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明細書 :果菜類の果房収穫装置及び果菜類の選択収穫方法

発行国 日本国特許庁(JP)
公報種別 特許公報(B2)
特許番号 特許第5294173号 (P5294173)
公開番号 特開2011-115044 (P2011-115044A)
登録日 平成25年6月21日(2013.6.21)
発行日 平成25年9月18日(2013.9.18)
公開日 平成23年6月16日(2011.6.16)
発明の名称または考案の名称 果菜類の果房収穫装置及び果菜類の選択収穫方法
国際特許分類 A01D  46/30        (2006.01)
FI A01D 46/30
請求項の数または発明の数 9
全頁数 21
出願番号 特願2009-211870 (P2009-211870)
出願日 平成21年9月14日(2009.9.14)
新規性喪失の例外の表示 特許法第30条第1項適用 平成20年3月20日,第67回農業機械学会年次大会講演要旨にて発表
優先権出願番号 2008239771
優先日 平成20年9月18日(2008.9.18)
優先権主張国 日本国(JP)
審査請求日 平成24年7月17日(2012.7.17)
特許権者または実用新案権者 【識別番号】501203344
【氏名又は名称】独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構
発明者または考案者 【氏名】大森 弘美
【氏名】黒崎 秀仁
【氏名】高市 益行
【氏名】川嶋 浩樹
個別代理人の代理人 【識別番号】110000383、【氏名又は名称】特許業務法人 エビス国際特許事務所
審査官 【審査官】木村 隆一
参考文献・文献 特開平05-168333(JP,A)
特開2004-180554(JP,A)
特開平08-103139(JP,A)
特開平05-168335(JP,A)
特開平09-081749(JP,A)
調査した分野 A01D 46/30
特許請求の範囲 【請求項1】
果菜類の株の側方に架設され、該株の茎から延びる果房の果柄を掛止して該果房を吊り下げた状態に支持する果房支持部材と、
果房を撮影するカメラと、
果房の果柄を切断するとともに該果柄を挟持可能な採果ハサミと、
前記採果ハサミを開閉させる開閉アクチュエータと、
前記カメラ及び前記採果ハサミを三次元方向に移動させる移動アクチュエータを有して、前記カメラ及び前記採果ハサミを移動可能に支持する移動機構部と、
前記移動機構部の前記移動アクチュエータ及び前記開閉アクチュエータの作動を制御するとともに、前記カメラで果房を撮影し、撮影された果房の画像に基づいて該果房が採果可能な否か判断する作動制御部と、
前記開閉アクチュエータと前記移動機構部と前記作動制御部を搭載し、株を栽培して直列的に設置された栽培ベッドに沿って自走可能な走行車体とを備え、
前記作動制御部は、栽培ベッドに沿って前記走行車体が移動すると、前記移動アクチュエータの作動を制御して、前記採果ハサミを前記果房支持部材の上下位置と同じ又は略同じ位置まで上下方向に移動させ、前記果房支持部材に吊り下げられた果房を前記カメラで撮影して該果房が採果可能であるか否か判断し、前記果房が採果可能であると判断すると、前記移動アクチュエータの作動を制御して、前記採果ハサミを前記果房支持部材に近接する位置まで移動させ、前記採果ハサミを前記果房支持部材に吊り下げられた前記果房の果柄の位置まで移動させ、前記開閉アクチュエータの作動を制御して、前記採果ハサミによって前記果房の果柄を切断して挟持させることを特徴とする果菜類の果房収穫装置。
【請求項2】
前記採果ハサミが前記果房支持部材の上下位置と同じ又は略同じ位置に移動したことを検出する上下位置検出センサと、
前記採果ハサミが前記果房支持部材に近接した位置に移動したことを検出する接近センサと、
前記採果ハサミが開いた状態の一対の刃部の内側空間内に前記果房支持部材に掛止された果柄があることを検出する果柄検出センサとを備え、
前記作動制御部は、
前記上下位置検出センサからの上下位置信号が発生するまで前記移動機構部の作動を制御して前記採果ハサミを上下方向に移動させ、
前記接近センサからの接近信号が発生するまで前記移動機構部の作動を制御して前記採果ハサミを横方向に移動させ、
前記果柄検出センサからの接近信号が発生するまで前記移動機構部の作動を制御して前記採果ハサミを前記果房支持部材に沿って移動させることを特徴とする請求項1に記載の果菜類の果房収穫装置。
【請求項3】
前記果房支持部材は、上下方向に位置調節自在に架設されていることを特徴とする請求項1又は2に記載の果菜類の果房収穫装置。
【請求項4】
前記採果ハサミは、前記果房支持部材の長手方向に沿って延びる方向に配置されるとともに、前記採果ハサミの刃部が略垂直方向に回動可能に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の果菜類の果房収穫装置。
【請求項5】
前記上下位置検出センサは、前記移動機構部に設けられ、前記採果ハサミの上下位置と同じ又は略同じ位置に配設された光学式の非接触センサであり、
前記接近センサは、前記採果ハサミの果房支持部材側に面する部分に設けられて接触端子を有した接触式センサ、又は前記採果ハサミを支持して前記果房支持部材に面する支持部材に設けられた光学式の非接触センサであり、
前記果柄検出センサは、前記採果ハサミの先端側に設けられ、該採果ハサミの開いた一対の刃部の内側空間内に延びる接触端子を有した接触式センサであることを特徴とする請求項2に記載の果菜類の果房収穫装置。
【請求項6】
前記走行車体には、前記採果ハサミによって採果された果房を搬送する搬送コンベヤが設けられていることを特徴とする請求項1~5のいずれかに記載の果菜類の果房収穫装置。
【請求項7】
前記搬送コンベヤは、前記走行車体の進行方向に対して幅方向にスライド自在に設けられていることを特徴とする請求項6に記載の果菜類の果房収穫装置。
【請求項8】
栽培ベッドに栽培された株の側方に架設され、該株の茎から延びる果房の果柄を掛止して該果房を吊り下げた状態に支持する果房支持部材に掛止された果房の株の前方に採果ハサミを搭載した走行車体を移動させ、前記採果ハサミを三次元方向に移動可能に支持する移動機構部の作動を制御して、前記採果ハサミを前記果房支持部材の上下位置と同じ又は略同じ位置まで上下方向に移動させ、カメラにより前記果房を撮影し、撮影された前記果房の画像に基づいて前記果房が採取可能であるか否かを判断し、前記果房が採取可能であると判断すると、前記採果ハサミを開いて前記果房支持部材に近接する位置まで移動させ、若しくは前記採果ハサミを前記果房支持部材に近接する位置まで移動させてから該採果ハサミを開き、前記採果ハサミを前記果房支持部材に吊り下げられた前記果房の果柄に接触する位置まで移動させ、前記採果ハサミを閉じて前記果房の果柄を切断して挟持させ、上記動作を果房がなる株が直列的に栽培された栽培ベッドに沿って移動しながら行うことにより、収穫適期の果房を選択的に収穫することを特徴とする果菜類の選択収穫方法。
【請求項9】
前記採果ハサミによって、前記栽培ベッドに栽培された1段目の果房の収穫を終了すると、上下方向に位置調節自在に架設された果房支持部材を前記1段目よりも上段に栽培された果房の収穫高さに位置調節すると共に、前記上段の果房の収穫を開始する収穫開始位置に前記走行車体を移動させ、前記走行車体を前記収穫開始位置から前記栽培ベッドに沿って移動させながら、前記採果ハサミによって前記上段の果房の収穫を行うことを特徴とする請求項8に記載の果菜類の選択収穫方法。
発明の詳細な説明 【技術分野】
【0001】
本発明は、果菜類の果実を果房毎に収穫する装置及びその収穫方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、果菜類の施設生産が盛んに行われているが、依然として多くの作業が人手で行われているのが現状である。このため、所要労働時間が著しく多くなり、作業の機械化や装置化による省力化が求められている。
【0003】
ところで、作業のうち誘引や摘果などの管理作業は、複雑な作業であるので機械化は困難であるが、収穫作業は、果菜類の収穫適期の果実の位置が特定できれば自動収穫が可能であるので、以前から試みられている(特許文献1~3参照)。
【0004】
果菜類の収穫作業には、例えば、マニピュレータ先端に取り付けられたカメラで撮影した果菜類の全体画像を解析して画面内にある果実の方向を計算し、この計算結果からマニピュレータ先端を果実方向に接近させ、カメラにより再度撮影した画像データとマニピュレータ先端から果実までの距離と果実の大きさ判定と果柄の位置検出を行い、採果ハサミを果柄に接近させて果柄を切断するとともに挟持して採果する方法がある(特許文献1参照)。また果実全体の位置認識を行う第1のカメラと、一個の果実の形状と果柄の位置認識を行う第2のカメラを備え、第1のカメラで撮像された画像から摘採される果菜位置を求め、ロボットハンドを果菜位置まで移動させ、第2のカメラで撮像された画像から一個ごとの果菜の果実と果柄の位置を求め、求めた果柄部の位置にロボットハンドのフィンガーを移動させて把持、切断を行う果菜類の収穫作業がある(特許文献2参照)。さらに、CCDカメラにより果菜類(キュウリ)を撮像し、この撮像された果菜類(キュウリ)の画像から果菜類(キュウリ)の位置を算出して、マニュピュレータを移動させて果菜類(キュウリ)を吸着パットで吸着し、吸着された果菜類(キュウリ)の側面に接触しながら上下方向に移動可能に支持された摘果プレートが上方に所定距離を有してスライド移動したときに検出スイッチが摘果プレートを検出すると、果柄部が検出できないとする果菜類の収穫作業がある(特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【0005】

