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明細書 :オレフィン用重合触媒

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第4953124号 (P4953124)
公開番号 特開2008-201962 (P2008-201962A)
登録日 平成24年3月23日(2012.3.23)
発行日 平成24年6月13日(2012.6.13)
公開日 平成20年9月4日(2008.9.4)
発明の名称または考案の名称 オレフィン用重合触媒
国際特許分類 C08F   4/6592      (2006.01)
C08F  10/00        (2006.01)
FI C08F 4/6592
C08F 10/00 510
請求項の数または発明の数 6
全頁数 15
出願番号 特願2007-041438 (P2007-041438)
出願日 平成19年2月21日(2007.2.21)
審査請求日 平成20年7月29日(2008.7.29)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】503360115
【氏名又は名称】独立行政法人科学技術振興機構
発明者または考案者 【氏名】中村 栄一
【氏名】松尾 豊
【氏名】岩下 暁彦
個別代理人の代理人 【識別番号】100092783、【弁理士】、【氏名又は名称】小林 浩
【識別番号】100095360、【弁理士】、【氏名又は名称】片山 英二
【識別番号】100114409、【弁理士】、【氏名又は名称】古橋 伸茂
【識別番号】100104282、【弁理士】、【氏名又は名称】鈴木 康仁
審査官 【審査官】中島 芳人
参考文献・文献 特開2000-063394(JP,A)
特開2002-241389(JP,A)
特開平10-167994(JP,A)
調査した分野 C08F 4/60-70
C08F10/
特許請求の範囲 【請求項1】
一般式(1)
Cn(R (1)
(式中、Cnは炭素数nのフラーレンを示し、mは1~10の整数を示し、Rは水素原子または有機基を示し、Rはそれぞれ独立して、一般式(2)
【化1】
JP0004953124B2_000008t.gif
(式中、Rはそれぞれ独立して有機基を示し、pは0~4の整数を示し、Mは周期律表の第4族の金属原子、Rは置換基を有してもよいシクロペンタジエニル基、Rはそれぞれ独立して有機基またはハロゲン原子を示す。)で示される基である。)
で表されるフラーレン誘導体を含むオレフィン用重合触媒。
【請求項2】
一般式(10)
【化2】
JP0004953124B2_000009t.gif

(式中、Rは水素原子または有機基を示し、Rはそれぞれ独立して、一般式(2)
【化3】
JP0004953124B2_000010t.gif

(式中、Rはそれぞれ独立して有機基を示し、pは0~4の整数を示し、Mは周期律表の第4族の金属原子、Rは置換基を有してもよいシクロペンタジエニル基、Rはそれぞれ独立して有機基またはハロゲン原子を示す。)で示される基である。
で表されるフラーレン誘導体を含むオレフィン用重合触媒。
【請求項3】
が、それぞれ独立してC~C20アルキル基、C~C20アルケニル基またはC~C20アルキニル基であり、Pが0~2の整数である、請求項1または2に記載のオレフィン用重合触媒。
【請求項4】
が、ペンタメチルシクロペンタジエニル基(Cp)である、請求項1~3のいずれかに記載のオレフィン用重合触媒。
【請求項5】
がそれぞれ独立してC~C20アルキル基、C~C20アルケニル基、C~C20アルキニル基である、請求項1~のいずれかに記載のオレフィン用重合触媒。
【請求項6】
請求項1~のいずれかに記載のオレフィン用重合触媒を含むエチレン用重合触媒。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、オレフィン用重合触媒に関し、具体的には、第4族遷移金属を有するフラーレン誘導体を含むオレフィン用重合触媒に関する。
【背景技術】
【0002】
炭素原子が球状またはラグビーボール状に配置して形成される炭素クラスター(以下、「フラーレン」ともいう)の合成法が確立されて以来、フラーレンに関する研究が精力的に展開されている。その結果、数多くのフラーレン誘導体が合成されてきた。
【0003】
また、フラーレンが金属に結合したフラーレン金属錯体の合成に関する研究も精力的になされており、フラーレンの5員環部がシクロペンタジエニル配位子としてη5型で金属に配位した錯体、フラーレンから誘導される炭素クラスターアニオン、共役系骨格を有する有機配位子を含有する遷移金属錯体等が知られている(特開平11-255508号公報(特許文献1),特開2002-241389号公報(特許文献2))。
【0004】
他方、シクロペンタジエニルが金属に配位したメタロセン錯体は、特定のアルミニウム化合物やホウ素化合物等と組み合わせることにより、エチレンやプロピレン等のオレフィン用重合触媒として注目され、メタロセン錯体を用いるオレフィン用重合触媒の製造方法については多くの報告がなされている(特開昭58-19309号公報(特許文献3),特開2003-292520号公報(特許文献4),Organomettalics, 10, 840 (1991) (非特許文献1))。重合触媒の組成や性状が異なると、オレフィン重合活性や得られたポリオレフィンの性状が大きく異なることが知られており、新しい重合触媒の開発に向けてさらに活発な研究が続けられている。

【特許文献1】特開平11-255508号公報
【特許文献2】特開2002-241389号公報
【特許文献3】特開昭58-19309号公報
【特許文献4】特開2003-292520号公報
【非特許文献1】Organomettalics, 10, 840 (1991)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記の状況の下、例えば、重合活性が高いオレフィン用重合触媒が望まれている。特に、例えば、触媒活性の中心となる金属の密度や反応場の構造を制御したオレフィン用重合触媒が望まれている。
