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明細書 :フラーレン誘導体の製造方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4877800号 (P4877800)
公開番号 特開2008-201721 (P2008-201721A)
登録日 平成23年12月9日(2011.12.9)
発行日 平成24年2月15日(2012.2.15)
公開日 平成20年9月4日(2008.9.4)
発明の名称または考案の名称 フラーレン誘導体の製造方法
国際特許分類 C07C   2/70        (2006.01)
C07C  13/64        (2006.01)
C07C  25/18        (2006.01)
C07C  17/266       (2006.01)
C07B  61/00        (2006.01)
FI C07C 2/70
C07C 13/64
C07C 25/18
C07C 17/266
C07B 61/00 300
請求項の数または発明の数 10
全頁数 21
出願番号 特願2007-039836 (P2007-039836)
出願日 平成19年2月20日(2007.2.20)
審査請求日 平成20年7月29日(2008.7.29)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】中村 栄一
【氏名】松尾 豊
【氏名】岩下 暁彦
個別代理人の代理人 【識別番号】100092783、【弁理士】、【氏名又は名称】小林 浩
【識別番号】100095360、【弁理士】、【氏名又は名称】片山 英二
【識別番号】100114409、【弁理士】、【氏名又は名称】古橋 伸茂
【識別番号】100104282、【弁理士】、【氏名又は名称】鈴木 康仁
審査官 【審査官】野口 勝彦
参考文献・文献 特開平10-167994(JP,A)
特開2002-193861(JP,A)
Journal of the American Chemical Society,1991年,Vol.113,p.9387-9388
Angewandte Chemie International Edition,2007年,Vol.46,p.3513-3516
調査した分野 C07C 2/70
C07C 13/64
C07C 17/266
C07C 25/18
CA(STN)
REGISTRY(STN)
特許請求の範囲 【請求項1】
フラーレンC60に、少なくとも、ルイス酸(A)と、ベンゼンまたはその誘導体(B)と、水(D)またはアルコール(C)とを添加して、フラーレン誘導体を製造する、フラーレン誘導体の製造方法であって、
ルイス酸(A)が、下記式(6)
MX (6)
[式中、Mはアルミニウムまたはガリウムの金属原子を示し、XはCl、Br、I、水酸基またはアルコキシ基を示す。]
で表される化合物であり、
ベンゼンまたはその誘導体(B)が、下記式(5)
【化1】
JP0004877800B2_000017t.gif
[式中、R~R11は、それぞれ独立して水素原子、置換基を有してもよいC~C30炭化水素基、置換基を有してもよいC~C30アルコキシ基、置換基を有してもよいC~C30アリール基、置換基を有してもよいC~C30アリールオキシ基、置換基を有してもよいC~C30アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいC~C30アリロキシカルボニル基、置換基を有してもよいC~C30アルキルカルボニルオキシ基、置換基を有してもよいC~C30アリールカルボニルオキシ基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいシリル基、置換基を有してもよいアルキルチオ基(-SY、式中、Yは置換基を有してもよいC~C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールチオ基(-SY、式中、Yは置換基を有してもよいC~C18アリール基を示す。)、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基(-SO、式中、Yは置換基を有してもよいC~C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールスルホニル基(-SO、式中、Yは置換基を有してもよいC~C18アリール基を示す。)、または、ハロゲンである。]
で表される化合物であって、前記置換基がC~C10炭化水素基、C~C10アルコキシ基、C~C10アリールオキシ基、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子又はシリル基である化合物である、
フラーレン誘導体の製造方法
【請求項2】
フラーレン誘導体が下記式(1A)または(1B)
【化2】
JP0004877800B2_000018t.gif
[式中、R、R、Rは、それぞれ独立して置換基を有してもよいC~C50のアリール基を示す。]
で表されるフラーレン誘導体である、請求項1に記載のフラーレン誘導体の製造方法。
【請求項3】
フラーレン誘導体が下記式(2)
【化3】
JP0004877800B2_000019t.gif
[式中、RとRは、それぞれ独立して置換基を有してもよいC~C50のアリール基を示す。]
で表されるフラーレン誘導体である、請求項に記載のフラーレン誘導体の製造方法。
【請求項4】
フラーレン誘導体が下記式(3)
【化4】
JP0004877800B2_000020t.gif
[式中、Rは、置換基を有してもよいC~C50のアリール基を示す。]
で表されるフラーレン誘導体である、請求項に記載のフラーレン誘導体の製造方法。
【請求項5】
ルイス酸(A)1モルに対して、水(D)またはアルコール(C)を0.05~0.6モル添加する、請求項1~のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。
【請求項6】
さらに、溶媒として、ジクロロベンゼンを用いる、請求項1~のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。
【請求項7】
~Rが、それぞれ独立して下記式(4)
【化5】
JP0004877800B2_000021t.gif
[式中、R~R11は、それぞれ独立して水素原子、置換基を有してもよいC~C30炭化水素基、置換基を有してもよいC~C30アルコキシ基、置換基を有してもよいC~C30アリール基、置換基を有してもよいC~C30アリールオキシ基、置換基を有してもよいC~C30アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいC~C30アリロキシカルボニル基、置換基を有してもよいC~C30アルキルカルボニルオキシ基、置換基を有してもよいC~C30アリールカルボニルオキシ基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいシリル基、置換基を有してもよいアルキルチオ基(-SY、式中、Yは置換基を有してもよいC~C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールチオ基(-SY、式中、Yは置換基を有してもよいC~C18アリール基を示す。)、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基(-SO、式中、Yは置換基を有してもよいC~C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールスルホニル基(-SO、式中、Yは置換基を有してもよいC~C18アリール基を示す。)、または、ハロゲンである。]
で表される基であり、前記置換基がC~C10炭化水素基、C~C10アルコキシ基、C~C10アリールオキシ基、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子又はシリル基である、
請求項2~のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。
【請求項8】
とR10が、それぞれ独立して置換基を有してもよいC~C20のアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいC~C18のアリール基、または、ハロゲンであり、RとRとR11が水素原子であり、前記置換基がC~C10炭化水素基、C~C10アルコキシ基、C~C10アリールオキシ基、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子又はシリル基である、
