TOP > 国内特許検索 > 有機ビスマス化合物、その製造方法、リビングラジカル重合開始剤、それを用いるポリマーの製造方法及びポリマー > 明細書

明細書 :有機ビスマス化合物、その製造方法、リビングラジカル重合開始剤、それを用いるポリマーの製造方法及びポリマー

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4539878号 (P4539878)
登録日 平成22年7月2日(2010.7.2)
発行日 平成22年9月8日(2010.9.8)
発明の名称または考案の名称 有機ビスマス化合物、その製造方法、リビングラジカル重合開始剤、それを用いるポリマーの製造方法及びポリマー
国際特許分類 C07F   9/94        (2006.01)
C08F   4/42        (2006.01)
C08F   2/06        (2006.01)
C08F 297/00        (2006.01)
FI C07F 9/94 CSP
C08F 4/42
C08F 2/06
C08F 297/00
請求項の数または発明の数 37
全頁数 38
出願番号 特願2006-546793 (P2006-546793)
出願日 平成17年12月9日(2005.12.9)
国際出願番号 PCT/JP2005/023093
国際公開番号 WO2006/062255
国際公開日 平成18年6月15日(2006.6.15)
優先権出願番号 2004358238
2005255327
優先日 平成16年12月10日(2004.12.10)
平成17年9月2日(2005.9.2)
優先権主張国 日本国(JP)
日本国(JP)
審査請求日 平成19年1月5日(2007.1.5)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】000206901
【氏名又は名称】大塚化学株式会社
【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】山子 茂
【氏名】亀島 隆
【氏名】河野 和浩
【氏名】伊東 治
【氏名】大門 恵美子
【氏名】周 健
【氏名】菅生 久仁彦
個別代理人の代理人 【識別番号】100081536、【弁理士】、【氏名又は名称】田村 巌
審査官 【審査官】本堂 裕司
参考文献・文献 ASHE,A.J. et al,Preparation and properties of dibismuthines,Organometallics,1983年,Vol.2, No.12,p.1859-66
GRISHIN,D.F. et al,polymerization of vinyl monomers in the presence of organic compounds of bismuth, antimony, and arsenic,Vysokomolekulyarnye Soedineniya, Seriya A i Seriya B,1998年,Vol.40, No.8,p.1266-1270
調査した分野 C07F 9/94
C08F 2/06
C08F 4/42
C08F 297/00
CA/REGISTRY(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
式(1)で表される有機ビスマス化合物。
【化1】
JP0004539878B2_000027t.gif
(式中、R及びRは、C~Cのアルキル基、アリール基、置換アリール基又は芳香族ヘテロ環基を示す。R及びRは、水素原子又はC~Cのアルキル基を示す。Rは、アリール基、置換アリール基、芳香族ヘテロ環基、アシル基、アミド基、オキシカルボニル基又はシアノ基を示す。ただし、R及びRが共に水素原子の場合を除く。上記R、R及びRにおける置換アリール基の置換基はハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、-CORで示されるカルボニル含有基(R=C~Cのアルキル基、アリール基、C~Cのアルコキシ基、アリーロキシ基)、スルホニル基、トリフルオロメチル基から選ばれる。
【請求項2】
式(3)の化合物と、式(4)もしくは式(5)の化合物を反応させることを特徴とする式(1)で表される有機ビスマス化合物の製造方法。
【化2】
JP0004539878B2_000028t.gif
(式中、R及びRは、C~Cのアルキル基、アリール基、置換アリール基又は芳香族ヘテロ環基を示す。R及びRは、水素原子又はC~Cのアルキル基を示す。Rは、アリール基、置換アリール基、芳香族ヘテロ環基、アシル基、アミド基、オキシカルボニル基又はシアノ基を示す。ただし、R及びRが共に水素原子の場合を除く。上記R、R及びRにおける置換アリール基の置換基はハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、-CORで示されるカルボニル含有基(R=C~Cのアルキル基、アリール基、C~Cのアルコキシ基、アリーロキシ基)、スルホニル基、トリフルオロメチル基から選ばれる。)
【化3】
JP0004539878B2_000029t.gif
〔式中、R及びRは、上記と同じ。Zは、ハロゲン原子又はアルカリ金属を示す。〕
【化4】
JP0004539878B2_000030t.gif
〔式中、R、R及びRは、上記と同じ。Xは、ハロゲン原子を示す。〕
【化5】
JP0004539878B2_000031t.gif
〔式中、R、R及びRは、上記と同じ。〕
【請求項3】
式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤。
【化6】
JP0004539878B2_000032t.gif
(式中、R及びRは、C~Cのアルキル基、アリール基、置換アリール基又は芳香族ヘテロ環基を示す。R及びRは、水素原子又はC~Cのアルキル基を示す。Rは、アリール基、置換アリール基、芳香族ヘテロ環基、アシル基、アミド基、オキシカルボニル基又はシアノ基を示す。上記R、R及びRにおける置換アリール基の置換基はハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、-CORで示されるカルボニル含有基(R=C~Cのアルキル基、アリール基、C~Cのアルコキシ基、アリーロキシ基)、スルホニル基、トリフルオロメチル基から選ばれる。
【請求項4】
請求項3に記載の式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤を用いて、ビニルモノマーを重合することを特徴とするリビングラジカルポリマーの製造方法。
【請求項5】
請求項3に記載の式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤とアゾ系重合開始剤を用いて、ビニルモノマーを重合することを特徴とするリビングラジカルポリマーの製造方法。
【請求項6】
請求項3に記載の式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤を用いて、ビニルモノマーを重合して得られうるリビングラジカルポリマー。
【請求項7】
請求項3に記載の式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤とアゾ系重合開始剤を用いて、ビニルモノマーを重合して得られうるリビングラジカルポリマー。
【請求項8】
請求項3に記載の式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤とアゾ系重合開始剤の混合物。
【請求項9】
請求項3に記載の式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤を用いて、2種以上のビニルモノマーを重合することを特徴とするランダム共重合体の製造方法。
【請求項10】
請求項3に記載の式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤とアゾ系重合開始剤を用いて、2種以上のビニルモノマーを重合することを特徴とするランダム共重合体の製造方法。
【請求項11】
請求項3に記載の式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤を用いて、2種以上のビニルモノマーを重合して得られうるランダム共重合体。
【請求項12】
請求項3に記載の式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤とアゾ系重合開始剤を用いて、2種以上のビニルモノマーを重合して得られうるランダム共重合体。
【請求項13】
請求項3に記載の式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤を用いて、ビニルモノマーを重合して得られうるマクロリビングラジカル重合開始剤。
【請求項14】
請求項3に記載の式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤とアゾ系重合開始剤を用いて、ビニルモノマーを重合して得られうるマクロリビングラジカル重合開始剤。
【請求項15】
請求項13に記載のマクロリビングラジカル開始剤を用いてビニルモノマーを重合することを特徴とするブロック共重合体の製造方法。
【請求項16】
請求項14に記載のマクロリビングラジカル開始剤を用いてビニルモノマーを重合することを特徴とするブロック共重合体の製造方法。
【請求項17】
請求項13に記載のマクロリビングラジカル開始剤を用いてビニルモノマーを重合して得られうるブロック共重合体。
【請求項18】
請求項14に記載のマクロリビングラジカル開始剤を用いてビニルモノマーを重合して得られうるブロック共重合体。
【請求項19】
請求項3に記載の式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤および、ジテルリド化合物、ジスチビン化合物およびジビスムチン化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物の混合物を用いて、ビニルモノマーを重合することを特徴とするリビングラジカルポリマーの製造方法。
【請求項20】
請求項3に記載の式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤、アゾ系重合開始剤および、ジテルリド化合物、ジスチビン化合物およびジビスムチン化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物の混合物を用いて、ビニルモノマーを重合することを特徴とするリビングラジカルポリマーの製造方法。
【請求項21】
請求項3に記載の式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤および、ジテルリド化合物、ジスチビン化合物およびジビスムチン化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物の混合物を用いて、ビニルモノマーを重合して得られうるリビングラジカルポリマー。
【請求項22】
請求項3に記載の式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤、アゾ系重合開始剤および、ジテルリド化合物、ジスチビン化合物およびジビスムチン化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物の混合物を用いて、ビニルモノマーを重合して得られうるリビングラジカルポリマー。
【請求項23】
請求項3に記載の式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤および、ジテルリド化合物、ジスチビン化合物およびジビスムチン化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物の混合物。
【請求項24】
請求項3に記載の式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤、アゾ系重合開始剤および、ジテルリド化合物、ジスチビン化合物およびジビスムチン化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物の混合物。
【請求項25】
請求項3に記載の式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤および、ジテルリド化合物、ジスチビン化合物およびジビスムチン化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物の混合物を用いて、2種以上のビニルモノマーを重合することを特徴とするランダム共重合体の製造方法。
【請求項26】
請求項3に記載の式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤、アゾ系重合開始剤および、ジテルリド化合物、ジスチビン化合物およびジビスムチン化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物の混合物を用いて、2種以上のビニルモノマーを重合することを特徴とするランダム共重合体の製造方法。
【請求項27】
請求項3に記載の式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤および、ジテルリド化合物、ジスチビン化合物およびジビスムチン化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物の混合物を用いて、2種以上のビニルモノマーを重合して得られうるランダム共重合体。
【請求項28】
請求項3に記載の式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤、アゾ系重合開始剤および、ジテルリド化合物、ジスチビン化合物およびジビスムチン化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物の混合物を用いて、2種以上のビニルモノマーを重合して得られうるランダム共重合体。
【請求項29】
請求項3に記載の式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤および、ジテルリド化合物、ジスチビン化合物およびジビスムチン化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物の混合物を用いて、ビニルモノマーを重合して得られうるマクロリビングラジカル重合開始剤。
【請求項30】
請求項3に記載の式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤、アゾ系重合開始剤および、ジテルリド化合物、ジスチビン化合物およびジビスムチン化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物の混合物を用いて、ビニルモノマーを重合して得られうるマクロリビングラジカル重合開始剤。
【請求項31】
請求項29に記載のマクロリビングラジカル開始剤を用いてビニルモノマーを重合することを特徴とするブロック共重合体の製造方法。
【請求項32】
請求項30に記載のマクロリビングラジカル開始剤を用いてビニルモノマーを重合することを特徴とするブロック共重合体の製造方法。
【請求項33】
請求項29に記載のマクロリビングラジカル開始剤を用いてビニルモノマーを重合して得られうるブロック共重合体。
【請求項34】
請求項30に記載のマクロリビングラジカル開始剤を用いてビニルモノマーを重合して得られうるブロック共重合体。
【請求項35】
(a)請求項3に記載の式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤、
(b)請求項3に記載の式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤とアゾ系重合開始剤の混合物、
(c)請求項3に記載の式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤および、ジテルリド化合物、ジスチビン化合物およびジビスムチン化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物の混合物、又は
(d)請求項3に記載の式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤、アゾ系重合開始剤および、ジテルリド化合物、ジスチビン化合物およびジビスムチン化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物の混合物、これら(a)~(d)のいずれかを用いてビニルモノマーを重合することを特徴とする酸解離性基含有樹脂の製造方法。
【請求項36】
請求項35に記載の方法により得られうる酸解離性基含有樹脂。
【請求項37】
酸解離性基含有樹脂と、感放射線性酸発生剤とを含有する感放射線性樹脂組成物であって、前記酸解離性基含有樹脂は、
(a)請求項3に記載の式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤、
(b)請求項3に記載の式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤とアゾ系重合開始剤の混合物、
