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明細書 :高分子内包ルイス酸金属触媒

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4314351号 (P4314351)
登録日 平成21年5月29日(2009.5.29)
発行日 平成21年8月12日(2009.8.12)
発明の名称または考案の名称 高分子内包ルイス酸金属触媒
国際特許分類 B01J  31/26        (2006.01)
B01J  31/30        (2006.01)
C07C  67/31        (2006.01)
C07C  69/732       (2006.01)
C07C 227/12        (2006.01)
C07C 229/34        (2006.01)
C07C  67/343       (2006.01)
C07C  69/757       (2006.01)
C07C  69/738       (2006.01)
C07C  45/69        (2006.01)
C07C  49/76        (2006.01)
C07C  49/245       (2006.01)
C07C  49/747       (2006.01)
C07C  49/83        (2006.01)
C07C  45/72        (2006.01)
C07C 327/22        (2006.01)
C07D 333/16        (2006.01)
C07D 213/30        (2006.01)
C07D 307/44        (2006.01)
C07B  61/00        (2006.01)
FI B01J 31/26 Z
B01J 31/30 Z
C07C 67/31
C07C 69/732 Z
C07C 227/12
C07C 229/34
C07C 67/343
C07C 69/757 B
C07C 69/738 Z
C07C 45/69
C07C 49/76 E
C07C 69/757 C
C07C 49/245
C07C 49/747 B
C07C 49/83
C07C 45/72
C07C 327/22
C07D 333/16
C07D 213/30
C07D 307/44
C07B 61/00 300
請求項の数または発明の数 12
全頁数 14
出願番号 特願2006-510777 (P2006-510777)
出願日 平成17年3月8日(2005.3.8)
国際出願番号 PCT/JP2005/003949
国際公開番号 WO2005/084802
国際公開日 平成17年9月15日(2005.9.15)
優先権出願番号 2004065250
優先日 平成16年3月9日(2004.3.9)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成18年10月3日(2006.10.3)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】小林 修
【氏名】秋山 良
【氏名】河井 伸之
【氏名】竹内 昌弘
個別代理人の代理人 【識別番号】100110249、【弁理士】、【氏名又は名称】下田 昭
【識別番号】100113022、【弁理士】、【氏名又は名称】赤尾 謙一郎
審査官 【審査官】横山 敏志
参考文献・文献 特開平06-015184(JP,A)
特開2002-066330(JP,A)
国際公開第02/066158(WO,A1)
特表2003-510167(JP,A)
岡本 訓明 外2名,”埋め込み架橋型”新規高分子固定化パラジウム触媒の開発,日本化学会第83春期年会-講演予稿集II,2003年,第1166頁
調査した分野 B01J21/00-38/74
C07C45/69
C07C45/72
C07C49/245
C07C49/747
C07C49/76
C07C49/83
C07C67/31
C07C67/343
C07C69/732
C07C69/738
C07C69/757
C07C227/12
C07C229/34
C07C327/22
C07D213/30
C07D307/44
C07D333/16
C07B61/00
JSTPlus(JDreamII)
特許請求の範囲 【請求項1】
ルイス酸金属化合物を架橋高分子に内包させてなり、該架橋高分子が架橋性高分子に含まれる架橋基を架橋させてなる高分子内包ルイス酸金属触媒であって、該架橋性高分子が疎水性置換基及び架橋基を有する親水性置換基を有する少なくとも一種のモノマー単位を含み、かつ該疎水性置換基が芳香族置換基を含むことを特徴とする高分子内包ルイス酸金属触媒。
【請求項2】
前記架橋性高分子が、疎水性置換基及び架橋基を有する親水性置換基を有する少なくとも一種のモノマー単位、及び疎水性置換基を有するモノマー単位から成る請求項1に記載の触媒。