請求項に記載のフラーレン誘導体の製造方法。
【請求項9】
ルイス酸(A)が、塩化アルミニウムである請求項1~のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。
【請求項10】
アルコール(C)がメチルアルコールである請求項1~のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、フラーレン誘導体の製造方法に関し、具体的には、フラーレンに、少なくとも、ルイス酸(A)とベンゼンまたはその誘導体(B)とを添加して、フラーレン誘導体を製造する、フラーレン誘導体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
炭素原子が球状またはラグビーボール状に配置して形成される炭素クラスター(以下、「フラーレン」という)の合成法が確立されて以来、フラーレンに関する研究が精力的に展開されている。その結果、数多くのフラーレン誘導体が合成されてきた。そして、フラーレン誘導体を用いた電子伝導材料、半導体、医薬や生理活性物質等の各種用途開発が進められている。
【0003】
このようなフラーレン誘導体の具体例として、フラーレン骨格に5個の有機基が結合したフラーレン誘導体(以下、単に、「5重付加フラーレン誘導体」ともいう)の合成方法について報告されている[例えば、特開平10-167994号公報(特許文献1)、特開平11-255509号公報(特許文献2)、J. Am. Chem. Soc., 118, 12850 (1996)(非特許文献1), Org. Lett., 2, 1919 (2000) (非特許文献2), Chem. Lett., 1098 (2000) (非特許文献3)]。
【0004】
具体的には、特開平10-167994号公報(特許文献1)には、5重付加フラーレン誘導体の製造方法として、フェニルグリニヤール試薬とCuBr-SMe2とから調製される有機銅試薬をフラーレンC60と反応させることにより、フラーレンC60の一つの5員環の廻りを取り囲むように5個のフェニル基が位置選択的に付加したフェニル化フラーレン誘導体(C60Ph5H)が定量的に得られることが記載されている。
【0005】
しかしながら、フェニルグリニヤール試薬とCuBr-SMe2とから調製される有機銅試薬をフラーレンC60と反応させるフラーレン誘導体の製造方法は、フラーレンの5重付加体、6重付加体、7重付加体、10重付加体などの製造においては目的物の収率が比較的高いが、モノ付加体、2重付加体、3重付加体などフラーレンに付加する置換基が少ない誘導体を合成する場合には、目的物の収率が低いため、この方法を用いることは困難であった。
【0006】
上記方法の他に、フラーレンに有機基を付加させる方法の一つとして、三塩化アルミニウム存在下で、フラーレンとトルエンを反応させる方法が提案されている(G.A.Olah, et al., J. Am. Chem. Soc., 113, 9387-9388 (1991)(非特許文献4), Olah, G. A.; Bucsi, I.; Ha, D.S.; Aniszfeld, R.; Lee, C. S.; Prakash, G.K.S Fullerene Science and Technology 1997, 5,389(非特許文献5))。この方法は、三塩化アルミニウムで代表されるルイス酸を用いたFriedel-Crafts型反応として知られているが、アルキルが付加されたフラーレン誘導体が多岐にわたり、目的物の収率が低いという問題があった。

【特許文献1】特開平10-167994号公報
【特許文献2】特開平11-255509号公報
【非特許文献1】J. Am. Chem. Soc., 118, 12850 (1996)
【非特許文献2】Org. Lett., 2, 1919 (2000)
【非特許文献3】Chem. Lett., 1098 (2000)
【非特許文献4】G.A.Olah, et al., J. Am. Chem. Soc., 113, 9387-9388 (1991)
【非特許文献5】Olah, G. A.; Bucsi, I.; Ha, D.S.; Aniszfeld, R.; Lee, C. S.; Prakash, G.K.S Fullerene Science and Technology, 5,389(1997)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の状況の下、例えば、フラーレン骨格に特定の種類の有機基を特定の数だけフラーレンに付加できるフラーレン誘導体の製造方法が求められている。
また、低コストで、目的のフラーレン誘導体を収率良く選択的に製造するフラーレン誘導体の製造方法が求められている。具体的には、例えば、モノ付加体、2重付加体、3重付加体等の付加された置換基が少ないフラーレン誘導体を高い収率で製造する方法が求められている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明者等は、フラーレンに、少なくとも、ルイス酸(A)と、ベンゼンまたはその誘導体(B)と、水(D)またはアルコール(C)とを添加して、フラーレン誘導体を製造する、フラーレン誘導体の製造方法を見出し、この知見に基づいて本発明を完成した。本発明は以下のようなフラーレン誘導体の製造方法を提供する。
【0009】
[1] フラーレンに、少なくとも、ルイス酸(A)と、ベンゼンまたはその誘導体(B)と、水(D)またはアルコール(C)とを添加して、フラーレン誘導体を製造する、フラーレン誘導体の製造方法。
[2] フラーレンC60に、少なくとも、ルイス酸(A)と、ベンゼンまたはその誘導体(B)と、水(D)またはアルコール(C)とを添加して、フラーレン誘導体を製造する、フラーレン誘導体の製造方法。
[3] フラーレン誘導体が下記式(1A)または(1B)
【化6】
JP0004877800B2_000002t.gif
[式中、R1、R2、R3は、それぞれ独立して置換基を有してもよいC6~C50のアリール基を示す。]
で表されるフラーレン誘導体である、[2]に記載のフラーレン誘導体の製造方法。
[4] フラーレン誘導体が下記式(2)
【化7】
JP0004877800B2_000003t.gif
[式中、R4とR5は、それぞれ独立して置換基を有してもよいC6~C50のアリール基を示す。]
で表されるフラーレン誘導体である、[2]に記載のフラーレン誘導体の製造方法。
[5] フラーレン誘導体が下記式(3)
【化8】
JP0004877800B2_000004t.gif
[式中、R6は、置換基を有してもよいC6~C50のアリール基を示す。]
で表されるフラーレン誘導体である、[2]に記載のフラーレン誘導体の製造方法。
[6] ルイス酸(A)1モルに対して、水(D)またはアルコール(C)を0.05~0.6モル添加する、[1]~[5]のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。
[7] さらに、溶媒として、ジクロロベンゼンを用いる、[1]~[6]のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。
[8] R1~R6が、それぞれ独立して下記式(4)
【化9】
JP0004877800B2_000005t.gif
[式中、R7~R11は、それぞれ独立して水素原子、置換基を有してもよいC1~C30炭化水素基、置換基を有してもよいC1~C30アルコキシ基、置換基を有してもよいC6~C30アリール基、置換基を有してもよいC6~C30アリールオキシ基、置換基を有してもよいC2~C30アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいC7~C30アリロキシカルボニル基、置換基を有してもよいC2~C30アルキルカルボニルオキシ基、置換基を有してもよいC7~C30アリールカルボニルオキシ基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいシリル基、置換基を有してもよいアルキルチオ基(-SY1、式中、Y1は置換基を有してもよいC1~C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールチオ基(-SY2、式中、Y2は置換基を有してもよいC6~C18アリール基を示す。)、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基(-SO23、式中、Y3は置換基を有してもよいC1~C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールスルホニル基(-SO24、式中、Y4は置換基を有してもよいC6~C18アリール基を示す。)、または、ハロゲンである。]
