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明細書 :含カルコゲン縮環多環式有機材料及びその製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4673843号 (P4673843)
登録日 平成23年1月28日(2011.1.28)
発行日 平成23年4月20日(2011.4.20)
発明の名称または考案の名称 含カルコゲン縮環多環式有機材料及びその製造方法
国際特許分類 C07D 495/14        (2006.01)
C07F   7/08        (2006.01)
C07D 517/14        (2006.01)
C07D 517/22        (2006.01)
C07D 495/22        (2006.01)
H01L  51/50        (2006.01)
C09K  11/06        (2006.01)
FI C07D 495/14 F
C07F 7/08 CSPW
C07D 517/14
C07D 517/22
C07D 495/14 A
C07D 495/22
H05B 33/14 A
H05B 33/22 B
H05B 33/22 D
C09K 11/06 690
請求項の数または発明の数 10
全頁数 19
出願番号 特願2006-510944 (P2006-510944)
出願日 平成17年3月8日(2005.3.8)
国際出願番号 PCT/JP2005/004006
国際公開番号 WO2005/087780
国際公開日 平成17年9月22日(2005.9.22)
優先権出願番号 2004068039
優先日 平成16年3月10日(2004.3.10)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成19年10月11日(2007.10.11)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】山口 茂弘
【氏名】岡本 敏宏
個別代理人の代理人 【識別番号】110000338、【氏名又は名称】特許業務法人原謙三国際特許事務所
審査官 【審査官】松浦 安紀子
参考文献・文献 Kenichi OYAIZU et al,Linear Ladder-Type π-Conjugated Polymers Composed of Fused Thiophene Ring Systems,Macromolecules,2004年 2月24日,37,p.1257-1270
Xinnan ZHANG et al,Effect of Ring Fusion on the Electronic Absorption and Emission Properties of Oligothiophenes,J. Org. Chem.,2003年,68,p.9813-9815
Naoki SATO et al,Linearly condensed Polythiophenes: Characteristic Molecular Aggregation of Thieno[2",3":4',5']thieno[2',3'-d]thieno[3,2-b]thiophene Crystals Revealed by Ultraviolet Photoelectron Spectroscopy,J. Chem. Soc. Perkin Trans. 2,1992年,p.765-770
Yasuhiro MAZAKI et al,Synthesis of Tetrathieno-Acene and Pentathieno-Acene: UV-spectral Trend in a Homologous Series of Thieno-Acenes,Tetrahedron Letters,1989年,30, 25,p.3315-3318
Keiji KOBAYASHI,Sulfur Heterocycles for Organic Conductors and Superconductors,Phosphorus, Sulfur and Silica,1989年,43/1-2,p.187-208
調査した分野 C07D 495/14
C07D 495/22
C07D 517/14
C07D 517/22
C07F 7/08
C09K 11/06
H01L 51/50
CA/REGISTRY(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
下記式(1)
【化1】
JP0004673843B2_000022t.gif
(式中、E1はS又はSeを示し、Arは、ベンゼン、置換ベンゼン、ナフタレン、置換ナフタレン、アントラセン、置換アントラセン、チオフェン、置換チオフェン、フラン、置換フラン、ピロール、置換ピロール、セレノフェン、置換セレノフェン、ピリジン、置換ピリジン、チアゾール、置換チアゾール、ベンゾチオフェン、置換ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、置換ベンゾフラン、インドール、又は置換インドールの、一つの二重結合部位を介して縮環している基を示し、E1=Sのとき、Ar=ベンゼンを除く)で示される構造を有することを特徴とする含カルコゲン縮環多環式有機材料。
【請求項2】
下記式(2)
【化2】
JP0004673843B2_000023t.gif