【請求項3】
前記架橋性高分子が、芳香族置換基及び架橋基を有する親水性置換基を有するモノマー単位、芳香族置換基以外の疎水性置換基及び架橋基を有する親水性置換基を有するモノマー単位、及び疎水性置換基を有するモノマー単位から成る請求項2に記載の触媒。
【請求項4】
前記架橋性高分子が、エポキシ基を有する親水性置換基を有するモノマー単位、及びエポキシ基との反応基を有する親水性置換基を有するモノマー単位を有する請求項1~3のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項5】
前記架橋性高分子が、芳香族置換基及びエポキシ基を有する親水性置換基を有するモノマー単位、芳香族置換基及びエポキシ基との反応基を有する親水性置換基を有するモノマー単位、及び疎水性置換基を有するモノマー単位から成る請求項4に記載の触媒。
【請求項6】
前記架橋性高分子が、芳香族置換基及びエポキシ基を有する親水性置換基を有するモノマー単位、芳香族置換基以外の疎水性置換基及びエポキシ基との反応基を有する親水性置換基を有するモノマー単位、及び疎水性置換基を有するモノマー単位から成る請求項4に記載の触媒。
【請求項7】
前記架橋性高分子が、芳香族置換基及びエポキシ基との反応基を有する親水性置換基を有するモノマー単位、芳香族置換基以外の疎水性置換基及びエポキシ基を有する親水性置換基を有するモノマー単位、及び疎水性置換基を有するモノマー単位から成る請求項4に記載の触媒。
【請求項8】
前記エポキシ基との反応基が、水酸基、アミノ基、チオール基及びカルボキシル基から成る群から選択される少なくとも1種から成る請求項4~7のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項9】
前記架橋性高分子が、スチレン系モノマー、下記一般式(化1)
【化1】
JP0004314351B2_000013t.gif
(式中、Rは水素原子又は炭素数1~6のアルキル基を表し、Rは水素原子、炭素数1~8のアルキル基又は炭素数が14以下のアリール基を表し、Rは炭素数1~6のアルキレン基、-(CH)(OCHCHR)-、(CH(OCHC=O)-、又は(CH)(COCH)-(式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、n及びmはそれぞれ独立に1~10の整数を表す。)を表し、Rはエポキシ基を表す。)で表されるビニル系モノマー及び
下記一般式(化1)
【化1】
JP0004314351B2_000014t.gif
(式中、R~R並びにn及びmは独立して上記と同様を表し、Rは水酸基、アミノ基、チオール基及びカルボキシル基から成る群から選択される少なくとも1種の反応基を表す。)で表されるビニル系モノマーを主たる原料モノマーとする重合反応によって得られる高分子である請求項1に記載の高分子内包ルイス酸金属触媒。
【請求項10】
前記架橋性高分子とルイス酸金属化合物とを含む有機溶液と、貧溶媒とを混合して得られたルイス酸金属化合物内包ポリマーミセルを、架橋反応に付して得られる請求項1~9のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項11】
前記ルイス酸金属化合物がMY(式中、MはCu、Zn、Fe、Sc、又はランタノイド元素を表し、Yはハロゲン原子、OAc、OCOCF、ClO、SbF、PF又はOSOCFを表し、nは2又は3の整数を表す。)で表される請求項1~10のいずれか一項に記載の触媒。
【請求項12】
アルドール反応、シアノ化反応、アリル化反応、マイケル反応、マンニッヒ反応、ディールスアルダー反応又はフリーデルクラフツ反応のための請求項1~11のいずれか一項に記載の触媒の使用。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、スカンジウムや銅等のルイス酸金属触媒を両親媒性の高分子中に安定化させ、ルイス酸金属触媒としての機能を保ったまま、これを担体に固定したり、網状に結合させたりして、回収可能な形態を有するようにした触媒に関する。
【背景技術】
【0002】
金属とポリマーの複合体はそれぞれの性質を様々な金属を種々の担体に固定し触媒として使用する試みは古くから行われているが、その多くは窒素やリン原子の配位結合を利用しており一般に触媒活性が十分でなく、回収再使用するうちに金属が流出し活性が徐々に低下するなどの問題を有している。
また金属クラスターとして担体表面に固定する方法も開発されているがその触媒活性はクラスターサイズに大きく依存しクラスターサイズが大きくなるほど活性が低下するなどの問題を有している。
近年微少金属クラスターをポリマーミセルで安定化させ触媒として用いる報告がなされているがこのような金属-ポリマーミセル複合体はコロイド溶液として存在し回収再使用が困難である(特許文献1、特願2002-267798)。
