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明細書 :マイクロチャネルプレート、ガス比例計数管、及び撮像装置

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5152950号 (P5152950)
公開番号 特開2007-059391 (P2007-059391A)
登録日 平成24年12月14日(2012.12.14)
発行日 平成25年2月27日(2013.2.27)
公開日 平成19年3月8日(2007.3.8)
発明の名称または考案の名称 マイクロチャネルプレート、ガス比例計数管、及び撮像装置
国際特許分類 H01J  47/06        (2006.01)
H01J  43/24        (2006.01)
H01J  31/50        (2006.01)
FI H01J 47/06
H01J 43/24
H01J 31/50 A
請求項の数または発明の数 7
全頁数 21
出願番号 特願2006-209071 (P2006-209071)
出願日 平成18年7月31日(2006.7.31)
優先権出願番号 2005221722
優先日 平成17年7月29日(2005.7.29)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成21年7月6日(2009.7.6)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
【識別番号】000236436
【氏名又は名称】浜松ホトニクス株式会社
発明者または考案者 【氏名】門叶 冬樹
【氏名】櫻井 敬久
【氏名】郡司 修一
【氏名】住吉 孝行
【氏名】岡田 晃行
【氏名】遠藤 哲朗
【氏名】藤田 良雄
個別代理人の代理人 【識別番号】100079108、【弁理士】、【氏名又は名称】稲葉 良幸
【識別番号】100080953、【弁理士】、【氏名又は名称】田中 克郎
【識別番号】100093861、【弁理士】、【氏名又は名称】大賀 眞司
審査官 【審査官】松岡 智也
参考文献・文献 特開昭62-058536(JP,A)
特開平05-074406(JP,A)
特開平06-176718(JP,A)
特表2002-543573(JP,A)
特開2004-241298(JP,A)
調査した分野 H01J 43/24、31/50、40/06、47/06
G01T 1/18、 1/28
特許請求の範囲 【請求項1】
複数の貫通孔が設けられ且つ絶縁性を有する基体を備えており、
前記複数の貫通孔は、内壁断面が略直状をなすものであり、かつ、前記基体の平面方向に垂直であり、
前記基体は、前記複数の貫通孔の両端部に所定の電圧を印加するための一対の電極を有しており、
前記一対の電極は、前記複数の貫通孔の両端部の内壁上に離間して設けられており、
前記一対の電極の少なくともいずれか一方は、光電変換部として機能するものである、
マイクロチャネルプレート。
【請求項2】
前記光電変換部は、アルカリ金属原子を含むものである、
請求項1記載のマイクロチャネルプレート。
【請求項3】
前記光電変換部は、下記式(1);
Lcp×0.1<La …(1)、
Lcp:前記貫通孔の軸方向長さ、
La: 前記貫通孔の軸方向に沿う前記光電変換部の長さ、
で表される関係を満たすものである、
請求項2記載のマイクロチャネルプレート。
【請求項4】
前記光電変換部は、複数種類のアルカリ金属原子を含むものである、
請求項1~のいずれか一項に記載のマイクロチャネルプレート。
【請求項5】
主として不活性ガスを含む検出用ガスが充填されており、電磁波又は電離放射線が入射する窓を有するチャンバと、
前記チャンバ内に配置された請求項1~のいずれか一項に記載のマイクロチャネルプレートと、
を備えるガス比例計数管。
【請求項6】
前記検出用ガスが分子中にハロゲン原子を含む有機系ガスを含有するものである、
請求項記載のガス比例計数管。
【請求項7】
請求項又はに記載のガス比例計数管と、
前記チャンバの後段に配置された光検出器と、
を備える撮像装置。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、マイクロチャネルプレート、ガス比例計数管、及び撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、マイクロチャネルプレート(Micro Chanel Plate;MCP)として機能する鉛ガラス製キャピラリープレートを撮像型のガス比例計数管(Capillary Gas Proportional Counter;CGPC)として動作させる新しいタイプの検出器が開発されている(非特許文献1~8参照)。また、最近では、X線等の二次元位置検出が可能な別の放射線検出器として、ガス・エレクトロン・マルチプライアー(Gas Electron Multiplier;GEM)が注目を浴びている(非特許文献10~12参照)。
【0003】
さらに、本発明者は、従来のCGPCを更に改良し、ノイズレベルを十分に低減できるキャピラリープレートとそれを用いた新しいCGPC(特許文献1)、及び、GEMに比して耐衝撃性及び取扱性に優れると共に、感度分布の一様性をより高めたCGCP(特許文献2)を提案している。

【非特許文献1】H. Sakurai et al., "A new type of proportional counter using a capillary plate", Nucl. Instr. And Meth. In Phys. Res. A374(1996)341-344.
【非特許文献2】H. Sakurai et al., "Characteristics of capillary gas proportional counter", SPIE Proceedings Reprint, vol.2806(1996)569-576.
【非特許文献3】H. Sakurai et al., "Detection of photoabsorption point with capillary imaging gas proportional counter", IEEE Trans on Nucl. Sci. vol.49, No.3, (2002).