で表される基である、[3]~[7]のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。
前記ハロゲンの中でも、フッ素、塩素または臭素が好ましい。
[9] R9とR10が、それぞれ独立して置換基を有してもよいC1~C20のアルキル基、置換基を有してもよいアルコキシ基、置換基を有してもよいC6~C18のアリール基、または、ハロゲンであり、R7とR8とR11が水素原子である、[8]に記載のフラーレン誘導体の製造方法。
[10]ルイス酸(A)が、下記式(6)
MX (6)
[式中、Mはアルミニウムまたはガリウムの金属原子を示し、XはCl、Br、I、水酸基またはアルコキシ基を示す。]
で表される、[1]~[9]のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。
[11] ルイス酸(A)が、塩化アルミニウムである[1]~[9]のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。
[12] ベンゼンまたはその誘導体(B)が、
下記式(5)
【化10】
JP0004877800B2_000006t.gif
[式中、R7~R11は、それぞれ独立して水素原子、置換基を有してもよいC1~C30炭化水素基、置換基を有してもよいC1~C30アルコキシ基、置換基を有してもよいC6~C30アリール基、置換基を有してもよいC6~C30アリールオキシ基、置換基を有してもよいC2~C30アルコキシカルボニル基、置換基を有してもよいC7~C30アリロキシカルボニル基、置換基を有してもよいC2~C30アルキルカルボニルオキシ基、置換基を有してもよいC7~C30アリールカルボニルオキシ基、置換基を有してもよいアミノ基、置換基を有してもよいシリル基、置換基を有してもよいアルキルチオ基(-SY1、式中、Y1は置換基を有してもよいC1~C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールチオ基(-SY2、式中、Y2は置換基を有してもよいC6~C18アリール基を示す。)、置換基を有してもよいアルキルスルホニル基(-SO23、式中、Y3は置換基を有してもよいC1~C20アルキル基を示す。)、置換基を有してもよいアリールスルホニル基(-SO24、式中、Y4は置換基を有してもよいC6~C18アリール基を示す。)、または、ハロゲンである。]
で表される化合物である、[1]~[11]のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。
前記ハロゲンの中でも、フッ素、塩素または臭素が好ましい。
[13] アルコール(C)がメチルアルコールである[1]~[12]のいずれかに記載のフラーレン誘導体の製造方法。
【0010】
本明細書において、「フラーレン」とは炭素原子が球状またはラグビーボール状に配置して形成される炭素クラスターの総称であり(現代化学2000年6月号46頁,Chemical Reviews, 98, 2527(1998)参照)、例えば、フラーレンC60(いわゆる「バックミンスター・フラーレン」)、フラーレンC70、フラーレンC76、フラーレンC78、フラーレンC82、フラーレンC84、フラーレンC90、フラーレンC94、フラーレンC96等が挙げられる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の好ましい態様に係るフラーレン誘導体の製造方法では、例えば、フラーレン骨格に特定の種類の有機基を特定の数だけフラーレンに付加できる。
本発明の好ましい態様に係るフラーレン誘導体の製造方法では、低コストで、目的のフラーレン誘導体を収率良く選択的に製造できる。
本発明の好ましい態様に係るフラーレン誘導体の製造方法では、モノ付加体、2重付加体、3重付加体等の付加された置換基が少ないフラーレン誘導体を高い収率で製造できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
1.本発明で用いられるフラーレン
本発明の製造方法で用いられるフラーレンとは炭素原子が球状またはラグビーボール状に配置して形成される炭素クラスターであれば特に限定されるものではない。
本発明の製造方法で用いられるフラーレンとしては、例えば、フラーレンC60(いわゆるバックミンスター・フラーレン)、フラーレンC70、フラーレンC76、フラーレンC78、フラーレンC82、フラーレンC84、フラーレンC90、フラーレンC94、フラーレンC96等が挙げられる。これらの中でもフラーレンC60が好ましく用いられる。
【0013】
フラーレンの製造方法は特に限定されず、公知の方法によって製造されたフラーレンを本発明の製造方法の出発物質として用いることができる。
【0014】
2.本発明で用いられるルイス酸(A)
本発明の製造方法で用いられるルイス酸は特に限定されないが、下記式(6)
MX (6)
[式中、Mはアルミニウムまたはガリウムの金属原子を示し、XはCl、Br、I、水酸基またはアルコキシ基を示す。]
で表されるルイス酸が好ましい。
【0015】
本発明の製造方法で用いられるルイス酸として、三塩化アルミニウム、三臭素化アルミニウム等のハロゲン化アルミニウム、ハロゲン化ガリウムなどを用いると、得られるフラーレン誘導体の収率が向上するので好ましい。また、これらのルイス酸の中でもハロゲン化アルミニウム(特に塩化アルミニウム)は安価であり、さらにフラーレン誘導体を高収率で合成できるので好ましい。
また、ルイス酸としてハロゲン化アルミニウムを用いる場合、当該ハロゲン化アルミニウム中のハロゲンの一部が水酸基やアルコキシ基で置換された化合物も用いることができる。場合によっては、酸化ケイ素やイオン交換樹脂などにハロゲン化アルミニウムを担持したハロゲン化アルミニウムを含む混合物も好適に用いることもできる。
【0016】
本発明の製造方法で用いられるルイス酸は、一種の化合物に限られず、複数の化合物でもよい。
【0017】
3.本発明で用いられるベンゼンまたはその誘導体(B)
本発明の製造方法の工程において、ベンゼンまたはその誘導体が、フラーレンに付加する。
【0018】
本発明で用いられるベンゼン誘導体(B)は、フラーレンに付加すれば特に限定されない。
【0019】
本発明の製造方法で用いられるベンゼンまたはその誘導体(B)としては、例えば、上記式(5)で表される化合物である。
【0020】
本明細書において、「C1~C30炭化水素基」の炭化水素基は、飽和若しくは不飽和の非環式であってもよいし、飽和若しくは不飽和の環式であってもよい。C1~C30炭化水素基が非環式の場合には、線状でもよいし、枝分かれでもよい。「C1~C30炭化水素基」には、C1~C30アルキル基、C2~C30アルケニル基、C2~C30アルキニル基、C4~C30アルキルジエニル基、C6~C28アリール基、C7~C30アルキルアリール基、C7~C30アリールアルキル基、C4~C30シクロアルキル基、C4~C30シクロアルケニル基、(C3~C15シクロアルキル)C1~C15アルキル基などが含まれる。
【0021】
本明細書において、「C1~C30アルキル基」は、C1~C20アルキル基であることが好ましく、C1~C10アルキル基であることが更に好ましい。アルキル基の例としては、制限するわけではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ドデカニル等を挙げることができる。
【0022】
本明細書において、「C2~C30アルケニル基」は、C2~C20アルケニル基であることが好ましく、C2~C10アルケニル基であることが更に好ましい。アルケニル基の例としては、制限するわけではないが、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、2-メチル-1-プロペニル、2-メチルアリル、2-ブテニル等を挙げることができる。
【0023】
本明細書において、「C2~C30アルキニル基」は、C2~C20アルキニル基であることが好ましく、C2~C10アルキニル基であることが更に好ましい。アルキニル基の例としては、制限するわけではないが、エチニル、プロピニル、ブチニル等を挙げることができる。