(c)請求項3に記載の式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤および、ジテルリド化合物、ジスチビン化合物およびジビスムチン化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物の混合物、又は
(d)請求項3に記載の式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤、アゾ系重合開始剤および、ジテルリド化合物、ジスチビン化合物およびジビスムチン化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物の混合物、これら(a)~(d)のいずれかを用いてビニルモノマーを重合して得られる樹脂であることを特徴とする感放射線性樹脂組成物。
発明の詳細な説明 【技術分野】

本発明は、有機ビスマス化合物及びその製造方法に関する。更に詳しくは、有機ビスマス系リビングラジカル重合開始剤、それを用いるリビングラジカルポリマーの製造方法並びにリビングラジカルポリマー、ランダム共重合体の製造方法並びにランダム共重合体、ブロック共重合体の製造方法並びにブロック共重合体、及びこれらマクロリビングラジカル重合開始剤並びにポリマーに関する。
また本発明のポリマーは半導体デバイスの製造に用いられるレジスト等に好適に使用することができる。
【背景技術】

リビングラジカル重合は、ラジカル重合の簡便性と汎用性を保ちつつ分子構造の精密制御を可能にする重合法で、新しい高分子材料の合成に大きな威力を発揮している。本発明者は、リビングラジカル重合の例として、有機テルル化合物を開始剤として用いたリビングラジカル重合を報告している(例えば、特許文献1参照)。
〔特許文献1〕 WO 2004/14848
この特許文献1の方法は分子量と分子量分布の制御を可能にしている。しかし、有機テルル化合物を使用した開始剤であり、本発明の有機ビスマス化合物については開示がない。また有機ビスマス化合物は有機テルル化合物に比しより安全性において優れている。
本発明の課題は、有機ビスマス化合物を用いてビニルモノマーを重合することにより、精密な分子量及び分子量分布(PD=Mw/Mn)の制御を可能とするリビングラジカルポリマーを製造する方法及び該ポリマーを提供することにある。
本発明の課題は、温和な条件下で、短時間且つ高収率で、精密な分子量及び分子量分布(PD=Mw/Mn)の制御を可能とするリビングラジカルポリマーを製造する方法及び該ポリマーを提供することにある。
【発明の開示】

本発明は、以下の発明に係る。
1.式(1)で表される有機ビスマス化合物。
JP0004539878B2_000002t.gif(式中、R及びRは、C~Cのアルキル基、アリール基、置換アリール基又は芳香族ヘテロ環基を示す。R及びRは、水素原子又はC~Cのアルキル基を示す。Rは、アリール基、置換アリール基、芳香族ヘテロ環基、アシル基、アミド基、オキシカルボニル基又はシアノ基を示す。)
2.式(3)の化合物と、式(4)もしくは式(5)の化合物を反応させることを特徴とする式(1)で表される有機ビスマス化合物の製造方法。
JP0004539878B2_000003t.gif〔式中、R及びRは、上記と同じ。Zは、ハロゲン原子又はアルカリ金属を示す。〕
JP0004539878B2_000004t.gif〔式中、R、R及びRは、上記と同じ。Xは、ハロゲン原子を示す。〕
JP0004539878B2_000005t.gif〔式中、R、R及びRは、上記と同じ。〕
3.式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤。
JP0004539878B2_000006t.gif(式中、R及びRは、C~Cのアルキル基、アリール基、置換アリール基又は芳香族ヘテロ環基を示す。R及びRは、水素原子又はC~Cのアルキル基を示す。Rは、アリール基、置換アリール基、芳香族ヘテロ環基、アシル基、アミド基、オキシカルボニル基又はシアノ基を示す。)
4.式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤を用いて、ビニルモノマーを重合することを特徴とするリビングラジカルポリマーの製造方法。
5.式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤とアゾ系重合開始剤を用いて、ビニルモノマーを重合することを特徴とするリビングラジカルポリマーの製造方法。
6.式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤、又はこれとアゾ系重合開始剤を用いて、2種以上のビニルモノマーを重合することを特徴とするランダム共重合体の製造方法。
7.式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤、又はこれとアゾ系重合開始剤を用いて、ビニルモノマーを重合して得られうるマクロリビングラジカル重合開始剤。
8.式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤、ジテルリド化合物、ジスチビン化合物およびジビスムチン化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物、および必要によりアゾ系重合開始剤を用いて、ビニルモノマーを重合することを特徴とするリビングラジカルポリマーの製造方法。
9.(a)式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤、
(b)式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤とアゾ系重合開始剤の混合物、
(c)式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤および、ジテルリド化合物、ジスチビン化合物およびジビスムチン化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物の混合物、又は
(d)式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤、アゾ系重合開始剤および、ジテルリド化合物、ジスチビン化合物およびジビスムチン化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物の混合物、これら(a)~(d)のいずれかを用いてビニルモノマーを重合することを特徴とする酸解離性基含有樹脂の製造方法。
10.上記酸解離性基含有樹脂と、感放射線性酸発生剤とを含有する感放射線性樹脂組成物。
本発明の有機ビスマス化合物は、式(1)で表される。
JP0004539878B2_000007t.gif〔式中、R及びRは、C~Cのアルキル基、アリール基、置換アリール基又は芳香族ヘテロ環基を示す。R及びRは、水素原子又はC~Cのアルキル基を示す。
は、アリール基、置換アリール基、芳香族ヘテロ環基、アシル基、アミド基、オキシカルボニル基又はシアノ基を示す。〕
及びRで示される基は、具体的には次の通りである。
~Cのアルキル基としては、メチル基、エチル基、n-プロピル基、イソプロピル基、シクロプロピル基、n-ブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、シクロブチル基、n-ペンチル基、n-ヘキシル基、n-ヘプチル基、n-オクチル基等の炭素数1~8の直鎖状、分岐鎖状又は環状のアルキル基を挙げることができる。
好ましいアルキル基としては、炭素数1~4の直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基が良い。
より好ましくは、メチル基、エチル基又はn-ブチル基が良い。
アリール基としては、フェニル基、ナフチル基等を挙げることができる。
好ましいアリール基としては、フェニル基が良い。
置換アリール基としては、置換基を有しているフェニル基、置換基を有しているナフチル基等を挙げることができる。
上記置換基を有しているアリール基の置換基としては、例えば、ハロゲン原子、水酸基、アルコキシ基、アミノ基、ニトロ基、シアノ基、-CORで示されるカルボニル含有基(R=C~Cのアルキル基、アリール基、C~Cのアルコキシ基、アリーロキシ基)、スルホニル基、トリフルオロメチル基等を挙げることができる。
好ましい置換アリール基としては、トリフルオロメチル置換フェニル基が良い。
また、これら置換基は、1個又は2個置換しているのが良く、パラ位若しくはオルト位が好ましい。
芳香族ヘテロ環基としては、ピリジル基、ピロール基、フリル基、チエニル基等を挙げることができる。
及びRで示される各基は、具体的には次の通りである。
~Cのアルキル基としては、上記Rで示したアルキル基と同様のものを挙げることができる。
で示される各基は、具体的には次の通りである。
アリール基、置換アリール基、芳香族ヘテロ環基としては上記Rで示した基と同様のものを挙げることができる。
アシル基としては、ホルミル基、アセチル基、ベンゾイル基等を挙げることができる。
アミド基としては、アセトアミド、マロンアミド、スクシンアミド、マレアミド、ベンズアミド、2-フルアミド等のカルボン酸アミド、チオアセトアミド、ヘキサンジチオアミド、チオベンズアミド、メタンチオスルホンアミド等のチオアミド、セレノアセトアミド、ヘキサンジセレノアミド、セレノベンズアミド、メタンセレノスルホンアミド等のセレノアミド、N-メチルアセトアミド、ベンズアニリド、シクロヘキサンカルボキサニリド、2,4’-ジクロロアセトアニリド等のN-置換アミド等を挙げることができる。
オキシカルボニル基としては、-COOR(R=H、C~Cのアルキル基、アリール基)で示される基を挙げることができる。
具体的には、カルボキシル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、n-ブトキシカルボニル基、sec-ブトキシカルボニル基、tert-ブトキシカルボニル基、n-ペントキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基等を挙げることができる。
好ましいオキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基が良い。
好ましいRで示される各基としては、アリール基、置換アリール基、オキシカルボニル基又はシアノ基が良い。
好ましいアリール基としては、フェニル基が良い。
好ましい置換アリール基としては、ハロゲン原子置換フェニル基、トリフルオロメチル置換フェニル基が良い。
また、これらの置換基は、ハロゲン原子の場合は、1~5個置換しているのが良い。
アルコキシ基やトリフルオロメチル基の場合は、1個又は2個置換しているのが良く、1個置換の場合は、パラ位若しくはオルト位が好ましく、2個置換の場合は、メタ位が好ましい。
好ましいオキシカルボニル基としては、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基が良い。
好ましい(1)で示される有機ビスマス化合物としては、R及びRが、C~Cのアルキル基を示し、R及びRが、水素原子又はC~Cのアルキル基を示し、Rが、アリール基、置換アリール基、オキシカルボニル基で示される化合物が良い。
特に好ましくは、R及びRが、C~Cのアルキル基を示し、R及びRが、水素原子又はC~Cのアルキル基を示し、Rが、フェニル基、置換フェニル基、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基が良い。
式(1)で示される有機ビスマス化合物は、具体的には次の通りである。
(ジメチルビスムタニル-メチル)ベンゼン、(ジメチルビスムタニル-メチル)ナフタレン、1-クロロ-4-(ジメチルビスムタニル-メチル)ベンゼン、1-ヒドロキシ-4-(ジメチルビスムタニル-メチル)ベンゼン、1-メトキシ-4-(ジメチルビスムタニル-メチル)ベンゼン、1-アミノ-4-(ジメチルビスムタニル-メチル)ベンゼン、1-ニトロ-4-(ジメチルビスムタニル-メチル)ベンゼン、1-シアノ-4-(ジメチルビスムタニル-メチル)ベンゼン、1-メチルカルボニル-4-(ジメチルビスムタニル-メチル)ベンゼン、1-フェニルカルボニル-4-(ジメチルビスムタニル-メチル)ベンゼン、1-メトキシカルボニル-4-(ジメチルビスムタニル-メチル)ベンゼン、1-フェノキシカルボニル-4-(ジメチルビスムタニル-メチル)ベンゼン、1-スルホニル-4-(ジメチルビスムタニル-メチル)ベンゼン、1-トリフルオロメチル-4-(ジメチルビスムタニル-メチル)ベンゼン、3,5-ビス-トリフルオロメチル-1-(ジメチルビスムタニル-メチル)ベンゼン、1,2,3,4,5-ペンタフルオロ-6-(ジメチルビスムタニル-メチル)ベンゼン、2-(ジメチルビスムタニル-メチル)ピリジン、1-(ジメチルビスムタニル-メチル)-1H-ピロール、2-(ジメチルビスムタニル-メチル)フラン、2-(ジメチルビスムタニル-メチル)チオフェン、(ジメチルビスムタニル)アセトアルデヒド、1-(ジメチルビスムタニル)プロパン-2-オン、2-(ジメチルビスムタニル)-1-フェニル-エタノン、(ジメチルビスムタニル)酢酸、メチル ジメチルビスムタニル-アセテート、エチル ジメチルビスムタニル-アセテート、n-プロピル ジメチルビスムタニル-アセテート、n-ブチル ジメチルビスムタニル-アセテート、フェニル ジメチルビスムタニル-アセテート、(ジメチルビスムタニル)アセトニトリル、(1-ジメチルビスムタニル-エチル)ベンゼン、(1-ジメチルビスムタニル-エチル)ナフタレン、
1-クロロ-4-(1-ジメチルビスムタニル-エチル)ベンゼン、1-ヒドロキシ-4-(1-ジメチルビスムタニル-エチル)ベンゼン、1-メトキシ-4-(1-ジメチルビスムタニル-エチル)ベンゼン、1-アミノ-4-(1-ジメチルビスムタニル-エチル)ベンゼン、1-ニトロ-4-(1-ジメチルビスムタニル-エチル)ベンゼン、1-シアノ-4-(1-ジメチルビスムタニル-エチル)ベンゼン、1-メチルカルボニル-4-(1-ジメチルビスムタニル-エチル)ベンゼン、1-フェニルカルボニル-4-(1-ジメチルビスムタニル-エチル)ベンゼン、1-メトキシカルボニル-4-(1-ジメチルビスムタニル-エチル)ベンゼン、1-フェノキシカルボニル-4-(1-ジメチルビスムタニル-エチル)ベンゼン、1-スルホニル-4-(1-ジメチルビスムタニル-エチル)ベンゼン、1-トリフルオロメチル-4-(1-ジメチルビスムタニル-エチル)ベンゼン、3,5-ビス-トリフルオロメチル-1-(1-ジメチルビスムタニル-エチル)ベンゼン、1,2,3,4,5-ペンタフルオロ-6-(1-ジメチルビスムタニル-エチル)ベンゼン、2-(1-ジメチルビスムタニル-エチル)ピリジン、1-(1-ジメチルビスムタニル-エチル)-1H-ピロール、2-(1-ジメチルビスムタニル-エチル)フラン、2-(1-ジメチルビスムタニル-エチル)チオフェン、2-ジメチルビスムタニル-プロピオンアルデヒド、3-ジメチルビスムタニル-ブタン-2-オン、2-ジメチルビスムタニル-1-フェニル-プロパン-1-オン、2-ジメチルビスムタニル-プロピオン酸、メチル 2-ジメチルビスムタニル-プロピオネート、エチル2-ジメチルビスムタニル-プロピオネート、n-プロピル 2-ジメチルビスムタニル-プロピオネート、n-ブチル 2-ジメチルビスムタニル-プロピオネート、フェニル 2-ジメチルビスムタニル-プロピオネート、2-ジメチルビスムタニル-プロピオニトリル、(2-ジメチルビスムタニル-プロピル)ベンゼン、(2-ジメチルビスムタニル-プロピル)ナフタレン、
1-クロロ-4-(1-ジメチルビスムタニル-1-メチル-エチル)ベンゼン、1-ヒドロキシ-4-(1-ジメチルビスムタニル-1-メチル-エチル)ベンゼン、1-メトキシ-4-(1-ジメチルビスムタニル-1-メチル-エチル)ベンゼン、1-アミノ-4-(1-ジメチルビスムタニル-1-メチル-エチル)ベンゼン、1-ニトロ-4-(1-ジメチルビスムタニル-1-メチル-エチル)ベンゼン、1-シアノ-4-(1-ジメチルビスムタニル-1-メチル-エチル)ベンゼン、1-メチルカルボニル-4-(1-ジメチルビスムタニル-1-メチル-エチル)ベンゼン、1-フェニルカルボニル-4-(1-ジメチルビスムタニル-1-メチル-エチル)ベンゼン、1-メトキシカルボニル-4-(1-ジメチルビスムタニル-1-メチル-エチル)ベンゼン、1-フェノキシカルボニル-4-(1-ジメチルビスムタニル-1-メチル-エチル)ベンゼン、1-スルホニル-4-(1-ジメチルビスムタニル-1-メチル-エチル)ベンゼン、1-トリフルオロメチル-4-(1-ジメチルビスムタニル-1-メチル-エチル)ベンゼン、3,5-ビス-トリフルオロメチル-1-(1-ジメチルビスムタニル-1-メチル-エチル)ベンゼン、1,2,3,4,5-ペンタフルオロ-6-(1-ジメチルビスムタニル-1-メチル-エチル)ベンゼン、2-(1-ジメチルビスムタニル-1-メチル-エチル)ピリジン、1-(1-ジメチルビスムタニル-1-メチル-エチル)-1H-ピロール、2-(1-ジメチルビスムタニル-1-メチル-エチル)フラン、2-(1-ジメチルビスムタニル-1-メチル-エチル)チオフェン、2-ジメチルビスムタニル-2-メチル-プロピオンアルデヒド、3-ジメチルビスムタニル-3-メチル-ブタン-2-オン、2-ジメチルビスムタニル-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、2-ジメチルビスムタニル-2-メチル-プロピオン酸、メチル 2-ジメチルビスムタニル-2-メチル-プロピオネート、エチル 2-ジメチルビスムタニル-2-メチル-プロピオネート、n-プロピル 2-ジメチルビスムタニル-2-メチル-プロピオネート、n-ブチル 2-ジメチルビスムタニル-2-メチル-プロピオネート、フェニル 2-ジメチルビスムタニル-2-メチル-プロピオネート、2-ジメチルビスムタニル-2-メチル-プロピオニトリル等を挙げることができる。