【特許文献1】特開2004-180554号公報(段落0009~0016、図1、図9)
【特許文献2】特開2001-095348号公報(段落0010~0018、図1、図4)
【特許文献3】特開2000-188928号公報(段落0010~0011、図1、図3)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載の収穫作業は、果実の切断位置を特定するために、カメラで撮影した果菜類の全体画像を解析し、さらに果実に接近したマニピュレータ先端と果実を再度撮影した画像を解析する必要がある。また特許文献2に記載の収穫作業では、第1のカメラで果実全体の位置認識を行い、第2のカメラで撮像された画像から一個ごとの果菜の果実と果柄の位置を解析する必要がある。また特許文献3に記載の収穫作業では、果菜類(キュウリ)が吸着された状態で摘果プレートを上方へ移動させて検出スイッチが摘果プレートを検出すると、果柄部が検出できないと判断されて、果菜類(キュウリ)の吸着位置を変更して、再度摘果プレートを上方へ移動させて検出スイッチが摘果プレートを検出しない状態になるまで、果菜類(キュウリ)の吸着位置変更と摘果プレートの上方へのスライド移動を繰り返する必要がある。
【0007】
またこれら従来の収穫作業では、個々の果実の果柄を切断、把持したり、果実を把持・吸引するため、切断位置がずれると、果実が損傷したり、へたが取れたり、果実位置によっては他の果実の果柄等が邪魔をして収穫できないという問題がある。
【0008】
本発明は、果実を損傷させることなく収穫ができ、且つ切断位置を簡素な構造で特定可能な果菜類の収穫装置及び収穫方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
このような課題を解決するため、本発明の果菜類の果房収穫装置は、果菜類の株の側方に架設され、該株の茎から延びる果房の果柄を掛止して該果房を吊り下げた状態に支持する果房支持部材と、果房を撮影するカメラと、果房の果柄を切断するとともに該果柄を挟持可能な採果ハサミと、前記採果ハサミを開閉させる開閉アクチュエータ(例えば、実施形態における開閉シリンダ50)と、前記カメラ及び前記採果ハサミを三次元方向に移動させる移動アクチュエータ(例えば、実施形態における搬送シリンダ61,高さ調節用シリンダ63,収穫用シリンダ65)を有して、前記カメラ及び前記採果ハサミを移動可能に支持する移動機構部と、前記移動機構部の前記移動アクチュエータ及び前記開閉アクチュエータの作動を制御するとともに、前記カメラで果房を撮影し、撮影された果房の画像に基づいて該果房が採果可能な否か判断する作動制御部と、前記開閉アクチュエータと前記移動機構部と前記作動制御部を搭載し、株を栽培して直列的に設置された栽培ベッドに沿って自走可能な走行車体とを備え、前記作動制御部は、栽培ベッドに沿って前記走行車体が移動すると、前記移動アクチュエータの作動を制御して、前記採果ハサミを前記果房支持部材の上下位置と同じ又は略同じ位置まで上下方向に移動させ、前記果房支持部材に吊り下げられた果房を前記カメラで撮影して該果房が採果可能であるか否か判断し、前記果房が採果可能であると判断すると、前記採果ハサミを前記果房支持部材に近接する位置まで移動させ、前記採果ハサミを前記果房支持部材に吊り下げられた前記果房の果柄の位置まで移動させ、前記開閉アクチュエータの作動を制御して、前記採果ハサミによって前記果房の果柄を切断して挟持させることを構成要件とする(請求項1)。
【0010】
果房を吊り下げた状態に支持する果房支持部材は、果房を吊り下げ状態で支持可能なものであればよく、具体的には、直列的に配置された株の栽培ベッドの側方に架設された棒状部材である。果房支持部材は果房を吊り下げた状態において撓みが小さいものがよく、材質は、金属、木、合成樹脂等のいずれでもよい。また果房支持部材の形状は、側面視において、板状、U字状、L字状、矩形状等のいずれでもよい。また果房支持部材の上部に株の位置に応じた切り欠き部を複数設け、各切り欠き部に果房の果柄を入れて、果房が果房支持部材の長手方向にずれにくいようにしてもよい。
【0011】
また、果房支持部材は、上下方向に位置調節自在に架設されてもよい(請求項3)。果房支持部材を上下方向に移動させる移動手段は、手動式や電動式のいずれでもよい。移動手段は、具体的には、直列的に配置された株の栽培ベッドの長手方向に間隔を有して立設された複数の支柱の上部間に架設された連結部材に沿って回転自在に支持された直管パイプと、直管パイプを水平部材に対して回転させる回転機構部と、直管パイプに一端部が接続されて他端側が下方へ延びて他端部が果房支持部材に接続された紐部材とを有して構成される。回転機構部は、操作ハンドルを回転することで直管パイプを回転させる手動式や、モータの駆動によって直管パイプを回転させる電動式のいずれでもよい。
【0012】
カメラは果菜類の果房の果実の色を認識できるものが好ましい。採果ハサミは、果房の果柄を切断するとともに果柄を挟持可能なものであり、具体的には、ハサミの固定刃と可動刃の各片側に果柄を挟持可能な一対の挟持体を設けたものでもよい。
【0013】
採果ハサミは、前記果房支持部材の長手方向に沿って延びる方向に配置される(請求項4)。このように採果ハサミを果房支持部材の長手方向に沿って延びる方向に配置することで、採果ハサミの刃部を開いた状態で果房支持部材の長手方向に移動させると、開いた刃部間に果房支持部材に吊り下げられた果房の果柄を容易に入れることができ、果柄の切断・挟持を確実に行うことができる。
【0014】
また採果ハサミは、その刃部が略垂直方向に回動可能に配置されていることが好ましい(請求項4)。採果ハサミの刃部は、具体的には、固定刃の刃縁に対して可動刃の刃縁が接触可能に構成される。刃部が略垂直方向に回動可能に配置されるとは、具体的には固定刃に対して可動刃が略垂直方向に回動可能に配置される状態をいう。これにより、採果ハサミの刃部を果房支持部材に近接させた位置に配置することができ、果房支持部材に掛止された果房の果柄が短い場合でも、採果ハサミの刃部が果房に接触して果房を傷つけることなく、果柄を切断することができる。
【0015】
移動機構部の移動アクチュエータは、カメラや採果ハサミを三次元方向に移動させるものであり、具体的には、各次元毎に移動アクチュエータを設けるのがよい。移動アクチュエータは、電動モータを駆動源とするシリンダやスライダが移動可能な電動シリンダが好ましい。
【0016】
作動制御部による果房の採取可能判断は、具体的には、カメラにより撮影された果房のカラー画像を所定の画素に分解し、画素の色が特定の色を有して且つ所定の彩度を超えているか否かを判定し、特定の色で且つ彩度が所定値を超えた画素数が所定値を超えると果房が採取可能であると判断するようにしてもよい。作動制御部による移動アクチュエータの作動制御は、採果ハサミが果房支持部材に近づくように移動アクチュエータの作動を制御した後に、採果ハサミが果房支持部材の長手方向に沿って移動するように移動アクチュエータの作動を制御する。採果ハサミの果房支持部材側への移動は、具体的には、採果ハサミを果房支持部材の上下位置と同じ又は略同じ位置まで上下方向に移動させた後に、採果ハサミが果房支持部材に近接するように採果ハサミを水平方向に移動させる。
【0017】
自走可能な走行車体は、駆動源からの動力を受けて走行可能なものであればよく、タイヤを有して走行可能なものや、鉄輪を有して軌道上を走行可能なもののいずれでもよい。
【0018】
果菜類の果房収穫装置は、前記採果ハサミが前記果房支持部材の上下位置と同じ又は略同じ位置に移動したことを検出する上下位置検出センサと、前記採果ハサミが前記果房支持部材に近接した位置に移動したことを検出する接近センサと、前記採果ハサミが開いた状態の一対の刃部の内側空間内に前記果房支持部材に掛止された果柄があることを検出する果柄検出センサとを備え、前記作動制御部は、前記上下位置検出センサからの上下位置信号が発生するまで前記移動機構部の作動を制御して前記採果ハサミを上下方向に移動させ、前記接近センサからの接近信号が発生するまで前記移動機構部の作動を制御して前記採果ハサミを横方向に移動させ、前記果柄検出センサからの接近信号が発生するまで前記移動機構部の作動を制御して前記採果ハサミを前記果房支持部材に沿って移動させることを構成要件とする(請求項2)。
【0019】
上下位置検出センサは、採果ハサミが果房支持部材の上下位置と同じ又は略同じ位置に移動したことを検出するものであり、具体的には、上下位置検出センサは、移動機構部に設けられて採果ハサミの上下位置と同じ又は略同じ位置に配設された光学式の非接触センサである(請求項5)。上下位置検出センサの取り付け位置は、採果ハサミと略同じ高さの位置が好ましい。このようにすると、上下位置検出センサの水平方向前方に果房支持部材が位置すると、採果ハサミを果房支持部材の上下位置と同じ又は略同じ位置に移動させることができる。