【0024】
本明細書において、「C4~C30アルキルジエニル基」は、C4~C20アルキルジエニル基であることが好ましく、C4~C10アルキルジエニル基であることが更に好ましい。アルキルジエニル基の例としては、制限するわけではないが、1,3-ブタジエニル等を挙げることができる。
【0025】
本明細書において、「C6~C28アリール基」は、C6~C10アリール基であることが好ましい。アリール基の例としては、制限するわけではないが、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、インデニル、ビフェニル、ターフェニル、アントリル、フェナントリル等を挙げることができる。
【0026】
本明細書において、「C7~C30アルキルアリール基」は、C7~C12アルキルアリール基であることが好ましい。アルキルアリール基の例としては、制限するわけではないが、o-トリル、m-トリル、p-トリル、2,3-キシリル、2,4-キシリル、2,5-キシリル、o-クメニル、m-クメニル、p-クメニル、メシチル等を挙げることができる。
【0027】
本明細書において、「C7~C30アリールアルキル基」は、C7~C12アリールアルキル基であることが好ましい。アリールアルキル基の例としては、制限するわけではないが、ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、1-ナフチルメチル、2-ナフチルメチル、2,2-ジフェニルエチル、3-フェニルプロピル、4-フェニルブチル、5-フェニルペンチル等を挙げることができる。
【0028】
本明細書において、「C4~C30シクロアルキル基」は、C4~C10シクロアルキル基であることが好ましい。シクロアルキル基の例としては、制限するわけではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等を挙げることができる。
【0029】
本明細書において、「C4~C30シクロアルケニル基」は、C4~C10シクロアルケニル基であることが好ましい。シクロアルケニル基の例としては、制限するわけではないが、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル等を挙げることができる。
【0030】
本明細書において、「C1~C30アルコキシ基」は、C1~C10アルコキシ基であることが好ましく、C1~C6アルコキシ基であることが更に好ましい。アルコキシ基の例としては、制限するわけではないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ等がある。
【0031】
本明細書において、「C6~C30アリールオキシ基」は、C6~C10アリールオキシ基であることが好ましい。アリールオキシ基の例としては、制限するわけではないが、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等を挙げることができる。
【0032】
本明細書において、「アルキルチオ基(-SY1、式中、Y1は置換基を有してもよいC1~C20アルキル基を示す。)」及び「アルキルスルホニル基(-SO23、式中、Y3は置換基を有してもよいC1~C20アルキル基を示す。)」において、Y1及びY3は、C1~C10アルキル基であることが好ましく、C1~C6アルキル基であることが更に好ましい。アルキル基の例としては、制限するわけではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ドデカニル等を挙げることができる。
【0033】
本明細書において、「アリールチオ基(-SY2、式中、Y2は置換基を有してもよいC6~C18アリール基を示す。)」及び「アリールスルホニル基(-SO24、式中、Y4は置換基を有してもよいC6~C18アリール基を示す。)」において、Y2及びY4は、C6~C10アリール基であることが好ましい。アリール基の例としては、制限するわけではないが、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、インデニル、ビフェニリル、アントリル、フェナントリル等を挙げることができる。
【0034】
「C1~C30炭化水素基」、「C1~C30アルコキシ基」、「C6~C30アリールオキシ基」、「アミノ基」、「シリル基」、「アルキルチオ基」、「アリールチオ基」、「アルキルスルホニル基」、「アリールスルホニル基」には、置換基が導入されていてもよい。この置換基としては、例えば、エステル基、カルボキシル基、アミド基、アルキン基、トリメチルシリル基、アミノ基、ホスホニル基、チオ基、カルボニル基、ニトロ基、スルホ基、イミノ基、ハロゲノ基、アルコキシ基などを挙げることができる。この場合、置換基は、置換可能な位置に1個以上、置換可能な最大数まで導入されていてもよく、好ましくは1個~4個導入されていてもよい。置換基数が2個以上である場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0035】
本明細書において、「置換基を有してもよいアミノ基」の例としては、制限するわけではないが、アミノ、ジメチルアミノ、メチルアミノ、メチルフェニルアミノ、フェニルアミノ等がある。
【0036】
本明細書において、「置換基を有していてもよいシリル基」の例としては、制限するわけではないが、ジメチルシリル、ジエチルシリル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリメトキシシリル、トリエトキシシリル、ジフェニルメチルシリル、トリフェニルシリル、トリフェノキシシリル、ジメチルメトキシシリル、ジメチルフェノキシシリル、メチルメトキシフェニル等がある。
【0037】
本明細書において、アルキル基、アリール基等が有してもよい置換基の例としては、制限するわけではないが、C1~C10炭化水素基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、フェニル、ナフチル、インデニル、トリル、キシリル、ベンジル等)、C1~C10アルコキシ基(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ等)、C6~C10アリールオキシ基(例えば、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等)、アミノ基、水酸基、ハロゲン原子(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素)又はシリル基などを挙げることができる。この場合、置換基は、置換可能な位置に1個以上導入されていてもよく、好ましくは1個~4個導入されていてもよい。置換基数が2個以上である場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0038】
また,本発明で用いられるベンゼン誘導体(B)は、ベンゼン骨格における電子が豊富なベンゼン誘導体がフラーレンへの付加反応をさらに円滑に促進する上で好ましく、ベンゼン骨格に結合する置換基としては、アルキル基、フェニル基などの電子供与基であることがさらに好ましい。
【0039】
4.本発明で用いられるアルコール(C)
本発明の製造方法で用いられるアルコールは特に限定されないが、炭素数が1~3の低級アルコールが好ましく、これらの中でもメチルアルコールが特に好ましい。
【0040】
本発明の製造方法で用いられるアルコールは、一種の化合物に限られず、複数の化合物でもよい。
【0041】
5.フラーレン誘導体
本発明の製造方法で得られるフラーレン誘導体は、フラーレンに置換基を有してもよいアリール基および水素から選ばれる1以上が付加されたフラーレン誘導体である。
【0042】
本発明の好ましい態様では、原料のフラーレンにフラーレンC60が用いられる。この場合、得られるフラーレン誘導体において、上記アリール基は位置選択的にフラーレンに付加される。
【0043】
具体的には、フラーレンC60に、置換基を有してもよいアリール基が1つ付加したモノ付加体の場合、上記式(3)で表されるフラーレン誘導体が高収率で合成される。
フラーレンC60に、置換基を有してもよいアリール基が2つ付加した二重付加体の場合、上記式(2)で表されるフラーレン誘導体が高収率で合成される。
フラーレンC60に、置換基を有してもよいアリール基が3つ付加した三重付加体の場合、上記式(1A)または(1B)で表されるフラーレン誘導体が高収率で合成される。
【0044】
6.本発明のフラーレン誘導体の製造方法