また、例えば、入手の容易な配位子を持つオレフィン用重合触媒が望まれている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者等は、フラーレン骨格に遷移金属を含む有機基が付加したフラーレン誘導体をオレフィン用重合触媒に用いることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成した。本発明は、以下のようなオレフィン用重合触媒等を提供する。
【0007】
[1] 一般式(1)
Cn(RAm1 (1)
(式中、Cnは炭素数nのフラーレンを示し、mは1~10の整数を示し、R1は水素原子または有機基を示し、RAはそれぞれ独立して周期律表の第4族遷移金属を含む有機基を示す。)
で表されるフラーレン誘導体を含むオレフィン用重合触媒。
[2] CnがフラーレンC60である、[1]に記載のオレフィン用重合触媒。
[3] mが1~5の整数である、[1]または[2]に記載のオレフィン用重合触媒。
【0008】
[4] 一般式(10)
【化3】
JP0004953124B2_000002t.gif
(式中、R1は水素原子または有機基を示し、RAはそれぞれ独立して周期律表の第4族遷移金属を含む有機基を示す。)
で表されるフラーレン誘導体を含むオレフィン用重合触媒。
[5] RAが、一般式(2)
【化4】
JP0004953124B2_000003t.gif
(式中、R2はそれぞれ独立して有機基を示し、pは0~4の整数を示し、Mは周期律表の第4族の金属原子、R3は置換基を有してもよいシクロペンタジエニル基、R4はそれぞれ独立して有機基またはハロゲン原子を示す。)
で表される、[1]~[4]のいずれかに記載のオレフィン用重合触媒。
[6] R2が、それぞれ独立してC1~C20アルキル基、C2~C20アルケニル基またはC2~C20アルキニル基であり、Pが0~2の整数である、[5]に記載のオレフィン用重合触媒。
[7] R3が、ペンタメチルシクロペンタジエニル基(Cp*)である、[5]または[6]に記載のオレフィン用重合触媒。
[8] R4がそれぞれ独立してC1~C20アルキル基、C2~C20アルケニル基、C2~C20アルキニル基である、[5]~[7]のいずれかに記載のオレフィン用重合触媒。
[9] [1]~[8]のいずれかに記載のオレフィン用重合触媒を含むエチレン用重合触媒。
【発明の効果】
【0009】
本発明の好ましい態様に係るオレフィン用重合触媒は、例えば、触媒活性の中心となる金属の密度を高くできる。また、本発明の好ましい態様に係るオレフィン用重合触媒は、例えば、重合活性が高い。また、本発明の好ましい態様に係るオレフィン用重合触媒では、例えば、重合反応の反応場の構造を制御できる。さらに、本発明の好ましい態様に係るオレフィン用重合触媒は、例えば、安いコストで合成できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、本発明における新規な遷移金属化合物、オレフィン重合用触媒及びこの触媒を用いたオレフィンの重合方法について具体的に説明する。
なお、本明細書において「重合」という語は、特に限定がなければ、単独重合だけでなく、共重合をも包含した意味で用いられる。また、「重合体」という語は、特に限定がなければ、単独重合体だけでなく、共重合体をも包含した意味で用いられることがある。
【0011】
1 本発明の触媒で用いられるフラーレン誘導体
上述したとおり、本発明の触媒で用いられるフラーレン誘導体は、一般式(1) Cn(RAm1 (1)
で表されるフラーレン誘導体である。
式(1)中、Cnは炭素数nのフラーレンを示すが、フラーレンとは、炭素原子が球状またはラグビーボール状に配置して形成される炭素クラスターの総称であり(現代化学2000年6月号46頁,Chemical Reviews, 98, 2527(1998)参照)、たとえば、フラーレンC60(いわゆるバックミンスター・フラーレン)、フラーレンC70、フラーレンC76、フラーレンC78、フラーレンC82、フラーレンC84、フラーレンC90、フラーレンC94、フラーレンC96等が挙げられる。
また、式(1)中、RAとR1は、フラーレン骨格に付加する基であり、mはフラーレン骨格に付加するRAの数である。
ここで、R1は水素原子または有機基である。また、RAはそれぞれ独立して周期律表の第4族遷移金属を含む有機基である。ここで、周期律表の第4族遷移金属には、Ti、ZrおよびHfが挙げられる。
【0012】
一般式(1)で表されるフラーレン誘導体において、一般式(10)で表されるフラーレン誘導体がさらに好ましい。
【0013】
本明細書中、「有機基」とは特に限定されるものではないが、たとえば、置換基を有していてもよいC1~C20炭化水素基、置換基を有していてもよいC1~C20アルコキシ基、置換基を有していてもよいC6~C20アリールオキシ基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいシリル基、置換基を有していてもよいアルキルチオ基(-SY1、式中、Y1は置換基を有していてもよいC1~C20アルキル基を示す。)、置換基を有していてもよいアリールチオ基(-SY2、式中、Y2は置換基を有していてもよいC6~C18アリール基を示す。)、置換基を有していてもよいアルキルスルホニル基(-SO23、式中、Y3は置換基を有していてもよいC1~C20アルキル基を示す。)、置換基を有していてもよいアリールスルホニル基(-SO24、式中、Y4は置換基を有していてもよいC6~C18アリール基を示す。)を示す。
【0014】
本明細書において、「C1~C20炭化水素基」の炭化水素基は、飽和若しくは不飽和の非環式であってもよいし、飽和若しくは不飽和の環式であってもよい。C1~C20炭化水素基が非環式の場合には、線状でもよいし、枝分かれでもよい。「C1~C20炭化水素基」には、C1~C20アルキル基、C2~C20アルケニル基、C2~C20アルキニル基、C4~C20アルキルジエニル基、C6~C18アリール基、C7~C20アルキルアリール基、C7~C20アリールアルキル基、C4~C20シクロアルキル基、C4~C20シクロアルケニル基、(C3~C10シクロアルキル)C1~C10アルキル基などが含まれる。
【0015】