【非特許文献4】M. Tsukahara et al., "The development of a new type of imaging X-ray detector with a capillary plate", IEEE Trans on Nucl. Sci. vol.49, No.3, (1997)679-682.
【非特許文献5】H. Sakurai et al., "The form of X-ray photoelectron tracks in a capillary gas proportional counter", IEEE Trans on Nucl. Sci. vol.46, No.3, (1999)333-337.
【非特許文献6】H. Sakurai, "Imaging gas proportional counter with capillary plate", 放射線 vol.25, No.1, (1999)27-37.
【非特許文献7】H. Sakurai et al., "New type of imaging X-ray detector using a capillary plate", SPIE Proceedings Reprint, vol.3114(1997)481-487.
【非特許文献8】T. Masuda et al., "Optical imaging capillary gas proportional counter with penning mixtures", IEEE Trans on Nucl. Sci. vol.49, No.2, (2002)553-558.
【非特許文献9】Nishi,Yu.; Tanimori,Y.; Ochi,A.; Nishi,Ya.; Toyokawa,H., "Development of a hybrid MSGC with a conductive capillary plate.", SPIE, vol.3774(1999)87-96.
【非特許文献10】F. Sauli, Nucl. Instr. And Meth. A 368(1977)531.
【非特許文献11】F. A. F. Fraga, et al., Nucl. Instr. And Meth. A 442(2000)417.
【非特許文献12】D. Mormann, et al., Nucl. Instr. And Meth. A 504(2003)93.
【特許文献1】特開2004-241298号公報
【特許文献2】特開2005-32634号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ここで、CGCPを用いた撮像装置の概略構成を、撮像型X線検出装置を例にとって説明する。撮像型X線検出装置は、通常、CGCPの後段に光学系及び撮像系が順に連設された構成を有している。CGCPは、X線等の電磁波が入射するベリリウム窓が一方端に設けられ且つ他方端に光透過窓が設けられたチャンバの内部に設置されている。CPは、中空状を成す100μm径程度の鉛ガラス製キャピラリーが複数集積された薄板状部材であり、その両面には、薄膜電極が形成されている。さらに、CPの前段(光電面側)には、電源と設置電位に接続された整形リングが設けられていて、ドリフト領域が画成されている。チャンバ内には、主成分であるArガスやCH4ガス等にペニング効果(Penning Effect)を奏するトリメチルアミン(TMA)等が添加された混合ガスが封入されている。
【0005】
このように構成された撮像型X線装置に、ベリリウム窓を通してX線が入射すると、ベリリウム窓とそれに対向するCPの一方面(CPIN)との間に存在するガス分子とX線が相互作用し、光電効果によって高エネルギーの一次電子(X線光電子)が放出される。この一次電子は、他のガスにエネルギーを付与しながら進み、その飛跡中に電子-イオン対を生じて電子雲が形成され、その電子雲がCPの一方面(CPIN)からキャピラリー内に入射する。キャピラリーの内部には、例えば104V/cm以上の電場が形成されており、電子がガス分子と次々に衝突してガスの放電及び励起発光が引き起こされ、電子増殖(例えば103~104倍)及び光増殖が行われる。増幅光は、光透過窓を透過して光学系に入射し、撮像系へ導光される。
【0006】
本発明者は、このような撮像型X線検出装置を使用する際には、CGCPの特性を利用して、いわゆる高輝度モードと高解像度モードという二種類の異なるモードを用途に応じて適宜選択して操作している。
【0007】
すなわち、高輝度モードとは、ベリリウム窓とCPINとの間のドリフト領域において、電子雲がCP側に引き込まれる方向に移動(ドリフト)するように順バイアス電圧を印加する通常の操作モードである。この場合、一次電子によって生じた電子雲全体がCPに入射し得るので、極めて高い輝度(感度、X線検出効率)が達成される。ただし、電子雲が、ガス中を進む際に拡散される確率が高くなるので、X線の入射位置情報が喪失され易く、解像度特性(位置分解能)にやや劣る傾向にある。
【0008】
一方、高解像度モードとは、ドリフト領域において、高輝度モードとは反対に、電子雲がベリリウム窓側へ斥けられるように移動(ドリフト)する方向に逆バイアス電圧を印加する操作モードである。本発明者の知見によれば、このような逆バイアス電圧の印加によって高解像度が達成できる理由は、以下のように推定される。
【0009】