また上記において、ジメチルビスムタニルの部分がジエチルビスムタニル、ジ-n-プロピルビスムタニル、ジフェニルビスムタニルと変更した化合物も全て含まれる。
式(1)で示される有機ビスマス化合物は、式(3)の化合物と式(4)もしくは式(5)の化合物を反応させることにより製造することができる。
JP0004539878B2_000008t.gif〔式中、R及びRは、上記と同じ。Zは、ハロゲン原子又はアルカリ金属を示す。〕
JP0004539878B2_000009t.gif〔式中、R、R及びRは、上記と同じ。Xは、ハロゲン原子を示す。〕
JP0004539878B2_000010t.gif〔式中、R、R及びRは、上記と同じ。〕
上記、式(3)で表される化合物としては、具体的には次の通りである。
及びRで示される各基は、上記に示した通りである。
Zで示される基としては、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素等のハロゲン原子、ナトリウム、カリウム又はリチウム等のアルカリ金属を挙げることができる。好ましくは、塩素、臭素、ナトリウム、リチウムが良い。
式(3)の化合物は、例えば、Chem.Rev.1982年第82巻15頁に記載されているような、トリアルキルビスムタンとビスマストリハライドとの不均化反応により合成される。
具体的な化合物(3)としては、ジメチルビスムタニルブロマイド、ジエチルビスムタニルブロマイド、ジ-n-ブチルビスムタニルブロマイド、ジフェニルビスムタニルブロマイド、ジメチルビスムタニルナトリウム、ジエチルビスムタニルナトリウム、ジ-n-ブチルビスムタニルナトリウム、ジフェニルビスムタニルナトリウム等が挙げられる。また上記において、ブロマイドをクロライドやアイオダイドに、ナトリウムをカリウムやリチウムに変更した化合物も全て含まれる。
上記、式(4)で表される化合物としては、具体的には次の通りである。
、R及びRで示される各基は、上記に示した通りである。
Xで示される基としては、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素等のハロゲン原子を挙げることができる。好ましくは、塩素、臭素が良い。
ベンジルクロライド、ベンジルブロマイド、1-クロロメチルナフタレン、1-ブロモメチルナフタレン、p-クロロベンジルクロライド、p-ヒドロキシベンジルクロライド、p-メトキシベンジルクロライド、p-アミノベンジルクロライド、p-ニトロベンジルクロライド、p-シアノベンジルクロライド、p-メチルカルボニルベンジルクロライド、フェニルカルボニルベンジルクロライド、p-メトキシカルボニルベンジルクロライド、p-フェノキシカルボニルベンジルクロライド、p-スルホニルベンジルクロライド、p-トリフルオロメチルベンジルクロライド、3,5-ビス-トリフルオロメチルベンジルクロライド、1,2,3,4,5-ペンタフルオロメチルベンジルクロライド、2-(クロロメチル)ピリジン、2-(ブロモメチル)ピリジン、1-(クロロメチル)-1H-ピロール、1-(ブロモメチル)-1H-ピロール、2-(クロロメチル)フラン、2-(ブロモメチル)フラン、2-(クロロメチル)チオフェン、2-(ブロモメチル)チオフェン、クロロアセトアルデヒド、ブロモアセトアルデヒド、1-クロロ-プロパン-2-オン、1-ブロモ-プロパン-2-オン、2-クロロ-1-フェニル-エタノン、2-クロロ-1-フェニル-エタノン、
クロロ酢酸、ブロモ酢酸、2-クロロ酢酸メチル、2-ブロモ酢酸メチル、2-クロロ酢酸エチル、2-ブロモ酢酸エチル、2-クロロ酢酸-n-プロピル、2-ブロモ酢酸-n-プロピル、2-クロロ酢酸-n-ブチル、2-ブロモ酢酸-n-ブチル、2-クロロ酢酸フェニル、2-ブロモ酢酸フェニル、2-クロロアセトニトリル、2-ブロモアセトニトリル、(1-クロロエチル)ベンゼン、(1-ブロモエチル)ベンゼン、(1-クロロエチル)ナフタレン、(1-ブロモエチル)ナフタレン、1-クロロ-4-(1-クロロエチル)ベンゼン、1-ヒドロキシ-4-(1-クロロエチル)ベンゼン、1-メトキシ-4-(1-クロロエチル)ベンゼン、1-アミノ-4-(1-クロロエチル)ベンゼン、1-ニトロ-4-(1-クロロエチル)ベンゼン、1-シアノ-4-(1-クロロエチル)ベンゼン、1-メチルカルボニル-4-(1-クロロエチル)ベンゼン、1-フェニルカルボニル-4-(1-クロロエチル)ベンゼン、1-メトキシカルボニル-4-(1-クロロエチル)ベンゼン、1-フェノキシカルボニル-4-(1-クロロエチル)ベンゼン、1-スルホニル-4-(1-クロロエチル)ベンゼン、1-トリフルオロメチル-4-(1-クロロエチル)ベンゼン、3,5-ビス-トリフルオロメチル-1-(1-クロロエチル)ベンゼン、1,2,3,4,5-ペンタフルオロ-6-(1-クロロエチル)ベンゼン、2-(1-クロロエチル)ピリジン、2-(1-ブロモエチル)ピリジン、1-(1-クロロエチル)-1H-ピロール、1-(1-ブロモエチル)-1H-ピロール、2-(1-クロロエチル)フラン、2-(1-ブロモエチル)フラン、2-(1-クロロエチル)チオフェン、2-(1-ブロモエチル)チオフェン、2-クロロ-プロピオンアルデヒド、2-ブロモ-プロピオンアルデヒド、3-クロロ-ブタン-2-オン、3-ブロモ-ブタン-2-オン、2-クロロ-1-フェニル-プロパン-1-オン、2-ブロモ-1-フェニル-プロパン-1-オン、
2-クロロプロピオン酸、2-ブロモプロピオン酸、2-クロロプロピオン酸メチル、2-ブロモプロピオン酸メチル、2-クロロプロピオン酸エチル、2-ブロモプロピオン酸エチル、2-クロロプロピオン酸プロピル、2-ブロモプロピオン酸プロピル、2-クロロプロピオン酸-n-ブチル、2-ブロモプロピオン酸-n-ブチル、2-クロロプロピオニトリル、2-ブロモプロピオニトリル、(2-クロロプロピル)ベンゼン、(2-クロロプロピル)ベンゼン、(2-クロロプロピル)ナフタレン、(2-クロロプロピル)ナフタレン、1-クロロ-4-(2-クロロプロピル)ベンゼン、1-ヒドロキシ-4-(2-クロロプロピル)ベンゼン、1-メトキシ-4-(2-クロロプロピル)ベンゼン、1-アミノ-4-(2-クロロプロピル)ベンゼン、1-ニトロ-4-(2-クロロプロピル)ベンゼン、1-シアノ-4-(2-クロロプロピル)ベンゼン、1-メチルカルボニル-4-(2-クロロプロピル)ベンゼン、1-フェニルカルボニル-4-(2-クロロプロピル)ベンゼン、1-メトキシカルボニル-4-(2-クロロプロピル)ベンゼン、1-フェノキシカルボニル-4-(2-クロロプロピル)ベンゼン、1-スルホニル-4-(2-クロロプロピル)ベンゼン、1-トリフルオロメチル-4-(2-クロロプロピル)ベンゼン、3,5-ビス-トリフルオロメチル-1-(2-クロロプロピル)ベンゼン、1,2,3,4,5-ペンタフルオロ-6-(2-クロロプロピル)ベンゼン、2-(2-クロロプロピル)ピリジン、2-(2-ブロモプロピル)ピリジン、1-(2-クロロプロピル)-1H-ピロール、1-(2-ブロモプロピル)-1H-ピロール、2-(2-クロロプロピル)フラン、2-(2-ブロモプロピル)フラン、2-(2-クロロプロピル)チオフェン、2-(2-ブロモプロピル)チオフェン、2-クロロ-2-メチル-プロピオンアルデヒド、2-ブロモ-2-メチル-プロピオンアルデヒド、3-クロロ-3-メチル-ブタン-2-オン、3-ブロモ-3-メチル-ブタン-2-オン、2-クロロ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、2-ブロモ-2-メチル-1-フェニル-プロパン-1-オン、2-クロロ-2-メチル-プロピオン酸、2-ブロモ-2-メチル-プロピオン酸、メチル 2-クロロ-2-メチル-プロピオネート、メチル 2-ブロモ-2-メチル-プロピオネート、エチル 2-クロロ-2-メチル-プロピオネート、エチル 2-ブロモ-2-メチル-プロピオネート、n-プロピル 2-クロロ-2-メチル-プロピオネート、n-プロピル 2-ブロモ-2-メチル-プロピオネート、n-ブチル 2-クロロ-2-メチル-プロピオネート、n-ブチル 2-ブロモ-2-メチル-プロピオネート、フェニル 2-クロロ-2-メチル-プロピオネート、フェニル 2-ブロモ-2-メチル-プロピオネート、 2-クロロ-2-メチル-プロピオニトリル、2-ブロモ-2-メチル-プロピオニトリル等を挙げることができる。
上記、式(5)で表される化合物としては、具体的には次の通りである。
、R及びRで示される各基は、上記に示した通りである。
具体的な化合物としては、式(4)で表される化合物の、ハロゲン元素を水素原子に変えた化合物である。
式(1)で表される化合物の製造方法としては、具体的には次の通りである。
(A)式(3)で表される化合物と式(5)で表される化合物を使用する方法
式(5)で表される化合物を溶媒に溶解させる。使用できる溶媒としては、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジアルキルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタン等のエーテル類、トルエン、キシレン等の芳香族溶媒、ヘキサン等の脂肪族炭化水素等が挙げられる。好ましくは、THFが良い。溶媒の使用量としては適宜調節すればよいが、通常、化合物(5)1gに対して1~100ml、好ましくは、5~20mlが良い。
上記溶液に、リチウムジイソプロピルアミド(LDA)、リチウムヘキサメチルジシラジド、リチウム2,2,6,6-テトラメチルピペリジド等のリチウムアミド化合物、カリウムジイソプロピルアミド、カリウムヘキサメチルジシラジド、カリウム-2,2,6,6-テトラメチルピペリジド、カリウムアミド(KNH)等のカリウムアミド化合物、ナトリウムアミド等の化合物をゆっくり滴下しその後撹拌する。反応時間は、反応温度や圧力により異なるが、通常5分~24時間、好ましくは、10分~2時間が良い。反応温度としては、-150℃~80℃、好ましくは、-100℃~80℃、より好ましくは、-78℃~80℃、さらにより好ましくは、-78℃~20℃が良い。圧力は、通常、常圧で行うが、加圧或いは減圧しても構わない。次いで、この反応液に化合物(3)を加え、撹拌する。反応時間は、反応温度や圧力により異なるが、通常5分~24時間、好ましくは、10分~2時間が良い。反応温度としては、-78℃~80℃、好ましくは、-78~20℃より好ましくは、-50℃~20℃が良い。圧力は、通常、常圧で行うが、加圧或いは減圧しても構わない。
化合物(3)及び化合物(5)の使用割合としては、化合物(3)1molに対して、化合物(5)を0.5~1.5mol、好ましくは、化合物(5)を0.8~1.2molとするのが良い。
反応終了後、溶媒を濃縮し、目的化合物を単離精製する。精製方法としては、化合物により適宜選択できるが、通常、減圧蒸留や再結晶精製等が好ましい。
(B)式(3)で表される化合物と式(4)で表される化合物を使用する方法
式(3)で表される化合物を溶媒に懸濁させる。使用できる溶媒としては、液体アンモニア、液体アンモニア・テトラヒドロフランの混合溶媒、液体アンモニア・エーテルの混合溶媒、液体アンモニア・1,4-ジオキサンの混合溶媒等が挙げられる。溶媒の使用量としては適宜調節すればよいが、通常、化合物(3)1gに対して1~100ml、好ましくは、5~20mlが良い。
上記溶液に、金属マグネシウム、金属ナトリウム、金属カリウム、金属リチウム、臭化ナトリウム、臭化アンモニウム等を加えその後撹拌する。反応温度としては、-78℃~30℃、好ましくは、-78℃~0℃が良い。圧力は、通常、常圧で行うが、加圧或いは減圧しても構わない。
次いで、この反応液に化合物(4)を加え、撹拌する。反応時間は、反応温度や圧力により異なるが、通常5分~24時間、好ましくは、10分~2時間が良い。反応温度としては、-78℃~30℃、好ましくは、-78~0℃が良い。圧力は、通常、常圧で行うが、加圧或いは減圧しても構わない。
化合物(3)及び化合物(4)の使用割合としては、化合物(3)1molに対して、化合物(4)を0.5~1.5mol、好ましくは、化合物(4)を0.8~1.2molとするのが良い。反応終了後、溶媒を濃縮し、目的化合物を単離精製する。精製方法としては、化合物により適宜選択できるが、通常、減圧蒸留や再結晶精製等が好ましい。
本発明のリビングラジカル重合開始剤は、式(2)で表される。
JP0004539878B2_000011t.gif〔式中、R及びRは、C~Cのアルキル基、アリール基、置換アリール基又は芳香族ヘテロ環基を示す。R及びRは、水素原子又はC~Cのアルキル基を示す。Rは、アリール基、置換アリール基、芳香族ヘテロ環基、アシル基、アミド基、オキシカルボニル基又はシアノ基を示す。〕
からRで示される各基は、上記に示した通りである。
本発明で使用されるアゾ系重合開始剤は、通常のラジカル重合で使用するアゾ系重合開始剤であれば特に制限なく使用することができる。
例えば2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)(AMBN)、2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(ADVN)、1,1’-アゾビス(1-シクロヘキサンカルボニトリル)(ACHN)、ジメチル-2,2’-アゾビスイソブチレート(MAIB)、4,4’-アゾビス(4-シアノバレリアン酸)(ACVA)、1,1’-アゾビス(1-アセトキシ-1-フェニルエタン)、2,2’-アゾビス(2-メチルブチルアミド)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、2,2’-アゾビス(2-メチルアミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]、2,2’-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’-アゾビス(2,4,4-トリメチルペンタン)、2-シアノ-2-プロピルアゾホルムアミド、2,2’-アゾビス(N-ブチル-2-メチルプロピオンアミド)、2,2’-アゾビス(N-シクロヘキシル-2-メチルプロピオンアミド)等が挙げられる。
これらのアゾ開始剤は反応条件に応じて適宜選択するのが好ましい。例えば低温重合の場合は2,2’-アゾビス(2,4-ジメチルバレロニトリル)(ADVN)、2,2’-アゾビス(4-メトキシ-2,4-ジメチルバレロニトリル)、中温重合の場合は2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)(AIBN)、2,2’-アゾビス(2-メチルブチロニトリル)(AMBN)、ジメチル-2,2’-アゾビスイソブチレート(MAIB)、1,1’-アゾビス(1-アセトキシ-1-フェニルエタン)、高温重合の場合は1,1’-アゾビス(1-シクロヘキサンカルボニトリル)(ACHN)、2-シアノ-2-プロピルアゾホルムアミド、2,2’-アゾビス(N-ブチル-2-メチルプロピオンアミド)、2,2’-アゾビス(N-シクロヘキシル-2-メチルプロピオンアミド)、2,2’-アゾビス(2,4,4-トリメチルペンタン)を用いるのがよく、また水性溶剤を用いた反応では4,4’-アゾビス(4-シアノバレリアン酸)(ACVA)、2,2’-アゾビス(2-メチルブチルアミド)、2,2’-アゾビス(2-メチルアミジノプロパン)二塩酸塩、2,2’-アゾビス[2-(2-イミダゾリン-2-イル)プロパン]、2,2’-アゾビス[2-メチル-N-(2-ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]を用いるのがよい。
本発明で使用するビニルモノマーとしては、ラジカル重合可能なものであれば特に制限なく使用することができる。
例えば、下記のものを挙げることができる。
(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ラウリル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチル等の(メタ)アクリル酸エステル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸メチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニル、(メタ)アクリル酸シクロドデシル等のシクロアルキル基含有不飽和モノマー。
(メタ)アクリル酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロトン酸、無水マレイン酸等メチル等のカルボキシル基含有不飽和モノマー。