本明細書において、「C1~C20アルキル基」は、C1~C10アルキル基であることが好ましく、C1~C6アルキル基であることが更に好ましい。アルキル基の例としては、制限するわけではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ドデカニル等を挙げることができる。
【0016】
本明細書において、「C2~C20アルケニル基」は、C2~C10アルケニル基であることが好ましく、C2~C6アルケニル基であることが更に好ましい。アルケニル基の例としては、制限するわけではないが、ビニル、アリル、プロペニル、イソプロペニル、2-メチル-1-プロペニル、2-メチルアリル、2-ブテニル等を挙げることができる。
【0017】
本明細書において、「C2~C20アルキニル基」は、C2~C10アルキニル基であることが好ましく、C2~C6アルキニル基であることが更に好ましい。アルキニル基の例としては、制限するわけではないが、エチニル、プロピニル、ブチニル等を挙げることができる。
【0018】
本明細書において、「C4~C20アルキルジエニル基」は、C4~C10アルキルジエニル基であることが好ましく、C4~C6アルキルジエニル基であることが更に好ましい。アルキルジエニル基の例としては、制限するわけではないが、1,3-ブタジエニル等を挙げることができる。
【0019】
本明細書において、「C6~C18アリール基」は、C6~C10アリール基であることが好ましい。アリール基の例としては、制限するわけではないが、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、インデニル、ビフェニリル、アントリル、フェナントリル等を挙げることができる。
【0020】
本明細書において、「C7~C20アルキルアリール基」は、C7~C12アルキルアリール基であることが好ましい。アルキルアリール基の例としては、制限するわけではないが、o-トリル、m-トリル、p-トリル、2,3-キシリル、2,4-キシリル、2,5-キシリル、o-クメニル、m-クメニル、p-クメニル、メシチル等を挙げることができる。
【0021】
本明細書において、「C7~C20アリールアルキル基」は、C7~C12アリールアルキル基であることが好ましい。アリールアルキル基の例としては、制限するわけではないが、ベンジル、フェネチル、ジフェニルメチル、トリフェニルメチル、1-ナフチルメチル、2-ナフチルメチル、2,2-ジフェニルエチル、3-フェニルプロピル、4-フェニルブチル、5-フェニルペンチル等を挙げることができる。
【0022】
本明細書において、「C4~C20シクロアルキル基」は、C4~C10シクロアルキル基であることが好ましい。シクロアルキル基の例としては、制限するわけではないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等を挙げることができる。
【0023】
本明細書において、「C4~C20シクロアルケニル基」は、C4~C10シクロアルケニル基であることが好ましい。シクロアルケニル基の例としては、制限するわけではないが、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル等を挙げることができる。
【0024】
本明細書において、「C1~C20アルコキシ基」は、C1~C10アルコキシ基であることが好ましく、C1~C6アルコキシ基であることが更に好ましい。アルコキシ基の例としては、制限するわけではないが、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペンチルオキシ等がある。
【0025】
本明細書において、「C6~C20アリールオキシ基」は、C6~C10アリールオキシ基であることが好ましい。アリールオキシ基の例としては、制限するわけではないが、フェニルオキシ、ナフチルオキシ、ビフェニルオキシ等を挙げることができる。
【0026】
本明細書において、「アルキルチオ基(-SY1、式中、Y1は置換基を有してもよいC1~C20アルキル基を示す。)」及び「アルキルスルホニル基(-SO23、式中、Y3は置換基を有してもよいC1~C20アルキル基を示す。)」において、Y1及びY3は、C1~C10アルキル基であることが好ましく、C1~C6アルキル基であることが更に好ましい。アルキル基の例としては、制限するわけではないが、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、n-ブチル、sec-ブチル、tert-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ドデカニル等を挙げることができる。
【0027】
本明細書において、「アリールチオ基(-SY2、式中、Y2は置換基を有してもよいC6~C18アリール基を示す。)」及び「アリールスルホニル基(-SO24、式中、Y4は置換基を有してもよいC6~C18アリール基を示す。)」において、Y2及びY4は、C6~C10アリール基であることが好ましい。アリール基の例としては、制限するわけではないが、フェニル、1-ナフチル、2-ナフチル、インデニル、ビフェニリル、アントリル、フェナントリル等を挙げることができる。
【0028】
「C1~C20炭化水素基」、「C1~C20アルコキシ基」、「C6~C20アリールオキシ基」、「アミノ基」、「シリル基」、「アルキルチオ基」、「アリールチオ基」、「アルキルスルホニル基」、「アリールスルホニル基」には、置換基が導入されていてもよい。この置換基としては、例えば、エステル基、カルボキシル基、アミド基、アルキン基、トリメチルシリル基、アミノ基、ホスホニル基、チオ基、カルボニル基、ニトロ基、スルホ基、イミノ基、ハロゲノ基、アルコキシ基などを挙げることができる。この場合、置換基は、置換可能な位置に1個以上、置換可能な最大数まで導入されていてもよく、好ましくは1個~4個導入されていてもよい。置換基数が2個以上である場合、各置換基は同一であっても異なっていてもよい。
【0029】
本明細書において、「置換基を有してもよいアミノ基」の例としては、制限するわけではないが、アミノ、ジメチルアミノ、メチルアミノ、メチルフェニルアミノ、フェニルアミノ等がある。
【0030】