(式中、R1、R2、R3、R4は、独立に、アリール基、置換アリール基、オリゴアリール基、置換オリゴアリール基、1価の複素環基、1価の置換複素環基、1価のオリゴ複素環基、1価の置換オリゴ複素環基、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アリル基、アミノ基、置換アミノ基、アゾ基、カルボキシル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ホルミル基、ニトロ基、シアノ基、シリル基、置換シリル基、スタンニル基、置換スタンニル基、ボリル基、置換ボリル基、ホスフィノ基、置換ホスフィノ基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、アリールスルフォニルオキシ基、アルキルスルフォニルオキシ基、又はハロゲン原子を示す)で示される構造を有することを特徴とする請求項1記載の含カルコゲン縮環多環式有機材料。
【請求項3】
下記式(3)
【化3】
JP0004673843B2_000024t.gif
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8は、独立に、アリール基、置換アリール基、オリゴアリール基、置換オリゴアリール基、1価の複素環基、1価の置換複素環基、1価のオリゴ複素環基、1価の置換オリゴ複素環基、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アリル基、アミノ基、置換アミノ基、アゾ基、カルボキシル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ホルミル基、ニトロ基、シアノ基、シリル基、置換シリル基、スタンニル基、置換スタンニル基、ボリル基、置換ボリル基、ホスフィノ基、置換ホスフィノ基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、アリールスルフォニルオキシ基、アルキルスルフォニルオキシ基、又はハロゲン原子を示し、E1=Sのとき、R1=R2=R3=R4=R5=R6=R7=R8=水素原子である場合を除く)で示される構造を有することを特徴とする請求項1記載の含カルコゲン縮環多環式有機材料。
【請求項4】
下記式(4)
【化4】
JP0004673843B2_000025t.gif
(式中、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8は、独立に、アリール基、置換アリール基、オリゴアリール基、置換オリゴアリール基、1価の複素環基、1価の置換複素環基、1価のオリゴ複素環基、1価の置換オリゴ複素環基、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アリル基、アミノ基、置換アミノ基、アゾ基、カルボキシル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ホルミル基、ニトロ基、シアノ基、シリル基、置換シリル基、スタンニル基、置換スタンニル基、ボリル基、置換ボリル基、ホスフィノ基、置換ホスフィノ基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、アリールスルフォニルオキシ基、アルキルスルフォニルオキシ基、又はハロゲン原子を示す)で示される構造を有することを特徴とする請求項1記載の含カルコゲン縮環多環式有機材料。
【請求項5】
下記式(5)に示された、
【化5】
JP0004673843B2_000026t.gif
ジアセチレン類(式中、Xは、I、Br又はClを示す)に対し、分子内三重環化反応により請求項1に記載の含カルコゲン縮環多環式有機材料を得ることを特徴とする含カルコゲン縮環多環式有機材料の製造方法。
【請求項6】
前記ジアセチレン類に対し、有機金属塩基を用いたハロゲン-メタル交換反応によりジメタル化した後、カルコゲン単体E1と反応させることを特徴とする請求項5記載の含カルコゲン縮環多環式有機材料の製造方法。
【請求項7】
下記式(9)
【化6】
JP0004673843B2_000027t.gif
(式中、E1はS又はSeを示し、Arは、ベンゼン、置換ベンゼン、ナフタレン、置換ナフタレン、アントラセン、置換アントラセン、チオフェン、置換チオフェン、フラン、置換フラン、ピロール、置換ピロール、セレノフェン、置換セレノフェン、ピリジン、置換ピリジン、チアゾール、置換チアゾール、ベンゾチオフェン、置換ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、置換ベンゾフラン、インドール、又は置換インドールの、一つの二重結合部位を介して縮環している基を示し、E1=Sのとき、Ar=ベンゼン、チオフェン、および置換チオフェンを除く)で示されるヘテロアセン化合物であることを特徴とする含カルコゲン縮環多環式有機材料。
【請求項8】
下記式(10)
【化7】
JP0004673843B2_000028t.gif
(式中、R1、R2、R3、R4は、独立に、アリール基、置換アリール基、オリゴアリール基、置換オリゴアリール基、1価の複素環基、1価の置換複素環基、1価のオリゴ複素環基、1価の置換オリゴ複素環基、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アリル基、アミノ基、置換アミノ基、アゾ基、カルボキシル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ホルミル基、ニトロ基、シアノ基、シリル基、置換シリル基、スタンニル基、置換スタンニル基、ボリル基、置換ボリル基、ホスフィノ基、置換ホスフィノ基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、アリールスルフォニルオキシ基、アルキルスルフォニルオキシ基、又はハロゲン原子を示す)で示される構造を有するヘテロアセン化合物であることを特徴とする請求項7記載の含カルコゲン縮環多環式有機材料。