N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチルアミノエチル(メタ)アクリルアミド、2-(ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリレート、N,N-ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等の3級アミン含有不飽和モノマー。
N-2-ヒドロキシ-3-アクリロイルオキシプロピル-N,N,N-トリメチルアンモニウムクロライド、N-メタクリロイルアミノエチル-N,N,N-ジメチルベンジルアンモニウムクロライド等の4級アンモニウム塩基含有不飽和モノマー。
(メタ)アクリル酸グリシジル等のエポキシ基含有不飽和モノマー。
スチレン、α-メチルスチレン、4-メチルスチレン(p-メチルスチレン)、2-メチルスチレン(o-メチルスチレン)、3-メチルスチレン(m-メチルスチレン)、4-メトキシスチレン(p-メトキシスチレン)、p-tert-ブチルスチレン、p-n-ブチルスチレン、p-tert-ブトキシスチレン、2-ヒドロキシメチルスチレン、2-クロロスチレン(o-クロロスチレン)、4-クロロスチレン(p-クロロスチレン)、2,4-ジクロロスチレン、1-ビニルナフタレン、ジビニルベンゼン、p-スチレンスルホン酸又はそのアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)等の芳香族不飽和モノマー(スチレン系モノマー)。
2-ビニルチオフェン、N-メチル-2-ビニルピロール、1-ビニル-2-ピロリドン、2-ビニルピリジン、4-ビニルピリジン等のヘテロ環含有不飽和モノマー。
N-ビニルホルムアミド、N-ビニルアセトアミド等のビニルアミド。
(メタ)アクリルアミド、N-メチル(メタ)アクリルアミド、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジメチル(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド系モノマー。
1-ヘキセン、1-オクテン、1-デセン等のα-オレフィン。
ブタジエン、イソプレン、4-メチル-1,4-ヘキサジエン、7-メチル-1,6-オクタジエン等のジエン類。酢酸ビニル、安息香酸ビニル等のカルボン酸ビニルエステル。(メタ)アクリル酸ヒドロキシエチル。(メタ)アクリロニトリル。メチルビニルケトン。塩化ビニル。塩化ビニリデン。
この中でも好ましくは、(メタ)アクリル酸エステル、シクロアルキル基含有不飽和モノマー、芳香族不飽和モノマー(スチレン系モノマー)、(メタ)アクリルアミド系モノマー、(メタ)アクリロニトリル、メチルビニルケトンが良い。
好ましい(メタ)アクリル酸エステルモノマーとしては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸-2-ヒドロキシエチルが挙げられる。特に好ましくは、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸プロピル、メタアクリル酸ブチル、メタアクリル酸-2-ヒドロキシエチルが良い。
好ましいシクロアルキル基含有不飽和モノマーとしては、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボルニルが良い。特に好ましくは、メタアクリル酸シクロヘキシル、メタアクリル酸イソボルニルが良い。
好ましいスチレン系モノマーとしては、スチレン、α-メチルスチレン、o-メチルスチレン、p-メチルスチレン、p-メトキシスチレン、p-t-ブチルスチレン、p-n-ブチルスチレン、p-tert-ブチルスチレン、p-クロロスチレン、p-スチレンスルホン酸又はそのアルカリ金属塩(ナトリウム塩、カリウム塩等)が挙げられる。特に好ましくは、スチレン、p-クロロスチレンが良い。
好ましい(メタ)アクリルアミド系モノマーとしては、N-イソプロピル(メタ)アクリルアミドが挙げられる。特に好ましくは、N-イソプロピルメタアクリルアミドが良い。
尚、上記の「(メタ)アクリル酸」は、「アクリル酸」及び「メタクリル酸」の総称である。
また、式(6)で表されるビニルモノマーも挙げることができる。
JP0004539878B2_000012t.gif〔式中、Rは、水素、メチル基、トリフロロメチル基あるいはヒドロキシメチル基を示す。Rは、相互に独立に炭素数4~20の1価の脂環式炭化水素基もしくはその誘導体または炭素数1~4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基を表し、かつRの少なくとも1つが該脂環式炭化水素基もしくはその誘導体であるか、あるいは何れか2つのRが相互に結合して、それぞれが結合している炭素原子とともに炭素数4~20の2価の脂環式炭化水素基もしくはその誘導体を形成し、残りのRが炭素数1~4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基または炭素数4~20の1価の脂環式炭化水素基もしくはその誘導体を示す。〕
における、炭素数4~20の1価の脂環式炭化水素基もしくはその誘導体、または少なくとも1つが脂環式炭化水素基もしくはその誘導体であるか、あるいは何れか2つのR1が相互に結合して、それぞれが結合している炭素原子とともに炭素数4~20の2価の脂環式炭化水素基もしくはその誘導体としては、例えばビシクロ[2.2.1]ヘプタン、トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン、テトラシクロ[6.2.13,6.02,7]ドデカン、アダマンタン、シクロペンタン、シクロヘキサン等のシクロアルカン類等に由来する脂環族環からなる基;これら脂環族環からなる基を例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、2-メチルプロピル基、1-メチルプロピル基、tert-ブチル基等の炭素数1~4の直鎖状、分岐状または環状のアルキル基の1種以上あるいは1個以上で置換した基等が挙げられる。
また、Rの1価または2価の脂環式炭化水素基の誘導体としては、例えば、ヒドロキシル基;カルボキシル基;オキソ基(即ち、=O基);ヒドロキシメチル基、1-ヒドロキシエチル基、2-ヒドロキシエチル基、1-ヒドロキシプロピル基、2-ヒドロキシプロピル基、3-ヒドロキシプロピル基、2-ヒドロキシブチル基、3-ヒドロキシブチル基、4-ヒドロキシブチル基等の炭素数1~4のヒドロキシアルキル基;メトキシ基、エトキシ基、n-プロポキシ基、iso-プロポキシ基、n-ブトキシ基、2-メチルプロポキシ基、1-メチルプロポキシ基、tert-ブトキシ基等の炭素数1~4のアルコキシル基;シアノ基;シアノメチル基、2-シアノメチル基、3-シアノプロピル基、4-シアノブチル基等の炭素数2~5のシアノアルキル基等の置換基を1種以上あるいは1個以上有する基が挙げられる。これらの置換基のうち、ヒドロキシル基、カルボキシル基、ヒドロキシメチル基、シアノ基、シアノメチル基等が好ましい。
また、Rの炭素数1~4の直鎖状もしくは分岐状のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基、n-ブチル基、2-メチルプロピル基、1-メチルプロピル基、tert-ブチル基等が挙げられる。これらのアルキル基のうち、メチル基、エチル基、n-プロピル基、iso-プロピル基が好ましい。
式(6)中の-C(Rを形成する官能基側鎖として好ましいものを挙げると、
1-メチル-1-シクロペンチル基、1-エチル-1-シクロペンチル基、1-メチル-1-シクロヘキシル基、1-エチル-1-シクロヘキシル基、2-メチルアダマンタン-2-イル基、2-メチル-3-ヒドロキシアダマンタン-2-イル基、2-エチルチルアダマンタン-2-イル基、2-エチル-3-ヒドロキシアダマンタン-2-イル基、2-n-プロピルアダマンタン-2-イル基、2-n-プロピル-3-ヒドロキシアダマンタン-2-イル基、2-イソプロピルアダマンタン-2-イル基、2-イソプロピル-3-ヒドロキシアダマンタン-2-イル基、2-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル基、2-エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル基、8-メチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-8-イル基、8-エチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-8-イル基、4-メチル-テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ-4-イル基、4-エチル-テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ-4-イル基、1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1-メチルエチル基、1-(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-8-イル)-1-メチルエチル基、1-(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]デカ-4-イル)-1-メチルエチル基、1-(アダマンタン-1-イル)-1-メチルエチル基、1-(3-ヒドロキシアダマンタン-1-イル)-1-メチルエチル基、1,1-ジシクロヘキシルエチル基、1,1-ジ(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)エチル基、1,1-ジ(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-8-イル)エチル基、1,1-ジ(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ-4-イル)エチル基、1,1-ジ(アダマンタン-1-イル)エチル基等が挙げられる。
また、式(6)で表されるビニルモノマー中で、好適な例を以下に挙げる。
(メタ)アクリル酸-1-メチル-1-シクロペンチルエステル、(メタ)アクリル酸-1-エチル-1-シクロペンチルエステル、(メタ)アクリル酸-1-メチル-1-シクロヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸-1-エチル-1-シクロヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸-2-メチルアダマンタン-2-イルエステル、(メタ)アクリル酸-2-メチル-3-ヒドロキシアダマンタン-2-イルエステル、(メタ)アクリル酸-2-エチルアダマンタン-2-イルエステル、(メタ)アクリル酸-2-エチル-3-ヒドロキシアダマンタン-2-イルエステル、(メタ)アクリル酸-2-n-プロピル-アダマンタン-2-イルエステル、(メタ)アクリル酸-2-n-プロピル-3-ヒドロキシアダマンタン-2-イルエステル、(メタ)アクリル酸-2-イソプロピルアダマンタン-2-イルエステル、(メタ)アクリル酸-2-イソプロピル-3-ヒドロキシアダマンタン-2-イルエステル、(メタ)アクリル酸-2-メチルアダマンタン-2-イルエステル、(メタ)アクリル酸-2-メチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イルエステル、(メタ)アクリル酸-2-エチルビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イルエステル、(メタ)アクリル酸-8-メチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-8-イルエステル、(メタ)アクリル酸-8-エチルトリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-8-イルエステル、(メタ)アクリル酸-4-メチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ-4-イルエステル、(メタ)アクリル酸-4-エチルテトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ-4-イルエステル、(メタ)アクリル酸-1-(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)-1-メチルエステル、(メタ)アクリル酸-1-(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-8-イル)-1-メチルエステル、(メタ)アクリル酸-1-(テトラシクロ[6.2.1.13,6.02,7]ドデカ-4-イル)-1-メチルエチルエステル、(メタ)アクリル酸-1-(アダマンタン-1-イル)-1-メチルエチルエステル、(メタ)アクリル酸-1-(3-ヒドロキシアダマンタン-1-イル)-1-メチルエチルエステル、(メタ)アクリル酸-1,1-ジシクロヘキシルエチルエステル、(メタ)アクリル酸-1,1-ジ(ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル)エチルエステル、(メタ)アクリル酸-1,1-ジ(トリシクロ[5.2.1.02,6]デカ-8-イル)エチルエステル、(メタ)アクリル酸-1,1-ジ(テトラシクロ[6.2.1.13,62,7]ドデカ-4-イル)エチルエステル、(メタ)アクリル酸-1,1-ジ(アダマンタン-1-イル)エチルエステルが挙げられる。
上記式(6)で表されるビニルモノマー中で、特に好適な単量体としては、(メタ)アクリル酸-1-メチル-1-シクロペンチルエステル、(メタ)アクリル酸-1-エチル-1-シクロペンチルエステル、(メタ)アクリル酸-1-メチル-1-シクロヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸-1-エチル-1-シクロヘキシルエステル、(メタ)アクリル酸-2-メチルアダマンタン-2-イルエステル、(メタ)アクリル酸-2-エチルアダマンタン-2-イルエステル、(メタ)アクリル酸-2-n-プロピルアダマンタン-2-イルエステル、(メタ)アクリル酸-2-イソプロピルアダマンタン-2-イルエステル、(メタ)アクリル酸-1-(アダマンタン-1-イル)-1-メチルエチルエステルが挙げられる。
本発明のリビングラジカルポリマーの製造方法は、具体的には次の通りである。
不活性ガスで置換した容器で、ビニルモノマーと式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤、必要に応じて、アゾ系重合開始剤を混合する。次に、上記混合物を撹拌する。反応温度、反応時間は、適宜調節すればよいが、通常、20~150℃で、1分~100時間撹拌する。好ましくは、40~100℃で、0.1~30時間撹拌するのが良い。この時、圧力は、通常、常圧で行われるが、加圧或いは減圧しても構わない。この時、不活性ガスとしては、窒素、アルゴン、ヘリウム等を挙げることができる。好ましくは、アルゴン、窒素が良い。特に好ましくは、窒素が良い。
ビニルモノマーと式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤の使用量としては、得られるリビングラジカルポリマーの分子量或いは分子量分布により適宜調節すればよいが、通常、式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤1molに対して、ビニルモノマーを5~10,000mol、好ましくは50~5,000molとするのが良い。
式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤とアゾ系重合開始剤を併用する場合、その使用量としては、通常、式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤1molに対して、アゾ系重合開始剤0.01~100mol、好ましくは0.1~10mol、特に好ましくは0.1~5mol、ビニルモノマーを5~10,000mol、好ましくは50~5,000molとするのが良い。
反応は、通常、無溶媒で行うが、ラジカル重合で一般に使用される有機溶媒或いは水性溶媒を使用しても構わない。使用できる有機溶媒としては、例えば、ベンゼン、トルエン、N,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトン、2-ブタノン(メチルエチルケトン)、ジオキサン、ヘキサフルオロイソプロパオール、クロロホルム、四塩化炭素、テトラヒドロフラン(THF)、酢酸エチル、トリフルオロメチルベンゼン等が挙げられる。また、水性溶媒としては、例えば、水、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n-ブタノール、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、1-メトキシ-2-プロパノール、ジアセトンアルコール等が挙げられる。溶媒の使用量としては適宜調節すればよいが、例えば、ビニルモノマー1gに対して、溶媒を0.01~50ml、好ましくは、0.05~10mlが、特に好ましくは、0.1~1mlが良い。