つまり、ドリフト領域で生じた飛程の長い一次電子、及びその進行途中で生じた電子雲は、逆バイアス電圧によってCPへ入射することが妨げられるので、CPのキャピラリー内には、CPIN近傍で生じた電子雲が入射して電子・光増殖に関与する。そして、CPIN近傍で生じた電子雲は、CPまでの距離が短いので、ガス中で殆ど拡散されず、生じた位置に近いキャピラリー内に入射し得る。このように、実質的に、殆ど拡散せずにX線の入射位置情報を保持した電子雲のみがキャピラリー内での電子・光増殖に寄与するので、位置分解能は、キャピラリーの径そのものによって決定され得る。
【0010】
しかし、このように逆バイアス電圧を印加する高解像度モードは、解像度特性に優れるものの、ドリフト領域で生じる多量の電子(雲)がキャピラリー内へ入射しないので、キャピラリー内での電子・光増殖に寄与する電子数が少なくなって輝度(感度、X線検出効率)が低下してしまう傾向にある。
【0011】
そこで、本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、高輝度と高解像度の両方を同時に達成できる優れた特性を有するMCP、ガス比例計数管、及び撮像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために、本発明によるMCPは、複数の貫通孔が設けられ且つ絶縁性を有する基体を備えており、主として不活性ガスを含むガス雰囲気中に配置されて比例計数管を構成するものであって、基体が、少なくとも前記複数の貫通孔の内壁上に設けられた光電変換部を有するものである。ここで、光電変換部は、貫通孔の内壁上(つまり、貫通孔の内面)に形成されていれば、例えば貫通孔の開口端の周囲の基体表面にも設けられていてもよい。
【0013】
このように構成されたMCPでは、基体の両端面に電圧が印加されて電場が形成された状態において、複数の貫通孔が電子・光増殖を行うマイクロチャネルとして機能する。本発明者は、このような構成を有するMCPを試作し、例えば特許文献1に記載された撮像型X線検出装置のCPの代わりに用い、上述した逆バイアス電圧を印加する'高解像度モード'で運転したところ、十分な解像度特性が得られつつ、しかも、上述した'高輝度モード'に匹敵する輝度が達成されることが確認された。
【0014】
また、このMCPの構成をモデル化し、EGS4コード(The EGS4 Code System by W. R. Nelson, H. Hirayama and D. W. O. Rogers, SLAC-265, Stanford Linear Accelerator Center, 1985)を用いて、X線と、ガス及びCPの材料物質との相互作用モンテカルロシミュレーションを行い、検出効率とパルス波高スペクトル(分布)を評価した。
【0015】
その結果、少なくとも複数の貫通孔の内壁上(貫通孔の内面)に設けられた光電変換部を有するMCPを用いた場合、そのような光電変換部を有しないMCPに比して、特に10keV以上のエネルギーを有するX線に対する検出効率が有意に高められることが確認された。
【0016】
さらに、本発明者は、MCPの三次元構成をモデル化し、Maxwell 3-D Field Simulator(Commercial Finite Element Computation Package, Ansoft Co. Pittsburg, PA, USA.)及び Garfield(R. Veenhof, Nucl. Instr. and Meth. A 419 (1998) 726. HYPERLINK "http://garfield.web.cern.ch/garfield/" http://garfield.web.cern.ch/garfield/)コードを用いて電場及び電子挙動のシミュレーションを実施した。なお、Maxwellにて電場計算を行い、Garfieldによりガス中の電子の運動を計算した。その結果、少なくとも貫通孔の内壁上(貫通孔の内面)に設けられた光電変換部を有するその貫通孔の内部には、貫通孔の前方のドリフト領域で生じた電子雲が入射し難い傾向にあることが判明した。
【0017】
これらより、少なくとも前記複数の貫通孔の内壁上(貫通孔の内面)に設けられた光電変換部を有するMCPでは、その外部で生じた電子雲が貫通孔内に入射することが十分に抑制される一方で、その光電変換部において高効率で生じた一次電子が、貫通孔内の電子・光増殖に実質的に寄与するものと推定される。ただし、作用機序はこれに限定されない。
【0018】
また、光電変換部の材料は、目的とする測定対象の電磁波、粒子線等と相互作用し、その結果、電磁波、粒子線等を生成する物質を含むものであれば特に制限されず、例えば、遷移金属、重金属、貴金属の他に、アルカリ金属電子を含むもの、測定対象との反応断面積が大きいもの等が挙げられる。より具体的には、例えば、測定対象が可視光(波長約400nm~800nm)の場合、後述する複数種類のアルカリ金属を含むマルチアルカリが好ましく、特に波長約300nm~600nmの可視光に対してはバイアルカリがより好ましい。また、波長が約200nmより短い真空紫外光の場合、CsIが更に好ましく、より短波長のX線からγ線に対しては、AuやCs等を好ましい金属として例示できる。さらに、測定対象が中性子線の場合には、BやGd等を含むものが好適である。このように、アルカリ金属電子を含むものは、測定対象が電磁波である場合に光電変換部の材料として特に有用である。
【0019】