【請求項9】
下記式(11)
【化8】
JP0004673843B2_000029t.gif
(式中、E1はS又はSeを示し、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8は、独立に、アリール基、置換アリール基、オリゴアリール基、置換オリゴアリール基、1価の複素環基、1価の置換複素環基、1価のオリゴ複素環基、1価の置換オリゴ複素環基、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アリル基、アミノ基、置換アミノ基、アゾ基、カルボキシル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ホルミル基、ニトロ基、シアノ基、シリル基、置換シリル基、スタンニル基、置換スタンニル基、ボリル基、置換ボリル基、ホスフィノ基、置換ホスフィノ基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、アリールスルフォニルオキシ基、アルキルスルフォニルオキシ基、又はハロゲン原子を示し、E1=Sのとき、R1=R2=R3=R4=R5=R6=R7=R8=水素原子である場合を除く)で示される構造を有するヘテロアセン化合物であることを特徴とする含カルコゲン縮環多環式有機材料。
【請求項10】
下記式(12)
【化9】
JP0004673843B2_000030t.gif
(式中、E1はS又はSeを示し、R1、R2、R3、R4、R5、R6、R7、R8は、独立に、アリール基、置換アリール基、オリゴアリール基、置換オリゴアリール基、1価の複素環基、1価の置換複素環基、1価のオリゴ複素環基、1価の置換オリゴ複素環基、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アリル基、アミノ基、置換アミノ基、アゾ基、カルボキシル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ホルミル基、ニトロ基、シアノ基、シリル基、置換シリル基、スタンニル基、置換スタンニル基、ボリル基、置換ボリル基、ホスフィノ基、置換ホスフィノ基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、アリールスルフォニルオキシ基、アルキルスルフォニルオキシ基、又はハロゲン原子を示す)で示される構造を有するヘテロアセン化合物であることを特徴とする含カルコゲン縮環多環式有機材料。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、有機薄膜トランジスタや有機電界発光(エレクトロルミネッセンス、以下、ELと略記する)素子に応用可能な高効率電荷輸送特性を有する含カルコゲン縮環多環式有機材料及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
有機薄膜トランジスタ(TFT)や有機電界発光(EL)素子などの有機エレクトロニクス分野において、優れた電荷輸送特性を示す材料の開発は、p型、n型を問わず、最も根本的かつ最も重要な問題の一つであり、上記開発に関する、全世界をあげての熾烈な競争が繰りひろげられている状況にある。
【0003】
上記材料の分子設計としては、有効な分子間相互作用の実現を視野に入れた高平面性π共役骨格の構築が有望である。実際、そのような構造を備えたアセン系化合物であるペンタセンは、高い電荷輸送特性を示すことがよく知られており、広範な研究対象になっている。
【0004】
これに対し、ヘテロ原子を導入したヘテロアセン類やその類似のジカルコゲニド結合を有する縮環多環式芳香族化合物も有望な前記材料として期待できる。

【特許文献1】 特開2001-261794号公報(公開日:2001年9月26日)
【非特許文献1】 K.Oyaizu,T.Iwasaki,Y.Tsukahara,E.Tsuchida,Macromolecules,2004,ASAP.
【非特許文献2】 S.Naoki,Y.Mazaki,K.Kobayashi,T.Kobayashi,J.Chem.Soc.,Perkin Trans.2,1992,pp765.
【非特許文献3】 Y.Mazaki,K.Kobayashi,Tetrahedron Lett.1989,30,pp3315.
【非特許文献4】 K.Kobayashi,Phosphorus,Sulfur,and Silicon and the Related Elements,1989,43,pp187.
【非特許文献5】 W.Schroth,E.Hintzsche,H.Viola,R.Winkler,H.Klose,R.Boese,R.Kempe,J.Sieler,Chem.Ber.,1994,127,pp401.
【非特許文献6】 W.Schroth,E.Hintzsche,M.Felicetti,R.Spitzner,J.Sieler,R.Kempe,Angew.Chem.,Int.Ed.Engl.,1994,33,pp739.
【非特許文献7】 W.Schroth,D.Strohl,I.Thondorf,W.Brandt,M.Felicetti,T.Gelbrich,Tetrahedron,1995,51,pp8853.
【非特許文献8】 W.Schroth,E.Hintzsche,H.Jordan,T.Jende,R.Spitzner,I.Thondorf,Tetrahedron,1997,53,pp7509.