【0020】
接近センサは、採果ハサミが果房支持部材に近接した位置に移動したことを検出するものであり、具体的には、接近センサは、採果ハサミの果房支持部材側に面する部分に設けられて接触端子を有した接触式センサ、又は採果ハサミを支持して果房支持部材側に面する支持部材に設けられた光学式の非接触センサである(請求項5)。果房支持部材側に面する部分とは、採果ハサミが果房支持部材側に接近移動時の採果ハサミの移動端側の端部である。採果ハサミの移動端側の端部に接近センサを設けることで、採果ハサミが果房支持部材の近傍に移動すると、採果ハサミよりも先に接近センサを果房支持部材に接触させることができると共に、採果ハサミが果房支持部材に接近した状態を確実に検出することができる。
【0021】
採果ハサミを支持する支持部材に非接触式の接近センサを設ける場合には、採果ハサミを果房支持部材に面する姿勢で支持する支持部材に接近センサを設けることが好ましい。このようにすると、採果ハサミが果房支持部材の近傍に移動すると、接近センサにより果房支持部材に対する採果ハサミの位置が検出されて、採果ハサミが果房支持部材に接近したことを確実に検出することができる。
【0022】
果柄検出センサは、採果ハサミが開いた状態の一対の刃部の内側空間内に前記果房支持部材に掛止された果柄があることを検出するものであり、具体的には、採果ハサミの先端側に設けられ、該採果ハサミの開いた一対の刃部の内側空間内に延びる接触端子を有した接触式センサである(請求項5)。果柄検出センサの取り付け位置は、採果ハサミの先端側であればよく、採果ハサミの先端側に直接に設けたり、採果ハサミを取り付けた移動機構部に取り付けてもよい。
【0023】
また本発明は、走行車体には、採果ハサミによって採果された果房を搬送する搬送コンベヤが設けられていることを構成要件とする(請求項6)。搬送コンベヤは、採果ハサミによって採果された果房を搬送コンベヤ上に載置すると、果房をコンベヤ搬送方向下流側に搬送する。搬送コンベヤは採果ハサミの移動範囲内のいずれかの位置の下方に配置される。搬送コンベヤは、自動で作動するようにする。この場合、搬送コンベヤに果房を検出可能な果房検出センサを設け、この果房検出センサにより果房が検出されると搬送コンベヤが作動するようにしてもよい。搬送コンベヤによる果房の搬送方向は、走行車体の進行を邪魔しない方向、例えば、走行車体の進行方向後方側が好ましい。
【0024】
また、搬送コンベヤは、走行車体の進行方向に対して幅方向にスライド自在に設けられていることを構成要件とする(請求項7)。搬送コンベヤをスライドさせる機構は、搬送コンベヤをスライド自在に支持する構造であればなんでもよい。この構造は、具体的には、スライドレールを介して搬送コンベヤを支持したり、搬送コンベヤ及び走行車体のいずれか一方にローラを設け、いずれか他方にローラの移動を案内する案内溝を設けて構成されてもよい。
【0025】
また本願発明の果菜類の選択収穫方法は、栽培ベッドに栽培された株の側方に架設され、該株の茎から延びる果房の果柄を掛止して該果房を吊り下げた状態に支持する果房支持部材に掛止された果房の株の前方に採果ハサミを搭載した走行車体を移動させ、前記採果ハサミを三次元方向に移動可能に支持する移動機構部の作動を制御して、前記採果ハサミを前記果房支持部材の上下位置と同じ又は略同じ位置まで上下方向に移動させ、カメラにより前記果房を撮影し、撮影された前記果房の画像に基づいて前記果房が採取可能であるか否かを判断し、前記果房が採取可能であると判断すると、前記採果ハサミを開いて前記果房支持部材に近接する位置まで移動させ、若しくは前記採果ハサミを前記果房支持部材に近接する位置まで移動させてから該採果ハサミを開き、前記採果ハサミを前記果房支持部材に吊り下げられた前記果房の果柄に接触する位置まで移動させ、前記採果ハサミを閉じて前記果房の果柄を切断して挟持させ、上記動作を果房がなる株が直列的に栽培された栽培ベッドに沿って移動しながら行うことにより、収穫適期の果房を選択的に収穫することを構成要件とする(請求項8)。
【0026】
このように、採果ハサミを果房支持部材の上下位置と同じ又は略同じ位置まで移動させた後に、カメラにより撮影された果房が採取可能であると、採果ハサミを開いて果房支持部材に近接する位置まで移動させ、若しくは採果ハサミを果房支持部材に近接する位置まで移動させてから該採果ハサミを開き、果房支持部材に吊り下げられた果房の果柄に接触する位置まで移動させ、そして採果ハサミを閉じて果房の果柄を切断して挟持させる動作を栽培ベッドに沿って移動しながら行うことにより、採果ハサミは果房の果柄を切断するので、採果ハサミが果房の果実に接触して果実を傷める虞を無くすことができる。また採果ハサミを果房の果柄まで移動させる際に、採果ハサミを上下方向に移動させる制御を除き、採果ハサミの移動制御は、採果ハサミを果房支持部材に近接させ、そして採果ハサミを果柄に接触させて、採果ハサミの移動を停止させるように採果ハサミの移動を制御するので、果房支持部材や果柄の位置を予め解析して特定する必要がない。このため、果菜類の選択収穫方法やこれを実行する装置を簡素化することができる。
【0027】
また、本願発明の果菜類の選択収穫方法は、採果ハサミによって、栽培ベッドに栽培された1段目の果房の収穫を終了すると、上下方向に位置調節自在に架設された果房支持部材を1段目よりも上段に栽培された果房の収穫高さに位置調節すると共に、上段の果房の収穫を開始する収穫開始位置に走行車体を移動させ、走行車体を収穫開始位置から栽培ベッドに沿って移動させながら、採果ハサミによって上段の果房の収穫を行うことを構成要件とする(請求項9)。
【0028】
このようにすることで、栽培ベッドに複数段の果房が栽培されている場合、これら全ての果房を収穫することができる。上段の果房の収穫を開始する収穫開始位置は、1段目の果房の収穫開始位置の周辺位置をいう。走行車体を上段の果房の収穫を開始する収穫開始位置に移動させる作業は、手動で行ってもよいし、自動化してもよい。果房支持部材は、2段以上、上下方向に位置調節自在に設けてもよい。
【発明の効果】
【0029】
本発明に係わる果菜類の果房収穫装置及び果菜類の選択収穫方法によれば、採果ハサミを果房支持部材に接近移動させ、採果ハサミを果房の果柄に接触させて果柄を切断・挟持することにより、果実を傷つけることなく果房の収穫を行うことができ、また果柄の位置を予め解析して特定する必要がなく、果菜類の選択収穫方法やこれを実行する装置を簡素化することができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係わる果菜類の果房収穫装置を示し、同図(a)は果房収穫装置の平面図であり、同図(b)は果房収穫装置の側面図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係わる果房収穫装置に設けられた採果ハサミの拡大斜視図を示す。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係わる果房収穫装置を用いた果菜類の選択収穫方法を説明するための側面図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態に係わる果房収穫装置を用いた果菜類の選択収穫方法を説明するための側面図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態に係わる果菜類の選択収穫方法を説明するためのフローチャートを示す。
【図6】本発明の第1の実施の形態に係わる果菜類の選択収穫方法を説明するためのフローチャートを示す。
【図7】本発明の第2の実施の形態に係わる果菜類の果房収穫装置の概略側面図を示す。
【図8】本発明の第2の実施の形態に係わる果菜類の果房収穫装置の果房支持部材を上下方向に移動させる移動手段の斜視図を示す。
【図9】本発明の第2の実施の形態に係わる果菜類の果房収穫装置の斜視図を示す。
【図10】本発明の第2の実施の形態に係わる果房収穫装置の要部拡大斜視図を示す。
【図11】本発明の第2の実施の形態に係わる果房収穫装置による果房収穫時における果菜ハサミ裏面側の拡大斜視図を示す。
【図12】本発明の第2の実施の形態に係わる果房収穫装置の要部斜視図を示す。
【図13】本発明の第2の実施の形態に係わる果房収穫装置に設けられた搬送コンベヤの斜視図を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、本発明に係わる果菜類の果房収穫装置及び果菜類の選択収穫方法の好ましい実施の形態を図1から図13に基づいて説明する。先ず、本発明に係わる果菜類の果房収穫装置について説明する。なお、本実施形態では、果菜類のうちトマトを例にして説明するが、本発明の果菜類の果房収穫装置及び果菜類の選択収穫方法は、トマト以外の果菜類(なす、きゅうり)にも適用可能である。