本発明者は、アルカリ金属原子を含む光電変換部を設けたMCPを試作し、例えば特許文献1に記載された撮像型X線検出装置のCPの代わりに用い、上述した逆バイアス電圧を印加する'高解像度モード'で運転したところ、この場合にも、十分な解像度特性が得られつつ、しかも、上述した'高輝度モード'に匹敵する輝度が達成されることが確認された。また、パルス波高スペクトルの評価から、アルカリ金属とX線との相互作用によって生じた光電子の寄与が明らかとなった。これらの結果より、光電変換部に含まれるアルカリ金属等の金属原子とX線との相互作用によって生じる光電子が、貫通孔内における電子・光増殖の電子源(すなわち一次電子)となることが強く示唆される。さらに、Maxwell & Garfieldによる電場シミュレーションにおいて、アルカリ金属原子を含む光電変換部を貫通孔の端部内壁の周方向に設けた場合にも、MCPの外部で生じた電子雲が貫通孔内に入射し難いことが確認された。
【0020】
さらに、Maxwell & Garfieldによる電場シミュレーションにおいて、貫通孔の内壁上(端部内壁の周方向)に設けた光電変換部の高さ(貫通孔の軸方向に沿う長さ;つまり、光電変換部が貫通孔内部へ入り込んでいる深さ)を種々変化させたところ、その長さがある程度以上になると、MCPの外部で生じた電子雲の殆どが貫通孔内での電子・光増殖に関与しないことが確認された。
【0021】
すなわち、光電変換部は、下記式(1);
Lcp×0.1<La …(1)、
で表される関係を満たすものであるとより好ましい。式中、Lcpは、貫通孔の軸方向長さを示し、Laは、貫通孔の軸方向に沿う光電変換部の長さを示す。
【0022】
また、光電変換部は、貫通孔の両端に所定の電圧を印加するための電極を兼ねるものであると一層有用である。こうすれば、紫外光から近赤外光の波長領域に至る幅広い波長範囲において高い感度を達成し易くなる。また、X線のようなより短い波長の電磁波に対して、貫通口の端部で生じる電子数を増加させることができる。よって、幅広い波長領域に対して高い感度を簡易に実現できる。
【0023】
具体的には、光電変換部は、複数種類のアルカリ金属原子を含むものであるとより好ましい。こうすれば、光電変換効率が一層高められ、例えばX線の場合であれば、貫通口の端部で生じる電子数をより一層増加させることができる。
【0024】
より具体的には、複数の貫通孔は、内壁断面が略直状をなすものである。
【0025】
また、本発明によるガス比例計数管は、主として不活性ガスを含む検出用ガスが充填されており、電磁波又は電離放射線が入射する窓を有するチャンバと、チャンバ内に配置された本発明によるMCPとを備えるものである。なお、「比例計数管」は、管状部材に限られず、比例計数領域で作動する計数装置全般を意味するものとする。
【0026】
さらに、検出用ガスが分子中にハロゲン原子を含む有機系ガスを含有するものであると好適である。
【0027】
前述したArガス及びCH4ガス等を主成分とするガスにTMAやTEAといったアミン系ガスが添加された混合ガスを用いた場合には、例えば、Arの励起発光である波長127nmがTMAによって波長変換されて波長290nmの光が発光する。よって、通常の撮像装置では、可視光への変換が必要となる。これに対し、検出用ガスが、分子中にハロゲン原子を含む有機系ガス(例えば、CF4等のハロゲン化アルカンといった少なくとも一つの水素原子がフッ素原子で置換された炭化水素ガス)を含有するものであれば、従来よりも長波長である可視光(CF4を含む場合、発光領域400~900nm程度、ピーク波長は約620nm)を高効率で発光させることができる。
【0028】
また、本発明による撮像装置は、本発明による比例計数管と、チャンバの後段に配置された光検出器とを備えるものである。なお、これまでの経緯を考慮して換言すれば、本発明によるMCPは、複数の貫通孔が設けられ且つ絶縁性を有する基体を備えており、主として不活性ガスを含むガス雰囲気中に配置されて比例計数管を構成するものであって、基体が、貫通孔の開口端の周囲に設けられたアルカリ金属原子を含む光電変換部を有するものと言い表すことも可能であり、光電変換部が複数の貫通孔の内壁上に設けられたものであると好ましい。
【発明の効果】
【0029】
本発明のMCP、ガス比例計数管、及び撮像装置によれば、MCPに形成された貫通孔の開口端の周囲に設けられたアルカリ金属原子を含む光電変換部により、MCPの外部で生じた電子雲が貫通孔内に入射することが抑制される一方で、その光電変換部において高効率で生じた一次電子が、貫通孔内の電子・光増殖に実質的に寄与するので、高輝度と高解像度の両方を同時に達成できるという優れた特性を実現できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。なお、同一要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。さらに、図面の寸法比率は、図示の比率に限られるものではない。
【0031】
図1は、本発明によるMCPの好適な一実施形態を模式的に示す平面図であり、図2は図1におけるII-II線に沿う断面図である。MCP1は、板状を成す絶縁性の多孔プレート11(基体)の周囲に外周枠12が接合されたものである。多孔プレート11は、その厚み方向に沿ってチャネル13(貫通孔)が複数設けられたものであり、その材質は特に制限されず、例えば、特許文献1等に記載されたガラス枠に接合されたキャピラリープレートからなるチャネルガラス(鉛を含んでいてもいなくてもよい)、特許文献2に記載された樹脂枠内に複数の樹脂製の中空糸管が配置されたもの、等が挙げられる。