【非特許文献9】 R.D.Adams,B.Captain,J.L.Smith Jr.,J.Organomet.Chem.,2004,689,65.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記ジカルコゲニド結合を有する縮環多環式芳香族化合物は、効率的かつ一般的合成法の欠如のため、これまで有機エレクトロニクス分野に応用された例はほとんどない(特許文献1、非特許文献1乃至4)。よって、上記化合物に関する効率的かつ一般的合成法が望まれているという課題を生じている。
【0006】
【化1】
JP0004673843B2_000002t.gif

【0007】
上記ジカルコゲニド結合を有する縮環多環式芳香族化合物に関連するものとして、唯一、無置換ベンゾ縮環誘導体(上記の式(6))についての合成と構造に関する研究がシュロス(Schroth)らにより報告されているが(非特許文献5乃至8)、これらの報告には、上記構造を有機エレクトロニクス分野への応用については何ら開示も示唆もされていない。
【0008】
また、ヘテロアセン類としては、小林、土田らにより、下記の式(9)で示される化合物のうち無置換体(R=R=R=R=H)及びモノメチル置換体(R=Me、R=R=R=H)の合成が(非特許文献2乃至4、特許文献1)、また、土田らにより、高分子状ポリチアアセン類の合成が報告されているが(特許文献1及び非特許文献2)、置換基を有するヘテロアセン類の自在な精密合成は達成されておらず、その開発が待たれていた。
【0009】
(本発明の要旨)
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、本発明者らが、今回、概念的に新しい合成法の開発に取り組み、この重要な化合物群である一連の含カルコゲン縮環多環式有機材料の効率的・一般的合成法の開発に成功したことにより、上記化合物群及びその製造方法を提供することを目的としている。
【0010】
本発明に係る含カルコゲン縮環多環式有機材料は、上記課題を解決するために、下記式(1)
【0011】
【化2】
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(式中、EはS、又はSeを示し、Arは、ベンゼン、置換ベンゼン、ナフタレン、置換ナフタレン、アントラセン、置換アントラセン、チオフェン、置換チオフェン、フラン、置換フラン、ピロール、置換ピロール、セレノフェン、置換セレノフェン、ピリジン、置換ピリジン、チアゾール、置換チアゾール、ベンゾチオフェン、置換ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、置換ベンゾフラン、インドール、又は置換インドールの、一つの二重結合部位を介して縮環する基を示し、但し、E=Sのとき、Ar=ベンゼンを除く)で示される構造を有することを特徴としている。
【0012】
本発明に係る、含カルコゲン縮環多環式有機材料の製造方法は、前記課題を解決するために、下記式(5)に示された、
【0013】
【化3】
JP0004673843B2_000004t.gif
ジアセチレン類(式中、Xは、I、Br又はClを示す)に対し、分子内三重環化反応により前記の含カルコゲン縮環多環式有機材料を得ることを特徴としている。
【0014】
本発明に係る他の含カルコゲン縮環多環式有機材料は、前記課題を解決するために、下記式(9)
【0015】
【化4】
JP0004673843B2_000005t.gif
(式中、EはS又はSeを示し、Arは、ベンゼン、置換ベンゼン、ナフタレン、置換ナフタレン、アントラセン、置換アントラセン、チオフェン、置換チオフェン、フラン、置換フラン、ピロール、置換ピロール、セレノフェン、置換セレノフェン、ピリジン、置換ピリジン、チアゾール、置換チアゾール、ベンゾチオフェン、置換ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、置換ベンゾフラン、インドール、又は置換インドールの、一つの二重結合部位を介して縮環している基を示し、E=Sのとき、Ar=ベンゼンを除く)で示されるヘテロアセン化合物であることを特徴としている。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係る含カルコゲン縮環多環式有機材料は、以上のように、式(1)又は式(9)に示す構造を備えているので、優れた電荷輸送特性を示すと想定されるから、有機薄膜トランジスタ(TFT)や有機電界発光(EL)素子などの有機エレクトロニクス分野に好適であるという効果を奏する。
【0017】
本発明に係る含カルコゲン縮環多環式有機材料の製造方法は、以上のように、分子内三重環化反応により、優れた電荷輸送特性を示すと想定される含カルコゲン縮環多環式有機材料が得られるので、有機薄膜トランジスタ(TFT)や有機電界発光(EL)素子などの有機エレクトロニクス分野に好適な含カルコゲン縮環多環式有機材料の製造を簡便化・一般化できるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の実施の第一形態について説明すると以下の通りである。以下に、式(1)で示される化合物の合成方法について説明する。まず、下記の反応式(8)に示すように、式(7)で示されるジアセチレン類を原料として有機金属塩基を用いたハロゲン-メタル交換反応によりジメタル化した後、カルコゲン単体Eと反応させることにより、式(1)で示される化合物(含カルコゲン縮環多環式有機材料)を分子内三重環化反応によって合成することができる。