次に、上記混合物を攪拌する。反応温度、反応時間は、得られるリビングラジカルポリマーの分子量或いは分子量分布により適宜調節すればよいが、通常、20~150℃で、1分~100時間撹拌する。好ましくは、40~100℃で、0.1~30時間撹拌するのが良い。更に好ましくは、40~80℃で、0.1~15時間撹拌するのが良い。このように低い重合温度及び短い重合時間であっても高い収率と精密なPDを得ることができるのが、本発明の特徴である。この時、圧力は、通常、常圧で行われるが、加圧或いは減圧しても構わない。
反応終了後、常法により使用溶媒や残存モノマーを減圧下除去して目的ポリマーを取り出したり、目的ポリマー不溶溶媒を使用して再沈澱処理により目的物を単離する。反応処理については、目的物に支障がなければどのような処理方法でも行う事ができる。
本発明ではエマルション重合法を用いることもできる。界面活性剤を使用し、主にミセル中で重合する。必要に応じてポリビニルアルコール類等の水溶性高分子などの分散剤を用いても良い。これらの界面活性剤は1種類、又は2種類以上で組み合わせて使用することができる。かかる界面活性剤の使用量は、全モノマー100重量部に対して、0.3~50重量部であることが好ましく、より好ましくは0.5~50重量部である。又、水の使用量は、全モノマー100重量部に対して、50~2000重量部であることが好ましく、より好ましくは70~1500重量部である。重合温度は特に限定されないが、0~100℃の範囲で行うことが好ましく、より好ましくは40~90℃である。反応時間は、反応温度または用いるモノマー組成物の組成、界面活性剤や重合開始剤の種類等に応じ、重合反応が完結するように適宜設定すればよい。好ましくは24時間以内である。
また、本発明では懸濁重合法を用いることができる。分散剤を使用し、主にミセルを介さないで重合する。必要に応じてこれらの分散剤と共に、塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸マンガン等の分散助剤を併用してもよい。かかる水分散安定剤の使用量は、全モノマー100重量部に対して、0.01~30重量部であることが好ましく、より好ましくは0.05~10重量部、特に好ましくは0.1~5重量部である。又、水の使用量は、全モノマー100重量部に対して、50~2000重量部であることが好ましく、より好ましくは70~1500重量部である。重合温度は特に限定されないが、0~100℃の範囲で行うことが好ましく、より好ましくは40~90℃である。反応時間は、反応温度または用いるモノマー組成物の組成、水分散安定剤や重合開始剤の種類等に応じ、重合反応が完結するように適宜設定すればよい。好ましくは24時間以内である。
さらに、本発明ではミニエマルション重合法を用いることができる。界面活性剤及び共界面活性剤を使用し、ホモジナイザーや超音波装置を用いてモノマーを強制分散した後、主にミセルを介さないで重合する。かかる界面活性剤や共界面活性剤の使用量は、全モノマーに対して、0.3~50重量部、特に好ましくは0.5~50部である。超音波照射時間は、0.1~10分、特に好ましくは0.2~5分である。
また、本発明では、式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤、必要に応じて、アゾ系重合開始剤の混合物に、さらにジテルリド化合物、ジスチビン化合物およびジビスムチン化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を混合し、ビニルモノマーを重合することができる。詳しくは、式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤および、ジテルリド化合物、ジスチビン化合物およびジビスムチン化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物の混合物により、ビニルモノマーを重合することによりリビングラジカルポリマーを製造する方法、式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤、アゾ系重合開始剤および、ジテルリド化合物、ジスチビン化合物およびジビスムチン化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物の混合物により、ビニルモノマーを重合することによりリビングラジカルポリマーを製造する方法が挙げられる。
本発明で使用されるジテルリド化合物は、公知のジテルリド化合物、一般的な製造方法等により製造されたものを使用することができる。製造方法としては、例えば、WO2004-014962、WO2004-096870に記載の製造方法を挙げることができる。
ジテルリド化合物としては、具体的には、ジメチルジテルリド、ジエチルジテルリド、ジ-n-プロピルジテルリド、ジイソプロピルジテルリド、ジシクロプロピルジテルリド、ジ-n-ブチルジテルリド、ジ-sec-ブチルジテルリド、ジ-tert-ブチルジテルリド、ジシクロブチルジテルリド、ジフェニルジテルリド、ビス-(p-メトキシフェニル)ジテルリド、ビス-(p-アミノフェニル)ジテルリド、ビス-(p-ニトロフェニル)ジテルリド、ビス-(p-シアノフェニル)ジテルリド、ビス-(p-スルホニルフェニル)ジテルリド、ジナフチルジテルリド、ジピリジルジテルリド等を挙げることができる。
本発明で使用されるジスチビン化合物は、公知のジスチビン化合物、一般的な製造方法等により製造されたものを使用することができる。製造方法としては、例えば、J.Organomet.Chem.1973年第51巻223頁; Organometallics.1982年第1巻1408頁; Organometallics.1983年第2巻1859頁に記載の製造方法を挙げることができる。
ジスチビン化合物としては、具体的には、テトラメチルジスチビン、テトラエチルジスチビン、テトライソプロピルジスチビン、テトラブチルジスチビン、テトラビニルジスチビン、テトライソプロペニルジスチビン、テトライソブテニルジスチビン、テトラフェニルジスチビン、テトラキス(トリメチルシリル)ジスチビン、1,1’-ビスチボラン、テトラメチルジスチボリル等を挙げることができる。
本発明で使用されるジビスムチン化合物は、公知のジビスムチン化合物、一般的な製造方法等により製造されたものを使用することができる。製造方法としては、例えば、Chem.Z.1977年第101巻399頁; J.Organomet.Chem.1980年第186巻C5頁に記載の製造方法を挙げることができる。
ジビスムチン化合物としては、具体的には、テトラメチルジビスムチン、テトラエチルジビスムチン、テトラプロピルジビスムチン、テトライソプロピルジビスムチン、テトラブチルジビスムチン、テトライソプロペニルジビスムチン、テトライソブテニルジビスムチン、テトラフェニルジビスムチン、テトラキス(トリメチルシリル)ジビスムチン、1,1,2,2-テトラキス(ビス(トリメチルシリル)メチル)ジビスムチン、1,1’-ビビスモラン等を挙げることができる。
式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤、必要に応じて、アゾ系重合開始剤の混合物に、さらにジテルリド化合物、ジスチビン化合物およびジビスムチン化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を混合し、ビニルモノマーを重合し、リビングラジカルポリマーを製造する場合、上記リビングラジカルポリマーの製造方法と同様に行うことができる。すなわち、不活性ガスで置換した容器で、ビニルモノマーと式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤、必要に応じて、アゾ系重合開始剤の混合物に、さらにジテルリド化合物、ジスチビン化合物およびジビスムチン化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を混合する以外は、上記リビングラジカルポリマーの製造方法と同様である。
式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤とジテルリド化合物、ジスチビン化合物およびジビスムチン化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物の使用量としては、通常、式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤1molに対して、ジテルリド化合物、ジスチビン化合物およびジビスムチン化合物から選ばれる少なくとも1種の化合物を0.1~100mol、好ましくは、0.1~10mol、特に好ましくは、0.1~5molとするのが良い。
本発明のリビングラジカル重合開始剤は、優れた分子量制御及び分子量分布制御を非常に温和な条件下で行うことができる。特に、アゾ系重合開始剤と併用した場合、反応時間に関しては、従来のリビングラジカル重合に比べて、短縮することができる。
本発明のリビングラジカルポリマーの製造方法では、ビニルモノマーを複数使用することができる。例えば、2種以上のビニルモノマーを同時に反応させるとランダム共重合体を得ることができる。該ランダム共重合体は、モノマーの種類に関係なく、反応させるモノマーの比率(モル比)通りのポリマーを得ることができる。ビニルモノマーAとビニルモノマーBを同時に反応させランダム共重合体を得るとほぼ原料比(モル比)通りのものを得ることができる。また、2種のビニルモノマーを順次反応させるとブロック共重合体を得ることができる。該ブロック共重合体は、モノマーの種類に関係なく、反応させるモノマーの順番によるポリマーを得ることができる。ビニルモノマーAとビニルモノマーBを用いてブロック共重合体を得る場合、反応させる順番によりA-Bのもの、B-Aのものを得ることができる。
本発明で得られるリビングラジカルポリマーの分子量は、反応時間及び有機ビスマス化合物の量により調整可能であるが、数平均分子量500~1,000,000のリビングラジカルポリマーを得ることができる。特に数平均分子量1,000~50,000のリビングラジカルポリマーを得るのに好適である。
本発明で得られるリビングラジカルポリマーの分子量分布(PD=Mw/Mn)は、1.04~1.50の間で制御される。更に、分子量分布1.05~1.50、1.05~1.30、更には1.10~1.20、特に1.09~1.20、1.09~1.17、1.09~1.12のより狭いリビングラジカルポリマーを得ることもできる。なかでも1.04~1.12のものが最も好ましい。
本発明で得られるリビングラジカルポリマーの成長末端は、反応性の高い有機ビスムタニル基であることが確認されている。従って、有機ビスマス化合物をリビングラジカル重合に用いることにより従来のリビングラジカル重合で得られるリビングラジカルポリマーよりも末端基を他の官能基へ変換することが容易である。これらにより、本発明で得られるリビングラジカルポリマーは、マクロリビングラジカル重合冊始剤(マクロイニシエーター)として用いることができる。
即ち、本発明のマクロリビングラジカル重合開始剤を用いて、例えばメタクリル酸メチル-スチレン等のA-Bジブロック共重合体、スチレン-メタクリル酸メチルのB-Aジブロック共重合体、メタクリル酸メチル-スチレン-メタクリル酸メチル等のA-B-Aトリブロック共重合体、メタクリル酸メチル-スチレン-アクリル酸ブチル等のA-B-Cトリブロック共重合体を得ることができる。これは、本発明の式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤、必要に応じて、アゾ系重合開始剤を使用することにより、種々の異なったタイプのビニル系モノマーをコントロールできること、また、リビングラジカル重合開始剤により得られるリビングラジカルポリマーの成長末端に反応性の高い有機ビスムタニル基が存在していることによるものである。
ブロック共重合体の製造方法としては、具体的には次の通りである。
A-Bジブロック共重合体の場合、例えば、メタクリル酸メチル-スチレン共重合体の場合は、上記のリビングラジカルポリマーの製造方法と同様に、まず、メタクリル酸メチルと式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤、必要に応じて、アゾ系重合開始剤並びにジテルリド化合物などを混合し、ポリメタクリル酸メチルを製造後、続いてスチレンを混合して、メタクリル酸メチル-スチレン共重合体を得る方法が挙げられる。
A-B-Aトリブロック共重合体やA-B-Cトリブロック共重合体の場合も、上記の方法でA-Bジブロック共重合体を製造した後、ビニルモノマー(A)或いはビニルモノマー(C)を混合し、A-B-Aトリブロック共重合体やA-B-Cトリブロック共重合体を得る方法が挙げられる。
本発明の上記ジブロック共重合体の製造においては、最初のモノマーの単独重合体の製造の時、及び引き続くジブロック共重合体の製造の時の一方又は両方において、式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤、必要に応じて、アゾ系重合開始剤並びにジテルリド化合物などを用いることができる。
また、本発明の上記トリブロック共重合体の製造においては、第1のモノマーの単独重合体の製造の時、その次のジブロック共重合体の製造の時、更に引き続くトリブロック共重合体の製造の時の少なくとも1回以上、式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤、必要に応じて、アゾ系重合開始剤並びにジテルリド化合物などを用いることができる。
上記で、各ブロックを製造後、そのまま次のブロックの反応を開始しても良いし、一度反応を終了後、精製してから次のブロックの反応を開始しても良い。ブロック共重合体の単離は通常の方法により行うことができる。例えば、使用溶媒や残存モノマーを減圧下除去して目的ポリマーを取り出したり、目的ポリマー不溶溶媒を使用して再沈澱処理により目的物を単離することができる。
本発明のリビングラジカル重合開始剤を用いてビニルモノマーを重合し、リビングラジカルポリマーの成長末端を除去することにより酸解離性基含有樹脂を製造することができる。この樹脂は、分子量及び分子量分布(PD=Mw/Mn)が精密に制御され、レジスト溶剤への溶解性に優れるため、今後更に微細化が進むと予想される半導体デバイスの製造に用いられるレジスト等に好適に使用することができる。
式(2)で表されるリビングラジカル重合開始剤を用いる場合、成長末端に金属原子が残存する。レジストとしての感度、解像度、プロセス安定性等のレジスト特性を向上させるため、この残存金属原子は、樹脂全体に対して25ppm以下であることが好ましい。
分子末端に残存する金属原子は重合体生成後、トリブチルスタナンやチオール化合物などの用いるラジカル還元方法や、さらに活性炭、シリカゲル、活性アルミナ、活性白土、モレキュラーシーブスおよび高分子吸着剤なで吸着する方法、イオン交換樹脂などで金属を吸着させる方法や、また、水洗や適切な溶媒を組み合わせることにより残金属化合物を除去する液々抽出法、特定の分子量以下のもののみを抽出除去する限外ろ過等の溶液状態での精製方法や、また、これらの方法を組み合わせることもできる。
本発明に係る酸解離性基含有樹脂の精製法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。金属等の不純物を除去する方法としては、ゼータ電位フィルターを用いて樹脂溶液中の金属を吸着させる方法や蓚酸やスルホン酸等の酸性水溶液で樹脂溶液を洗浄することで金属をキレート状態にして除去する方法等が挙げられる。また、残留単量体やオリゴマー成分を規定値以下に除去する方法としては、水洗や適切な溶媒を組み合わせることにより残留単量体やオリゴマー成分を除去する液々抽出法、特定の分子量以下のもののみを抽出除去する限外ろ過等の溶液状態での精製方法や、樹脂溶液を貧溶媒へ滴下することで樹脂を貧溶媒中に凝固させることにより残留単量体等を除去する再沈澱法やろ別した樹脂スラリーを貧溶媒で洗浄する等の固体状態での精製方法がある。また、これらの方法を組み合わせることもできる。
上記再沈澱法に用いられる貧溶媒としては、精製する樹脂の物性等に左右され一概には例示することはできない。適宜、貧溶媒は選定されるものである。
上記酸解離性基含有樹脂に、放射線の照射により酸を発生させる成分である感放射線性酸発生剤を組み合わせることにより感放射線性樹脂組成物が得られる。
この感放射線性樹脂組成物は、該酸解離性基含有樹脂を含むことにより、レジスト溶剤への溶解性に優れ、レジストとしての基本物性に優れ、今後さらに微細化が進むと予想される半導体デバイスの製造に極めて好適に使用することができる。