【0032】
多孔プレート11に設けられたこれらのチャネル13は、各々独立した電子・光増倍器を構成するものである。さらに、多孔プレート11の両面には、例えば真空蒸着等によって形成された遷移金属合金(例えば、インコネル等)やアルカリ金属原子を含む金属等からなる薄膜を含む電極1a(光電変換部)、及び電極1bが設けられている。
【0033】
この電極1a,1bに用いられるアルカリ金属原子を含む金属材料としては、例えば、バイアルカリ化合物、マルチアルカリ化合物、バイアルカリ及びアンチモン若しくはテルルの化合物、又は、マルチアルカリ及びアンチモン若しくはテルルの化合物等が挙げられ、電極1a,1bは、カーボンナノチューブ等からなる他の層を更に有していてもよく、さらに、例えば中性子線の吸収断面積(中性子との反応断面積)が大きな核種を含めてもよい。
【0034】
ここで、図3は、図2の要部拡大図であり、チャネル13及びその周囲を模式的に示す断面図である。チャネル13は、細長い直孔状すなわち内壁13aが直状で内径が延在軸Gに沿って略一定に形成されている。なお、図示において、チャネル13は、バイアス角度(多孔プレート11の面に垂直な方向と延在軸Gとがなす角度)が略0°となっているが、例えば5~15°程度のバイアス角度となるようにしてもよい。
【0035】
また、電極1a,1bは、チャネル13の開口端の周囲を覆うように設けられており、且つ、チャネル13の開口端からその内部に入り込むように、つまりチャネル13の端部の内壁13a上まで延設されている。
【0036】
さらに、一方の電極1a(後述するように、MCP1が撮像装置に設けられたときにX線等の電磁波が入射する側CPINに設けられた電極)は、好ましくは下記式(1);
Lcp×0.1<La …(1)、
より好ましくは、
Lcp×0.2≦La≦Lcp×0.5 …(2)、
で表される関係を満たすように設けられている。
【0037】
ここで、Lcpは、チャネル13の延在軸G方向の全長(多孔プレート11の厚さ)を示し、Laは、チャネル13の延在軸G方向に沿う電極1aの長さ(チャネル13の内部における電極1aの高さ)を示す。
【0038】
このように構成されたMCP1において、電極1a,1b間すなわち各チャネル13の両端に電圧が印加されると、チャネル13内に延在軸G方向の電界が発生する。このとき、一方端からチャネル13内に電極1aでの光電効果によって生じた電子(一次電子)が入射すると、その入射電子はチャネル13内に形成された強電界からエネルギーを付与され、チャネル13内のガス原子との電離・励起衝突が多重(雪崩式)に繰り返されて、電子及び光(励起発光)が指数関数的に激増することにより電子・光増殖が行われる。
【0039】
図4は、MCP1を備える本発明のガス比例計数管(CGPC)を用いた撮像装置の好適な一実施形態を示す斜視図(一部破断図)である。また、図5は、その要部を模式的に示す断面図である。
【0040】
撮像型X線検出装置200(撮像装置)は、撮像系210に、電源系34、並びにCAMCAユニット及び表示装置が組み込まれた制御系35(測定回路系を兼ねる。)が接続されたものである。撮像系210は、略筒状をなし上方端がベリリウム窓21(窓)で覆われ且つ側壁に排気口22a及び吸気口22bが設けられたチャンバ22と、X線Pv(電磁波)の入射方向に対してチャンバ22の後段に接合されたチャンバ23とを有している。
【0041】
チャンバ22内には、X線Pvの入射方向に沿うように、その上流側から中空状の整形リング(シェイピングリング)215,216、及び前述したMCP1が同軸状に設けられている。これらの整形リング215,216は、電源系34及び接地電位に接続されており、電源系34からの高電圧と接地との間が抵抗分割されてそれぞれに適切なドリフト電圧が印加されるようになっている。これらの整形リング215,216によって、MCP1の前方空間にドリフト領域が画成されている。
【0042】
また、MCP1の電極1a,1bは、それぞれ電源系34に接続されており、電極1aには所定のカソード電圧が印加されて陽極として作用し、電極1bには所定のアノード電圧が印加されて陰極として機能する。
【0043】
また、チャンバ22,23の境界には開口部が設けられており、そこにFOP2がチャンバ22側を封止するように嵌合設置されている。このように閉止されたチャンバ22内の空間には、主ガス成分であるHeガス、Arガス、Xeガス、CH4ガス等に、分子中に好ましくはハロゲン原子、より好ましくはフッ素原子を含むCF4等のハロゲン化アルカンといった有機系ガスが添加され、更に必要に応じてクエンチングガスが加えられた検出用ガス217が封入されている。検出用ガス217は、排気口22a及び吸気口22bを用いて適宜排気及び吸気される。
【0044】
CF4等の有機系ガスの添加量は、ガスの種類に応じて適宜選択することができるものの、検出用ガス217の全量に対して好ましくは1~10体積%程度、より好ましくは数体積%とされる。このように、ベリリウム窓21、チャンバ22、整形リング215,216、MCP1、及び検出用ガス217から本発明の比例計数管が構成されている。
【0045】
さらに、チャンバ23の底壁上には、MCP1及びFOP2と同軸状に光位置検出器3(光検出器)が設置されており、その周囲には、光位置検出器3を駆動させるための駆動回路ボード4が設けられている。光位置検出器3としては、二次元の位置検出が可能な光検出器が好ましく、例えば、CMOSセンサアレイ、イメージインテンシファイファ(I.I.)、CCD、ICCD、PMT、又は陽極ボードを用いた撮像用センサ等が挙げられる。