一方、近年マイクロカプセル化法を利用した金属の固定化方法が開発され様々な反応において回収再使用が可能である事が示されているが、担体としては有機高分子に限定されていた。また触媒活性についても十分満足行くものではなかった(特許文献2)。
【0003】
【特許文献1】
特開2002-66330
【特許文献2】
特開2002-253972
【非特許文献1】
S. Kobayashi, S. Nagayama, J. Am. Chem. Soc., 120, 2985-2986 (1998)
【非特許文献2】
S. Kobayashi, R. Akiyama, Angew. Chem., Int. Ed., 41, 2602-2604 (2002)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明者らは、既に疎水性の置換基を有する高分子に金属クラスターを内包させたクラスター触媒を完成させているが(非特許文献1、2等)、このような触媒は適当な担体に固定化したり塊化したりすることが困難であったため、使用後の回収が極めて困難であった。
従って、本発明は、ルイス酸金属化合物を高分子中に内包させ、ルイス酸金属触媒としての機能を保ったまま、これを担体に固定したり、網状に結合させた形態を持たせることにより、この触媒の回収を可能とすることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本願発明者らが既に開発したクラスター触媒に用いた高分子(非特許文献1、2等)を、その側鎖に芳香族置換基及び親水性でかつ架橋性の置換基を有するように改変することにより、このような課題を解決できることを見出し、本発明を完成させるに至った。このように高分子を構成することにより、その親水性部分により金属をその内部に取り込み、かつ疎水性置換基が非極性溶媒と親和することにより、液相においてミセルを形成することが可能になる。その結果金属は高分子の芳香環との相互作用により高分子中に内包され安定化されることとなり、高い触媒活性を有することができる。一方、このミセルは架橋基を有するため、このミセルを担体と反応させたり、又はミセル同士反応させることが可能になる。その結果、このルイス酸金属触媒を担体に固定したり、ミセル状のルイス酸金属触媒が多数三次元に繋がった形態を有するようにすることが可能になった。このような形態を有するため、触媒の回収が容易となり、再利用が可能となった。また膜状に成形することでルイス酸金属化合物が分散された機能性膜などを製造することが可能になった。
【0006】
即ち、本発明は、ルイス酸金属化合物を架橋高分子に内包させてなり、該架橋高分子が架橋性高分子に含まれる架橋基を架橋させてなる高分子内包ルイス酸金属触媒であって、該架橋性高分子が疎水性置換基及び架橋基を有する親水性置換基を有する少なくとも一種のモノマー単位を含み、かつ該疎水性置換基が芳香族置換基を含むことを特徴とする高分子内包ルイス酸金属触媒である。
この架橋性高分子は、疎水性置換基及び架橋基を有する親水性置換基を有する少なくとも一種のモノマー単位、及び疎水性置換基を有するモノマー単位から成ることが好ましい。
また、この架橋性高分子は、エポキシ基を有する親水性置換基を有するモノマー単位、及びエポキシ基との反応基を有する親水性置換基を有するモノマー単位を有することが好ましい。
更に、本発明は、この触媒の、アルドール反応、シアノ化反応、アリル化反応、マイケル反応、マンニッヒ反応、ディールスアルダー反応又はフリーデルクラフツ反応のための使用である。
【発明の効果】
【0007】
本発明者らはルイス酸金属化合物を、架橋基を有するポリマーミセルに内包させたのちミセルを凝集させ、引き続き架橋させることにより回収再使用が容易な金属含有ポリマーミセル触媒を開発することに成功した。またこのルイス酸金属化合物含有ポリマーミセルを様々な担体上に固定させることによりガラスやシリカゲルなどこれまで困難であった担体上へも金属を固定することに成功した。なお内包されるルイス酸金属化合物はミセル内で安定化されているため金属含有ポリマーミセルは触媒として非常に高い活性を示す。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明のルイス酸金属化合物はMYで表されることが好ましい。
MはCu(2価)、Zn(2価)、Fe(2又は3価)、Sc(3価)又はランタノイド元素(57La~71Lu)(3価)、好ましくはSc又はCuを表す。
nはMの原子価に相当する整数であり、2又は3を表す。
Yはハロゲン原子、OAc、OCOCF、ClO、SbF、PF又はOSOCF(OTf)、好ましくはOTfを表す。
ルイス酸金属触媒は、金属がポリマーとの相互作用によりポリマーミセルに内包された形態を有する。
このルイス酸金属化合物を高分子に内包させる方法は適宜公知の方法を用いてもよいが、この金属イオンを適当な配位子と錯体(前駆体)を形成させ、架橋性高分子が有する親水性置換基との相互作用により金属を当該架橋性高分子に内包させることが好ましい。
【0009】