本明細書において、「置換基を有していてもよいシリル基」の例としては、制限するわけではないが、ジメチルシリル、ジエチルシリル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリメトキシシリル、トリエトキシシリル、ジフェニルメチルシリル、トリフェニルシリル、トリフェノキシシリル、ジメチルメトキシシリル、ジメチルフェノキシシリル、メチルメトキシフェニル等がある。
【0031】
また、RAは好ましくは、上記式(2)で表される基である。ここで、式(2)中、ベンゼン環の置換基であるR2は有機基であり、好ましくはC2~C10アルキル基、C2~C10アルケニル基またはC2~C10アルキニル基である。これらの中でもR2は、イソプロピル(iPr)が好ましい。なお、R2の数pは0~4である。ここで、pが0とはR2が置換されていないことを意味する。
【0032】
また、R4はそれぞれ独立して有機基であり、好ましくはC1~C10アルキル基、C1~C10アルケニル基またはC1~C10アルキニル基である。これらの中でもR4は、それぞれ独立してC1~C5アルキル基が好ましく、メチルが最も好ましい。
【0033】
2 本発明のフラーレン誘導体の製造方法
本発明のオレフィン用重合触媒に含まれるフラーレン誘導体の製造方法は公知の方法で製造でき、特に限定されるものではない。
【0034】
本発明のオレフィン用重合触媒に含まれるフラーレン誘導体は、たとえば、以下の工程を経て合成することができる。なお、本明細書中、「Me」はメチルを表す。
(1)オルトジクロロベンゼン溶液等の有機溶媒に溶解したフラーレンに、銅試薬(CuBr・Me2S等)または極性物質(N,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、ピリジン等)と、付加基を含むグリニャール試薬とを加えて反応させて、付加基の末端に-OMeを有するフラーレン誘導体Aを合成する。
(2)フラーレン誘導体Aの有機溶媒溶液に、ルイス酸等(BBr3・SMe2等)を加えて、反応を行い、フラーレン誘導体1の付加基の末端の-OMeを-OHに変換し、フラーレン誘導体Bを合成する。
(3)フラーレン誘導体Bの有機溶媒溶液に、周期律表の第4族遷移金属(M)錯体(例えば、第4族遷移金属を有するシクロペンタジエニル錯体)を加えて攪拌し、第4族遷移金属を含む有機基を有する本発明のフラーレン誘導体を合成する。
【0035】
3 本発明のオレフィン用重合触媒
3.1 重合に使用されるオレフィン
本発明のオレフィン用重合触媒が重合触媒として用いられる際に原料として使用されるオレフィンは特に限定されないが、炭素数が2~20のオレフィン、炭素数が2~20のジオレフィン等を用いることができる。また、重合反応において、1種類のモノマーを用いることもできるし、2種類以上のモノマーを用いることもできる。
本発明のオレフィン用重合触媒が重合触媒として用いることができるオレフィンを以下に例示するが、本発明は下記のオレフィンに限定されるものではない。
【0036】
本発明のオレフィン用重合触媒により重合することができるオレフィンとしては、例えば、炭素原子数が2~30、好ましくは2~20の直鎖状または分岐鎖状のα-オレフィン、たとえばエチレン、プロピレン、1-ブテン、2-ブテン、1-ペンテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、3-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセン、1-ドデセン、1-テトラデセン、1-ヘキサデセン、1-オクタデセン、1-エイコセン;炭素原子数が3~30、好ましくは3~20の環状オレフィン、たとえばシクロペンテン、シクロヘプテン、ノルボルネン、5-メチル-2-ノルボルネン、テトラシクロドデセン、2-メチル1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8,8a-オクタヒドロナフタレン;極性モノマー、たとえば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、無水マレイン酸、イタコン酸、無水イタコン酸、ビシクロ(2,2,1)-5-ヘプテン-2,3-ジカルボン酸無水物などのα,β-不飽和カルボン酸、およびこれらのナトリウム塩、カリウム塩、リチウム塩、亜鉛塩、マグネシウム塩、カルシウム塩などの金属塩;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n-プロピル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n-ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸tert-ブチル、アクリル酸2-エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n-プロピル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸n-ブチル、メタクリル酸イソブチルなどのα,β-不飽和カルボン酸エステル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、カプロン酸ビニル、カプリン酸ビニル、ラウリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、トリフルオロ酢酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、イタコン酸モノグリシジルエステルなどの不飽和グリシジルなどを挙げることができる。
【0037】