本発明のフラーレン誘導体の製造方法では、フラーレン、ルイス酸(A)、ベンゼンもしくはその誘導体(B)、ならびに、任意にアルコール(C)もしくは水(D)が用いられるが、これらを投入する順序は特に限定されない。
本発明のフラーレン誘導体の製造方法では、フラーレンにルイス酸(A)を混合した後、溶媒を加えて得られた溶液に、アルコール(C)または水(D)を加えたベンゼンまたはその誘導体(B)を加えて攪拌することによりフラーレン誘導体を合成することが好ましい。用いられる溶媒は、フラーレン、ルイス酸(A)、ベンゼンまたはその誘導体(B)、アルコール(C)、水(D)等を溶解できる溶媒が好ましく、具体的には、テトラヒドロフラン、ジクロロベンゼン、またはそれらの混合溶媒などの不活性溶媒が好ましい。これらの中でも、フラーレン等の溶解能が高いジクロロベンゼンが溶媒として好適に用いられる。
【0045】
アルコール(C)もしくは水(D)が添加される場合、ルイス酸1モルに対して、添加される水とアルコールの合計量は0.05~0.6モルであることが好ましく、0.05~0.3モルがさらに好ましい。ルイス酸1モルに対して、添加される水の量が0.6モル以上の場合、ルイス酸の働きが阻害され、得られるフラーレン誘導体の収率が低下する傾向がある。また、さらに大過剰量の水を添加した場合には、反応は停止することになる。
【0046】
本発明のフラーレン誘導体の製造方法は不活性ガス雰囲気下で行われることが好ましい。また、本発明の製造方法は、常圧下で、0℃~150℃、好ましくは20℃~100℃の温度下で行われることが好ましい。
【0047】
本発明の製造方法において、フラーレン誘導体の合成は、数分~40時間、好ましくは5分~24時間程度行われるが、特に限定されるものではない。
【0048】
本発明の製造方法において、フラーレン誘導体の合成反応は、多量の水を反応系中に添加することにより停止できる。
【0049】
また、例えば反応液をそのままシリカゲルカラムに通すことによって、副生物である無機物を除き、目的物を単離することができる。通常、目的物が純度良く得られるので更に精製する必要はないが、必要であればHPLCや通常のカラムクロマトグラフィーなどで精製してもよい。
【0050】
本件発明の製造方法において、得られるフラーレン誘導体に付加する有機基の数は、主に、フラーレン1モルに対して添加されるベンゼンまたはその誘導体(B)の性質やモル数、反応条件等に依存するが、通常、まずフラーレンに有機基が1つ付加したモノ付加体が合成され、当該モノ付加体にさらに有機基が1つ付加して二重付加体が、当該二重付加体にさらに有機基が一つ付加して三重付加体が合成される。
【0051】
例えば、本件発明の製造方法において出発物質にフラーレンC60を用いた場合、まず、モノ付加体である式(3)で表されるフラーレン誘導体が合成される。さらに反応が進むと、二重付加体である式(2)で表されるフラーレン誘導体が合成され、さらには三重付加体である式(1A)または式(1B)で表されるフラーレン誘導体が合成されるが、付加する有機基の種類により、適時、最適な反応条件を選択することによって、目的の付加体を得ることができる。
【実施例】
【0052】
以下、実施例により詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0053】
[実施例1]C60(C7733の製造
【化11】
JP0004877800B2_000007t.gif
スキーム1に示すように窒素雰囲気下室温にてフラーレンC60(72.0 mg, 0.10 mmol)と塩化アルミニウム(III) (66.7 mg, 0.50 mmol)を混合し、o-ジクロロベンゼン5 mLを加えた後、水(1.8 μL, 0.10 mmol)を含むように調整したトルエン20mLを加えた。室温(24 ℃)で攪拌しながら40分間反応させ、水0.1 mLを加えて反応を停止した。トルエンを展開溶媒としてシリカゲルショートパスを通し、アルミニウム残渣を取り除いた。溶媒をロータリーエバポレーター(10 mmHg, 85 ℃)で除去した後、シリカゲルカラム(展開溶媒:二硫化炭素/ヘキサン=2/1)にて精製を行った。フラーレン誘導体C60(C7733のフラクションを集めて濃縮した後、メタノールを加えてC60(C7733を析出させ、濾過・乾燥によりC60(C7733を得た(単離収率56%)。
【0054】
得られたフラーレン誘導体C60(C7733について、1H-NMR、13C-NMRおよびTOF法によるAPCI-HRMSの測定を行った。結果を以下に示す。
【0055】
1H NMR (500 MHz, CDCl3): d 2.37 (s, 3H, CH3), 2.41 (s, 3H, CH3), 2.42 (s, 3H, CH3), 4.98 (1H, dd, 3J = 12 Hz, 4J = 3.5 Hz, C60H), 5.29 (1H, d, br, 3J = 12 Hz, C60H), 5.48 (1H, d, 4J = 3.5 Hz, C60H), 7.16 (2H, d, 3J = 8 Hz, C6H4), 7.22 (2H, d, 3J = 8 Hz, C6H4), 7.30 (2H, d, 3J = 8 Hz, C6H4), 7.59 (2H, d, 3J = 8 Hz, C6H4), 7.69 (2H, d, 3J = 8 Hz, C6H4), 7.77 (2H, d, 3J = 8 Hz, C6H4). 13C[1H] NMR (100 MHz, CDCl3): d 21.10 (1C, CH3), 21.16 (1C+1C, CH3), 44.06 (1C, C60H), 44.85 (1C, C60H), 51.45 (1C, C60H), 58.47 (1C, C60(C6H4)), 60.46 (1C, C60(C6H4)), 60.58 (1C, C60(C6H4)), 126.90 (2C, C(B)6H4), 127.40 (2C, C(B)6H4), 127.44 (2C, C(B)6H4), 129.63 (2C, C(C)6H4), 129.70 (2C, C(C)6H4), 129.94 (2C, C(C)6H4), 137.08 (1C, C(D)6H4), 137.33 (1C, C(D)6H4), 137.36 (1C, C(D)6H4), 137.55 (1C, C(A)6H4), 137.73 (1C, C(A)6H4), 137.76 (1C, C(A)6H4), 141.03 (1C, C60), 143.17 (1C+1C, C60), 143.92 (1C, C60), 144.10 (1C, C60), 144.13 (1C, C60), 144.14 (1C, C60), 144.22 (1C, C60), 144.27 (1C, C60), 144.36 (1C, C60), 144.38 (1C, C60), 144.43 (1C, C60), 144.44 (1C, C60), 144.55 (1C, C60), 144.74 (1C, C60), 144.78 (1C, C60), 144.97 (1C, C60), 145.22 (1C, C60), 145.38 (1C, C60), 145.48 (1C, C60), 146.50 (1C, C60), 146.79 (1C, C60), 146.85 (1C, C60), 146.87 (1C, C60), 146.90 (1C, C60), 146.95 (1C, C60), 146.96 (1C+1C, C60), 147.12 (1C, C60), 147.40 (1C, C60), 147.71 (1C, C60), 147.75 (1C, C60), 147.96 (1C, C60), 148.05 (1C, C60), 148.09 (1C+1C, C60), 148.13 (1C, C60), 148.23 (1C, C60), 148.28 (1C, C60), 148.41 (1C, C60), 148.51 (1C, C60), 148.63 (1C+1C+1C, C60), 148.66 (1C, C60), 149.41 (1C, C60), 149.43 (1C, C60), 149.66 (1C, C60), 150.50 (1C, C60), 151.49 (1C, C60), 152.16 (1C, C60), 152.51 (1C, C60), 156.72 (1C, C60), 156.84 (1C, C60); APCI-HRMS (-): calcd for C81H23 (M-H+), 995.17998; found, 995.18052.