この架橋性高分子は、疎水性置換基及び架橋基を有する親水性置換基を有する少なくとも一種のモノマー単位を含み、この疎水性置換基は芳香族置換基を含む。これらの置換基は架橋性高分子の主鎖に直接結合し、架橋性高分子はこれら置換基を複数種有していてもよい。本発明の架橋高分子は、この架橋性高分子が有する架橋基を架橋させることにより形成される。
この疎水性置換基は、芳香族置換基又はアルキル基である。この疎水性置換基は更に置換基を有していてもよいが、親水性置換基及び架橋基を含まないことが好ましい。
アルキル基としては、炭素数が20以下のアルキル基が好ましい。
【0010】
芳香族置換基として、アリール基及びアラルキル基が挙げられる。
アリール基としては、通常炭素数6~10、好ましくは6のものが挙げられ、具体的には、例えばフェニル基、ナフチル基等が挙げられる。
アラルキル基としては、通常炭素数7~12、好ましくは7~10のものが挙げられ、具体的には、例えばベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基等が挙げられる。
アリール基及びアラルキル基に於ける芳香環はアルキル基、アリール基、アラルキル基などの疎水性置換基を有していてもよい。親水性置換基や反応基を有することは好ましくない。
アルキル基としては、直鎖状でも分枝状でもよく、通常炭素数1~4のものが挙げられ、具体的には、例えばメチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、n-ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基等が挙げられる。
これら置換基は、アリール基及びアラルキル基に於ける芳香環に通常1~5個、好ましくは1~2個置換していてもよい。
【0011】
架橋性を有する親水性置換基は、架橋基のみから成るものであっても、親水性の主鎖に架橋基が付いたものでもよいが、親水性の主鎖に架橋基が付いたものが好ましい。
架橋基としては、エポキシ基、カルボキシル基、イソシアネート基、チオイソシアネート基、水酸基、1級若しくは2級のアミノ基及びチオール基が挙げられるが、この架橋基は好ましくはエポキシ基、カルボキシル基、イソシアネート基、より好ましくはエポキシ基、カルボキシル基、最も好ましくはエポキシ基である。これらは適当な基で保護されていてもよい。
また、架橋基が、エポキシ基、カルボキシル基、イソシアネート基又はチオイソシアネート基の場合に、高分子が更に水酸基、1級若しくは2級のアミノ基及びチオール基、好ましくは水酸基又は1級若しくは2級のアミノ基、より好ましくは水酸基を有していてもよい。
高分子に含まれる架橋基の好ましい組み合わせとしては、エポキシ基のみ、エポキシ基と水酸基、エポキシ基とアミノ基、エポキシ基とカルボキシル基、イソシアネート基又はチオイソシアネート基のみ、イソシアネート基と水酸基、イソシアネート基とアミノ基、イソシアネート基とカルボキシル基、カルボキシル基のみ、水酸基のみ、水酸基とカルボキシル基、カルボキシル基とアミノ基等が挙げられる。このなかで、エポキシ基のみ、及びエポキシ基と水酸基の組み合わせが好ましい。
高分子が架橋基を複数種有する場合、架橋基が同じ親水性側鎖に含まれていても異なる親水性側鎖に含まれていてもよいが、異なる親水性側鎖に含まれていることが好ましい。
【0012】
これらの中で、架橋基として、エポキシ基を有する親水性置換基及びエポキシ基との反応基を有する親水性置換基を含むことが好ましい。このエポキシ基との反応基として、水酸基、アミノ基、チオール基及びカルボキシル基から成る群から選択される少なくとも1種、好ましく水酸基が挙げられる。
架橋基の主鎖としては、炭素数1~6のアルキレン基、-(CH)(OCHCHR)-、(CH(OCHC=O)-、又は(CH)(COCH)-(式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、n及びmはそれぞれ独立に1~10の整数を表す。)が好ましい。
【0013】
一方、架橋性高分子はこれら置換基を有するものであればいかなるものであってもよいが、これら置換基を有するモノマーを重合させたものが好ましい。
即ち、架橋性高分子としては、芳香族置換基及び架橋基を有する親水性置換基を有するモノマー単位、芳香族置換基以外の疎水性置換基及び架橋基を有する親水性置換基を有するモノマー単位、及び疎水性置換基を有するモノマー単位から成る構造を持つものが好ましい。
このような架橋性高分子の例として以下を挙げることができる。
(1)芳香族置換基及びエポキシ基を有する親水性置換基を有するモノマー単位、芳香族置換基及びエポキシ基との反応基を有する親水性置換基を有するモノマー単位、及び疎水性置換基を有するモノマー単位から成る架橋性高分子。
(2)芳香族置換基及びエポキシ基を有する親水性置換基を有するモノマー単位、芳香族置換基以外の疎水性置換基及びエポキシ基との反応基を有する親水性置換基を有するモノマー単位、及び疎水性置換基を有するモノマー単位から成る架橋性高分子。