また、本発明のオレフィン用重合触媒により重合することができるオレフィンとして、ビニルシクロヘキサン、ジエンまたはポリエンなどを用いることもできる。ジエンまたはポリエンとしては、炭素原子数が4~30、好ましくは4~20であり二個以上の二重結合を有する環状又は鎖状の化合物が用いられる。具体的には、ブタジエン、イソプレン、4-メチル-1,3-ペンタジエン、1,3-ペンタジエン、1,4-ペンタジエン、1,5-ヘキサジエン、1,4-ヘキサジエン、1,3-ヘキサジエン、1,3-オクタジエン、1,4-オクタジエン、1,5-オクタジエン、1,6-オクタジエン、1,7-オクタジエン、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネン、ジシクロペンタジエン;7-メチル-1,6-オクタジエン、4-エチリデン-8-メチル-1,7-ノナジエン、5,9-ジメチル-1,4,8-デカトリエン;さらに芳香族ビニル化合物、例えばスチレン、o-メチルスチレン、m-メチルスチレン、p-メチルスチレン、o,p-ジメチルスチレン、o-エチルスチレン、m-エチルスチレン、p-エチルスチレンなどのモノもしくはポリアルキルスチレン;メトキシスチレン、エトキシスチレン、ビニル安息香酸、ビニル安息香酸メチル、ビニルベンジルアセテート、ヒドロキシスチレン、o-クロロスチレン、p-クロロスチレン、ジビニルベンゼンなどの官能基含有スチレン誘導体;および3-フェニルプロピレン、4-フェニルプロピレン、α-メチルスチレンなどが挙げられる。
【0038】
3.2 重合反応
本発明のオレフィン用重合触媒が重合触媒を用いた重合の方法も特に限定されるものではないが、例えばブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素、ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素、メチレンジクロライド等のハロゲン化炭化水素を溶媒として用いる溶媒重合、スラリー重合、ガス状のモノマー中での気相重合等を用いることができる。また、連続重合および回分式重合のどちらも用いることができる。
【0039】
重合温度に関しては、目的とする重合体の種類、触媒の種類等によって好ましい温度範囲が変化するが、通常-50℃~200℃の範囲が好ましく、0℃~100℃がさらに好ましい。
重合圧力に関しても同様に、目的とする重合体の種類、触媒の種類等によって好ましい圧力範囲が変化するが、常圧~10MPaの範囲が好ましい。
重合時間は、目的とする重合体の種類、反応装置等により異なるが、一般的に、1分間~20時間が好ましい。また、製造される重合体の分子量を調節するために、水素等の連鎖移動剤を添加することも可能である。
【0040】
3.3 本発明のオレフィン用重合触媒と組み合わせて用いることができる助触媒
本発明のオレフィン用重合触媒は、メタロセン触媒を用いる際に用いられるメチルアルミノキサン(MAO)等のアルミニウム化合物、非配位性陰イオンである[B(C654-を含むホウ素化合物等の助触媒と組み合わせて用いられることが好ましい。これらの中でも、特に、[Ph3C]+[B(C654-、Li+[B(C654-等のホウ素化合物を、助触媒として好適に用いることができる。
【0041】
本発明のオレフィン用重合触媒をアルミニウム化合物の助触媒と組み合わせて用いる場合、本発明の重合触媒と助触媒とのモル比(助触媒/本発明の重合触媒)は、0.1~10000が好ましく、1~2000がさらに好ましい。
また、本発明のオレフィン用重合触媒をホウ素化合物の助触媒と組み合わせて用いる場合、本発明の重合触媒と助触媒とのモル比(助触媒/本発明の重合触媒)は、0.01~100が好ましく、0.5~10がさらに好ましい。
【実施例】
【0042】
以下、実施例により本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0043】
[実施例1]C60(C62-OMe-4-i-Pr2-3,5)5Hの製造
【化5】
JP0004953124B2_000004t.gif
スキーム1に示すように、窒素雰囲気下室温にてフラーレンC60(300mg, 0.417mmol)をオルトジクロロベンゼン(30mL)に溶かした。CuBr・Me2 S(1.03g,5.00mmol)のTHF(20mL)懸濁液に(3,5-iPr2-4-OMe)C62MgBrのTHF溶液(0.843M,5.93mL,5.00mmol)を加え、室温で10分間撹拌した。この溶液に上記のC60オルトジクロロベンゼン溶液をカニュラーで移し、35℃で2時間攪拌した。この溶液に脱気した飽和塩化アンモニウム水溶液1.0mLを加え、反応を停止した。系を減圧にし、系中に存在するTHFとジメチルスルフィドを除いた。濃縮された茶色の溶液にトルエン(50mL)を加え、シリカゲルのカラムで濾過した。得られた濾液を減圧下、固体がわずかに析出するまで濃縮した。メタノール(50mL)を加えて析出させ、濾取・乾燥により目的物であるフラーレン誘導体C60(C62-OMe-4-i-Pr2-3,5)5Hが得られた(633mg、収率95%)。
【0044】
得られたフラーレン誘導体C60(C62-OMe-4-i-Pr2-3,5)5Hについて、IR、1H-NMR、13C-NMRおよびTOF法によるAPCI-HRMSの測定を行った。結果を以下に示す。
【0045】
IR (powder, cm-1): 2960 (s), 2928 (s), 2869 (s), 2827 (m) (νC-H), 1479 (s), 1461 (s), 1428 (νC-C);
1H-NMR (400 MHz, CDCl3): δ0.865 (d, 12H, 3J = 7.3 Hz, CHCH3), 0.883 (d, 12H, 3J = 7.3 Hz, CHCH3), 0.887 (d, 12H, 3J = 6.9 Hz, CHCH3), 0.975 (d, 12H, 3J = 6.9 Hz, CHCH3), 0.985 (d, 12H, 3J = 7.32 Hz, CHCH3), 3.08-3.22 (m, 10H, CHCH3), 3.66 (s, 3H, OCH3), 3.67(s, 6H, OCH3), 3.72 (s, 6H, OCH3), 5.70 (s, 1H, FCpH), 7.19 (s, 2H, Ph), 7.32 (s, 4H, Ph), 7.48 (s, 4H, Ph); 13C-NMR (100 MHz, CDCl3): δ23.65 (4C, CHCH3), 23.65 (4C, CHCH3), 23.73 (4C, CHCH3), 23.83 (4C, CHCH3), 23.89 (4C, CHCH3), 26.66 (2C, CHCH3), 26.83 (4C, CHCH3), 26.95 (4C, CHCH3), 58.65 (2C, C60), 59.05 (2C, C60), 61.02 (1C, OCH3), 61.80 (2C, OCH3), 61.82 (2C, OCH3), 61.98 (1C, C60), 63.69 (1C, FCpH), 122.72 (4C, Ph), 123.22 (2C, Ph), 123.31 (4C, Ph), 135.79 (2C, Ph), 136.57 (3C, Ph), 142.10 (4C+2C, Ph, C60), 142.14 (2C, Ph), 142.28 (4C, Ph), 143.07 (2C, C60), 143.60 (2C, C60), 143.96 (2C, C60), 144.07 (2C, C60), 144.10 (2C, C60), 144.34 (2C, C60), 144.51 (2C, C60), 144.79 (2C, C60), 145.52 (3C, C60), 145.86 (2C, C60), 146.07 (2C, C60), 146.38 (2C, C60), 147.03 (1C, C60), 147.16 (2C, C60), 147.25 (2C, C60), 147.76 (2C, C60), 148.06 (2C, C60), 148.12 (2C, C60), 148.20 (2C, C60), 148.33 (2C, C60), 148.64 (2C, C60), 148.66 (2C, C60), 151.67 (2C, C60), 153.08 (2C C60), 153.19 (2C, C60), 153.08 (1C, Ph-a), 154.34 (2C, Ph-a), 154.58 (2C, Ph-a), 155.56 (2C, C60);
APCI-HRMS: m/z calcd. for C125H95O5 [M-H+], 1675.71795, found, 1675.71220.
【0046】
[実施例2]C60(C62-OH-4-i-Pr2-3,5)5Hの製造
【化6】
JP0004953124B2_000005t.gif
スキーム2に示すように、実施例1で合成されたC60(C62-OMe-4-i-Pr2-3,5)5H(280mg、0.167mmol)をオルトジクロロベンゼン溶液(50mL)に溶解し、BBr3・SMe2(515mg、2.51mmol)を加えた。得られた赤色の溶液を120℃で24時間攪拌した後、水(20mL)を加えて反応を停止した。酢酸エチルで有機層を3回抽出し、合わせた赤色の溶液にMgSO4を加えて乾燥させた。MgSO4を濾過して除いた後、減圧下で溶媒を留去させた。高速液体クロマトグラフィ(カラム:Nakalai Tesque社製 Buckyprep, 20 mm×250 mm,溶離液:トルエン/2-プロパノール = 7/3)で精製を行った。精製後、メタノールを加えて析出させ、濾過・乾燥させて目的物であるC60(C62-OH-4-i-Pr2-3,5)5Hを得た(単離収率 57%)。
【0047】
得られたフラーレン誘導体C60(C62-OH-4-i-Pr2-3,5)5Hについて、IR、1H-NMR、13C-NMRおよびTOF法によるAPCI-HRMSの測定を行った。結果を以下に示す。
【0048】
IR (powder, cm-1): 3606 (m), 3593 (m), 3564 (m) (νO-H), 2958 (s), 2929 (s), 2867 (s) (νC-H), 1459 (s), 1449 (s) (νC-C);
1H-NMR (500 MHz, CDCl3): δ 0.892 (d, 12H, 3J = 6.85 Hz, CHCH3), 0.916 (d, 24H, 3J = 6.85 Hz, CHCH3), 1.00 (d, 12H, 3J = 6.90 Hz, CHCH3), 1.01 (d, 12H, 3J = 6.90 Hz, CHCH3), 2.84-3.03 (m, 10H, CHCH3), 4.68 (s, 2H, OH), 4.70 (s, 1H, OH), 4.74 (s, 2H, OH), 5.55 (s, 1H, FCpH), 7.14 (s, 2H, Ph), 7.21 (s, 4H, Ph), 7.38 (s, 4H, Ph); 13C-NMR (125 MHz, CDCl3): δ22.02 (8C, CHCH3), 22.15 (4C, CHCH3), 22.17 (4C, CHCH3), 22.26 (4C, CHCH3), 27.37 (2C, CHCH3), 27.42 (4C, CHCH3), 27.57 (4C, CHCH3), 58.57 (1C, C(sp3)), 58.84 (2C, C(sp3)), 60.84 (2C, C(sp3)), 63.62 (1C, FCpH), 122.65 (4C, Ph), 123.01 (2C, Ph), 123.28 (4C, Ph), 131.91 (2C, Ph), 132.40 (2C, Ph), 132.40 (2C, Ph), 133.65 (4C, Ph), 133.93 (6C, Ph), 138.47 (2C, Ph), 143.01 (2C, C60), 143.84 (2C, C60), 144.04 (2C, C60), 144.12 (2C, C60), 144.27 (4C, C60), 144.86 (2C, C60), 145.70 (2C, C60), 146.05 (2C, C60), 146.25 (2C, C60), 146.47 (2C, C60), 146.94 (1C, C60), 147.09 (2C, C60), 147.17 (2C, C60), 147.69 (2C, C60), 147.99 (4C, C60), 148.14 (1C, C60), 148.30 (2C, C60), 148.38 (2C, C60), 148.59 (4C, C60), 148.62 (2C, C60), 149.41 (1C, Ph-a), 149.82 (2C, Ph-a), 149.93 (2C, Ph-a), 152.18 (2C, C60), 152.63 (2C, C60), 153.18 (2C, C60), 156.10 (2C, C60);
APCI-HRMS: m/z calcd. for C120H86O5 [M-], 1606.64752, found, 1606.64839.