感放射線性酸発生剤として好ましいものとしては、トリフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムノナフルオロ-n-ブタンスルホネート、トリフェニルスルホニウムパーフルオロ-n-オクタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム-2-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル-1,1,2,2-テトラフルオロエタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム-2-(3-テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル)-1,1-ジフルオロエタンスルホネート、トリフェニルスルホニウム-N,N-ビス(ノナフルオロ-n-ブタンスルホニル)イミデート、トリフェニルスルホニウムカンファースルホネート、4-シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4-シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ-n-ブタンスルホネート、4-シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロ-n-オクタンスルホネート、4-シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウム-2-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル-1,1,2,2-テトラフルオロエタンスルホネート、4-シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウム-2-(3-テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル)-1,1-ジフルオロエタンスルホネート、4-シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウム-N,N-ビス(ノナフルオロ-n-ブタンスルホニル)イミデート、4-シクロヘキシルフェニルジフェニルスルホニウムカンファースルホネート、4-tert-ブチルフェニルジフェニルスルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、4-tert-ブチルフェニルジフェニルスルホニウムノナフルオロ-n-ブタンスルホネート、4-tert-ブチルフェニルジフェニルスルホニウムパーフルオロ-n-オクタンスルホネート、4-tert-ブチルフェニルジフェニルスルホニウム-2-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル-1,1,2,2-テトラフルオロエタンスルホネート、4-tert-ブチルフェニルジフェニルスルホニウム-2-(3-テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル)-1,1-ジフルオロエタンスルホネート、4-tert-ブチルフェニルジフェニルスルホニウム-N,N-ビス(ノナフルオロ-n-ブタンスルホニル)イミデート、4-tert-ブチルフェニルジフェニルスルホニウムカンファースルホネート、トリ(4-tert-ブチルフェニル)スルホニウムトリフルオロメタンスルホネート、トリ(4-tert-ブチルフェニル)スルホニウムノナフルオロ-n-ブタンスルホネート、トリ(4-tert-ブチルフェニル)スルホニウムパーフルオロ-n-オクタンスルホネート、トリ(4-tert-ブチルフェニル)スルホニウム-2-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル-1,1,2,2-テトラフルオロエタンスルホネート、トリ(4-tert-ブチルフェニル)スルホニウム-2-(3-テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル)-1,1-ジフルオロエタンスルホネート、トリ(4-tert-ブチルフェニル)スルホニウム-N,N-ビス(ノナフルオロ-n-ブタンスルホニル)イミデート、トリ(4-tert-ブチルフェニル)スルホニウムカンファースルホネート、
ジフェニルヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムノナフルオロ-n-ブタンスルホネート、ジフェニルヨードニウムパーフルオロ-n-オクタンスルホネート、ジフェニルヨードニウム-2-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル-1,1,2,2-テトラフルオロエタンスルホネート、ジフェニルヨードニウム-2-(3-テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル)-1,1-ジフルオロエタンスルホネート、ジフェニルヨードニウム-N,N-ビス(ノナフルオロ-n-ブタンスルホニル)イミデート、ジフェニルヨードニウムカンファースルホネート、ビス(4-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムトリフルオロメタンスルホネート、ビス(4-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムノナフルオロ-n-ブタンスルホネート、ビス(4-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムパーフルオロ-n-オクタンスルホネート、ビス(4-tert-ブチルフェニル)ヨードニウム-2-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル-1,1,2,2-テトラフルオロエタンスルホネート、ビス(4-tert-ブチルフェニル)ヨードニウム-2-(3-テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル)-1,1-ジフルオロエタンスルホネート、ビス(4-tert-ブチルフェニル)ヨードニウム-N,N-ビス(ノナフルオロ-n-ブタンスルホニル)イミデート、ビス(4-tert-ブチルフェニル)ヨードニウムカンファースルホネート、1-(4-n-ブトキシナフタレン-1-イル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1-(4-n-ブトキシナフタレン-1-イル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ-n-ブタンスルホネート、1-(4-n-ブトキシナフタレン-1-イル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ-n-オクタンスルホネート、1-(4-n-ブトキシナフタレン-1-イル)テトラヒドロチオフェニウム-2-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル-1,1,2,2-テトラフルオロエタンスルホネート、1-(4-n-ブトキシナフタレン-1-イル)テトラヒドロチオフェニウム2-(3-テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル)-1,1-ジフルオロエタンスルホネート、1-(4-n-ブトキシナフタレン-1-イル)テトラヒドロチオフェニウム-N,N-ビス(ノナフルオロ-n-ブタンスルホニル)イミデート、1-(4-n-ブトキシナフタレン-1-イル)テトラヒドロチオフェニウムカンファースルホネート、
1-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムトリフルオロメタンスルホネート、1-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムノナフルオロ-n-ブタンスルホネート、1-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムパーフルオロ-n-オクタンスルホネート、1-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウム-2-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル-1,1,2,2-テトラフルオロエタンスルホネート、1-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウム-2-(3-テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル)-1,1-ジフルオロエタンスルホネート、1-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウム-N,N-ビス(ノナフルオロ-n-ブタンスルホニル)イミデート、1-(3,5-ジメチル-4-ヒドロキシフェニル)テトラヒドロチオフェニウムカンファースルホネート、N-(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N-(ノナフルオロ-n-ブタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N-(パーフルオロ-n-オクタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N-(2-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル-1,1,2,2-テトラフルオロエタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N-(2-(3-テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル)-1,1-ジフルオロエタンスルホニルオキシ)スクシンイミド、N-(カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド、N-(トリフルオロメタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(ノナフルオロ-n-ブタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(パーフルオロ-n-オクタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(2-ビシクロ[2.2.1]ヘプト-2-イル-1,1,2,2-テトラフルオロエタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(2-(3-テトラシクロ[4.4.0.12,5.17,10]ドデカニル)-1,1-ジフルオロエタンスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド、N-(カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト-5-エン-2,3-ジカルボキシイミド等が挙げられる。
本発明において、感放射線性酸発生剤は、単独でまたは2種以上を混合して使用することができる。
感放射線性酸発生剤の使用量は、レジストとしての感度および現像性を確保する観点から、酸解離性基含有樹脂100重量部に対して、通常、0.1~20重量部、好ましくは0.1~7重量部である。この場合、感放射線性酸発生剤の使用量が0.1重量部未満では、感度および現像性が低下する傾向があり、一方20重量部をこえると、放射線に対する透明性が低下して、矩形のレジストパターンを得られ難くなる傾向がある。
【発明を実施するための最良の形態】

以下、本発明を実施例に基づいて具体的に説明するが何らこれらに限定されるものではない。また、実施例及び比較例において、各種物性測定は以下の方法で行った。
有機ビスマス化合物及びリビングラジカルポリマーの同定
有機ビスマス化合物は、H-NMR、13C-NMR及びMSの測定結果から同定した。また、リビングラジカルポリマーの分子量及び分子量分布は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)を用いて求めた。使用した測定機は以下の通りである。
H-NMR:Varian VXR-300S(300MHz)
13C-NMR:VarianVXR-300S(300MHz)
MS(GCMS):Hewlett Packard 5972
分子量及び分子量分布:
装置:ゲルパーミエーションクロマトグラフィー 日本Waters GPCV2000
カラム:TSKgel GMHXL;TSKgel G3000HXL
また、使用した化合物は以下の通りである。
ジ化合物(Di化合物):
ジメチルジテルリド(合成例4)
テトラメチルジスチビン(合成例7)
アゾ系重合開始剤:
2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)(大塚化学株式会社製、商品名:AIBN)
1,1’-アゾビス(1-シクロヘキサンカルボニトリル)(大塚化学株式会社製、商品名:ACHN)
2,2’-アゾビス-2,4-ジメチルバレロニトリル(大塚化学株式会社製、商品名:ADVN)
モノマー:
アダマンタン系モノマー MADM
JP0004539878B2_000013t.gifノルボルネン系モノマー NBLM
JP0004539878B2_000014t.gif合成例1
トリメチルビスムタンの合成
アルゴンガス雰囲気下、1.0Mメチルリチウム・ジエチルエーテル溶液 180mlに三臭化ビスマス 25gをTHF 40mlに溶解させた液を還流を保つように滴下した。その後1.5時間室温で撹拌した。常圧蒸留により溶媒を留去した後、減圧下蒸留を行った。得られた留出物を再度蒸留する事により無色油状物 8.1g(54.8%)を得た。
H-NMRにより目的物であることを確認した。
H-NMR(300MHz,CDCl)1.13(s,9H)
合成例2
ジメチルビスムタニルブロマイドの合成
アルゴンガス雰囲気下、合成例1で合成した トリメチルビスムタン 8.0g(31.5mmol)に三臭化ビスマス 7.2gをTHF 13mlに溶解させた液を滴下した。その後1.5時間室温で撹拌した。反応溶液を0.2μmのメンブランフィルターで濾過した後、減圧下THFを留去することにより淡黄色アモルファス 14.23g(94.5%)を得た。
H-NMRにより目的物であることを確認した。
H-NMR(300MHz,DMSO)1.52(s,6H)
合成例3
ジフェニルビスムタニルブロマイドの合成
窒素ガス雰囲気下、トリフェニルビスムチン(東京化成工業株式会社製) 22.014g(50mmol)をTHF 400mlに溶解した。0℃に冷却し、これにトリブロモビスムチン(Aldrich製) 11.231g(25mmol)をゆっくり加えた(30分間)。室温まで昇温しながら1時間撹拌すると、黄色沈殿が析出した。これを濾過し、減圧下で乾燥させた。得られた沈殿をベンゼンで再結晶して、黄色粉末 27.422g(62mmol:収率83%)を得た。
H-NMRにより目的物であることを確認した。
HNMR(400MHz)7.12(tt,J=1.2Hz,J=7.4Hz,Aromaticproton),7.33(tt,J=1.2Hz,J=7.6Hz,4H,Aromaticproton),8.02(ddd,J=0.8Hz,J=1.6Hz,J=6.4Hz,4H,Aromatic proton).
合成例4
ジメチルジテルリドの合成
金属テルル〔Aldrich製、商品名:Tellurium(-40mesh)〕 3.19g(25mmol)をTHF 25mlに懸濁させ、メチルリチウム(関東化学株式会社製、ジエチルエーテル溶液) 25ml(28.5mmol)を0℃でゆっくり加えた(10分間)。この反応溶液を金属テルルが完全に消失するまで撹拌した(10分間)。この反応溶液に、塩化アンモニウム溶液20mlを室温で加え、1時間撹拌した。有機層を分離し、水層をジエチルエーテルで3回抽出した。集めた有機層を芒硝で乾燥後、減圧濃縮し、黒紫色油状物2.69g(9.4mmol:収率75%)を得た。
MS(HRMS)、H-NMRによりジメチルジテルリドであることを確認した。
HRMS(EI)m/z:Calcd for CTe(M),289.8594;Found289.8593
H-NMR(300MHz,CDCl)2.67(s,6H)
合成例5
トリメチルスチバニルジブロマイドの合成
ジエチルエーテル 900mlにマグネシウム 37.7g(1.55mol)とヨウ化メチル 235.4g(1.65mol)を仕込み、ヨウ化メチルマグネシウム溶液を調製する。三塩化アンチモン 114g(0.5mol)をTHF 100mlに溶解した液を0℃で、ゆっくり滴下する(40分間)。その後1.5時間室温で撹拌した。副生した塩を濾別し溶媒を濃縮後、減圧下(20-30℃、200-300mmHg)で蒸留した。得られら液に撹拌しながら、臭素を加えた(臭素による着色が見られるまで)。得られた沈殿物を冷却したエーテルで数回洗浄後、室温で減圧乾燥することで白色固体 115.6g(収率71%)を得た。
H-NMR、13C-NMRにより目的物であることを確認した。
IR(KBr)3007,1792,1720,1394,874,669,569
H-NMR(400MHz,CDCl3)2.64(s,9H)
13C-NMR(100MHz,CDCl3);26.57
合成例6
ジメチルスチバニルブロマイドの合成
合成例5で合成した トリメチルスチバニルジブロマイド 16.3g(50mmol)を減圧下(50mmHg)で180℃に加熱する。その後蒸留することで、黄色油状物のジメチルスチバニルブロマイド 9.27g(収率90.0%)を得た。
IR(neat) 2995,2912,1400,1202,1020,843,768,517
H-NMR(400MHz,CDCl3)1.58(s,6H)
13C-NMR(100MHz,CDCl3)8.61
HRMS(EI)m/z:Calcd for C2H6BrSb(M)+,229.8691;Found 229.8663.