(3)芳香族置換基及びエポキシ基との反応基を有する親水性置換基を有するモノマー単位、芳香族置換基以外の疎水性置換基及びエポキシ基を有する親水性置換基を有するモノマー単位、及び疎水性置換基を有するモノマー単位から成る架橋性高分子。
またこのようなモノマー単位が、付加重合のための二重結合や三重結合,例えば、ビニル基、アセチレン基など、好ましくはビニル基を持つものが好ましい。
【0014】
また、好ましい架橋性高分子は、スチレン系モノマー及び下記一般式(化1)
【化1】
JP0004314351B2_000002t.gif(式中、Rは水素原子又は炭素数1~6のアルキル基、好ましくは水素原子又はメチル基を表し、Rは水素原子、炭素数1~8のアルキル基又は炭素数が14以下のアリール基を表し、Rは炭素数1~6のアルキレン基、-(CH)(OCHCHR)-、(CH(OCHC=O)-、又は(CH)(COCH)-(式中、Rは水素原子又はメチル基を表し、n及びmはそれぞれ独立に1~10の整数を表す。)を表し、Rはエポキシ基、水酸基、アミノ基、チオール基又はカルボキシル基を表す。)で表される少なくとも1種、好ましくは2種のビニル系モノマーを主たる原料モノマーとする重合反応によって得られる高分子である。
この架橋性高分子の原料となるビニル系モノマーとしては、Rとしてエポキシ基を有する一般式(化1)のモノマー及びRとして水酸基、アミノ基、チオール基又はカルボキシル基、好ましくは水酸基を有する一般式(化1)の2種のモノマーを有することが好ましい。
スチレン系モノマーとして、例えば、スチレン、α-メチルスチレン、β-メチルスチレン、α-エチルスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン等が挙げられ、中でもスチレン及びα-メチルスチレンが好ましく、特にスチレンが好ましい。
【0015】
このような置換基を有する高分子として、例えば、下記
【化2】
JP0004314351B2_000003t.gif(式中、mは整数を表し、X及びX’はそれぞれ水酸基やエポキシ基を表し、Rはアルキル基を表す。)のようなユニット(単量体)を有するものが挙げられる。このユニット1は芳香族置換基のみ、ユニット2は芳香族置換基と親水性置換基の両方、ユニット3は親水性置換基を持っている。これらユニットを組み合わせて芳香族置換基と親水性基のバランスをとるようにすることが重要である。芳香族置換基(この例ではユニット1+ユニット2)を50~100モル%、親水性置換基(この例ではユニット2+ユニット3)を1~50モル%となるように組み合わせることが好ましい。
【0016】
ユニット2及び3に対応するビニルモノマーは下記に示すそれぞれのハロゲン化アリル化合物と例えばポリエチレングリコールとのエーテル化反応に引き続き、更に例えばエピクロロヒドリンなどのハロゲン化エポキシ化合物とのエーテル化反応によって得ることができる。
【化3】
JP0004314351B2_000004t.gif(式中、X''はハロゲン原子、Rはアルキル基を表す。)
【0017】
このような架橋性高分子とルイス酸金属化合物とを良溶媒に溶解又は分散させた溶液に、適切な貧溶媒を加えることでルイス酸金属化合物内包ポリマーミセルを形成することができる。
このようなミセル中でルイス酸金属化合物は、ポリマーの芳香環や酸素などのヘテロ原子との相互作用により安定化されていると考えられている。
【0018】
極性の良溶媒としてはTHF、ジオキサン、アセトン、DMF、NMPなどがあり、非極性の良溶媒としてはトルエン、シクロヘキサン、ジクロロメタン、クロロホルムなどが使用できる。極性の貧溶媒としてはメタノール、エタノール、ブタノール、アミルアルコールなどがあり、非極性の貧溶媒としてはヘキサン、ヘプタン、オクタンなどが使用できる。
良溶媒中の架橋性高分子の濃度は用いる溶媒によっても異なるが、約1~100 g/L程度、ルイス酸金属化合物の場合は1~100 mmol/L程度である。また、良溶媒に対する貧溶媒の量は通常0.1~10(v/v)、好ましくは0.5~5(v/v)程度である。
【0019】
このようなミセルの形成は顕微鏡等で容易に確認することができる。
このようにルイス酸金属触媒を内包したミセルは、架橋基により架橋することができる。架橋することによりミセルは安定化する。
架橋反応は、架橋性置換基の種類により、加熱や紫外線照射により実施することができる。架橋反応は、これらの方法以外にも、使用する直鎖型有機高分子化合物を架橋するための従来公知の方法である、例えば架橋剤を用いる方法、縮合剤を用いる方法、過酸化物やアゾ化合物等のラジカル重合触媒を用いる方法、酸又は塩基を添加して加熱する方法、例えばカルボジイミド類のような脱水縮合剤と適当な架橋剤を組み合わせて反応させる方法等に従っても行うことができる。
【0020】