【0019】
【化5】
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【0020】
この際、用いる有機金属塩基としては、n-BuLi、s-BuLi、t-BuLiなどの有機リチウム試薬やアルキルグリニャール試薬などの有機マグネシウム試薬が使用できる。このうち、t-BuLiを用いてTHF中でメタル化を行うとき、最も収率がよい。また、用いるカルコゲン単体Eとして、Sなどの反応性の高いカルコゲン単体の他、カルコゲン単体Eとして、市販のS(硫黄)又はSe(セレン)の結晶(S又はSe)あるいはそれらの粉末などが使用できる。
【0021】
さらに、上記のカルコゲン単体Eは、ジアセチレン類が1モル量に対し、2モル量乃至10モル量、好ましくは4モル量乃至6モル量用いることが望ましい。上記原料としては、ハロゲン化された環状化合物基を少なくとも2つ有するジアセチレン類が好ましい。上記ハロゲン化は、上記環状化合物基の2位が望ましい。上記環状化合物基としては、特に限定されないが、ベンゼンに対応するフェニル基や、チオフェン由来の基が挙げられ、さらに置換基を有していてもよい。
【0022】
以下、本発明をさらに詳細に説明するために各実施例をそれぞれ示すが、本発明はこれら各実施例にて限定されるものではない。合成スキームと実際の操作、化合物の同定に関する結果を以下に示す。なお、上記及び以下に示す全ての反応は、アルゴンガスの雰囲気下で行った。
【0023】
(化合物2の合成)
【0024】
【化6】
JP0004673843B2_000007t.gif

【0025】
化合物1(2.3g、5.5mmol)のTHF(25mL)溶液に、t-BuLi(1.43Mヘプタン溶液、15.4mL、22mmol)を-78℃で5分間かけて加えた。反応混合物を90分間同温度で攪拌したのち、カルコゲン単体Eとしての硫黄(結晶、S)(705mg、22mmol)を固体のまま加えた。10分間攪拌後、室温まで昇温し、さらに10時間攪拌した。
【0026】
この反応混合物を減圧下濃縮した。得られた混合物に10%水酸化ナトリウム水溶液を加え、さらにジクロロメタンを加えて振とう抽出した。続いて、上記ジクロロメタンの有機層と水層とを分離し、分離した水層にフェリシアン化カリウム水溶液を加え、水層中に析出した赤色固体をジクロロメタンで抽出した。
【0027】
このジクロロメタンの有機層を水層と分離して蒸留水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、上記有機層から溶媒を留去することにより、目的の化合物2(1.07g、2.75mmol、収率49%)を赤色粉末として得た。化合物2の物性値を以下に示す。
【0028】
化合物2:C1812;red powder.H NMR(500MHz、CDCl)δ 7.69(d,2H,J=8.5Hz),7.21(d,2H,J=2.5Hz),7.04(dd,2H,J=8.5Hz,2.5Hz),3.92(s,6H).13C NMR(67.5MHz、CDCl)δ 158.32,138.02,135.30,130.65,123.40,120.09,116.40,104.93,55.64.
(化合物4の合成)
【0029】
【化7】
JP0004673843B2_000008t.gif

【0030】
化合物3(360mg、1.0mmol)のTHF(10mL)溶液に、t-BuLi(1.45Mヘプタン溶液、2.8mL、4.0mmol)を-78℃で5分間かけて加えた。30分間同温度で攪拌した後、カルコゲン単体Eとしてのセレン(粉末、Se)(474mg、6.0mmol)を固体のまま加えた。得られた反応混合物を10分間-78℃で攪拌した後、室温まで昇温し、さらに8時間攪拌した。
【0031】
この反応混合物に蒸留水を加え、ジクロロメタンで抽出した。得られた有機層を蒸留水で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去した。得られた紫赤色混合物をアルミナカラムクロマトグラフィー(展開溶媒:ジクロロメタン)で分離精製することにより目的の化合物4(262mg、0.51mmol、収率51%)を紫色固体として得た。化合物4の物性値を以下に示す。
【0032】
化合物4:C16Se;purple plates(ジクロロメタン-ヘキサンから再結晶).H NMR(500MHz、CDCl)δ 7.89-7.86(m,4H),7.49(m,2H),7.33(m,2H).13C NMR(67.5MHz、CDCl)δ 140.97,140.41,127.00,125.78,125.67,125.58,116.15.MS(EI):520(M).