【0032】
[第1の実施の形態]
先ず、第1の実施の形態に関する果菜類の果房収穫装置について説明する。果菜類の果房収穫装置1は、図3(側面図)に示すように、直列的に配置された株90の栽培ベッドBの前方に栽培ベッドBに沿って並設された2本のレールR上を移動しながら株90から生育した果房91を採取するものである。この果房収穫装置1は、果菜類の株90の側方に架設されて株90の茎から延びる果房91の果柄92を掛止して果房90を吊り下げた状態に支持する果房支持部材10と、レールR上を走行可能な走行車体15と、走行車体15の上部に搭載されて昇降可能な昇降機構部20と、昇降機構部20上に設けられ果房91を撮影するカメラ30と、果房91の果柄92を切断するとともに果柄92を挟持可能な採果ハサミ40(図2参照)と、採果ハサミ40を開閉させる開閉シリンダ50(図2参照)と、カメラ30及び採果ハサミ40を移動可能に支持する移動機構部60と、開閉シリンダ50や移動機構部60の作動を制御して採果ハサミ40を果房91の果柄92に移動させるとともに果柄92を切断して挟持させる作動制御部80とを備えて構成される。

【0033】
果房支持部材10は、直列的に所定間隔を有して設けられた複数の栽培ベッドBの長手方向両端部に立設された支柱11間に掛け渡された棒状板部材である。果房支持部材10は、その長手方向の両端部が支柱11に支持されて略水平方向に延びている。図面上では、1段果房の近くに果房支持部材10が架設された場合を示している。なお、複数段果房の場合には、これらに応じた高さの果房支持部材10を設けることになる。果房支持部材10は、果房91を吊り下げた状態において撓みが小さいものがよく、果房支持部材10の材質は、金属、木、合成樹脂等のいずれでもよい。また果房支持部材10の形状は、側面視において板状、U字状、L字状、矩形状等のいずれでもよい。また果房支持部材10の上部に複数の株に対応する切り欠き部を設け、各切り欠き部に果房91の果柄92を入れて、果房91が果房支持部材10の長手方向にずれにくいようにしてもよい。