架橋基を架橋させる際の温度は、用いるルイス酸の酸性度にも依存し室温程度で進行する場合もあるが、例えば、エポキシ基を架橋基、水酸基をエポキシ基との反応基とする場合は、通常50~160℃、好ましくは60~140℃、より好ましくは80~120℃である。
加熱架橋反応させる際の反応時間は、通常0.1~100時間、好ましくは1~50時間、より好ましくは2~10時間である。
架橋剤を用いて架橋させる場合の架橋剤としては、架橋基としてエポキシ基を有するポリマーには、例えばヘキサメチレンジアミン,ヘキサメチレンテトラミン等のポリアミン化合物、例えばエチレングリコール,プロピレングリコール,グリセリン等のポリオール、例えばマロン酸,コハク酸,グルタル酸,アジピン酸,ピメリン酸,マレイン酸,フマル酸等のポリカルボン酸及びそれらの無水物等の架橋剤、架橋基としてカルボキシル基を有するポリマーには、例えばエチレングリコール,グリセリン等のポリヒドロキシ化合物、例えばエチレンオキサイド,プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイド化合物等の架橋剤、架橋基としてヒドロキシル基を有するポリマーには、例えばマロン酸,コハク酸,グルタル酸,アジピン酸,ピメリン酸,マレイン酸,フマル酸等のポリカルボン酸及びそれらの無水物、例えばエチレンオキサイド,プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイド化合物、例えばヘキサメチレンジアミン,ヘキサメチレンテトラミン等のポリアミン化合物等の架橋剤、架橋基としてアミノ基を有するポリマーには、例えばマロン酸,コハク酸,グルタル酸,アジピン酸,ピメリン酸,マレイン酸,フマル酸等のポリカルボン酸及びそれらの無水物、例えばエチレンオキサイド,プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイド化合物等の架橋剤が挙げられる。
縮合剤を用いて架橋させる際に使用する縮合剤としては、例えば、架橋性官能基としてカルボキシル基とアミノ基又は水酸基を有するポリマーの場合には、例えば、ジシクロヘキシルカルボジイミド等の脱水縮合剤類が挙げられる。
【0021】
架橋剤の量は、架橋反応の反応性、ポリマーの分子量、反応条件などによって影響されるが、通常架橋基に対して架橋剤の反応性官能基(2官能性架橋剤の場合は2つある)が通常0.1~10等量、好ましくは0.5~2等量、より好ましくは0.8~1.2等量になるように添加する。これは目的とする架橋型高分子触媒に期待する物性(例えば柔軟性、膨潤性など)によっても適宜増減させてもよい。
縮合剤の量は架橋反応の反応性、ポリマーの分子量、反応条件などによって影響されるが、通常架橋基に対して縮合剤が通常0.1~20等量、好ましくは0.5~10等量、より好ましくは1~3等量添加する。これは目的とする架橋型高分子触媒に期待する物性(例えば柔軟性、膨潤性など)によっても適宜増減させてもよい。
【0022】
好ましい形態として、ミセルを三次元網目構造(network)を有する塊や膜としたり、ミセルを担体に固定することもできる。担体としては、ガラス、シリカゲル、樹脂などの様々な担体を用いることができる。担体表面に存在する架橋性官能基(例えば水酸基やアミノ基など)を介して、金属含有ポリマーミセルは担体に強固に固定できる。
【0023】
このようにして得られた架橋型金属含有ポリマーミセルは多くの空孔を有しており、また内包されたルイス酸金属化合物は、種々の反応に対して高い活性を示す。この架橋型ポリマーミセルはアルドール反応並びにここで用いたルイス酸金属化合物により活性化されることが知られているシアノ化反応、アリル化反応、マイケル反応、マンニッヒ反応、ディールスアルダー反応及びフリーデルクラフツ反応などに用いることができ、特に金属としてスカンジウムや銅を用いる場合には非常に高い活性を示す。
【0024】
以下、実施例にて本発明を例証するが本発明を限定することを意図するものではない。また、各種の物性は以下の機器を用いて測定した。NMRスペクトル:JEOL-LA300、JEOL-LA400又はJEOL-LA500(日本電子(株)製)、IRスペクトル:JASCO FT/IR-610(日本分光(株)製)。
製造例1
2-フェニルプロペン (22.4 g, 190 mmol)、N-ブロモスクシンイミド (23.7 g, 133 mmol)及びブロモベンゼン(76 mL)の混合物を160 oC のオイルバス上でN-ブロモスクシンイミドが溶解するまで加熱した。反応混合物を室温まで冷却した後、沈殿物をろ過で取り除きクロロホルムで洗浄した。ろ液を減圧蒸留で精製(b.p. 80-85 oC / 3 mmHg)し3-ブロモ-2-フェニルプロペン(12.1 g)を得た。1H NMR (CDCl3)δ= 4.39 (s, 2H), 5.49 (s, 1H), 5.56 (s, 1H), 7.33-7.51 (m, 5H); 13C NMR (CDCl3)δ= 34.2, 117.2, 126.1, 128.3, 128.5, 137.6, 144.2.