(化合物6、7の合成)
【0033】
【化8】
JP0004673843B2_000009t.gif

【0034】
TMS(トリメチルシリル)基を有する化合物5(200mg、0.39mmol)のTHF(5mL)溶液に、t-BuLi(1.48Mヘプタン溶液、1.05mL、1.55mmol)を-78℃で5分間かけて滴下した。80分間同温度で攪拌した後、硫黄(結晶)(50mg、1.55mmol)を固体のまま加えた。1時間攪拌後、反応混合物を室温まで昇温し、さらに3.5時間攪拌した。
【0035】
この反応混合物に10%水酸化ナトリウム水溶液を加え、続いてフェリシアン化カリウムで処理した後、ジクロロメタンにより抽出した。得られた有機層を蒸留水で洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥した後、溶媒を減圧下留去した。得られた赤色混合物をアルミナを用いたショートカラム(展開溶媒:ジクロロメタン)に通し、さらにGPC(クロロホルム)を用いて分離精製することにより、目的の化合物6(78mg、0.16mmol、収率41%)を赤色固体として得た。化合物6の物性値を以下に示す。
【0036】
化合物6:C1820Si;red plates(クロロホルム-エタノールから再結晶).H NMR(500MHz、CDCl)δ 7.33(s,2H),0.39(s,18H).13C NMR(67.5MHz、CDCl)δ 145.38,143.20,136.86,132.80,125.54,115.79,-0.25.MS(EI):484(M).
【0037】
化合物7は、硫黄に代えてセレンを用いた以外、化合物6の合成と同様の手法により、収率56%で得られた。化合物7の物性値を以下に示す。
【0038】
化合物7:C1820SeSi;purple plates(クロロホルム-エタノールから再結晶).H NMR(500MHz、CDCl)δ 7.42(s,2H),0.37(s,18H).13C NMR(67.5MHz、CDCl)δ 147.43,144.62,142.03,137.35,129.52,128.85,-0.23.MS(EI):676(M).
(化合物9、10の合成)
【0039】
【化9】
JP0004673843B2_000010t.gif

【0040】
化合物8(1.42g、3.0mmol)のTHF(60mL)溶液に、t-BuLi(1.48Mヘプタン溶液、8.1mL、12.0mmol)を-78℃で5分間かけて加えた。反応混合物を100分間同温度で攪拌した後、硫黄(結晶)(385mg、12.0mmol)を固体のまま加えた。
【0041】
そして、同温度で60分間攪拌後、室温まで昇温し、さらに10時間攪拌した。得られた反応混合物に10%水酸化ナトリウム水溶液を加え、続いてフェリシアン化カリウムで処理した後、析出した固体をろ過により取り出した。得られた固体を蒸留水とエタノールを用いて洗浄し、減圧下、五酸化二リン上で乾燥した。得られた固体をo-ジクロロベンゼンで再結晶することで、目的の化合物9(900mg、2.04mmol、収率68%)を赤紫色粉末として得た。化合物9の物性値を以下に示す。
【0042】
化合物9:C20;red purple powder.H NMR(500MHz、CDCl/CS=1/9)δ 7.86-7.80(m,4H),7.47-7.38(m,4H).MS(EI):440(M).
【0043】
化合物10は、硫黄に代えてセレンを用いた以外、化合物9の合成と同様の手法により、収率24%で得られた。化合物10の物性値を以下に示す。
【0044】
化合物10:C20Se;purple powder.MS(EI):629(M).
【0045】
このように合成に成功した化合物のうち、化合物4に関してX線結晶構造解析を行った結果、ヘリングボーン構造のパッキング様式をとることがわかった。この構造は、高い電荷輸送特性の発現に有利な構造である。
【0046】
本発明の実施の第二形態に係るヘテロアセン化合物(含カルコゲン縮環多環式有機材料)について説明すると以下の通りである。以下に、式(9)で示される化合物の合成方法について説明する。まず、前記の式(1)で示される化合物を原料に用い、下記の反応式(13)に示すように、前記各非特許文献5及び9に記載の脱カルコゲン反応を行うことにより式(9)で示される化合物をヘテロアセン化合物として合成することができる。具体的には、式(1)で示される化合物を銅粉末、白金錯体(Pt(COD)、CODは1,5-シクロオクタジエンを示す)などの遷移金属共存下にて加熱する方法が挙げられる。
【0047】
【化10】
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【0048】
【化11】
JP0004673843B2_000012t.gif

【0049】
次に、本実施の第二形態の実施例を以下に示す。まず、アルゴン雰囲気下で化合物2(50mg、0.13mmol)を銅(ナノサイズ粉末)(32mg、0.50mmol、3.9mol.amt.)存在下、ヒートガン(約200℃)で15分間加熱した。放冷後、熱クロロホルムを加え、不溶分を濾過し、濾液を濃縮することで、目的とする化合物11(32mg、収率70%)を無色固体なヘテロアセン化合物として得た。得られた化合物11の物性値を以下に示す。
【0050】
化合物11:C1812;colorless powders;H NMR(270MHz、CDCl)δ 7.74(d,2H,J=8.9Hz),7.29(d,2H,J=2.6Hz),7.01(dd,2H,J=8.9Hz,2.6Hz),3.94(s,6H).