【0034】
走行車体15は、図1(a)(平面図)及び図1(b)(側面図)に示すように、機体16と、機体16の底部の前部及び後部に前輪17及び後輪18を配設してレールR上を走行可能であり、機体16に設けられたモータ等の駆動源(図示せず)からの駆動力を受けて前輪17及び後輪18の少なくともいずれかが回転駆動可能に構成されている。機体16は、枠体16aとこの上部及び底部に板部材を配設して箱状に形成されている。駆動源は、電動モータであり、枠体16aに搭載されたバッテリー等の電池からの電力供給を受けて回転駆動するようになっている。なお、駆動源は、電動モータに限るものではなく、エンジン、油圧モータ等でもよい。

【0035】
駆動源への電力供給は、枠体16aに設けられた操作スイッチ(図示せず)の操作に応じて供給される。即ち、操作スイッチが操作されると、電池から駆動源に電力が供給されて駆動源の駆動軸が回転するように構成されている。

【0036】
一方、駆動源への電力供給の遮断は、一対のレールR間であって株90(図3参照)の前方に設置された磁石3からの磁力を、機体16の下部に設けられた磁力センサ4が検出をすると、作動制御部80が駆動源と電池との間の電気的接続を遮断することによって行われる。なお、磁力センサ4の取り付け位置は、磁石3の設置位置によって決まり、磁石3が一対のレールRの幅方向外側に設置されている場合には、磁力センサ4は機体16の幅方向外側位置や、機体16から側方に位置する場所に設けられる。また磁力センサ4の代わりに非接触式の光センサやリミットスイッチ等の接触センサにしてもよい。光センサを使用する場合には、株90の前方に光センサからの光を反射可能な反射板を設置し、接触センサを使用する場合には、株90の前方に接触センサに接触可能な突起物を設置する。

【0037】
昇降機構部20は、いわゆるシザースリンク機構21と、このシザースリンク機構21を駆動させる昇降シリンダ(図示せず)を有してなる。シザースリンク機構21は、複数の腕部材22を有して上下方向に伸縮可能に構成され、複数の腕部材22の上端部には略水平方向に延びる天板部23が設けられて、シザースリンク機構21の伸縮によって天板部23が昇降可能である。昇降シリンダは、シザースリンク機構21に接続されて、昇降シリンダの伸縮によってシザースリンク機構21を上下方向に伸縮させる。昇降シリンダは、例えば、単動式の油圧シリンダであり、手動式の油圧ポンプから供給される作動油によって伸長し、油圧シリンダに供給された作動油を油圧ポンプ側へ戻すことで、油圧シリンダが縮小するようになっている。なお、昇降シリンダは、手動式に限るものではなく、電動式等にして自動的に伸縮するようにしてもよい。

【0038】
移動機構部60は、昇降機構部20の天板部23上に走行車体15の進行方向に沿って配設された搬送シリンダ61と、搬送シリンダ61に設けられたスライダ62上に起立状態に配設された高さ調節用シリンダ63と、高さ調節用シリンダ63の進行方向後側に設けられたスライダ64にロッド側先端部が株側に伸縮可能に取り付けられた収穫用シリンダ65と、収穫用シリンダ65のロッド側先端部に取り付けられた採果ハサミ40を開閉させる開閉シリンダ50とを有してなる。

【0039】
搬送シリンダ61は電動シリンダであり、走行車体15の進行方向に沿って延びるシリンダ本体61aに回転可能に設けられたボールネジ(図示せず)にスライダ62(図1(b)参照)が螺合し、ボールネジを電動モータ(図示せず)で回転させてスライダ62をボールネジに沿って移動させるように構成されている。スライダ62の位置調節は、ボールネジに接続された電動モータの回転数を制御することによって行われ、スライダ62を天板部23の長手方向一方側と他方側との間で移動可能である。電動モータの回転数制御は、詳細は後述するが、作動制御部80によって行われる。

【0040】
スライダ62上にはこの移動方向に対して直交する方向に延びる載置台66が取り付けられている。載置台66は、搬送シリンダ61を中央にしてシリンダ幅方向に延び、載置台66の長手方向両端部の下部には、ローラ67が回転自在に設けられている。このローラ67は、搬送シリンダ61のシリンダ幅方向両側に搬送シリンダ61に沿って配設された一対の安定板68上を転動して採果ハサミ40を安定に支持している。なお、天板部23の長手方向前側には、採果された果房を載置可能な収納部69が設けられている。

【0041】
高さ調節用シリンダ63は、搬送シリンダ61と同様に構成され、垂直方向に延びるシリンダ本体63aに回転可能に設けられたボールネジ(図示せず)にスライダ64が螺合し、ボールネジを電動モータ(図示せず)で回転させてスライダ64をボールネジに沿って移動させるように構成されている。電動モータの回転数制御は、詳細は後述するが、作動制御部80によって行われる。

【0042】
収穫用シリンダ65は、いわゆる伸縮シリンダであり、電動モータ(図示せず)の回転によってシリンダチューブ65aに対してシリンダロッド65bが伸縮可能に構成されている。シリンダチューブ65aに対するシリンダロッド65bの伸縮量は、電動モータの回転数を制御することによって行われ、この制御は、詳細は後述するが、作動制御部80が行う。

【0043】
このように、搬送シリンダ61、高さ調節用シリンダ63、収穫用シリンダ65によって、収穫用シリンダ65のロッド側端部に設けられた採果ハサミ40を三次元的に移動させることができる。

【0044】
収穫用シリンダ65のシリンダロッド65bの先端部には、図2(斜視図)に示すように、側面視L字形をした支持板70が取り付けられ、この支持板70上に採果ハサミ40の開閉を行う開閉シリンダ50が取付板71を介して取り付けられている。開閉シリンダ50は、複動型の空気シリンダであり、走行車体15(図1(b)参照)に設置されたコンプレッサ(図示せず)から供給される空気によって伸長し、開閉シリンダ50とコンプレッサとの間に設けられた方向切替弁(図示せず)を介して開閉シリンダ50内の空気を排出することで、開閉シリンダ50が縮小するようになっている。方向切替弁の作動制御は、作動制御部80が行う。なお、開閉シリンダ50は空気シリンダに限るものではなく、電動モータ、電動シリンダ、油圧シリンダ等でもよい。

【0045】
開閉シリンダ50のロッド側端部に設けられた採果ハサミ40は、固定刃41と可動刃42とを有して構成され、採果ハサミ40が閉じた状態で、採果ハサミ40は収穫用シリンダ65の伸長方向と直交する方向に配設されている。つまり、採果ハサミ40は、走行車体15の進行方向に沿った方向に配設されている。

【0046】
採果ハサミ40の固定刃41の基端側端部は支持板70の裏面側へ延びてボルト等によって固定されている。可動刃42は、その基端部が固定刃側へ張り出すフランジ部42aを備え、フランジ部42aの基端側が固定刃41の基端部に対して回動自在に取り付けられるとともに、フランジ部42aの先端側が開閉シリンダ50のロッド側端部に接続されている。このため、開閉シリンダ50が伸縮すると、可動刃42は固定刃41に対して回動して、採果ハサミ40が開閉する。可動刃42と固定刃41の各片側には果柄を挟持可能な一対の挟持体43が設けられている。なお、フランジ部42aは、採果ハサミ40が閉じた状態になると、その先端部が採果ハサミ40の最も外側に位置するように張り出している。このため、採果ハサミ40が閉じた状態で収穫用シリンダ65が伸長すると、フランジ部42aの先端部が図3に示す果房支持部材10に最初に接触することになる。