【0056】
[実施例2]
塩化アルミニウムに対して水を0.1(モル比)用い、反応時間を30分とした以外は、実施例1と同じ条件でC60(C7733を合成した。単離収率は55%であった。
【0057】
[実施例3]
塩化アルミニウムに対して水を0.6(モル比)用い、反応時間を30分とした以外は、実施例1と同じ条件でC60(C7733を合成した.単離収率は41%であった。
【0058】
[実施例4]C60(C7733の製造
【化12】
JP0004877800B2_000008t.gif
水の代わりにメタノールを用いた以外は実施例1と同じ条件でC60(C7733を合成した(単離収率53%)。
【0059】
[実施例5]C60((CCH336433の製造
【化13】
JP0004877800B2_000009t.gif
スキーム3に示すように、トルエンの代わりにt-ブチルベンゼン20mLを用い、また、o-ジクロロベンゼン5mLを添加し、反応時間を20分としたこと以外は実施例1と同様の手順でC60((CCH336433を合成した。本実施例での単離収率は17%であった。
【0060】
得られたフラーレン誘導体C60((CCH336433について、1H-NMR、13C-NMRおよびTOF法によるAPCI-HRMSの測定を行った。結果を以下に示す。
【0061】
1H NMR (500 MHz, CDCl3): d 1.33 (s, 9H, CH3), 1.36 (s, 9H, CH3), 1.37 (s, 9H, CH3), 4.98 (1H, dd, 3J = 12 Hz, 4J = 3.4 Hz, C60H), 5.29 (1H, d, br, 3J = 12 Hz, C60H), 5.48 (1H, d, 5J = 3.4 Hz, C60H), 7.32 (2H, d, 3J = 8.6 Hz, C6H4), 7.41 (2H, d, 3J = 8.6 Hz, C6H4), 7.50 (2H, d, 3J = 8.6 Hz, C6H4), 7.59 (2H, d, 3J = 8.6 Hz, C6H4), 7.71 (2H, d, 3J = 8.6 Hz, C6H4), 7.79 (2H, d, 3J = 8.6 Hz, C6H4); 13C[1H] NMR (125 MHz, CDCl3): d 31.31 (3C, CH3), 31.35 (3C, CH3), 31.37 (3C, CH3), 34.50 (1C, CCH3), 34.57 (1C, CCH3), 34.60 (1C, CCH3), 44.11 (1C, C60H), 44.91 (1C, C60H), 51.46 (1C, C60H), 58.42 (1C, C60(C6H4)), 60.42 (1C, C60(C6H4)), 60.58 (1C, C60(C6H4)), 126.68 (2C, C6H4), 127.27 (2C, C6H4), 127.34 (2C, C6H4), 126.68 (2C, C6H4), 127.27 (2C, C6H4), 127.34 (2C, C6H4), 137.01 (1C, C6H4), 137.68 (1C, C6H4), 137.74 (1C, C6H4), 141.03 (1C, C60), 143.18 (1C+1C, C60), 143.92 (1C, C60), 144.13 (1C+1C, C60), 144.18 (1C, C60), 144.27 (1C, C60), 144.30 (1C, C60), 144.40 (1C, C60), 144.41 (1C, C60), 144.45 (1C, C60), 144.56 (1C, C60), 144.66 (1C, C60), 144.92 (1C, C60), 144.99 (1C, C60), 145.22 (1C, C60), 145.36 (1C, C60), 145.42 (1C, C60), 145.60 (1C, C60), 146.52 (1C, C60), 146.81 (1C, C60), 146.84 (1C, C60), 146.87 (1C, C60), 146.89 (1C, C60), 146.94 (1C, C60), 146.97 (1C, C60), 147.12 (1C, C60), 147.41 (1C, C60), 147.76 (1C, C60), 147.78 (1C, C60), 147.78 (1C, C60), 148.07 (1C, C60), 148.10 (1C+1C, C60), 148.11 (1C, C60), 148.13 (1C, C60), 148.25 (1C, C60), 148.29 (1C, C60), 148.44 (1C, C60), 148.53 (1C, C60), 148.63 (1C, C60), 148.65 (1C+1C, C60), 148.68 (1C, C60), 149.40 (1C, C60), 149.45 (1C, C60), 149.93 (1C, C60), 150.51 (1C, C6H4), 150.56 (1C, C6H4), 150.70 (1C, C6H4), 150.72 (1C, C60), 151.62 (1C, C60), 152.25 (1C, C60), 152.52 (1C, C60), 156.70 (1C, C60), 156.86 (1C, C60); APCI-HRMS (-): calcd for C81H23 (M-H+), 1121.32083; found, 1121.31870.
【0062】
[実施例6]C60(C6533の製造
【化14】
JP0004877800B2_000010t.gif
スキーム4に示すように、トルエンの代わりにベンゼン20mLを用い、またo-ジクロロベンゼン5mLを添加し、反応時間を30分としたこと以外は実施例1と同様の手順でC60(C6533を合成した。本実施例での単離収率は51%であった。
【0063】
得られたフラーレン誘導体C60(C6533について、1H-NMR、13C-NMRおよびTOF法によるAPCI-HRMSの測定を行った。結果を以下に示す。
【0064】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): d 5.00 (1H, dd, 3J = 12 Hz, 4J = 3.7 Hz, C60H), 5.33 (1H, d, br, 3J = 12 Hz, C60H), 5.51 (1H, d, 4J = 3.7 Hz, C60H), 7.31-7.51 (6H, m, Ph), 7.69 (2H, quasi-dd, 3J = 8.3 Hz, 4J = 1.8 Hz, C6H4), 7.80 (2H, quasi-dd, 3J = 8.3 Hz, 4J = 1.8 Hz, C6H4), 7.89 (2H, quasi-dd, 3J = 8.3 Hz, 4J = 1.8 Hz, C6H4); 13C[1H] NMR (100 MHz, CDCl3): d 44.10 (1C, C60H), 44.90 (1C, C60H), 51.46 (1C, C60H), 58.69 (1C, C60Ph), 60.69 (1C, C60Ph), 60.84 (1C, C60Ph), 127.01 (2C, C6H5), 127.48 (2C, C6H5), 127.52 (2C, C6H5), 127.59 (1C, C6H5), 127.65 (1C, C6H5), 127.71 (1C, C6H5), 128.93 (2C, C6H5), 129.02 (2C, C6H5), 129.25 (2C, C6H5), 139.88 (1C, C6H5), 140.56 (1C, C6H5), 140.65 (1C, C6H5), 141.02 (1C, C60), 143.18 (1C+1C, C60), 143.82 (1C, C60), 144.13 (1C, C60), 144.17 (1C, C60), 144.21 (1C, C60), 144.24 (1C, C60), 144.31 (1C+1C, C60), 144.43 (1C, C60), 144.44 (1C, C60), 144.51 (1C, C60), 144.56 (1C, C60), 144.65 (1C, C60), 144.75 (1C, C60), 144.89 (1C, C60), 145.19 (1C, C60), 145.33 (1C, C60), 145.47 (1C, C60), 146.50 (1C, C60), 146.62 (1C, C60), 146.78 (1C, C60), 146.85 (1C, C60), 146.88 (1C, C60), 146.96 (1C, C60), 147.12 (1C, C60), 147.33 (1C, C60), 147.44 (1C, C60), 147.77 (1C, C60), 147.99 (1C, C60), 148.05 (1C, C60), 148.10 (1C, C60), 148.11 (1C, C60), 148.14 (1C, C60), 148.25 (1C, C60), 148.29 (1C, C60), 148.40 (1C, C60), 148.42 (1C, C60), 148.54 (1C, C60), 148.65 (1C+1C, C60), 148.66 (1C+1C, C60), 148.70 (1C, C60), 149.22 (1C, C60), 149.40 (1C, C60) 149.77 (1C, C60), 150.50 (1C, C60), 151.57 (1C, C60), 152.00 (1C, C60), 152.55 (1C, C60), 156.54 (1C, C60), 156.61 (1C, C60); APCI-HRMS (-): calcd for C78H17 (M-H+), 953.13303; found, 953.12872.