【0049】
[実施例3]C60(C62-[OHf(C5Me5)Me2]-4-i-Pr2-3,5)5Hの製造
【化7】
JP0004953124B2_000006t.gif
スキーム3に示すようにHf(C5Me5)Me3(40.0mg, 0.115 mmol)のTHF(5.0 mL)溶液に、実施例2で合成されたC60(C62-OH-4-i-Pr2-3,5)5H (29.9 mg, 0.0186 mmol)のTHF溶液(5.0mL)をカニュラーで加えた。反応溶液を室温で30分攪拌すると赤色の溶液が得られた。溶媒を減圧下で留去した後、得られた固体をアルゴン下でアセトニトリルにより3回洗浄し、減圧で乾燥させたところ、目的のフラーレン五核ハフニウム錯体が赤色の固体として得られた(収率95%)。
【0050】
得られた固体を一部NMRサンプル管に採り、重THF(0.5mL)を加え、脱気封管した後、1H-NMR、13C-NMRを測定した。結果を以下に示す。
【0051】
1H-NMR (500 MHz, THF-d8): δ-0.240 (s, 6H, HfCH3), -0.221 (s, 6H, HfCH3), -0.214 (s, 6H, HfCH3), -0.193 (s, 6H, HfCH3), -0.187 (s, 6H, HfCH3), 0.884 (d, 12H, J = 6.8 Hz, CHCH3), 0.909 (d, 24H, J = 6.8 Hz, CHCH3), 1.00 (d, 12H, J= 6.8 Hz, CHCH 3), 1.01 (d, 12H, J = 6.8 Hz, CHCH3), 2.00 (s, 15H, Cp*), 2.01 (s, 30H, Cp*), 2.03 (s, 30 H, Cp*), 3.10 (m, 10H, CHCH3), 5.79 (s, 1H, FCpH), 7.24 (s, 2H, Ph), 7.37 (s, 4H, Ph), 7.53 (s, 4H, Ph); 13C-NMR (125 MHz, C4D8O): δ 11.05 (5C, CH3(Cp*)). 11.10 (5C, CH3(Cp*)), 11.15 (5C, CH3(Cp*)), 23.776 (4C. CHCH3), 23.781 (4C. CHCH3), 23.83 (4C. CHCH3), 24.00 (4C. CHCH3), 24.11 (4C. CHCH3), 27.82 (4C, CHCH3), 27.85 (4C, CHCH3), 27.98 (4C, CHCH3), 46.20 (4C, HfCH3), 46.10 (4C, HfCH3), 46.18 (2C, HfCH3), 59.89 (1C, C60), 60.26 (2C, C60), 62.25 (2C, C60), 64.86 (1C, FCp), 119.77 (5C, C(Cp*)), 119.81 (10C, C(Cp*)), 119.84 (10C, C(Cp*)), 122.87 (4C, Ph), 123.26 (2C, Ph), 123.45 (4C, Ph), 132.26 (4C, Ph), 132.82 (4C, Ph), 138.44 (2C, Ph-b), 138.45 (4C, Ph), 138.75 (4C, Ph), 139.26 (2C, Ph), 143.84 (2C, C60), 144.75 (2C, C60), 144.86 (2C, C60), 144.87 (2C, C60), 144.91 (2C, C60), 145.16 (2C, C60), 145.71 (2C, C60), 146.02 (2C, C60), 146.74 (2C, C60), 147.02 (2C, C60), 147.32 (2C, C60), 147.86 (2C, C60), 147.91 (1C, C60), 148.06 (2C, C60), 148.16 (2C, C60), 148.61 (2C, C60), 148.86 (1C, C60), 148.90 (2C, C60), 149.05 (2C, C60), 149.20 (2C, C60), 149.41 (2C, C60), 149.45 (2C, C60), 149.50 (2C, C60), 149.64 (2C, C60), 153.36 (2C, C60), 154.01 (2C, C60), 154.67 (2C, C60), 156.78 (1C, Ph-a), 157.21 (2C, Ph-a), 157.27 (2C, C60), 157.48 (2C, Ph).