合成例7
テトラメチルジスチビンの合成
マグネシウム 465mg(19.4mmol)をTHF 25mlに懸濁させ、合成例6で合成した ジメチルスチバニルブロマイド 4.42g(19.0mmol)をTHF溶液を室温でゆっくり加えた。その後この反応液を70℃で、1時間攪拌した後、溶媒を減圧濃縮し、得られたオイル状物に、脱揮したヘキサン 20mlを加え、溶解した部分を集める。集めた溶液を減圧下で濃縮し、続いて減圧蒸留(室温、0.1mmHg)し、オイル状物 0.30g(1.9mmol:収率10%)を得た。
H-NMRによりテトラメチルジスチビンであることを確認した。
H-NMR(400MHz,CDCl)0.98(s)
【実施例】

実施例1
メチル 2-ジメチルビスムタニル-2-メチル-プロピオネートの合成
アルゴンガス雰囲気下、イソ酪酸メチル 2.86g(28mmol)をTHF 25mlに溶解、-78℃に冷却し、これにリチウムジイソプロピルアミド(Aldrich製、2.0Mヘプタン・THF・エチルベンゼン溶液) 14.0ml(28mmol)をゆっくり滴下した(10分間)。徐々に昇温させながら(1時間)、-40℃~-30℃の範囲で合成例2で合成した ジメチルビスムタニルブロマイド 8.9gをTHF 25mlに溶解させた液を滴下した。その後更に反応溶液の温度が0℃に達するまで撹拌した(1時間)。反応溶液中に析出した固体を石英綿にて濾過し、減圧下THFを留去した後、減圧下蒸留して、黄色油状物 4.45g(収率46.7%)を得た。b.p.59℃/2.0mmHg、MS(GCMS)、H-NMR、13C-NMRににより目的物であることを確認した。
H-NMR(300MHz,CDCl)1.08(s,6H,BiMe),1.78(s,6H,CMe),3.72(s,3H,COOMe)
13C-NMR(300MHz,CDCl)10.12(BiMe),24.13(Me×2),33.11(Bi-C,quaternaly carbon),50.72(OMe),178.34(C=O)
GCMS (EI)m/z:Calcd for C15Bi(M),340;Found 340
実施例2
2-メチル-2-(ジメチルビスムタニル)プロピオニトリルの合成
アルゴンガス雰囲気下、イソブチロニトリル 2.42g(35mmol)をTHF 20mlに溶解、-78℃に冷却し、これにリチウムジイソプロピルアミド(上記と同じ) 18ml(36mmol)をゆっくり滴下した(35分間)。徐々に昇温させながら(35分間)、-40℃~-30℃の範囲で、合成例2で合成した ジメチルビスムタニルブロマイド 11.2gをTHF 10mlに溶解させた液を滴下した(25分間)。その後更に反応溶液の温度が-10℃に達するまで撹拌した(2時間)。反応溶液中に析出した固体をセライトにて濾過し、減圧下THFを留去した後、トルエン抽出を行い、再度、濃縮後、減圧下蒸留して、白色固体 0.49g(収率4.6%)を得た。b.p.66℃/2.5mmHg、H-NMR、13C-NMRににより目的物であることを確認した。
H-NMR(300MHz,CDCl)1.29(s,6H,BiMe),1.79(s,6H,CMe
13C-NMR(300MHz,CDCl)11.66(BiMe),19.95(Bi-C,quaternaly carbon),25.92(Me×2),128.38(C≡N)
実施例3
2-メチル-2-(ジフェニルビスムタニル)プロピオニトリルの合成
窒素ガス雰囲気下、ジイソプロピルアミン(和光純薬工業株式会社製) 0.70ml(0.5mmol)をTHF 3mlに溶解した。-78℃に冷却し、これにノルマルブチルリチウム(Aldrich製、1.6Mヘキサン溶液) 3.23ml(5mmol)を滴下した。-78℃で10分間撹拌した後、0℃まで昇温し、リチウムジイソプロピルアミドを調製した。
窒素ガス雰囲気下、イソブチロニトリル(東京化成工業株式会社製) 0.45ml(5mmol)をTHF 5mlに溶解、-78℃に冷却した。これに先に調製したリチウムジイソプロピルアミドをゆっくり滴下した。-78℃で10分間撹拌した後、0℃まで昇温した。これに合成例3で合成した ジフェニルビスムタニルブロマイド 2.223g(5mmol)をTHF 5mlに溶解させた液を滴下した。
その後、室温まで昇温しながら1時間撹拌した。反応溶液に窒素ガスでバブリングした飽和食塩水を加えて洗浄し、無水硫酸マグネシウムを加えて乾燥させた。ガラスフィルターにて濾過し、減圧下THFを留去した後、ジエチルエーテルに溶解させて-30℃で再結晶させ、淡黄色針状結晶 0.593g(1.38mmol:収率28%)を得た。
H-NMR、13C-NMRににより目的物であることを確認した。
HNMR(400MHz,DMSO-d)1.86(s,6H,CH),7.38(tt,J=1.2Hz,J=7.4Hz,2H,Aromatic H),7.54(dt,J=1.2Hz,J=7.0Hz,4H,AromaticH),7.91(dd,J=1.2Hz,J=8.0Hz,AromaticH)
13CNMR(100MHz,DMSO-d)24.76(CH),27.43(Bi-C,quaternary carbon),127.81(CN),128.14(Aromatic carbon),130.45(Aromatic carbon),136.44(Aromatic carbon),164.84(Bi-C,Aromatic carbon)
実施例4
(ジメチルビスムタニル-メチル)ベンゼンの合成
アルゴンガス雰囲気下、1.0M ベンジルマグネシウムクロリド/ジエチルエーテル溶液 40ml(40mmol)を0℃に冷却し、これに合成例2で合成した ジメチルビスムタニルブロマイド 10.2g(32.1mmol)をTHF 20mlに溶解させた液を滴下した(45分間)。その後更に0℃で撹拌した(2時間)。反応液にヘキサンを添加し、上澄液を抽出し、濃縮後、減圧下蒸留して、黄色液体 3.5g(収率32.8%)を得た。b.p.67-76℃/0.7mmHg、H-NMRにより目的物であることを確認した。
H-NMR(300MHz,C)0.85(s,6H,BiMe),2.87(s,2H,CH),6.8(m,5H,C
実施例5~16
ポリスチレンの合成
窒素置換したグローブボックス内で、スチレン(シグマアルドリッチジャパン製)、実施例1で合成した メチル 2-ジメチルビスムタニル-2-メチル-プロピオネート(Bi開始剤)、Di化合物及びアゾ系重合開始剤を表1に記載の割合及び反応条件(時間、温度)で反応させた。反応終了後、テトラヒドロフラン 10mlに溶解した後、その溶液を攪拌しているメタノール 200ml中に注いだ。沈殿したポリマーを吸引ろ過、乾燥することによりポリスチレンを得た。
GPC分析(ポリスチレン標準サンプルの分子量を基準)による結果を表1に示した。
【表1】
JP0004539878B2_000015t.gif
実施例17~20
ポリアクリル酸n-ブチルの合成
窒素置換したグローブボックス内で、アクリル酸n-ブチル(シグマアルドリッチジャパン製)、実施例1で合成した メチル 2-ジメチルビスムタニル-2-メチル-プロピオネート(Bi開始剤)及び2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)(上記と同じ)を表2に記載の割合及び反応条件(時間、温度)で反応させた。反応終了後、テトラヒドロフラン 10mlに溶解した後、その溶液を攪拌しているメタノール 200ml中に注いだ。沈殿したポリマーを吸引ろ過、乾燥することによりポリアクリル酸n-ブチルを得た。
GPC分析(ポリメタクリル酸メチル標準サンプルの分子量を基準、実施例19のみポリスチレン標準)による結果を表2に示した。
【表2】
JP0004539878B2_000016t.gif
実施例21~41
ポリメタクリル酸メチルの合成
窒素置換したグローブボックス内で、メタクリル酸メチル(三菱ガス化学株式会社製)、実施例1で合成した メチル 2-ジメチルビスムタニル-2-メチル-プロピオネート(Bi開始剤)、Di化合物及びアゾ系重合開始剤を表3に記載の割合及び反応条件(時間、温度)で反応させた。反応終了後、テトラヒドロフラン 10mlに溶解した後、その溶液を攪拌しているメタノール 200ml中に注いだ。沈殿したポリマーを吸引ろ過、乾燥することによりポリメタクリル酸メチルを得た。
GPC分析(ポリメタクリル酸メチル標準サンプルの分子量を基準、実施例25および41はポリスチレン標準)による結果を表3に示した。
【表3】
JP0004539878B2_000017t.gif
実施例42~44
ポリ1-ビニル-2-ピロリドンの合成
窒素置換したグローブボックス内で、1-ビニル-2-ピロリドン(和光純薬工業株式会社製)、実施例1で合成したメチル 2-ジメチルビスムタニル-2-メチル-プロピオネート(Bi開始剤)及び2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)(上記と同じ)を表4に記載の割合及び反応条件(時間、温度)で反応させた。反応終了後、テトラヒドロフラン 10mlに溶解した後、その溶液を攪拌しているヘキサン 200ml中に注いだ。沈殿したポリマーを吸引ろ過、乾燥することによりポリ1-ビニル-2-ピロリドンを得た。
GPC分析(ポリメタクリル酸メチル標準サンプルの分子量を基準)による結果を表4に示した。
【表4】
JP0004539878B2_000018t.gif
実施例45~49
ポリN-イソプロピルアクリルアミドの合成
窒素置換したグローブボックス内で、N-イソプロピルアクリルアミド(和光純薬工業株式会社製)、実施例1で合成した メチル 2-ジメチルビスムタニル-2-メチル-プロピオネート(Bi開始剤)及び2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)(上記と同じ)を、表5に記載の割合及び反応条件(時間、温度)で反応させた。反応終了後、テトラヒドロフラン 10mlに溶解した後、その溶液を攪拌しているヘキサン 200ml中に注いだ。沈殿したポリマーを吸引ろ過、乾燥することによりポリN-イソプロピルアクリルアミドを得た。
GPC分析(ポリメタクリル酸メチル標準サンプルの分子量を基準)による結果を表5に示した。
【表5】
JP0004539878B2_000019t.gif
実施例50
ポリアクリロニトリルの合成
窒素置換したグローブボックス内で、アクリロニトリル(和光純薬工業株式会社製) 0.5g(10mmol)、実施例1で合成した メチル 2-ジメチルビスムタニル-2-メチル-プロピオネート(Bi開始剤) 34.0mg(0.10mmol)、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)(上記と同じ) 4.1mg(0.025mmol)及びDMF 1mlを、60℃で6時間反応させた。反応終了後、テトラヒドロフラン 10mlに溶解した後、その溶液を攪拌しているメタノール 200ml中に注いだ。沈殿したポリマーを吸引ろ過、乾燥することによりポリアクリロニトリル 0.52g(収率99%)を得た。
GPC分析(ポリメタクリル酸メチル標準サンプルの分子量を基準)により、分子量17,100、PD=1.18であった。
実施例51
ポリアクリル酸の合成
窒素置換したグローブボックス内で、アクリル酸(シグマアルドリッチジャパン製) 0.7g(10mmol)、実施例1で合成した メチル 2-ジメチルビスムタニル-2-メチル-プロピオネート(Bi開始剤) 34.0mg(0.1mmol)、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)(上記と同じ) 8.2mg(0.05mmol)及びテトラヒドロフラン 0.69mlを、60℃で5時間反応させた。反応終了後、NMR分析により、重合率は100%であった。重合後残存モノマー及び溶媒を除去し、ポリアクリル酸 0.66g(収率94.3%)を得た。
分子量分布の解析はカルボン酸を対応するメチルエステルに変換した後に行った。GPC分析(ポリスチレン標準サンプルの分子量を基準)により、分子量17,900、PD=1.42であった。
実施例52
ポリメタクリル酸の合成
窒素置換したグローブボックス内で、メタクリル酸(シグマアルドリッチジャパン製) 0.86g(10mmol)、実施例1で合成した メチル 2-ジメチルビスムタニル-2-メチル-プロピオネート(Bi開始剤) 34.0mg(0.10mmol)、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)(上記と同じ) 8.2mg(0.05mmol)及びトルエン 2.5mlを、60℃で20時間反応させた。反応終了後、重合後残存モノマー及び溶媒を除去し、ポリメタクリル酸を得た(収率99%)。
分子量分布の解析はカルボン酸を対応するメチルエステルに変換した後に行った。GPC分析(ポリメタクリル酸メチル標準サンプルの分子量を基準)により、分子量12,500、PD=1.15であった。
実施例53~54
ポリスチレンの合成
窒素置換したグローブボックス内で、スチレン(上記と同じ)及び実施例2で合成した 2-メチル-2-(ジメチルビスムタニル)プロピオニトリル(Bi開始剤)を表6に記載の割合及び反応条件(時間、温度)で反応させた。反応終了後、テトラヒドロフラン 10mlに溶解した後、その溶液を攪拌しているメタノール 200ml中に注いだ。沈殿したポリマーを吸引ろ過、乾燥することによりポリスチレンを得た。
GPC分析(ポリスチレン標準サンプルの分子量を基準)による結果を表6に示した。
【表6】
JP0004539878B2_000020t.gif
実施例55~56
ポリアクリル酸n-ブチルの合成
窒素置換したグローブボックス内で、アクリル酸n-ブチル(シグマアルドリッチジャパン製)、実施例2で合成した 2-メチル-2-(ジメチルビスムタニル)プロピオニトリル(Bi開始剤)及び2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)(上記と同じ)を表7に記載の割合及び反応条件(時間、温度)で反応させた。反応終了後、テトラヒドロフラン 10mlに溶解した後、その溶液を攪拌しているメタノール 200ml中に注いだ。沈殿したポリマーを吸引ろ過、乾燥することによりポリアクリル酸n-ブチルを得た。