【0047】
フランジ部42aの先端側の上部には、接近センサ44が取り付けられている。この接近センサ44は、フランジ部42aの先端側の上部に取り付けられたスイッチ本体部44aと、このスイッチ本体部44aから延びる接触端子44bとを有したリミットスイッチであり、接触端子44bはフランジ部42aの先端よりも外側に配置されている。このため、採果ハサミ40が開いている状態で収穫用シリンダ65が伸長して採果ハサミ40が果房支持部材側に移動すると、接触端子44bが最初に果房支持部材10に接触して、採果ハサミ40が果房支持部材10に接近移動したことを検出することができる。

【0048】
可動刃42の基端側の上方には、開いた採果ハサミ40の可動刃42と固定刃41との間の空間45内に果房91の果柄92があることを検出可能な果柄検出センサ46が設けられている。この果柄検出センサ46は、収穫用シリンダ65のロッド側端部に設けられた支持板70から可動刃側へ張設された張出部材47の先端側上部に取り付けられたスイッチ本体部46aと、このスイッチ本体部46aから延びる接触端子46bとを有したリミットスイッチであり、接触端子46bは開いた採果ハサミ40の可動刃42と固定刃41との間の空間45の上方に延びている。このため、採果ハサミ40が移動して可動刃42と固定刃41との間の空間45内に果房91の果柄92が位置すると、接触端子46bに果柄92が接触して果柄92の存在を確実に検出することができる。

【0049】
図1(a)及び図1(b)に示すように、高さ調節用シリンダ63よりも採果ハサミ40側へ張り出す収穫用シリンダ65のシリンダチューブ65aには、採果ハサミ40が果房支持部材10の上下位置と同じ又は略同じ位置にあることを検出する上下位置検出センサ53が設けられている。上下位置検出センサ53は収穫用シリンダ65と一体的に取り付けられており、収穫用シリンダ65の昇降移動とともに移動する。この上下位置検出センサ53は、収穫用シリンダ65に取り付けられた支持部材54を介して取り付けられて、採果ハサミ40と略同じ高さの位置に設けられている。このため、上下位置検出センサ53によって果房支持部材10が検出されると、採果ハサミ40が果房支持部材10の上下位置と同じ又は略同じ位置にあることになる。上下位置検出センサ53は、レーザ光を発射して反射光の光量を検出するいわゆる光センサであり、可視光や赤外光を発射するものでもよい。

【0050】
また収穫用シリンダ65に取り付けられた支持部材54には、株90から成長した果房91を撮影するカメラ30が取り付けられている。このカメラ30は上下位置検出センサ53に隣接するように配設されるとともに、採果ハサミ40と略同じ高さの位置に設けられ、カメラ30の対物レンズは採果ハサミ側へ向いている。このため、採果対象となる果房91を確実に撮影することができる。カメラ30はカラー映像を撮影可能な、例えば、CCDカメラであり、撮影した画像は、作動制御部80に送られて解析される。画像の解析内容については後述する。

【0051】
作動制御部80は、高さ調節用シリンダ63の作動を制御して採果ハサミ40を果房支持部材10の上下位置と同じ又は略同じ位置まで上下方向に移動させ、カメラ30により撮影された果房の画像に基づいて果房91が採取可能であるか否かを判断し、果房91が採取可能であると判断すると、搬送シリンダ61、収穫用シリンダ65の作動を制御して、採果ハサミ40を果房支持部材10に近接する位置まで移動させ、採果ハサミ40を果房支持部材10に吊り下げられた果房91の果柄92の位置まで移動させ、開閉シリンダ50の作動を制御して、採果ハサミ40によって果房91の果柄92を切断して挟持させる。

【0052】
カメラ30により撮影された果房91のカラー画像は、所定の画素に分解され、画素の色が特定色(例えば、赤色)を有し且つ所定の彩度を超えているか否かが判定され、特定色で且つ彩度が所定値を超えた画素数が所定値を超えていると果房が採取可能であると判断される。このため、図4に示す果房91'が青色である場合には、この果房91'が採取可能であると判断されることはない。

【0053】
次に、果菜類の果房収穫装置1を用いた果菜類の選択収穫方法について説明する。先ず、図3、図5、図6に示すように、昇降機構部20の手動式の油圧ポンプを操作して昇降機構部20の天板部23を昇降させて、採果ハサミ40(図1(b)参照)を果房支持部材10よりも少し下の位置に移動するように昇降機構部20の高さを粗調整する(ステップ100)。そして、走行車体15が、端に位置する栽培ベッドBに栽培されている株90の前方位置(収穫開始位置)に位置するように走行車体15を移動させる(ステップ101)。走行車体15の移動の開始は、作業者の操作スイッチの操作によって行われる。操作スイッチが操作されると、走行車体15がレールR上を走行し、磁力センサ4が定位置に設置された磁石3の磁力を検出すると、走行車体15が停止する。その後は、操作スイッチの操作は不要であり、走行車体15の走行・停止は自動的に繰り返される。なお、事前に昇降機構部20の粗調整が済んでいれば、作業者の操作スイッチの操作を行わなくても走行車体15の移動の開始や次の栽培ベッドBへの移動を自動的に行うことも可能である。また、無線機器(図示せず)の搭載により遠隔操作も可能である。

【0054】
走行車体15が定位置に移動すると、作動制御部80は上下位置検出センサ53から検出信号が検出されるまで高さ調節シリンダ63を伸長させて採果ハサミ40の高さ調整を行う(ステップ102)。そして、上下位置検出センサ53から検出信号が検出されると(ステップ103)、高さ調節シリンダ63の伸長動作を停止させて採果ハサミ40の昇降移動を停止する(ステップ104)。なお、上下位置検出センサ53から検出信号が検出されていない状態では、ステップ102に戻って高さ調節シリンダ63の伸長動作が継続される。

【0055】
採果ハサミ40の上下位置調整が終わると、作動制御部80はカメラ30により撮影された果房91が適採時期にあるか否かの判断を行う(ステップ105)。果房91が適採時期にあると判断されると、収穫用シリンダ65を伸長させるとともに開閉シリンダ50(図2参照)を伸長させて採果ハサミ40を開いた状態にする(ステップ106)。なお、ステップ105において果房91が適採時期にないと判断されるとステップ116に移行する。

【0056】
収穫用シリンダ65の伸長時において接近センサ44からの検出信号があるか否かが判断され(ステップ107)、接近センサ44から検出信号が出力されると、作動制御部80は、収穫用シリンダ65の伸長動作を停止させる(ステップ108)。一方、ステップ107において接近センサ44から検出信号が出力されていない場合には、ステップ106に戻って収穫用シリンダ65の伸長動作を継続させる。

【0057】
収穫用シリンダ65の伸長動作が停止されると、採果ハサミ40を果房支持部材10に沿って移動するように搬送シリンダ61を伸長させる(ステップ109)。そして、搬送シリンダ61の伸長時において果柄検出センサ46からの検出信号があるか否かが判断され(ステップ110)、果柄検出センサ46から検出信号が出力されると、作動制御部80は、搬送シリンダ61の伸長動作を停止させる(ステップ111)。一方、ステップ110において果柄検出センサ46から検出信号が出力されていない場合には、ステップ109に戻って搬送シリンダ61の伸長動作を継続させる。