【0051】
本発明の含カルコゲン縮環多環式有機材料は、電荷輸送材料として使用可能な新規な化合物である。
【0052】
(前述の課題を解決するための手段)
本発明に係る含カルコゲン縮環多環式有機材料は、上記課題を解決するために、下記式(1)
【0053】
【化12】
JP0004673843B2_000013t.gif
(式中、EはS、又はSeを示し、Arは、ベンゼン、置換ベンゼン、ナフタレン、置換ナフタレン、アントラセン、置換アントラセン、チオフェン、置換チオフェン、フラン、置換フラン、ピロール、置換ピロール、セレノフェン、置換セレノフェン、ピリジン、置換ピリジン、チアゾール、置換チアゾール、ベンゾチオフェン、置換ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、置換ベンゾフラン、インドール、又は置換インドールの、一つの二重結合部位を介して縮環する基を示し、但し、E=Sのとき、Ar=ベンゼンを除く)で示される構造を有することを特徴としている。
【0054】
上記含カルコゲン縮環多環式有機材料は、下記式(2)
【0055】
【化13】
JP0004673843B2_000014t.gif
(式中、R、R、R、Rは、独立に、アリール基(aryl-)、置換アリール基、オリゴアリール基、置換オリゴアリール基、1価の複素環基、1価の置換複素環基、1価のオリゴ複素環基、1価の置換オリゴ複素環基、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アリル基(allyl-)、アミノ基、置換アミノ基、アゾ基、カルボキシル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ホルミル基、ニトロ基、シアノ基、シリル基、置換シリル基、スタンニル基、置換スタンニル基、ボリル基、置換ボリル基、ホスフィノ基、置換ホスフィノ基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、アリールスルフォニルオキシ基、アルキルスルフォニルオキシ基、又はハロゲン原子を示す)で示される構造を有するものであってもよい。
【0056】
上記含カルコゲン縮環多環式有機材料は、下記式(3)
【0057】
【化14】
JP0004673843B2_000015t.gif
(式中、R、R、R、R、R、R、R、Rは、独立に、アリール基、置換アリール基、オリゴアリール基、置換オリゴアリール基、1価の複素環基、1価の置換複素環基、1価のオリゴ複素環基、1価の置換オリゴ複素環基、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アリル基、アミノ基、置換アミノ基、アゾ基、カルボキシル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ホルミル基、ニトロ基、シアノ基、シリル基、置換シリル基、スタンニル基、置換スタンニル基、ボリル基、置換ボリル基、ホスフィノ基、置換ホスフィノ基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、アリールスルフォニルオキシ基、アルキルスルフォニルオキシ基、又はハロゲン原子を示し、但し、E=Sのとき、R=R=R=R=R=R=R=R水素原子である場合を除く)で示される構造を有するものであってもよい。
【0058】
上記含カルコゲン縮環多環式有機材料は、下記式(4)
【0059】
【化15】
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(式中、R、R、R、R、R、R、R、Rは、独立に、アリール基、置換アリール基、オリゴアリール基、置換オリゴアリール基、1価の複素環基、1価の置換複素環基、1価のオリゴ複素環基、1価の置換オリゴ複素環基、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アリル基、アミノ基、置換アミノ基、アゾ基、カルボキシル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ホルミル基、ニトロ基、シアノ基、シリル基、置換シリル基、スタンニル基、置換スタンニル基、ボリル基、置換ボリル基、ホスフィノ基、置換ホスフィノ基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、アリールスルフォニルオキシ基、アルキルスルフォニルオキシ基、またはハロゲン原子を示す)で示される構造を有するものであってもよい。
【0060】
本発明に係る、含カルコゲン縮環多環式有機材料の製造方法は、前記課題を解決するために、下記式(5)に示された、
【0061】
【化16】
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ジアセチレン類(式中、Xは、I、Br又はClを示す)に対し、分子内三重環化反応により前記の含カルコゲン縮環多環式有機材料を得ることを特徴としている。
【0062】
上記製造方法では、前記ジアセチレン類に対し、有機金属塩基を用いたハロゲン-メタル交換反応によりジメタル化した後、カルコゲン単体Eと反応させてもよい。
