示し、(B)は、絶縁型のシース熱電対の断面図を示し、(C)は、露出型のシース熱電対の断面図を示したものである。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の熱電対一体型ペルチェモジュールについて図面を参照して説明する。

【0014】
図1に示すように、本発明の熱電対一体型ペルチェモジュール1は、微小な先端2aを有する金属2にP型半導体4およびN型半導体5が該金属体を挟持するように対向して配置されている。

【0015】
金属2は、導電体の金属で熱伝導性が高いものが好ましく、たとえば、銅を用いることができる。また、金属2の先端の形状は、メス、針、のように交換可能にしてもよい。

【0016】
金属2には先端2a近傍にかけて形成された挿入孔2bが設けられており、挿入孔2bには挿入孔先端部2cと一点で固定するように熱電対3が挿入されている。

【0017】
具体的には、図5のBに示すように、シース管を金属2として熱電対3が金属2の先端に固定されるシース熱電対を用いて実施することができる。
すなわち、シース熱電対は、図6(A)に示す熱電対3がシース管に溶接された接地型、または図6(B)に示す熱電対3の素線をシース管と絶縁し、接地点をつくる絶縁型、もしくは図6(C)に示す、熱電対の素線をシース管から露出し、熱接点をつくる露出型が一般的に用いられるが、対象物との接触点の温度を正確に測定し、また腐食性雰囲気などに対応するため、接地点型を採用することが好ましい。

【0018】
また、図5のCに示すように、現存しているシース管の最小外径(0.15mm程度)よりも外径を小さくした外径0.01mmの金属2に、挿入孔2bを設けて熱電対3を挿入してもよい。
すなわち、図5のCにおける金属2の外径は、シース管のそれよりも小さい大きさなので、生体などの複雑かつ局所的な部位においても正確な温度を把握することが可能となる。

【0019】
また、熱電対3は、金属2に接続する部分を除いて各々が接触しないようにアルミナ(Al2O3)あるいは酸化マグネシウム(MgO)などの絶縁体6で覆われている。

【0020】
P型半導体4は、たとえば、Bi0.5Sb1.5Te3を用いることができ、N型半導体5は、Bi2Te3を用いることができる。

【0021】
(温度の測定)
以上のように構成された熱電対一体型ペルチェモジュール1について、加熱および冷却時における先端2aおよび挿入孔先端部2cの温度を測定した。

【0022】
加熱および冷却の実験は、図2に示すように、金属2の先端2aに外部熱電対7を接続し、P型半導体4、N型半導体5間に電流を流して冷却又は加熱の場合の先端温度時間依存性の測定を行った。図3及び図4は結果を示す。なお、図3及び図4中に示した●は、熱電対3(内部熱電対)により測定された温度を示し、□は、外部熱電対7により測定された温度を示す。

【0023】
(冷却実験について)
図3に示すように、外部熱電対7と熱電対3の温度差はほとんど生じず、冷却開始時の温度15℃から約30秒で0℃まで下降し、約40秒後には-2℃を示し、その後80秒後までほぼ一定の値を示した。

【0024】
(加熱実験について)
図4に示すように、外部熱電対7と熱電対3の温度差はほとんど生じず最大でも1℃以内であった。外部熱電対7は、加熱開始時の温度20℃から約40秒で36℃まで上昇し、約60秒後には37℃を示し、その後80秒後までほぼ一定の値を示した。一方、熱電対3は、加熱開始時の温度20℃から約40秒で35℃まで上昇し、約50秒後には36℃を示し、その後80秒後までほぼ一定の値を示した。

【0025】
以上のように、金属2の挿入孔先端部2cに熱電対3を接続させることで、対象物の温度を正確に測定することが可能となる。
【符号の説明】
【0026】
1 熱電対一体型ペルチェモジュール
2 金属
2a 先端
2b 挿入孔
2c 挿入孔先端部
3 熱電対
4 P型半導体
5 N型半導体
6 絶縁体
図面
【図3】
0
【図4】
1
【図6】
2
【図1】
3
【図2】
4
【図5】
5