【0025】
60%水素化ナトリウム (1.6 g, 40 mmol) の DMF (75 mL) 懸濁液にグリシドール (7.4 g, 100 mmol)のDMF(5 mL)溶液を0℃で加えた。次に 上記で得られた3-ブロモ-2-フェニルプロペン(3.94 g, 20 mmol)のDMF(10 mL )溶液をどう温度で加えた後、室温で24 h撹拌した。反応混合物を0℃に冷却しジエチルエーテルで希釈した後、飽和塩化アンモニウム水溶液を加えて反応を停止した。水層をジエチルエーテルで数回抽出し、有機層を合一し無水硫酸ナトリウムで乾燥した。濾過後、溶媒を濃縮し残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(Hexane-AcOEt)で精製し2-[(2-フェニルアリルオキシ)メチル]オキシラン(2.66 g, 70 %)を得た。1H NMR (CDCl3)δ= 2.59 (dd, 1H, J = 2.7, 5.1 Hz), 2.78 (dd, 1H, J = 4.2, 5.1 Hz), 3.13-3.17 (m, 1H), 3.46 (dd, 1H, J = 5.8, 11.5 Hz), 3.77 (dd, 1H, J = 3.2, 11.5 Hz), 4.41 (ddd, 1H, J = 0.7, 1.2, 12.9 Hz), 4.48 (ddd, 1H, J = 0.5, 1.2, 12.9 Hz), 5.34-5.36 (m, 1H), 5.53-5.54 (m, 1H), 7.45-7.48 (m, 5H); 13C NMR (CDCl3)δ= 44.3, 50.8, 70.5, 73.2, 114.6, 126.0, 127.8, 128.4, 138.6, 143.9; IR (KBr) 3000, 2924, 2867, 1911, 1812, 1701, 1630, 1512, 1479, 1407, 1337, 1254, 1205, 1107, 991, 909, 839 cm-1; HRMS (EI): Calcd for C13H16O2 (M+) 190.0994, found 190.0998.
【0026】
スチレン(12.5 g, 120 mmol)、上記で得られた2-[(2-フェニルアリルオキシ)メチル]オキシラン(2.85 g, 15 mmol)、tetraethleneglycol mono-2-phenyl-2-propenyl ether(4.66 g, 15 mmol)、AIBN(172.4 mg, 1.05 mmol)をクロロホルム(19 mL)に溶解しアルゴン雰囲気下で48時間、還流条件下で加熱攪拌した。冷却後反応混合物をメタノール(MeOH)(600 mL)中に注いでポリマーを固化させた。デカントして上澄みを取り除いた後、少量のテトラヒドロフランに溶解し再びメタノールに注いだ。沈殿したポリマーを濾過し室温減圧下で乾燥し、12.0 gのポリマーを得た(収率60 %)。
【0027】
得られた高分子は下記構造であり、各モノマー単位の組成比(x/y/z)=91/5/4、重量平均分子量(Mw)=31912,数平均分子量(Mn)=19468,分散度(Mw/Mn)=1.64であった。生成したポリマーを以下ポリマー(1)という。
【化4】
JP0004314351B2_000005t.gif【実施例1】
【0028】
ポリマー(1)(2.0g)を溶解したトルエン溶液(40mL)に室温でスカンジウムトリフラート(200mg,0.406mmol)を加え15分撹拌した。この溶液にヘキサン(160mL)を滴下し、更に室温で30分撹拌することでコアセルベート化を行った。析出したポリマーは濾取し、ヘキサンで洗浄した後室温で減圧乾燥した。このポリマーを120℃で2時間処理して架橋を行い、トルエン、ジクロロメタンで洗浄した後100℃で2時間減圧乾燥することで高分子固定化スカンジウムトリフラートを白色固体として得た(2.1g,0.195mmol/g)。スカンジウムトリフラートのロード量は、合成時に使用した全ての溶媒中に流出したスカンジウム量を蛍光X線装置で定量し、その値を用いて算出した。
【実施例2】
【0029】
実施例1で得た高分子固定化スカンジウムトリフラート(103mg,0.020mmol)に室温でベンズアルデヒド(42mg,0.40mmol)のジクロロメタン溶液(1.5mL)を加え、次いでイソ酪酸メチル由来のケテンシリルアセタールのジクロロメタン溶液(1.0mL)を滴下し3時間撹拌した。反応後、ヘキサン(5mL)を加え濾過し、高分子固定化触媒をジクロロメタンで洗浄後回収した。濾液と洗浄液は濃縮し、得た残渣に氷冷下で1規定塩酸/THF溶液(1/20,5mL)を加え1時間撹拌した。溶媒留去後に得た残渣をシリカゲル薄層クロマトグラフィー(酢酸エチル/ヘキサン=1/4)で精製し、目的のアルドール付加体を白色固体として得た(69mg,83%)。回収した高分子固定化触媒は再使用を行った。目的物の収率は以下の通り。2回目(83%)、3回目(84%)、4回目(83%)、5回目(81%)。