【0065】
[実施例7]C60((C64)C6533の製造
【化15】
JP0004877800B2_000011t.gif

【0066】
スキーム5に示すように、トルエンの代わりにビフェニル(1.54g, 10.0 mmol)を用い、またo-ジクロロベンゼン5mLを添加し、反応時間を20分としたこと以外は実施例1と同様の手順でC60((C65)C6533を合成した。本実施例での単離収率は27%であった。
【0067】
得られたフラーレン誘導体C60((C65)C6533について、1H-NMR、13C-NMRおよびTOF法によるAPCI-HRMSの測定を行った。結果を以下に示す。
【0068】
1H NMR (500 MHz, CDCl3): d 5.10 (1H, dd, 3J = 12 Hz, 4J = 4.0 Hz, C60H), 5.39 (1H, d, br, 3J = 12 Hz, C60H), 5.58 (1H, d, 4J = 4.0Hz, C60H), 7.35-7.73 (m, 24H, Ph), 7.81 (d, 1H, J = 8.6 Hz, Ph), 7.91 (d, J = 8.6 Hz, Ph), 7.98 (d, J = 8.6 Hz, Ph); 13C[1H] NMR (125 MHz, CDCl3): d 44.17 (1C, C60H), 44.98 (1C, C60H), 51.58 (1C, C60H), 60.52 (1C, C60C6H4), 60.65 (1C, C60C6H4), 60.84 (1C, C60C6H4), 127.12 (2C, Ar), 127.14 (2C, Ar), 127.18 (2C, Ar), 127.49 (2C, Ar), 127.52 (1C, Ar), 127.54 (1C, Ar), 127.56 (1C, Ar), 127.79 (2C, Ar), 127.97 (2C, Ar), 128.03 (2C, Ar), 128.06 (2C, Ar), 128.09 (2C, Ar), 128.85 (2C, Ar), 128.88 (2C, Ar), 128.90 (2C, Ar), 139.00 (1C, Ar), 139.64 (1C, Ar), 139.69 (1C, Ar), 140.41 (1C, Ar), 140.45 (1C, Ar), 140.53 (1C, Ar), 140.67 (1C, Ar), 140.68 (1C, Ar), 140.88 (1C, Ar), 141.21 (1C, C60), 143.27 (1C+1C, C60), 143.87 (1C, C60), 144.20 (1C, C60), 144.24 (1C, C60), 144.28 (1C+1C, C60), 144.39 (1C, C60), 144.42 (1C+1C, C60), 144.50 (1C, C60), 144.52 (1C, C60), 144.58 (1C, C60), 144.66 (1C, C60), 144.82 (1C, C60), 144.84 (1C+1C, C60), 144.96 (1C, C60), 145.23 (1C, C60), 145.39 (1C, C60), 145.50 (1C, C60), 146.56 (1C, C60), 146.62 (1C, C60), 146.85 (1C, C60), 146.91 (1C, C60), 146.94 (1C, C60), 147.02 (1C, C60), 147.19 (1C, C60), 147.40 (1C, C60), 147.45 (1C, C60), 147.85 (1C, C60), 148.07 (1C, C60), 148.12 (1C, C60), 148.19 (1C+1C, C60), 148.21 (1C, C60), 148.31 (1C, C60), 148.36 (1C, C60), 148.49 (1C, C60), 148.61 (1C, C60), 148.72 (1C+1C, C60), 148.73 (1C+1C, C60), 148.76 (1C, C60), 149.16 (1C, C60), 149.50 (1C, C60), 149.82 (1C, C60), 150.60 (1C, C60), 151.74 (1C, C60), 152.07 (1C, C60), 152.63 (1C, C60), 156.60 (1C, C60); APCI-HRMS (-): calcd for C96H29 (M-H+), 1181.22693; found, 1181.23222.
【0069】
[実施例8]C60((3,4-(CH32)C6333の製造
【化16】
JP0004877800B2_000012t.gif

【0070】
スキーム6に示すように、トルエンの代わりにo-キシレン20mLを用い、またo-ジクロロベンゼン5mLを添加し、反応時間を25分としたこと以外は実施例1と同様の手順でC60((3,4-(CH32)C6333を合成した.本実施例での単離収率は31%であった。
【0071】
得られたフラーレン誘導体C60((3,4-(CH32)C6333について、1H-NMR、13C-NMRおよびTOF法によるAPCI-HRMSの測定を行った。結果を以下に示す。
【0072】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): d 2.16 (s, 3H, CH3), 2.20 (s, 3H, CH3), 2.28 (s, 3H, CH3), 2.30 (s, 3H, CH3), 2.32 (s, 3H, CH3), 2.36 (s, 3H, CH3), 4.99 (dd, 1H, 3J = 12 Hz, 5J = 4.6 Hz, C60H), 5.28 (d, 1H, 3J = 12Hz, C60H), 5.47 (d, 1H, 5J = 4.6 Hz, C60H), 7.14 (d, 1H, 3J = 7.8 Hz, Ph), 7.19 (d, 1H, 3J = 7.8 Hz, Ph), 7.26 (d, 1H, 3J = 7.8 Hz, Ph), 7.44 (d, 1H, 4J = 1.8 Hz, Ph), 7.50 (dd, 1H, 3J = 7.8 Hz, 4J = 1.8 Hz, Ph), 7.52 (d, 1H, 4J = 1.8 Hz, Ph), 7.57 (dd, 1H, 3J = 7.8 Hz, 4J = 1.8 Hz, Ph), 7.61 (dd, 1H, 3J = 7.8 Hz, 4J = 1.8 Hz, Ph),7.62 (d, 1H, 4J = 1.8 Hz, Ph); 13C[1H] NMR (100 MHz, CDCl3): d 19.41 (1C, CH3), 19.44 (1C, CH3), 19.50 (1C, CH3), 19.72 (1C, CH3), 19.78 (1C, CH3), 20.10 (1C, CH3), 44.07 (1C, C60H), 44.90 (1C, C60H), 51.53 (1C, C60H), 58.52 (1C, C60C6H3), 60.49 (1C, C60C6H3, 60.57 (1C, C60C6H3), 124.42 (1C, Ar), 124.83 (1C, Ar), 124.97 (1C, Ar), 128.14 (1C, Ar), 129.01 (1C+1C, Ar), 130.12 (1C, Ar), 130.17 (1C, Ar), 136.01 (1C, Ar), 136.06 (1C, Ar), 136.27 (1C, Ar), 137.25 (1C, Ar), 137.35 (1C, Ar), 137.66 (1C, Ar), 137.67 (1C, Ar), 138.17 (1C, Ar), 138.25 (1C, Ar), 141.06 (1C, C60), 146.17 (1C, C60), 143.18 (1C, C60), 143.92 (1C, C60), 144.11 (1C+1C, C60), 144.17 (1C, C60), 144.24 (1C, C60), 144.30 (1C, C60), 144.38 (1C+1C, C60), 144.42 (1C, C60), 144.50 (1C, C60), 144.56 (1C, C60), 144.91 (1C, C60), 144.99 (1C, C60), 145.02 (1C, C60), 145.36 (1C, C60), 145.45 (1C, C60), 145.61 (1C, C60), 146.52 (1C, C60), 146.81 (1C, C60), 146.88 (1C, C60), 146.91 (1C, C60), 146.93 (1C, C60), 146.96 (1C, C60), 146.99 (1C, C60), 147.12 (1C, C60), 147.44 (1C, C60), 147.75 (1C, C60), 147.88 (1C, C60), 147.95 (1C, C60), 148.06 (1C, C60), 148.09 (1C+1C, C60), 148.13 (1C, C60), 148.23 (1C, C60), 148.29 (1C, C60), 148.43 (1C, C60), 148.51 (1C, C60), 148.61 (1C+1C, C60), 148.63 (1C+1C, C60), 148.66 (1C, C60), 149.30 (1C, C60), 149.43 (1C, C60), 149.82 (1C, C60), 150.46 (1C, C60), 151.47 (1C, C60), 152.28 (1C, C60), 152.43 (1C, C60), 156.82 (1C, C60), 156.98 (1C, C60); APCI-HRMS (-): calcd for C84H29 (M-H+), 1037.22693; found, 1037.22977.