【0052】
[実施例4]C60(C62-[OTi(C5Me5)Me2]-4-i-Pr2-3,5)5Hの製造
【化8】
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原料錯体としてTi(C5Me5)Me3を用いた以外は、実施例3と同じ条件でC60(C62-[OTi(C5Me5)Me2]-4-i-Pr2-3,5)5Hを合成した(収率95%)。
【0053】
得られた固体を一部NMRサンプル管に採り、重THF(0.5mL)を加え、脱気封管した後,1H-NMR、13C-NMRを測定した。結果を以下に示す。
【0054】
1H-NMR (500 MHz, THF-d8): δ0.382 (s, 6H, TiCH3), 0.391 (s, 6H, TiCH3), 0.397 (s, 6H, TiCH3), 0.426 (s, 6H, TiCH3), 0.428 (s, 6H, TiCH3), 0.964 (d, 12H, J = 6.85 Hz, CHCH3), 0.976 (d, 24H, J = 6.85 Hz, CHCH3), 1.05 (d, 12H, J = 6.85 Hz, CHCH 3), 1.07 (d, 12H, J = 6.85 Hz, CHCH3), 1.91 (s, 15H, Cp*), 1.92 (s, 30H, Cp*), 1.94 (s, 30 H, Cp*), 3.05-3.18 (m, 10H, CHCH3), 5.99 (s, 1H, FCpH), 7.37 (s, 2H, Ph), 7.48 (s, 4H, Ph), 7.61 (s, 4H, Ph); 13C- NMR (125 MHz, C4D8O): δ11.83 (5C, CH3(Cp*)). 11.87 (5C, CH3(Cp*)), 11.92 (5C, CH3(Cp*)), 24.40 (4C. CHCH3), 24.41 (4C. CHCH3), 24.62 (4C. CHCH3), 24.70 (4C. CHCH3), 24.78 (4C. CHCH3), 27.46 (8C, CHCH3), 27.64 (4C, CHCH3), 54.57 (2C, TiCH3), 54.60 (2C, TiCH3), 54.61 (2C, TiCH3), 54.70 (2C, TiCH3), 54.85 (2C, TiCH3), 59.97 (1C, C60), 60.40 (2C, C60), 62.39 (2C, C60), 64.90 (1C, FCp), 122.85 (2C, Ph), 123.37-123.41 (33C, br, Ph and C(Cp*)), 133.20 (4C, Ph), 134.18 (4C, Ph), 139.42 (2C, Ph), 139.70 (2C, Ph), 139.83 (4C, Ph), 140.03 (4C, Ph), 143.83 (2C, C60), 144.72 (2C, C60), 144.84 (2C, C60), 144.86 (2C, C60), 144.87 (2C, C60), 145.14 (2C, C60), 145.83 (2C, C60), 146.05 (2C, C60), 146.73 (2C, C60), 147.08 (2C, C60), 147.38 (2C, C60), 147.88 (2C, C60), 147.91 (1C, C60), 148.07 (2C, C60), 148.18 (2C, C60), 148.61 (2C, C60), 148.86 (1C, C60), 148.90 (2C, C60), 149.05 (2C, C60), 149.19 (2C, C60), 149.39 (2C, C60), 149.42 (2C, C60), 149.50 (2C, C60), 149.64 (2C, C60), 153.27 (2C, C60), 154.40 (2C, C60), 154.71 (2C, C60), 157.01 (2C, C60), 159.06 (1C, Ph), 159.56 (2C, Ph), 159.72 (2C, Ph).
【0055】
[実施例5]C60(C62-[OHf(C5Me5)Me2]-4-i-Pr2-3,5)5Hを用いたエチレンの重合反応
シュレンク管(パイレックス(登録商標)ガラス製,内容積25mL)に実施例3で合成されたC60(C62-[OHf(C5Me5)Me2]-4-i-Pr2-3,5)5H(7.80mg、2.25μmol)とトルエン(3mL)を入れ、系にエチレンを入れた風船を取り付けて、シュレンク管内部をエチレン雰囲気にした。助触媒として、市販のトリチルテトラキス(ペンタフルオロフェニル)ボレートPh3C+B(C6F5)4(東ソウ・ファインケム(株):商品名Tri-FABA)(10.4 mg、11.25μmol) のトルエン溶液(0.5mL)を素早く加え室温で30分攪拌したところ、徐々に白色の固体が析出した。塩酸のメタノール溶液(20mL)を加えて反応を停止し、得られた白色固体を濾取した。メタノールで三回洗浄し、減圧乾燥により17.3mgのポリエチレンを得た。触媒1モル当たり、1時間当たりの触媒活性は3.09×103 (g-PE/mol of Hf・h)であった。
【0056】
[実施例6]C60(C62-[OTi(C5Me5)Me2]-4-i-Pr2-3,5)5Hを用いたエチレンの重合反応
60(C62-[OHf(C5Me5)Me2]-4-i-Pr2-3,5)5Hの代わりに、触媒として実施例4で合成されたC60(C62-[OTi(C5Me5)Me2]-4-i-Pr2-3,5)5H(6.34mg、2.25μmol)を用いた以外は、実施例5と同様の条件で重合反応を行い、88.1mgのポリエチレンを得た。触媒活性は1.57×104 (g-PE/mol of Ti・h)であった。
【産業上の利用可能性】
【0057】
本発明の活用法として、例えば、ポリエチレン等の重合体の合成を挙げることができる。