【0046】
またさらに、先述した電源系34は、チャンバ23の側壁に設けられた電源端子24を介して整形リング215,216及びMCP1に接続されると共に、電源端子24を介して駆動回路ボード4及び光位置検出器3にも駆動電力を供給するようになっている。さらにまた、制御系35は、チャンバ23の側壁に設けられた信号端子25を介して駆動回路ボード4と接続されている。
【0047】
このように構成されたMCP1を備えるガス比例計数管を用いた撮像型X線検出装置200においては、ベリリウム窓21を通してチャンバ22内に入射したX線Pvが、ベリリウム窓21とMCP1との間に画成された領域(ドリフト領域)のガス分子と相互作用し、光電効果によって高エネルギーの一次電子(X線光電子)が放出される。この一次電子は、他のガス分子にエネルギーを付与しながら進行し、その飛跡中に電子-イオン対を生じて、電子雲が形成される。
【0048】
ドリフト領域には、従来の高輝度モードと同様の順バイアス電圧が印加され、一次電子によって生じた電子雲は、その順バイアス電圧によって形成される電場(例えば100V/cm程度の強度)により、MCP1側へ移動(ドリフト)する。このようにMCP1側へ移動した電子は、従来の装置ではMCPのチャネル内に入射するが、本発明のMCP1では、チャネル13内への進入が妨げられる。
【0049】
ここで、そのような電子の挙動を解明するために本発明者が行ったMaxwell & Garfield 三次元シミュレーションコードを用いた電場シミュレーションの結果を説明する。シミュレーションに用いたMCP1近傍の構造モデルの概略は以下のとおりである。なお、チャネル13の形状は基本的に図3に示すものと同等であり、また、以下の符号は、図3における符号である。
・チャネル13の全長Lcp:500μm
・チャネル13の内径D:50μm
・電極1aと前方電位点Vtopとの距離Ltop:500μm
・電極1aと後方電位点Vbotとの距離Lbot:500μm
・電極1aのチャネル13内における長さLa:25,50,100μm
・電極1bのチャネル13内における長さLb:50μm
・上方電位点の電位:+45.8V
・電極1aの電位:+50V
・電極1bの電位:+1050V
・下方電位点の電位:+1045V
【0050】
このモデルにおいては、電極1aの前方のドリフト領域の電場強度は100V/cmであり、チャネル13内の電場強度は2×104V/cm以上である。
【0051】
図6~8は、それぞれLaが25,50,100μmにおけるチャネル13の開口部近傍における等電線(電位の等高線)分布の計算結果を示す図である。電極の長さLaが大きいほど、等電線間隔が密になる部位がチャネル13内部のより深い位置へ変化することが確認された。
【0052】
また、図9~11は、それぞれLaが25,50,100μmにおけるチャネル13内の電場強度の計算結果を示す図である。電極1aの長さが25,50,100μmと変化すると、チャネル13内の電場が、最大23,24.5,28kV/cmと増大することが確認された。このように、電極1aの長さが増大すると、チャネル13内の電場強度が高められ、逆に言えば、電極1aの長さが大きいほど、低電圧で同じ電場強度を得ることが可能であることが判明した。
【0053】
さらに、図12~14は、電極1aの前方にガスが存在しない条件で、それぞれLaが25,50,100μmにおけるチャネル13及びその近傍での電子の移動(ドリフト)状態の計算結果を示す図である。電極1aの前方にある電子Eは、電極1aの長さが大きくなるほど、チャネル13の内部に入射し難くなることが確認された。
【0054】
またさらに、図15~17は、電極1aの前方にガスが存在する条件で、それぞれLaが25,50,100μmにおけるチャネル13及びその近傍での電子の移動(ドリフト)状態の計算結果を示す図である。この場合にも、電極1aの前方にある電子Eは、電極1aの長さが大きくなるほど、チャネル13の内部に入射し難くなることが判明した。
【0055】
さらにまた、電極1aから前方電位点Vtop側へ400μmの距離で且つチャネル13の延在軸G上の位置に仮想電子1000個を配置し、それらの挙動、及びチャネル13の内部でガスとの相互作用により電子増殖に寄与(関与)した電子の割合を計算評価した。結果を表1にまとめて示す。
【0056】
【表1】
JP0005152950B2_000002t.gif

【0057】
これらの結果より、電極1aの長さが長くなるほど、電極1aで停止する電子数が多くなり、それによりチャネル13内に到達する電子数が減少すると共に、さらに、チャネル13内で電子増殖に寄与する電子の割合が低下することが確認された。特に、電極1aの長さLaが50μm(すなわちLa=Lcp×0.1)より大きいと、電極1aの前方のドリフト領域で発生した電子Eがチャネル13内での電子増殖に寄与する割合が格段に減少し、Laが100μm(すなわちLa=Lcp×0.2)以上になると、その寄与率は実質的に無視できるほど小さくなることが理解される。
【0058】
このように、電極1a前方のドリフト領域にある電子Eがチャネル13内に入射し難いのは、図6~8に示されるように、電極の長さLaが大きいほど、等電線間隔が密になる部位がチャネル13内部のより深い位置へ変化することにより、チャネル13の開口端に入射しつつある電子が、電極1aに入射するように移動する(図12~14参照)ことが理由の一つと推定される。ただし、作用はこれに限定されない。