【0073】
[実施例9]C60(C7722の製造
【化17】
JP0004877800B2_000013t.gif

【0074】
スキーム7に示すように窒素雰囲気下室温にてフラーレンC60 (360 mg, 0.50 mmol)と塩化アルミニウム(III) (333 mg, 2.50 mmol)をまぜ、水(9.0μL, 0.50 mmol)を含むように調整したトルエン(460 mg, 5.00 mmol)を加え、o-ジクロロベンゼン5 mLを加えた後、30分攪拌した。水0.5mLを加え反応を停止させた後、トルエンを展開溶媒としてシリカゲルショートパスを通し、アルミニウム残渣を取り除いた。溶媒をロータリーエバポレーター(10 mmHg, 85℃)で除去した後、シリカゲルカラム(展開溶媒:二硫化炭素/ヘキサン=2/1)にて精製を行った。フラーレン誘導体C60(C7722のフラクションを集めて濃縮した後、メタノールを加えてC60(C7722を析出させ、濾過・乾燥によりC60(C7722を得た(単離収率52%)。
【0075】
得られたフラーレン誘導体C60(C7722について、1H-NMR、13C-NMRおよびTOF法によるAPCI-HRMSの測定を行った。結果を以下に示す。
【0076】
1H NMR (400 MHz, CS2/CDCl3): d 2.50 (s, 6H, CH3), 5.78 (s, 2H, C60H), 7.42 (d, 4H, J = 8.0 Hz, C6H4), 8.09 (d, 4H, J = 8.0 Hz, C6H4); 13C NMR (100 MHz, CS2/CDCl3): d 21.17 (2C, CH3), 56.50 (2C, C60H), 63.19 (2C, C60C6H4), 127.77 (4C, C6H4), 130.10 (4C, C6H4), 134.42 (2C, C60), 136.28 (2C, C60), 137.16 (2C, C6H4), 137.20 (1C, C60), 141.09 (2C, C60), 141.20 (2C, C60), 141.79 (2C, C60), 142.34 (2C, C60), 142.49 (2C, C60), 142.56 (2C, C60), 142.93 (1C, C60), 143.13 (2C, C60), 143.69 (2C, C60), 144.20 (2C, C60), 144.31 (2C, C60), 144.44 (2C, C60), 144.79 (2C, C60), 145.18 (2C, C60), 145.20 (2C, C60), 145.27 (2C, C60), 145.56 (2C, C6H4), 146.06 (2C, C60), 146.60 (1C, C60), 147.17 (2C, C60), 147.28 (2C, C60), 148.00 (2C, C60), 148.11 (1C, C60), 148.16 (2C, C60), 149.19 (2C, C60), 149.67 (2C, C60), 151.91 (2C, C60); APCI-HRMS (-): calcd for C74H15 (M-H+), 903.11738; found, 903.11504.
【0077】
また、合成されたフラーレン誘導体C60(C7722のX線構造解析を行ったところ、下記の結果を得た。
【表1】
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また、合成されたフラーレン誘導体C60(C7722のX線結晶構造解析を行った結果は、以下に示すとおりであった。
【化18】
JP0004877800B2_000015t.gif

【0078】
[実施例11]C60(C64-4-Cl)Hの製造
【化19】
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スキーム8に示すように窒素雰囲気下室温にてフラーレンC60(72.0 mg, 0.10 mmol)と塩化アルミニウム(III) (三塩化アルミニウム)(66.7 mg, 0.50 mmol)をまぜ、水(1.8μL, 0.10 mmol)を含むように調整したクロロベンゼン20 mLを加えた後、室温(25℃)で2時間攪拌して反応させた。その後、水0.1 mLを加えて反応を停止した。
トルエンを展開溶媒としてシリカゲルショートパスを通し、アルミニウム残渣を取り除いた.溶媒をロータリーエバポレーター(10 mmHg, 50℃)で除去した後、シリカゲルカラム(展開溶媒:二硫化炭素/ヘキサン=1/1)にて精製を行った。フラーレン誘導体C60(C64-4-Cl)Hのフラクションを集めて濃縮した後、メタノールを加えてC60(C64-4-Cl)Hを析出させ、濾過・乾燥によりC60(C64-4-Cl)Hを得た。本実施例での単離収率は39%であった。
【0079】
得られたフラーレン誘導体C60(C64-4-Cl)Hについて、1H NMR、13C NMRおよびTOF法によるAPCI-HRMSの測定を行った。結果を以下に示す。
【0080】
1H NMR (400 MHz, CS2/CDCl3): d 2.50 (s, 6H, CH3), 5.78 (s, 2H, C60H), 7.42 (d, 4H, J = 8.0 Hz, C6H4), 8.09 (d, 4H, J = 8.0 Hz, C6H4); 13C NMR (100 MHz, CS2/CDCl3): d 21.17 (2C, CH3), 56.50 (2C, C60H), 63.19 (2C, C60C6H4), 127.77 (4C, C6H4), 130.10 (4C, C6H4), 134.42 (2C, C60), 136.28 (2C, C60), 137.16 (2C, C6H4), 137.20 (1C, C60), 141.09 (2C, C60), 141.20 (2C, C60), 141.79 (2C, C60), 142.34 (2C, C60), 142.49 (2C+2C, C60), 142.56 (2C, C60), 142.93 (1C, C60), 143.13 (2C, C60), 143.69 (2C, C60), 144.20 (2C, C60), 144.31 (2C, C60), 144.44 (2C, C60), 144.79 (2C, C60), 145.18 (2C, C60), 145.20 (2C, C60), 145.27 (2C, C60), 145.56 (2C, C6H4), 146.06 (2C, C60), 146.60 (1C, C60), 147.17 (2C, C60), 147.28 (2C, C60), 148.00 (2C, C60), 148.11 (1C, C60), 148.16 (2C, C60), 149.19 (2C, C60), 149.67 (2C, C60), 151.91 (2C, C60); APCI-HRMS (-): calcd for C74H15 (M-H+), 903.11738; found, 903.11504.
【産業上の利用可能性】
【0081】
本発明の活用法として、例えば、電子伝導材料、半導体材料、光機能材料、生理活性物質等の提供を挙げることができる。