GPC分析(ポリメタクリル酸メチル標準サンプルの分子量を基準)による結果を表7に示した。
【表7】
JP0004539878B2_000021t.gif
実施例57~58
ポリメタクリル酸メチルの合成
窒素置換したグローブボックス内で、メタクリル酸メチル(三菱ガス化学株式会社製)及び実施例2で合成した 2-メチル-2-(ジメチルビスムタニル)プロピオニトリル(Bi開始剤)を表8に記載の割合及び反応条件(時間、温度)で反応させた。反応終了後、テトラヒドロフラン 10mlに溶解した後、その溶液を攪拌しているメタノール 200ml中に注いだ。沈殿したポリマーを吸引ろ過、乾燥することによりポリメタクリル酸メチルを得た。
GPC分析(ポリメタクリル酸メチル標準サンプルの分子量を基準)による結果を表8に示した。
【表8】
JP0004539878B2_000022t.gif
実施例59
ポリ1-ビニル-2-ピロリドンの合成
窒素置換したグローブボックス内で、1-ビニル-2-ピロリドン(上記と同じ) 1.1g(10mmol)、実施例2で合成した 2-メチル-2-(ジメチルビスムタニル)プロピオニトリル(Bi開始剤) 31.0mg(0.10mmol)及び2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)(上記と同じ) 3.28mg(0.02mmol)を、60℃で1時間反応させた。反応終了後、テトラヒドロフラン 10mlに溶解した後、その溶液を攪拌しているヘキサン 200ml中に注いだ。沈殿したポリマーを吸引ろ過、乾燥することによりポリ1-ビニル-2-ピロリドンを得た(収率87%)。
GPC分析(ポリメタクリル酸メチル標準サンプルの分子量を基準)により、分子量6,300、PD=1.20であった。
実施例60
ポリN-イソプロピルアクリルアミドの合成
窒素置換したグローブボックス内で、N-イソプロピルアクリルアミド(上記と同じ) 1.10g(10mmol)、実施例2で合成した 2-メチル-2-(ジメチルビスムタニル)プロピオニトリル(Bi開始剤) 31.0mg(0.10mmol)、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)(上記と同じ) 3.28mg(0.02mmol)及びDMF 1mlを、60℃で2時間反応させた。反応終了後、テトラヒドロフラン 10mlに溶解した後、その溶液を攪拌しているヘキサン 200ml中に注いだ。沈殿したポリマーを吸引ろ過、乾燥することによりポリN-イソプロピルアクリルアミドを得た(収率100%)。
GPC分析(ポリメタクリル酸メチル標準サンプルの分子量を基準)により、分子量13,700、PD=1.13であった。
実施例61
ポリスチレンの合成
窒素置換したグローブボックス内で、スチレン(上記と同じ)及び実施例3で合成した 2-メチル-2-(ジフェニルビスムタニル)プロピオニトリル(Bi開始剤)を表9に記載の割合及び反応条件(時間、温度)で反応させた。反応終了後、テトラヒドロフラン 10mlに溶解した後、その溶液を攪拌しているメタノール 200ml中に注いだ。沈殿したポリマーを吸引ろ過、乾燥することによりポリスチレンを得た。
GPC分析(ポリスチレン標準サンプルの分子量を基準)による結果を表9に示した。
【表9】
JP0004539878B2_000023t.gif
実施例62~63
ポリアクリル酸n-ブチルの合成
窒素置換したグローブボックス内で、アクリル酸n-ブチル(シグマアルドリッチジャパン製)、実施例3で合成した 2-メチル-2-(ジフェニルビスムタニル)プロピオニトリル(Bi開始剤)及び2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)(上記と同じ)を表10に記載の割合及び反応条件(時間、温度)で反応させた。反応終了後、テトラヒドロフラン 10mlに溶解した後、その溶液を攪拌しているメタノール 200ml中に注いだ。沈殿したポリマーを吸引ろ過、乾燥することによりポリアクリル酸n-ブチルを得た。
GPC分析(ポリメタクリル酸メチル標準サンプルの分子量を基準)による結果を表10に示した。
【表10】
JP0004539878B2_000024t.gif
実施例64~65
ポリメタクリル酸メチルの合成
窒素置換したグローブボックス内で、メタクリル酸メチル(三菱ガス化学株式会社製)及び実施例3で合成した 2-メチル-2-(ジフェニルビスムタニル)プロピオニトリル(Bi開始剤)を表11に記載の割合及び反応条件(時間、温度)で反応させた。反応終了後、テトラヒドロフラン 10mlに溶解した後、その溶液を攪拌しているメタノール 200ml中に注いだ。沈殿したポリマーを吸引ろ過、乾燥することによりポリメタクリル酸メチルを得た。
GPC分析(ポリメタクリル酸メチル標準サンプルの分子量を基準)による結果を表11に示した。
【表11】
JP0004539878B2_000025t.gif
実施例66
ポリ1-ビニル-2-ピロリドンの合成
窒素置換したグローブボックス内で、1-ビニル-2-ピロリドン(上記と同じ) 1.1g(10mmol)、実施例3で合成した 2-メチル-2-(ジフェニルビスムタニル)プロピオニトリル(Bi開始剤) 43.0mg(0.10mmol)及び2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)(上記と同じ) 3.28mg(0.02mmol)を、60℃で2時間反応させた。反応終了後、テトラヒドロフラン 10mlに溶解した後、その溶液を攪拌しているヘキサン 200ml中に注いだ。沈殿したポリマーを吸引ろ過、乾燥することによりポリ1-ビニル-2-ピロリドンを得た(収率85%)。
GPC分析(ポリメタクリル酸メチル標準サンプルの分子量を基準)により、分子量9,800、PD=1.23であった。
実施例67
ポリN-イソプロピルアクリルアミドの合成
窒素置換したグローブボックス内で、N-イソプロピルアクリルアミド(上記と同じ) 1.10g(10mmol)、実施例3で合成した 2-メチル-2-(ジフェニルビスムタニル)プロピオニトリル(Bi開始剤) 43.0mg(0.10mmol)及び2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)(上記と同じ) 3.28mg(0.02mmol)を、100℃で3時間反応させた。反応終了後、テトラヒドロフラン 10mlに溶解した後、その溶液を攪拌しているヘキサン 200ml中に注いだ。沈殿したポリマーを吸引ろ過、乾燥することによりポリN-イソプロピルアクリルアミドを得た(収率90%)。
GPC分析(ポリメタクリル酸メチル標準サンプルの分子量を基準)により、分子量13,000、PD=1.31であった。
実施例68~75
ポリメタクリル酸メチルの合成
窒素置換したグローブボックス内で、メタクリル酸メチル(上記と同じ)、実施例4で合成した (ジメチルビスムタニル-メチル)ベンゼン(Bi開始剤)及びアゾ系重合開始剤を表12に記載の割合及び反応条件(時間、温度)で反応させた。反応終了後、テトラヒドロフラン 10mlに溶解した後、その溶液を攪拌しているメタノール 200ml中に注いだ。沈殿したポリマーを吸引ろ過、乾燥することによりポリメタクリル酸メチルを得た。
GPC分析(ポリスチレン標準サンプルの分子量を基準)による結果を表12に示した。
【表12】
JP0004539878B2_000026t.gif
実施例76
ポリメタクリル酸メチル-ポリスチレンランダムコポリマーの合成
窒素置換したグローブボックス内で、スチレン(上記と同じ) 1.0g(10mmol)、メタクリル酸メチル(上記と同じ) 1.0g(10mmol)及び実施例1で合成した メチル 2-ジメチルビスムタニル-2-メチル-プロピオネート(Bi開始剤) 7.0mg(0.02mmol)を、100℃で10時間撹拌した。反応終了後、テトラヒドロフラン 10mlに溶解した後、その溶液を攪拌しているメタノール 200ml中に注いだ。沈殿したポリマーを吸引ろ過、乾燥することによりポリ(スチレン-r-メタクリル酸メチル)のランダムコポリマー 1.43g(収率:71.6%)を得た。
GPC分析(ポリスチレン標準サンプルの分子量を基準)により、分子量115,400、PD=1.43であった。
実施例77
ポリN-イソプロピルアクリルアミド-ポリN-イソプロピルメタクリルアミドランダムコポリマーの合成
窒素置換したグローブボックス内で、N-イソプロピルアクリルアミド(上記と同じ) 0.57g(5mmol)、N-イソプロピルメタクリルアミド(和光純薬工業株式会社製) 0.64g(5mmol)、実施例1で合成した メチル2-ジメチルビスムタニル-2-メチル-プロピオネート(Bi開始剤) 34.0mg(0.10mmol)、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)(上記と同じ) 3.3mg(0.02mmol)及びDMF 1mlを、60℃で24時間撹拌した。反応終了後、テトラヒドロフラン 10mlに溶解した後、その溶液を攪拌しているメタノール 200ml中に注いだ。沈殿したポリマーを吸引ろ過、乾燥することによりポリ(N-イソプロピルアクリルアミド-r-N-イソプロピルメタクリルアミド)のランダムコポリマー 1.12g(収率:93%)を得た。
GPC分析(ポリスチレン標準サンプルの分子量を基準)により、分子量17,000、PD=1.37であった。
実施例78
ポリ(MADM-r-NBLM)の合成
窒素置換したグローブボックス内で、アダマンタン系モノマー MADM 351mg(1.5mmol)、ノルボルネン系モノマー NBLM 556mg(2.5mmol)、実施例4で合成した (ジメチルビスムタニル-メチル)ベンゼン 59.8mg(0.18mmol)、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)(上記と同じ) 3.0mg(0.02mmol)及びテトラヒドロフラン1.5mlを、60℃で22時間撹拌した。NMR分析により、重合率は96.7%であった。反応終了後、テトラヒドロフラン 10mlに溶解した後、その溶液を攪拌しているメタノール 200ml中に注いだ。沈殿したポリマーを吸引ろ過、乾燥することによりポリ(MADM-r-NBLM) 0.72g(収率:79.5%)を得た。
GPC分析(ポリスチレン標準サンプルの分子量を基準)により、分子量4,100、PD=1.38であった。
実施例79
ポリメタクリル酸メチル-ポリスチレンジブロックポリマーの合成
窒素置換したグローブボックス内で、メタクリル酸メチル(上記と同じ) 0.5g(5.0mmol)、実施例1で合成した メチル 2-ジメチルビスムタニル-2-メチル-プロピオネート(Bi開始剤) 8.5mg(0.025mmol)及び2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)(上記と同じ) 2.1mg(0.125mmol)を、60℃で18時間反応させた。NMR分析により、重合率は96%であった。またGPC分析(ポリスチレン標準サンプルの分子量を基準)により、分子量26,900、PD=1.18であった。
次に、上記で得られたポリメタクリル酸メチル(開始剤、マクロイニシエーターとして使用)にスチレン(上記と同じ) 2.0g(19.2mmol)を加え、100℃で30時間反応させた。NMR分析により、重合率は93.1%であった。反応終了後、テトラヒドロフラン 10mlに溶解した後、その溶液を撹拌しているメタノール 200ml中に注いだ。沈殿したポリマーを吸引ろ過、乾燥することによりポリメタクリル酸メチル-ポリスチレンジブロックポリマー 2.12g(収率85%)を得た。
GPC分析(ポリスチレン標準サンプルの分子量を基準)により、分子量204,300、PD=1.39であった。
実施例80
ポリスチレンマクロイニシエーターの合成
窒素置換したグローブボックス内で、スチレン(上記と同じ) 1.04g(10mmol)及び実施例1で合成した メチル 2-ジメチルビスムタニル-2-メチル-プロピオネート(Bi開始剤) 34.0mg(0.10mmol)を、100℃で6時間反応させた。反応終了後、クロロホルム 10mlに溶解した後、その溶液を攪拌しているメタノール 200ml中に注いだ。沈殿したポリマーを吸引ろ過、乾燥することによりポリスチレンマクロイニシエーターを得た(収率93%)。
GPC分析(ポリスチレン標準サンプルの分子量を基準)により、分子量10,900、PD=1.10であった。
実施例81
ポリ(スチレン-b-1-ビニル-2-ピロリドン)の合成
窒素置換したグローブボックス内で、1-ビニル-2-ピロリドン(上記と同じ) 48.4mg(0.44mmol)、実施例80で合成した ポリスチレンマクロイニシエーター 0.41mg(0.044mmol)、2,2’-アゾビス(イソブチロニトリル)(上記と同じ) 3.28mg(0.02mmol)及びDMF 1.5mlを、60℃で18時間反応させた。反応終了後、クロロホルム 5mlに溶解した後、その溶液を攪拌しているジエチルエーテル 300ml中に注いだ。沈殿したポリマーを吸引ろ過、乾燥することによりポリ(スチレン-b-1-ビニル-2-ピロリドン)のブロック共重合体を得た(収率93%)。
GPC分析(ポリスチレン標準サンプルの分子量を基準)により、分子量32,800、PD=1.28であった。
【産業上の利用可能性】

本発明によれば、温和な条件下で、精密な分子量及び分子量分布(PD=Mw/Mn)の制御を可能とする、リビングラジカル重合開始剤として有用な有機ビスマス化合物、その製造方法、それを用いるポリマーの製造方法及びポリマーを提供する。また、本発明の重合方法により得られるリビングラジカルポリマーは、末端基を他の官能基へ変換することが容易であり、更に、マクロモノマーの合成、架橋点としての利用、相容化剤、ブロックポリマーの原料等として用いることができる。また有機ビスマス化合物を用いる本発明の方法は安全性において優れている。
また本発明のポリマーは半導体デバイスの製造に用いられるレジスト等に好適に使用することができる。