【0058】
搬送シリンダ61の伸長動作が停止状態になると、開閉シリンダ50を縮小させて採果ハサミ40を閉状態にする(ステップ112)。採果ハサミ40が閉じると、果房91の果柄92がハサミによって切断されるとともに、果柄92が挟持される。

【0059】
果柄92が採果ハサミ40によって挟持されると、収穫用シリンダ65を縮小させて(ステップ113)、果房91を果房収穫装置内側に移動させる。そして、搬送シリンダ61を伸縮させて果房91を収納部69の上方に移動させる(ステップ114)。そして、高さ調整用シリンダ63を縮小させて果房91を収納部69の上方の近傍に移動させ、開閉シリンダ50を伸長させて採果ハサミ40を開いて(ステップ115)、果房91を収納部69に降ろす。

【0060】
そして、走行車体15を停止状態にしたままで、採果された果房に隣接する他の株90に採果ハサミ40が移動するように、ステップ102~ステップ115までを繰り返す(ステップ116)。そして、ステップ102~ステップ115までの繰り返し回数が数回(本実施例では2回)繰り返されたか否かが判断され(ステップ117)、繰り返し回数が2回であると判断されると、採果の対象となった株90が最後か否かの判断がされる(ステップ118)。なお、繰り返し回数は2回以上の任意の回数に設定可能である。ステップ117において、繰り返し回数が2回であると判断されないときには、ステップ116に戻る。

【0061】
ステップ118において、採果の対象となる株90が最後でない場合には、ステップ101に戻って果房収穫作業を継続し(図4参照)、採果の対象となる株90が最後であるときには、果房収穫作業は終了する。

【0062】
このように、果菜類の選択収穫方法は、採果ハサミ40を果房支持部材10の上下位置と同じ又は略同じ位置まで移動させた後に、カメラ30により撮影された果房91が採取可能であると、採果ハサミ40を果房支持部材10に近接する位置まで移動させ、果房支持部材10に吊り下げられた果房91の果柄92に接触する位置まで移動させ、そして採果ハサミ40を開閉して果房91の果柄92を切断して挟持させる動作を栽培ベッドBに沿って移動しながら行うので、採果ハサミ40が果房91の果実に接触して果実を傷める虞を無くすことができる。また採果ハサミ40を果房91の果柄92まで移動させる際に、採果ハサミ40を上下方向に移動させる制御を除き、採果ハサミ40の移動制御は、採果ハサミ40を果房支持部材10に近接させ、そして採果ハサミ40を果柄92に接触させて、採果ハサミ40の移動を停止させるように採果ハサミの移動を制御するので、果房支持部材10や果柄92の位置を予め解析して特定する必要がない。このため、カメラを複数設ける必要がなく、カメラによって撮影された画像解析が容易化されて、果房収穫装置1を簡素化することができる。

【0063】
なお、前述した実施の形態では、走行車体15はレールR上を走行する場合を示したがこれに限るものではなく、走行車体15はレールが敷設されていない栽培ベッドBの前を走行するものでもよい。また、採果ハサミ40の果房支持部材10側への移動に際し、採果ハサミ40を開いてから果房支持部材10に近接させる代わりに、採果ハサミ40を果房支持部材10に近接する位置まで移動させてから採果ハサミ40を開くようにしてもよい。

【0064】
[第2の実施の形態]
次に、第2の実施の形態に関する果菜類の果房収穫装置について説明する。第2の実施の形態については、前述した第1の実施の形態との相違点のみを説明し、第1の実施の形態と同一態様部分については同一符号を附してその説明を省略する。

【0065】
直列的に並ぶ栽培ベッドBの長手方向両端部に立設された支柱11の上部には、図7(側面図)及び図8(斜視図)に示すように、これらの支柱11を連結する連結パイプ12が接続されている。この連結パイプ12は略水平方向に延びた状態で支柱11間に接続されている。

【0066】
連結パイプ12の下方には、前述した果房支持部材10が移動手段100によって上下方向に位置調節自在に架設されている。移動手段100は、一対の支柱11よりも手前側に配置されて連結パイプ12に回転自在に支持された直管パイプ101と、直管パイプ101を連結パイプ12に対して回転させる回転機構部103と、直管パイプ101に対して果房支持部材10を吊り下げる紐部材109とを有して構成される。果房支持部材10の両端部は、対応する支柱11に沿って移動可能に支持されている。なお、図8には、支柱11に接続された連結パイプ12の端部に上端部が接続されて連結パイプ12を支持する支柱11'に果房支持部材10の端部が支柱11'に沿って移動可能に支持されている場合が示されている。

【0067】
直管パイプ101は、連結パイプ12に沿って延びて連結パイプ12に設けられた支持部102に回転自在に支持されている。支持部102は、一端部が連結パイプ101に取り付けられ、他端部に直管パイプ101を挿通可能な孔部を備えて構成される。この孔部に直管パイプ101を挿通することにより、直管パイプ101は連結パイプ12に回転自在に支持される。

【0068】
回転機構部103は、操作ハンドル104の回転操作によって直管パイプ101を回転させるものであり、操作ハンドル104と、操作ハンドル104の回転力を直管パイプ101に伝達する動力伝達軸105と、動力伝達軸105に伝達された操作ハンドル104の回転力の伝達方向を変えて直管パイプ101に伝達する伝達方向変換部106とを有してなる。

【0069】
操作ハンドル104は、横方向に延びる棒状部材の一端部を下方に折り曲げてなる把手部104aを有し、棒状部材の他端部は上方に折り曲げて動力伝達軸105に接続されている。動力伝達軸105は、伝達方向変換部106の下部に連結されて下方へ延びる保護管107内に挿通され、その上端部が伝達方向変換部106に連結されている。操作ハンドル104は、一方の手で把手部104aを把持し、他方の手で保護管107の下部を把持した状態で、把手部104aを回転させるようにして使用される。把手部104aを回転させると、把手部104aは動力伝達軸105の中心軸線を回転支点として回転し、把手部104aの回転に伴って動力伝達軸105が回転する。動力伝達軸105の回転力は、伝達方向変換部106を介して直管パイプ101に伝達されて、直管パイプ101が回転する。

【0070】
このように操作ハンドル104を回転させると直管パイプ101が回転するので、操作ハンドル104の回転によって直管パイプ101に接続された紐部材109を直管パイプ101に巻き上げ又は繰り出して、果房支持部材10を略水平状態に維持したままで上下方向に移動させることができる。紐部材109は、ワイヤーロープが用いられる。

【0071】
果房を切断・挟持する採果ハサミ40は、図9(斜視図)及び図10(斜視図)に示すように、果房支持部材10(図7参照)の長手方向に沿って延びる方向に配置されるとともに、採果ハサミ40の刃部48(可動刃42)が固定刃41に対して略垂直方向に回動可能に配置されている。このため、採果ハサミ40の刃部48全体を果房支持部材10(図7参照)に近接させた位置に配置することができ、後述するように、果房支持部材10に掛止された果房91の果柄92が短い場合でも、果房91を傷つけることなく収穫することができる(図11参照)。採果ハサミ40は、収穫用シリンダ65のシリンダロッド65bの先端部に支持板70を介して取り付けられた板状の支持部材72に固定されている。なお、収穫用シリンダ65は、高さ調節用シリンダ63の進行方向前側に設けられたスライダに取り付けられ、収穫用シリンダ65のシリンダロッド65bの先端部に取り付けられた支持板70の先端下部に支持部材72が固定されている。