【0059】
こうしてドリフト領域で生成した電子雲は、チャネル13内に入射し難くなると共に、チャンバ22内に入射したX線Pvのなかには、ガス分子との相互作用によって電子に変換されずにMCP1に到達するものがある。このX線Pvが電極1aに入射すると、電極1aとの相互作用によって光電変換が引き起こされ、光電子を生じ得る。このとき、電極1aには、光電変換の反応断面積が大きいアルカリ金属原子が含まれているので、光電子の発生効率が高められる。
【0060】
電極1aから生じる光電子は、チャネル13の開口部近傍又はチャネル13の内部で発生するので、チャネル13内へ直ちに入射する。チャネル13の内部には、電極1a,1bに印加された電圧によって、ガスの放電及び励起発光を引き起こすのに十分な例えば104V/cm以上の電場が形成されており、電子がガス分子と次々に衝突して電子増殖及び光増殖が行われる。
【0061】
この際、種々の素反応が引き起こされ、なかでも励起されたCF4分子が基底状態に遷移する際に、そのエネルギー遷移に特有な波長を有する光が発せられる(CF4*→CF4+hν)。この励起発光の波長領域は、可視光から赤外光領域にかけた広いもの(400~900nm程度)であり、そのピーク波長は約620nmである。この発光波長は、上述した光位置検出器3の具体的なデバイスのうち、CCDの感度に最もよく合致する傾向にある。
【0062】
こうして増殖された光はFOP2を透過し、再度光電変換されることなく光位置検出器3に入射する。光位置検出器3からは、光が入射した二次元位置情報と各入射位置での光強度に基づく電気信号が駆動回路ボード4を通して制御系35へ出力され、そこで、三次元X線発光画像が構成されて表示装置等に出力される。
【0063】
ここで、図20~図22は、チャネル13の内径Dが100μmであり、電極1a,1bとしてInconel 600(インコネル600)を用いたMCP1を製作し、図19に示すテストパターン(アパーチャ)をベリリウム窓21の前に載置し逆バイアス電圧を印加する高解像度モードでX線を照射しながら撮像を行った結果を示す写真である。なお、チャンバ23内には、所定圧力のAr+CF4混合ガスを封入した。図20~図22は、その混合ガスの圧力が、それぞれ1気圧、0.5気圧、及び0.25気圧の場合の結果を示す。また、図20~図22に表示されている数値が大きいほど、その隣に写し出された直線が緻密であることを表す。
【0064】
これらの結果より、本発明によるMCP1及びそれを備えるガス比例計数管を用いた撮像型X線検出装置200は、極めて位置分解能に優れた高解像度モードにおいても十分な撮像感度を有することが確認された。また、順バイアスを印加する高輝度モードでの運転では、通常、チャンバ内のガス圧が小さくなるほど電子の飛跡長が増大するので、ガス圧が小さくなるほど解像度が劣化する傾向にあるのに対し、図20~図22から明らかなように、本発明によるMCP1及びそれを備えるガス比例計数管を用いた撮像型X線検出装置200では、そのようなチャンバ内のガス圧が変化しても解像度の劣化は認められないことが判明した。
【0065】
このように構成されたMCP1を備えるガス比例計数管を用いた撮像型X線検出装置200によれば、電極1aに含まれるアルカリ金属原子とX線Pvとの相互作用によって高い効率で生じた電子が、チャネル13内での電子・光増殖の電子源となるので、高輝度(高感度)での撮像が可能となる。また、ドリフト領域で生じた電子雲は、ガス中で拡散されながらMCP1側へ移動するが、それらはMCP1内への入射が妨げられると共に、チャネル13の開口部近傍及びその内部で生じた光電子は、ガス中での拡散が殆どないので、X線Pvが入射した位置の情報をより正確に保持している。そして、これらの光電子が、チャネル13内での電子・光増殖の電子源となるので、チャネル13の内径で決定される優れた位置分解能を実現することができる。こうして、高輝度且つ高解像度でのX線撮像が実現される。
【0066】
なお、本発明は上述した各実施形態に限定されず、その要旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。例えば、MCP1の形状は円板状に制限されず、例えば角板状等でもよい。図18は、このような本発明のMCPの他の一例を模式的に示す斜視図である。MCP10は、矩形の外周枠212を備え、その内側に、チャネル13が多数併設された例えばガラスや樹脂等の絶縁性部材で構成された基体211が設けられたものである。さらに、MCP1,10は、外周枠12,212を有しなくともよい。
【0067】
またさらに、検出用ガス217には、CF4ガスに替えて又は加えてTMAやTEA等の他のペニング効果を奏するガスが添加されていてもよいが、励起光波長が上述の如く可視域となる点でCF4等のハロゲン化アルカン等の有機系ガスがより好ましい。さらにまた、FOP2の代わりに従来の光透過窓及び光学系の組み合わせを用いてもよいし、バンドル状の光ファイバーを用いても構わない。加えて、電極1bにはアルカリ金属原子が含まれていなくともよい。
【0068】
また、上述した実施形態では、X線の検出・撮像について説明したが、検出対象はX線に限定されず、本発明によるMCN、ガス比例計数管、及び撮像装置は、他の電磁波及び電離放射線の検出に用いることができる。特に、光電変換部がアルカリ金属原子を含むので、紫外領域から近赤外領域の波長を有する光にも高い感度を有し、その場合にも上述した優れた位置分解能を実現することができる。