1H-NMR(CDCl3):δ1.11(s,3H),1.14(s,3H),3.09(br,1H),3.72(s,3H),4.89(br,1H),7.24?7.33(m,5H)
13C-NMR(CDCl3):δ19.0,23.0,47.7,52.1,78.7,127.7,127.8,140.0,178.2
【実施例3】
【0030】
ポリマー(1)(0.5 g)をジクロロメタン(10 ml)に溶解させ、そこにトリフルオロメタンスルホン酸銅(36 mg)を加え室温下にて12時間撹拌を行った。次いで、高分子溶液に貧溶媒であるヘキサンをゆっくりと加え、高分子を固化させた。溶媒を除去した後、無溶媒条件下、120℃にて2時間撹拌した。高分子を室温まで冷却した後にジクロロメタンを加えてしばらく撹拌し、その後ジクロロメタンを用いてろ取及び洗浄を行い、減圧下乾燥したところ、架橋型マイクロカプセル化銅触媒{PI Cu(OTf)2, 419 mg} を得た。銅金属の導入率は、PI Cu(OTf)2 に濃硫酸を加え180℃にて1時間、濃硝酸を加えさらに4時間撹拌した後、冷却し蒸留水で希釈し蛍光X線分析装置を用いて定量し決定した。
【実施例4】
【0031】
実施例3で得た架橋型マイクロカプセル化銅触媒(0.03 mmol) 存在下、ベンズアルデヒド(0.03 ml, 0.3 mmol) とイソ酪酸メチル由来のケテンシリルアセタール(80 mg, 0.45 mmol) をジクロロメタン(2 ml) 中にて混合し、室温下2 日間撹拌を行った。希釈した後ろ過を行い触媒をジクロロメタンで洗浄した。ろ液を濃縮し、蛍光X線により触媒から銅の流出を測定した。測定後に、1 N 塩酸水溶液に注ぎクロロホルムで2回抽出した。有機層を蒸留水、飽和食塩水で洗浄したのち、乾燥し濃縮した。シリカゲル薄層クロマトグラフィーによって精製を行い、目的とするアルドール付加体(38 mg, 61%)を白色固体として得た。
回収したPI Cu(OTf)2は、3時間減圧乾燥した後、再利用した。
【実施例5】
【0032】
実施例2のケテンシリルアセタールに代えて様々なケイ素エノラートを用いて同様の実験を行った。反応を下式に示し、結果を表1に示す。
【化5】
JP0004314351B2_000006t.gif【0033】
【表1】
JP0004314351B2_000007t.gif【実施例6】
【0034】
実施例1で用いたトルエンをTHF-ヘキサン(1/3)に代えて実施例1と同様の反応を行い、高分子固定化スカンジウムトリフラート(PMI Sc(OTf)3)を白色固体として得た(2.1g、0.186mmol/g)。
【実施例7】
【0035】
実施例6で得たPMI Sc(OTf)3を用いて、実施例2と同様の反応を行い、目的のアルドール付加体を得た(76mg、92%)。回収したPMI Sc(OTf)3を用いて同様の実験を行い、同じ生成物を得た(76mg、92%)。いずれの場合も、反応中及び後処理時におけるScの漏出はICP分析の検出限界(0.05%)以下であった。反応式を下式に示す。
【化6】
JP0004314351B2_000008t.gif【実施例8】
【0036】
実施例7の反応後、濾過により回収したPMI Sc(OTf)3を用いて実施例7と同様の反応を行い、同じ生成物を得た(76mg、92%)。いずれの場合も、反応中及び後処理時におけるScの漏出はICP分析の検出限界(0.05%)以下であった。
【実施例9】
【0037】
ベンズアルデヒドに代えてN-ベンジリデンアニリンを用いて、実施例7と同様の条件下でマンニッヒ型反応を行い、目的とする付加体を113mg(96%)得た。反応中及び後処理時におけるScの漏出はICP分析の検出限界(0.05%)以下であった。反応式を下式に示す。
【化7】
JP0004314351B2_000009t.gif【実施例10】
【0038】
実施例9と同様の反応を、PMI Sc(OTf)3を10 mol%用いて行ったところ目的物が定量的に得られた。さらに、反応後濾過により回収したPMI Sc(OTf)3を用いて同じ反応を繰り返した結果、目的物が再び定量的に得られた。反応式を下式に示す。
【化8】
JP0004314351B2_000010t.gif【実施例11】
【0039】
実施例6で得られたPMI Sc(OTf)3を用いてmethyl 2,3-dihydro-1-oxo-1H-indene-2-carboxylateとbut-3-en-2-one(2当量)とのマイケル反応を、実施例2と同様の手法により、触媒量、溶媒、反応時間を変えて実施した。いずれの場合も高収率で目的とする付加体が得られ、回収した触媒を用いても収率の低下は認められなかった。反応式及び結果を下表に示す。
【表2】
JP0004314351B2_000011t.gif【実施例12】
【0040】
実施例11、Entry2の条件で各種の基質を用いたマイケル反応を行い、いずれの場合も目的とする付加体を高収率で得た。反応式及び結果を下表に示す。
【表3】
JP0004314351B2_000012t.gif