【0063】
本発明に係る他の含カルコゲン縮環多環式有機材料は、前記課題を解決するために、下記式(9)
【0064】
【化17】
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(式中、EはS又はSeを示し、Arは、ベンゼン、置換ベンゼン、ナフタレン、置換ナフタレン、アントラセン、置換アントラセン、チオフェン、置換チオフェン、フラン、置換フラン、ピロール、置換ピロール、セレノフェン、置換セレノフェン、ピリジン、置換ピリジン、チアゾール、置換チアゾール、ベンゾチオフェン、置換ベンゾチオフェン、ベンゾフラン、置換ベンゾフラン、インドール、又は置換インドールの、一つの二重結合部位を介して縮環している基を示し、E=Sのとき、Ar=ベンゼンを除く)で示されるヘテロアセン化合物であることを特徴としている。
【0065】
上記含カルコゲン縮環多環式有機材料においては、下記式(10)
【0066】
【化18】
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(式中、R、R、R、Rは、独立に、アリール基、置換アリール基、オリゴアリール基、置換オリゴアリール基、1価の複素環基、1価の置換複素環基、1価のオリゴ複素環基、1価の置換オリゴ複素環基、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アリル基、アミノ基、置換アミノ基、アゾ基、カルボキシル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ホルミル基、ニトロ基、シアノ基、シリル基、置換シリル基、スタンニル基、置換スタンニル基、ボリル基、置換ボリル基、ホスフィノ基、置換ホスフィノ基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、アリールスルフォニルオキシ基、アルキルスルフォニルオキシ基、又はハロゲン原子を示し、E=Sのとき、R=R=R=R=水素原子、またはR=メチル基、R=R=R=水素原子である場合を除く)で示される構造を有するヘテロアセン化合物であってもよい。
【0067】
上記含カルコゲン縮環多環式有機材料では、下記式(11)
【0068】
【化19】
JP0004673843B2_000020t.gif
(式中、R、R、R、R、R、R、R、Rは、独立に、アリール基、置換アリール基、オリゴアリール基、置換オリゴアリール基、1価の複素環基、1価の置換複素環基、1価のオリゴ複素環基、1価の置換オリゴ複素環基、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アリル基、アミノ基、置換アミノ基、アゾ基、カルボキシル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ホルミル基、ニトロ基、シアノ基、シリル基、置換シリル基、スタンニル基、置換スタンニル基、ボリル基、置換ボリル基、ホスフィノ基、置換ホスフィノ基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、アリールスルフォニルオキシ基、アルキルスルフォニルオキシ基、又はハロゲン原子を示し、E=Sのとき、R=R=R=R=R=R=R=R=水素原子である場合を除く)で示される構造を有するヘテロアセン化合物であってもよい。
【0069】
上記含カルコゲン縮環多環式有機材料においては、下記式(12)
【0070】
【化20】
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(式中、R、R、R、R、R、R、R、Rは、独立に、アリール基、置換アリール基、オリゴアリール基、置換オリゴアリール基、1価の複素環基、1価の置換複素環基、1価のオリゴ複素環基、1価の置換オリゴ複素環基、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アルケニル基、置換アルケニル基、アルキニル基、置換アルキニル基、アリル基、アミノ基、置換アミノ基、アゾ基、カルボキシル基、アシル基、アルコキシカルボニル基、ホルミル基、ニトロ基、シアノ基、シリル基、置換シリル基、スタンニル基、置換スタンニル基、ボリル基、置換ボリル基、ホスフィノ基、置換ホスフィノ基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、アリールスルフォニルオキシ基、アルキルスルフォニルオキシ基、又はハロゲン原子を示す)で示される構造を有するヘテロアセン化合物であってもよい。
【産業上の利用可能性】
【0071】
本発明に係る含カルコゲン縮環多環式有機材料は、優れた電荷輸送特性を発揮できるので、有機薄膜トランジスタや有機EL素子といった、薄型化や軽量化が可能な表示装置といった電子装置の用途に適用できる。
【0072】
本発明に係る含カルコゲン縮環多環式有機材料の製造方法は、優れた電荷輸送特性を発揮できる種々な含カルコゲン縮環多環式有機材料を、簡便に、かつ確実に得ることができる。