【0069】
またさらに、電極1aに、中性子線の吸収断面積(中性子との反応断面積)が大きな核種(例えば10B)を含む層を設けてもよく、この場合には、中性子の検出装置としても機能する。すなわち、この場合、電極1aでは、下記式(3);
10B+n→4He+7Li+2.78MeV …(3)
で表される核反応が生じる。このとき放出される4He(α線)と7Liは、チャネル13内でガスにエネルギーを付与して一次電子雲を生じ、この一次電子雲がチャネル13内での電子・光増殖の源となり得る。これにより、中性子検出においてμmオーダーの位置分解能を達成することができる。通常の、ガスを用いた中性子検出器の位置分解能はcmオーダーであることから、本発明のMCN、ガス比例計数管、及び撮像装置によれば、中性子検出における位置分解能を従来よりも1000倍程度改善することが可能となる。
【0070】
さらに、多孔プレート11の材質は特に制限されないが、ガラスを用いれば、電極1aに含まれるアルカリ金属原子と酸素との反応を抑止できるので、電極1aの経時的な劣化を防止する観点から好ましい。
【産業上の利用可能性】
【0071】
以上説明したように、本発明のマイクロチャネルプレート、ガス比例計数管、及び撮像装置によれば、高輝度と高解像度の両方を同時に達成できるので、位置検出をはじめとする電磁波又は電離放射線の種々の測定に広く利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0072】
【図1】本発明によるMCPの好適な一実施形態を模式的に示す平面図である。
【図2】図1におけるII-II線断面図である。
【図3】図2の要部拡大図であり、チャネル13及びその周囲を模式的に示す断面図である。
【図4】MCP1を備える本発明のガス比例計数管を用いた撮像装置の好適な一実施形態を示す斜視図である。
【図5】図4に示す撮像装置の要部を模式的に示す断面図である。
【図6】電極1aの長さLaが25μmにおけるチャネル13の開口部近傍における等電線分布の計算結果を示す図である。
【図7】電極1aの長さLaが50μmにおけるチャネル13の開口部近傍における等電線分布の計算結果を示す図である。
【図8】電極1aの長さLaが100μmにおけるチャネル13の開口部近傍における等電線分布の計算結果を示す図である。
【図9】電極1aの長さLaが25μmにおけるチャネル13内の電場強度の計算結果を示す図である。
【図10】電極1aの長さLaが50μmにおけるチャネル13内の電場強度の計算結果を示す図である。
【図11】電極1aの長さLaが100μmにおけるチャネル13内の電場強度の計算結果を示す図である。
【図12】電極1aの前方にガスが存在しない条件で、電極1aの長さLaが25μmにおけるチャネル13及びその近傍での電子の移動状態の計算結果を示す図である。
【図13】電極1aの前方にガスが存在しない条件で、電極1aの長さLaが50μmにおけるチャネル13及びその近傍での電子の移動状態の計算結果を示す図である。
【図14】電極1aの前方にガスが存在しない条件で、電極1aの長さLaが100μmにおけるチャネル13及びその近傍での電子の移動状態の計算結果を示す図である。
【図15】電極1aの前方にガスが存在する条件で、電極1aの長さLaが25μmにおけるチャネル13及びその近傍での電子の移動状態の計算結果を示す図である。
【図16】電極1aの前方にガスが存在する条件で、電極1aの長さLaが50μmにおけるチャネル13及びその近傍での電子の移動状態の計算結果を示す図である。
【図17】電極1aの前方にガスが存在する条件で、電極1aの長さLaが100μmにおけるチャネル13及びその近傍での電子の移動状態の計算結果を示す図である。
【図18】本発明のMCPの他の一例を模式的に示す斜視図である。
【図19】テストパターンを示す平面写真である。
【図20】MCP1を高解像モードで運転してテストパターンをX線で撮像した結果を示す写真である。
【図21】MCP1を高解像モードで運転してテストパターンをX線で撮像した結果を示す写真である。
【図22】MCP1を高解像モードで運転してテストパターンをX線で撮像した結果を示す写真である。
【符号の説明】
【0073】
1,10…MCP、1a…電極(光電変換部)、1b…電極、3…光位置検出器、4…駆動回路ボード、11…多孔プレート(基体)、12,212…外周枠、13…チャネル(貫通孔)、13a…内壁、21…ベリリウム窓、22,23…チャンバ、22b…吸気口、22a…排気口、24…電源端子、25…信号端子、34…電源系、35…制御系、200…撮像型X線検出装置(撮像装置)、210…撮像系、211…基体、215,216…整形リング、217…検出用ガス、D…内径、E…電子、G…延在軸、Pv…X線。
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12
【図14】
13
【図15】
14
【図16】
15
【図17】
16
【図18】
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【図19】
18
【図20】
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【図21】
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【図22】
21