【0072】
支持部材72は、収穫用シリンダ65の伸縮方向に対して略直交する方向に延びた状態で配置され、採果ハサミ40は支持部材72に沿って支持部材72に取り付けられている。このため、支持部材72が果房支持部材10に面した状態になると、垂直方向に配置された採果ハサミ40の刃部48を果房支持部材10の側面に沿って配置することができる。

【0073】
接近センサ44は、支持部材72の下部に設けられた保持板73に取り付けられ(図11参照)、スイッチ本体部44aから延びる接触端子44bは採果ハサミ40(支持部材72)よりも果房支持部材側に突出して設けられている。このため、支持部材72が果房支持部材10に面した状態で収穫用シリンダ65が伸長して採果ハサミ40が果房支持部材側に移動すると、接触端子44bが最初に果房支持部材10に接触して、採果ハサミ40が果房支持部材10に接近移動したことを検出することができる。

【0074】
なお、接近センサ44は、図12(斜視図)に示すように、支持部材72の果房支持部材側の側面に取り付けられた光学式の非接触センサでもよい。この場合、非接触の接近センサ44から出力された光が果房支持部材10の上面又は側面に当たり、且つ反射光が非接触の接近センサ44に戻ることができるように、接近センサ44を支持部材72に取り付ける。また接近センサ44の果房支持部材側の端面は、使用する接近センサに応じて、採果ハサミ40の果房支持部材側の端部と同一平面上又は前記端部よりも内側若しくは外側に配置する。

【0075】
このように、接近センサ44として光学式の非接触センサを用いた場合でも、接触センサを用いた場合と同様に、支持部材72が果房支持部材10(図11参照)に面した状態で収穫用シリンダ65が伸長して採果ハサミ40が果房支持部材側に移動すると、採果ハサミ40が果房支持部材10に接近移動したことを検出することができる。

【0076】
天板部23の長手方向前側には、図9及び図13に示すように、採果された果房91を搬送する搬送コンベヤ110が設けられている。搬送コンベヤ110は、天板部23の長手方向に間隔を有して回転自在に支持された駆動ローラ111及び従動ローラ112とこれらのローラ間に掛け回された無端ベルト113と、これらのローラを回転自在に支持する枠体114を有してなる。

【0077】
駆動ローラ111には電動モータ等の駆動源(図示せず)が接続されて、駆動源が駆動することで、駆動ローラ111が回転する。枠体114は、天板部23の短手方向に間隔を有した配置された一対の側板部114aを備え、枠体114の底部と天板部23との間に設けられたスライドレール115によって、枠体114は、天板部23の短手方向にスライド自在である。つまり、枠体114は、走行車体15の進行方向に対して幅方向にスライド自在に設けられている。このため、枠体114を天板部23に対してスライドさせることで、採果された果房を所望の位置に搬出することができる。

【0078】
駆動ローラ111の駆動源は、自動で作動させる。この場合、一対の側板部114aのうち天板部短手方向内側の側板部114aに果房の有無を検出可能な非接触式の果房検出センサ117を設け、この果房検出センサ117により果房が検出されると、作動制御部80が駆動源を駆動させるようにしてもよい。

【0079】
このように構成された果房収穫装置1によって果房を収穫する際に、図7に示すように、回転機構部103の操作ハンドル104を操作すると、果房支持部材10を上下方向に移動させて果房支持部材10に掛止された果房91の上下位置を調節することができるので、果房収穫装置側の昇降機構部23の高さ粗調整の負担を軽減することができる。

【0080】
また図7に示す栽培ベッドBに栽培された株90に上下方向に複数の段の果菜の果房91が生育されている場合(図7では2段を示す)、1段目の果房91を収穫した後に、2段目の果房91'を収穫する場合には、前述した作動制御部80は、図5及び図6に示すように、ステップ100からステップ118を実行する。そして、作動制御部80がステップ118で最後の株と判断して1段目の収穫作業を終了すると、作業者Mは走行車体15を収穫開始位置に移動させる。なお、2段目の果房の収穫を行う場合、走行車体15を収穫開始位置に戻す作業を、作動制御部80の指令に基づいて行うようにしてもよい。

【0081】
走行車体15が収穫開始位置に移動すると、作業者Mは回転機構部103の操作ハンドル104を操作して、果房支持部材10を上下方向に移動させ、株90の2段目の果房91'を果房支持部材10に掛止し易い位置に果房支持部材10の上下位置を調節する。

【0082】
そして、作業者Mが操作スイッチを操作し、作動制御部80がステップ100からステップ118を実行する(図5、図6参照)。ここで、ステップ107において、図11に示すように、接近センサ44によって採果ハサミ40が果房支持部材に接近したことを検出すると、採果ハサミ40の刃部48は略垂直方向に配置されているため、果房支持部材10に掛止された果房91の果柄92が短い場合でも、採果ハサミ40の刃部48を果房支持部材10から延び出る果柄92の基端側に配置して切断することができる。このため、刃部48が果房91に接触する虞を抑えることができ、果房91を傷つけることなく収穫することができる。

【0083】
またステップ115(図6参照)において、採果ハサミ40が開いて収穫された果房91が搬送コンベヤ110に降ろされると、搬送コンベヤ110によって果房91が所望の位置に搬送される。そして、2段目の最後の株が検出されると(ステップ118)、2段目の果房の収穫作業を終了する。なお、3段目の果房の収穫を行う場合は、作業者Mが走行車体15を収穫開始位置に移動させてから操作スイッチを操作し、作動制御部80によってステップ100からステップ118を実行させる。3段目の果房の収穫を行う場合、走行車体15を収穫開始位置に戻す作業を、作動制御部80の指令に基づいて行うようにしてもよい。

【0084】
このように、果房支持部材10を上下位置調節可能に設けることで、1つの株に上下複数段の果房が生育されている場合でも、段の数に応じた果房支持部材10を支柱11間に設けることなく、各段の果房の収穫を行うことができる。また採果ハサミ40の刃部48を略垂直方向に配置することで、果房支持部材10に掛止される果房91の果柄92が短い場合でも、果房を傷つけることなく収穫することができる。なお、果房支持部材10は、2段以上、上下方向に位置調節自在に設けてもよい。
【符号の説明】
【0085】
1 果房収穫装置
10 果房支持部材
15 走行車体
30 カメラ
40 採果ハサミ
44 接近センサ
44b、46b 接触端子
45 空間
46 果柄検出センサ
50 開閉シリンダ(開閉アクチュエータ)
53 上下位置検出センサ
60 移動機構部
61 搬送シリンダ(移動アクチュエータ)
63 高さ調節用シリンダ(移動アクチュエータ)
65 収穫用シリンダ(移動アクチュエータ)
80 作動制御部
90 株
91 果房
92 果柄
110 搬送コンベヤ
B 栽培ベッド
図面
【図1】
0
【図2】
1
【図3】
2
【図4】
3
【図5】
4
【図6】
5
【図7】
6
【図8】
7
【図9】
8
【図10】
9
【図11】
10
【図12】
11
【図13】
12